JP2007084028A - パワーステアリング電動駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、操舵ハンドルの操舵操作に対してアシストトルクを付与すべく、検出された操舵トルクと車速とに基づきベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、ベースアシスト指令決定手段の出力を利用して同電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、を備えた車両のパワーステアリング電動駆動装置であって、特に、ベースアシスト指令決定手段に起因する操舵系の不安定化の防止、不連続な操舵フィーリングの改良等が可能なベースアシスト指令決定手段を新規に提供するものである。
【解決手段】 ベースアシスト指令決定手段1に、ゼロから出力絶対上限値までの入出力関係を可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数とする入出力関係に従い、入力に応じたベースアシスト指令を出力する静的非線形振幅増幅手段1−1と、可変連続微分係数を支配する静的非線形関数の係数を車速に応じ連続的に決定する係数決定手段1−2とを、備えることにより課題を解決した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操舵ハンドルの操舵操作に対してアシストトルクを付与すべく、検出された操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、ベースアシスト指令決定手段の出力を利用して同電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、を備えた車両のパワーステアリング電動駆動装置に係る。
この種のパワーステアリング電動駆動装置は、例えば、特開平7−267109号、特開2001−260925号等に開示されているように、複数の代表動作点における操舵トルク、車速に応じたベースアシスト指令(これらの文献ではベース電流指令)を予め実験的に定め、この複数の動作点での入出力関係をマップ情報として記憶し、記憶した複数の入出力関係を全動作点にわたり直線的に連結することにより、全動作点における操舵トルクと車速に応じたベースアシスト指令を決定するようにしていた。
しかしながら、上記従来技術においては、予め実験により定められた複数の動作点前後において、ベースアシスト指令(ベース電流指令)が不連続に急変するため、アシストトルクが急変(不安定に変動)したり、連続的な操舵フィーリングが得られずこれが悪化することがあった。また、操舵系が全系として不安定となり、操舵系に振動が発生する等の問題が起きることがあった。このような問題を解決するために、例えば、特開2001−138940号に見られるように、操舵トルクの単位変化量に対するベース電流指令の変化量が急変しないようにするなど、煩雑な特殊処理を施してきた。
発明が解決しようとする課題
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、アシストトルクが不安定に変動したり、あるいは操舵フィーリングが連続性を欠如してこれが悪化しない、更には操舵者が操舵者の好みに応じて操舵フィーリングを調整できる特性を備えたパワーステアリング電動駆動装置を提供することにある。加えて、マップを用いた煩雑な手段構成を要せず、これらの特性を関数の係数設定を介して簡単に実現できるパワーステアリング電動駆動装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベーストルク指令あるいはこれに準じたベース電流指令であるベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、該ベースアシスト指令を利用して該アシスト用電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備えて、操舵をアシストするパワーステアリング電動駆動装置において、該ベースアシスト指令決定手段は、ゼロから出力絶対上限値までの入出力関係を可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数とする入出力関係に従い、入力に応じたベースアシスト指令を出力する静的非線形振幅増幅手段と、該可変連続微分係数を支配する該静的非線形関数の係数を車速に応じ連続的に決定する係数決定手段とを、備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、該静的非線形振幅増幅手段は、双曲線関数を用いて該静的非線形関数を構成することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、該係数決定手段は、車速を変数とし車速ゼロで1を取る正値関数を車速ゼロ時の該静的非線形関数の係数に乗じて、任意車速時の該静的非線形関数の係数を決定するように構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、該係数決定手段は、該正値関数を、車速の絶対値を直接的な変数とする有理関数とすることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、該係数決定手段は、操舵者が、車速ゼロ時の該静的非線形関数の係数と該正値関数の係数とを設定するための係数設定手段を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、該アシスト用電動機を、電動機への入力電力が交流電力である交流電動機とすることを特徴とする。
次に本発明の作用について説明する。請求項1の発明によれば、ベースアシスト指令決定手段は、操舵トルクあるいは基準トルクを入力としてベースアシスト指令(ベーストルク指令あるいはベース電流指令)を出力する。この際、ゼロから出力絶対上限値までの入出力関係を可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数の入出力関係とする静的非線形振幅増幅手段と、可変連続微分係数の大きさを車速に応じ連続的に決定する係数決定手段とを備えることになる。連続微分係数の可変性は車速に応じたものであるので、車速が一定の場合(停止時を含む)には、静的非線形振幅増幅手段の入出力関係は、連続微分係数をもつ静的な非線形関数で特色づけられることになる。従って、入力信号に応じた出力信号たるベースアシスト指令(ベーストルク指令あるいはベース電流指令)の変化は、入力信号の変化と同定度の連続的微分値をもつスムーズなものとなる。この結果、ベースアシスト指令に基づき、電動機駆動制御装置及びアシスト用電動機を介して発生されたアシストトルクは、同様にスムーズなものとなり得る。ひいては、不安定な変動を抑えた、しかも連続的な操舵フィーリングを生成し得るアシストトルクが生成されると言う作用が得られる。ベースアシスト指令決定手段は、静的非線形振幅増幅手段における連続微分係数の大きさを車速に応じ連続的に決定する係数決定手段をも備えている。従って、車速が変化する場合にも、本係数決定手段により、車速が一定の場合と同様な特性を持ったアシストトルクが生成されると言う作用が得られる。
次に、本発明の請求項2の作用について説明する。請求項2の発明は、双曲線関数を用いて、ゼロから出力絶対上限値までの入出力関係を規定する静的非線形関数を構成するものである。この種の代表的な構成例は、入力信号τinとして操舵トルクまたは基準トルクを、出力信号(ベースアシスト指令)τoutとしてベーストルク指令を選択し、更に、出力絶対値をτmax>0とすると、次の(1)式のように与えることができる。
Figure 2007084028
双曲線関数を用いて構成された(1)式の入出力関係(静的非線形関数)は、設計パラメ
Figure 2007084028
場合には一定である。今、説明の簡明さを保つため車速一定の条件の下で、出力信号を入力信号で微分すると、次の(2)式が得られる。
Figure 2007084028
(2)式より、(1)式の微分係数は−g〜0〜+gへと跳躍することなく連続的に変化していることが確認される。すなわち、次の(3)式の関係が連続的に成立していることが確認される。
Figure 2007084028
双曲線関数を用いて構成された(1)式の静的非線形関数に関し、設計パラメータたる4係数をτ=0.5,τ=1.0,g=8.0/13.0,τmax=2.5と選定した場合の例を図3に示した。同図からは、(1)式は、出力絶対値τmax以内では、(2)式に示した連続な微分係数を有している事実が容易に視認される。4係数を他の値に選定する場合も、同様な連続な微分係数を有する形状が得られる。これらの4係数が車速に応じて連続的に可変する場合にも4係数に応じた双曲線形状が維持され、ひいては車速が連続的に変化する場合にも入出力関係における微分係数の連続性は維持される。なお、アシスト電動機によるアシストトルクが操舵トルク検出軸換算で約13倍のトルク倍率を有すると仮定するならば、図3は、操舵トルクに対して約8倍のアシストトルクを生成するための静的非線形関数の1例となる。
(1)式の静的非線形関数は、図3において破線で明示したように、次の(4)式に示した漸近直線をもつ。
Figure 2007084028
(4)式の漸近直線は、従来のベースアシスト指令決定手段において最もよく利用されてきた直線結合式と基本的に同じである。換言するならば、(1)式の静的非線形関数は、従来のベースアシスト指令決定手段において最もよく利用されてきた直線結合式を、連続微分係数をもつ形でスムーズ化したものとして捕らえることもできる。以上の説明より当業者には既に明白なように、請求項2の発明によれば、従来のベースアシスト指令決定手段において最もよく利用されてきた直線結合式を連続微分係数をもつ形でスムーズ化した入出力関係を、容易に実現できると言う作用が得られる。
次に、本発明の請求項3の作用について説明する。請求項1の発明における静的非線形関数を構成する係数は、基本的に、車速を変数とする関数でる。関数を構成する係数の関数性を具体的かつ簡明に説明するために、静的非線形関数を請求項2の発明による双曲線関数を用いて構成した例を取り上げる。(1)式は、入力信号、出力信号を夫々τin、τout
Figure 2007084028
は一般的には車速vに応じて可変されるべきものである。すなわち、4係数は、一般的には車速vを変数とする関数であり、数学的に厳密な形で表現するならば、次の(5)式となる。
Figure 2007084028
車速一定の場合には4係数は一定値となる。
請求項3の発明は、車速を変数とし車速ゼロで1を取る正値関数を車速ゼロ時の該静的非線形関数の係数に乗じて、任意車速時の静的非線形関数の係数を決定するように構成するものである。上の4係数の例では、請求項3の発明に従えば、これは以下のように決定することになる。
Figure 2007084028
(6)式におけるf(ν)>0;i=1,2,3,4が、車速を変数とし車速ゼロで1を取る正値関数である。以上の例から当業者には容易に理解されるように、請求項3の発明によれば、静的非線形関数を構成する係数を、車速ゼロ時の係数と正値関数との独立的設計により簡単に決定できるようにななる。すなわち、請求項3の発明によれば、任意の車速における静的非線形関数を、車速ゼロ時の係数と正値関数との独立的に設計により、簡単に決定できると言う作用が得られる。
続いて、本発明の請求項4の作用について説明する。請求項4の発明に従えば、例えば第i番目の正値関数を、車速の絶対値|ν|を直接的な変数とする次の(7)式のように設計することになる。
Figure 2007084028
車速の絶対値を直接的な変数とする関数は、上の例から容易に理解されるように、車速を変数とする関数の1つである。本正値関数は、車速ゼロでは1をとり、車速の向上と共に単調に減少あるいは増加し、車速が十分に高いときには概ねb/aをとることができる。設計パラメータたる有理関数の係数選定により、減少特性あるいは増加特性を指定することができる。
(7)式の1例として、分母分子の次数を共に1次として、設計パラメータたる係数を次の(8)式、(9)式のように選定した場合の特性を、図5に(a)、(b)として各々示した。
Figure 2007084028
Figure 2007084028
図5は、減少特性あるいは増加特性の1例に過ぎない。設計パラメータたる有理関数の次数を上げ、すなわち係数の数を増すことにより、希望の特性を得ることが可能である。なお、特別の場合として、分母分子とも0次に選定する場合には、(7)式は常時1を取る定数となる。当業者には以上の説明より容易に理解されるように、請求項4の本発明によれば、車速を変数とし車速ゼロで1を取り車速絶対値の増加に応じて減少あるいは増加する正値関数を簡単に構成できると言う作用が得られる。しかも、正値関数の特性を係数の選定を通じ簡単に設定できると言う作用も得られる。
続いて、本発明の請求項5の作用について説明する。請求項3の発明を利用するならば、車速ゼロ時の静的非線形関数の係数と正値関数との決定を通じて、任意車速時での可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数を決定できるようになる。更に請求項5の発明によれば、操舵者自身が、車速ゼロ時の静的非線形関数の係数、正値関数の係数を設定できるようになる。この結果、請求項5の発明によれば、操舵者自身が、任意車速時での可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数を、操舵者自身の好みに合わせて、決定できるようなると言う作用が得られる。
続いて、本発明の請求項6の作用について説明する。アシスト用電動機としては、多くの先行発明が示すように、現状では主に、電動機への入力電力が直流電力である直流電動機が利用されている。直流電動機は、機構的制約から回転子の慣性モーメントが大きく、直流電動機をアシスト電動機として利用する場合には、操舵者からみた慣性モーメントを不要に大きくする。また、このための特別の擬似慣性低減回路(モータ慣性補償用の補助トルク指令を生成するための回路)の構築が不可欠であった。一方、電動機への入力電力が交流電力である交流電動機は、直流電動機に比較し、回転子慣性モーメントが格段に小さいと言う特性をもっている。請求項1のパワーステアリング電動駆動装置におけるアシスト用電動機として交流電動機を利用することにより、操舵者から見た慣性モーメントの増加を小さく抑えるという作用が得られる。ひいては、請求項1の作用を、直流電動機利用に比較し、より際立たせることができると言う作用が得られる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明を利用したパワーステアリング電動駆動装置の代表的な1実施形態例を図1に示す。本電動駆動装置を構成する主要機器は、ベースアシスト指令決定手段を実現したベースアシスト指令決定器1、アシスト用電動機2、及び、アシスト用電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段を実現した電動機駆動制御装置3である。なお、本実施形態例は、アシスト用電動機として交流電動機を採用した例となっている。
ある車速で、操舵者により操舵されると、操舵トルクは操舵トルク検出器で検出され、これはベースアシスト指令決定器に入力される。操舵システムの全系の動特性に依存するが、検出された操舵トルクは位相補償器を通じて位相補償を施した上で、ベースアシスト指令決定器に入力してもよい。図1では、位相補償器を通じて位相補償された信号を基準トルクとしている。また、操舵トルク、基準トルクの何れをベースアシスト指令決定器の入力とするか、切換えが可能としている。操舵時の車速は、車速検出器で検出され、ベースアシスト指令決定器に入力されている。図1の実施形態例では、更に、本発明に基づき、設定信号をベースアシスト指令決定器に入力している。設定信号に関する説明は後に詳述する。ベースアシスト指令決定器はこれらの入力を得て、ベースアシスト指令を出力している。本実施形態例では、ベースアシスト指令は、ベーストルク指令としている。
ベーストルク指令に必要に応じて補助トルク指令を加算し、最終トルク指令が生成され、これが電動機駆動制御装置3に入力される。アシスト用電動機として直流電動機を利用する場合には、操舵者からみた慣性モーメントが不要に大きくなるため、操舵フィーリングの改善には、増大慣性モーメントに対する特別の擬似慣性低減回路の構築が不可欠である。補助トルク指令は、擬似慣性低減回路からの出力信号である。アシスト用電動機として交流電動機を利用する場合には、必ずしも、擬似慣性低減回路は必要ない。この点を考慮し、図1では、補助トルク指令を破線で示している。
電動機駆動制御装置は、最終トルク指令を得ると、アシスト用電動機に、最終トルク指令に合致したアシストトルクを発生せしめるべく、これを駆動制御する。アシスト用電動機として交流電動機を利用する場合には、この駆動制御法はベクトル制御法によることになる。同期電動機、誘導電動機などの交流電動機のベクトル制御には、電動機の回転子の位置速度情報が必要である。これは、回転子に装着されたレゾルバー等により検出される。図1では、レゾルバー等により検出された位置速度情報を含む源信号を駆動補助信号として示している。電動機駆動制御装置では、源信号を信号検出器で処理して、所要の位置あるいは速度情報を得ている。
同期電動機、誘導電動機などの交流電動機においては、一般には、固定子電流と発生アシストトルクとの間に線形関係はない。ベクトル制御法により、固定子電流に特別の制約を課すことにより、固定子電流と発生アシストトルクの線形性の維持を図ることは可能であるが、本制御則を適用する場合には一般には効率を損なうことになる。図1における指令変換器は、効率を考慮して固定子電流の電流指令を決定する役割を担っている。電動機駆動制御装置3における主装置は、バッテリーなどから得られた直流電力からアシスト用電動機を駆動制御するに必要な交流電力を発生するベクトル制御されたインバータで構成されている。交流電動機の効率運転のためのベクトル制御法に関しては、例えば以下の文献等で当業者には既に公知であるので、これ以上の説明は省略する。
新中新二:「効率重視の電流制御に向けた突極形同期モータのベクトル信号による解析」、電気学会論文誌D、Vol.119,No.5,pp.648−658(1999−5)
新中新二:「突極形永久磁石同期モータの広範囲高効率運転のための鉄損を考慮した実用的最適電流指令法」、電気学会論文誌D、Vol.123,No.11,pp.1360−1370(2003−11)
新中新二:「固定子及び回転子に鉄損を有する誘導モータの最小損失制御方策」、電気学会論文誌D、Vol.118,No.3,pp.421−422(1998−3)
パワーステアリング電動駆動装置における本発明は、ベースアシスト指令決定手段を実現したベースアシスト指令決定器1にある。以下では、ベースベースアシスト指令決定器に焦点を当てて、図面を用いながらこれを詳しく説明する。図2は、本発明によるベースアシスト指令決定器の内部構造の代表的1例を示したものである。ベースアシスト指令決定器は、静的非線形振幅増幅手段を実現した静的非線形振幅増幅器1−1と、係数決定手段を実現した係数決定器1−2から構成されている。本例での静的非線形振幅増幅器は、操舵トルクあるいは基準トルクを入力として、ベースアシスト指令を出力している。
静的非線形振幅増幅器の入出力は、ゼロから出力絶対上限値までの入出力関係を可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数とするものであり、係数決定器は、静的非線形振幅増幅器における静的非線形関数の可変連続微分係数を支配する係数を車速に応じ連続的に決定するものである。より具体的には、係数決定器によって生成された係数信号により静的非線形振幅増幅器の係数を決定している。係数決定器による静的非線形振幅増幅器の係数決定の関係を明示すべく、図2では、これを、係数信号による静的非線形振幅増幅器への貫徹矢印で示している。
図3は、静的非線形振幅増幅器における静的非線形関数の1例を示したものである。図3の入出力信号は、図2に対応させている。すなわち、入力信号τinは操舵トルクまたは基準トルクであり、出力信号τoutはベースアシスト指令(ベーストルク指令)である。なお、図3は、(1)式の静的非線形関数において、τ=0.5,τ=1.0,g=8.0/13.0,τmax=2.5なる条件で描画したものでもある。
図2に明示しているように、本実施形態例は、車速に加えて設定信号も係数決定器1−2への入力信号としている。図4は、この詳細を示すべく、本係数決定器1−2の内部構造に関する代表的1例を示したものである。これは、ゼロ速係数設定器1−2a、正値関数器1−2b、関数係数設定器1−2c、乗算器1−2dから構成されている。ゼロ速係数設定器1−2aは、操舵者から指示された設定信号を受けて、静的非線形振幅増幅器における静的非線形関数の車速ゼロ時の係数を保存し、かつ乗算器へ向け出力する。関数係数設定器1−2cは、操舵者から指示された設定信号を受けて、正値関数の係数を保存すると共に、これを正値関数器へ向け出力する。正値関数器は、予め定めた正値関数に関数係数設定器から指示された係数を適用し、車速に応じた正値を出力する。正値関数は、請求項4の発明である(7)式の関係に従い構成すればよい。例えば、静的非線形関数として(1)式(または図3)のものを利用する場合には、静的非線形関数は4個の係数をもつことになり、本4係数は(6)式に従って構成される。本4係数のための簡単な正値関数の1例は、次のように構成すればよい。
Figure 2007084028
(10)式と(7)式との対応より明白なように、(10)式第1式は、分母分子ともにゼロ次を、また(10)式第2式は分母分子ともに1次を採用している。図5(a)には、(10)式第2式の正値関数の減少特性の1例を示した。乗算器1−2dは、ゼロ速係数設定器からの信号と正値関数器からの信号とを乗算し、乗算結果を静的非線形関数の係数のための係数信号として、静的非線形振幅増幅器へ送る。
以上、本発明によるパワーステアリング電動駆動装置に関し、各種の図を利用しつつ具体的かつ詳しく説明した。本発明の主眼であるベースアシスト指令決定器は、アナログ的に実現可能であるが、最近のディジタル技術の著しい進歩を考えるとディジタル的に構成することが好ましい。ディジタル構成はハードウェア的構成とソフトウェア的構成があるが、当業者にとっては既に自明のように本発明はいずれでも構成できる。
図1を利用した実施形態例では、アシスト用電動機として交流電動機を利用したが、本発明によるベースアシスト指令決定器は、アシスト用電動機として直流電動機を利用することも可能である。直流電動機の場合には、電動機への電流と発生アシストトルクとは比例関係にあるので、ベースアシスト指令は、ベーストルク指令に代わってベース電流指令としてよい。またこれにより、わずかながら計算量を軽減することができる。当然のことながら、直流電動機を利用する場合には、直流電動機のための電動駆動制御装置には、レゾルバー等を利用した回転子の位置速度情報の検出は不要である。
本発明によるパワーステアリング電動駆動装置は、コラムアシスト形、ラックアシスト形、ピニオンアシスト形等を含む各種の形式のパワーステアリングに適用可能である点を指摘しておく。
発明の効果
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、ベースアシスト指令に基づきアシスト用電動機を通じ発生されるアシストトルクは、スムーズなものとなり、ひいては、不安定な変動を抑えた、しかも連続的な操舵フィーリングを生成し得るアシストトルクが生成されると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項1の発明によれば、操舵システムの不安定な変動を抑えることができるようなる、また連続的で良好な操舵フィーリングを達成できるようになると言う効果が得られるようになる。
次に、請求項2の発明による効果を説明する。請求項2の発明によれば、従来のベースアシスト指令決定手段において最もよく利用されてきた直線結合式を連続微分係数をもつ形でスムーズ化した入出力関係を容易に実現できると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項2の発明によれば、従来のベースアシスト指令決定手段においてマップ情報として蓄積してきたベースアシスト指令決定手段における入出力関係(すなわち、従来成果)を、容易に継承活用できるようになると言う効果が得られるようになる。ひいては、請求項2の発明によれば、従来から蓄積した操舵フィーリングを容易に継承活用できるようになる。すなわち、請求項1の効果をより高めることができると言う効果が得られるようになる。
請求項3の発明の効果を説明する。請求項3の発明によれば、ベースアシスト指令決定器の主要構成部である静的非線形振幅増幅器の静的非線形関数に関し、任意の車速における静的非線形関数を、車速ゼロ時の係数と正値関数との独立的に設計により、簡単に決定できると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項3の発明によれば、全車速域にわたって動作可能な静的非線形振幅増幅器を関数的にかつ容易に構成・実現できると言う効果が得られる。ひいては、請求項3の発明によれば、請求項1の効果を容易に達成できるようになると言う効果が得られるようになる。
請求項4の発明の効果について説明する。請求項4の発明によれば、車速を変数とし車速ゼロで1を取り車速絶対値の増加に応じて減少あるいは増加する正値関数を簡単に構成できると言う作用が得られた。しかも、正値関数の特性を係数の選定を通じ簡単に設定できると言う作用も得られた。これらの作用の結果、請求項4の発明によれば、係数決定器の主要な構成部であり請求項3の効果を奏する正値関数器を容易に構成・実現できるようになると言う効果が得られるようになる。
請求項5の発明の効果を説明する。請求項5の発明によれば、操舵者自身が、任意車速時での可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数を、操舵者自身の好みに合わせて、決定できるようなると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項5の発明によれば、操舵者が操舵者の好みに応じて操舵フィーリングを調整できるようになると言う効果が得られるようになる。
続いて、請求項6の発明の効果を説明する。請求項6の発明によれば、操舵者から見た慣性モーメントの増加を小さく抑えるという作用が得られた。ひいては、請求項1の作用を、直流電動機利用に比較し、より際立たせることができると言う作用が得られた。この採用の結果、請求項6の発明によれば、請求項1の効果をより高めることができると言う効果が得られるようになる。
パワーステアリング電動駆動装置の1構成例を示すブロック図 1実施形態例におけるベースアシスト指令決定器の構成を示すブロック図 1実施形態例における静的非線形振幅増幅器の静的非線形入出力関係を示す図 1実施形態例における係数決定器の構成を示すブロック図 車速の絶対値を直接的な変数とする有理関数の2特性例を示す図
符号の説明
1 ベースアシスト指令決定器
1−1 静的非線形振幅増幅器
1−2 係数決定器
1−2a ゼロ速係数設定器
1−2b 正値関数器
1−2c 関数係数設定器
1−2d 乗算器
2 アシスト用電動機
3 電動機駆動制御装置

Claims (6)

  1. 操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベーストルク指令あるいはこれに準じたベース電流指令であるベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、該ベースアシスト指令を利用して該アシスト用電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備えて、操舵をアシストするパワーステアリング電動駆動装置において、
    該ベースアシスト指令決定手段は、
    ゼロから出力絶対上限値までの入出力関係を可変かつ連続微分係数をもつ静的非線形関数とする入出力関係に従い、入力に応じたベースアシスト指令を出力する静的非線形振幅増幅手段と、
    該可変連続微分係数を支配する該静的非線形関数の係数を車速に応じ連続的に決定する係数決定手段とを、
    備えることを特徴とするパワーステアリング電動駆動装置。
  2. 該静的非線形振幅増幅手段は、双曲線関数を用いて該静的非線形関数を構成することを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング電動駆動装置。
  3. 該係数決定手段は、車速を変数とし車速ゼロで1を取る正値関数を車速ゼロ時の該静的非線形関数の係数に乗じて、任意車速時の該静的非線形関数の係数を決定するように構成したことを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング電動駆動装置。
  4. 該係数決定手段は、該正値関数を、車速の絶対値を直接的な変数とする有理関数とすることを特徴とする請求項3記載のパワーステアリング電動駆動装置。
  5. 該係数決定手段は、操舵者が、車速ゼロ時の該静的非線形関数の係数と該正値関数の係数とを設定するための係数設定手段を備えることを特徴とする請求項3記載のパワーステアリング電動駆動装置。
  6. 該アシスト用電動機を、電動機への入力電力が交流電力である交流電動機とすることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング電動駆動装置。
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