JP2007083201A - 多層塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外観上ピンホールがなく、且つ仕上がり性に優れた多層塗膜を形成する多層塗膜形成方法を提供すること。
【解決手段】塗装対象物の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合開始剤を含有する第1の塗料を塗装して第1塗膜を形成する第1工程と、重合開始剤を活性化し得る第1の光線を第1塗膜に照射して第1塗膜の重合性樹脂を予備重合させる第2工程と、第1塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成する第3工程と、第1,第2塗膜を同時に加熱して熱硬化させる第4工程とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】塗装対象物の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合開始剤を含有する第1の塗料を塗装して第1塗膜を形成する第1工程と、重合開始剤を活性化し得る第1の光線を第1塗膜に照射して第1塗膜の重合性樹脂を予備重合させる第2工程と、第1塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成する第3工程と、第1,第2塗膜を同時に加熱して熱硬化させる第4工程とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、塗装対象物に多層塗膜を形成する方法に関し、特に重合触媒や重合開始剤を含有させた塗料の塗膜に光線を照射して予備重合させ、その塗膜の表面に別の塗料をウェット・オン・ウェットで塗装する多層塗膜形成方法に関する。
一般に、自動車の車体の多層塗膜は、通常、電着塗装、中塗り塗装、ベース塗装、クリア塗装により形成される。従来、電着塗装を除き、これらの塗装に用いられる塗料は、有機溶剤溶性塗料と呼ばれる、希釈溶剤として有機溶剤(トルエン、キシレン等)を用いるものであった。溶剤溶性塗料は品質と作業性の面で優れるものの、多量の有機溶剤を排出するため環境問題や省資源の観点から、近年、有機溶剤の含有率が高いベース塗料を中心に有機溶剤の一部もしくは全量を水に置き換えた水溶性塗料への移行が進んでいる。
水溶性塗料で多層塗膜を形成する多層塗膜形成方法では、塗装対象物に形成された中塗り塗膜上に、水溶性ベース塗料を塗装後に形成されたベース塗膜が塗膜の硬化に必要な焼付け温度よりも低い温度でプレヒートされ(プレヒート工程)、続いて室温付近までベース塗膜の温度を下げ(クーリング工程)、半硬化状態のベース塗膜の表面に、クリア塗料をウェット・オン・ウェットで塗布し、これらを同時に加熱して熱硬化させて(焼付け乾燥工程)多層塗膜が形成される。ここで、ウェット・オン・ウェット塗装とは、複数の塗膜を硬化しないうちに塗り重ねることをいう。
一方、近年、紫外線照射で塗膜を硬化させる多層被膜形成方法が提案されている。例えば、特許文献1には、塗装対象物に形成された電着塗膜上に、水溶性中塗り塗料を塗装して形成された中塗り塗膜に紫外線照射し、続いて室温又は60℃以下で乾燥して硬化させた中塗り塗膜の表面にクリア塗料をドライ・オン・ウェットで塗布する多層被膜成形方法について開示されている。
特開2001−354907号公報
しかし、水溶性塗料による多層塗膜形成方法では、プレヒート工程において、有機溶剤溶性塗料を使用した場合と比べて、長時間かけてプレヒートすることにより塗膜を予備乾燥させるので、膨大なエネルギーが消費され、製造コストが高価になる。
このプレヒート工程を省略した場合には、クリア塗装時におけるベース塗膜の粘度が低すぎるためクリア界面と混じりが生じて、塗装表面の仕上がり性が低下し、また、焼付け乾燥時にベース塗膜中に残存する水分が急激に蒸発するのでピンホールが発生する。
このプレヒート工程を省略した場合には、クリア塗装時におけるベース塗膜の粘度が低すぎるためクリア界面と混じりが生じて、塗装表面の仕上がり性が低下し、また、焼付け乾燥時にベース塗膜中に残存する水分が急激に蒸発するのでピンホールが発生する。
特許文献1の多層塗膜形成方法では、中塗り塗膜に紫外線照射した後、半硬化状態の中塗り塗膜を乾燥して硬化させてからドライ・オン・ウェット方式によりクリア塗料を塗装するので、塗膜の乾燥硬化に処理時間とエネルギーを要し、製造コスト増加につながる。 本発明の目的は、外観上ピンホールがなく、仕上がり性に優れる多層塗膜を形成する多層塗膜形成方法を提供すること、塗装作業性を向上させる多層塗膜形成方法を提供すること、塗装工程を短縮化でき製造コストを低減できる多層塗膜形成方法を提供することである。
請求項1の多層塗膜形成方法は、塗装対象物の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有する第1の塗料を塗装して第1塗膜を形成する第1工程と、重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を活性化し得る第1の光線を第1塗膜に照射して第1塗膜の重合性樹脂を予備重合させる第2工程と、第1塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成する第3工程と、第1,第2塗膜を同時に加熱して熱硬化させる第4工程とを備えたことを特徴とする。
この多層塗膜成形方法では、第1工程において、重合性樹脂と、重合性樹脂重合用の重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有した第1の塗料が塗装対象物電着塗膜の表面に塗装されて第1塗膜が形成される。次に、第2工程において、第1の光線が第1塗膜に照射されると、重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方が活性化され、第1塗膜の重合性樹脂が光重合反応により予備重合され、第1塗膜の粘度が低い状態から高い状態に上昇して第1塗膜が半硬化状態(但し、ウェット状態)となる。次に、第3工程において、半硬化状態の第1塗膜の表面に、第2の塗料がウェット・オン・ウェットで塗布され、この半硬化状態の第1塗膜と第2塗膜とを同時に加熱して熱硬化させると、外観上、仕上がり性に優れた多層塗膜が形成される。
請求項2の多層塗膜形成方法は、請求項1の発明において、第2工程の次に且つ第3工程の前に、第1塗膜の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有する第3の塗料をウェット・オン・ウェットで塗装して第3塗膜を形成する第3塗膜形成工程と、第3の塗料に含有される重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を活性化し得る第2の光線を第3塗膜に照射して第3塗膜の重合性樹脂を予備重合させる予備重合工程とを備え、第3工程において、半硬化状態の第3塗膜の表面に第2の塗料を塗布して第2塗膜を形成することを特徴とする。
請求項3の多層塗膜形成方法は、請求項1又は2の発明において、第1の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であること特徴とする。
請求項4の多層塗膜形成方法は、請求項2の発明において、第3の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であることを特徴とする。
請求項4の多層塗膜形成方法は、請求項2の発明において、第3の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であることを特徴とする。
請求項5の多層塗膜形成方法は、請求項1〜4の発明において、第1の光線が紫外線であることを特徴とする。
請求項6の多層塗膜形成方法は、請求項2又は4の発明において、第2の光線が紫外線であることを特徴とする。
請求項6の多層塗膜形成方法は、請求項2又は4の発明において、第2の光線が紫外線であることを特徴とする。
請求項7の多層塗膜形成方法は、請求項1〜6の何れかの発明において、第2塗膜が最表面側の塗膜であり、第2の塗料が有機溶剤溶性塗料であることを特徴とする。
請求項1の多層塗膜形成方法によれば、第1塗膜を形成する第1工程と、第1の光線を第1塗膜に照射して第1塗膜の重合性樹脂を予備重合させる第2工程と、第1塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成する第3工程と、第1,第2塗膜を同時に加熱して熱硬化させる第4工程とを備えたので、光線照射された塗膜が瞬時に半硬化状態となるため、塗膜硬化のための処理時間を短縮でき、少ないエネルギー消費で済み、塗装作業性を向上させて製造コストを低減できる。光照射するため塗装ステーションの塗装装置を小型化でき、塗装ステーションを短縮することもできる。
第1塗膜が予備重合しているため、第1,第2の塗料の界面での混じりが抑制され、ウェット・オン・ウェット塗装に起因する塗膜仕上がり性の低下を防止することができる。
第1塗膜が予備重合しているため、第1,第2の塗料の界面での混じりが抑制され、ウェット・オン・ウェット塗装に起因する塗膜仕上がり性の低下を防止することができる。
請求項2の多層塗膜形成方法によれば、第2工程の次に且つ第3工程の前に、第1塗膜の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有する第3の塗料をウェット・オン・ウェットで塗装して第3塗膜を形成する第3塗膜形成工程と、第3の塗料に含有される重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を活性化し得る第2の光線を第3塗膜に照射して第3塗膜の重合性樹脂を予備重合させる予備重合工程とを備え、第3工程において、第3塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成するので、外観上、仕上がり性に優れた3層の塗膜が形成される。その他、請求項1と同様の効果を得ることができる。
請求項3の多層塗膜形成方法によれば、第1塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であるので、環境負荷を低減でき、一般の水溶性塗料よりも固形分(20〜30%)が多く含まれ、水溶性塗料に起因して発生するピンホールを抑制できる。なお、固形分の重量割合が35%未満の場合には、ピンホールが発生しやすくなる。
請求項4の多層塗膜形成方法によれば、第3の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であるので、請求項3と同様の効果を得ることができる。
請求項4の多層塗膜形成方法によれば、第3の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であるので、請求項3と同様の効果を得ることができる。
請求項5の多層塗膜形成方法によれば、第1の光線が紫外線であるので、第1, 第2塗膜の硬化速度を促進させることができる。
請求項6の多層塗膜形成方法によれば、第2の光線が紫外線であるので、請求項5と同様の効果を得ることができる。
請求項6の多層塗膜形成方法によれば、第2の光線が紫外線であるので、請求項5と同様の効果を得ることができる。
請求項7の多層塗膜形成方法によれば、第2塗膜が最表面の塗膜であり、第2の塗料が有機溶剤溶性塗料であるので、耐久性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の多層塗膜形成方法は、重合性樹脂と、重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有する第1の塗料を塗装して第1塗膜を形成し、この第1塗膜に光線を照射して第1塗膜を予備重合させ、その第1塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成し、次に第1,第2塗膜を同時に加熱して熱硬化させることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施例を図面及び表に基づいて説明する。
本実施例は、自動車の車体に電着塗装をし、その表面に水溶性塗料による中塗り塗装、水溶性塗料によるベース塗装、クリア塗装を順次ウェット・オン・ウェットで施し、その多層塗膜を同時に加熱して熱硬化させる3コート1ベーク塗装方式による多層塗膜形成方法に本発明を適用した一例である。
本実施例は、自動車の車体に電着塗装をし、その表面に水溶性塗料による中塗り塗装、水溶性塗料によるベース塗装、クリア塗装を順次ウェット・オン・ウェットで施し、その多層塗膜を同時に加熱して熱硬化させる3コート1ベーク塗装方式による多層塗膜形成方法に本発明を適用した一例である。
図1は、電着塗装、水溶性塗料による中塗り塗装、水溶性塗料によるベース塗装、クリア塗装により多層塗膜を形成する多層塗膜形成方法の概略工程図を示すものであり、図中のPi(i=1,2,・・)は各工程を示す。
最初に、P1において、塗装対象物である自動車の車体に公知の方法で電着塗料を施して電着塗膜を形成し、P2において、その電着塗膜を焼き付け乾燥して硬化状態とする。次に、P3において、電着塗膜の表面に水溶性中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成する。この水溶性中塗り塗料は、重合性樹脂であるアクリル樹脂と、このアクリル樹脂重合用の重合開始剤又は重合触媒としてのラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤を含有した、固形分の重量割合が35%以上の水溶性のハイソリッド塗料である。尚、中塗り塗料が「第1の塗料」に相当する。
最初に、P1において、塗装対象物である自動車の車体に公知の方法で電着塗料を施して電着塗膜を形成し、P2において、その電着塗膜を焼き付け乾燥して硬化状態とする。次に、P3において、電着塗膜の表面に水溶性中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成する。この水溶性中塗り塗料は、重合性樹脂であるアクリル樹脂と、このアクリル樹脂重合用の重合開始剤又は重合触媒としてのラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤を含有した、固形分の重量割合が35%以上の水溶性のハイソリッド塗料である。尚、中塗り塗料が「第1の塗料」に相当する。
次に、P4において、上記の車体を、120W/cmのメタルハライドランプを用いて紫外線を発生させる後述の光線発生装置1(図2,図3参照)内を低速度で通過させることにより、中塗塗膜に3〜60秒間の範囲の適当な時間(例えば、20,30秒)の間紫外線照射すると、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤が紫外線により活性化され、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤により、中塗り塗膜のアクリル樹脂の光重合反応が促進されてアクリル樹脂が予備重合し、中塗り塗膜の粘度が上昇し、中塗り塗膜が半硬化状態(但し、ウェット状態)になる。尚、紫外線が、「第1の光線」に相当し、中塗り塗膜が「第1塗膜」に相当する。
次に、P5において、半硬化状態の中塗り塗膜の表面に、水溶性ベース塗料をウェット・オン・ウェットで塗布してベース塗膜を形成する。水溶性ベース塗料は、重合性樹脂であるアクリル樹脂と、このアクリル樹脂重合用の重合開始剤であるラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを含有した、固形分の重量割合が35%以上の水溶性のハイソリッド塗料である。
次に、P6において、120W/cmのメタルハライドランプを用いて紫外線を発生させる前記の光線発生装置1と同様の光線発生装置内を低速度で通過させることにより、中塗り塗膜に3〜60秒の範囲の適当時間(例えば、20,30秒)の間紫外線(第2光線に相当する)照射すると、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とが紫外線により活性化され、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤により、ベース塗膜のアクリル樹脂の光重合反応が促進されて予備重合され、ベース塗膜の粘度が上昇して、ベース塗膜が半硬化状態(但し、ウェット状態)となる。P7において、半硬化状態のベース塗膜の表面に、アクリル系のクリア塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して最表面側のクリア塗膜を形成する。尚、クリア塗料は有機溶剤を含む有機溶剤溶性塗料である。
尚、ベース塗料が「第3の塗料」に相当し、ベース塗膜が「第3塗膜」に相当し、クリア塗料が「第2の塗料」に相当し、クリア塗膜が「第2塗膜」に相当する。
次に、P8において、上記の車体を塗膜乾燥用の加熱炉(乾燥炉)内に収容し、これら3層の塗膜を同時に約300℃前後の程度の温度で約5分の間加熱して熱硬化させ、中塗り塗膜と、ベース塗膜と、クリア塗膜とで構成される3層塗膜を形成する。
尚、塗装方法としては、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、カーテンコート塗装等の塗装技術を採用可能である。
次に、P8において、上記の車体を塗膜乾燥用の加熱炉(乾燥炉)内に収容し、これら3層の塗膜を同時に約300℃前後の程度の温度で約5分の間加熱して熱硬化させ、中塗り塗膜と、ベース塗膜と、クリア塗膜とで構成される3層塗膜を形成する。
尚、塗装方法としては、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、カーテンコート塗装等の塗装技術を採用可能である。
次に、塗装ステーションに設けられた光線発生装置1について説明する。
図2,図3に示すように、中塗り塗装ステージと、ベース塗装ステージには、光線発生装置1が夫々設置されている。この光線発生装置1の内壁面には1kWの紫外線ランプ2が、5行8列に付設されている。紫外線ランプ2は、ライン方向に5行に配設されており、光線発生装置1のトンネルの左右の側壁面に、夫々5行3列に設置され、トンネルの天井壁面には5行2列に設置され、ライン方向に5行に配設されている。この光線発生装置1は、塗装ライン進行方向に対して約1〜2m程度の大きさのものであるので、10mもの長さの加熱方式のプレヒート炉を採用する場合と比較して、塗装ステーションの短縮化を図ることができる。
図2,図3に示すように、中塗り塗装ステージと、ベース塗装ステージには、光線発生装置1が夫々設置されている。この光線発生装置1の内壁面には1kWの紫外線ランプ2が、5行8列に付設されている。紫外線ランプ2は、ライン方向に5行に配設されており、光線発生装置1のトンネルの左右の側壁面に、夫々5行3列に設置され、トンネルの天井壁面には5行2列に設置され、ライン方向に5行に配設されている。この光線発生装置1は、塗装ライン進行方向に対して約1〜2m程度の大きさのものであるので、10mもの長さの加熱方式のプレヒート炉を採用する場合と比較して、塗装ステーションの短縮化を図ることができる。
塗膜に光重合促進用に照射する光線は、波長100〜450nm、好ましくは200〜450nmの紫外線が好適であり、重合開始剤の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。紫外線の照射源として、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などが挙げられる。塗膜への紫外線照射条件は、照射後の塗膜粘度が104 〜105 Pa・s(剪断速度:6.28sec −1、30℃)になるように、100〜10000mJ/cm2 の範囲の照射強度が適している。照射時間としては、3〜60秒間で塗膜を硬化することができる。
次に、中塗り塗料とベース塗料に含有させる光重合性樹脂と重合開始剤について説明する。重合性樹脂は、紫外線に対する光感度が高く、波長に感光することで樹脂組成物が重合反応(ラジカル重合やカチオン重合)するアクリル樹脂やポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、表1に示すように、分子量500以上、水酸価0〜200、酸化0〜200、ガラス転移温度(Tg)−30〜100℃、ヨウ素価5〜200、エポキシ価0.01〜1のものが好ましい。ここで、ヨウ素価とは、アクリル樹脂にヨウ素を作用させた時に吸収されるアクリル樹脂固形分100g当たりのヨウ素のg数で不飽和基の濃度を表したものである。
重合開始剤は、紫外線照射により重合性樹脂の重合反応を促進させるものである。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオシサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2ーメチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオシサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2ーメチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどが挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、例えば、サイラキュアUVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、UVI−6992(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマ−SP−150、SP−152、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、イルガギュア250(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)、CI−2064(日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、UV9380C(GE東芝シリコーン(株)製)、ロードシル2074(ローディア・ジャパン(株)製)、WPI−003、、WPI−016(以上、和光純薬工業(株)製)などが挙げられる。
これらの重合開始剤に、光重合反応を促進させるために光増感促進剤を添加してもよい。光増感促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の3級アミン系、トリフェニルホスフィン等のアルキルフォスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系などがあげられる。
次に、前記の「水溶性中塗り塗料」の塗料組成物と、その調製方法について説明する。 水溶性中塗り塗料は、着色顔料ペースト、熱硬化性のアクリルエマルション、不飽和基含有アクリル樹脂、硬化剤、増粘剤等で構成されている。尚、「部」は重量部、「%」は重量%を示す
着色顔料ペーストは、顔料分散剤と着色顔料とを混合分散して調製される。具体的には、分散剤Disperbyk 190(ビックケミー社製)4.5部、消泡剤BYK−011(ビックケミー社製)0.5部、イオン交換水22.9部、ルチル型二酸化チタン72.1部を予備混合した後、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で粒度5μm以下になるまで混合分散して、分散剤着色顔料分散ペーストが得られる。
アクリルエマルションは、重合性モノマー成分、酸基含有重合性不飽和モノマー、水酸基含有重合性不飽和モノマーと架橋性モノマーの種類や配合量を選択し、選択されたモノマー成分を乳化共重合することにより調製される。具体的には、攪拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器及び窒素導入管などを備えた通常のアクリル系樹脂エマルション製造用の反応容器に、水445部及びニューコール293(日本乳化剤(株)製)5部を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温する。
続いて、メタクリル酸メチル39部、アクリル酸ブチル271部、スチレン50部、メタクリル酸8部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル110部、アクリル酸エチル30部の混合液(樹脂の酸価:18,水酸基価:85,Tg:ー22℃)、水240部及びニューコール293(日本乳化剤社製)30部の混合物をホモジナイザーを用いて乳化し、そのモノマープレ乳化液を前記反応容器中に3時間に亙って攪拌しながら滴下する。
次に、モノマープレ乳化液の滴下と並行して、重合開始剤としてAPS(過硫酸アンモニウム)1部を水50部に溶解した水溶液を、前記反応容器中に前記モノマープレ乳化液の滴下終了時まで均等に滴下する。モノマープレ乳化液の滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続し、その後、冷却する。冷却後、ジメチルアミノエタノール2部を水20部に溶解した水溶液を投入し、不揮発分40.6%のアクリルエマルションが得られる。(以下、アクリルエマルションAとする)このアクリルエマルションAを30%ジメチルアミノエタノール水溶液を用いてpH7.2に調整した。このアクリルエマルションAの平均粒径は約0.2μm、酸価10および水酸基価60であった。
不飽和基含有アクリル樹脂は、グリシジルメタアクリレート共重合アクリル樹脂にアクリル酸を含有させて調製される。具体的には、攪拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール40部を入れ、80℃に加熱保持して、アクリル酸9.75部、アクリル酸メチル63.75部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル12.3部及びアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を3時間かけて滴下する。滴下後、1時間熟成させ、アゾビスジメチルバレロニトリル1部及びイソプロピルアルコール10部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間熟成する。
次に、この溶液にメタクリル酸グリシジル14.2部、ジブチルヒドロキシトルエン0.3部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.6部を加えて、空気を吹き込みながら80℃で5時間反応させ、不飽和基含有アクリル樹脂が得られる。この不飽和基含有アクリル樹脂に、ジメチルアミノエタノールを用いてpH7に中和した後、イソプロピルアルコールを加え不揮発分が65%のアクリル樹脂(酸価20、水酸基価60mgKOH/g、ヨウ素価25、重量平均分子量12000)が得られる(以下、不飽和基含有アクリル樹脂Aとする)。
増粘剤は、水溶性中塗り塗料組成物の粘度を高くすることができ、水溶性中塗り塗料を塗装する際に、タレを発生することが抑制できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ビスコースやメチルセルロース等のセルロース系や、ポリビニルアルコールやポリエチレンオキサイド等のアルカリ増粘型のものが挙げられる。
硬化剤は、アクリル樹脂と硬化反応を生じ、水溶性中塗り塗料組成物に配合できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、オキサゾリ系化合物あるいはカルボジイミド系化合物等が挙げられる。
硬化剤は、アクリル樹脂と硬化反応を生じ、水溶性中塗り塗料組成物に配合できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、オキサゾリ系化合物あるいはカルボジイミド系化合物等が挙げられる。
上述のようにして調製された着色顔料ペースト、アクリルエマルションA及び不飽和基含有アクリル樹脂Aや、硬化剤としてサイメル327(三井サイテック社製)、増粘剤としてアデカノールUH−814N(旭電化工業社製)、光重合開始剤としてイルガギュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製)及びイオン交換水を「表2」に記載する混合割合で配合して混合攪拌し、固形分の重量割合が60%の水溶性中塗り塗料Aを得た。また、同じ要領で、比較例として固形分の重量割合が55%の水溶性中塗り塗料B、固形分の重量割合が30%の水溶性中塗り塗料Cを夫々得た。
次に、「水溶性ベース塗料」の塗料組成物と、その調製方法について説明する。
水溶性ベース塗料は、アクリルエマルション、不飽和基含有アクリル樹脂、硬化剤、増粘剤、消泡剤等で構成されている。ここでは、特に、アクリルエマルションの調製方法について説明する。不飽和基含有アクリル樹脂については、前記不飽和基含有アクリル樹脂Aと同じであるので省略する。
水溶性ベース塗料は、アクリルエマルション、不飽和基含有アクリル樹脂、硬化剤、増粘剤、消泡剤等で構成されている。ここでは、特に、アクリルエマルションの調製方法について説明する。不飽和基含有アクリル樹脂については、前記不飽和基含有アクリル樹脂Aと同じであるので省略する。
反応容器に脱イオン水136部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温する。次に、メタクリル酸メチル10.22部、アクリル酸エチル58.36部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.42部、アクリルアミド4部、アクアロンHS−10(第一工業製薬社製)0.5部、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)0.5部、および脱イオン水80部からなるモノマー乳化物と、過硫酸アンモニウム0.24部、および脱イオン水10部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下する。滴下終了後、1時間同温度で熟成を行なう。
さらに、80℃でアクリル酸エチル15.07部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1.86部、メタクリル酸3.07部を、過硫酸アンモニウム0.06部、および脱イオン水10部からなる開始剤溶液を0.5時間にわたり並行して反応容器に滴下する。滴下終了後、2時間同温度で熟成を行なう。次に、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターで濾過した後、脱イオン水67.1部およびジメチルアミノエタノール0.32部を加えてpH6.5に調整し、平均粒子径200nm、不揮発分25%のアクリルエマルションが得られる(以下、アクリルエマルションBとする)。
次に、前記アクリルエマルションBとは組成物の混合割合が異なるアクリルエマルションの調製方法について説明する。反応容器に脱イオン水126部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら80℃に昇温する。次に、メタクリル酸メチル10.22部、アクリル酸エチル73.43部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル9.28部、アクリルアミド4部、メタクリル酸3.07部、アクアロンHS−10を0.5部、アデカリソープNE−20を0.5部および脱イオン水100からなるモノマー乳化液と、過硫酸アンモニウム0.3部および脱イオン水10部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下する。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターで濾過した後、脱イオン水67.1部およびジメチルアミノエタノール0.32部を加えてpH6.5に調整し、平均粒子径250nm、不揮発分25%のアクリルエマルションが得られる(以下、アクリルエマルションCとする)。
上述のようにして調製されたアクリルエマルションB,Cや、前記不飽和基アクリル樹脂A、硬化剤としてサイメル327(三井サイテック社製)、顔料ペーストとしてのアルミペーストMH8801(旭化成社製)、消泡剤としてサーフィノール440(エアープロダクツ社製)、増粘剤としてのジメチルアミノエタノール及びイオン交換水を「表3」に記載する混合割合で配合して、均一分散することにより、固形分の重量割合が35%の水溶性ベース塗料aもしくは固形分の重量割合が40%の水溶性ベース塗料bを夫々得た。同じ要領で、比較例として固形分の重量割合が30%の水溶性ベース塗料cを得た。
次に、鋼板基板に前記水溶性中塗り塗料A〜Bの何れかと、前記水溶性ベース塗料a〜cの何れかとを、順次ウェット・オン・ウェットで塗布して形成された多層塗膜の評価試験について説明する。先ず、多層塗膜評価試験において使用される8種類の試験用パネルについて説明する。リン酸亜鉛処理した厚み0.7mm、縦100mm、横300mmのダル鋼板にPN120M(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が20μmになるように電着塗装し、焼付け乾燥して鋼板基板を準備した。
次に、この鋼板基板上に、水溶性中塗り塗料AもしくはBを乾燥後の中塗り塗膜が20μmになるように塗装し、光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が1000mJ/cm2 となるように10秒間紫外線照射した。次に、その中塗り塗膜の表面に、水溶性ベース塗料aもしくはbを乾燥後のベース塗膜が15μmの厚みになるように塗装し、線量が1000mJ/cm2 となるように10秒間紫外線照射した。更に、そのベース塗膜の表面に、クリア塗料として、O−1600クリアを乾燥後のクリア塗膜が35μmになるように塗装し、これらの塗板を140℃で20分間加熱乾燥を行なって試験用パネルNo.1〜4を作成した。
試験用パネルNo.5〜8は、前記試験用パネルNo.1〜4と比較するために作成されたものである。試験用パネルNo.5は、中塗り塗料として水溶性中塗り塗料Cを塗装し、ベース塗料や紫外線照射条件については前記試験用パネルNo.1と同じである。
試験用パネルNo.6は、中塗り塗膜形成後、紫外線照射を行わなかったものである。試験用パネルNo.7は、ベース塗料に、水溶性ベース塗料cを用いたものである。試験用パネルNo.8は、ベース塗膜形成後、紫外線照射を行わなかったものである。
試験用パネルNo.6は、中塗り塗膜形成後、紫外線照射を行わなかったものである。試験用パネルNo.7は、ベース塗料に、水溶性ベース塗料cを用いたものである。試験用パネルNo.8は、ベース塗膜形成後、紫外線照射を行わなかったものである。
次に、評価方法について説明する。
評価方法は、作成された各試験用サンプルNo.1〜8毎に、ピンホールの発生の有無を外観目視で観察し、仕上がり性を測定機器としてWavescanDOI(BYK社製)による仕上げ肌測定値WaとWdを用いて、仕上げ性の優劣(ムラがある箇所など)を点数化して評価した(15点未満であれば○、15点以上であれば×)。
評価方法は、作成された各試験用サンプルNo.1〜8毎に、ピンホールの発生の有無を外観目視で観察し、仕上がり性を測定機器としてWavescanDOI(BYK社製)による仕上げ肌測定値WaとWdを用いて、仕上げ性の優劣(ムラがある箇所など)を点数化して評価した(15点未満であれば○、15点以上であれば×)。
上記表4に示す評価結果から、試験用パネルNo.1〜4の塗膜は、ピンホールの発生がなく、仕上がり性も良好であった。試験用パネルNo.5,7は、水溶性塗料の固形分が35%未満だったので、加熱乾燥時に塗膜に残存していた水分が蒸発して、ピンホールが発生した。試験用パネルNo.6,8は、紫外線照射を行なわなかったので、クリア塗料塗装時に、塗膜の粘度が上昇せずクリア界面で混ざりが生じた為、仕上がり性が劣るものであった。
本実施例の多層塗膜形成方法によれば、中塗塗料とベース塗料が、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合開始剤を含有した固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料で構成され、塗膜表面に紫外線照射して重合性樹脂を予備重合させることで塗膜を半硬化状態となり、この半硬化状態の塗膜に塗料をウェット・オン・ウェットで塗布し、加熱して熱硬化させるので、ピンホールの発生がなく、且つ仕上がり性に優れた多層塗膜が形成される。また、塗膜硬化時間を短縮することで、塗装工程を縮小化できる。
ここで、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1]実施例では、中塗り塗料およびベース塗料に、重合開始剤を含有させたが、重合開始剤と重合触媒を含有させても、重合開始剤の代わりの重合触媒を含有させてもよい。
2]実施例では、中塗り塗料およびベース塗料は、水溶性塗料であったが、有機溶剤溶性塗料であってもよい。
1]実施例では、中塗り塗料およびベース塗料に、重合開始剤を含有させたが、重合開始剤と重合触媒を含有させても、重合開始剤の代わりの重合触媒を含有させてもよい。
2]実施例では、中塗り塗料およびベース塗料は、水溶性塗料であったが、有機溶剤溶性塗料であってもよい。
3]実施例の多層塗膜形成方法は、自動車の車体の以外に、二輪車、コンテナの各種車両の車体等に適用してもよい。
4]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に開示した事項以外の種々の変更を付加した形態で実施可能である。
4]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に開示した事項以外の種々の変更を付加した形態で実施可能である。
3:塗装対象物(自動車の車体)
Claims (7)
- 塗装対象物の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有する第1の塗料を塗装して第1塗膜を形成する第1工程と、
前記重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を活性化し得る第1の光線を第1塗膜に照射して第1塗膜の重合性樹脂を予備重合させる第2工程と、
前記第1塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成する第3工程と、
前記第1,第2塗膜を同時に加熱して熱硬化させる第4工程と、
を備えたことを特徴とする多層塗膜形成方法。 - 前記第2工程の次に且つ第3工程の前に、
前記第1塗膜の表面に、重合性樹脂と、この重合性樹脂重合用の重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を含有する第3の塗料をウェット・オン・ウェットで塗装して第3塗膜を形成する第3塗膜形成工程と、
前記第3の塗料に含有される前記重合触媒と重合開始剤との少なくとも一方を活性化し得る第2の光線を第3塗膜に照射して第3塗膜の重合性樹脂を予備重合させる予備重合工程とを備え、
前記第3工程において、前記第3塗膜の表面に第2の塗料をウェット・オン・ウェットで塗布して第2塗膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層塗膜形成方法。 - 前記第1の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層塗膜形成方法。
- 前記第3の塗料は、固形分の重量割合が35%以上の水溶性塗料であることを特徴とする請求項2に記載の多層塗膜形成方法。
- 前記第1の光線が紫外線であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の多層塗膜形成方法。
- 前記第2の光線が紫外線であることを特徴とする請求項2又は4に記載の多層塗膜形成方法。
- 前記第2塗膜が最表面側の塗膜であり、前記第2の塗料が有機溶剤溶性塗料であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の多層塗膜形成方法。
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