JP2004290720A - 自動車用多層塗膜の形成方法 - Google Patents

自動車用多層塗膜の形成方法 Download PDF

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努 瀬田
Keizo Ishii
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Abstract

【課題】電着塗膜を含む多層塗膜を1度の焼き付けによって得ることができる塗膜の形成方法を提供する。
【解決方法】通電可能な基材に対して、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な電着塗料を電着塗装する工程、上記電着塗装で得られた未硬化電着塗膜に対し、上記活性エネルギー線を照射する工程、上記活性エネルギー線を照射した電着塗膜に対し、さらに少なくとも1層の新たな未硬化塗膜を、塗料を用いて形成する工程、上記電着塗膜および上記新たな未硬化塗膜を同時に焼き付ける工程を含んでいる自動車用多層塗膜の形成方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用多層塗膜の形成方法およびそれにより形成された多層塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体に塗装される塗膜は、複数の層から構成されている。一般的には、車体に近い方から、まず、防錆を目的とした電着塗膜があり、その上に小石などの跳ね上げに対して傷をつきにくくする(耐チッピング性)中塗り塗膜、その上に意匠性を付与するための上塗り塗膜が存在する。また、この上塗り塗膜は、通常、メタリック性などの特に意匠性を意図したベース塗膜とベース塗膜の保護と更なる意匠性の付与を目的としたクリア塗膜とから構成されているので、自動車塗膜全体としては4層からなるものが多い。
【0003】
これら自動車塗膜を形成する塗膜は、塗料を塗装した後、これを焼き付けて得られるが、工場における焼き付けには長いライン長が必要となる。また、省エネルギーの観点からも焼き付けの回数はできるだけ少ない方が好ましい。
【0004】
このような観点から、先のベース塗膜およびクリア塗膜の形成については、塗装を行った後、焼き付けを行わずに次の塗料を塗装する、いわゆるウエット・オン・ウエット塗装を行い、このようにして得られた塗膜を同時に焼き付ける2コート1ベークといわれる塗装方法がすでに一般化している。
【0005】
最近では、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリア塗膜を一度に焼き付けて形成するいわゆる3ウエット1ベーク塗装が行われるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この系においても、電着塗膜は先に焼き付けて形成されるものであり、上記4層を1度の焼き付けで得ることができる塗膜の形成方法はこれまでなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−035677号公報(従来の技術)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電着塗膜を含む多層塗膜を1度の焼き付けによって得ることができる塗膜の形成方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法は、通電可能な基材に対して、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な電着塗料を電着塗装する工程、上記電着塗装で得られた未硬化電着塗膜に対し、上記活性エネルギー線を照射する工程、上記活性エネルギー線を照射した電着塗膜に対し、さらに少なくとも1層の新たな未硬化塗膜を、塗料を用いて形成する工程、上記電着塗膜および上記新たな未硬化塗膜を同時に焼き付ける工程を含んでいる。ここで、上記新たな未硬化塗膜が、上塗り塗料を塗布して形成されるものであっても、上記新たな未硬化塗膜が、中塗り塗料を塗布して形成される中塗り塗膜と上塗り塗料を塗布して形成される上塗り塗膜とからなるものであってもよい。また、上記中塗り塗料が、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なものであり、上記形成された未硬化中塗り塗膜に対し、上記活性エネルギー線を照射する工程をさらに含んでいてもよい。さらに上記上塗り塗膜が、ベース塗料を塗布して形成されるベース塗膜とクリアー塗料を塗布して形成されるクリアー塗膜とからなるものであってよく、上記ベース塗料が、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なものであり、上記形成された未硬化ベース塗膜に対し、上記活性エネルギー線を照射する工程をさらに含んでいてもよい。
本発明の自動車用多層塗膜は上記方法により得られるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、まず電着塗装工程からなる。ここで使用される電着塗料は、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な電着塗料である。このような電着塗料は、防食性の観点からカチオン電着塗料であることが好ましい。
【0010】
上記電着塗料は電着のためのイオン性基以外に、活性エネルギー線の照射によって反応する官能基を有している。ここでいう、活性エネルギー線の照射によって反応するとは、活性エネルギー線そのものにより反応が進行するものだけでなく、活性エネルギー線によって発生した活性種によって反応が進行するものも意味する。このような活性エネルギー線の照射によって反応する官能基としては、二重結合や三重結合の不飽和結合単独、この不飽和結合とチオール基との組み合わせ、エポキシ基、マレイミド基、オキセタン基、アルコキシシリル基などがあるが、他の官能基との共存安定性を考慮すると、不飽和結合単独またはこれとチオール基とを組み合わせたものが好ましい。また、不飽和結合は活性エネルギー線により硬化反応が進行するだけでなく、ジアルキルペルオキシド、ペルオキソカルボン酸、ペルオキシドカーボネート、ペルオキシドエステル、ハイドロペルオキシド、ケトンペルオキシド、アゾジニトリルまたはベンソピナコルシリルエーテルのような熱開始剤を塗料中に含有させることで、加熱によって硬化する官能基となりうる。
【0011】
また、加熱によって反応する官能基としては、塗料分野でよく知られた官能基を利用することができる。このような官能基としては、先の電着のためのイオン性基および活性エネルギー線の照射によって反応する官能基と直接反応したり、電着や活性エネルギー線による硬化を妨げるものでなければ特に限定されない。具体的には、水酸基であることが好ましい。上記加熱によって反応する官能基には、通常、その反応相手である硬化剤が塗料中に含まれる。加熱によって反応する官能基が水酸基である場合、硬化剤として、ブロックイソシアネート、メラミンなど当業者によく知られたものを用いることができる。
【0012】
例えば、特開平5−263026号公報には、分子中に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートを10〜70質量部と、カチオン電着性を有する平均分子量2000〜30000の樹脂を30〜90質量部とを有効成分として含有する紫外線硬化型カチオン電着塗料組成物が開示されている。このように、不飽和結合を活性エネルギー線の照射によって反応する官能基として有する電着塗料組成物は公知であるので、これに熱開始剤を含有させることにより、本発明の自動車用多層塗膜の形成方法で使用される電着塗料を得ることができる。また、上記不飽和結合を活性エネルギー線の照射によって反応する官能基として有する電着塗料組成物を構成するバインダー成分に、加熱によって反応する官能基を導入し、これに応じた硬化剤を選択することにより、本発明の自動車用多層塗膜の形成方法で使用される電着塗料を得ることは当業者にとって困難なことではない。
【0013】
また、特表2002−531676号公報に開示されている、エチレン不飽和の末端(メタ)アクリル二重結合を有する、カチオン性基を有するポリウレタン(メタ)アクリレートと、エチレン不飽和(メタ)アクリル二重結合を少なくとも2つ有する反応性希釈剤とをバインダー成分とし、光開始剤および/または熱開始剤を含有する水性分散体は、本発明の形成方法で使用される電着塗料として使用することが可能である。ここで、上記水性分散体の(メタ)アクリル二重結合は樹脂固形分100gあたり、臭素20〜150gに相当する量を有し、上記ポリウレタン(メタ)アクリレートからのエチレン不飽和の末端(メタ)アクリル二重結合が、カチオン性基を有するポリウレタンプレポリマーにウレタン、尿素、アミドまたはエステル基に結合している。
【0014】
さらに、スルホニウム基とプロパルギル基とを含有するカチオン電着塗料組成物も本発明の形成方法で使用することが可能である。この電着塗料は、例えば、樹脂固形分100gあたりのスルホニウム基の量が5〜400mmolであり、プロパルギル基の量が10〜495mmolであり、スルホニウム基およびプロパルギル基の合計含有量は500mmol以下である。また、不飽和結合としてプロパルギル基以外に二重結合を含む成分を併用することも可能である。なお、このスルホニウム基とプロパルギル基とを含有するカチオン電着塗料組成物は先の熱開始剤を使用しなくても、加熱により硬化反応が進行することが知られている。
【0015】
なお、本発明で使用される電着塗料に含まれる光開始剤としては、当業者によく知られたものを適宜使用することができる。その例として、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)等のベンゾフェノン類;キサントン、チオキサントン等のキサントン類;2−フェニル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシ−アセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(ベンジルジメチルケタール)等のアセトフェノン類;その他、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4,4’−ジアジドスチルベンゼン−2,2’−ジスルホン酸、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどを挙げることができる。これらの光開始剤は通常、塗料中の樹脂固形分中0.1〜10質量%の量で含有される。
【0016】
本発明の形成方法で使用される電着塗料には、一般的に電着塗料に含まれる顔料や添加剤成分を含みうる。
【0017】
本発明の形成方法における電着塗装工程では、上記電着塗料を用いて通電可能な基材に対して電着塗装を行う。一般的にこの基材は自動車車体となる。なお、この電着塗装条件は、使用する電着塗料に応じて設定されるが、その膜厚が、例えば、乾燥膜厚で10〜30μmとなるように設定することができる。この電着塗装終了後、必要に応じて、水洗が行われる。
【0018】
次にこのようにして得られた未硬化電着塗膜に対して、活性エネルギー線を照射する工程に入る。上記活性エネルギー線としては、紫外線、X線、電子線、近赤外線または可視光などが用いられる。なお、本発明で定義する活性エネルギー線には、赤外線、高周波、マイクロ波のような熱に関与するエネルギーは含まないものとする。ただし、近赤外線は熱に関与するエネルギーであるが、この波長領域で開始能を有する開始剤が存在するため、上記活性エネルギー線に含めるものとする。
【0019】
上記紫外線を照射する場合には、様々な光源を使用することができ、例えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプなどを挙げることができる。一方、電子線の発生源としては、コッククロフト型、コッククロフトワルトン型、ファン・デ・グラーフ型、共振変圧器型、変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダイナミトロン型、リニアフィラメント型及び高周波型などの電子線発生装置を用いることができる。なお、電子線を用いる場合、必ずしも、光開始剤の使用を必要とはしない。
【0020】
この工程における活性エネルギー線照射の目的は、電着によって得られた未硬化電着塗膜の完全な硬化ではなく、照射後の電着塗膜に別の塗料の塗装が可能な状態となるよう、電着塗膜表面の硬化を進行させることである。よって、その目的を達成することができる量の活性エネルギー線の照射が必要となる。この照射条件は、用いる樹脂の不飽和結合の量や分子量によって異なってくるが、活性エネルギー線が紫外線の場合、一般的に200〜400nmの波長範囲で、1〜1000mJ/cmとすることができる。照射が不十分だと、新たな未硬化塗膜を形成する際に、先に形成された未硬化塗膜と混じり合う、いわゆる混層が生じるおそれがある。また、照射が過剰になっても特に問題はないが、必要以上の照射はエネルギーの無駄につながるおそれがある。一方、電子線を用いる場合には、そのエネルギーが50〜500keVである電子線照射装置を用いて行うことが好ましい。
【0021】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、このようにして活性エネルギー線を照射した後に、少なくとも1層の新たな未硬化塗膜を、塗料を用いて形成する。最終的に得ようとする多層塗膜が中塗り塗膜を含む場合、中塗り塗料を用いて未硬化の中塗り塗膜を形成する。
【0022】
自動車塗膜における中塗り塗膜は、下地である電着塗膜の凹凸を隠蔽し、表面平滑性を確保するとともに、耐衝撃性、耐チッピング性、耐候性等の塗膜物性を付与することを通常目的として形成されるものである。
【0023】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法で使用される中塗り塗料としては、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な中塗り塗料と熱硬化性中塗り塗料との2種類が挙げられる。
【0024】
上記熱硬化性中塗り塗料は、これまでよく知られているものである。すなわち、上記熱硬化性中塗り塗料は、一般的にバインダー成分と顔料とを含んでいる。上記バインダー成分は、通常、硬化性官能基を有する樹脂と硬化剤とからなる。上記硬化性官能基を有する樹脂としては塗料用樹脂として一般的に用いられるポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂が有する硬化性官能基としては特に限定されず、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げることができる。また、上記硬化剤としては、上記硬化性官能基の種類に応じて、当業者によってよく知られた硬化剤を適宜選択することができる。
【0025】
一般的には、顔料分散性や塗装作業性等の観点から、上記硬化性官能基を有する樹脂が水酸基を有するポリエステル樹脂および/またはアクリル樹脂であり、上記硬化剤がポリイソシアネートおよび/またはメラミン樹脂であることが好ましい。さらに、中塗り塗膜には、耐衝撃性、耐チッピング性が必要とされることから、硬化性官能基を有する樹脂は、特にポリエステル樹脂であることが好ましい。なお、上記ポリイソシアネートは、貯蔵安定性の観点から、有するイソシアネート基をブチルセロソルブや2−エチルヘキサノール等のアルコール類やメチルエチルケトオキシム等のオキシム類等、当業者によってよく知られているブロック剤によってブロックされていることが好ましい。
【0026】
また、先の耐衝撃性および耐チッピング性の観点から、ポリエーテルポリオール樹脂やゴム成分などの上記一般的に用いられる塗料用樹脂よりも柔らかい性質を有する成分をバインダー成分として含有していてもよい。さらに、ウエット・オン・ウエット塗装における混層を防止する目的で、粘性制御剤や非水分散樹脂を含有させておくことが好ましい。
【0027】
上記熱硬化性中塗り塗料が含有する顔料としては、着色顔料および体質顔料が一般的である。上記着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ等の無機系着色顔料;アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インディゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料等を挙げることができる。また、上記体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、ケイ酸アルミ(クレー)、タルク等を挙げることができる。また、上記着色顔料および体質顔料以外に、必要に応じ、光輝性顔料を含むことができる。
【0028】
また、上記熱硬化性中塗り塗料は、上記成分の他に必要に応じて、顔料分散剤、表面調整剤、粘性制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等、当業者によってよく知られている各種添加剤を含むことができる。このような熱硬化性中塗り塗料は、一般に溶液型のものが好ましく、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型の形態を取ることが可能である。
【0029】
一方、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な中塗り塗料は、上記熱硬化性中塗り塗料のバインダー成分に活性エネルギー線の照射によって反応する官能基を導入することによって得ることができる。上記活性エネルギー線の照射によって反応する官能基としては、前述したように、不飽和結合であることが好ましい。上記不飽和結合の導入は、不飽和結合を複数個持つ樹脂を当初のバインダー成分に対して単にブレンドすること以外に、上記熱硬化性中塗り塗料に含まれているバインダー成分に、(メタ)アクリル酸やグリシジル(メタ)アクリレートのような不飽和結合と不飽和結合以外の反応性官能基を持つ化合物を反応させることによっても行いうる。特に、熱硬化性中塗り塗料のバインダー成分は通常カルボキシル基を有していることが多いので、後者の方法において(メタ)アクリレートを用いることが有効である。
【0030】
活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な中塗り塗料が不飽和結合を含む場合、その量は、樹脂固形分1gあたり0.1〜10mmolであることが好ましい。0.1mmol未満だと上記活性エネルギー線の照射による反応が進行せず、ウエット・オン・ウエットでの塗装が困難になるおそれがあり、10mmolを超えると硬化時の収縮が大きく外観不良が生じるおそれがある。
【0031】
上記バインダー成分に不飽和結合を導入した場合、チオール基を複数個有する成分であるポリチオールを加えることが好ましい。チオール基は不飽和結合に対して、活性エネルギー線照射条件下または加熱条件下で付加反応するためである。しかも、チオール基と不飽和結合との光照射下における反応は、通常の不飽和結合の付加重合に比べ、光開始剤を必要とせず、感度が高く、酸素阻害を受けないという利点を有している。
【0032】
上記ポリチオールは、メルカプトエタノールのようなチオール基とチオール基以外の反応性官能基を持つ化合物を用いて製造することができる。例えば、ジイソシアネートの片末端と上記メルカプトエタノールの水酸基とを反応させたウレタンプレポリマーをポリオールと反応させることにより、ポリチオールが得られる。
【0033】
上記中塗り塗料がポリチオールを含む場合、不飽和結合の官能基当量に相当する量を用いることが好ましい。なお、不飽和結合が自身の付加重合によって消費される場合、上記ポリチオールの量はそれに応じて加減することが可能である。このような不飽和結合自身による付加重合は、電着塗料のところで述べたように、光開始剤および/または熱開始剤を適宜含有することによって進行させることができる。
【0034】
上記中塗り塗料は、一般的に先の電着塗膜に対してスプレーにより塗装されることが好ましい。この塗装には、エアー静電スプレーや回転霧化式の静電塗装機などを用いることができる。上記中塗り塗膜の乾燥膜厚は用途により変化するが、5〜50μmであることが好ましい。上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にタレや焼付け硬化時にワキ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、外観が低下するおそれがある。
【0035】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、上記中塗り塗料の種類によって、中塗り塗料塗装後の工程が異なる。すなわち、上記中塗り塗料が活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な中塗り塗料である場合には、上記活性エネルギー線を照射する工程となる。一方、上記中塗り塗料が熱硬化性中塗り塗料である場合には、プレヒートと呼ばれる工程となる。
【0036】
上記未硬化の中塗り塗膜に対する活性エネルギー線の照射は、先の電着塗膜への活性エネルギー線照射工程で説明した内容をそのまま適用することができる。一方、上記プレヒート工程は、塗料を塗布した後に、例えば、室温〜100℃未満で1〜10分間送風または加熱する工程である。
【0037】
次に、上記未硬化の中塗り塗膜に対する、活性エネルギー線照射工程またはプレヒート工程の後、ベース塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形成する。
上記ベース塗膜は、上塗り塗膜に属するものであり、通常、意匠性の付与を目的とし、クリアー塗膜と組み合わされて用いられる。
【0038】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法で使用されるベース塗料としては、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なベース塗料と熱硬化性ベース塗料との2種類が挙げられる。
【0039】
上記熱硬化性ベース塗料は、これまでよく知られているものであり、バインダー成分と顔料とを含んでいる。上記バインダー成分としては、先の熱硬化性中塗り塗料で挙げたものを利用することができるが、上塗り塗膜の物性を考慮すると、硬化性官能基を有する樹脂は水酸基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。また、硬化剤としては、ブロックされていてもよいポリイソシアネートおよび/またはメラミン樹脂であることが好ましい。
【0040】
また、上記熱硬化性ベース塗料に含まれる顔料では、先の着色顔料および体質顔料に加え、光輝性顔料が通常よく用いられる。この光輝性顔料として、例えば、アルミニウム粉、マイカ粉、ガラス粉、ブロンズ粉、アルミニウム粉、チタン粉等を挙げることができる。
【0041】
上記熱硬化性ベース塗料は、上記成分の他に必要に応じて、熱硬化性中塗り塗料のところで挙げた各種添加剤を含むことができるが、ウエット・オン・ウエット塗装における混層防止機能を有するものを含んでいることが好ましい。上記熱硬化性ベース塗料は、先の熱硬化性中塗り塗料のところで挙げた種々の形態を取ることが可能であるが、環境保護の観点から水性の形態を取ることが好ましい。
【0042】
一方、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なベース塗料は、先の中塗り塗料と同様、上記熱硬化性ベース塗料のバインダー成分に活性エネルギー線の照射によって反応する官能基、好ましくは不飽和結合を導入することによって得ることができる。活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なベース塗料が不飽和結合を含む場合、その量は、樹脂固形分1gあたり0.1〜10mmolであることが好ましい。
【0043】
このようにして得られたベース塗料の塗装は、先の中塗り塗料の塗装と同様にして行うことができる。ここで、意匠性を高めるため、エアー静電スプレーによる多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、又は、エアー静電スプレーと上記の回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法により行うことが好ましい。上記ベース塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、5〜35μmであることが好ましい。上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装作業性が低下することがあり、下限を下回ると、目的とする意匠性が発現しないおそれがある。
【0044】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、このようにして形成された未硬化のベース塗膜に対し、塗装に用いたベース塗料の種類によって、活性エネルギー線を照射する工程またはプレヒート工程を行う。これらの条件は、先の中塗り塗料にそれぞれ準じて設定することができる。
【0045】
次に本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、このようにして得られた未硬化ベース塗膜に対して、クリアー塗料が塗布され、未硬化のクリアー塗膜が形成される。上記クリアー塗膜は、ベース塗膜と組み合わせて用いられるものであり、ベース塗膜の凹凸を平滑にしたり、ベース塗膜を保護する目的に加え、更に意匠性を付与する目的で形成されることもある。
【0046】
ここで形成されるクリアー塗膜が、複層塗膜における最上層に位置するものであるときには、これを形成するためのクリアー塗料は特別なものでなく、当業者によく知られた一般的なものを使用することができる。
【0047】
このような一般的なクリアー塗料に含まれるバインダー成分としては、例えば、反応性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらは、その反応性官能基に応じた硬化剤と組み合わされて用いられる。硬化剤としては、アミノ樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネートがよく知られている。ここで、透明性または耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂とを組み合わせたもの、あるいは、カルボン酸/エポキシ硬化系を利用したアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
【0048】
クリアー塗料は一般的に顔料を含まないものであるが、ここで用いるクリアー塗料は、意匠性を付与するため、先に挙げた顔料成分を、透明性を損なわない程度含んでいてもよい。また、先の2種類の塗料と同じく、各種添加剤を含むことができるが、ウエット・オン・ウエット塗装における混層を防止するためのものが含まれていることが好ましい。上記クリアー塗料の塗料形態としては、溶液型に加え、粉体型でもよい。得られる塗膜の外観を考慮すると、溶剤型のものが好ましい。なお、上記クリアー塗料は、先に形成した未硬化のベース塗膜との組み合わせを考慮して選択することが好ましい。
【0049】
未硬化のベース塗膜への上記クリアー塗料の塗装は、先のベース塗料の塗装と同様にして実施することができる。クリアー塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、10〜70μmであることが好ましい。上限を超えると、塗膜の鮮映性や塗装作業性が低下するおそれがあり、下限を下回ると、外観が低下するおそれがある。
【0050】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、以上の工程を経て形成された複数の未硬化塗膜に対する最後の工程として、焼き付けを行う。焼き付け条件は、用いた塗料の硬化条件に応じて、例えば、110〜200℃で10〜60分間の範囲で設定することができる。
【0051】
以上、電着塗膜、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリアー塗膜からなる自動車用多層塗膜の形成について説明を行ってきたが、本発明の方法は、この4層からなる多層塗膜の形成に限らず、種々の自動車用多層塗膜の形成に対して適用が可能である。
【0052】
例えば、最終的に得ようとする多層塗膜が中塗り塗膜を含まない場合、電着塗膜の上には上塗り塗膜が形成される。この上塗り塗膜が、例えば、着色顔料を含有する、いわゆるソリッドタイプの塗料を用いて得られる塗膜のみからなるときには、先の工程で得られた電着塗膜の上に、上記ソリッドタイプの塗料を塗装し、上記電着塗膜とソリッドタイプの塗料から得られた未硬化塗膜とを同時に焼き付けることにより、目的とする多層塗膜が得られる。
【0053】
また、高い意匠性の発現させるために、ベース塗膜やクリアー塗膜をそれぞれ2層以上で形成する方法に対しては、最上層に位置する塗膜以外に対し、これまでに説明したウエット・オン・ウエット塗装方法が適用されることになる。その場合に用いられる塗料は、すでに説明した手法を利用して準備することができる。
【0054】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法では、少なくとも電着塗膜について、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な電着塗料を用いる以外は、公知のウエット・オン・ウエット塗装系をそのまま利用することができる。すなわち、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な塗料を用いて、電着塗膜と中塗り塗膜とウエット・オン・ウエット塗装方法で形成し、これにベース塗膜とクリアー塗膜を形成する公知の2コート1ベークシステムを適用したり、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な塗料を用いて電着塗膜を形成したのち、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリアー塗膜を形成する公知の3コート1ベークシステムを適用することができる。これ以外に、先に述べたベース塗膜やクリアー塗膜をそれぞれ2層以上で形成する公知の方法も同じようにして本発明の形成方法の一部に組み込むことが可能である。また、電着塗膜、中塗り塗膜、ベース塗膜を形成するための全ての塗料を活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な塗料として、本発明の形成方法を行うこともできる。さらに、クリアー塗膜を形成するためのクリアー塗料も活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な塗料であってもよい。
【0055】
本発明の自動車用多層塗膜は、先の形成方法で得られるものであり、電着塗膜の上に少なくとも別の塗膜が形成されているものである。上記自動車用多層塗膜の膜厚は、例えば、30〜300μmである。
【0056】
【実施例】
本実施例における「部」および「%」は特に記載のない限り、質量基準を表す。
【0057】
製造例1 スルホニウム基とプロパルギル基とを有するカチオン電着塗料組成物の製造
エポキシ当量200.4のエポトートYDCN−701(東都化成社製のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)100.0質量部にプロパルギルアルコール23.6質量部、ジメチルベンジルアミン0.3質量部を攪拌機、温度計、窒素導入管及び還流冷却管を備えたセパラブルフラスコに加え、105℃に昇温し、3時間反応させてエポキシ当量が1580のプロパルギル基を含有する樹脂組成物を得た。このものに銅アセチルアセトナート2.5質量部を加え50℃で1.5時間反応させた。プロトン(H)NMRで付加プロパルギル基末端水素の一部が消失していることを確認した(14ミリモル/100g樹脂固形分相当量のアセチリド化されたプロパルギル基を含有)。このものに、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオール10.6質量部、氷酢酸4.7質量部、脱イオン水7.0質量部を入れ75℃で保温しつつ6時間反応させ、残存酸価が5以下であることを確認した後、脱イオン水43.8質量部を加え、目的の樹脂組成物を得た。このものの固形分濃度は70.0質量%、スルホニウム価は28.0ミリモル/100gワニスであった。数平均分子量(ポリスチレン換算GPC)は2443であった。この樹脂組成物142.9質量部に脱イオン水157.1質量部を加え、高速回転ミキサーで1時間攪拌後、さらに脱イオン水373.3質量部を加え、固形分濃度が15質量%となるように水溶液を調製し、カチオン電着塗料組成物を得た。
【0058】
製造例2 不飽和結合とポリチオールとを含有する水性中塗り塗料組成物の製造
<ポリエステルポリオール樹脂の製造>
窒素導入管、攪拌機、温度調節器、冷却管およびデカンターを備えた反応容器に無水フタル酸176部、イソフタル酸197部、アジピン酸87部、トリメチロールプロパン102部、ネオペンチルグリコール272部およびジブチルスズオキサイド0.8部、キシレン17部を仕込み、キシレンの還流が始まってから2時間かけて温度を200℃まで昇温した。その間、反応により生成する水をキシレンと共沸させて除去した。カルボン酸の酸価が8になったところで150℃まで冷却し、無水トリメリット酸49部を添加して1時間攪拌することにより、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定による数平均分子量2000、酸価40、水酸基価100のポリエステルポリオール樹脂を得た。
【0059】
<水性ポリチオールの製造>
イソホロンジイソシアネート44.5部を100℃に加熱し、攪拌しながら、2−メルカプトエタノール15.6部を30分かけて滴下し、温度を維持したまま2時間攪拌することによりチオール基含有イソシアネートプレポリマーを得た。
このプレポリマーを120℃で加熱溶解した、先に得られたポリエステルポリオール樹脂560部に添加し、温度を維持したまま2時間攪拌した。系が60℃になるまで冷却した後、ジメチルエタノールアミン28.5部を加えて混合したものに、さらにイオン交換水901部を加えることにより、数平均分子量2200、固形分40%、チオール濃度0.32mmol/g、酸価36、水酸基価72の水性ポリチオールを得た。
【0060】
<不飽和結合含有水性ポリエステルポリオール樹脂の製造>
先に得られたポリエステルポリオール樹脂560部を135℃に加熱溶解したところに、グリシジルメタクリレート26.9部、テトラブチルアンモニウムブロミド2.93部、およびメトキノン0.293部を添加し、温度を維持したまま2時間攪拌した。その後、系が60℃になるまで冷却し、ジメチルエタノールアミン15.0部を加えて混合したものに、さらにイオン交換水870部を加え、数平均分子量2100、固形分40%、固形分メタクリル基としての不飽和結合濃度0.32mmol/g、酸価20、水酸基価95の不飽和結合含有水性ポリエステルポリオール樹脂を得た。
【0061】
<顔料分散体の製造>
先に得られたポリエステルポリオール樹脂25.0部にジメチルエタノールアミン1.27部を60℃で加えて混合したものに、さらにイオン交換水36.2部を加え、固形分濃度40%の水性ポリエステル樹脂を調製した。この樹脂溶液に石原産業社製の二酸化チタンであるCR−97 75.0部を添加し、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加えて、粒度10μm以下になるよう、室温で1時間混合分散し、顔料分散体を得た。
【0062】
<水性中塗り塗料組成物の製造>
先に得られた水性ポリチオール22.9部、不飽和結合含有水性ポリエステルポリオール樹脂22.9部、顔料分散体109部、三井サイテック社製のメラミン樹脂であるマイコート723 15.0部、およびチバスペシャリティケミカルズ社製の光開始剤であるイルガキュア819 0.5部をジプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部に溶解したものを10分間ディスパーにて攪拌混合し、不飽和結合とポリチオールとを含有する水性中塗り塗料組成物を得た。
【0063】
実施例1 多層塗膜の形成方法
リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、製造例1で得られたカチオン電着塗料組成物を浴として、乾燥膜厚が30μmとなるように電着塗装を行った。電着塗装後、鋼板を水洗して、カチオン電着未硬化塗膜を得た。このカチオン電着未硬化塗膜に対し、高圧水銀灯を用いて照射エネルギーが1J/cmとなるよう紫外線照射を行った。
その後、製造例2で得られた水性中塗り塗料をエアースプレー塗装にて乾燥膜厚が20μmになるよう塗装を行い、高圧水銀灯を用いて照射エネルギーが1J/cmとなるよう紫外線照射を行った後、アクアレックスAR−2000シルバーメタリック(日本ペイント社製水性メタリックベース塗料、商品名)をエアースプレー塗装にて乾燥膜厚で10μmになるよう塗装し、80℃で3分プレヒートを行った。さらに、その塗板にクリアー塗料として、マックフロー O−1800W−2クリアー(日本ペイント社製酸エポキシ硬化型クリアー塗料、商品名)をエアースプレー塗装にて乾燥膜厚で35μmになるよう塗装した後、180℃で20分間焼き付けて多層塗膜を得た。このように1度の焼き付けによって、多層塗膜を得ることができた。
【0064】
【発明の効果】
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法は、焼き付けを1度で行うため、自動車の塗装工程におけるライン長を極めて短くすることができる。また、ウエット・オン・ウエット塗装方法を行うための活性エネルギー線の照射は、従来のプレヒート方式に対して短い時間で効率的に行うことができるため、さらにライン長を短くすることができる。
本発明の自動車用多層塗膜の形成方法は、焼き付けを1度で行うため、これまでに比べ、焼き付けに必要なエネルギーを少なくすることができるため、環境に対して優しい塗装系であるといえる。

Claims (7)

  1. 通電可能な基材に対して、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能な電着塗料を電着塗装する工程、
    前記電着塗装で得られた未硬化電着塗膜に対し、前記活性エネルギー線を照射する工程、
    前記活性エネルギー線を照射した電着塗膜に対し、さらに少なくとも1層の新たな未硬化塗膜を、塗料を用いて形成する工程、
    前記電着塗膜および前記新たな未硬化塗膜を同時に焼き付ける工程
    を含む自動車用多層塗膜の形成方法。
  2. 前記新たな未硬化塗膜が、上塗り塗料を塗布して形成されるものである請求項1記載の自動車用多層塗膜の形成方法。
  3. 前記新たな未硬化塗膜が、中塗り塗料を塗布して形成される中塗り塗膜と上塗り塗料を塗布して形成される上塗り塗膜とからなる請求項1記載の自動車用多層塗膜の形成方法。
  4. 前記中塗り塗料が、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なものであり、
    前記形成された未硬化中塗り塗膜に対し、前記活性エネルギー線を照射する工程をさらに含む請求項3記載の自動車用多層塗膜の形成方法。
  5. 前記上塗り塗膜が、ベース塗料を塗布して形成されるベース塗膜とクリア塗料を塗布して形成されるクリア塗膜とからなるものである請求項2〜4のいずれか1つに記載の自動車用多層塗膜の形成方法。
  6. 前記ベース塗料が、活性エネルギー線の照射および加熱によって硬化可能なものであり、
    前記形成された未硬化ベース塗膜に対し、前記活性エネルギー線を照射する工程をさらに含む請求項5記載の自動車用多層塗膜の形成方法。
  7. 請求項1〜7のいずれか1つに記載された方法により得られる自動車用多層塗膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007083201A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Mazda Motor Corp 多層塗膜形成方法
JP2010536541A (ja) * 2007-08-17 2010-12-02 ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド 航空宇宙用途に好適な多層コーティング

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