JP2007082366A - 電動機、およびそれを備えた電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、樹脂モールドした電機子を有する電動機、およびそれを備えた電動工具において、樹脂モールド電機子の発熱、特にコイルの発熱を効率良く冷却することを目的とする。
【解決手段】樹脂モールド電機子2aの発熱、特にコイル2eの発熱を効率よく冷却するために、コア2fのスロット2g内に充填され、コイル2eを埋設するモールド樹脂充填層9aの外周面に、スロット2g毎に開口溝2jを設ける。モールド樹脂充填層9aの成形に使用されるモールド金型は、4つのスライド方向(コアの半径方向)に離型可能な4つの部材から構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電機子のコアのスロット内に巻回されたコイルをモールド樹脂によって被覆した樹脂モールド電機子を有する電動機、およびそれを備えた電動工具に関する。
研削作業に用いられるディスクグラインダ等の携帯用電動工具においては、比較的に小形かつ軽量で、起動トルクが大きい整流子電動機が回転駆動源として使用されている。この電動工具において、整流子電動機を収納するモータハウジング部の回転軸方向一端側に回転軸の出力をグラインダ等の先端工具に伝達するギヤおよびスピンドル等を収納する動力伝達ハウジング部を設け、さらにモータハウジング部の回転軸方向他端側に駆動スイッチ等の電気回路を収納するハンドルハウジング部を設けたものが一般的である。
電動工具では、鉄材の研削屑や石材の切断屑などがハンドルハウジング部や動力伝達ハウジング部等に設けられた冷却用風窓を介してモータハウジング内に侵入し、電機子のコイル、特にコアスロットから突出する巻回コイルのエンド部を傷つけ、磨耗または断線させてしまうという問題がある。
この磨耗または断線の問題を防止するために、下記の特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されるように、電機子のコアスロット内のコイル部およびコアスロット外のコイルエンド部を金型成形によりモールド樹脂層で被覆する技術が周知である。この技術によって電機子のコアスロット内のコイル部およびコアスロット外のコイルエンド部は、モールド樹脂層が被覆されるので、研削屑や切断屑等の侵入によるコイルの磨耗または断線を防止できる。また、この技術においてモールド樹脂として熱伝導性の良い材料を用いれば、冷却性能を低下させずに磨耗または断線を防止することができる。
特開平7−123618号公報 特開平8−140318号公報 特開平7−123642号公報
しかしながら、上記の樹脂モールド電機子は、一般にモールド金型の構造を簡単にして生産性を上げるため、また、電機子のコア外周面での風損を低減するために、図7に示すように、コイル2eが巻回されたコア2fのスロット内に充填したモールド樹脂層9aをコア外周面と同一周面まで充填させ、コア2fの全円周面を平坦にしている。このため、電機子、特にコイル2eの冷却効果が低下し、コイル温度が上昇するという問題を生ずる。特に、電動工具では作業の状況から過負荷で使用される場合が多いため、過大なコイル温度の上昇を防止する必要がある。
従って、本発明の目的は、電機子コイルの冷却性能を向上させた樹脂モールド電機子を有する電動機を提供することにある。
本発明の他の目的は、電機子のコアスロット毎に開口溝を設けることによって冷却性能を向上させた樹脂モールド電機子を有する電動機を提供することにある。
本発明の他の目的は、量産性を低下させることなく、電機子のコアスロット毎に比較的任意な開口溝を設けることが可能な、モールド金型の分割数およびスライド角度を設定することができるモールド電機子のモールド成形法、または樹脂モールド電機子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、樹脂モールド電機子を有する電動機を備えた電動工具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に従って開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、回転軸に固定され、軸線方向に沿って延在する複数のスロットを有するコアと、前記複数のスロット内に軸線方向に沿って前記コアに巻回されたコイルと、前記コアの軸線方向の両端部側に設けられ、前記スロット内に巻回されたコイルが軸線方向で該スロットから突出して終端する一対のコイルエンド部と、前記回転軸に固定された冷却用ファンと、前記複数の各スロット内に巻回された前記コイルを覆い、かつ各スロット内を前記コアの外周面と同一円周面まで充填したモールド樹脂充填層とから成る電機子を具備する電動機において、前記複数の各スロット内に充填されたモールド樹脂充填層の前記円周面に、軸方向に沿って延在する開口溝を有する。
本発明の他の特徴によれば、前記各スロット内のモールド樹脂充填層に形成された前記開口溝の軸方向と垂直な径方向の断面形状は、隣接する一対のスロット内に形成されるものに対し互いに異なる寸法を有する。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記一対のコイルエンド部はモールド樹脂被覆層によってそれぞれ覆われる。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記各スロット内に充填された前記モールド樹脂充填層は、前記コアの半径方向において、少なくとも4方向に離型分割可能な金型を前記コア外周面に閉じてモールド成形した層からなり、前記開口溝は前記金型のキャビティ内に設けられた溝成形用突起部によって成形される。
本発明のさらに他の特徴によれば、回転軸に固定され、軸線方向に沿って延在する複数のスロットを有するコアと、前記複数のスロット内に軸線方向に沿って前記コアに巻回されたコイルと、前記コアの軸線方向の両端部側に設けられ、前記スロット内に巻回されたコイルが軸線方向で該スロットから突出して終端する一対のコイルエンド部と、前記回転軸に固定された冷却用ファンと、前記複数の各スロット内に巻回された前記コイルを覆い、かつ各スロット内を前記コアの外周面と同一円周面まで充填したモールド樹脂充填層とから成る電機子を具備する電動機を備えた電動工具において、前記電機子は、前記複数の各スロット内に充填されたモールド樹脂充填層の前記円周面に、軸方向に沿って延在する開口溝を有する。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電動工具において、前記電機子の前記各スロット内のモールド樹脂充填層に形成された前記開口溝の軸方向と垂直な径方向の断面形状は、隣接する一対のスロット内に形成されるものに対し互いに異なる寸法を有する。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電動工具において、前記電機子の前記一対のコイルエンド部はモールド樹脂被覆層によってそれぞれ覆われる。
本発明によれば、電機子のコアのスロット内に巻回されたコイルを被覆するモールド樹脂充填層に軸方向に沿って延在する開口溝を具備するので、樹脂モールドした電機子の発熱を効率よく冷却でき、コイルの温度上昇を抑制することができる。
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴および利点は、以下の本明細書の記述および添付図面からさらに明らかとなるであろう。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の一実施形態に係る整流子電動機をディスクグラインダに適用した電動工具の側面断面図を示す。まず、図1を参照して電動工具全体の構成について説明する。ディスクグラインダ100は、後述する本発明に従う樹脂モールド電機子(アーマチュア)2aを用いた整流子電動機(ユニバーサルモータ)2を収納する、例えば樹脂材料から成るモータハウジング部3と、モータハウジング部3の一端側に接続された、例えば金属材料から成るギヤカバ部4と、整流子電動機2のスイッチ7およびスイッチ回路(図示なし)を収納するスイッチハンドル部8と、電源コード8bとを具備する。モータハウジング部3に収納された整流子電動機2は、回転軸2dに固定された樹脂モールド電機子2aおよびモータハウジング部3に固定される固定子(ステータ)2bを含み、回転軸2dの出力側には冷却用ファン2cが固定され、冷却用ファン2cが回転することにより、スイッチハンドル部8に形成された吸気用風窓8aより冷却用外気(冷却風)を取り込み、モータハウジング部3、樹脂モールド電機子2aおよび固定子2bの隙間を通し、ギヤカバ部4に設けられた排気用風窓(図示なし)より大気中に排出する。また、ギヤカバ部4内には、整流子電動機2の回転軸2dに取付けられた第1の傘歯車(ピニオンギヤ)5aと、この第1の傘歯車5aに噛み合う第2の傘歯車5bとが収納されており、整流子電動機2の回転軸2dの回転力は、整流子電動機2の回転軸方向と直角方向に変換されてスピンドル6に伝達される。スピンドル6には先端工具として円盤状のグラインダ(砥石)1が取付けられて、研削または切断作業が可能となる。円盤状のグラインダ1の半円部は、保護カバー1aによって覆われている。
作業者がディスクグライダ100を使用する場合は、スイッチハンドル部8に設けられたスイッチ7によって整流子電動機2の駆動電源をオンさせ、スイッチハンドル部8およびギヤカバ部4に設けられたサイドハンドル部(図示なし)を把持して、被削材(被加工物)にグラインダ1を押し当てて鉄材の研削作業や、石材の切断作業を行う。
例えば石材の切断作業の場合、作業に伴い石材の切断屑が発生するが、これをスイッチハンドル部8に設けられた吸気用風窓8aから吸い込んでしまい、この切断屑が整流子電機子2aのコイル2eに吹き付けられることにより、コイル2eを傷つけ、磨耗または断線を起こす原因となる。しかし、本発明の樹脂モールド電機子2aによれば、図2および図3(図2のA−A破断線に沿う断面図)に示すように、コア2fのスロット2g内のコイル2eは、モールド樹脂充填層9aによって被覆され、また、コア2fの回転軸方向の両端部に突出するコイル2eのコイルエンド部2e1および2e2は、モールド樹脂被覆層9bおよび9cによってそれぞれ被覆されるので、切断屑または切削屑等の外部からの侵入物によるコイル2eの損傷は防止される。しかも、図3に示すように、コアスロット2g内のコイル2eを覆うモールド樹脂充填層9aにはコア2fの回転軸方向に沿って、放熱用(冷却用)の開口溝2jが形成されているので、冷却ファン2cによって吸い込まれた冷却風は樹脂モールド電機子2a、特にコイル2eの発熱を効率よく冷却することができる。すなわち、開口溝2jにより、樹脂モールド電機子2aの冷却効果を損なうことなく、コイル2eの摩耗または断線を防止できる。
樹脂モールド電機子2aの構造および製法について、図2および図3を参照して説明する。樹脂モールド電機子2aは、図2に略式的に示された金型10、金型11および金型12を使用して樹脂モールドされる。すなわち、本実施形態では、一対のコイルエンド部2e1および2e2を被覆するモールド樹脂被覆層9bおよび9cを成形するコイルエンド部金型11および12は、それらのキャビティ内周面が円錐形または椀形の形状なので、それぞれ単一体から成り、回転軸方向に離型分離(スライド)可能な金型が閉じられ、モールド成形される。
一方、コア2fのスロット2g内のコイル2eを樹脂モールドするコア部金型10は、図3に示されるように、スロット2g内のモールド樹脂充填層9aの外周面に開口溝2jを形成するために、コア2fの半径方向において少なくとも4方向に離型分割可能な4つの部材10a、10b、10cおよび10dから成る。モールド樹脂充填層9aは、これら4つの部材から成る金型10を、図2に示すように、コア2fの外周面に閉じてモールド成形される。開口溝2jは、各金型部材10a〜10dに設けられた溝成形用突起部10xによって形成される。なお、図2に示されるように、樹脂モールド電機子2aは、回転軸2dの外周面に形成された螺旋状溝2m内に埋め込まれ、かつ回転軸2dの外周面を被覆する樹脂絶縁層2kによって、回転軸2dに対し電気的絶縁されている。本実施例では、モータハウジング部3も絶縁材料(樹脂材料)で構成されるので、樹脂絶縁層2kは、モータハウジング部3と共に、二重絶縁構造を構成する。
図3に示したコア部金型10の実施形態についてさらに詳細に説明するならば、本実施形態の整流子電動機2では、樹脂モールド電機子2aのスロット2gの数は16箇で、コア部金型10は、上述したように、4つの金型部材10a、10b、10cおよび10dに分割可能な4分割スライド方式である。コア部金型10は1つの金型(10a、10b、10cおよび10dの各金型部材)がそれぞれ4個のスロット2gを覆っており、樹脂モールド電機子2aを回転軸方向から見た場合、それぞれの金型は回転軸2dの中心から90°毎の間隔で半径方向にスライドする。図4は、図3に示した開口溝2jを設けたコア断面の4分の1を拡大した拡大図である。
図3および図4に示した実施形態では、コア2fの外周面のスロット2g毎に設けた開口溝2jは、各スロット間で同一の形状寸法とした場合である。コア部金型10のスライド方向とスロット2gの位置関係を考慮し、かつモールド成形後にコア部金型10と樹脂モールド電機子2aの離型性を良くするためにスライド方向に対して5°の抜き勾配を設定する必要があることを考慮すると、図4に示すように、開口溝2jの断面形状は略三角形形状とすることが好ましい。言い換えれば、図3に示されたコア部金型10の溝成形用突起部10xの断面形状を略三角形形状に突起させることが好ましい。図4に示すように、コア2fのスロット2g内には巻回されたコイル2eが収納されており、コイル2e間には、例えば不飽和ポリエステルのような熱硬化性樹脂から成るモールド樹脂層9aが充填されている。また、コア2fの外周面にはスロット2g毎に開口溝2jが設けられている。これにより、樹脂モールド電機子2aの運転回転時には、冷却ファン2cによって発生する冷却風が開口溝2jを通るようになると同時に、開口溝2jによって形成される樹脂モールド電機子2a表面の冷却表面積も増加するため、コイル2eの発熱を効率よく冷却することができる。図4に示した本実施形態では、コア2fの外径を53.2mmとし、開口溝2jの幅を4mm、深さを2mmに設定すると、その開口溝2jの開口溝表面積は、348mmが得られ、入力2500Wクラスの整流子電動機2を用いて試験した結果、コア外周面が平坦な従来型の樹脂モールド電機子に比べ、コイル2eの温度上昇を、図6に示した特性図のポイントaに示すように、約92K(ケルビン)以下に押さえることができた。
本発明に従って形成される開口溝2jの形状は、コア2fのスロット2g毎に異形にしても良い。図5は本発明の第2の実施形態に係る開口溝2jの断面形状を示す。開口溝2jの断面形状は略台形形状である。離型性を考慮すると、スライド方向(図5の場合、45°の半径方向)に近い半径方向に位置するスロット2gに対しては、表面積の大きい開口溝2j、すなわち溝の底幅が大きい開口溝2jを設けることができる。このようにして、開口溝2jの断面形状をスロット毎に異形にすることにより開口溝2jの表面積を増加させることができる。この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、コア2fの外径を53.2mmで、開口溝2jの幅を4mm、深さを2mmに設定すると、開口溝2jの平均の開口溝表面積は425mmが得られる。その結果、図6に示した特性図のポイントbに示すように、第1の実施形態における開口溝表面積348mmより面積が増加した分、さらに樹脂モールド電機子2aの冷却性能を向上させることができ、コイル2eの温度上昇を85K以下に低下させることができた。
開口溝2jの断面形状は、上記実施形態に示した形状以外に、金型の離型性が許容される範囲で、種々の変形が可能である。図6に示した特性図のポイントcは、上記した4分割離型金型を使用して開口溝2jの表面積を、上記第1および第2の実施形態より小さく形成した場合(開口溝面積を300mmとした場合)のコイル2eの温度上昇を示す。この場合、開口溝表面積は小さくなるので、コイル2eの温度上昇が高くなる。図6に示した特性図から明らかように、開口溝2jの開口溝部表面積を増加させれば、樹脂モールド電機子2aの温度上昇、特にコイル2eの温度上昇を低下させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本発明に係る整流子電動機を使用した電動工具を示す部分断面図 本発明の第1の実施形態に係る樹脂モールド電機子全体を示す部分断面図。 図2に示した樹脂モールド電機子のA−A線に沿うコア部断面図およびコア部の金型部断面図。 図3に示した樹脂モールド電機子のコア部断面図の拡大図。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂モールド電機子のコア部断面拡大図。 本発明に係る樹脂モールド電機子の温度上昇特性図。 従来の整流子電動機における樹脂モールド電機子の断面図。
符号の説明
1:グラインダ(砥石) 1a:保護カバー 2:整流子電動機
2a:樹脂モールド電機子 2b:固定子 2c:冷却ファン
2d:回転軸 2e:コイル 2e1:コイルエンド部(冷却ファン側)
2e2:コイルエンド部(整流子側) 2f:コア 2g:スロット
2h:整流子 2j:開口溝 2k:樹脂絶縁層 2m:螺旋状溝
3:モータハウジング部 4:ギヤカバ部 5a:第1の傘歯車(ピニオンギヤ)
5b:第2の傘歯車 6:スピンドル 7:スイッチ
8:スイッチハンドル部 8a:吸気用風窓 8b:電源コード
9a:モールド樹脂充填層 9b、9c:モールド樹脂被覆層
10:モールド金型(コア部金型) 10a、10b、10c、10d:金型部材
10x:溝成形用突起部 100:電動工具(ディスクグラインダ)

Claims (7)

  1. 回転軸に固定され、軸線方向に沿って延在する複数のスロットを有するコアと、
    前記複数のスロット内に軸線方向に沿って前記コアに巻回されたコイルと、
    前記コアの軸線方向の両端部側に設けられ、前記スロット内に巻回されたコイルが軸線方向で該スロットから突出して終端する一対のコイルエンド部と、
    前記回転軸に固定された冷却用ファンと、
    前記複数の各スロット内に巻回された前記コイルを覆い、かつ各スロット内を前記コアの外周面と同一円周面まで充填したモールド樹脂充填層とから成る電機子を具備する電動機において、
    前記複数の各スロット内に充填されたモールド樹脂充填層の前記円周面に、軸方向に沿って延在する開口溝を有することを特徴とする電動機。
  2. 前記各スロット内のモールド樹脂充填層に形成された前記開口溝の軸方向と垂直な径方向の断面形状は、隣接する一対のスロット内に形成されるものに対し互いに異なる寸法を有することを特徴とする請求項1に記載された電動機。
  3. 前記一対のコイルエンド部はモールド樹脂被覆層によってそれぞれ覆われたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された電動機。
  4. 前記各スロット内に充填された前記モールド樹脂充填層は、前記コアの半径方向において少なくとも4方向に離型分割可能な金型を前記コア外周面に閉じてモールド成形した層からなり、前記開口溝は前記金型のキャビティ内に設けられた溝成形用突起部によって成形されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載された電動機。
  5. 回転軸に固定され、軸線方向に沿って延在する複数のスロットを有するコアと、
    前記複数のスロット内に軸線方向に沿って前記コアに巻回されたコイルと、
    前記コアの軸線方向の両端部側に設けられ、前記スロット内に巻回されたコイルが軸線方向で該スロットから突出して終端する一対のコイルエンド部と、
    前記回転軸に固定された冷却用ファンと、
    前記複数の各スロット内に巻回された前記コイルを覆い、かつ各スロット内を前記コアの外周面と同一円周面まで充填したモールド樹脂充填層とから成る電機子を具備する電動機を備えた電動工具において、
    前記電機子は、前記複数の各スロット内に充填されたモールド樹脂充填層の前記円周面に、軸方向に沿って延在する開口溝を有することを特徴とする電動工具。
  6. 前記電機子の前記各スロット内のモールド樹脂充填層に形成された前記開口溝の軸方向と垂直な径方向の断面形状は、隣接する一対のスロット内に形成されるものに対し互いに異なる寸法を有することを特徴とする請求項5に記載された電動工具。
  7. 前記電機子の前記一対のコイルエンド部はモールド樹脂被覆層によってそれぞれ覆われたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載された電動工具。
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