JP2007080875A - 発光装置、発光素子、発光装置の製造方法 - Google Patents

発光装置、発光素子、発光装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光の損失や光路長の変化による色ずれを抑制し、供給エネルギに対する発光輝度を高める。
【解決手段】青色発光ダイオードである発光層1は、厚み方向の一面に金属の基板2が積層され、他面に透明電極3が積層される。発光層1と基板2と透明電極3との積層体は、型枠4に囲繞される。また、透明電極3にはボンディングワイヤ7が接続される。型枠4の一端部は発光層1の発光面よりも突出し、発光層1と型枠4の内周面とに囲まれた凹所5内には透光性材料からなる光透過層6が充填される。光透過層6は青色光により励起され黄色に発光する蛍光体を透光性材料に分散させた光色変換材料であって、光透過層6からは青色光と黄色光との混色である白色光が取り出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光装置、発光素子、発光装置の製造方法に関するものである。
従来から、サファイア基板のような絶縁基板上に半導体層を成長させて発光層を形成した発光ダイオードが提供されている。この種の発光ダイオードとしては、ボンディングワイヤを用いてフェイスアップ実装を行う形のものと、バンプを用いてフェイスダウン実装を行うものとが提供されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−319706号公報
ところで、絶縁基板に発光層を形成した発光ダイオードでは、フェイスアップ実装を行うと、発光層で発生した光の一部が絶縁基板に侵入し、絶縁基板を通り抜けて無駄に放射されるか、絶縁基板の表面で反射された後に発光層を通過する。したがって、発光層で発生した光の一部が無駄になり、また発光層から直接取り出される光と絶縁基板で反射された後に発光層を透過して取り出される光との間で光路長にずれが生じることにより干渉による色むらを生じたりする。とくに、絶縁基板は発光層の100倍以上の厚み寸法を有しているから、発光層の内部での反射に比較して絶縁基板での反射があると光路長に大きな影響を与える。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、光の損失や光路長のばらつきによる色ずれを抑制し、供給エネルギに対する発光輝度を従来構成よりも高めた発光装置ないし発光素子を提供し、かつ発光装置の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、厚み方向の両面に電極が設けられ電極からの電気エネルギの供給により発光する発光層と、発光層と同面積を有し発光層の厚み方向の一面における電極を兼ねる非透光性材料からなる基板と、発光層の厚み方向の他面に設けた電極に接続されるボンディングワイヤと、発光層の厚み方向において一部が発光層の前記他面よりも突出する形で基板と発光層とを囲繞する型枠と、発光層の前記他面と型枠の内周面とに囲まれた凹所内に充填された透光性材料からなる光透過層とを有することを特徴とする。
この構成によれば、発光層の一面に非透光性材料の基板を積層しているから、発光層で発生した光が基板に侵入することがなく、結果的に発光層で発生した光の大部分が利用に供され、従来構成に比較すると供給エネルギに対する発光輝度を高めることができる。なお、基板を高反射率の金属で形成しておけば、発光層で発生した光のうち基板側に放射される光が基板で反射されるから、発光輝度を一層高めることができる。なお、この発光装置は照明用の光源のほか各種用途に用いることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記光透過層が、前記発光層から出射された光を受けて発光層から出射した光とは異なる波長の光を発生させる光色変換材料により形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、発光層から出射した光と、光色変換材料により形成された光透過層で発生した光とを混色した光が取り出されるから、発光層のみでは得られない光色を混色光として得ることができる。たとえば、発光層として青色発光ダイオードを用い、光透過層として青色光により励起されて黄色光を発光する蛍光体を透光性合成樹脂に分散させた光色変換材料を用いることにより、混色光として白色の光を得ることができる。発光層と光色変換材料との組合せは適宜に選択することができ、たとえば発光層として紫外線発光ダイオードを用い、光色変換材料として紫外線励起により白色光を発光する蛍光体を透光性合成樹脂に分散させたものを用いることによっても白色光を得ることができる。
請求項3の発明は、発光素子であって、請求項1または請求項2記載の発光装置を囲む投光レンズを備え、前記型枠と投光レンズとが同材料により形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、投光レンズによって配光を制御することができ、しかも型枠が投光レンズと同材料により形成されているから、発光層の側方に放射される光が型枠を通って投光レンズに導入されることになり、発光層の側方に放射される光も利用することができる。また、型枠が投光レンズと同じ材料であるから、型枠と投光レンズとの境界において屈折率差による反射を生じることがなく、発光層の側面から出射した光を投光レンズに損失させることなく導入することができる。この発光素子は照明用の光源のほか各種用途に用いることができる。
請求項4の発明は、請求項1または請求項2記載の発光装置の製造方法であって、絶縁基板の上で半導体層を成長させることにより前記発光層を形成した後に絶縁基板を除去し、残った発光層を金属からなる前記基板に積層し、その後、発光層の厚み方向の前記他面に透明電極を形成し、次に発光層と基板とを前記型枠で囲繞するとともに前記ボンディングワイヤを透明電極に接続し、さらに前記光透過層を形成する透光性材料を型枠内に充填することを特徴とする。
この方法によれば、発光層の製造時には絶縁基板の上で半導体層を成長させるから、面積の比較的大きい発光層を形成することができる。また、発光層の形成後に一方の電極となる金属の基板を積層し、他方の電極である透明電極を形成した後に、透明電極にボンディングワイヤを接続してから光透過層となる透光性材料を型枠内に充填するから、光透過層を形成する前に広い空間でボンディングワイヤを接続することができ、ボンディングワイヤの接続を比較的容易に行うことができる。
本発明の構成によれば、発光層の一面に積層する基板を非透光性材料で形成しているから、発光層で発生した光が基板に侵入することがなく、発光層で発生した光の大部分を利用に供することができるという利点を有する。すなわち、従来構成に比較すると供給エネルギに対する発光輝度を高めることができる。
本実施形態の発光装置Aは、図1に示すように、板状ないしシート状に形成された発光層1の一面に発光層1と同面積の金属の基板2が積層され、さらに発光層1の他面(以下、発光面という)の中央部に透明電極3が積層される。すなわち、発光層1の厚み方向の両面に電極となる基板2と透明電極3とが積層される。また、発光層1と基板2との積層体は、透明合成樹脂からなる型枠4に囲繞される。型枠4は筒状であって、発光層1の厚み方向において、型枠4の一端部は発光層1の発光面より突出する。したがって、発光層1の発光面と型枠4の内周面とに囲まれた凹所5が形成される。この凹所5には光透過層6を形成する透孔性樹脂が充填される。また、透明電極3には光透過層6を形成する前にボンディングワイヤ7が接続される。したがって、比較的広く開放されている状態でボンディングワイヤ7の接続作業を行うことができ、ボンディングワイヤ7の接続作業を容易に行うことができる。なお、型枠4の他端面は基板2の一面と同平面上に位置する。
本実施形態では、光透過層6として発光層1から出射した光の光色を変化させる材料を用いている。ここでは、発光層1に青色発光ダイオードを用い、光透過層6としては青色光により励起されて黄色光を発光する蛍光体を透光性合成樹脂に分散させた光色変換材料を用いている。このような組合せとすることにより、光透過層6を通った光は青色と黄色との混色光になり、青色と黄色とは補色の関係であるから、白色系の光を取り出すことができる。なお、発光層1と光色変換材料との組合せは適宜に選択することができる。
ところで、金属の基板2に発光層1を積層するにあたり、比較的大面積の発光層1を形成するには、サファイア基板のような絶縁基板(図示せず)の上に半導体の発光層1を成長させた後、絶縁基板を除去し、次に、残った発光層1を基板2に積層する。このようなプロセスを採用することにより、比較的大面積の発光層1を金属の基板2に積層した構造物を得ることができる。ここで、基板2は金属であって非透光性材料であるから、発光面の裏面側に放射された光は基板2に浸透することがなく、基板2に光が浸透することによる損失を防止することができる。とくに、基板2に反射率の高い金属を用いることで基板2からの反射光も利用に供することができ、サファイア基板のような透光性材料を基板に用いる場合よりも光の取出効率を高めることができる。また、透光性材料の基板を用いると光路長の差により干渉を生じることがあり、干渉による色ずれを生じることがあるが、本実施形態では、非透光性材料の基板2を用いるから干渉による色ずれも防止できる。
図2に示すように、上述した発光装置Aを投光レンズ8で覆うことにより発光素子Bが形成される。投光レンズ8は平凸レンズ状であって、投光レンズ8の平面側に発光装置Aが埋入される。投光レンズ8は発光装置Aを実装基板9に実装した後に形成される。実装基板9は、絶縁板9aの表面に金属薄膜などからなる導電層9b,9cを積層したものであって、導電層9aの上に基板2を載せた形で実装し、ボンディングワイヤ7を導電層9bに接続することにより、導電層9a,9bを通して発光層1に給電することが可能になる。
投光レンズ8はボンディングワイヤ7を導電層9bに接続した後に形成される。投光レンズ8の平面部は基板2の上記一面と略同平面上に形成され、投光レンズ8と発光装置Aとを組み合わせた発光素子Bの全体でドーム状に形成される。投光レンズ8の外周面は、発光層1の発光面の中心に立てた法線Nを回転軸とする回転体の外周面の形状になるように形成するのが望ましい。このような形状であると発光層1から放射された光を等方的に取り出すことができる。また、型枠4と投光レンズ8とは同材料で形成する。型枠4と投光レンズ8とが同材料であることにより、型枠4と投光レンズ8との境界で屈折や反射を生じることがなく、発光層1において発光面以外から出射した光をほとんど損失させることなく投光レンズ8に導入することができる。
本発明における発光装置の実施形態を示す断面図である。 同上を用いた発光素子の使用例を示す断面図である。
符号の説明
1 発光層
2 基板
3 透明電極
4 型枠
5 凹所
6 光透過層
7 ボンディングワイヤ
8 投光レンズ

Claims (4)

  1. 厚み方向の両面に電極が設けられ電極からの電気エネルギの供給により発光する発光層と、発光層と同面積を有し発光層の厚み方向の一面における電極を兼ねる非透光性材料からなる基板と、発光層の厚み方向の他面に設けた電極に接続されるボンディングワイヤと、発光層の厚み方向において一部が発光層の前記他面よりも突出する形で基板と発光層とを囲繞する型枠と、発光層の前記他面と型枠の内周面とに囲まれた凹所内に充填された透光性材料からなる光透過層とを有することを特徴とする発光装置。
  2. 前記光透過層は、前記発光層から出射された光を受けて発光層から出射した光とは異なる波長の光を発生させる光色変換材料により形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の発光装置を囲む投光レンズを備え、前記型枠と投光レンズとが同材料により形成されていることを特徴とする発光素子。
  4. 請求項1または請求項2記載の発光装置の製造方法であって、絶縁基板の上で半導体層を成長させることにより前記発光層を形成した後に絶縁基板を除去し、残った発光層を前記基板に積層し、次に発光層と基板とを前記型枠で囲繞するとともに前記ボンディングワイヤを透明電極に接続し、さらに前記光透過層を形成する透光性材料を型枠内に充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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