JP2007080864A - 発光装置 - Google Patents

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Kenichiro Tanaka
健一郎 田中
Koushi Matsushita
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Abstract

【課題】演色性を向上した発光装置を提供する。
【解決手段】色変換部材20は、シリコーン樹脂のような透明材料を矩形平板状に成形した成形品により構成され、中心線で区切られた2つの領域のうち、一方の色変換領域21においては、第1のLEDチップ1から放射された青色光によって励起されて緑色光を放射する粒子状の緑色蛍光体からなる蛍光材料が混合され、他方の透明領域22においては、如何なる蛍光材料も混合されていない。故に第2のLEDチップ2を封止する封止部材(色変換部材20の透明領域22)には蛍光材料が混合されていないから、相対的に波長の長い第2の可視光(赤色光)が蛍光材料により散乱されて減衰することがなく、従来例に比較して演色性を向上することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LEDチップ(発光ダイオードチップ)を利用した発光装置に関するものである。
従来、相対的に波長の短い第1の可視光を放射するLEDチップと、LEDチップが実装されたベース部材と、ベース部材におけるLEDチップの実装面側に配設され第1の可視光によって励起されて第1の可視光の波長よりも波長の長い第2の可視光を放射する蛍光材料を透明材料とともに成形した成形品からなる色変換部材とを備えた発光装置が提案されている。この種の発光装置としては、例えば、第1の可視光として青色光を放射するLEDチップと、第2の可視光として黄色光を放射する蛍光体とを混色させて白色光(白色光の発光スペクトル)を得る白色発光装置(一般に白色LEDと呼ばれている。)が商品化されている。
ところで、LEDチップが放射する青色光と蛍光体が放射する黄色光との混色によって白色光を得る場合、青色光や黄色光よりも波長の長い光(赤色光)が不足しているために演色性が低いという問題がある。これに対して、青色光を放射する第1のLEDチップと、赤色光を放射する第2のLEDチップと、青色光によって励起されて青色光の波長よりも波長が長く且つ赤色光よりも波長が短い緑色光を放射する蛍光材料を透明材料とともに成形した成形品からなる色変換部材とを備えた発光装置が提案されている(特許文献1参照)。かかる従来装置においては、青色光と赤色光と緑色光との混色で白色光が得られるとともに第2のLEDチップから赤色光を放射させることで演色性が向上するものである。
特開2002−57376号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来例では、第2のLEDチップが第1のLEDチップとともに色変換部材で封止されており、第2のLEDチップから放射される赤色光が色変換部材に含まれる蛍光体により散乱されて減衰してしまい、結局は演色性が十分に改善できないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、演色性を向上した発光装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、相対的に波長の短い第1の可視光を放射する第1のLEDチップと、相対的に波長の長い第2の可視光を放射する第2のLEDチップと、第1及び第2のLEDチップが実装されたベース部材と、ベース部材に対して第1及び第2のLEDチップを封止する封止部材と、ベース部材における第1のLEDチップの実装面側に配設され第1のLEDチップが放射する光によって励起されて第1の可視光よりも波長が長く且つ第2の可視光よりも波長が短い第3の可視光を放射する蛍光材料を透明材料とともに成形した成形品からなる色変換部材とを備え、封止部材は、透明材料のみで色変換部材と一体に成形された成形品からなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、光の放射方向から見たベース部材の略中心に第2のLEDチップが実装されるとともに第2のLEDチップの周囲に複数の第1のLEDチップが実装されたことを特徴とする。
本発明によれば、封止部材には蛍光材料が混合されていないから、相対的に波長の長い第2の可視光が蛍光材料により散乱されて減衰することがなく、従来例に比較して演色性を向上することができる。
本実施形態の発光装置は、図1(a)に示すように相対的に波長の短い第1の可視光(青色光)を放射する第1のLEDチップ1と、相対的に波長の長い第2の可視光(赤色光)を放射する第2のLEDチップ2と、第1及び第2のLEDチップ1,2が実装されたベース部材たるパッケージ10と、パッケージ10における第1及び第2のLEDチップ1,2の実装面側に配設される色変換部材20とを備える。
パッケージ10は、セラミック材料によって略直方体状に形成されるとともに一面には円錐台形状の2つの凹所11,12が設けられ、一方の凹所11の底面に第1のLEDチップ1が実装されるとともに、他方の凹所12の底面に第2のLEDチップが実装されている。なお、LEDチップ1,2に対向する凹所11,12の内周面には、反射率の高い材料(例えば、アルミナ)からなる反射面が形成されており、LEDチップ1,2から放射された光が凹所11,12の開口面から効率よく出射するようにしてある。
第1のLEDチップ1は、青色光を放射するGaN系青色LEDチップであり、サファイア基板からなる結晶成長用基板の主表面側にGaN系化合物半導体材料により形成されて、例えばダブルへテロ構造を有する積層構造部からなる発光部がエピタキシャル成長法(例えば、MOVPE法など)により成長させてある。また、第2のLEDチップ2は、赤色光を放射するAlGaAs系化合物半導体により形成されている。なお、第1及び第2のLEDチップ1,2は、それぞれ凹所11,12の底面に形成された金バンプ(図示せず)に、図示しないアノード電極並びにカソード電極を接合することでパッケージ10に実装されている。また、LEDチップ1,2が放射する光を集光するレンズ部材を設けてもよい。
色変換部材20は、シリコーン樹脂のような透明材料を矩形平板状に成形した成形品により構成され、中心線(図1(a)における実線)で区切られた2つの領域のうち、一方の領域(以下、色変換領域という。)21においては、第1のLEDチップ1から放射された青色光によって励起されて緑色光を放射する粒子状の緑色蛍光体からなる蛍光材料が混合され、他方の領域(以下、透明領域という。)22においては、第2のLEDチップ2から放射された赤色光がそのまま通過するように如何なる蛍光材料も混合されていない。そして、このように構成される色変換部材20は、色変換領域21が第1のLEDチップ1を実装した一方の凹所11を封止し、且つ透明領域22が第2のLEDチップ2を実装した他方の凹所12を封止するようにしてパッケージ10に結合されている。
したがって、第1のLEDチップ1から放射された青色光と緑色蛍光体から放射された緑色光とが色変換部材20の色変換領域21から出射され、第2のLEDチップ2から放射された赤色光が色変換部材20の透明領域22から出射されるため、青色光と緑色光と赤色光の混色によって白色光が得られることになる。しかも、第2のLEDチップ2を封止する封止部材(色変換部材20の透明領域22)には蛍光材料が混合されていないから、相対的に波長の長い第2の可視光(赤色光)が蛍光材料により散乱されて減衰することがなく、従来例に比較して演色性を向上することができる。
なお、図1(b)に示すように光の放射方向(同図における上方向)から見たパッケージ10の略中心に第2のLEDチップ2を実装するとともに第2のLEDチップ2の周囲に複数の第1のLEDチップ1を配置するようにしても構わない。
(a)(b)は本発明の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 第1のLEDチップ
2 第2のLEDチップ
10 パッケージ
11,12 凹所
20 色変換部材
21 色変換領域
22 透明領域

Claims (2)

  1. 相対的に波長の短い第1の可視光を放射する第1のLEDチップと、相対的に波長の長い第2の可視光を放射する第2のLEDチップと、第1及び第2のLEDチップが実装されたベース部材と、ベース部材に対して第1及び第2のLEDチップを封止する封止部材と、ベース部材における第1のLEDチップの実装面側に配設され第1のLEDチップが放射する光によって励起されて第1の可視光よりも波長が長く且つ第2の可視光よりも波長が短い第3の可視光を放射する蛍光材料を透明材料とともに成形した成形品からなる色変換部材とを備え、封止部材は、透明材料のみで色変換部材と一体に成形された成形品からなることを特徴とする発光装置。
  2. 光の放射方向から見たベース部材の略中心に第2のLEDチップが実装されるとともに第2のLEDチップの周囲に複数の第1のLEDチップが実装されたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
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