JP2007076482A - 自動車のスライドドア構造 - Google Patents

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Toshinori Sakamoto
敏則 坂本
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Abstract

【課題】
本発明は、車体側部に設置されるサイドドアを車両前後方向にスライド移動させてドア開口を開閉する自動車のスライドドア構造において、ドア本体の重量が増加した場合であっても、スライドドアにガタツキが生じることなく、スライドドアを安定して円滑に開閉することができ、また、構成の簡素化も図ることができる自動車のスライドドア構造を提供することを目的とする。
【解決手段】
スライドドア構造は、ドア本体3の下部に、車両内方側に突出するローラ保持ブラケット20を設け、そのローラ保持ブラケット20に、水平方向の荷重を受ける水平ローラ33,34、さらに、この水平ローラ33,34の回転軸C(中心軸)上に配置され鉛直方向の荷重を受けるボール体35とを含んで構成したローラユニット30,40を設けている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、自動車側部に設置され、車両前後方向にスライド移動させることでドア開口を開閉するスライドドアの構造に関し、特にスライドドアのガタツキ等を抑制した自動車のスライドドア構造に関する。
従来から、車体側部に設置されるサイドドアの構造として、ドア本体を車両前後方向にスライドさせて、ドア開口を開閉するスライドドア構造が知られている。
このスライドドア構造では、ドア本体を一旦車幅方向外方側に移動させた上で、車両前後方向にスライド移動させるため、一般に、車体側に設けられるスライドレールが、その先端部を車幅方向内方側に入り込むように屈曲形成している。
このため、ドア本体側に設けられるローラ(鉛直方向の荷重を支えるローラ)も、車幅方向外方に移動される軌跡と、車両前後方向に移動される軌跡とを持つ必要があり、ドア開閉時にはこの両軌跡を切替える必要がある。
そこで、下記特許文献1では、文献中の第3図に示すように、ドアのインナパネルに車両内方側に延びる取り付けブラケットを設け、その取り付けブラケットの前端に首振りカムを軸支し、この首振りカムに鉛直方向の荷重を受ける鉛直ローラと、この鉛直ローラの軌跡を規定する前後二つの水平ローラとを設けて、所謂首振り機構を構成し、ドア側に設けられる鉛直ローラの軌跡を切替えるように構成している。
特開平2−204126号公報
ところで、ドア開口の面積を大きくするなどしてドア本体を大型化した場合や、ドア本体の内部にインパクトバー等の構造物を設けた場合などには、ドア重量が増加する。
このドア重量が増加した場合に、前述の特許文献1のように首振り機構を設けていると、この首振り機構の部分に大きな負荷が掛かることになり、ドア本体にガタツキが生じたり、スライドドアを円滑に開閉できなくなるおそれがある。
また、このような首振り機構を設けた場合には、ドア下部のスライドドア構成が複雑になり、レイアウトスペースも増加するといった問題がある。
そこで、本発明は、車体側部に設置されるサイドドアを車両前後方向にスライド移動させてドア開口を開閉する自動車のスライドドア構造において、ドア本体の重量が増加した場合であっても、スライドドアにガタツキが生じることなく、スライドドアを安定して円滑に開閉することができ、また、構成の簡素化も図ることができる自動車のスライドドア構造を提供することを目的とする。
この発明の自動車のスライドドア構造は、車体側面に形成された開口部を覆うドア本体と、前記開口部の下方に設置されドア本体を車両前後方向にスライド可能に支持するロアレールと、該ロアレールより上方に設置されドア本体を車両前後方向にスライド可能に支持するアッパーレールとを含んでなるスライドドア構造であって、前記ドア本体の下部に、車両内方側に突出するローラ保持部材を設け、該ローラ保持部材と前記ロアレールの間をスライド可能に連結するローラ部を、ローラ保持部材に設けられ水平方向の荷重を受ける水平ローラと、該水平ローラの中心軸上に配置され鉛直方向の荷重を受けるボール体とを含んで構成したものである。
上記構成によれば、ローラ保持部材とロアレールの間をスライド可能に連結するローラ部を、水平方向の荷重を受ける水平ローラと、鉛直方向の荷重を受けるボール体とを含んで構成したことで、ロアレールの途中で車幅方向内方側に屈曲形成され、ローラ部の移動軌跡が途中で変化する場合でも、鉛直方向の荷重を受ける転動体をボール体で構成したことにより、別途ローラ部の軌跡を切替えるための機構を設ける必要がない。
すなわち、従来、首振り機構を設けることで、首振りカムを上下方向軸廻りに回転させて鉛直ローラの軌跡を切替えていたが、上記構成によれば、鉛直ローラをボール体に変更したことで、移動軌跡を切替えなくても自由に転動させることができ、首振り機構を不要とできるのである。
このため、ローラ部の移動軌跡を切替える首振り機構を廃止することができ、直接ローラ保持部材をローラ部に連結してスライドドア構造を構成することができる。
なお、このスライドドア構造におけるドア本体のスライド方向は、車両前方側にスライド移動するものでも、車両後方側にスライド移動するものであってもよい。
また、ロアレール以外のスライドレールのローラ部の構造については、特に限定されるものではなく、一般的なローラ体で構成してもよい。
この発明の一実施態様においては、前記水平ローラを、ローラ保持部材を挟んで上下一対に設け、前記ボール体を、該水平ローラを挟んで上下一対に設けたものである。
上記構成によれば、ローラ保持部材を挟んで水平ローラ及びボール体をそれぞれ上下一対に設けたことで、ローラ保持部材の水平方向位置と上下方向位置とが水平ローラとボール体によって確実に規定されることになる。
よって、ローラ保持部材とロアレールとの間の支持剛性を、より高めることができ、スライドドアのガタツキを、より確実に抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、前記ロアレールを車両前後方向にずれて配置した第一レールと第二レールで構成し、前記ローラ部を該第一レールに係合する第一ローラ部と該第二レールに係合する第二ローラ部とで構成したものである。
上記構成によれば、第一レールと第二レールでロアレールを構成し、それぞれに係合する第一ローラ部と第二ローラ部とでローラ部を構成することで、ドア本体の重量を二本のレールで分担して受け持つことになる。また、第一レールと第二レールを車両前後方向にずらして配置することで、ドア本体の支持点をドア下部の前後二箇所に設定することになる。
このため、ドア本体の重量が増加した場合であっても、二本のレールによって、ドア本体を安定して支持することができる。また、スライドドアでは、ドア本体を三箇所の支持点で支持することで安定して支持できるが、支持点の二箇所を下部に設けたことで、上部の支持点を一箇所だけにすることができる。
よって、より確実にスライドドアのガタツキを抑えることができ、また、ドア本体の上部の支持点に対応する車体側にスライドレールを設けることなく、スライドドアを構成することができる。
この発明の一実施態様においては、前記第一レールと第二レールを、同一高さに設置したものである。
上記構成によれば、二つのレールを同一高さに設置したことで、ロアレールの上下方向の占有スペースをコンパクトに構成することができる。
よって、ロアレールを第一レールと第二レールの二本で構成した場合でも、占有スペースを拡大することなく、開口部下方にコンパクトに設置することができる。
この発明の一実施態様においては、前記第一レールと第二レールを、断面コ字状で形成するとともに、互いに開口部を逆向きにして並設し、該第一レールと第二レールの両側外方から延びて、該第一レールと第二レールの開口部を挿通して、前記ローラ保持部材と前記ローラ部とを連結する連結部を設けたものである。
上記構成によれば、ロアレールの第一レールと第二レールを近接配置して、このロアレールにスライド可能に係合するローラ部を、各レールの両側外方から延びる連結部によってローラ保持部材と連結することで、ロアレールを二つのレールで構成しても、近接配置したことでコンパクトにレイアウトできる。また、連結部によって両側から挟みこんだ形でローラ部とローラ保持部材が連結されることで、レールとローラ部のガタツキがより確実に抑制され、ドア本体の支持がより確実に安定して行われる。
よって、ロアレールをコンパクトに構成することができ、より安定かつ確実にドア本体の支持が行え、スライドドアの開閉をより円滑に行うことができる。
この発明によれば、ローラ保持部材とロアレールの間をスライド可能に連結するローラ部を、水平方向の荷重を受ける水平ローラと、鉛直方向の荷重を受けるボール体とを含んで構成したことで、ロアレールの途中で車幅方向内方側に屈曲形成され、ローラ部の移動軌跡が途中で変化する場合でも、鉛直方向の荷重を受ける転動体をボール体で構成したことにより、別途ローラ部の軌跡を切替えるための機構を設ける必要がない。
このため、ローラ部の移動軌跡を切替える首振り機構を廃止することができ、直接ローラ保持部材をローラ部に連結してスライドドア構造を構成することができる。
よって、本発明は、車体側部に設置されるサイドドアを車両前後方向にスライド移動させてドア開口を開閉する自動車のスライドドア構造において、ドア本体の重量が増加した場合であっても、スライドドアにガタツキが生じることなく、スライドドアを安定して円滑に開閉でき、また、構成の簡素化も図ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
まず、図1〜図7により、第一実施形態について説明する。図1は本発明の自動車のスライドドア構造が採用された車両の概略側面図であり、(a)がドア本体を閉じた状態、(b)がドア本体を開いた状態である。図2はその車両の概略平面図であり、(a)がドア本体を閉じた状態、(b)がドア本体を開いた状態である。図3はフロアパネル側部を斜め後方側から見た斜視図であり、図4は図3のA−A線矢視断面図であり、図5はロアレール内部の詳細断面図である。また、図6はロアレールとローラ部分の係合状態を示す斜視図、図7は、(イ)が従来の首振り機構によるローラ部の軌跡を説明する模式図であり、(ロ)が本発明のスライドドア構造によるローラ部の軌跡を説明する模式図である。
本実施形態の車両Vは、図1に示すように、車室内に前後二列のシート1,2を備えたクーペタイプの車両であり、前席側方にのみにドアを設ける、所謂2ドアタイプの車両である。このドアの内、少なくとも車両左側の助手席側のドアについて、ドア本体3を車両後方側にスライド移動させてドア開閉を行う、所謂スライドドアで構成している。
本実施形態のスライドドア構造は、ドア開口4の後方車体の所謂ベルトライン(高さ方向中央位置)付近で車両前後方向に延びるように設置したアッパーレール5と、ドア開口4の下部車体に車両前後方向に延びるように設置したロアレール6と、アッパーレール5とロアレール6にそれぞれ支持されてドア開口4を覆うように位置するドア本体3と、ドア本体3をロアレール6にスライド自在に連結するロアローラ部7(図2参照)と、ドア本体3をアッパーレール5にスライド自在に連結するアッパーローラ部(図示せず)とを具備している。なお、アッパーレール5とアッパーローラ部については、詳細に説明しないが、一般的なレールとローラ部材によって構成している。
前述のロアレール6は、図2に示すように、車両前後方向に延びて前端部を車両内方側に屈曲形成している。これにより、ドア本体3をスライド開放する際には、ドア本体3を一旦車幅方向外方にスライド移動させた上で、車両後方側にスライド移動させて開放するようになっている。
また、このロアレール6は、車両前方側で且つ車両外方側に設置される第一ロアレール6Aと、この第一ロアレール6Aよりも車両後方側で且つ車両内方側に設置される第二ロアレール6Bの計二本のレールで構成している。
このロアレール6は、図3に示すように、フロアパネル8の側端部に接合されたサイドシル9の下方で、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bを、高さ方向を一致させた状態で並設し、このサイドシル9に沿って車両前後方向に延ばし、屈曲形成した前端部をフロアパネル8下面に接合した前後方向メンバー部材10の下方位置まで延びるように設置している。
この第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bは、図4に示すように、共に一部を開放した断面略コ字状のレール部材によって形成され、その開口部61,62を、第一ロアレール6Aでは車幅方向外方側(61)に、第二ロアレール6Bでは車幅方向内方側(62)にそれぞれ設定して、互いに逆向きに開口するように設定している。
前述のドア本体3は、図1に示すように、ドア開口4よりも大きく形成され、車両側面のほぼ半分の面積を占める程度の大きさを有する異形ドアによって構成している。
このドア本体3の形状は、空力特性を考慮した車体形状に略一致させるべく、上縁部3aの形状を、車両前後方向の中央が最も高くなるように円弧形状に設定し、車両後方側で降下する形状に設定している。
このため、本実施形態では、通常ドア本体3の上縁部3aに対応して設定されるスライドレール(アッパーレール)を、車体側に設置しておらず(図1参照)、ドア本体3を支持するスライドレールを、前述のように、ベルトライン付近に設置されるアッパーレール5とドア開口4下方に設置されるロアレール6とで構成している。
前述のロアローラ部7は、図2に示すように、ドア本体3の前端下部に固定され車室内方側に突出するローラ保持ブラケット20と、このローラ保持ブラケット20の車両前方側端部に設置され、第一ロアレール6Aにスライド自在に係合する第一ローラユニット30と、ローラ保持ブラケット20の車両内方側端部に設置され第二ロアレール6Bにスライド自在に係合する第二ローラユニット40とからなる。
ローラ保持ブラケット20は、図3に示すように、異形プレートで形成され、車両外方側端部をドア本体3に固定される基部21として、車両前方側端部を第一ローラ保持片22とし、車内方側端部を第二ローラ保持片23として形成している。
このうち基部21には、図4に示すように、上方に隆起する締結部21aを形成しており(図3では図示せず)、この締結部21aで、ローラ保持ブラケット20をドア本体3下部に締結固定している。
また、第一ローラ保持片22と第二ローラ保持片23の上面には、それぞれ上方に立設して、前述の第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bの各開口部61,62を挿通して、第一ローラユニット30及び第二ローラユニット40に連結される連結腕部22a,23aを設けている(図6参照)。
この連結腕部22a,23aは、並設した第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bを挟み込むような状態で、各ローラユニット30,40に連結されるため、連結腕部22a,23aが設けられるローラ保持ブラケット20もその位置を安定して維持することになる。このため、このローラ保持ブラケット20で支持されるドア本体3も、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bによって、強固に支持されることになる。
第一ローラユニット30及び第二ローラユニット40は、図5に示すように、ともに第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bに、それぞれ係合しており、複数のローラ体等を組み合わせることで構成している。なお、両ローラユニット30,40は同一の構成要素で構成しているため、ここでは、第一ローラユニット30の構成要素を説明して、第二ローラユニット40については説明を省略する。
第一ローラユニット30は、前述の連結腕部22aに対して接合固定される円盤状のベース体31と、ベース体31の上下位置にそれぞれ接合固定される異形断面の上下一対のローラ嵌合体32,32と、ローラ嵌合体32,32に嵌合されて第一ロアレール6Aの車両内方側面6Aaに当接して内方側の位置決めを行う上下一対の第一水平ローラ33,33と、同様にローラ嵌合体32,32に嵌合されて第一ロアレール6Aの車両外方側面6Abに当接して外方側の位置決めを行う上下一対の第二水平ローラ34,34と、上下のローラ嵌合体32,32の上下端にそれぞれ形成された凹状の嵌め込み部32a,32aにそれぞれ回動自在に嵌め込まれた上下一対の金属製のボール体35,35とで構成している。
このうち、ベース体31とローラ嵌合体32,32は、連結腕部22aを介してローラ保持ブラケット20と一体となり固定部として機能している。また、第一水平ローラ33,33と第二水平ローラ34,34は、それぞれインナーレースとアウターレースを備えたボール軸受で構成され、水平方向の荷重を確実に受けている。
このように水平ローラを、第一水平ローラ33、第二水平ローラ34と二つ設けたのは、水平ローラを第一ロアレール6Aの両側壁6Aa,6Abにそれぞれ当接させた状態で、スライド移動した際に、水平ローラが逆回りに回転して、ロックするのを防止するためである。
ローラ嵌合体32,32の嵌め込み部32a,32aに嵌め込まれたボール体35,35は、ドア本体3の鉛直方向の荷重を支えるため、比較的大きな径を有しており、また円滑に回転するように嵌め込み部32a,32aとの間に図示しない複数の小径の鋼球を介装して構成している。
ボール体35,35は、前後左右あらゆる方向に回転する転動体であり、ローラのように回転方向が一方向に制限されることはない。
このように第一ローラユニット30が構成されることで、第一ローラユニット30にはその中央に、第一水平ローラ33,33と第二水平ローラ34,34の回転軸(中心軸)Cが形成される。この回転軸Cを中心として第一ローラユニット30を、第一ロアレール6Aに沿って水平方向に移動させることで、ドア本体3のスライド移動を行うことができる。
この回転軸Cの移動軌跡は、鉛直方向の荷重を受ける転動体の回転方向によって決まるが、本実施形態では、転動体をボール体35で構成しているため、一方向に規定されることはなく、あらゆる方向に移動させることができる。
このスライドドア構造のロアレール6とロアローラ部7の係合状態は、図6に示すように、角筒状に延びる断面コ字状の第一ロアレール6Aに対して第一ローラユニット30が係合し、同様に角筒状に延びる第二ロアレール6Bに対して第二ローラユニット40が係合している。
具体的には、レール6A,6Bの両側面内側に各水平ローラ33,34を当接させ、また、上下一対のボール体35(,35)をレール6A,6Bの上下面内側に当接させることで、各ローラユニット30,40を各ロアレール6A,6Bに係合している。
なお、この図6は、ローラ保持ブラケット20をロアレール6の前端部に位置させた状態を示したものであるが、ローラ保持ブラケット20をロアレール6の後端部に位置させた状態でも、同様に係合している。
このように、第一ロアレール6Aと第一ローラユニット30、及び第二ロアレール6Bと第二ローラユニット40は、共に、常時上下左右が当接して係合した状態となっており、ドア本体3には全くガタツキが生じることがない。
次に、このように構成された本実施形態のスライドドア構造のドア開閉動作について、図2を利用して説明する。
(a)に示すドア本体3の閉鎖状態では、第一ローラユニット30と第二ローラユニット40は、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bの車両内方側の前端部に位置している。これにより、ドア本体3とローラ保持ブラケット20は、車両内方側に引き込まれた閉鎖位置に位置し、ドア開口4を閉鎖する。
この閉鎖状態から、乗員等がドア操作ノブ(図示せず)を操作すると、ドアロック(図示せず)が解除され、ドア本体3を車両後方側に自由にスライド移動させることになる。
そして、スライド移動させて、(b)に示すドア本体3の開放状態とした際には、第一ローラユニット30と第二ローラユニット40は、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bの車両外方側の後端部に位置している。これにより、ドア本体3とローラ保持ブラケット20は、車両外方側に押し出された開放位置に位置し、ドア開口4を開放する。
この開放動作の際、第一ローラユニット30と第二ローラユニット40は、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bの途中に形成した屈曲部E,Eを経由して、後端部に案内されるが、本実施形態のローラユニット30,40の場合、鉛直方向の荷重を受ける転動体を、ボール体35,35で構成しているため、移動軌跡を切り替える機構を別途用いることなく、その移動軌跡を切り替えることができる。すなわち、転動体をローラ体とした場合のように、首振り機構を設けなくても、移動軌跡を切替えることができるのである。
なお、閉鎖動作の際も、同様に移動軌跡を切り替える必要があるが、この場合も切り替える機構を別途用いることなく、移動軌跡を切り替えている。
この移動軌跡の切り替えに関する本実施形態と従来構造との比較について、図7の模式図により説明する。(イ)が従来構造の移動軌跡の切り替え状態を示したもの、(ロ)が本実施形態の移動軌跡の切り替え状態を示したものである。
(イ)に示すように、従来構造は、鉛直荷重を受けるローラ体100と、ローラ体100を支持して上下軸廻りに回動する首振りカム101と、首振りカム101を軸支してドア本体3に固定される軸支ブラケット102とによって、所謂首振り機構を備えたローラ部を構成し、移動軌跡に応じて、首振りカム101の首振り角度を変化させ、ローラ体100の回転方向を切り替えている。
例えば、(イ)のようにスライド移動(ドア本体3の閉鎖移動)する際には、スライドレール103の屈曲部Eを境に、首振りカム101を矢印で示すように回転軸廻りに回動させ、首振り角度を変化させることで、移動軌跡を切り替えている。
これに対し、(ロ)に示す本実施形態では、鉛直荷重を受ける転動体をボール体135とし、このボール体135を支持ブラケット120で回動自在に支持し、この支持ブラケット120を直接ドア本体3に固定しているため、回転方向がローラ体100のように一方向に規定されず自由に回転するため、スライドレール103の軌跡に応じてスライド移動していくことになる。
例えば、(ロ)に示すように、スライド移動する際に屈曲部Eを経由しても、何ら切り替え機構を必要とすることなく、ボール体135の移動軌跡を変更することができるのである。
このため、本実施形態によると、従来構造で必要であった首振り機構を廃止することができる。
よって、本実施形態のように首振り機構を廃止することにより、ドア重量が増加した場合であっても、首振り機構によるガタツキが生じないため、ドア本体3のガタツキを抑制することができる。また、首振り機構を廃止しているため、スライドドア構造の簡素化を図ることができる。
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について、詳述する。
本実施形態のスライドドア構造は、ドア本体3の下部に、車両内方側に突出するローラ保持ブラケット20を設け、そのローラ保持ブラケット20に、水平方向の荷重を受ける水平ローラ33,34、さらに、この水平ローラ33,34の回転軸C(中心軸)上に配置され鉛直方向の荷重を受けるボール体35とを含んで構成したローラユニット30,40を設けている。
この構成によれば、移動軌跡が途中で変化する場合でも、ボール体35が水平方向において自由に転動(スライド)するため、別途ローラユニット30,40の軌跡を切替えるための機構を設ける必要がない。
このため、ローラユニット30,40の移動軌跡を切替える首振り機構を廃止することができ、直接ローラ保持ブラケット20をローラユニット30,40に連結してスライドドア構造を構成することができる。
よって、車体側部に設置されるドア本体3を車両前後方向にスライド移動させてドア開口4を開閉する自動車のスライドドア構造において、ドア本体3の重量が増加した場合であっても、スライドドアにガタツキが生じることなく、スライドドアを安定して円滑に開閉でき、また、構成の簡素化も図ることができる。
また、本実施形態では、ローラ保持ブラケット20と一体になったベース体31を挟んで水平ローラ33,34及びボール体35をそれぞれ上下一対に設けたことで、ローラ保持ブラケット20の水平方向位置と上下方向位置とが水平ローラ33,34とボール体35によって確実に規定されることになる。
よって、ローラ保持ブラケット20とロアレール6との間の支持剛性を、より高めることができ、スライドドアのガタツキを、より確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bとでロアレール6を構成し、それぞれに係合する第一ローラユニット30と第二ローラユニット40とにより、ロアローラ部7を構成することで、ドア本体3の重量を二本のロアレール6で分担して受け持つことになる。
このため、本実施形態のように、ドア本体3の重量が増加しても、二本のレールによって、安定してドア本体3を支持することができる。
また、本実施形態では、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bを車両前後方向にずらして配置したことで、ドア本体3の支持点P,Qをドア本体4下部の前後二箇所に設定することができる(図1参照)。
このため、ドア本体4の支持点の三箇所P,Q,Rの内、二箇所P,Qを下部に設けたことで、上部の支持点Rを一箇所だけにすることができる。
よって、ドア本体3の最上部の支持点に対応する車体側にスライドレールを設けなくても、スライドドアを構成することができ、ドア本体3の上縁部形状のデザイン自由度を高めることができる。
また、こうしてドア本体3上部に対応する位置のスライドレールを廃止することができるため、ドア開口4上縁のルーフサイド4a(図1(b)参照)も薄く構成でき、車両への乗降性も向上することができる。さらに、オープンカー等のサッシュレスのドアを有する車両においても、スライドドア構造を採用することができる。
また、本実施形態では、第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bの二つのレールを同一高さに設置したことで(図4参照)、ロアレール6の上下方向の占有スペースをコンパクトに構成することができる。
よって、ロアレール6を第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bの二本で構成した場合でも、占有スペースを拡大することなく、ドア開口4の下方にコンパクトに設置することができる。
特に、本実施形態のようにサイドシル9の下方に設置した場合には、ロアレール6の上下方向の占有スペースをコンパクトにして、可及的に路面との干渉を防ぐことができる。
また、本実施形態では、ロアレール6の第一ロアレール6Aと第二ロアレール6Bを近接配置して、このロアレール6にスライド可能に係合するローラユニット30,40を、レールの両側外方から延びる連結腕部22a,23aによってローラ保持ブラケット20に連結している。
これにより、ロアレール6を二つのレールで構成しても、近接配置したことで車幅方向にコンパクトにレイアウトすることができる。また、連結腕部22a,23aによって両側から挟みこんだ形でローラユニット30,40とローラ保持ブラケット20を連結することで、レールとローラユニットとのガタツキがより確実に抑制され、ドア本体3の支持がより確実に安定して行われる。
よって、ロアレール6をコンパクトに構成することができ、より安定かつ確実にドア本体3の支持が行え、スライドドアの開閉をより円滑に行うことができる。
(第二実施形態)
次に、図8により、第二実施形態について説明する。図8は第一実施形態の図5に対応する断面図であり、他の構成要素については、第一実施形態と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
この第二実施形態は、水平ローラ33,34やボール体35等を下側部分のみとして、ローラユニット230,240を構成したものである。各水平ローラ23,34やボール体35等の構成や作用は、第一実施形態と同様であるため、第一実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
このように、水平ローラ33,34やボール体35等を下側部分のみとしたことにより、ロアレール106A,106Bの断面形状も、上面106Aa,106Baをベース体31,31との隙を僅かとするように低い位置に形成している。
このように、本実施形態では、ローラユニット230,240の水平ローラ33,34やボール体35等を下側部分のみとして構成することにより、第一実施形態のものと比較して、さらに構造を簡略化することができる。また、上下方向の占有スペースもコンパクトにできるため、さらに路面との干渉を防ぐことができる。
なお、このように水平ローラ33,34やボール体35等を下側部分のみとすることで、ドア本体3のガタツキが懸念されるが、他のアッパーレール部分(図示せず)で上下方向位置を規定すれば、さほど大きなガタツキは生じない。
なお、その他の作用効果については、前述の第一実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の開口部は、ドア開口4に対応し、
以下、同様に、
ローラ保持部材は、ローラ保持ブラケット20、ベース体31に対応し、
ローラ部は、第一ローラユニット30,230、第二ローラユニット40,240に対応し、
第一レールは、第一ロアレール6A,106Aに対応し、
第二レールは、第二ロアレール6B,106Bに対応し、
第一ローラ部は、第一ローラユニット30,230に対応し、
第二ローラ部は、第二ローラユニット40,240に対応し、
連結部は、連結腕部22a,23aに対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動車のスライドドア構造に適用する実施形態を含むものである。
本発明の第一実施形態を採用した車両の概略側面図であり、(a)がドア本体を閉じた状態の側面図、(b)がドア本体を開いた状態の側面図。 車両の概略平面図であり、(a)がドア本体を閉じた状態の平面図、(b)がドア本体を開いた状態の平面図。 フロアパネル側部を斜め後方側から見た斜視図。 図3のA−A線矢視断面図。 ロアレール内部の詳細断面図。 ロアレールとローラ部分の係合状態を示す斜視図。 (イ)従来の首振り機構によるローラ部の軌跡を説明する模式図と、(ロ)本発明のスライドドア構造によるローラ部の軌跡を説明する模式図。 第二実施形態のロアレール内部の詳細断面図。
符号の説明
3…ドア本体
4…ドア開口(開口部)
5…アッパーレール
6…ロアレール
6A,106A…第一ロアレール
6B,106B…第二ロアレール
20…ローラ保持ブラケット(ローラ保持部材)
30,230…第一ローラユニット(ローラ部)
33…第一水平ローラ(水平ローラ)
34…第二水平ローラ(水平ローラ)
35…ボール体
40,240…第二ローラユニット(ローラ部)

Claims (5)

  1. 車体側面に形成された開口部を覆うドア本体と、前記開口部の下方に設置されドア本体を車両前後方向にスライド可能に支持するロアレールと、該ロアレールより上方に設置されドア本体を車両前後方向にスライド可能に支持するアッパーレールとを含んでなるスライドドア構造であって、
    前記ドア本体の下部に、車両内方側に突出するローラ保持部材を設け、
    該ローラ保持部材と前記ロアレールの間をスライド可能に連結するローラ部を、
    ローラ保持部材に設けられ水平方向の荷重を受ける水平ローラと、
    該水平ローラの中心軸上に配置され鉛直方向の荷重を受けるボール体とを含んで構成した
    自動車のスライドドア構造。
  2. 前記水平ローラを、ローラ保持部材を挟んで上下一対に設け、
    前記ボール体を、該水平ローラを挟んで上下一対に設けた
    請求項1記載の自動車のスライドドア構造。
  3. 前記ロアレールを車両前後方向にずれて配置した第一レールと第二レールで構成し、
    前記ローラ部を該第一レールに係合する第一ローラ部と該第二レールに係合する第二ローラ部とで構成した
    請求項1又は2記載の自動車のスライドドア構造。
  4. 前記第一レールと第二レールを、同一高さに設置した
    請求項3記載の自動車のスライドドア構造。
  5. 前記第一レールと第二レールを、断面コ字状で形成するとともに、互いに開口部を逆向きにして並設し、
    該第一レールと第二レールの両側外方から延びて、該第一レールと第二レールの開口部を挿通して、前記ローラ保持部材と前記ローラ部とを連結する連結部を設けた
    請求項3又は4記載の自動車のスライドドア構造。
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CN111483302A (zh) * 2019-01-29 2020-08-04 本田技研工业株式会社 滑动车门结构和车辆

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