JP2007076464A - 車両用減速装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 旋回中アクセルペダルの踏み込みを解除したような場合、目標車速と実車速に偏差が生じ、偏差相応の自動減速がかかって急激に減速され、運転者に違和感を覚えさせるといった懸念を回避しつつ、適切な車両挙動制御が行われ得るようにする。
【解決手段】 ヨーレイト検出出力から目標ヨーレイトを算出し、アクセル検出値および車速検出値から車速制限するに依拠する横加速度制限値を算出し、目標横加速度制限値、目標横加速度制限値、および、目標ヨーレイト値から目標車速を算出し、この目標車速から目標減速度を算出し、この算出結果に基づいて目標ブレーキ圧を算出し、前記目標減速度値に基づいて目標エンジントルクを算出し、前記目標ブレーキ圧算をアクセル検出値に基づいて変更し、且つ、目標ブレーキ圧の上昇または減少度合いを制限する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両が旋回するときに自動的に減速する車両用減速装置、特に、運転者が違和感を覚えることなく減速することができるようにした車両用減速装置に関する。
操舵角、車速、路面の摩擦係数、および、旋回半径等を勘案して目標制御量を設定し、この目標制御量に被制御量を合わせるように制動力を自動的に制御することによって車両の挙動を制御する技術において、特に、アクセルペダルの操作量に応じて運転者の意図を推定し、車両の挙動制御を終了する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この提案では、車両がその挙動制御下にあるときに運転者がアクセルペダルを踏み込んだことが検出されたときにはその運転者に加速する意思があるものと判断して挙動制御を終了するので、挙動制御による拘束が解除され、運転者の意思に叶った加速走行が可能になるとされている。
特開2002−127888(段落0002〜段落0007、図3)
上掲の従来の技術によれば、アクセル操作をしている場合は、加速意思に応じて車両挙動制御を終了し、ブレーキとエンジンの内部ロスを減らし、また、運転者に対して違和感のない加速をする点での効果が期待できる。一方、旋回中にアクセルペダルの踏み込みを解除したような場合には、目標車速と実車速に偏差が生じ、この偏差相応の自動減速がかかるために急激に減速され、運転者に違和感を覚えさせる懸念がある。
上掲の従来の技術では、このような場合に運転者に違和感を覚えさせる懸念への対処を技術課題としているものではなく、従って、車両が旋回中にアクセルペダルをオフにした場合を想定した上での技術課題の認識や、そのような課題の解決につながるような技術的手段等については何等格別な提案はなされていない。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、旋回時に自動減速を行う場合に、運転者が違和感を覚えるような急激な減速が行われる虞を回避することができる車両用減速装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するべく、本願では次のような技術を一のものとして提案する。
即ち、旋回時に自動減速を行なう車両用減速装置であって、操舵角を検出する操舵角検出手段と、アクセルを検出するアクセル検出手段と、車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、前記操舵角検出手段、車速検出手段、および、ヨーレイト検出手段による各検出結果に基づいて前記車両に係る目標ヨーレイトを算出する目標ヨーレイト算出手段と、前記アクセル検出手段および車速検出手段による各検出結果に基づいて車速制限をするに依拠する横加速度制限値を算出する目標横加速度制限値算出手段と、前記目標横加速度制限値算出手段および目標ヨーレイト算出手段による各算出結果に基づいて目標車速を算出する目標車速算出手段と、前記目標車速算出手段により算出された結果に基づいて目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、前記目標減速度算出手段により算出された結果に基づいて目標ブレーキ圧を算出する目標ブレーキ圧算出手段と、前記目標減速度算出手段により算出された結果に基づいて目標エンジントルクを算出する目標エンジントルク算出手段と、を備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記アクセル検出手段により検出された値に基づいて目標ブレーキ圧を変更する目標ブレーキ圧変更手段を含んで構成され、且つ、目標ブレーキ圧の上昇または減少度合いを制限することを特徴とする車両用減速装置というものである。
本発明によれば、目標ブレーキ圧算出手段によって、目標ブレーキ圧の上昇または減少度合いを適切に制限することができるため、運転者が違和感を覚えるような急激な減速度が発生することを回避しつつオーバスピードを抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する図においては、便宜上、説明の主題となる要部は適宜誇張し、要部以外については適宜簡略化し乃至省略されている。
図1は、本発明の装置を搭載した車両における構成の概要を表す模式図である。参照符号100は車両全体を表し、この車両100には、装備された各種の制御装置を統括的に制御するシステムコントローラとしての機能部を含む制御コントローラ110が設けられている。この制御コントローラ110はマイクロプロセッサを主体に構成されている。ブレーキ制御ユニット120は前側の左右の車輪10FL,10FRと後側の左右の車輪10RL,10RRに対し制動をかけるように構成されている。尚、ブレーキ制御ユニット120は車両100の運転者による操作とは独立に各車輪10FL,10FR,10RL,10RRに対し制動をかけ且つその加減を各別に調節可能なように構成されている。
車両100に作用するヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ130が設けられ、このヨーレイトセンサ130による検出出力は制御コントローラ110に供給されるように構成されている。前側の左右の車輪10FL,10FRに各対応して車輪の回転に対応したパルス信号を生成してこの信号を外部に伝送する車輪速パルス発信器141,142が設けられ、また、後側の左右の車輪10RL,10RRに対応して、同様に、車輪速パルス発信器143,144が設けられている。これら車輪速パルス発信器141,142,143,144の出力は何れも制御コントローラ110に供給される。
ハンドルSWの操舵角を検出する舵角センサ150が設けられ、この舵角センサ150の出力も制御コントローラ110に供給される。また、エンジンのスロットルを調節するエンジンスロットル制御ユニット160が設けられ、このエンジンスロットル制御ユニット160は制御コントローラ110と信号の授受を行って、車両100の運転者による操作(運転者によるアクセルの踏み込み度合い)に応じたスロットル(アクセル開度)の調節動作を行い、また、運転者による操作とは独立にスロットルの調節動作を行うことも可能なように構成されている。
更に、車両100に作用する横加速度を検出する横加速度センサ170が設けられ、この横加速度センサ170による検出出力も制御コントローラ110に供給されるように構成されている。
上述した車輪速パルス発信器141,142,143,144の出力の現在値に基づいて当該現在時点での車速が認識され、ヨーレイトセンサ130および横加速度センサ170による検出値に基づいて車両100の挙動が検出され、更には、エンジンスロットル制御ユニット160で認識されるエンジンのスロットルの状態やブレーキ制御ユニット120で認識される制動の状態や舵角センサ150によって検出される舵角等々に基づいて、路面の摩擦係数や、現在時点以降における車両100の挙動についての予測が行われる。
図2は、本発明の実施の形態における作用の概要を説明するためのフローチャートである。尚、このフローチャートに表された処理手順は、或る時点を時間の起算点としたときの状況に符合するものであるが、このチャート自体はそれを参照して本実施の形態における主要な構成要素(その機能)を説明することを主眼として便宜的に描かれたものであり、時間の起算点を上記と異にする場合には処理の順序については必ずしも図示の順に従うものではない。
ステップS201は目標ヨーレイト算出処理(目標ヨーレイト算出部)であり、制御コントローラ110(システムコントローラ)におけるこの処理を実行するための機能部、および、この機能を営むための検出部ならびにこの機能に基づく指令に応動する制動制御に係る該当装置の各部が本実施の形態の構成要素たるオーバスピード抑制装置を構成している。
このステップS201の目標ヨーレイト算出処理では、操舵角検出手段(舵角センサ150)、車速検出手段(車輪速パルス発信器141,142,143,144の出力の現在値に基づいて当該現在時点での車速を検出する)、および、ヨーレイト検出手段(ヨーレイトセンサ130)による各検出結果に基づいて前記車両に係る目標ヨーレイトを算出する。このステップS201の処理内容については、図3を参照して後述する。
次いで、ステップS202では目標車速算出処理を行う。この目標車速算出処理の内容については、図4を参照して後述する。更に、ステップS203では、制動力上昇勾配制限値算出処理を、更に次の、ステップS204では、減速度ゲイン算出処理を実行するが、それらの内容については、図13〜図16を参照して後述する。更に次の、ステップS205では、目標減速度算出処理を実行するが、その内容については、図7を参照して後述する。更に、ステップS206では車両出力処理を実行するが、その内容については、図8を参照して後述する。
図3は、図2のステップS201の目標ヨーレイト算出処理を行う目標ヨーレイト算出部の構成を表す概念図である。図3において操舵角strと自車速Vからヨーレイトの推定を行い(ヨーレイト推定処理部YRP)、ヨーレイト推定値φestを出力する。また、ヨーレイトセンサ130よりヨーレイトセンサ検出値φを得る。ヨーレイト推定値φestとヨーレイトセンサの検出出力φとの絶対値を比較し、セレクトハイ処理部SHAにより大きい方を目標ヨーレイトφ*として出力する。φestとφとをセレクトハイする理由は、スロースピンなど操舵角が現れないときにヨーレイトが増加する場合に、減速制御を実行することによって、オーバスピードを抑制させることを可能ならしめるためである。
図4は、図2のステップS202の目標車速算出処理(目標車速算出部の機能)の詳細を表すフローチャートである。図2のフローチャートにおけるステップS201の目標ヨーレイト算出処理によって得られた目標ヨーレイトφ*を読込み(ステップS401)、および、設定した基準横加速度制限値Ygc(ステップS402)を用いて算出される目標横加速度制限値Yg*(ステップS403)を用いて、目標車速V*を算出する(ステップS404〜ステップS406)。上述の目標横加速度制限値Yg*は、基準横加速度制限値Ygcおよびアクセル感応横加速度補正値Ygaの和として算出される(ステップS403)。図4の目標車速算出処理については、更に後述する。
図5は、アクセル開度に対応したアクセル感応横加速度補正値Ygaの関係を表す特性図である。図示のように、アクセル感応横加速度補正値Ygaは、アクセル開度が大きいほど大きくなる傾向を呈する。例えば、運転者がアクセルを踏み込むような場合、目標横加速度制限値Yg*は大きくなる方向へ補正されていく。
図6は、車速に対応した車速感応横加速度補正値Ygvの関係を表す特性図である。図示のように車速に対応して車速感応横加速度補正値Ygvを設定し、低速では補正量を大きくするような傾向を呈するように補正を加えるようにしてもよい。このようにすることにより、低速でのシステム作動を防止することが可能となる。
ステップS404では目標ヨーレイトφ*が所定値以上であるか否かが判断される。このステップS404の処置は、ステップS405で実行する除算で除数が零となってしまうことを回避するための処置でもある。ステップS404で目標ヨーレイトφ*が所定値以上であると判断されたときに、次のステップS405に移行する。ステップS405では目標横加速度制限値Yg*を目標ヨーレイトφ*で除算することによって目標車速V*を決定する。
一方、ステップS404で目標ヨーレイトφ*が所定値未満であると判断されたときにはステップS406に移行する。目標ヨーレイトφ*が所定値未満であるということは、操舵が行われていない状況であることから、ステップS406に進んだ場合の目標車速は、大きな値VMAXに設定する。操舵をしていない状況においては、目標車速を大きく設定し、システムが作動しないようにしている。
図2のフローチャートにおけるステップS205では、目標減速度Xg*を算出する。
図7は、この目標減速度Xg*算出処理を表すフローチャートである。先ず、ステップS202で算出した目標車速V*、および、自車両の速度V、ならびに、減速度ゲインΔtを読込み(ステップS701)、次いで、目標車速V*と自車両の速度Vとの差(偏差速度)を減速度ゲインΔtで除算して目標減速度Xg*が算出される(ステップS702)。
減速度ゲインΔtはこの偏差速度をどれくらいの時間で達成させるかという指標として設定される。よって、この減速度ゲインΔtが大きいほど、目標減速度Xg*は小さくなり、且つ、時間をかけて減速することとなる。また、減速度ゲインΔtが小さいほど、目標減速度Xg*は大きくなり、且つ、短時間で減速することとなる。
図8は、図2のフローチャートにおけるステップS206の車両出力処理(車両出力部)の内容を表すフローチャートである。ステップS205より算出された目標減速度Xg*から目標ブレーキ液圧(以下、目標ブレーキ圧という)および目標エンジントルクを算出する。図8のフローチャートで、先ず目標減速度Xg*を読込み(ステップS801)、次いで、目標減速度Xg*が正の方向(減速方向)になったか否かを弁別する(ステップS802)。
目標減速度Xg*が正の方向(減速方向)になったと弁別された場合、車両用減速装置作動フラグFlagがONとなり(ステップS803)、エンジントルクダウン要求処理(ステップS804)および制動力上昇側指令算出処理(ステップS805)を行なう。一方、目標減速度が負に転じた(加速方向に変わった)と弁別された場合(ステップS802でNoのとき)、リカバ指令算出処理を行なう(ステップS806)。ステップS805およびステップS806各処理について、以下に詳細を述べる。
図9は、図11を参照して後述する制動力上昇側指令算出処理で考慮されるアクセル感応ブレーキゲインkacの設定に係るフローチャートである。アクセル開度Accが読込まれ(ステップS901)、次いで、このアクセル開度Accが10パーセントを超えているか否かが弁別される(ステップS902)。ステップS902でアクセル開度Accが10パーセントを超えていると弁別されたときには、アクセル感応ブレーキゲインkacを0に設定する(ステップS903)。
一方、読込まれたアクセル開度Accが10パーセント以下であると弁別されたときには(ステップS902でNOのとき)、kacを50−(Acc−5)×10に設定する(ステップS904)。
図10は、図9のフローチャートに基づいて設定されるアクセル感応ブレーキゲインkacの、アクセル開度の値に対応した設定値の特性を表す図である。図10に示すとおり、アクセル開度Accに応じて、アクセル感応ブレーキゲインを変更し、アクセル開度Accが10パーセントを超える領域では、アクセル感応ブレーキゲインkacは定常値0に設定される。
図11は、制動力上昇側指令算出処理(制動力上昇側指令算出部として営まれる)を表すフローチャートである。先ず、ステップS1101で目標減速度Xg*、図9〜図10を参照して既述のアクセル感応ブレーキゲインkac、制動力上昇勾配制限値brk_up、制動力減少勾配値brk_dnを夫々読込み、これら読込んだデータに基づいて目標ブレーキ圧(目標ブレーキ液圧フィルタ前値)PmcOを算出する(ステップS1102)。
ここに、ステップS1102で算出する目標ブレーキ圧PmcOは、目標減速度Xg*から目標ブレーキ圧に変換するための係数をKxgとして、この係数Kxg、および、アクセル感応ブレーキゲインkac、ならびに、目標減速度Xg*の3者の積として算出される。次いで、ステップS1103では、前回からの変化量を算出するため、変化量ΔPmcをPmcOとPmcとの差として算出する。ステップS1103に次ぐステップS1104では、その変化量(上昇度合い)を、制動力上昇勾配制限値brk_upと比較する。
このステップS1104で変化量ΔPmcの値が制動力上昇勾配制限値brk_upを上回ると判定されたときには、次いで、ステップS1105で目標ブレーキ圧Pmc(前回値)とbrk_upとの加算を行ない、この結果を新たな目標ブレーキ圧PmcOとする。一方、ステップS1104で、変化量ΔPmcの値が制動力上昇勾配制限値brk_up以内であると判定されたときには、ステップS1106に移行し、変化量ΔPmcの減少度合いを制動力減少勾配制限値brk_dnと比較する。
変化量ΔPmcの減少度合いが制動力減少勾配制限値brk_dn未満であると判定されたときには、ステップS1107に移行し、目標ブレーキ圧PmcO(前回値)からbrk_dnを減算してその結果を新たな目標ブレーキ圧PmcOとする。
一方、ステップS1106で変化量ΔPmcの減少度合いが制動力減少勾配制限値brk_dn以上であると判定されたとき(即ち、ステップS1104→ステップS1106で何れもNOであり、変化量ΔPmcの上昇度合いが制動力上昇勾配制限値brk_up未満であるとき)には、ステップS1108へ移行し、目標ブレーキ圧の前回値PmcOに変化量ΔPmcを加算した値を新たな目標ブレーキ圧PmcOとする。
上述のように、変化量ΔPmcと制動力上昇勾配制限値brk_upとの対照を行って、この制動力上昇勾配制限値brk_up以上の変化が目標減速度に生じた場合には、目標値の更新に関して制限を課すことによって、急激な減速度を与えることなく、制動力を与えることが可能となる。この結果、ドライバに違和感を与えることなくオーバスピードを抑制することが可能となる。
図12は、リカバ指令算出処理(リカバ指令算出部)を表すフローチャートである。この図12の処理では、エンジントルクの算出や、目標ブレーキ圧を減少させることにより、車両用減速処理(車両用減速装置としての機能)を終了していく。先ず、制動力上昇勾配制限値brk_upを読込み(ステップS1201)、次いで、リカバのフラグが立っているか否かを検出し(ステップS1202)、このフラグが立っていれば次のステップS1203に移行し、立っていなければそのままリターンする。
ステップS1203では目標ブレーキ圧Pmc(前回値)から制動力減少勾配制限値brk_dnを減算してその結果を新たな目標ブレーキ圧Pmcとする。次いで、Pmcが負になっているか否かが判定される(ステップS1204)。Pmcが負になっていると判定されたときには、このPmcの値を零にして(ステップS1205)次のステップS1206に移行する。
ステップS1203での、目標ブレーキ圧Pmc(前回値)から制動力減少勾配制限値brk_dnを減算する処理は、目標ブレーキ圧Pmcが零になる(当初に負になる)まで繰り返される。
ステップS1206では、ブレーキの操作が戻されたか否かが判定され、ブレーキが戻ったと判定されたときにはエンジンリカバ要求処理が行われる(ステップS1207)。次いで、リカバが終了したか否かが判定され(ステップS1208)、リカバ終了と判定されたときにはリカバ処理のフラグをオフにして(ステップS1209)リターンする。一方、ステップS1206でブレーキの操作が戻されていないと判定されたときには、エンジンへの要求を保持して(ステップS1210)そのままリターンする。また、ステップS1208でリカバが終了していないと判定されたときにも、そのままリターンする。
次に、図2のフローチャートにおけるステップS203の制動力上昇勾配制限値算出処理(制動力上昇勾配制限値算出部)、および、ステップS204の減速度ゲイン算出処理(減速度ゲイン算出部)の内容について説明する。
図13は、横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値の設定のしかたの一例を表す図である。この例では、横加速度Ygが基準横加速度制限値Ygcよりも大きくなればなるほど、制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力勾配制限値brk_up0よりも小さくなるように下げていくように設定する。制動力上昇勾配制限値をこのような傾向をもって設定することにより、横加速度Ygが高くなっている状態で、目標減速度Xg*が出た場合でも、制動力の上昇を制限することが可能となり、高い横加速度がかかっている状態から、徐々に制動力を立てながらオーバスピード抑制のための減速をすることが可能なる。
図14は、横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値の設定のしかたの他の例を表す図である。図14のように制動力上昇勾配制限値brk_upについて最小値UPMINを設けることによって最低の上昇勾配を設定しても良い。
図15は、図13のように横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値を設定する場合の処理手順を表すフローチャートである。図15のフローチャートにおいて、先ず、基準制動力勾配制限値brk_up0、横加速度Yg、および、基準横加速度制限値Ygcを読込む(ステップS1501)。次いで、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを上回っているか否かが判定される(ステップS1502)。
このステップS1502において、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを上回っていると判定されたときには、ステップS1503に移行する。ステップS1503では制動力上昇勾配制限値brk_upを次のようにしてサンプリング周期で繰り返し算出する:
brk_up=brk_up0×{1−Kb×(|Yg|−Ygc)} ここにKbは或る所定値である。
次いで、このbrk_upの値が負に至ったか否かが判定され(ステップS1504)、負になったと判定されたときには、brk_upを零に設定する(ステップS1505)。一方、ステップS1502で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygc未満であると判定されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力勾配制限値brk_up0に設定して(ステップS1506)、既述のステップS1504に移行する。
図16は、図14のように横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値を設定する場合の処理手順を表すフローチャートである。図16のフローチャートにおいて、先ず、基準制動力勾配制限値brk_up0、横加速度Yg、および、基準横加速度制限値Ygcを読込む(ステップS1601)。次いで、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを上回っているか否かが判定される(ステップS1602)。
このステップS1602において、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを上回っていると判定されたときには、ステップS1603に移行する。ステップS1603では制動力上昇勾配制限値brk_upを次のようにしてサンプリング周期で繰り返し算出する:
brk_up=brk_up0×{1−Kb×(|Yg|−Ygc)} ここにKbは或る所定値である。
次いで、このbrk_upの値が図14について既述のように制動力上昇勾配制限値brk_upについて設定した最小値UPMINに至ったか否かが判定され(ステップS1604)、最小値UPMINになったと判定されたときには、brk_upを最小値UPMINに設定する(ステップS1605)。一方、ステップS1602で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygc未満であると判定されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力勾配制限値brk_up0に設定して(ステップS1606)、既述のステップS1604に移行する。
図17は、アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、目標横加速度制限値Yg*、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図である。図17に表されたように、アクセルを踏んでいるON状態からOFFに転じたときに、横加速度Yg*がかかっている状況では、制動力上昇勾配制限値brk_upが横加速度Yg*によって減少するように変化するため、急激な減速をすることなく、オーバスピードを抑制することができる。
図18は、横加速度Yg*に応じた減速度ゲインΔtの設定状況を表す特性図である。基準横加速度制限値Ygcを超えて横加速度Yg*が大きくなるほど減速度ゲインΔtは上昇し、この結果、目標減速度Xg*が減少する。横加速度Yg*が高い状態では、目標減速度Xg*を小さくして、徐々にオーバスピードを抑制するように設定することが可能となる。
図19は、図18に表されたような傾向を呈するように横加速度Yg*に応じて減速度ゲインΔtを設定するための処理手順を表すフローチャートである。先ず、基準減速度ゲインΔt0、横加速度Yg、および、基準横加速度制限値Ygcを読込む(ステップS1901)。次いで、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを上回っているか否かが判定される(ステップS1902)。
このステップS1902において、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを上回っていると判定されたときには、ステップS1903に移行する。ステップS1903では減速度ゲインΔtを次のようにしてサンプリング周期で繰り返し算出する:
Δt=Δt0×{1+Kt×(|Yg|−Ygc)} ここにKtは或る所定値である。
次いで、このΔtの値が減速度ゲインについて設定した最大値TMAXを超えるに至ったか否かが判定され(ステップS1904)、最大値TMAXになったと判定されたときには、Δtを最大値TMAXに設定する(ステップS1905)。
一方、ステップS1902で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygc未満であると判定されたときには、減速度ゲインΔtを基準減速度ゲインΔt0に設定して(ステップS1906)、既述のステップS1904に移行する。
図20は、アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、横加速度Yg、および、減速度ゲインΔtの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図である。図20に表されたように、アクセルを踏んでいるON状態からOFFに転じたときに、横加速度Ygがかかっている状況では、減速度ゲインΔtが横加速度Ygによって増加するように変化するため、急激な減速をすることなく、オーバスピードを抑制することができる。
次に、切り戻し判断結果に基づいて、制動力上昇勾配制限値brk_upおよび減速度ゲインΔtを変更する方法について説明する。
図21は、切り戻し判断フラグの設定の手順を表すフローチャートである。操舵角strを検出し(ステップS2101)、次いで、操舵速度dstrをdstr=str−dstr_zlとして算出する(ステップS2102)。更に、操舵角前回値str_zlをある所定のサンプリング後の値strと設定する(ステップS2103)。この値としては、例えば、50ミリ秒前の操舵角とする。
ステップS2101〜ステップS2102で得られた操舵角strと操舵角速度dstrに関して、操舵角評価関数Zを操舵角str×操舵角速度dstrと定義し、この操舵角評価関数Zの値を算出する(ステップ2104)。ステップS2104で算出された操舵角評価関数Zの値が負になったか否かを判定し(ステップS2105)、負になっていると判定されたときには、切り戻し判断フラグflg_stroutをONにする(ステップ2106)。一方、操舵角評価関数Zの値正になったときには、切り戻し判断フラグflg_stroutをOFFにする(ステップ2107)。
図22は、操舵角str、操舵速度dstr、操舵角評価関数Z、および、切り戻し判断の様子を、対照して表す特性図である。操舵角str、操舵速度dstr、および、操舵角評価関数Zの推移に直目して切り戻しを判断することが可能になる。
図23は、切り戻し判断フラグflg_stroutによる制動力上昇勾配制限値brk_upの設定手順を表すフローチャートである。先ず、基準制動力上昇勾配制限値brk_up0、切り戻し判断制動力上昇勾配制限値brk_up_strout、および、切り戻し判断フラグflg_stroutを読込む(ステップS2301)。次いで、ステップS2301で読込んだ切り戻し判断フラグflg_stroutが立っているか否かが判定される(ステップS2302)。
切り戻し判断フラグflg_stroutがONであると判定されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを切り戻し判断制動力上昇勾配制限値brk_up_stroutに設定する(ステップS2303)。一方、切り戻し判断フラグflg_stroutがOFFの場合は、制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力上昇勾配制限値brk_up0に設定する(ステップS2304)。判断制動力上昇勾配制限値brk_up_stroutは基準制動力上昇勾配制限値brk_up0よりも小さい値で、切り戻しと判断された場合は、上昇勾配を制限する方向に設定し、減速度の上昇を抑えることが可能になる。
図24は、切り戻し判断フラグによる減速度ゲインΔtの設定手順を表すフローチャートである。先ず、基準減速度ゲインΔt0、切り戻し判断減速度ゲインΔt_strout、および、切り戻し判断フラグflg_stroutを読込む(ステップS2401)。次いで、切り戻し判断フラグflg_stroutが立っているか否かが判定される(ステップS2402)。ステップS2402で、切り戻し判断フラグflg_stroutがONであると判定されたときには、減速度ゲインΔtとして切り戻し判断減速度ゲインΔt_stroutを設定する(ステップS2403)。
ステップS2402で、切り戻し判断フラグflg_stroutがOFFであると判定されたときには、減速度ゲインΔtとして基準減速度ゲインΔt0を設定する(ステップS2404)。切り戻し判断減速度ゲインΔt_stroutは基準減速度ゲインΔt0よりも大きい値である。切り戻しと判断された場合は、減速度ゲインを大きくすることにより、目標減速度を下げることが可能になる。
図25は、旋回加速判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。次に、この図25を参照して旋回加速判断を行なった場合について説明する。先ず、目標ヨーレイトφ*を取得し(ステップS2501)、次いで、基準横加速度制限値Ygcを設定する(ステップS2502)。このステップS2502では、基準横加速度制限値Ygcとして、例えば、0.45gを設定する。
次いで、ステップS2503では目標ヨーレイトφ*が所定値以上であるか否かが判断される。このステップS2503の処置は、ステップS2504で実行する除算で除数が零となってしまうことを回避するための処置でもある。ステップS2503で目標ヨーレイトφ*が所定値以上であると判断されたときに、次のステップS405に移行する。ステップS2504では基準横加速度制限値Ygcを目標ヨーレイトφ*で除算することによって基準目標車速Vcを算出する。
一方、ステップS2503で目標ヨーレイトφ*が所定値未満であると判断されたときにはステップS2505に移行する。目標ヨーレイトφ*が所定値未満であるということは、操舵が行われていない状況であることから、ステップS2505に進んだ場合の基準目標車速Vcは、大きな値VMAXに設定する。操舵をしていない状況においては、目標車速を大きく設定し、システムが作動しないようにしている。
基準目標車速Vc設定(ステップS2504、ステップS2505)の後、基準横加速度制限値Ygcに基づいて基準車速Vcを算出して、この基準車速Vcと自車両車速Viとを比較し、且つ、このアクセル開度Accが10パーセントを超えているか否かが弁別される(ステップS2506)。このステップS2506で、自車両車速Viが基準車速Vcより大きく且つアクセル開度Accが10パーセントを超えていると判定されたときには、ステップS2507に移行する。ステップS2507では、旋回加速判断フラグflg_stroutをONにする。
一方、ステップS2506で、自車両車速Viが基準車速Vcを超えてはおらず、且つ、アクセル開度Accが10パーセント以下であると判定されたときには、ステップS2508に移行する。このステップS2508では、自車両車速Viが基準車速Vc以下であるか否かが判定される。ステップS2508で、自車両車速Viが基準車速Vc以下であると判定されたときには、旋回加速判断フラグflg_stroutをOFFにし(ステップS2509)、他方、自車両車速Viが基準車速Vc以下ではないと判定されたときには、そのままリターンする。
図26は、アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度制限値Yg、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図の一例である。図26から判読されるとおり、アクセルOFFから途中でアクセルONした場合の、旋回加速判断フラグflg_strout、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの変化が時系列で判読される。横加速度Ygに応じて制動力上昇勾配制限値brk_upを変化させ、急激な減速をすることなく、オーバスピードを抑制することができる。
図27は、アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度制限値Yg、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図の他の例である。この図27の例では、アクセルONで旋回に入り、旋回途中で一旦アクセルをOFFとし、更に、旋回後半でアクセルをONにした場合の旋回加速判断フラグflg_acconの変化が時系列で判読される。この例でも、横加速度Ygに応じて制動力上昇勾配制限値brk_upを変化させ、急激な減速をすることなく、オーバスピードを抑制することができる。
図28は、旋回加速判断フラグflg_acconの状態に応じた旋回加速制動力上昇勾配制限値brk_up_acconの設定手順を表すフローチャートである。先ず、基準制動力上昇勾配制限値brk_up0、旋回加速制動力上昇勾配制限値brk_up_accon、および、旋回加速判断フラグflg_acconを読込む(ステップS2801)。次いで、旋回加速判断フラグflg_acconが立っているか否かを判定し(ステップS2802)、フラグflg_acconが立っている(ON)と判定されたときには、基準制動力上昇勾配制限値brk_upを旋回加速制動力上昇勾配制限値brk_up_acconに設定する(ステップS2803)。フラグflg_acconが立っていない(OFF)と判定されたときには、基準制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力上昇勾配制限値brk_up0に設定する(ステップS2804)。
旋回加速判断が行なわれた場合は、制動力の上昇を抑えることができ、急激な制動力の立ち上がりを防止することが可能となる。
図29は、減速度ゲインΔtの設定手順を表すフローチャートである。基準減速度ゲインΔt0、旋回加速減速度ゲインΔt_accon、および、旋回加速判断フラグflg_acconを読込む(ステップS2901)。次いで、旋回加速判断フラグflg_acconが立っているか否かを判定し(ステップS2902)、フラグflg_acconが立っている(ON)と判定されたときには、減速度ゲインΔtを旋回加速減速度ゲインΔt_acconに設定する(ステップS2903)。
フラグflg_acconが立っていない(OFF)と判定されたときには、減速度ゲインΔtを基準減速度ゲインΔt0に設定する(ステップS2904)。ここに、基準減速度ゲインΔt0よりも旋回加速減速度ゲインΔt_acconは大きな値をとる。
図30は、旋回加速判断フラグおよび横加速度による制動力上昇勾配制限値の設定手順の一例を表すフローチャートである。基準制動力上昇勾配制限値brk_up0、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度Yg、および、基準横加速度制限値Ygcを読込む(ステップS3001)。次いで、旋回加速判断フラグflg_acconが立っているか否かを判定し(ステップS3002)、フラグflg_acconが立っている(ON)と判定されたときには、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えているか否かが判断される(ステップS3003)。
ここで、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えていると判断されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを次の演算式でサンプリング周期で繰り返し算出する。即ち、brk_up= brk_up0×{1-Kb×(|Yg|−Ygc)}として算出する(ステップS3004)。ここにKbは、ある所定の値である。
次いで、算出された制動力上昇勾配制限値brk_upが負の値に到ったか否かが判断され(ステップS3005)、負に到ったと判断されたときには、この制動力上昇勾配制限値brk_upの値を0に設定して(ステップS3006)、リターンする。
一方、ステップS3002で、旋回加速判断フラグflg_acconが立っていないと判断されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upの値を基準制動力上昇勾配制限値brk_up0に設定して(ステップS3007)、ステップS3005に移行する。また、ステップS3003で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えていないと判断されたときにも、制動力上昇勾配制限値brk_upの値を基準制動力上昇勾配制限値brk_up0に設定して(ステップS3008)、ステップS3005に移行する。
図31は、旋回加速判断フラグおよび横加速度による制動力上昇勾配制限値の設定手順の他の例を表すフローチャートである。基準制動力上昇勾配制限値brk_up0、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度Yg、および、基準横加速度制限値Ygcを読込む(ステップS3101)。次いで、旋回加速判断フラグflg_acconが立っているか否かを判定し(ステップS3102)、フラグflg_acconが立っている(ON)と判定されたときには、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えているか否かが判断される(ステップS3103)。
ここで、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えていると判断されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを次の演算式でサンプリング周期で繰り返し算出する。即ち、brk_up= brk_up0×{1-Kb×(|Yg|−Ygc)}として算出する(ステップS3104)。ここにKbは、ある所定の値である。次いで、算出された制動力上昇勾配制限値brk_upの値が図14について既述のように制動力上昇勾配制限値brk_upについて設定した最小値UPMINに到ったか否かが判定され(ステップS3105)、最小値UPMINに到ったと判定されたときには、brk_upを最小値UPMINに設定して(ステップS3106)リターンする。
一方、ステップS3102で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygc未満であると判定されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力勾配制限値brk_up0に設定して(ステップS3107)、既述のステップS3105に移行する。また、ステップS3103で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えていないと判断されたときにも、制動力上昇勾配制限値brk_upの値を基準制動力上昇勾配制限値brk_up0に設定して(ステップS3108)、ステップS3105に移行する。
以上、図30、および、図31を参照して説明した制動力上昇勾配制限値brk_upの値は、例えば、既述の、図26や図27のように変化する。
図32は、旋回加速判断フラグおよび横加速度による減速度ゲインの設定手順を表すフローチャートである。基準減速度ゲインΔt0、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度Yg、および、基準横加速度制限値Ygcを読込む(ステップS3201)。次いで、旋回加速判断フラグflg_acconが立っているか否かを判定し(ステップS3202)、フラグflg_acconが立っている(ON)と判定されたときには、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えているか否かが判断される(ステップS3203)。
ここで、横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えていると判断されたときには、減速度ゲインΔtを次の演算式でサンプリング周期で繰り返し算出する。即ち、=Δt0 ×{1+Kt×(|Yg|−Ygc)}として算出する(ステップS3204)。ここにKtは、ある所定の値である。
次いで、算出された減速度ゲインΔtの値が、減速度ゲインについて予め設定した最大値TMAXを超えるに到ったか否かが判定され(ステップS3205)、TMAXを超えるに到ったと判断されたときには、このΔtを最大値TMAXに設定して(ステップS3206)、リターンする。
一方、ステップS3202で、旋回加速判断フラグflg_acconが立っていないと判断されたときには、減速度ゲインΔtの値を基準減速度ゲインΔt0に設定して(ステップS3207)、既述のステップS3205に移行する。また、ステップS3203で横加速度Ygの絶対値が基準横加速度制限値Ygcを越えていないと判断されたときにも、減速度ゲインΔtの値を基準減速度ゲインΔt0に設定して(ステップS3208)、ステップS3205に移行する。
図33は、目標減速度変化量によるコーナ出口判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。先ず、目標減速度Xg*を読込む(ステップS3301)。次いで、目標減速度Xg*(現在値)とその前回値Xg*_zlとの比較(ステップS3302)による目標減速度Xg*の変化量から、カウンタを設けて、毎回のサンプリング周期で、所定のカウントを行う。即ち、Xg*の変化が増加方向の変化であるときには、減速度カウンタの値Xg*_cutをXG_CNTMAXとし(ステップS3303)、減少方向の変化であるときには、減速度カウンタの値Xg*_cutをXg*_cut−1とする演算を繰り返す(ステップS3304)。
減速度カウンタの値Xg*_cutが負になったときには(ステップS3305)、減速度カウンタの値Xg*_cutを0にする(ステップS3306)。
ステップS3305で減速度カウンタの値Xg *_cutが負にならないうちは、Xg*_cutが、チャタリングを防止する程度のしきい値XG_CNTに達したか否かを、毎回のサンプリング周期で、判断し(ステップS3307)、しきい値XG_CNTに達したときにはコーナ出口判断フラグflg_corneroutをONにする(ステップS3308)。しきい値XG_CNTに達しないうちはコーナ出口判断フラグflg_corneroutをOFFにする(ステップS3309)。
ステップS3308、および、ステップS3309の後、ステップS3310に移行し
目標減速度の前回値Xg*_zlを目標減速度Xg*(現在値)にする。この前回値Xg*_zlはノイズキャンセルするに適度な値が選択される。目標減速度が減少するということで、コーナ出口付近であると判断することができる。これにより、制動力上昇勾配制限値を小さくすることでコーナ出口での制動力の上昇を抑えることができる。
図34は、横加速度変化量によるコーナ出口判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。先ず、横加速度Ygを読込む(ステップS3401)。次いで、横加速度Yg(現在値)とその前回値Xg*_zlとの比較(ステップS3402)による横加速度Ygの変化量から、カウンタを設けて、毎回のサンプリング周期で、所定のカウントを行う。即ち、Ygの変化が増加方向の変化であるときには、減速度カウンタの値Yg_cutをYG_CNTMAXとし(ステップS3403)、減少方向の変化のときには、減速度カウンタの値Yg_cutをYg_cut−1とする演算を繰り返す(ステップS3404)。
減速度カウンタの値Yg_cutが負になったときには(ステップS3405)、減速度カウンタの値Yg_cutを0にする(ステップS3406)。
ステップS3405で減速度カウンタの値Yg_cutが負にならないうちは、Yg_cutが、チャタリングを防止する程度のしきい値YG_CNTに達したか否かを、毎回のサンプリング周期で、判断し(ステップS3407)、しきい値YG_CNTに達したときにはコーナ出口判断フラグflg_corneroutをONにする(ステップS3408)。しきい値YG_CNTに達しないうちはコーナ出口判断フラグflg_corneroutをOFFにする(ステップS3409)。
ステップS3408、および、ステップS3409の後、ステップS3410に移行し目標減速度の前回値Yg_zlを横加速度Yg(現在値)にする。この前回値Yg_zlはノイズキャンセルするに適度な値が選択される。横加速度Ygが減少するということで、コーナ出口付近であると判断することができる。これにより、制動力上昇勾配制限値を小さくすることでコーナ出口での制動力の上昇を抑えることができる。
図35は、カーナビゲーション装置によってコーナ出口判断フラグの設定を行う方法において適用するパラメータを表す概念図である。
図36は、図35の方法において、出口判別距離の設定状況を表す概念図である。これら図35および図36に図示のものは、コーナとその隣接領域を車両が走行する状況を表しており、略々図示の通りにディスプレイに表示が行われるコーナ表示モードを有するように構成してもよい。図中、Lendはカーブ出口までの距離、Lminはカーブ最小値の地点までの距離、Le1は出口判別距離である。
図37は、カーナビゲーション装置によるコーナ出口判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。カーブ出口までの距離Lendおよび出口判別距離Le1を読込み(ステップS3701)、次いで、カーブ出口までの距離Lend(現在値)が、設定された出口判別距離Le1未満に到ったか否かが、毎回のサンプリング周期で、判断される(ステップS3702)。
カーブ出口までの距離Lend(現在値)が、出口判別距離Le1未満に到ったと判断されたときには、コーナ出口判断フラグflg_corneroutを立てる(ステップS3703)。一方、カーブ出口までの距離Lendが出口判別距離Le1以内の地点に到達していないと判断されたときには、コーナ出口判断フラグflg_corneroutをOFFにる(ステップS3704)。
図38は、カーナビゲーション装置によるコーナ出口判断フラグの設定に補正値を加味する場合の手順を表すフローチャートである。
カーブ出口までの距離Lend、カーブ最小値の地点までの距離Lmin、および出口判別距離Le1を読込み(ステップS3801)、次いで、出口判別距離Le1が、カーブ出口までの距離Lendからカーブ最小値の地点までの距離Lminを差し引いた値を上回っているか否かが、毎回のサンプリング周期で、判断される(ステップS3802)。ステップS3802で、出口判別距離Le1が、カーブ出口までの距離Lendからカーブ最小値の地点までの距離Lminを差し引いた値を上回っていると判断されたときには、出口判別距離補正値Le2をLe2=Lend-Lminと設定する(ステップS3803)。
一方、ステップS3802で、出口判別距離Le1が、カーブ出口までの距離Lendからカーブ最小値の地点までの距離Lminを差し引いた値以下であると判断されたときには、Le2=Le1とする(ステップS3804)。ステップS3803およびステップS3804の何れの場合も、この処理の後、ステップS3805に移行する。
ステップS3805では、カーブ出口までの距離Lendが出口判別距離補正値Le2未満に到ったか否かが判断される。このステップS3805で、カーブ出口までの距離Lendが出口判別距離補正値Le2未満に到ったと判断されたときには、コーナ出口判断フラグflg_corneroutを立て(ステップS3806)、カーブ出口までの距離Lendが出口判別距離補正値Le2未満に到っていないと判断されたときには、コーナ出口判断フラグflg_corneroutをOFFにする(ステップS3807)。
図39は、コーナ出口判断フラグによる制動力上昇勾配制限値の設定手順を表すフローチャートである。基準制動力上昇勾配制限値brk_up0、コーナ出口判断制動力上昇勾配制限値brk_up_cornerout、および、コーナ出口判断フラグflg_corneroutを読込み(ステップS3901)、次いで、このコーナ出口判断フラグflg_corneroutが立っているか否かが判断される(ステップS3902)。
ステップS3902で、コーナ出口判断フラグflg_corneroutが立っていると判断されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upをコーナ出口判断制動力上昇勾配制限値brk_up_corneroutに設定する(ステップS3903)。一方、ステップS3902で、コーナ出口判断フラグflg_corneroutが立っていないと判断されたときには、制動力上昇勾配制限値brk_upを基準制動力上昇勾配制限値brk_up0にする。
ここに、コーナ出口判断制動力上昇勾配制限値brk_up_corneroutは基準制動力上昇勾配制限値brk_up0よりも小さい値に設定される。制動力上昇勾配制限値を小さくすることでコーナ出口での制動力の上昇を抑えることができる(ステップS3904)。尚、この場合、ステップS3903での制動力上昇勾配制限値をステップS3904における制動力上昇勾配制限値よりも小さな値のものとして設定するに替えて、ステップS3903およびステップS3904では、夫々、前記目標減速度算出手段による目標減速度を設定し、且つ、ステップS3903において設定する目標減速度の値をステップS3904において設定する値よりも小さな値とするようにしてもよい。
以上、本願にて提案の技術思想の構成とその作用について、その実施の形態との対応関係を表わすための参照符合乃至図面番号(代表的なもの)を伴って、次に列記する。
(1)旋回時に自動減速を行なう車両用減速装置であって、操舵角を検出する操舵角検出手段(舵角センサ150)と、アクセルを検出するアクセル検出手段(制御コントローラ110,エンジンスロットル制御ユニット160)と、車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段(ヨーレイトセンサ130)と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段(横加速度センサ170)と、車両の速度を検出する車速検出手段(車輪速パルス発信器141,142,143,144、制御コントローラ110)と、前記操舵角検出手段、車速検出手段、および、ヨーレイト検出手段による各検出結果に基づいて前記車両に係る目標ヨーレイトを算出する目標ヨーレイト算出手段(制御コントローラ110、図2のステップS201、図3)と、前記アクセル検出手段および車速検出手段による各検出結果に基づいて車速制限をするに依拠する目標横加速度制限値を算出する目標横加速度制限値算出手段(図4、ステップS403)と、前記目標横加速度制限値算出手段および目標ヨーレイト算出手段による各算出結果に基づいて目標車速を算出する目標車速算出手段(図4、ステップS405,406)と、前記目標車速算出手段により算出された結果に基づいて目標減速度を算出する目標減速度算出手段(図2、ステップS205、図7)と、前記目標減速度算出手段により算出された結果に基づいて目標ブレーキ圧を算出する目標ブレーキ圧算出手段(図11、ステップS1102)と、前記目標減速度算出手段により算出された結果に基づいて目標エンジントルクを算出する目標エンジントルク算出手段(図2、ステップS206、図8)と、を備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記アクセル検出手段により検出された値に基づいて目標ブレーキ圧を変更する目標ブレーキ圧変更手段(図11)を含んで構成され、且つ、目標ブレーキ圧(PmcO)の上昇または減少度合いを制限する(図11)ことを特徴とする車両用減速装置。
上記(1)の車両用減速装置によれば、目標ブレーキ圧算出手段において、目標ブレーキ圧の上昇または減少度合いを制限するため、急激に減速度を発生することなく、オーバスピードを抑制することが可能になる。
(2)前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記横加速度検出手段により検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図13、図14)ことを特徴とする(1)の車両用減速装置。
上記(2)の車両用減速装置によれば、横加速度の絶対値が大きいほど、ブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、横加速度が高い状態で、急激に減速度を発生することなく、オーバスピードを抑制することが可能となり、また、スタビリティも確保することが可能になる。
(3)前記目標減速度算出手段は、前記横加速度検出手段により検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記目標減速度をゲインによって小さくする(図18、図19)ことを特徴とする(1)の車両用減速装置。
上記(3)の車両用減速装置によれば、横加速度の絶対値が大きいほど、目標減速度をゲインによって小さくするため、トータル減速エネルギは変えずに減速することが可能であり、かつ、急激に減速度を発生することなくオーバスピードを抑制することが可能になる。
(4)前記目標ブレーキ圧変更手段は、前記目標減速度の変化が減少方向の場合には前記目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図11)ことを特徴とする(1)の車両用減速装置。
上記(4)の車両用減速装置によれば、目標減速度の変化が減少方向の場合は、ブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、目標減速度のピークを過ぎてからは、制動力を徐々に上昇させることができる。
(5)前記目標ブレーキ圧変更手段は、前記横加速度検出手段により検出された横加速度の変化が減少傾向にあるときには前記ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図13〜図16)ことを特徴とする(1)の車両用減速装置。
上記(5)の車両用減速装置によれば、横加速度の変化が減少方向の場合は、ブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、運転者が操舵を戻しているまたは車速低下している状態で、制動力を制限することが可能となる。
(6)前記車速検出手段による検出結果に基づいて基準横加速度制限値(Ygc)を算出する基準横加速度制限値算出手段と、前記基準横加速度制限値算出手段により算出された結果に基づいて基準車速(Vc)を算出する基準車速算出手段(図25)と、前記基準車速算出手段により算出された結果に基づいて旋回加速状態にあるか否かの判断を行なう旋回加速判断手段(図25)とを、更に備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記旋回加速判断手段によって旋回加速していると判断されたときには目標ブレーキ圧の上昇度合いを変更する(図28〜図32)ことを特徴とする(1)の車両用減速装置。
上記(6)の車両用減速装置によれば、旋回加速判断された場合は、目標ブレーキ圧の上昇度合いを変更するため、運転者に対して、加速後のオーバスピードを徐々に抑えることが可能となる。
(7)前記旋回加速判断手段は、前記基準車速算出手段により算出された基準車速が前記車速検出手段により検出された車速よりも小さくなり且つ前記アクセル検出手段による検出結果が所定の値以上である場合(図25、ステップS2506の判断でYesのとき)に旋回加速していると判断することを特徴とする(6)の車両用減速装置。
上記(7)の車両用減速装置によれば、旋回加速判断手段とは、基準車速が車速よりも小さくなった場合、かつ、アクセルがある所定値以上の場合に、旋回加速していると判断するため、運転者の意思でシステムを解除しようとしていることが推測され得る。
(8)前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記旋回加速判断手段によって旋回加速していると判断された場合には、前記横加速度検出手段によって検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図30、ステップS3004)ことを特徴とする(6)の車両用減速装置。
上記(8)の車両用減速装置によれば、旋回加速判断され、かつ、横加速度の絶対値が大きいほど、ブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、直線からカーブでのシステム作動時では、ブレーキ圧の上昇度合いを制限することなく、オーバスピードを抑制することが可能となる。
(9)前記目標減速度算出手段は、前記旋回加速判断手段によって旋回加速していると判断された場合には、前記横加速度検出手段によって検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記目標減速度をゲインにより小さくする(図30、ステップS3004)ことを特徴とする(6)の車両用減速装置。
上記(9)の車両用減速装置によれば、旋回加速判断され、かつ、横加速度の絶対値が大きいほど、目標減速度をゲインにより小さくするため、直線からカーブでのシステム作動時では、目標減速度を小さくすることなく、オーバスピードを抑制することが可能となる。
(10)前記操舵角検出手段による検出結果に基づいて転舵方向を検出する転舵方向検出手段(図21)を更に備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記転舵方向検出手段による検出結果に基づいて前記目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図23)ことを特徴とする(6)の車両用減速装置。
上記(10)の車両用減速装置によれば、旋回加速判断された場合で、転舵方向検出手段の結果から、ブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、運転者に違和感を与えることなく、オーバスピードを抑制することが可能となる。
(11)前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記転舵方向検出手段によって切り戻し操作中であることが検出されたときには前記ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図23)ことを特徴とする(10)の車両用減速装置。
上記(11)の車両用減速装置によれば、切り戻し時はブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、切り戻している状態で、制動力の上昇を抑えることが可能となり、運転者に違和感をあたえることなくオーバスピードを抑制することができる。
(12)前記目標減速度算出手段は、前記転舵方向検出手段によって切り戻し操作中であることが検出されたときには前記目標減速度を小さくする(図23、ステップS2303)ことを特徴とする(10)の車両用減速装置。
上記(12)の車両用減速装置によれば、転舵方向検出手段の結果から、切り戻し時は目標減速度をゲインによって小さくするため、制動力の上昇を抑えることが可能となり、運転者に違和感をあたえることなくオーバスピードを抑制することができる。
(13)前方の道路形状を検出する道路形状検出手段(図35、図36)を更に備え、前記道路形状検出手段によって前記車両がカーブの出口付近に位置していることが検出されたときには(図37、図38)、前記目標ブレーキ圧算出手段は、目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限する(図39)ことを特徴とする(1)の車両用減速装置。
上記(13)の車両用減速装置によれば、道路形状検出手段により、カーブの出口付近と判断された場合は、ブレーキ圧の上昇度合いを制限するため、カーブの出口で制動力の上昇を抑えることが可能となり、運転者に違和感をあたえることなくオーバスピードを抑制することができる。
(14)前記道路形状検出手段によって前記車両がカーブの出口付近に位置していることが検出されたときには、前記目標減速度算出手段は、前記目標減速度をゲインによって小さくする(図39)ことを特徴とする(13)の車両用減速装置。
上記(14)の車両用減速装置によれば、道路形状検出手段により、カーブの出口付近と判断された場合は、目標減速度をゲインによって小さくするため、カーブ出口で制動力の上昇を抑えることが可能となり、運転者に違和感をあたえることなくオーバスピードを抑制することができる。
本発明の装置を搭載した車両における構成の概要を表す模式図である。 本発明の実施の形態における作用の概要を説明するためのフローチャートである。 図2のフローチャートにおける目標ヨーレイト算出処理のステップを行う目標ヨーレイト算出部の構成を表す概念図である。 図2のフローチャートにおける目標車速算出処理のステップ(目標車速算出部の機能)の詳細を表すフローチャートである。 アクセル開度に対応したアクセル感応横加速度補正値Ygaの関係を表す特性図である。 車速に対応した車速感応横加速度補正値Ygvの関係を表す特性図である。 目標減速度Xg*算出処理を表すフローチャートである。 図2のフローチャートにおける車両出力処理のステップ(車両出力部)の内容を表すフローチャートである。 図11の制動力上昇側指令算出処理で考慮されるアクセル感応ブレーキゲインkacの設定に係るフローチャートである。 図9のフローチャートに基づいて設定されるアクセル感応ブレーキゲインkacの、アクセル開度の値に対応した設定値の特性を表す図である。 制動力上昇側指令算出処理(制動力上昇側指令算出部として営まれる)を表すフローチャートである。 リカバ指令算出処理(リカバ指令算出部)を表すフローチャートである。 横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値の設定のしかたの一例を表す図である。 横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値の設定のしかたの他の例を表す図である。 図13のように横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値を設定する場合の処理手順を表すフローチャートである。 図14のように横加速度に応じた制動力上昇勾配制限値を設定する場合の処理手順を表すフローチャートである。 アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、目標横加速度制限値Yg*、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図である。 横加速度Yg*に応じた減速度ゲインΔtの設定状況を表す特性図である。 図18に表されたような傾向を呈するように横加速度Yg*に応じて減速度ゲインΔtを設定するための処理手順を表すフローチャートである。 アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、横加速度Yg、および、減速度ゲインΔtの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図である。 切り戻し判断フラグの設定の手順を表すフローチャートである。 操舵角str、操舵速度dstr、操舵角評価関数Z、および、切り戻し判断の様子を、対照して表す特性図である。 切り戻し判断フラグflg_stroutによる制動力上昇勾配制限値brk_upの設定手順を表すフローチャートである。 切り戻し判断フラグによる減速度ゲインΔtの設定手順を表すフローチャートである。 旋回加速判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。 アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度制限値Yg、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図の一例である。 アクセル開度Accを変化させた場合の、目標車速V*、旋回加速判断フラグflg_accon、横加速度制限値Yg、および、制動力上昇勾配制限値brk_upの時系列の変化の様子を、相互に対照して表す特性図の他の例である。 旋回加速判断フラグflg_acconの状態に応じた旋回加速制動力上昇勾配制限値brk_up_acconの設定手順を表すフローチャートである。 減速度ゲインΔtの設定手順を表すフローチャートである。 旋回加速判断フラグおよび横加速度による制動力上昇勾配制限値の設定手順の一例を表すフローチャートである。 旋回加速判断フラグおよび横加速度による制動力上昇勾配制限値の設定手順の他の例を表すフローチャートである。 旋回加速判断フラグおよび横加速度による減速度ゲインの設定手順を表すフローチャートである。 目標減速度変化量によるコーナ出口判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。 横加速度変化量によるコーナ出口判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。 カーナビゲーション装置によってコーナ出口判断フラグの設定を行う方法において適用するパラメータを表す概念図である。 図35の方法において、出口判別距離の設定状況を表す概念図である。 カーナビゲーション装置によるコーナ出口判断フラグの設定手順を表すフローチャートである。 カーナビゲーション装置によるコーナ出口判断フラグの設定に補正値を加味する場合の手順を表すフローチャートである。 コーナ出口判断フラグによる制動力上昇勾配制限値の設定手順を表すフローチャートである。
符号の説明
100…車両 110…制御コントローラ(システムコントローラ) 120…ブレーキ制御ユニット 130…ヨーレイトセンサ 141,142,143,144,…車輪速パルス発信器 150…舵角センサ 160…エンジン制御ユニット 170…横加速度センサ

Claims (14)

  1. 旋回時に自動減速を行なう車両用減速装置であって、操舵角を検出する操舵角検出手段と、アクセルを検出するアクセル検出手段と、車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、前記操舵角検出手段、車速検出手段、および、ヨーレイト検出手段による各検出結果に基づいて前記車両に係る目標ヨーレイトを算出する目標ヨーレイト算出手段と、前記アクセル検出手段および車速検出手段による各検出結果に基づいて車速制限をするに依拠する目標横加速度制限値を算出する目標横加速度制限値算出手段と、前記目標横加速度制限値算出手段および目標ヨーレイト算出手段による各算出結果に基づいて目標車速を算出する目標車速算出手段と、前記目標車速算出手段により算出された結果に基づいて目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、前記目標減速度算出手段により算出された結果に基づいて目標ブレーキ圧を算出する目標ブレーキ圧算出手段と、前記目標減速度算出手段により算出された結果に基づいて目標エンジントルクを算出する目標エンジントルク算出手段と、を備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記アクセル検出手段により検出された値に基づいて目標ブレーキ圧を変更する目標ブレーキ圧変更手段を含んで構成され、且つ、目標ブレーキ圧の上昇または減少度合いを制限することを特徴とする車両用減速装置。
  2. 前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記横加速度検出手段により検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用減速装置。
  3. 前記目標減速度算出手段は、前記横加速度検出手段により検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記目標減速度をゲインによって小さくすることを特徴とする請求項1に記載の車両用減速装置。
  4. 前記目標ブレーキ圧変更手段は、前記目標減速度の変化が減少方向の場合には前記目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用減速装置。
  5. 前記目標ブレーキ圧変更手段は、前記横加速度検出手段により検出された横加速度の変化が減少傾向にあるときには前記ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用減速装置。
  6. 前記車速検出手段による検出結果に基づいて基準横加速度制限値を算出する基準横加速度制限値算出手段と、前記基準横加速度制限値算出手段により算出された結果に基づいて基準車速を算出する基準車速算出手段と、前記基準車速算出手段により算出された結果に基づいて旋回加速状態にあるか否かの判断を行なう旋回加速判断手段とを、更に備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記旋回加速判断手段によって旋回加速していると判断されたときには目標ブレーキ圧の上昇度合いを変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用減速装置。
  7. 前記旋回加速判断手段は、前記基準車速算出手段により算出された基準車速が前記車速検出手段により検出された車速よりも小さくなり且つ前記アクセル検出手段による検出結果が所定の値以上である場合に旋回加速していると判断することを特徴とする請求項6に記載の車両用減速装置。
  8. 前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記旋回加速判断手段によって旋回加速していると判断された場合には、前記横加速度検出手段によって検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項6に記載の車両用減速装置。
  9. 前記目標減速度算出手段は、前記旋回加速判断手段によって旋回加速していると判断された場合には、前記横加速度検出手段によって検出された横加速度の絶対値が大きいほど前記目標減速度をゲインにより小さくすることを特徴とする請求項6に記載の車両用減速装置。
  10. 前記操舵角検出手段による検出結果に基づいて転舵方向を検出する転舵方向検出手段を更に備え、前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記転舵方向検出手段による検出結果に基づいて前記目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項6に記載の車両用減速装置。
  11. 前記目標ブレーキ圧算出手段は、前記転舵方向検出手段によって切り戻し操作中であることが検出されたときには前記ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項10に記載の車両用減速装置。
  12. 前記目標減速度算出手段は、前記転舵方向検出手段によって切り戻し操作中であることが検出されたときには前記目標減速度を小さくすることを特徴とする請求項10に記載の車両用減速装置。
  13. 前方の道路形状を検出する道路形状検出手段を更に備え、前記道路形状検出手段によって前記車両がカーブの出口付近に位置していることが検出されたときには、前記目標ブレーキ圧算出手段は、目標ブレーキ圧の上昇度合いを制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用減速装置。
  14. 前記道路形状検出手段によって前記車両がカーブの出口付近に位置していることが検出されたときには、前記目標減速度算出手段は、前記目標減速度をゲインによって小さくすることを特徴とする請求項13に記載の車両用減速装置。
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