JP2007076091A - 紙片スタンド - Google Patents

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Abstract

【課題】外観的に洒落た癒し系の遊具的置物としての商品性を備え、且つ、機能的には、薄紙片を安定に起立挟持させ得る簡単形成による紙片スタンドの実現を課題とする。
【解決手段】本発明の好ましい実施態様では、連続した一本のワイヤからなるフレーム体に紙片の押圧挟持用ボールを装着して形成される。フレーム体には、ボールの抜け防止部と、後方下りで加工された二本の傾斜レール部と、背面支持部とからなる三つの作動要部を備えて加工形成される。傾斜レール部にボールを滑動自在に装着し、更にフレーム体の前後部に脚部を備えたシンプルな紙片スタンドである。即ち、前記背面支持部とボール間に挿入された紙片が湾曲状に押圧挟持されて剛性が高められて起立効果が発揮される。
特に、一本のカラーワイヤとカラービー玉で形成した場合は、置物や飾り品としての付加価値が高まり、課題解消を図った紙片スタンドである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、メモ紙等の紙片、シート、カレンダー、レシピ、予定表、写真、原稿、各種資料類(以下、それらを総称して紙片Pと称して説明する)を起立保持させるための紙片スタンドに関する。
前記薄手の紙片は、折れ曲がり易く単独では立て掛けて使用することが困難であり、それらの資料類をワンタッチ着脱により机上での起立保持を可能とした紙片スタンドがあれば、狭い机上の整理や事務作業の効率上も大いに便利である。
従来、上記要望を満たすための紙片立て具として多くの提案がなされている。特に、本発明と係りのある紙片の押圧部材にボール(球体)を用いた公知技術として、例えば、湾曲面を形成した起立具に格納したボールで紙片を押圧保持するようにした形成技術が、文献1(特許文献1)に開示されている。
また、起立具内部にコイルばねで支持されたボールを設け、コイルばねに取付けられたボールで紙片を弾発的に押圧挟持するようにした公知技術が、例えば、文献2(特許文献2)で示されている。
特許第3189119号公報 特開2002−2163号公報
単独では、起立困難な紙片を湾曲状に押圧保持することで紙片の剛性が高められ、後方傾斜に起立させることで、小型の紙片立てによりA4サイズ等の多数枚の紙片を起立保持させる技術は従来から知られている。
従って、上記原理を利用した紙片立ては古くから多く提案されているが、ここでは、特に、本特許願の形成内容と係りのあるボール(球体)を用いて形成された紙片立ての特許文献からの公知技術を図8、図9に示し、該引用図面を参照しつつ従来の代表的紙片立ての開示技術の概要について先ず説明する。
図8は、前記特許文献1の特許第3189119号公報から引用した斜視図である。この開示技術の起立具50では、図示のように一体成形した起立具本体51に湾曲した受部52と反返り部54を形成し、該受部52と反返り部54の湾曲面55間内部にボール3を前後、左右方向に遊動自在に格納したボール3の自重により、紙片を押圧保持するようにした紙片立てである。
この起立具50は、起立具本体51が合成樹脂素材で一体成形加工されて、押圧部材としてビー玉(直径:φ25)を格納した態様で製品化されている。本起立具本体51はプラスチック成形加工を要し、更に、ボールは本体成形と同時に格納加工する必要があるなど生産工程が複雑化し、生産コストが高くなることが避けられない。
図9は、前記特許文献2の特開2002−2163号公報から引用した起立具60に関し、一部を破断して示した図である。
上記開示技術では、図示のようにホルダー本体61に開口部62、案内保持面63、案内面64が形成され、コイルスプリング66に取付けたボール65をホルダー内部に立設して、紙片Pを案内保持面に弾発的に押圧挟持して起立保持するようにした紙片立てである。しかし、本紙片立てはホルダー内部の構造が複雑であり、実用に的さない。
その他、クリップ内に配設したボールを転動させて紙片を押圧保持するようにしたクリップの公知技術が実開昭49−65312号公報等に開示されている。それら従来の公知技術の押圧部材としてのボールは、何れも、ケースや筐体内部に遊動自在に格納する形式であり前記同様な課題がある。
そこで、本発明の紙片スタンドの主たる目的を列記すると以下の通りである。
1)好適な実施形態としては、連続した一本のワイヤ(針金)で加工されたフレーム体にボールを装着したのみの、シンプルな紙片スタンドの実現を図ること(図2参照)。
2)特に、フレーム体をワイヤで加工する実施態様では、金型成形による大掛かりな生産設備を要することなく、フレーム体を簡単な加工治具で加工し得ること(図2参照)。
3)所謂、カラーワイヤで加工したフレーム体にカラービー玉を装着することで、外観や意匠が装飾品としても洒落た癒し系の可愛いアート的付加価値や遊具的なユニークさを備えた紙片スタンドの実現を図ること(図2、図3参照)。
4)簡単な形成ながら、機能的には例えば、数10枚のコピー紙をワンタッチ着脱によって安定に起立保持させ得ること。
上記各項に記載の紙片スタンドを課題とし、且つ、該実現を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る紙片スタンドは次のように形成される。
第1発明の紙片スタンドは、線条形体で加工されたフレーム体と、前記フレーム体内に紙片を押圧挟持するための転動体とを具備してなり、
少なくとも前記フレーム体には、前方上部に加工された前記転動体の抜け防止部と、
中央部に後方下りで加工された二本の傾斜レール部と、
前記傾斜レール部から連続して後方に加工された紙片の背面支持部とを備えて、
前記連続した線条形体により、前記三つの加工部が加工された前記フレーム体内部に装着された前記転動体が、前記傾斜レール上の前後方向に滑動自在とされ、且つ、使用状態では前記背面支持部を押圧するように形成された紙片スタンドである(図1参照)。
第2発明の紙片スタンドは、連続したワイヤで加工されたフレーム体と、前記フレーム体内に紙片を押圧挟持するためのボールとを具備し、
少なくとも前記フレーム体には、前方上部に加工された前記ボールの抜け防止部と、
中央部に後方下りで加工された二本の傾斜レール部と、
前記傾斜レール部から連続して後方に加工された紙片の背面支持部とを備え、
前記連続したワイヤで前記三つの加工部が加工されたフレーム体内部に装着された前記ボールが、前記傾斜レール上の前後方向に滑動自在とされ、且つ、使用状態では前記背面支持部を押圧するように形成したことに加え(図1参照)、
前記フレーム体前方に、前記抜け防止部から連続して前脚が加工されたこと、
前記フレーム体後方に、前記背面支持部から連続して後脚が加工されたことにより(図2参照)、
前記フレーム体が前記連続したワイヤで加工された前記五つの加工部を備え、
前記背面支持部とボール間に挿入した紙片が横方向に対して湾曲状に押圧挟持されるように形成された紙片スタンドである(図3参照)。
第3発明の紙片スタンドは、前記第1乃至第2発明の紙片スタンドにおいて、
台座用基板を備えて、前記フレーム体における端部を前記台座基板に固着形成し、前記台座用基板と前記フレーム体とが合体形成された紙片スタンドである。
第4発明の紙片スタンドは、前記第1発明の紙片スタンドにおいて、
前記フレーム体が、予め台座用基板を備えた形体でプラスチック素材により一体的に成形加工された紙片スタンドである。
本発明によれば、連続した線条形体で加工されたフレーム体と、転動体(ボール、ローラー)とを具備してなり、フレーム体は一本のワイヤで加工されたり(図2参照)、フレーム体が基板に固着合体されたり(図6参照)、予め基板を備えて一体的に加工成形することもできる(図7参照)。
上記何れの形体で加工実施した場合も、紙片スタンド機能が発揮される他、外観や意匠がユニークであり、遊具的で見栄えが良く、卓上や飾り棚の置物としても兼用し得る。
そして機能的には、薄くそれ自体では起立態様が困難なメモ紙、カレンダー、レシピ、予定表、写真、原稿、各種資料類等の紙片をワンタッチ着脱により安定に起立保持ができ、起立機能に優れた紙片スタンドである。
本発明紙片スタンドのフレーム体にビニール被覆されたカラーワイヤを用い、更に、紙片押圧部材(ボール)にカラービー玉を用いると適材である。即ち、ナマシ鉄線にビニール被覆されたワイヤは、防錆効果と加工性に優れており、一方のカラフルなカラービー玉を装着すると、外観、意匠的に見栄えが良く商品性を高め得る。
特に、連続した一本のワイヤによりフレーム体の作動要部が加工形成される原理を図1に拡大図解して示しており、本発明紙片スタンドの形成要点は図1とそれに基づく説明によって充分明らかとなる。即ち、図1のフレーム体2は一本のワイヤから分岐した二本のワイヤで後方下り傾斜とされた二本の傾斜レール4が加工されており、引続きワイヤは鋭角に折曲されて背面支持部5や押圧挟持部6が加工形成される。
本発明の要部をなすフレーム体の特徴について、更に、記述する。
図1において、所定間隙Lで離間並設された二本の傾斜レール4上に配置されたボール3は、傾斜レール4上を滑動されて自重による矢印の押圧力9で押圧挟持部6を常時押圧し、背面支持部5とボール3間に挿入した紙片Pを押圧することで、紙端部が湾曲状に押圧挟持されて剛性が高められ、後方に仰角形成された背面支持部5により紙片Pが安定に起立保持されるシンプルな作動原理に基づいた紙片スタンドである。
即ち、好適な実施形態としては、前記ビニール被覆されたカラーワイヤ(例えば、線径:φ2.5)によりフレーム体2が、簡単な組立加工治具によって一本のワイヤで連続して加工形成ができ、且つ、フレーム体の形成後にボールや脚部を装着することで、紙片スタンドが完成される(図2参照)。
本発明に係る第1実施例の紙片スタンドによれば、
前記従来の開示技術における紙片立ての筐体やホルダーが大掛かりな金型や成形装置を必要としたのに対し、フレーム体2は図2(b)に例示するような簡単な加工治具で加工形成ができて、前記特徴を備えた紙片スタンドが低コストで実施可能となる。
そして、二本の傾斜レール上の前後方向に所定間隙の遊びガタ18を設けて滑動自在とされたボール3は、ボールと背面支持部間に挿入した紙片Pをボールの自重による押圧力9で、紙片Pを背面支持部に湾曲状に押圧挟持して剛性を高め、簡単な形成に拘わらず紙片Pへのワンタッチ着脱によって、例えば、数10枚のコピー紙を安定に起立保持させ、起立機能的に優れた紙片スタンドを提供し得る(図1、図2、図3参照)。
本発明に係る第2実施例の紙片スタンドによれば、
前記第1実施例の前記各特徴、効果を備えて、一本のワイヤで加工されたフレーム体からなる紙片スタンドを、例えば、図6に示すように透明アクリル素材で円柱形体に成形加工された台座基板29を用い、フレーム体2の端部15a、15bを基板29に圧入して一体化した紙片スタンドが形成される。
図6は、野球ボール形のミニチュヤーボール3を装着した実施例を示すが、紙片スタンドを台座基板29に固着することで、置物、装飾品としても付加価値を一層高めることができる。
更に、図6に示す第2実施例のように台座基板29に固着する場合は、重量を所望値に、例えば、300g程度に増大して紙片スタンド1の座りを安定化させ、所謂、文鎮代用としての効果も適え得る。
本発明に係る第3実施例の紙片スタンドによれば、
前記第1実施例及び第2実施例とともに記載した特徴、効果を兼ね備えた図7に外観斜視図を示すようなフレーム体2と台座基板29が一体化された第3実施例の紙片スタンドでは、フレーム体2がプラスチック素材により連続した線条形体とされ、台座基板29を含めた全体を透明体で成形加工することで、図7に図示するような一層洒落た置物や装飾品としての付加価値を備えた紙片スタンドとし得る。
そして、本発明では上記第3実施例のようにフレーム体2がプラスチックで成形加工された場合であっても、図7におけるフレーム体2の成形加工後に、適宜弾性を帯びて加工されたフレーム体の抜け防止部を若干矢印方向に開口することで、ボールをフレーム体2の上部や側部から装着し得るのであり、前記開示技術に比し生産性を高めることが可能となる。
本明細書では、発明に係る添付図面を理解し易くするために同一作用をする要素部分に
は同一の符号と同一の名称を付し、以下図面を参照しつつ実施形態の要部から説明する。
先ず、図1(a)は本発明に係る紙片スタンド1のフレーム体2の原理を説明するため、特に作動要部を拡大して示しており、本発明の紙片スタンドにおけるフレーム体の形成要点や転動体3による紙片Pの押圧挟持の仕組みは、図1(a)の説明によって充分理解できる。
初めに、本発明に適用される形成部品の具体的実施例を含めて説明する。骨組みを形成する図1(a)のフレーム体2は、針金単体やアルミ、鉄、ステンレス、銅等の金属線にビニール樹脂等で被覆処理したものや(以下、本発明ではそれら線材を総称してワイヤと称して説明する)、例えば、普通の鉄線を焼鈍して柔軟にした所謂ナマシ鉄線にビニール被覆し、各種結束用としてカラフルなカラーワイヤが普及している。該ビニール被覆ワイヤは、防錆性や加工性もよくフレーム体2の加工用として適材である。
そこで先ず、本発明に適用される形成部品の具体的実施例について説明する。
図1に示す紙片Pの押圧挟持部材としての転動体3は、図1(b)のボール形、図1(c)のラグビーボール形、図1(d)のように両端に支軸加工したローラー形等、何れの形体の転動体を用いても目的が果せる。例えば、転動体3の好ましい実施例としては、所謂、ガラス製のカラービー玉(直径:φ25、重量:略20gが市販されている)を転動体3として用いる好適である。
また、図1(a)のフレーム体2の加工用ワイヤ直径dは、φ2.5〜3.2ものを用い、図示のようにワイヤを二本に分岐して間隔L:13〜22mmにより、図示のように後方への下り傾斜で傾斜レール部4を加工形成する。そして、レール部からのワイヤは角部7で鋭角に折曲されて押圧挟持部6を含む背面支持部5が加工形成される。
なお、フレーム体2の断面形状は図1(e)に示す円形を初め、図1(f)のような楕円形、更には、図1(g)のような角形形状であってもよい。
次に、図1(a)の作動要部について説明する。
図1(a)に図示した間隙Lの二本の傾斜レール4上に配置されたボール3は、矢印の滑動方向8に所定間隙の遊びガタを備え、傾斜レール4上に滑動されて自重による押圧力9で角部7に押圧係止される。
従って、図示の押圧挟持部6を含む背面支持部5とボール3間に紙片Pを挿入した場合は、押圧挟持部6においてボール3周縁部で二本のワイヤが立設された挟持ワイヤ6a、6bに対して紙片Pが湾曲状に押圧挟持され、剛性が高められた紙片Pは後方に仰角形成された背面支持部5に支持されて安定に起立保持されることになる(図2、図3参照)。
即ち、一本のワイヤで加工された前記作動要部をフレーム体2に備えた紙片スタンド1を具現化するには、図1(a)のボール3に対して、フレーム体2からの抜け防止部11を設けるとともに、前記フレーム体を備えたスタンド担体を立設させるための前脚と後脚を設け、機能とともに外観が最適化されるように連続したワイヤ形体で設計加工すればよいのである(図2、図3参照)。
さて、本発明に係る第1実施例の具体的実施形態を図面とともに順次に説明する。
図2〜図5の各図は、前記図1を参照しつつ本発明の作動要部拡大図に基づいて詳述したフレーム体2を備えた紙片スタンド1の具体的な第1実施例、及び第1実施例におけるフレーム体2の一部を変形した他の形成例を示している。本発明の要点や形成内容は前記図1に基づいた説明と、第1実施例の図2、図3の説明によって充分明らかになる。
図2(a)は、前記図1(a)とともに詳述した作動要部をフレーム体2に全て備え、図示のように一本の連続したワイヤで加工された全フレーム体2の斜視図と、装着すべきボール3(以下の説明では、転動体3にボールを用いた実施例として説明する)、及びワイヤ端部15a、15b部に圧入穴17が圧入されて後脚16a、16bとなるゴム脚を配設して示している。
ここで、前記フレーム体2を加工するための簡易加工治具例について説明する。
図2(b)は、前記したフレーム体2の簡易的な加工治具例を示しており、該治具ブロック19を用いて前記図2(a)に示したフレーム体2を加工する際の加工工程の概要を図2(b)に基づいて説明する。
今、図2(b)は前記図2(a)のフレーム体2を治具ブロック19で加工後、該治具からフレーム体2を取外す以前の状態として示している。図2(b)の治具ブロック19は、例えば、真鍮材等で各部をフレーム体2の設計寸法に会わせて加工仕上げしてあり、図示のように抜け防止部11を形成するための凸部20を備え、前面にはφ4の二本のロッド1、ロッド2が矢印方向に挿脱可能なように2個の嵌合穴が加工されている。更に、側面にもφ3の二本のロッド3、ロッド4が矢印方向に挿脱可能なように2個の貫通嵌合穴が加工され、治具ブロック19の背面にはフレーム体2の背面支持部5や、端部を所定角度と寸法で加工仕上げするための図示されない溝部21等が加工形成されている。
次に、前記図2(b)の治具ブロック19を用いてフレーム体2を加工する際の工程概要について説明する。
例えば、前記したカラーワイヤを40cm位の長さに切断して用意し、図2(b)の治具ブロック19が固定された状態から、予め、ロッド1、ロッド2、ロッド3を挿着し、前記ワイヤの中間部を凸部20に引っ掛けて両端部をロッド1、ロッド2の間を通し、治具ブロック19の前面下側の矢印(1)方向に強く牽引して、抜け防止部11を先ず加工する。そして、ワイヤ両端を上側に折り返して矢印(2)方向に牽引し、図2(a)に示す両前脚13a,13bを加工する。
続けて、ワイヤを治具ブロック19側面のロッド3に係合させて矢印(3)の下斜めに牽引した状態から4番目のロット4を挿着し、図示のロッド4に下側から係合させてワイヤ両端部を矢印(4)の斜め上方に牽引しつつ、治具ブロック19背面部に円弧状に加工された溝部21に係合させて、最後に矢印(5)の下方に牽引仕上げする。
以上の加工工程を経て、治具ブロック19で加工形成されたフレーム体2は、先ず4個のロッド1〜ロッド4を挿脱方向に抜取ってから、図2(b)に示す矢印離脱方向22にフレーム体2を引抜くことで治具ブロック19から離脱される。そして、加工治具から抜き取られたフレーム体2の端部15a、15bは所定寸法に切断され、でき上がったフレーム体2が図2(a)である。
さて、図2(a)の加工済みフレーム体2に対して、両端部15a、15bにゴム脚の圧入穴17を挿して後脚16a、16bを形成し、更に、図示の矢印方向からボール3を挿着し、紙片スタンド1の組立完成品として示したのが図2(c)の斜視図、及び、図2(b)の側面図である。
即ち、本発明のフレーム体2はワイヤや線条形体として形成された結果として適当な弾力性があり、該弾力性を利用してフレーム体2の組立後に、ボール3を図2(a)の下部や側部から挿着し得る点が特徴の一つであり、生産性を高め得る利点がある。そして、一旦、フレーム体内に装着されたボール3は強引に抜取らない限り抜け落ちる恐れはない。
図2に示した第1実施例について図面とともに更に説明を続ける。
図2における第1実施例のフレーム体2は、図2(a)、図2(c)における前部が、接触部12で接触され、背面支持部5でも交点14でワイヤ同士が接触状態に形成されている。従って、フレーム体2の強度を増強して落下等の破損に耐えるようにするためには、前記接触部12及び交点14は接着剤で固着することが望ましい。
ここで、図2(c)、図2(d)に基づいて第1実施例各部の寸法関係を記載すると、ボール3(ビー玉)の直径φ:25mm、遊びガタ18:略4mm、フレーム体2の横幅W:48mm、奥行D:48mm、高さH:55mm、背面支持部5の傾斜角θ:略7°として設計形成し、更に、16a、16bのゴム脚としては、所謂、網戸用の押えゴムを所定寸法に切断して用いており、図2(c)の紙片スタンド1組立体の重量は略40gである。
上記実施例態様により好適な結果で所期目的が達成されている。
次に、第1実施例の使用態様について図3の各図とともに説明する。
図3の各図は、前記図2に示した第1実施例紙片スタンド1の使用態様と該断面状況を示している。図3(b)は、図3(a)のA−A線の縦断面図、図3(c)は図3(a)におけるB−B線上の水平断面を夫々示している。なお、図3(c)のB−B線断面図は図3(a)に起立挟持された紙片Pを特に複数枚とした場合の断面図として示している。
ところで、図3(a)は紙片スタンド1に一枚の紙片Pを起立挟持した態様を示しているが、図3(b)の断面図に示す矢印方向の遊びガタ18間隙を4mm程度に設定して加工した紙片スタンド1では、図3(a)の態様で40枚程度のコピー用紙が安定に起立挟持させ得る。
図3の断面図に基づいて、更に説明を続ける。
図3(c)は、図3(a)使用態様で複数枚の紙片Pが起立挟持された状態におけるB―B線上の水平断面として示している。図3(c)の断面図から判るようにこの第1実施例では、ボール3が紙片Pを押圧する挟持ワイヤ6a、6b間の後方矢印部分は空間になっている。しかし、紙片Pは図3(c)のように押圧挟持部6のフレーム体のワイヤ6a、6b間にボール3周縁部で押圧挟持されて図示のように湾曲状とされ、挟持される紙片Pの多少により、ボール3は矢印滑動方向8に滑動されながら押圧挟持されることになる。なお、図3(c)の図中に点線で示した挟持ワイヤ6c、6dに関しては図4(g)とともに後述する。
次に、第1実施例の一部を変形した変形実施例について図4とともに説明する。
本発明の内容は、図1、図2、図3を参照しつつ細述した前記説明で充分明らかになったものと思われる。従って、以下の説明では前記と同一形成部分についての重複説明を省略し、他の要点部分について簡潔に説明する。
図4の各図は、前記図2に示した第1実施例におけるフレーム体2の、特に、背面支持部5やフレーム体2背部の交点14を変形した実施例と、後脚形成の他の実施例とを示している。即ち、前記図2に示した背面支持部5や交点14及び端部後脚は、紙片Pの保持機能やフレーム体2の外観意匠の形成上から多くの変形例が考えられるが、該部の加工変形例として示したのが図4(a)〜図4(g)であり、以下に続けて説明する。
先ず、図4(a)〜図4(c)は、前記交点14の加工形成の代表例を拡大図示している。図4(a)は、前記図2では接着剤で固着するとして説明した交点14に関し、薄い金属板でバンド圧着23した加工例、図4(b)は二本のワイヤを互い違いに交差状24に加工した例であり、そして、図4(b)の加工方法に基づいて形成したフレーム体2の具体例を示したのが図4(d)である。また、図4(c)は二本のワイヤを互いに連鎖状25に加工形成した実施例を示している。
次に、図4(e)は背面支持部5の二本のワイヤを図示のように一旦膨らみ状に形成してから交点14で接触状に合せ、更に、矢印のように外側に円弧状とされた背面支持部5から端部15a、15bを形成し、交点14を前記図4(a)と同様にバンド圧着23した例である。
図4(f)は、背面支持部5に前記各実施例のような交点14を設けず、図示のように二本のワイヤで背面支持部5の形成後に下方に折曲加工して端部15a、15bとし、背面支持部5の頂部に図示のような薄板連結部材28を圧着加工した実施例である。
一方、図4(g)は前部を省略し、ボール3を装着した態様で背面支持部5の背部から見た他の変形実施例を示している。特に、図4(g)のフレーム体2では縦楕円細線で囲って示した挟持ワイヤ6c、6dのワイヤ交点14にボール3が接触されるようにフレーム体2を加工形成した実施例である。
前記した図4(g)の形成内容を前記図3(c)の水平断面図上に、挟持ワイヤ6c、6dを配設転記したのが、図3(c)に点線で示した6c、6dの配設関係である。本実施例では、紙片Pが前記6a、6bを含めた6c、6dの4点で圧接挟持されることになり、紙片Pが極薄紙であった場合も安定に起立挟持される効果を奏し得る。
図4(h)は、フレーム体2の前記端部15a、15bに取付される他実施例を示している。例えば、前記ゴム脚に置換えて圧入穴17を備えた図示のような吸盤26を端部15a、15b圧入固着した場合は、飾り台や卓上に紙片スタンド1を吸着させて用いることができる。また、ゴム脚の代わりに図4(h)に示すような金属脚27を用いて重量を増大し、紙片スタンド1の座り具合の安定性を改善することもできる。
更に、第1実施例に係るフレーム体2の他の加工形成例について説明する。
図5(a)、図5(b)に示す実施例のフレーム体2では、抜け防止部11を大きな円弧状とし、且つ、前脚13a、13bを逆V字型で外側に開き加工し、更に、端部は図示のようにワイヤ端15a、15bを内側に折曲して、単一のゴム脚16に端部15a、15bを差込み、両端部を連結状にして図4(b)のよな後脚16に加工形成した実施例である。
なお、図5(b)の実施態様では押圧挟持用としてゴルフボール3を装着してあり、本実施例のフレーム体2では、前脚を外側に開き加工することで座りを改善し、更に、ゴルフボール3(直径:略43mm、重量:略46g)を用いたことで、大きな押圧挟持力が得られて重量的にも安定したものとなる。
さて、本発明に係る第2実施例の紙片スタンド1について説明する。
図6は第2実施例に係る紙片スタンド1を示す図である。
この第2実施例は、前記図2以下に示して説明した第1実施例におけるフレーム体2を図6に図示するような、例えば、透明アクリル素材で成形した台座基板29を用いて、両端部15a、15bを台座基板29に圧入固着し、前記第1実施例のフレーム体2を図示のように台座基板29に合体して紙片スタンド1にした実施例である。
前記フレーム体2を化粧加工した台座基板29に載置構成することで、機能、外観的に商品性が一層高められる。更に、本第2実施例では、例えば、メッキ仕上げした金属製による台座用基板29を用いて所望重量とした場合は、遊具性を備えた文鎮兼用品としても付加価値を高め得る。例えば、図6の実施例はボール3に玩具用のミニ野球ボールを装着したものである。
次に、本発明に係る第3実施例の紙片スタンド1について説明する。
図7は、フレーム体2と台座基板29を含めた全体をプラスチックで一体成形加工した実施例の外観を示している。図7におけるフレーム体2は台座基板29を含め、例えば、アクリロニトリル・スチレン(AS樹脂)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック素材を用いて成形品を透明体として適宜弾発力を帯びるように成形加工することで、外観的にも見栄えよくして付加価値を高め得る。
なお、フレーム体2としては図示のように連続した一本の線条形体としてプラスチック素材で成形加工された場合も、傾斜レール4、背面支持部5、押圧挟持部6、及び、抜け防止部11の各加工要部が前記図1、図2に基づいて説明した作動要部と同様な作動対応とされるのは勿論である。
そして、本発明に係る第3実施例紙片スタンド1でも、図7の成形加工後に適宜弾力を帯びて加工された抜け防止部11を矢印方向に若干開口することで、フレーム体2の成形後に上部や側部からボール3が挿着できので生産性の向上が図れる。
なお、本第3実施例には押圧挟持部6の中間部に図示のように傾斜ポール32が立設加工されており、該傾斜ポール32は前記図4(g)、図3(c)の第1実施例とともに押圧挟持部の変形例として説明したように、図3(c)の挟持ワイヤ6a、6bの中間部に立設させて挟持機能の改善を目的としたものである。
さて、前記したフレーム体の他の変形例や紙片スタンドの他の使用態様等についてここで更に補足説明する。
前記フレーム体の実施形体は、一本の連続したワイヤや一本の連続した線条形体として図示説明したが、本発明におけるフレーム体の要点は、前記実施例とともに詳述した作動要部が発明要点である。従って、フレーム体を形成するワイヤは連続しなくてもよく、例えば、二本のワイヤを用いて前記したフレーム体を左右別々に加工形成後に、両者を合体固着してもよい。
更に、前記フレーム体としては図2(b)に例示した加工治具を用いての加工時に、例えば、ワイヤ始端と終端の加工工程を逆にしてワイヤ端部を接触状に揃えた形体で、終端部で抜け防止部11を形成してもよいのであり、フレーム体としては前記実施例に限定されることなく前記発明要部を備えた形体での各種変形が可能である。
また、以上に示した本発明の紙片スタンド1は卓上用としての使用を前提として説明したが、例えば、前記図6、図7における台座基板29に置換えて、前記フレーム体2の背面側に対して壁面への取付け吊着用のフック部材を設け、壁面やボード上に吊着し得るようなハンガー形式で用いてもよい。
更に、前記フレーム体2の背部に壁面取付け用の基板を別途設け、該基板面に吸盤、シートマグネット、粘着テープ等を貼着する態様により、壁面、冷蔵庫、磁性ボードに吸着させて用いる等、各種の使用形態で用いる展開も可能である。
本発明第1実施例に係る紙片スタンドの作動要部拡大図、及び転動体の各実施例とフレーム体の各実施例の断面を示す図である。 第1実施例に係るフレーム体のワイヤ加工形成による紙片スタンドの具体的実施例、及び加工治具によるフレーム体の加工例を示す図である。 第1実施例に係る紙片スタンドの使用態様、垂直及び水平線の断面状況を示す図である。 第1実施例に係るフレーム体の交点形成方法及び後脚部の他の形成方法を示す図である。 第1実施例に係るフレーム体形成方法の他実施例を示す図である。 本発明第2実施例に係る紙片スタンドの実施例を示す斜視図である。 本発明第3実施例に係る紙片スタンドの実施例を示す斜視図である。 特許文献1の特許第3189119号公報から引用した開示技術である。 特許文献2の特開2002−2163号公報から引用した開示技術である。
符号の説明
1 紙片スタンド
2 フレーム体
3 転動体(ボール/ローラー)
4 傾斜レール部
5 背面支持部(仰角)
6 押圧挟持部
8 滑動方向
11 抜け防止部
12 接触部
14 交点
13a、13b 前脚
14 交点
15a、15b 端部
16a,16b 後脚
18 遊びガタ
19 治具ブロック

Claims (4)

  1. 線条形体で加工されたフレーム体と、前記フレーム体内に紙片を押圧挟持するための転動体とを具備してなり、
    少なくとも前記フレーム体には、前方上部に加工された前記転動体の抜け防止部と、
    中央部に後方下りで加工された二本の傾斜レール部と、
    前記傾斜レール部から連続して後方に加工された紙片の背面支持部とを備え、
    前記連続した線条形体により、前記三つの加工部が加工された前記フレーム体内部に装着された前記転動体が、前記傾斜レール上の前後方向に滑動自在とされ、且つ、使用状態では前記背面支持部を押圧するように形成されたことを特徴とする紙片スタンド。
  2. 連続したワイヤで加工されたフレーム体と、前記フレーム体内に紙片を押圧挟持するためのボールとを具備してなり、
    少なくとも前記フレーム体には、前方上部に加工された前記ボールの抜け防止部と、
    中央部に後方下りで加工された二本の傾斜レール部と、
    前記傾斜レール部から連続して後方に加工された紙片の背面支持部とを備え、
    前記連続したワイヤで前記三つの加工部が加工されたフレーム体内部に装着された前記ボールが、前記傾斜レール上の前後方向に滑動自在とされ、且つ、使用状態では前記背面支持部を押圧するように形成したことに加え、
    前記フレーム体前方に、前記抜け防止部から連続して前脚が加工されたこと、
    前記フレーム体後方に、前記背面支持部から連続して後脚が加工されたことにより、
    前記フレーム体が前記連続したワイヤで加工された前記五つの加工部を備え、
    前記背面支持部と前記ボール間に挿入した紙片が横方向に対して湾曲状に押圧挟持されるように形成されたことを特徴とする紙片スタンド。
  3. 台座用基板を備えて、前記請求項記載のフレーム体における端部を前記台座基板に固着形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一つに記載の紙片スタンド。
  4. 前記記載のフレーム体が、予め台座用基板を備えてプラスチック素材により一体的に成形加工されたことを特徴とする請求項1に記載の紙片スタンド。
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