JP2007076018A - 平面切削装置 - Google Patents

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睦市 山田
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Abstract

【課題】 廉価に製造可能で維持管理もしやすい簡便な構造で、しかも大きな板を全幅に亘って一度に切削できる平面切削装置を提供する。
【解決手段】 中心軸回りに回転駆動される駆動軸5と、同じ軸方向位置に回転方向位置をずらせて駆動軸5に取り付けられた第1の切削刃と16a、この第1の切削刃16aと相隣接する端部同士が回転方向に重なる軸方向位置に、第1の切削刃16aとは回転方向位置をずらせて駆動軸5に取り付けられた第2の切削刃16bとを備えており、各第1の切削刃16aと第2の切削刃16bのそれぞれが、軸方向に連なる刃先を有しており、しかも、回転方向に重ならない位置に、刃先を軸方向に複数に区分する溝部を有する平面切削装置とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、木材や合成樹脂などの大きな板の表面を切削するのに適した平面切削装置に関する。
従来、平面切削装置としては、中心軸回りに回転駆動される駆動軸に多数の丸鋸を集積し、各刃先を微小にずらして、該刃先線が駆動軸に対して螺旋状となるように配置した集積鋸胴体を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−293003号公報
ところで、食肉加工などの業務用では、まな板として合成樹脂または木材の大きな厚板を使用している。この業務用のまな板においては、使用中に表面に生じたキズの中に細菌が入り込んで繁殖し、食品衛生上の問題を生じることを防止するために、定期的に表面を切削し、キズを除去することが行われる。
しかしながら、上記従来の平面切削装置で、上記業務用のまな板のような大きな板を全幅に亘って一度に切削できるようにするためには、長い駆動軸に多数の丸鋸を集積させた長い集積鋸胴体を用意しなければならず、集積鋸胴体に多大のコストがかかる問題がある。また、この集積鋸胴体は、多数の丸鋸を集積させたものであるので、刃先の手入れや刃の交換に多大な手間がかかり、維持管理上の負担が大きい問題もある。
また、大きな板を切削する場合、周知の手動式電動鉋で全体をくまなく切削することも考えられるが、局部的な切削を広範囲に繰り返すことになるので、切削ムラを生じやすい問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、廉価に製造可能で維持管理もしやすい簡便な構造で、しかも大きな板を全幅に亘って一度に切削できる平面切削装置を提供することを目的とする。
上記目的のために本発明は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、駆動軸の周囲に取り付けられた切削刃とを備えた平面切削装置において、切削刃が、同じ軸方向位置に回転方向位置をずらせて取り付けられた複数の第1の切削刃と、この第1の切削刃と相隣接する端部同士が回転方向に重なる軸方向位置に、第1の切削刃とは回転方向位置をずらせて取り付けられた複数の第2の切削刃とを備えており、各第1の切削刃と第2の切削刃のそれぞれが、軸方向に連なる刃先を有しており、しかも、回転方向に重ならない位置に、刃先を軸方向に複数に区分する溝部を有することを特徴とする平面切削装置を提供するものである。
また、上記本発明は、切削刃が、さらに、第1の切削刃との間に第2の切削刃を挟んで、第2の切削刃と相隣接する端部同士が回転方向に重なる軸方向位置に、第1の切削刃と同じ回転方向位置に取り付けられた第3の切削刃を備えており、各第3の切削刃が、軸方向に連なる刃先を有しており、しかも、回転方向に重ならない位置に、刃先を軸方向に複数に区分する溝部を有すること、
第1の切削刃、第2の切削刃および第3の切削刃のそれぞれが、回転方向に180°ずれた位置に2枚ずつ取り付けられていること、
第1の切削刃と第2の切削刃と第3の切削刃が総て同じ長さであること、
第1の切削刃と第3の切削刃の長さが等しく、この第1の切削刃と第3の切削刃の合計長さと、第2の切削刃の長さとが等しいこと、
をその好ましい態様として含むものである。
本発明によれば、軸方向に伸びた刃先を有し、軸方向に並べられた第1の切削刃及び第2の切削刃で切削を行うので、ほぼ第1の切削刃と第2の切削刃を合わせた長さの範囲内であれば、大きな被切削物であっても、全幅に亘って一度に切削することができる。したがって、特に技術を有しない作業者であっても、容易に均一な切削を行うことができる。
第1の切削刃と第2の切削刃は、その取り付け位置が回転方向にずらされているので、それぞれによる切削のタイミングがずれ、切削抵抗を抑制することができる。
第1の切削刃と第2の切削刃は、端部同士が回転方向に重なっているので、両者間に削り残し部分を生じることを防止することができる。
第1の切削刃と第2の切削刃に溝部が設けられていることにより、切削屑が分割され、除去されやすくなる。また、各溝部が回転方向に重ならない位置に設けられていることにより、溝部の存在が切削ムラとして被切削物に残らないようにすることができる。
本発明において、第3、第4、…の切削刃を設けると、1枚1枚の切削刃は短くても全体として広い幅を切削することが可能となりき、切削抵抗をより大きく抑制することができる。
特に第2の切削刃を挟んで第1の切削刃と第3の切削刃を設け、第1の切削刃と第3の切削刃の回転方向位置を揃え、第2の切削刃の回転方向位置を第1の切削刃と第3の切削刃の回転方向位置からずらせておくと、駆動軸の中央部での第2の切削刃による切削と、駆動軸の両端部での第1および第3の切削刃による切削とを交互に行うことができ、駆動軸の一端側に片寄った負荷が加わることを防止することができる。また、この場合、第2の切削刃の長さと、第1および第3の切削刃の合計長さとを等しくしておくと、第2の切削刃による切削時と、第1および第3の切削刃による切削時とに生じる切削抵抗を近似させることができ、切削時に受ける駆動軸および駆動モータの負荷をほぼ一定とすることができる。
以下、図面に基づいて本発明の一例を説明する。
図1は本発明に係る平面切削装置の一例を示す正面図、図2は図1に示される平面切削装置の側面図、図3は刃物台部分の底面図、図4は図3におけるA−A断面図、図5は切削刃の斜視図である。
図1および図2に示されるように、本例の平面切削装置は、被切削物(図示されていない)を乗せて送り込むための搬送台1と、搬送台1中央の上方に位置する刃物台2と、刃物台2を囲むように搬送台1上に取り付けられた支持台3とを備えている。
搬送台1は、被切削物の進行方向を横断して並列された搬送ローラ4を備えており、この搬送ローラー4上に乗せた被切削物を押すことで刃物台2の下を通過させることができるようになっている。
刃物台2は、後で詳述するように、被切削物の進行方向を横断して、周囲に第1〜第3の切削刃16a〜16c(図3〜図5参照)が設けられた1本の駆動軸5と2本の押さえローラ6とが並列に掛け渡された枠状をなしている。押さえローラ6は、駆動軸5の前後(被切削物の進行方向に対する前後)に設けられている。また、駆動軸5は、刃物台2上に設けられた駆動モータ7によって回転駆動されるものとなっている。
支持台3の前面側(後面側)上部と搬送台1間には、2本のスライド軸8が垂直に取り付けられていると共に、支持台3の後面側(前面側)上部と搬送台1間には、2本のボールネジ9が、中心軸回りに正逆回転可能に垂直に取り付けられている。スライド軸8は、刃物台3に取り付けられたスライド軸受10をスライド自在に貫通し、ボールネジ9は、刃物台3に取り付けられた雌ネジ部11と螺合してこれを貫通している。したがって、刃物台3は、上記2本のスライド軸8と2本のボールネジ9によって搬送台1の上方に支持されていると共に、2本のボールネジ9を手動または昇降モータ12によって同時に回転させることで、上下方向に移動可能となっている。
本例の平面切削装置の概要は上述のとおりで、搬送台1上に板状の被切削物を置き、これを押し進めると共に、刃物台3を降下させて、押さえローラ6で上から被切削物を押さえ付けた状態で、駆動軸5に設けられている第1〜第3の切削刃16a〜16c(図3〜4参照)で表面を切削できるようになっている。
次に、図3〜4に基づいて刃物台3についてさらに説明する。
図3に示されるように、刃物台3には、駆動軸5と2本の押さえローラ6が、それぞれ両端が駆動軸受13と押さえローラ軸受14に支持されて設けられている。また、15は、図1および2に示される駆動モータ7の駆動力を駆動軸5に伝えるための伝達ローラまたはギアである。
駆動軸5の周囲には、第1の切削刃16aと、第2の切削刃16bと、第3の切削刃16cが取り付けられている。第1〜第3の切削刃16a〜16cは、それぞれ駆動軸5の軸方向に連なる刃先17(図5参照)を有しており、軸方向の一定長さの領域を切削することができるものとなっている。
図4に示されるように、本例における駆動軸5は、断面正方形状をなしており、第1〜第3の切削刃16a〜16cのそれぞれは、2枚ずつ駆動軸5の回転方向に180°ずれた位置に取り付けられている。
第1の切削刃16aは、図3における駆動軸5の左側に位置しており、駆動軸5の同じ軸方向位置に回転方向位置を駆動軸5の回転方向に180°ずらせて2枚取り付けられている。
第2の切削刃16bは、上記第1の切削刃16aと相隣接する端部同士を回転方向に重ねて、駆動軸5の中央部に取り付けられている。また、この第2の切削刃16bも、駆動軸5の同じ軸方向位置に回転方向位置を駆動軸5の回転方向に180°ずらせて2枚取り付けられているが、上記第1の切削刃16aとは回転方向位置が90°ずれて取り付けられている。
第3の切削刃16cは、第1の切削刃との間に第2の切削刃16bを挟む軸方向位置(図3における駆動軸5の左側)に、第2の切削刃16bと相隣接する端部同士を回転方向に重ねて取り付けられている。また、この第2の切削刃16bも、駆動軸5の同じ軸方向位置に回転方向位置を駆動軸5の回転方向に180°ずらせて2枚取り付けられているが、上記第1の切削刃16aと同じ回転方向位置に取り付けられている。
本例の平面切削装置は、上記のような取り付け状態の第1〜第3の切削刃16a〜16cで被切削物の表面を切削するもので、第1〜第3の切削刃16a〜16cが連なる長さに亘って一度に切削することができる。
一方、第1および第3の切削刃16a,16cと第2の切削刃16bの回転方向位置が90°ずれているので、第1および第3の切削刃16a,16cによる切削と、第2の切削刃16bによる切削とが交互に行われることになる。したがって、第1〜第3の切削刃16a〜16cによる切削が同時に行われる場合に比して切削抵抗を小さくすることができ、駆動軸5および駆動のための駆動モータ7の負担を小さくすることができる。また、第1の切削刃16aと第2の切削刃16bの相隣接する端部同士と、第2の切削刃16bと第3の切削刃16cの相隣接する端部同士は、前記のように回転方向に重なっているので、第1の切削刃16aと第2の切削刃16bの間と、第2の切削刃16bと第3の切削刃16cの間において削り残しを生じることがない。
図5に示されるように、第1〜第3の切削刃16a〜16cは、それぞれ、刃先17を軸方向に複数に区分する溝部18を有するものとなっている。図示される第1〜第3の切削刃16a〜16cは、2つの溝部18を有するものとなっているが、第1〜第3の切削刃16a〜16cの長さに応じて、1または3つ以上とすることもできる。
上記溝部は18は、第1〜第3の切削刃16a〜16cによる切削によって生じる切削屑を分割して除去しやすくするためのものである。また、この溝部18は、2枚ずつ設けられている第1〜第3の切削刃16a〜16cのそれぞれにおいて、回転方向に重ならない位置に設けられており、これによって溝部18の存在が切削ムラとして被切削物に残らないようになっている。
本発明においては、上記第3の切削刃16c(または第1の切削刃16a)を省略し、第1の切削刃16a(または第3の切削刃16c)と第2の切削刃16bだけとすることもできる。この場合、第1の切削刃16a(または第3の切削刃16c)による切削と、第2の切削刃16bによる切削が交互に行われることになり、やはり駆動軸5および駆動のための駆動モータ7の負担を小さくすることができる。
しかしながら、本発明においては、上記のように、第1〜第3の切削刃16a〜16cを設け、第1および第3の切削刃16a,16cの回転方向位置を揃えると共に、第2の切削刃16bの回転方向位置を、この第1および第3の切削刃16a,16cの回転方向位置からずらせておくことが好ましい。このようにすると、駆動軸5の中央部に位置する第2の切削刃16bによる切削と、駆動軸5の両側部に位置する第1および第3の切削刃16a,16cによる切削とが交互に行われることになり、駆動軸5の一端側に片寄って負荷が加わることを防止することができる。
第1〜第3の切削刃16a〜16cを設ける場合、これらの長さを総て揃えておき、1つの切削刃をいずれの切削刃としても使用できるようにしておくと、長さの異なる複数種類の切削刃を用意する必要がなく、切削刃の交換や補修が容易となる。また、第1の切削刃16aと第3の切削刃16cの長さを等しくし、この第1の切削刃16aと第3の切削刃16cの合計長さと、第2の切削刃16bの長さとを等しくしておくと、第2の切削刃16bによる切削時と、第1および第3の切削刃16a,16cによる切削時とに生じる切削抵抗を近似させることができ、切削時に受ける駆動軸5および駆動モータ7の負荷をほぼ一定とすることができる。
本発明においては、第4、第5…の切削刃(図示されていない)を設けることもできる。駆動軸5の軸方向に並べられる切削刃の枚数を増やすことにより、1枚1枚の切削刃は短くても全体として広い幅を切削することが可能となり、切削抵抗をより大きく抑制することができる。
例えば、第1〜第5の切削刃(図示されていない)を設ける場合、駆動軸6を断面正六角形とし、第1〜第5の切削刃を、相隣接する端部同士を回転方向に重ねて、軸方向位置を順次ずらせて取り付けると共に、第1〜第5の切削刃のそれぞれを、2枚ずつ駆動軸5の回転方向に180°ずれた位置に取り付け、さらに第1の切削刃に対して第2の切削刃を回転方向に60°ずらせ、第2の切削刃に対して第3の切削刃を回転方向に60°ずらせ、第4および第5の切削刃の回転方向位置を第1及び第2の切削刃の回転方向位置にそれぞれ揃えることもできる。このようにすると、第1および第5の切削刃による切削と、第2および第4の切削刃による切削と、第3の切削刃による切削とがタイミングをずらせて順次行われることになる。
なお、本発明の平面切削装置においては、切削中に切削刃を冷却するための空気の吹き付け装置を設けておくことが好ましい。
本発明に係る平面切削装置の一例を示す正面図である。 図1に示される平面切削装置の側面図である。 刃物台部分の底面図である。 図3におけるA−A断面図である。 切削刃の斜視図である。
符号の説明
1 搬送台
2 刃物台
3 支持台
4 搬送ローラ
5 駆動軸
6 押さえローラ
7 駆動モータ
8 スライド軸
9 ボールネジ
10 スライド軸受
11 雌ネジ部
12 昇降モータ
13 駆動軸受
14 押さえローラ軸受
15 伝達ローラまたはギア
16a 第1の切削刃
16b 第2の切削刃
16c 第3の切削刃
17 刃先
18 溝部

Claims (5)

  1. 中心軸回りに回転駆動される駆動軸と、駆動軸の周囲に取り付けられた切削刃とを備えた平面切削装置において、
    切削刃が、同じ軸方向位置に回転方向位置をずらせて取り付けられた複数の第1の切削刃と、この第1の切削刃と相隣接する端部同士が回転方向に重なる軸方向位置に、第1の切削刃とは回転方向位置をずらせて取り付けられた複数の第2の切削刃とを備えており、各第1の切削刃と第2の切削刃のそれぞれが、軸方向に連なる刃先を有しており、しかも、回転方向に重ならない位置に、刃先を軸方向に複数に区分する溝部を有することを特徴とする平面切削装置。
  2. 切削刃が、さらに、第1の切削刃との間に第2の切削刃を挟んで、第2の切削刃と相隣接する端部同士が回転方向に重なる軸方向位置に、第1の切削刃と同じ回転方向位置に取り付けられた第3の切削刃を備えており、各第3の切削刃が、軸方向に連なる刃先を有しており、しかも、回転方向に重ならない位置に、刃先を軸方向に複数に区分する溝部を有することを特徴とする請求項1に記載の平面切削装置。
  3. 第1の切削刃、第2の切削刃および第3の切削刃のそれぞれが、回転方向に180°ずれた位置に2枚ずつ取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の平面切削装置。
  4. 第1の切削刃と第2の切削刃と第3の切削刃のが総て同じ長さであることを特徴とする請求項3に記載の平面切削装置。
  5. 第1の切削刃と第3の切削刃の長さが等しく、この第1の切削刃と第3の切削刃の合計長さと、第2の切削刃の長さとが等しいことを特徴とする請求項4に記載の平面切削装置。
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