JP2007075796A - 低級炭化水素改質触媒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】低級炭化水素と水素とを含んだガスと反応させて芳香族化合物を生成する低級炭化水素改質触媒であって、メタロシリケートにモリブデンとモリブデン以外の金属成分とを担持してなり、前記金属成分はロジウムまたは白金とする。前記メタロシリケートとしてはH型ZSM−5またはH型MCM−22からなるものが挙げられる。前記低級炭化水素と水素とを含んだガスとしては水素9%含んだものがある。
【選択図】なし
Description
JOURNAL OF CATALYSIS,1997年,pp.165,pp.150−161
10CH4 → C10H8(ナフタレン) + 16H2
このことは反応試験結果から確認され、水素添加量の増加につれて、ナフタレン等の高次芳香族類の選択率が減少し、ベンゼンの選択性が高まる傾向となった。
触媒の主成分であるメタロシリケートにはアンモニウム型のゼオライト触媒(SiO2/Al2O3=25〜60)であるH型ZSM−5及びH型MCM−22を採用した。そして、このゼオライトに触媒金属を担持したゼオライト粉末を得、これを他の無機成分と有機バインダー等と共に混練して成形し、乾燥さらに焼成して低級炭化水素改質触媒(以下、触媒と称する)を得た。以下に比較例及び実施例に係る触媒の製造の各工程について説明する。
比較例1の触媒はゼオライト触媒にH型ZSM−5が採用され、これにモリブデンのみを担持したものである。
先ず、蒸留水5リットルに7モリブデン酸アンモニウム6水和物522g(モリブデン含有量300g)を溶かし含浸水溶液を調製した。次に、この調製した含浸水溶液を高速攪拌機で攪拌しながら、前記ゼオライト5kgを加えて3時間攪拌した。そして、この攪拌物を70〜100℃で乾燥、蒸発乾固した後、この乾燥物を空気中で550℃、5時間焼成して、ゼオライトに対して6重量%モリブデンを担持したゼオライト粉末を得た。
無機成分の配合:モリブデン担持ゼオライト(82.5重量%)、粘土(10.5重量%)、ガラス繊維(7重量%) 全体配合:前記無機成分(65.4重量%)、有機バインダー(13.6重量%)、ポリマービーズ(松本油脂製薬製F−80E;平均粒径90〜110μm,真比重0.0025)(5.0重量%)、水分(21重量%)
(3)触媒の成型
前記配合比率で前記無機成分、有機バインダー、ポリマービーズ及び水分を配合し混練手段(ニーダ)によって混合、混練した。次に、この混合体を真空押し出し成型機によって棒状(径5mm)に成型した。このときの成型時の押し出し圧力は70〜100kg/cm2に設定した。
乾燥工程では成型時に添加した水分を除去するために100℃で約5時間行なった。焼成工程における昇温速度及び降温速度は30〜50℃/時に設定した。このとき、成型時に添加したポリマービーズが瞬時に燃焼しないように、120〜150℃で2時間保持し、その後、有機バインダーも瞬時に燃焼しないように250〜450℃の温度範囲の中に2〜5時間程度の温度キープを2回実施し、バインダーを除去した。これは昇温速度及び降温速度が前記速度以上であってバインダーを除去するキープ時間を確保しない場合にはバインダーが瞬時に燃焼して焼成体の強度が低下するためである。
上記の方法にて製造した触媒を空気雰囲気のもと550℃まで昇温させ、この状態を1時間維持させた後、雰囲気をCH4+4H2の反応ガスに切り替え、700℃まで昇温させ、この状態を6時間以上維持した。
実施例1の触媒は、H型ZSM−5にモリブデンとロジウムとを担持したもので、担持工程以外は比較例1の触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
実施例2の触媒は、H型ZSM−5にモリブデンと白金とを担持したもので、以下の方法で製造した。
蒸留水5リットルに7モリブデン酸アンモニウム6水和物522g(モリブデン含有量300g)と塩化白金酸水和物(白金40重量%含有)305g(白金含有量122g)を溶かして混合し、含浸水溶液を調製した。次にこの調製した含浸水溶液を攪拌しながらゼオライト5kgを加えて3時間攪拌した。この攪拌物を乾燥し水分を除去した後、空気中で550℃のもと10時間焼成してゼオライトに対してモリブデンを6重量%、白金はモリブデンとのモル比で白金:モリブデン0.2:1.0としたモリブデンと白金を担持した金属担持ゼオライト粉末を得た。
触媒の構成成分とその配合比率を以下に示した。
また、無機成分の構成成分とその配合比率を以下に示した。
無機成分と有機バインダーと水分とを前記比率で配合し、ニーダ等の混練手段によって混練した。次いで、この混合体を真空押し出し成型機によって棒状(径5mm)に成型したこのときの成型圧力は70〜100kg/cm2とした。そしてこの押出成型で得られた径5mmの棒状担体を10mmに切断して成型体を得た。
乾燥工程では成型時に添加した水分を除去するために100℃で約12時間行った。また焼成温度は、600℃から700℃の範囲とした。焼成工程における昇温速度および降温速度は、30〜50℃に設定した。このとき添加したポリマービーズが瞬時に焼成しないように120℃〜150℃で2時間保持し、その後、有機バインダーも瞬時に燃焼しないように250〜450℃の温度範囲の中に2〜5時間程度の温度保持を2回実施し、バインダーを除去した。これは昇温速度および降温速度が前記速度以上であって、バインダーを除去する保持時間を確保しない場合にはバインダーが瞬時に燃焼して焼成体の強度が低下するためである。以上の操作によってモリブデンと白金族成分が担持された発泡状の触媒を得た。
上記の方法にて製造した触媒を空気雰囲気のもと550℃まで昇温させ、この状態を1時間維持させた後、雰囲気をCH4+4H2の反応ガスに切り替え、700℃まで昇温させ、この状態を6時間以上維持した。
比較例2の触媒はゼオライトにH型MCM−22が採用され、これにモリブデンのみが担持されて得られたものであり、H型ZSM−5の代わりにH型MCM−22が採用されたこと以外、比較例1と構成成分の配合及び製造工程等は同じである。
実施例3の触媒は、H型MCM−22にモリブデンとロジウムとを担持したもので、H型ZSM−5の代わりにH型MCM−22が採用されたこと以外、実施例1と触媒構成成分の配合及び製造工程等は同じである。
実施例4の触媒は、H型MCM−22にモリブデンと白金とを担持したもので、H型ZSM−5の代わりにH型MCM−22が採用されたこと以外、実施例2と触媒構成成分の配合及び製造工程等は同じである。
比較例及び実施例の触媒の評価法について述べる。
Claims (4)
- 低級炭化水素と水素とを含んだガスと反応させて芳香族化合物を生成する低級炭化水素改質触媒であって、
メタロシリケートにモリブデンとモリブデン以外の金属成分とを担持してなり、
前記金属成分はロジウムまたは白金であること
を特徴とする低級炭化水素改質触媒。 - 前記メタロシリケートはH型ZSM−5からなることを特徴とする請求項1記載の低級炭化水素改質触媒。
- 前記メタロシリケートはH型MCM−22からなることを特徴とする請求項1記載の低級炭化水素改質触媒。
- 前記低級炭化水素と水素とを含んだガスは水素9%含んだことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の低級炭化水素改質触媒。
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