JP4302954B2 - 低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法 - Google Patents

低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法と低級炭化水素の芳香族化合物化触媒および低級炭化水素の転化方法であって、例えば天然ガス等の低級炭化水素から化学工業、薬品類、プラスチック類などの化学製品の原料であるベンゼンおよびナフタレン類を主成分とする芳香族化合物と高純度の水素ガスを効率的に製造する際に有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族化合物は主にナフサを用いて製造されるが、その芳香族化合物と共に水素ガスも製造される。前記の芳香族化合物,水素ガスの製造方法については、以下に示すものが挙げられる。
【0003】
[非触媒方法によるナフタレン類の製造方法]
ナフタレン類の製造方法として、例えば石炭等を原料とした溶剤抽出法,天然ガスやアセチレンガス等を原料とした熱分解法(ガス分解法)等の非触媒方法が知られていた。しかし、前記の各製造方法の場合、石炭やアセチレンなどの原料から抽出(転化)されるベンゼンおよびナフタレン類は僅か(原料に対して数パーセント)であり、副生芳香族化合物,炭化水素,タール,非溶解性の炭素残留物が多量に生成されてしまう問題がある。
【0004】
また、前記の石炭等を原料とした溶媒抽出法は多量の有機溶媒を必要とするため、製造コストが高くなってしまう。前記のアセチレン等を原料とした熱分解法においては、例えば数パーセント以上の転化率にてナフタレン類を製造しようとする場合には反応温度を1000℃以上の高温に設定する必要があると共に、抽出されるナフタレン類は極めて僅か(数パーセント以下)であるため、実用上問題があった。
【0005】
[触媒を用いたナフタレン類の製造方法]
触媒を用いたナフタレン類の製造方法として、例えば白金類が担持されて成る触媒を介し、オルトオキシレン等のアルキルベンゼン類を高温雰囲気下で脱水素縮合化反応させて製造する方法が知られていたが、そのアルキルベンゼン類が高価であると共に、アルキルベンゼン類からナフタレン類への転化率は低いため、実用上問題があった。
【0006】
[水素ガスの製造方法]
前記の芳香族化合物と共に併産される水素ガスの製造方法として、高温・高圧雰囲気下にて水成ガス反応(ウォーターガスシフト)および天然ガスの水蒸気改質反応を利用した方法や、原油を原料とした熱分解法等が知られていた。しかし、前記の方法によって製造された水素ガス中には、触媒毒である硫黄や窒素酸化物等が含まれたり、その水素ガスの副生物である一酸化炭素等が含まれてしまう。このため、前記の水素ガス中から触媒毒を除去するための設備を必要とし、精製工程に多大な負荷がかかってしまい、工業的な問題があった。また、前記の水素ガスの製造に伴って多量の炭酸ガスが副生排出されるため、地球環境上問題があった。
【0007】
[芳香族化合物と水素ガスとを併産する方法]
低級炭化水素(特に、メタンからベンゼン等の低級炭化水素)から成る芳香族化合物と水素ガスとを同時に製造(併産)する方法としては、触媒を介し無酸素雰囲気下(酸素や酸化剤が存在しない状態)にてメタンを反応させる方法が知られ、前記の触媒としてはZSM−5(担体)にモリブデンを担持させて成るものが有効であるとされていた(「JOURNAL OF CATALYSIS」165頁、150−161頁(1997年)、および該文献に引用された文献等)。しかし、前記のように単にZSM−5にモリブデン担持させた触媒を介しても、炭素析出が多くメタンから炭素ガスへの転化率が低い問題があった。
【0008】
以上示した各製造方法の他に、特開平10−272366号公報,特開平11−60514号公報,特開2001−334151号公報,特開2001−334152号公報では、多孔質のメタロシリケートにモリブデンを担持させて成る触媒を用いる方法が提案され、特に触媒の担体として約5.5オングストロームの細孔径を有する多孔質のメタロシリケートを用いた場合には、低級炭化水素が効率的に芳香族化合物へ転化されると共に、高純度の水素ガスが得られることを開示している。
【0009】
【非特許文献1】
「JOURNAL OF CATALYSIS」,1997年,165頁,150−161頁。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−272366号公報(段落[0008]〜[0013],[0019])。
【0011】
【特許文献2】
特開平11−60514号公報(段落[0007]〜[0011],[0020])。
【0012】
【特許文献3】
特開2001−334151号公報(段落[0007]〜[0014])。
【0013】
【特許文献4】
特開2001−334152号公報(段落[0008]〜[0011])。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようにモリブデン等の触媒金属を担体に担持させる方法としては、例えば触媒金属が溶解された水溶液中に担体を所定の条件(例えば、含浸時間,温度等)で含浸(含浸方法)させることにより、担体に触媒金属を担持させた後、その担持体を前記水溶液中から取り出し乾燥(余分な水分の除去)した後に焼成処理する方法が知られている。また、担持方法としては前記の含浸方法の他に、イオン交換方法により触媒金属を担体に担持させる方法も知られている。
【0015】
しかし、前記の方法により製造した触媒においては、触媒能(例えば、芳香族化合物や水素ガスへの転化率)の低下が確認され、これは水溶液中から取り出した担持体を乾燥(例えば、単に温度のみを調整しながら乾燥)した際に、担持体に担持された触媒金属が凝集されているためと考えられる。
【0016】
本発明は前記課題に基づいてなされたものであり、含浸方法またはイオン交換方法により触媒金属が担持された担持体の乾燥方法を改良し、その触媒能を高め、例えば触媒を介して低級炭化水素から芳香族化合物や水素ガスへ転化する際の効率を向上させる触媒の製造方法および触媒と、その触媒を用いた低級炭化水素の転化方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、含浸方法またはイオン交換方法により触媒金属をメタロシリケートから成る担体に担持させて担持体を得、その担持体を乾燥し水分除去してから焼成処理する低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法において、前記担持体の乾燥は、その乾燥温度を徐々に上昇させると共に、その乾燥温度の上昇度合いに応じて湿度を徐々に降下させながら行うことを特徴とする。具体的には、例えば温湿度調節機能付乾燥器を用い、温度30℃,相対湿度90%から12時間かけて温度100℃,相対湿度0%へと変化させて余分な水分を蒸発させて乾燥させる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明の触媒金属として、モリブデン,レニウム,タングステン,鉄,コバルト、ならびにそれらの化合物から選ばれた少なくとも一種から成ることを特徴とする。
【0022】
ここで、本発明で使用する担体のメタロシリケート(多孔質メタロシリケート)としては、例えばアルミノシリケートの場合、シリカおよびアルミナから成り多孔質体であるモレキュラーシーブ5A,フォジャサイト(NaYおよびNaX),ZSM−5,MCM−22が挙げられる。また、リン酸を主成分とする多孔質体でALPO−5,VPI−5等の6〜13オングストロームのミクロ細孔やチャンネルからなることを特徴とするゼオライト担体や、シリカを主成分とし一部アルミナを成分として含むメゾ細孔(10〜1000オングストローム)の筒状細孔(チャンネル)で特徴付けられるFSM−16やMCM−41等のメゾ細孔多孔質担体などが例示できる。さらに、前記アルミナシリケートの他に、シリカおよびチタニアからなるメタロシリケート等も触媒として用いることができる。
【0023】
また、本発明で使用する担体のメタロシリケートは、表面積が200〜1000m2/gであり、そのミクロおよびメゾ細孔は5〜100オングストロームの範囲内のものが望ましい。また、メタロシリケートが例えばアルミノシリケートである場合、そのシリカとアルミナの含有比(シリカ/アルミナ)が通常入手し得る多孔質体と同様にシリカ/アルミナ=1〜8000のものを用いることができるが、本発明の低級炭化水素の芳香族化反応を、実用的な低級炭化水素の転化率および芳香族化合物への選択率で実施するためには、シリカ/アルミナ=10〜100の範囲内とすることがより好ましい。
【0024】
さらに、本発明の触媒金属(を含む前駆体)をメタロシリケートに担持させる場合、触媒金属と担体との重量比は0.001〜50%、好ましくは0.01〜40%の範囲で行う。また、メタロシリケートへ担持させる方法としては、前述した触媒金属の前駆体の水溶液、あるいはアルコール等の有機溶媒の溶液からメタロシリケート担体に含浸担持あるいはイオン交換方法により担持させた後、不活性ガスあるいは酸素ガス雰囲気下で加熱処理する方法がある。この方法をより具体的に説明すると、まず、例えばメタロシリケート担体にモリブデン酸アンモニウム塩の水溶液を含浸担持させ、その担持体を乾燥して溶媒を除いた後、窒素含有酸素気流中または純酸素気流中にて温度250〜800℃(好ましくは350〜600℃)で加熱処理して、触媒金属を担持したメタロシリケート触媒を製造することができる。
【0025】
そして、本発明の触媒金属としてはモリブデンを用いることが好ましいが、レニウム,タングステン,鉄,コバルトを用いても良い。触媒金属のうちモリブデンを含む前駆体の例としては、パラモリブデン酸アンモニウム,リンモリブデン酸アンモニウム,12系モリブデン酸の他に、塩化物,臭化物等のハロゲン化物,硝酸塩,硫酸塩,リン酸塩等の鉱酸塩,炭酸塩,酢酸塩,蓚酸塩等のカルボン酸塩等を挙げることができる。
【0026】
なお、本発明の低級炭化水素の芳香族化合物化触媒は、粉末状またはペレット状またはハニカムモノリス形状またはリング形状およびその他形状を問わず使用することができ、メタロシリケートを前記の形状に加工するために、例えば粘土などの無機バインダーをメタロシリケートに対して1〜20重量%の範囲で用いても良い。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における低級炭化水素の芳香族化合物化触媒(以下、「触媒」と省略する。)の製造方法および低級炭化水素の転化方法を図面等に基づいて詳細に説明する。
【0028】
本実施の形態における触媒の製造方法において、まずモリブデン等の触媒金属が溶解された水溶液中に対し、例えば多孔質メタロシリケート等の担体を所定時間含浸させることにより、前記の触媒金属を担体に担持させて担持体を得る。その後、前記の担持体を水溶液中から取り出し、減圧雰囲気下にて所定温度で乾燥(以下、減圧乾燥と称する)することにより水分を除去し、その担体を加熱処理(焼成)して触媒を作製する。
【0029】
または、前記のように触媒金属が担持され水溶液中から取り出された担持体を、乾燥温度を徐々に上昇(例えば、室温から温度120℃の範囲内で徐々に上昇)させると共に乾燥温度の上昇度合いに応じて相対湿度を徐々に降下(例えば、相対湿度90%以上から0%の範囲内で徐々に降下)させながら乾燥(以下、調湿度乾燥と称する)することにより水分を除去し、加熱処理(焼成)して触媒を作製する。
【0030】
そして、前記の方法で製造した触媒の存在下にて低級炭化水素を反応させたところ、触媒能が低下することなく、芳香族化合物や水素ガスを製造することができた。
【0031】
これは、本実施の形態のように触媒金属が担持された担持体を減圧乾燥または調湿度乾燥したことにより、担持体の水分が徐々に蒸発して除去されることで、担持体に担持された触媒金属の凝集が防止されたと考えることができ、これにより触媒能の高い触媒が得られたものと思われる。また、前記の方法により製造した触媒を用いることにより、低級炭化水素から芳香族化合物,水素ガスへの転化率が向上するため、それら芳香族化合物,水素ガスを効率良く製造することができた。
【0032】
[実施例]
次に、本実施の形態における触媒の製造方法により種々の触媒の試料を作製し、それら試料を用いた場合の低級炭化水素(本実施例ではメタン)から芳香族化合物(本実施例ではベンゼン),水素ガスへの転化率を調べた。なお、本実施例における「メタン転化率」,「炭化水素選択率」,「炭化水素の分布」,「水素生成速度」は、以下に示すように定義した。
【0033】
・「メタン転化率(%)」=〔(「原料メタン流速」−「未反応のメタン流速」)/「原料メタン流速」〕×100
・「炭化水素選択率(%)」=〔「生成した全炭化水素のメタン換算流速」/(「原料メタン流速」−「未反応のメタン流速」)〕×100
・「炭化水素の分布(%)」=(「着目する炭化水素のメタン換算流速」/「生成した全炭化水素のメタン換算流速」)×100
・「水素ガス生成速度」=「触媒1gあたり、1秒間に生成した水素のnmol数」
・「ベンゼン生成速度」=「触媒1gあたり、1秒間に生成したベンゼンのnmol数」。
【0034】
まず、触媒金属の前駆体として7モリブデン酸アンモニウム塩を456.5g用い、その前駆体を2000mlの蒸留水に溶解して水溶液を得た。また、メタロシリケートであるHZSM−5(シリカ/アルミナ比=40)と無機成形バインダーとを重量比80:20の割合で混合し、その混合物により壁厚さ0.8mmで70セル/インチの正方形セル形状を有する直径1.8cm,長さ10cmの円筒形ハニカム成形体(重量13g)を26本(全ハニカム成形体重量338g)を作製した。
【0035】
そして、前記26本のハニカム成形体を、前記水溶液中に3時間含浸させることにより、触媒金属を担持させた担持体を得た。
【0036】
次に、これら26本の担持体のうち8本を、減圧乾燥機により4kPaの減圧雰囲気下にて温度50℃で12時間減圧乾燥させて余分な水分を蒸発除去した後、バッチ式焼成炉を用いて、前記の担持体を大気条件下にて温度500℃で4時間焼成することにより、薄黄色の円筒形ハニカム成形体から成りモリブデンが担持された触媒(HZSM−5の重量比が触媒全体に対して6.8wt%の触媒)の試料S1を作製した。
【0037】
また、前記担持体26本のうち9本を、温度・湿度調整機能付き乾燥機を用いて乾燥温度を30℃〜100℃の範囲内で12時間費やして徐々に上昇させると共に、その乾燥温度の上昇度合いに応じて湿度を90%〜0%の範囲内で徐々に降下させながら調湿度乾燥した後、試料S1と同様の方法で焼成することにより、薄黄色の円筒形ハニカム成形体から成りモリブデンが担持された触媒(HZSM−5の重量比が触媒全体に対して6.8wt%の触媒)の試料S2を作製した。
【0038】
[参考例]
更に、前記担持体26本のうち残りの9本については、温度調整機能付き乾燥器を用い、乾燥温度を30℃から100℃へ、12時間費やして徐々に上昇させながら乾燥した後、試料S1と同様の方法により焼成することにより、薄黄色の円筒形ハニカム成形体から成りモリブデンが担持された触媒(HZSM−5の重量比が触媒全体に対して6.8wt%の触媒)の試料Pを作製した。
【0039】
前記のように作製した試料S1,S2,Pについて、固定床流通式反応装置のインコネル800H接ガス部カロライジング処理製反応管(内径18mm)内にそれぞれ充填し、その反応管内の反応温度を750℃,圧力を0.3MPaに設定すると共に、メタン反応ガスを空間速度3000ml/hr/g−MFIの流量で供給することにより、メタンの芳香族化反応によるベンゼンおよび水素ガスの生成反応活性をそれぞれ調べた。その反応開始から300分経過後の各生成速度を下記表1に示した。また、前記ベンゼンの反応開始から600時間までの各生成速度については、図1の反応経過時間に対する生成速度特性図に示した。
【0040】
【表1】
Figure 0004302954
【0041】
前記表1および図1に示すように、試料S1,S2を用いた場合のベンゼン生成速度,水素ガス生成速度は、それぞれ試料Pに比べて大きいことが読み取れ、特に試料S2を用いた場合に優れた結果が得られた。
【0042】
ゆえに、本実施例のように、モリブデン等の触媒金属が担持された担持体を減圧乾燥または調湿度乾燥して余分な水分を蒸発除去することにより、前記触媒金属の凝集を抑制し触媒能の高い触媒が得られることを確認できた。また、前記の触媒を用いることにより、メタン等の低級炭化水素を高い生成速度でベンゼン等の芳香族化合物や水素ガスに転化できることを確認できた。
【0043】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0044】
例えば、本実施例においては触媒金属としてモリブデンを用いているが、既に低級炭化水素の芳香族化合物化触媒としての効果が確認され、文献(例えば、『表面』vol.37No.12(1999)71頁〜81頁「メタンの触媒化学的変換−鋳型ゼオライト触媒を用いるベンゼン直接合成」)等で紹介されている各種触媒金属のうち、レニウム,タングステン,鉄,コバルト、ならびにそれら(モリブデンを含む)の化合物を単独又は組み合わせて用いた場合においても、同様の作用効果が得られることを確認することができた。
【0045】
また、本実施例では含浸方法により触媒金属が担持された担持体の乾燥方法についてのみ示したが、イオン交換方法により触媒金属が担持された担持体に適用した場合においても、同様の作用効果が得られることを確認した。
【0046】
さらに、本実施例では、ハニカム形状の担体を用いたが、粉末状,ペレット状,リング形状の担体を用いた場合においても、同様の作用効果が得られることを確認した。
【0047】
【発明の効果】
以上示したように本発明によれば、触媒金属が担持された担持体を減圧乾燥または調湿度乾燥することにより、担持体の水分が徐々に蒸発して除去され、担持体に担持された触媒金属の凝集を防ぐことができると考えられ、結果、触媒能の高い触媒が得ることができる。また、前記の触媒を用いることにより、例えば低級炭化水素から芳香族化合物,水素ガスへの転化率が向上するため、天然ガス等の低級炭化水素から化学工業、薬品類、プラスチック類などの化学製品の原料であるベンゼンおよびナフタレン類を主成分とする芳香族化合物と高純度の水素ガスを効率的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における各試料の反応経過時間に対する生成速度特性図。

Claims (2)

  1. 含浸方法またはイオン交換方法により触媒金属をメタロシリケートから成る担体に担持させて担持体を得、その担持体を乾燥し水分除去してから焼成処理する低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法において、
    前記担持体の乾燥は、その乾燥温度を徐々に上昇させると共に、その乾燥温度の上昇度合いに応じて湿度を徐々に降下させながら行うことを特徴とする低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法。
  2. 前記触媒金属は、モリブデン,レニウム,タングステン,鉄,コバルト、ならびにそれらの化合物から選ばれた少なくとも一種から成ることを特徴とする請求項1記載の低級炭化水素の芳香族化合物化触媒の製造方法。
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