JP2007075782A - 自動車用NOx浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生処理が可能な新規の自動車、特にディーゼル車用排NOx浄化用触媒を提供する。
【解決手段】
鉄:白金のモル比が0.01〜0.3:1の触媒であり、特に、平均粒径が1〜20nmの単分散粒
子又はこの凝集体であることを特徴とする自動車用NOx浄化用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は新規の自動車用排NOx浄化用触媒に関するものであり、本発明の触媒を用いることによって自動車用排NOx浄化用触媒の寿命を飛躍的に向上できる。
自動車用排ガス浄化触媒の主流は、白金-パラジウム-ロジウムから成る三元触媒である。三元触媒は、ガソリン車の排ガス浄化には有効であるが、軽油燃料で走行するディーゼル車の排NOx浄化用には用いることができない。その主な理由は、該触媒がディーゼル排ガスにおける比較的高濃度の酸素雰囲気下で著しい活性低下を起こすからである。ガソリン車の排ガスの酸素濃度は1%以下であるが、軽油の空燃比はガソリンの空燃比の数倍以上であるのでディーゼルの排ガスに含まれる酸素濃度は通常5%以上である。ガソリン車の場合は、空気と燃料の理論的重量混合比を示す理論空燃比近傍で燃焼させることで共存酸素を1%以下に制御しているのでこの燃焼はリッチバーンとよばれているが、ディーゼル燃料の燃焼は吸気量が理論値よりも大過剰であるので燃料供給量が相対的に少ないのでリーンバーンとよばれている。この燃焼の条件で排ガス中の酸素濃度が5%になると三元触媒の活性がほとんど失活するからである。したがって、ディーゼル車用NOx浄化触媒は、少なくとも5%以上の酸素濃度雰囲気中での耐酸化性を必要とするのであるが、過渡走行時に排出される150〜200℃の高濃度の排NOxを効果的に処理できる耐酸化性に優れた触媒は、従来見出されていない。
一方、前記三元触媒自体も排ガス気流下では次第に劣化する。その主な原因は、触媒被毒と触媒粒子のシンタリング(微粒子が構成元素の拡散移動により大粒子に成長する過程をいう。焼結ともいう。)である。この問題は、ディーゼル車の排ガス浄化用触媒についても同様である。被毒された触媒をそのまま使用し続けると終には、排ガスをまったく処理できなくなるので定期的に再生処理を行う必要がある。ディーゼル燃料である軽油には触媒被毒性の高いイオウ分が含まれる。イオウ分によって性能劣化した触媒を連続再生使用する方法としては、定期的に750〜850℃の排ガスを触媒充填部に噴射することによる触媒表面の吸着イオウ分の脱着処理が考えられる。しかし、この方法を用いると、通常、再生後の触媒粒子はシンタリングによる粒成長を起こしているので、劣化前のフレッシュ触媒が有していた触媒活性が再生後には維持されないという困難な問題を生じる。ディーゼル車用排NOx浄化触媒の重要な問題は、再生処理後の触媒活性の著しい低下である。上記問題を解決するための方策としては、酸化雰囲気中での高温再生処理に強い触媒の研究であるが、従来、このような触媒は見出されていない。
本発明の目的は、上記の事情に鑑み、自動車排NOxを長期間にわたって浄化するための新規な自動車用排NOx浄化用触媒を提供することである。具体的には、自動車用、特にディーゼル車用NOx浄化用触媒の寿命を飛躍的に向上させるために、酸化雰囲気中での高温再生処理に対して高い性能安定性を示す新規の触媒を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、鉄-白金触媒が有
効であり、該触媒における鉄含量を少なくするほど高温酸化雰囲気下での熱処理後でも高い触媒活性を維持することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(2)の発明である。
(1)鉄:白金のモル比が0.01〜0.3:1の触媒であることを特徴とする自動車用排NOx浄化用触媒。
(2)平均粒径が1〜20nmの単分散粒子又はこの凝集体であることを特徴とする請求項1の自動車用排NOx浄化用触媒。
従来の三元触媒は、酸素濃度5%以上の酸化雰囲気下ではNOx浄化性能はほとんどゼ
ロである。本発明者らは、触媒組成を白金だけにすることによって高濃度酸化雰囲気での耐酸化性が著しく向上し、かつ、150〜200℃の低温領域で高いNOx浄化性能が発現することを既に発見しているが、ディーゼル車の排ガスの最高温度域である750〜850℃の酸化雰囲気中で前処理を行うと、元々持っていた200℃付近の低温領域における触媒活性が十
分に維持されなかった。しかし、白金に少量の鉄を含有させることによってこの問題が解決できることがわかった。例えば、白金だけの触媒では、前処理として空気中750℃-24時間処理を行うと、200℃のNOx浄化性能が99%から18%に低下するのに対して、本発明
の鉄を少量含有する鉄-白金触媒を用いると、同様の前処理後でも、200℃のNOx浄化性能が55%に向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴の第一は、鉄含量が白金含量よりも相対的に少ない新規の鉄-白金触媒を
自動車用排NOx浄化用触媒として用いることである。白金の融点は1769℃であり白金自体が耐酸化性の非常に高い金属であるので、高温下での白金のシンタリングを抑制するために白金よりも高融点の金属、例えば、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム等、を加えて合金にすることを図るのは、だれしも考える方策である。しかし、実際は、このような合金系の実用触媒は皆無である。恐らく、シンタリング抑制効果は或る程度はみられるが、触媒活性が著しく低下するためであろう。一方、鉄は、白金よりも低融点の1536℃であり、酸化され易く白金とは合金になり難い金属である。しかし、本発明によって、以外にも、少量の鉄の添加は、酸化雰囲気中の高温処理後でも白金の触媒活性を高水準に維持する効果があることが見出された。本発明鉄-白金触媒における鉄:白金のモル組成比は、0.01〜0.3:1である。好ましくは、鉄のモル比が0.01〜0.05である。0.01〜0.05の範囲の本発明触媒は、空気中750℃-24時間処理後でも元々の白金の150〜200℃におけるNOx浄化性能を50〜60%維持する。0.1〜0.3の範囲は、白金の150〜200℃におけるNOx浄化性能を20〜30%維持する。本発明鉄-白金触媒の構造はまだ明らかではないが、組成は、高分解能分析電子顕微鏡を用いた微小領域の元素分析で、直径1nmでの均一組成を確認している。
本発明の特徴の第二は、鉄-白金触媒を平均粒径1〜20nmの単分散粒子又はこの凝集体としたことである。触媒反応は表面反応であるので触媒の比表面積が大きいほど触媒活性が高い。したがって、触媒性能の観点からは触媒粒子は細かいほど好ましいのであるが、反面、微粒化による表面酸化、副反応などの好ましくない性質もでてくるので、微粒子の粒子径には最適範囲が存在する。本発明における目的のNOx浄化処理に対して効果的な活性を示す触媒粒子の平均粒径は1〜20nmの範囲にあり、特に1〜10nmの範囲が高活性を示すことがわかった。触媒は、上記粒子が複数個凝集した凝集体であってもよい。
本発明の鉄-白金触媒は、通常、メソポーラス材料の細孔に担持された担持触媒として
用いる。メソポーラス材料は、比表面積が非常に大きく、ネットワーク状に広がった貫通型の細孔構造(細孔チャンネルという)を有するので、気相触媒反応には非常に有利であること、触媒の捕捉が強いこと、細孔チャンネルを通じたガス拡散の効果が期待できること、細孔分布を制御することで触媒の好ましい粒径範囲を維持できること、触媒を細孔内に坦持することで触媒粒子の再凝集を抑制し触媒の均一高分散を図れること、などの優れ
た効果があるからである。多孔性材料の細孔は、IUPAC(国際純正及び応用化学連合)によると、細孔の直径の大きさによって2nm以下のミクロ細孔、2〜50nmのメソ細孔、及び50nm以上のマクロ細孔に分類されているので、上記メソポーラス材料とは、2〜50nmのメソ細孔を有する多孔性材料のことである。本発明で用いるメソポーラス材料の細孔径は、BJH法を用いた細孔分布測定法によって測定された細孔分布において、極大値を与える細孔径(直径で示される)の値をいう。また、メソポーラス材料の細孔内に坦持される触媒の粒径は、細孔径とほぼ同程度であるので、メソポーラス材料の細孔径を制御することによって、好ましい粒径を有するナノ触媒を均一に分散坦持することができる。したがって、メソポーラス材料の細孔径は、好ましくは1〜20nm、特に好ましくは1〜10nmである。該材料としては、メソポーラスシリカ、メソポーラスシリカアルミナ、メソポーラスアルミナ、メソポーラスジルコニア、メソポーラスチタニア等の多孔性セラミックス材料、及びこれらの複合材料が挙げられるが、これらの中でメソポーラスシリカが特に好ましい。上記メソポーラス材料の比表面積は特別な事情がない限り高ければ高いほどよい。メソポーラス材料の比表面積は、窒素の物理吸着を利用してBET式から求められる物質1g当たりの表面積で与えられる。本発明に用いることのできるメソポーラス材料の比表面積は400〜1400m2/gであり、好ましくは600〜1200m2/g、である。比表面積が400m2/g未満では、触媒の担持量が少なくなるので担持触媒の触媒性能はあまり大きくはない。比表面積が1400m2/gを超えると材料強度上の問題があるので好ましくない。触媒の担持量は、通常、0.01〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%であるが、量的な問題がなければ、通常は、数%の担持量で用いる。触媒坦持量は20質量%以上でも可能であるが、坦持量が過剰になると反応にほとんど寄与しない細孔深部の触媒が増えるのでよくない。また、0.01質量%未満では活性が十分ではない。
本発明の鉄-白金触媒は、通常、自動車排ガス処理等に使用されているモノリス成形体
に塗布して用いる。ここでいうモノリス成形体とは、成形体の断面が網目状で、軸方向に平行に互いに薄い壁によって仕切られたガス流路を設けている成形体のことである。成形体の外形は、特に限定するものではないが、通常は、円柱形である。モノリス成形体への塗布は、前記メソポーラス材料に担持した触媒をバインダーとともに塗布する方法と、本発明触媒とバインダーとの混合物を塗布する方法とがあるが、通常は、前者の方法で行なう。担持触媒を塗布する場合の塗布量は、モノリス成形体の3〜30質量%が好ましい。30
%を超える塗布は、担体内部に存在する触媒へのガス拡散が遅いので好ましくない。また、3%以下では触媒性能が十分ではない。モノリス成形体への触媒の塗布量相当の付着量は、成形体の0.03〜3質量%が好ましい。
本発明の触媒は、通常、担体としてのメソポーラス材料の細孔部への担持によって製造される。担持は、イオン交換法又は含浸法によって行う。これらの二つの方法は、細孔部への触媒の沈着化について、イオン交換法が担体表面のイオン交換能を利用し、含浸法が担体のもつ毛管作用を利用しているという違いはあるが、基本的なプロセスはほとんど同じである。すなわち、メソポーラス材料を触媒原料の水溶液又は有機溶媒溶液に浸した後、濾過、乾燥し、必要に応じて洗浄を行い、還元剤で還元処理することによって製造することができる。触媒原料溶液は、通常、白金原料及び鉄原料を含んだ混合溶液を用いる。白金の触媒原料としては、例えば、H2PtCl4、(NH4)2PtCl4、H2PtCl6、(NH4)2PtCl6、Pt(NH3)4(NO3)2、Pt(NH3)4(OH)2、PtCl4、白金のアセチルアセトナート、等を用いることができる。鉄の触媒原料としては、例えば、FeCl3、Fe(NO3)3、FeSO4、Fe2(SO4)3、Fe(CH3CO2)3、Fe(OH)(CH3CO2)2、Fe(C2O4)2、(NH4)Fe(SO4)、(NH4)2Fe(SO4)、Fe(OH)3、Fe(OCH3)3、Fe(OC2H5)3、Fe(O-i-C3H7)3、Fe(O-n-C3H7)3、Fe(O-n-C4H9)3、鉄のアセチルアセトナート、等を用いることができる。還元剤としては、水素、ヒドラジン水溶液、ホルマリン、等を用いることができる。還元は、それぞれの還元剤について知られている通常の条件で行なえばよい。例えば、水素還元は、ヘリウムなどの不活性ガスで希釈した水素ガス気流下にサンプルを置き、通常、300〜500℃で数時間処理することによって行なうことがで
きる。還元後、必要に応じて、不活性ガス気流下500〜1000℃で数時間熱処理してもよい。
本発明の触媒を製造する際に担体として主として用いるメソポーラスシリカは、通常、界面活性剤をメソ細孔のテンプレートとして用いる従来のゾル‐ゲル法に準じて製造することができる。この方法では、メソポーラスシリカの前駆物質には、通常、金属アルコキシド、コロイダルシリカ、珪酸ナトリウム、及びこれらの混合物を用いる。界面活性剤は、従来のメソポア分子ふるいの作成に用いられているミセル形成の界面活性剤、例えば、長鎖の4級アンモニウム塩、長鎖のアルキルアミンN−オキシド、長鎖のスルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等のいずれであってもよい。溶媒として、通常、水、アルコール類、ジオールの1種以上が用いられるが、水系溶媒が好ましい。反応系に金属への配位能を有する化合物を少量添加すると反応系の安定性を著しく高めることができる。このような安定剤としては、アセチルアセトン、テトラメチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ピリジン、ピコリンなどの金属配位能を有する化合物が好ましい。前駆物質、界面活性剤、溶媒及び安定剤からなる反応系の組成は、前駆物質の反応系に対するモル比が0.01〜0.60、好ましくは0.02〜0.50、前駆物質/界面活性剤のモル比が1〜30、好ましくは1〜10、溶媒/界面活性剤のモル比が1〜1000、好ましくは5〜500、安定化剤/主剤のモル比が0.01〜1.0、好ましくは0.2〜0.6である。反応温度は、20〜180℃、好ましくは20〜100℃の範囲である。反応時間は5〜100時間、好ましくは10〜50時間の範囲である。反応生成物は通常、濾過により分離し、十分に水洗後、乾燥し、次いで、含有している界面活性剤をアルコールなどの有機溶媒により抽出後、500〜1000℃の高温で熱分解することによって完全除去し、メソポーラスシリカを得ることができる。
本発明の触媒は、通常、メソポーラス材料に担持した担持触媒をモノリス成形体に塗布することによって(便宜上、これをモノリス触媒と記す)自動車排NOx浄化用に用いる。該モノリス触媒は、自動車用三元触媒を付着したモノリス成形体の製造方法に準じて製造することができる。例えば、本発明触媒を用いた担持触媒とバインダーとしてのコロイダルシリカを、通常、1:(0.01〜0.2)の質量割合で混合した混合物をつくり、これを水分散することによって通常10〜50質量%のスラリーを調整した後、該スラリーにモノリス成形体を浸漬してモノリス成形体のガス流路の内壁にスラリーを付着させ、乾燥後、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気下500〜1000℃で数時間熱処理することによって製造することがきる。コロイダルシリカ以外のバインダーとしては、メチルセルロース、アクリル樹脂、ポリエチレングリコールなどを適宜用いることもできる。他の方法は、モノリス成形体にメソポーラス材料を塗布したのち、これに触媒原料を含浸し、還元処理、熱処理を行う方法によっても製造することができる。成形体に塗布する触媒層の厚みは、通常、1μm〜100μmであるのが好ましく、10μm〜50μmの範囲が特に好ましい。100μmを超えると反応ガスの拡散が遅くなるのでよくない。1μm未満では、触媒性能の劣化が早いのでよくない。
上記モノリス触媒は、特にディーゼル自動車に搭載することによって、自動車が排出するリーンバーン排NOxを150〜700℃の広い温度範囲において極めて効果的に浄化することができる。排NOxの処理には還元剤が必要であるが、乗用車などの小型車の場合には、燃料である軽油に少量含まれている炭素数1から6の低級オレフィン及び低級パラフィンが還元剤となるので、燃料を直接又は改質器を通して触媒上に供給すればよい。リッチバーンの時には酸素濃度が高くリーンバーンの時には酸素濃度が低いので、リッチバーンとリーンバーンを交互に行うことができる小型ディーゼル車の排ガス浄化処理のために上記モノリス触媒を用いると、150〜700℃の広い温度範囲において効率よく排NOxを浄化処理できる。また、トラックなどの大型車の場合には、通常、尿素水を熱分解して還元剤としてのアンモニアを発生させ触媒上に供給するシステムを利用できるので、尿素水供給
システムを搭載するディーゼル車用排NOx浄化用触媒としても用いることができる。
以下に実施例などを挙げて本発明を具体的に説明する。
[平均粒径] 触媒の平均粒径は、日立(株)製高分解能透過型分析電子顕微鏡HF-2000による形態観察によって決定し、一方、理学電機社製X線回折装置RINT2000によって測定して得られた粉末X線回折パターンのメインピークの半値幅をシェラー式に代入して算出した値と一致することを確認した。
[比表面積及び細孔分布] 比表面積及び細孔分布は、脱吸着の気体として窒素を用い、カルロエルバ社製ソープトマチック1800型装置によって測定した。比表面積はBET法によって求めた。細孔分布は1〜200nmの範囲を測定し、BJH法で求められる微分分布で示した。合成したメソポーラス材料の多くは指数関数的に左肩上がりの分布における特定の細孔直径の位置にピークを示した。この時の細孔直径が、本発明における細孔径である。
[処理率] 自動車排NOxのモデルガスとして、ヘリウム希釈一酸化窒素、酸素、及び還元性ガス(エチレン又はアンモニア)を用いた。処理後のガスに含まれるNOxの含有量は、以下の亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン法(JIS K 0104)に準じて定量分析し、一酸化窒素の処理率を求めた。
[操作方法] テドラーバッグに反応ガスを採取する。反応ガスの入ったテドラーバッグにガスタイトシリンジを差込み反応ガスを20 ml採取する。三方コックを付けた容量100mlのナスフラスコ内を減圧にし、ガスタイトシリンジの反応ガスを全量導入する。該ナスフラスコに0.1規定アンモニア水20mlを加え1時間放置する。10%塩酸水溶液にスルファニルアミド1gを溶解した溶液を1ml加え、30秒程度攪拌後、3分放置する。これに、蒸留水100mlにN-(1-ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩0.1gを溶解した溶液を1ml加え、30秒程度攪拌後、20分静置する。この液を石英セル(セル長10mm)に入れ、540nmの吸光度を測定する。一酸化窒素の処理率は、

Figure 2007075782
「標準試料1」(メソポーラスシリカの合成)
1リットルのビーカーに、蒸留水300g、エタノール240g、及びドデシルアミン30gを
入れ、溶解させる。この時の水溶液のpHは約12であった。攪拌下でテトラエトキシシラン125gを加えて室温で22時間攪拌した。生成物を濾過、水洗し、110℃で5時間温風乾燥
した後、空気中で750℃-24時間焼成して含有するドデシルアミンを分解除去し、メソポーラスシリカを得た。細孔分布及び比表面積測定の結果、約2.2 nmの位置に細孔ピークがあり、比表面積が772 m2/g、細孔容積が0.90 cm3/g、2〜50 nmの細孔が占める容積は0.90 cm3/gであった。小角粉末X線回折図には1本の回折ピークが観察されたが、広角粉末X線
回折図には結晶パターンが観察されなかった。
「実施例1〜2」、「比較例1〜2」(メソポーラスシリカを用いた担持触媒の合成)
蒸留水200gに表1に示す触媒原料を溶解した水溶液を調整した。
表1のそれぞれの水溶液20gを蒸発皿に入れ、これに標準試料1のメソポーラスシリカ5gを加え、スチームバスで蒸発乾固した後、真空乾燥機に入れ100℃3時間真空乾燥を行
った。この試料を石英管に入れ、ヘリウム希釈水素ガス(10v/v%)気流下500℃で3時間
還元し、白金の含有量がそれぞれ約2質量%の担持触媒を合成した。それぞれの坦持触媒
における白金粒子の平均粒径は担体に用いたメソポーラスシリカの細孔径とほとんど同じであった。
「実施例3〜4」、「比較例2〜4」(熱処理後の触媒によるNOx処理)
実施例1〜2及び比較例1〜2の担持触媒を電気炉に入れ、空気中750℃‐24時間熱処理し
た。熱処理後の担持触媒0.6gをそれぞれ石英製の連続流通式反応管に充填し、ヘリウム
で濃度調整した一酸化窒素を流通処理した。被処理ガスの成分モル濃度を、一酸化窒素0.1%、酸素14%、水蒸気10%、及びエチレン0.3%とした。反応管へ導入した被処理ガスの流量を毎分100 ml、処理温度を100〜350℃とした。50℃ごとに排ガスをサンプリングし、一酸化窒素の浄化処理率を求めた。また、比較のために比較例1の触媒を空気中750℃‐24時間熱処理を行わないで、上記と同様な条件でNOx処理に用いた(比較例4)。結果を表2に示した。
表2から、本発明の鉄を少量含有した白金触媒を用いた担持触媒は、空気中高温処理後
でも、エチレンなどの炭化水素を還元剤に用いて高濃度酸素共存下でのNOxを200℃付
近でも効率よく浄化できることがわかった。これに対して、鉄を多量に含有した白金触媒は、このような効果がみられないことがわかった。また、鉄を含有しない白金触媒は、高温処理によって元々持っていた低温領域での高いNOx処理性能が殆ど失われることがわかった。したがって、本発明触媒は、高温での触媒再生処理が必要なディーゼル車の排NOx処理に適していることがわかる。
Figure 2007075782
Figure 2007075782
本発明触媒は、再生処理を必要とする自動車用、特にディーゼル車用排NOx浄化用触媒として有用である。




Claims (2)

  1. 鉄:白金のモル比が0.01〜0.3:1の触媒であることを特徴とする自動車用排NOx浄化用触媒。
  2. 平均粒径が1〜20nmの単分散粒子又はこの凝集体であることを特徴とする請求項1の自動車用排NOx浄化用触媒。
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