JP2007073235A - 蒸発源および外部に蒸気を供給する方法 - Google Patents

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【課題】純度良好な高融点重元素の蒸気を供給し、消費電力が少なく、小型で簡単な構造の蒸発源を提供する。
【解決手段】外部に供給する蒸気を発生させるために加熱の対象とされるイオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で配置するイオンの原料物質配置部と、イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出するための蒸気送出通路と、イオンの原料物質配置部および蒸気送出通路を真空に保持する真空保持部と、イオンの原料物質の外周に配置される高周波コイルと、高周波コイルに、イオンの原料物質を直接加熱して蒸気を発生させるために高周波を流す高周波供給部とを有していることを特徴とする蒸発源。蒸発源は、内部にイオンの原料物質が配置されることにより、イオンの原料物質配置部と蒸気送出通路を兼ねる円筒状の熱シールド部を有し、高周波コイルは、熱シールド部の外周に、円筒の長さ方向に沿って螺旋状に巻付けられていることを特徴とする蒸発源。
【選択図】図1

Description

本発明は蒸発源および外部に蒸気を供給する方法に関し、特に高融点重元素の多価イオンのビームを発生させるイオン源にイオンとなる元素の蒸気を供給する蒸発源およびイオン源等に蒸気を供給する方法に関する。
近年がん治療等の医療に炭素の多価イオン等が用いられている。また、鉄等の融点が1000℃あるいはそれ以上の高融点重元素を加速し易い多価のイオンにして加速し、フラーレン(C60等の球状の炭素)やカーボンナノチューブ(CNT)内に閉じ込めて生物のセル操作に使用することが嘱望されている。それらの場合には、純度の高い原料元素の蒸気(一般の通念では「ガス」であるが、臨界点はもとより融点以下の温度であり、この技術分野では一般的に蒸気が使用されているので、「蒸気」を使用する)をECR(電子サイクロトロン共鳴)等を利用して多価イオンとする装置(イオン源)等に安定して供給することが必要である。(なおここで、多価イオンとするのは、加速し難い重元素であるので、加速する原子から出来るだけ多数の電子を剥ぎ取って荷電量を多くし、電界、磁界で加速し易くするためである。)
このため、電磁誘導で加熱する坩堝(るつぼ)でイオンとして使用する元素からなる物質(以下、原則として「イオンの原料物質」と記す)を加熱して蒸発や昇華(固体から直接気体になる場合には、厳密には昇華であるが、この技術分野での慣行、装置としての「蒸発源」との整合もあり、以下「蒸発」に統一する)により蒸気を発生させたり、あるいは真空中に置かれたかかる元素からなるイオン原料物質に電子ビームやプラズマを照射して蒸気を発生させることがなされている。
しかしながら、坩堝で加熱する方法は、坩堝やその支持装置等をも加熱する必要があること、坩堝の設置用具への伝熱によるエネルギー損失があること等のため、数十から数百kWの電源が必要である。さらに、イオン原料物質を高温にした際に坩堝やその支持装置等も高温となるため、坩堝やその支持装置さらには電熱用のコイル等から放出される不純物ガスがイオン源に送出されることを防止する必要がある。このため、構造が複雑となる。
また、電子ビームやプラズマを照射する方法は、不純物ガスの放出の恐れは少ないが、坩堝法に比べて装置が大規模となり、また坩堝法と同じく大規模な電源が必要である。
次に、イオンの原料物質を1000℃以上に加熱する場合には、熱輻射は絶対温度の4乗に比例するため、そのままでは熱輻射によるエネルギー損失が大きくなる。このため、耐熱材料製の熱シールドや真空断熱を採用して、熱輻射によるエネルギー損失を少なくすることも重要となり、そのために様々な発明がなされている(特許文献1)。
特開2004−214283号公報
しかしながら、現在の蒸発源は、発生させる蒸気は必ずしも満足がいくものとは限らず、熱効率、断熱性能とも不十分であるため必要な電力が多すぎ、また大規模な装置となっている。
このため、イオンの原料物質の加熱効率が優れ、良好な断熱性能の熱シールドを有し、それらの結果純度が良好な蒸気を発生し、小型かつ消費電力が少なく、構造も簡単かつ小型の蒸発源の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、イオンの原料物質を真空中かつ周囲と非接触となる状態で支持し、さらに高周波でイオンの原料物質のみを直接加熱することにより、純度良好な蒸気を発生させる蒸発源としたものである。
また、これに併せて種々工夫を凝らしたものである。
以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
外部に供給する蒸気を発生させるために加熱の対象とされるイオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で配置するイオンの原料物質配置部と、
前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出するための蒸気送出通路と、
前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路を真空に保持する真空保持部と、
前記イオンの原料物質の外周に配置される高周波コイルと、
前記高周波コイルに、イオンの原料物質を直接加熱して蒸気を発生させるために高周波を流す高周波供給部とを有していることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、加熱の対象となる物質であるイオンの原料物質が真空中で周囲(他の構成部材)と非接触となる状態で配置され、さらにイオンの原料物質のみが高周波による渦電流で直接加熱される。このため、坩堝等周囲の構成部材と接触することにより、不純物がイオンの原料物質の蒸気中に混入することが防止される。また、イオンの原料物質のみが直接加熱され、坩堝等他の部材は加熱されないので、他の部材から不純物蒸気が発生することが阻止される。この様にして、本発明の蒸発源では、蒸気送出通路側(蒸気の流れの下流側に位置するため、以下ケースによっては「下流側の」とも記し、反対側は「上流側」とも記す)の外部に設けられたイオン源等へ純度良好な蒸気を供給することが出来る。
また、坩堝等と異なり付属設備を加熱する必要がなく、周囲への伝熱は最小限となり、その結果、加熱効率が良好となり、消費電力も少なくて済む。
ここで、「非接触」とは、イオンの原料物質の蒸発する部分が周囲(蒸発源の他の構成部材)と非接触であるという意味である。
また、イオンの原料物質が電磁気力で高周波コイルの中心に移動し、空中に浮いた状態で加熱される程度の電力を通電することが好ましい。この場合には、高周波コイル等がイオンの原料物質配置部を兼ねることとなる。
真空保持部は、イオンの原料物質の周囲空間およびイオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出する蒸気送出通路を真空に保持してイオンの原料物質からの対流、伝導による放熱を阻止し、またイオンの原料物質からの蒸発を促進する。
なお、各部の高温による酸化等を防止し、一層の熱効率の向上と不純物の侵入を防止するために、前記イオンの原料物質の周囲空間および前記蒸気送出通路のみならず、装置全体が真空中に設置される構造とすることがより好ましい。
イオンの原料物質の長さは、高周波コイルと同じ、あるいはほぼ同じとすることが、熱効率、高周波コイルの軸方向への振動が発生する等の好ましくない現象が生じることを防止すること等の面から好ましい。
請求項2に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記蒸発源は、内部にイオンの原料物質が配置されることにより、前記イオンの原料物質配置部と前記蒸気送出通路を兼ねる円筒状の熱シールド部を有し、
さらに、前記高周波コイルは、前記熱シールド部の外周に、円筒の長さ方向に沿って螺旋状に巻付けられていることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、輻射放熱を阻止する熱シールド部を有しているが、この熱シールド部は、内部にイオンの原料物質が配置されることにより、前記イオンの原料物質配置部と前記蒸気送出通路を兼ねる。熱シールド部により、イオンの原料物質の加熱に必要な電力がさらに少なくて済む。条件にもよるが、300Wから800W、せいぜい数kW以下と少なくて済む。
また、前記高周波コイルは、前記熱シールド部の外周に、円筒の長さ方向に沿って螺旋状に巻付けられることにより、高周波コイルやその絶縁材も高温に晒されず、高温に晒された結果不純物ガスを発生する様なことも防止される。
高周波コイルを円筒状に並べるのは、円筒の中心ほど磁界が密に走り、これによりイオンの原料物質を効率的に直接加熱することが出来ること、条件によってはイオンの原料物質を円筒の中心に位置させ、空中に安定的に浮上させることが出来ることを考慮したものである。
またこのため、イオンの原料物質は直径数mm、長さ50mm程度の棒、あるいは直径1mm、長さ50mm程度の細線を束ねて針金で縛った丸い棒状とし、その直径は熱シールドの内周面に近い寸法とすることが、熱効率等の面から好ましい。
請求項3に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記熱シールド部は、帯状の薄板を長さ方向の両端面が重なる様に丸めて円筒状に形成され、さらに外側に位置する端面が対応する位置の円筒の外側面と複数個所で点固定された熱シールドを有していることを特徴とする蒸発源である。
熱シールドは、材料費の節減と装置の小型化のため耐熱金属製の帯状の薄い板材をほぼ円筒状に丸めて製作し、さらに円筒状に製作する際には、帯状の薄板の長手側の両端を突き合せて接合するのではなく、一端を円筒の胴の上に重ねて複数個所、例えば3箇所で点状に固定することが好ましい。これにより、ワンターンのループをカットして円筒上を円形に流れる電流が少なくなり、熱シールドの温度が上がることが防止され、必要な電力は一層少なくて済む。
さらに、この様な製作方法、構造とすることにより、モリブデン等溶接が難しい材料であっても円筒状に製造し易く、突合せ溶接で製造した場合に比べて、熱歪や残留応力による割れが生じ難くなる。
なお、熱シールドの材料としては、加熱する温度等にもよるが、一般的に薄く製造することが可能であり、電気抵抗が少なく、赤外線の反射率が高い面から金属、それも純金属が好ましい。
請求項4に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記熱シールド部は、同心円筒状に設置された複数層の熱シールドを有し、
各熱シールド間には、内側に位置する熱シールドと外側に位置する熱シールドの接触を防止するために、複数のセラミック棒が介在されていることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、複数層の熱シールドを同心円筒状に設置しているため、輻射による放熱を防止する効果が優れ、また形状も簡単であり、寸法も小さくて済む。
なお、各層の熱シールドの間に複数のセラミック棒を介在させるのは、各層の熱シールドの間隔を適切に保持し、また高周波の電磁気的作用により接触したり、振動が発生したりすることを阻止するためである。この際、セラミックであるため、高温に晒されても蒸気を発生せず、また熱シールドの材料金属との化学反応も生じない。
また、加熱対象のイオンの原料物質は、円筒形の熱シールド部の中心孔に置くだけ、あるいは支持部に挿し込んで支持させるだけであるので、加熱の前後に熱シールド部を解体して取外したり、組立て取付けたりする必要がなく、整備も簡単となる。
なお、セラミック材料としては、低価格、高温での化学的安定性が良好等の面からアルミナが好ましい。
請求項5に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記イオンの原料物質配置部は、前記イオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で支持しまたはさらに供給するイオンの原料物質支持部を有していることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、イオンの原料物質支持部が、前記イオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で支持し、あるいは支持するだけでなくさらに蒸発したイオンの原料物質を高周波コイル内あるいはさらにその内周にある熱シールド部内の加熱箇所に供給する。
具体的には、例えば上流側から下流側へ棒状のイオンの原料物質を、加熱される部分であるその先端部を非接触状態に支持しつつ、少しずつ移動させていく。
前記の通り、高周波コイルに大きな電力を通電することにより、イオンの原料物質を空中に浮上させることが可能であるが、他の条件より、大きな電力を通電することが好ましくない場合や、イオンの原料物質を周囲と非接触の状態に安定して保持したい場合には、この様なイオンの原料物質支持部により支持することが好ましい。
請求項6に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記高周波供給部は、前記イオンの原料物質が蒸発する温度に加熱する高周波を供給することを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、イオンの原料物質を必要な蒸気を発生させるだけの温度に加熱する高周波が供給され、これにより不必要な電力を使うことなく外部のイオン源等に適切な量の蒸気の供給がなされる。
請求項7に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記高周波供給部は、前記イオンの原料物質を1400℃から1535℃の範囲内の温度に加熱する高周波を供給し、
前記熱シールド部は、同心円筒状に設置された3層の熱シールドを有していることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、イオンの原料物質を1400℃から1535℃に加熱するため、鉄の蒸気を供給することが可能な蒸発源となる。この際、熱シールド部は加熱されるイオンの原料物質の到達温度に合せて同心円筒状に設置された3層の熱シールドを有しているため、必要な電力も少なくて済む。これらのため、鉄の蒸気を発生させるのに最適な蒸発源となる。
高融点重元素として鉄を挙げているのは、危険性、毒性、腐食性等がないだけでなく、日常広く使用されている元素であるだけに、純度の高いイオンの原料物質として安価、容易に入手可能であること、キューリー点が比較的高く、少なくともその温度までは磁力線を集め易いため加熱が一層速やかとなること、またこのためイオン源に広く利用されていることによる。従って、イオンビームの用途によっては、前記の性質等の他に例えば融点も鉄に近いCo、Ni等が使用されてもよい。
なお、銅等のより融点の低い金属を加熱する蒸発源の場合には、熱シールドは2層であっても良い。
請求項8に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記熱シールド部は、モリブデン製の熱シールドを有していることを特徴とする蒸発源である。
熱シールドの材料としては、高融点金属、耐熱セラミック等が考えられるが、薄く製造することが可能な面からは金属が好ましく、さらに電気抵抗が低い面からは純金属が好ましい。このため、タングステン、タンタル、モリブデン等が考えられるが、特にモリブデンはタングステンに比較して加工性が良好であり、タンタルに比較して電気抵抗が少ないため最も好ましい。
また、モリブデンは融点が高く蒸気圧が低いので蒸発し難く、イオン源へモリブデン蒸気が不純物として入り込むことがない。
また、鉄等の蒸気との反応性も低い。
請求項9に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出する際の制御を行う送出制御部を有していることを特徴とする蒸発源である。
送出制御部は、発生した蒸気を外部のイオン源等に送出する際のオン、オフを行うため、下流側の装置に併せて蒸気を供給することが可能になる。
さらに、送出方向への熱輻射を多少ともシールドするため、イオンの原料物質の加熱に寄与する。
また、蒸発源とイオン源は、共に高周波を使用するため、オン、オフの作用を直接行う部材は、両者の間で不必要な電界や磁界の相互干渉が生じることを阻止する機能を有する構造とされていることが好ましい。
また、発生した蒸気の外部(下流側)への送出は、下流側にある装置から蒸気を電磁気的な力により吸引する、蒸気の熱による拡散等の手段が採られることとなる。なお、送出は、円筒状の熱シールド部の一端のみからなされる様にしても良いし、両端からなされる様にしても良い。
請求項10に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記送出制御部は、前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出する際のオン、オフの制御を行うために、前記蒸気送出通路を開閉する扉部を有していることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、熱シールド部の先端にある扉部が、外部のイオン源等と前記イオンの原料物質間を結ぶ蒸気の通路である蒸気送出通路を開閉(オン、オフ)する。これにより、外部のイオン源等の都合の良いタイミングに蒸気が供給されることとなる。
なお、扉は耐熱性、前記の蒸発源とイオン源等との不必要な電磁気的干渉、相互作用を防止する面と、取扱性が良好である等の面から中心に孔が形成された耐熱性金属製の板とすることが好ましい。
請求項11に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記熱シールド部と前記高周波コイルを格納し、さらに発生したイオンの原料物質を外部に送出する前記蒸気送出通路に直面した開口が形成された真空容器を有し、
前記熱シールド部は、一端が前記開口に直面し、他端は前記真空容器の反開口側壁に取り付けられ、
前記高周波コイルの前記熱シールド部の外周への螺旋状の巻付部は、前記開口側近くに設けられており、
さらに前記真空保持部は、前記真空容器内部を真空に保持することを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路のみならず、蒸発源の主要部が容器に入っているため、蒸発源の取扱、移動に便利であり、損傷もし難くなり、使用する高周波や発生する高熱の周囲への悪影響も少なくなり、さらに蒸発源の一部のみを(イオンの原料物質の周囲等のみを)真空にするよりも構造が簡単になる。
この際、熱シールド部は円筒状の一端のみを容器に取り付けられ、多端は自由端とされているため、加熱時に熱膨張するがこのことによる不具合が生じることがない。
また、高周波コイルは、熱シールド部の先端側、反取り付け箇所側に位置するため、発生した熱が熱シールド部の取り付け箇所から外部へ逃げることが防止される。
これらのため、断熱効果も向上し、蒸発源に必要な電力も一層少なくなるだけでなく、蒸気の純度も向上する。
請求項12に記載の発明は、前記の蒸発源であって、
前記高周波供給部が供給する高周波は、30kHzから40kHzであることを特徴とする蒸発源である。
本請求項の発明においては、蒸発源の加熱に使用する周波数として、特に30kHzから40kHzとしている。これは、この範囲内であれば、一般的に使用されている周波数であるため、設備が安価で信頼性も高く、ひいては蒸発源も低価格となり、信頼性が高くなるからである。
なお、数百kHz程度までの高周波であれば、蒸発源の加熱に使用することが可能である。
ただし、25kHz以下、特に20kHz以下であれば、人の最高可聴周波数に入るため、高周波に由来する騒音が発生する可能性があり、好ましくない。
請求項13に記載の発明は、
外部に供給する蒸気を発生させるために加熱の対象とされるイオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で配置するイオンの原料物質配置部と、前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出するための蒸気送出通路と、前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路を真空に保持する真空保持部と、前記イオンの原料物質の外周に配置される高周波コイルと、前記高周波コイルに、イオンの原料物質を直接加熱して蒸気を発生させるために高周波を流す高周波供給部とを有している蒸発源を使用して外部に蒸気を供給する方法であって、
前記イオンの原料物質配置部に前記イオンの原料物質を配置する配置ステップと、
前記真空保持部により、前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路を真空に保持する真空ステップと、
前記高周波コイルに高周波を供給して、前記イオンの原料物質を真空中で直接加熱して蒸気を発生させる高周波通電ステップとを有していることを特徴とする外部に蒸気を供給する方法である。
本請求項の発明は、請求項1の発明を方法の面から捉えたものである。
請求項14に記載の発明は、前記の外部に蒸気を供給する方法であって、
前記真空ステップは、前記真空容器全体を10から10−5Paの真空中に保持することを特徴とする外部に蒸気を供給する方法である。
本請求項の発明は、前記容器全体の前記発明に適切な真空度を規定したものであり、ECR高価イオン源の蒸気源の場合には10−3から10−5Pa、プラズマプロセスの蒸発源の場合には10から10−2Paの真空度に保持されることが好ましい。
請求項15に記載の発明は、前記の外部に蒸気を供給する方法であって、
前記高周波通電ステップは、30kHzから40kHzの高周波を通電するものであることを特徴とする外部に蒸気を供給する方法である。
本請求項の発明は、請求項12の発明を、方法の面から捉えたものである。
本発明においては、加熱の対象となる物質であるイオンの原料物質が真空中で周囲(他の構成部材)と非接触となる状態で配置され、さらにイオンの原料物質のみが高周波による渦電流で直接加熱される。このため、坩堝等周囲の構成部材と接触することにより、不純物がイオンの原料物質の蒸気中に混入することが防止される。
また、イオンの原料物質のみが直接加熱され、坩堝等他の部材は加熱されないので、他の部材から不純物蒸気が発生することが阻止される。
この様にして、本発明の蒸発源では、イオン源等へ純度良好な蒸気を供給することが出来る。
また、坩堝等と異なり付属設備を加熱する必要がなく、周囲への伝熱は最小限となり、その結果、加熱効率が良好となり、消費電力も少なくて済む。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を説明する。
(構造の説明)
まず、本発明のイオン源用の蒸発装置の構造を説明する。
図1は、このイオン源用の蒸発装置の要部の構造を概念的に示す断面図である。図1において、10はイオンの原料物質である。20は熱シールド部であり、21、22、23は各々その構成要素である内側、中央、外側の熱シールドであり、29は下流側方向への輻射を防ぐリング状のキャップである。30は、高周波コイルである。40は、高周波供給部である。51は、送出制御部の構成要素である扉である。52はイオンの原料物質の支持部(ホルダー)である。60は容器であり、61は容器の胴であり、62は熱シールド部20の取付け側の端部壁であり、63は蒸気の送出側の端部壁であり、64は取付側の端部壁の細孔であり、65は蒸気送出用の開口である。
さらに、この蒸発装置は、図示しないフィールドスルー(移動機構)により、図の上部に両矢印で示す様に、左右に平行移動可能であり、また図示していない各種の設備により、全体を真空中に置くことも可能である。
また、下流側(図上蒸発装置の右側)には、発生した蒸気の電磁気的な吸引装置やイオン源が設置されている(図示せず)。
イオンの原料物質10は、直径6mm、長さ50mmの99.99%の純鉄の棒であり、1400℃に加熱されることによりその表面から蒸発した鉄の原子がイオン源(図示せず)に送出されるものである。なお、参考までに、鉄の融点は約1535℃であり、1400℃における鉄の蒸気圧は、おおよそ0.5Paである。
次に、熱シールド部20を、図2を参照しつつ説明する。図2は、熱シールド部20の、その長さ方向に直交する断面を示す図である。図2において、25は内側、中央、外側の熱シールド21、22、23の固定箇所であり、28はアルミナ(Al)製の棒である。図2に示す様に、熱シールド部20は円筒状の熱シールド21、22、23を3層に重ねたものである。これらの熱シールド21、22、23は、全てモリブデン製の厚さ0.05mmの帯状の薄板を丸めて円筒状にしたものである。さらに、帯のあるいは円筒の長さ方向の両端面の接合は、端面壁が相向き合う突合せでなく、板が僅かなスペースを空けて重なる様にされ、外側に位置する端面が対応する内側の位置の外側面と両端と中央の3個所で点状に固定されている。
また、各熱シールド21、22、23間には、各々3本のアルミナ製の棒28が設置され、内側に位置する熱シールドと外側に位置する熱シールドの間隔を保持する様になっている。
さらに、各熱シールドの点状の固定箇所25と各アルミナ製の棒28とが熱シールド部の軸心に対して占める位相角は均等に割り振ってあり、不必要な熱応力が発生することを防止している。
さらに、円筒状の熱シールド部20の一端は容器60の蒸気の上流側の端部壁62に固定され、他端は容器の蒸気の下流側の端部壁63の開口65に非接触で直面している。非接触であるのは、伝導による熱損失を防ぐためである。
また、内側の熱シールド部21の内径と開口65の直径をほぼ同じとし、これにより熱シールド部の外周にある高周波コイルやその絶縁材等から発生した不純物の蒸気がイオン源等の方に送出されることを可能な限り防止している。
図1における高周波コイル30は、撚り線からなり円筒状の熱シールド部20の外周側面かつほとんど開口65寄りの位置に、長さ方向に沿って螺旋状に、特に中央部は多重の螺旋状に50回巻き付けられている。そしてこの円筒方向の配列の長さは、熱効率の面からイオンの原料物質より多少長い程度である。
さらに、高周波コイル30相互は、水溶性アルミナを主材料とする高耐熱性かつ熱硬化性の無機接着剤(スミセラム)で絶縁され、また固定され、併せて加熱時に高周波コイル30やその付属物から不純物蒸気が発生することを防止している。
なお、イオンの原料物質10も、加熱される時には、この高周波コイル30が巻付けられている部分の熱シールド部20の内部、即ち開口65寄りの位置に置かれ、さらに加熱されているときには、その下流端側は非接触状態となっていることとなる。このため、高周波で発生した熱は、中央に置いた場合に比べて熱シールドを取付けた側の容器の端部壁62への距離が増すため、伝導で逃げ難くなっている。
高周波供給部40は、高周波コイルに30kHzから40kHzの高周波を供給する。なお、図1で、熱シールド部20の下方に位置しているのは、高周波コイル30の重量を支え易いためである。
扉51を有する送出制御部は、加熱することにより発生した鉄の蒸気を容器の開口65を経てイオン源へ送出させる際の調整、制御を行うものである。この構成要素である扉51は、真ん中に孔の開いた厚さ2mm、直径140mmのモリブデン製の円板状の板からなり、この蒸発装置の下流側、即ちイオン源側にある。そして、図1の上下方向の両矢印で示す様に、上下に移動可能とされている。この上下方向の移動により、蒸気の送出のオン、オフを制御する。
以上の他、イオンの原料物質の支持部(ホルダー)52は、イオンの原料物質10の上流側に位置するため、発生した蒸気が上流側に拡散するのを僅かではあるが防止する。
容器60は、モリブデン板からなり、高周波コイル30と熱シールド部20を内部に格納する。このため、円筒状の胴61とその両端を塞ぐ端部壁62、63よりなる。さらに、蒸発源の下流側の端部壁63には、発生した蒸気が出て行く開口65が形成されており、蒸発源の上流側の壁にもヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが往来するための細孔64が形成されている。
また、蒸発源の上流側の端部壁62には、高周波供給部40が貫通し、さらに熱シールド部20が取付けられている。
ところで、熱シールド部20はイオンの原料物質10を加熱した際に、自身もかなり加熱されるが、加熱源は開口65近くにあるため、取付けられた容器の端部壁から熱伝導で逃げるエネルギーが少なくなる。
(設計の説明)
次に、この蒸発装置の要部について、設計時に考慮した事項を説明する。
(1)熱シールドの層数
図3を参照しつつ、説明する。図3において、左側の縦軸は最大加熱温度(℃)であり、右側の縦軸はイオンの原料物質である純鉄の棒に入ってくる熱量(W)であり、横軸はインダクタンス(L[μH])である。
さらに、楕円に近い図形に付された矢印は、当該図形で示される折れ線については矢印の方向の座標を見ることを示す。
上の折れ線の黒四角、白四角、白丸は順に、熱シールドが3層、2層、1層の場合の最大加熱温度とインダクタンスの関係を示す。熱シールドが3層かつインダクタンスが42μH以下のときに1400℃が得られるのが判る。
下部の中央よりの大きな縦長の楕円は、黒丸も中に点のある丸のいずれも熱シールドが1層であることを示す。入力と最大加熱温度に差がないことを1層で確認したものである。このため、2層と3層の場合は、最大加熱のみを示している。
(2)高周波コイルの巻数と円筒方向長さ
図4に、高周波コイルの巻数(turn)と円筒軸方向長さLmmを変化させた場合に、高周波コイルの中心にある鉄棒への入熱量と最大加熱温度、あるいは最大到達温度がどの様に変化していくかの様子を示す。
本図4より、巻数50、L=49.6(ほぼ50)mmのときが、最も加熱温度が高くなることが判る。
(性能試験1)
本性能試験1は、蒸気をイオン源に導いて鉄多価イオンの電流と相対的な荷電(価数)分布がどの様に異なるかを、他の原理の蒸発源と比較したものである。
図5に、各種の方法で発生させた鉄蒸気を、アルゴンサポートガス中で2.45GHzのマイクロ波を使用するECRプラズマ中に、引き出し電圧10kVで引き出したときの多価イオン電流と相対的な荷電分布とを示す。
図5において、縦座標はイオン電流(A)であり、横座標は鉄原子の荷電数(q、即ち剥ぎ取られた電子の個数。従って、鉄原子は+に帯電する)である。また、黒丸は本発明の蒸発源を使用した場合であり、白丸は坩堝を使用した場合であり、白四角は鉄のフィラメントを通電加熱した場合であり、白三角はスパッタリングを用いた場合である。
本発明の蒸発源は、多価イオン電流と相対的な価数分布は坩堝を用いた場合とほぼ同じであるが、電流値は1桁以上増加していることが判る。
(性能試験2)
本性能試験2は、不純物の少ない多価の鉄イオンが生成されることに関する。
図6に、アルゴンサポートガス中で2.45GHzのマイクロ波を使用するECRプラズマ中に、引き出し電圧10kVで引き出したときに、比較的純度が良い鉄の多価イオンが生成されている様子を示す図である。
本図6の縦座標は、引き出されたイオン電流であり、横座標は(M/q)1/2であり、Mはイオンの質量であり、qはイオンのプラスの電価数である。
(M/q)1/2の意義は、イオンの質量が大きいほど加速し難く、イオンの電価が大きいほど電界や磁界で加速し易く、このため(M/q)1/2によって磁場によるイオンの運動の変化が相違し、このためビームを評価する際に、この変化の様子から原子と電荷を特定できることにある。
図6において、Ar、N、C、HO等は、不純物である。
図6より、装置に使用したMo等の好ましくない不純物が無く、良好な鉄の多価イオンが得られていることが判る。
本発明の蒸発源では、少ない消費電力、比較的簡単で小型の設備で純度の良い鉄蒸気を発生させることが可能である。さらに、発生させた鉄蒸気を、2.45GHzマイクロ波によるECRに導いて10価程度の多価の鉄イオンとし、充分な強度の鉄イオンビームを作り出し、β―FeSiの生成や光触媒性TiO薄膜の可視光反応化等に用いることが可能である。また、鉄に限定されず他の元素の蒸気の生成にも用いることが出来る。さらに、発生した炭素等の蒸気のビームを医療に用いたり、フラーレンやCNT内に鉄を閉じ込めるのに用いて生物のセル操作等に使用したりすることも可能である。
このため、大きな産業上の利用可能性を有している。
本発明の実施の形態の蒸発装置の構成を概念的に示す図である。 本発明の実施の形態の熱シールド部の断面を概念的に示す図である。 熱シールド層の数と最大加熱温度、入熱量、インダクタンスの関係を示す図である。 高周波コイルの巻数、軸方向長さと最大加熱温度、入熱量との関係を示す図である。 各種の蒸発源で発生させた鉄蒸気をイオン源に導いたときに、発生する多価イオン電流と相対的な価数分布を示す図である。 本発明の蒸発源で発生した鉄蒸気をイオン源に導いて、純度が良好な鉄多価イオンが生成される様子を示す図である。
符号の説明
10 イオンの原料物質
20 熱シールド部
21 内側の熱シールド
22 中央の熱シールド
23 外側の熱シールド
28 アルミナ製棒
29 キャップ
30 高周波コイル
40 高周波供給部
51 扉
52 イオンの原料物質の支持部
60 容器
61 容器の胴
62 端部壁
63 送出側の端部壁
64 細孔
65 開口

Claims (15)

  1. 外部に供給する蒸気を発生させるために加熱の対象とされるイオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で配置するイオンの原料物質配置部と、
    前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出するための蒸気送出通路と、
    前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路を真空に保持する真空保持部と、
    前記イオンの原料物質の外周に配置される高周波コイルと、
    前記高周波コイルに、イオンの原料物質を直接加熱して蒸気を発生させるために高周波を流す高周波供給部とを有していることを特徴とする蒸発源。
  2. 前記蒸発源は、内部にイオンの原料物質が配置されることにより、前記イオンの原料物質配置部と前記蒸気送出通路を兼ねる円筒状の熱シールド部を有し、
    さらに、前記高周波コイルは、前記熱シールド部の外周に、円筒の長さ方向に沿って螺旋状に巻付けられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発源。
  3. 前記熱シールド部は、帯状の薄板を長さ方向の両端面が重なる様に丸めて円筒状に形成され、さらに外側に位置する端面が対応する位置の円筒の外側面と複数個所で点固定された熱シールドを有していることを特徴とする請求項2に記載の蒸発源。
  4. 前記熱シールド部は、同心円筒状に設置された複数層の熱シールドを有し、
    各熱シールド間には、内側に位置する熱シールドと外側に位置する熱シールドの接触を防止するために、複数のセラミック棒が介在されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の蒸発源。
  5. 前記イオンの原料物質配置部は、前記イオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で支持しまたはさらに供給するイオンの原料物質支持部を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蒸発源。
  6. 前記高周波供給部は、前記イオンの原料物質が蒸発する温度に加熱する高周波を供給することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の蒸発源。
  7. 前記高周波供給部は、前記イオンの原料物質を1400℃から1535℃の範囲内の温度に加熱する高周波を供給し、
    前記熱シールド部は、同心円筒状に設置された3層の熱シールドを有していることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の蒸発源。
  8. 前記熱シールド部は、モリブデン製の熱シールドを有していることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の蒸発源。
  9. 前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出する際の制御を行う送出制御部を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の蒸発源。
  10. 前記送出制御部は、前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出する際のオン、オフの制御を行うために、前記蒸気送出通路を開閉する扉部を有していることを特徴とする請求項9に記載の蒸発源。
  11. 前記熱シールド部と前記高周波コイルを格納し、さらに発生したイオンの原料物質を外部に送出する前記蒸気送出通路に直面した開口が形成された真空容器を有し、
    前記熱シールド部は、一端が前記開口に直面し、他端は前記真空容器の反開口側壁に取り付けられ、
    前記高周波コイルの前記熱シールド部の外周への螺旋状の巻付部は、前記開口側近くに設けられており、
    さらに前記真空保持部は、前記真空容器内部を真空に保持することを特徴とする請求項2ないし請求項10のいずれかに記載の蒸発源。
  12. 前記高周波供給部が供給する高周波は、30kHzから40kHzであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の蒸発源。
  13. 外部に供給する蒸気を発生させるために加熱の対象とされるイオンの原料物質を周囲と非接触となる状態で配置するイオンの原料物質配置部と、前記イオンの原料物質から発生した蒸気を外部に送出するための蒸気送出通路と、前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路を真空に保持する真空保持部と、前記イオンの原料物質の外周に配置される高周波コイルと、前記高周波コイルに、イオンの原料物質を直接加熱して蒸気を発生させるために高周波を流す高周波供給部とを有している蒸発源を使用して外部に蒸気を供給する方法であって、
    前記イオンの原料物質配置部に前記イオンの原料物質を配置する配置ステップと、
    前記真空保持部により、前記イオンの原料物質配置部および前記蒸気送出通路を真空に保持する真空ステップと、
    前記高周波コイルに高周波を供給して、前記イオンの原料物質を真空中で直接加熱して蒸気を発生させる高周波通電ステップとを有していることを特徴とする外部に蒸気を供給する方法。
  14. 前記真空ステップは、前記真空容器全体を10から10−5Paの真空中に保持することを特徴とする請求項13に記載の外部に蒸気を供給する方法。
  15. 前記高周波通電ステップは、30kHzから40kHzの高周波を通電するものであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の外部に蒸気を供給する方法。

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