JP2007072357A - ネガ型感光性樹脂組成物およびこれを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)光重合性不飽和化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)溶剤を含有してなり、前記溶剤が、(C1)沸点が190℃以上の高沸点溶剤と(C2)沸点が190℃未満の低沸点溶剤との混合溶剤であることを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
該方法においては、一般的に、ガラス角基板上に感光性樹脂組成物を滴下等の手段により付与し、回転塗布した後に、乾燥工程、露光工程、現像工程を経て、基板上にレジストパターンを形成する。また、より好ましい方法として、露光工程の前に、基板の周縁部、および基板の裏面部に付着した不要な被膜を洗浄除去する処理を行うことが提案されている。
不要な被膜を洗浄除去する処理は、一般的に「EBR(エッチバックリンス)処理」と呼ばれる。また、該EBR処理には、感光性樹脂組成物を滴下するための滴下用ノズルの先端部の洗浄や、回転塗布時に処理室内部に飛散し付着した感光性樹脂組成物の洗浄も含まれる場合がある。
洗浄性の向上のために改善された洗浄液が多数報告されている(下記特許文献5〜10)。
本発明は、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して被膜を形成した後、選択的に露光し、次いで現像してカラーレリーフ樹脂層を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法を提供する。
また本発明は、基板上にカラーレリーフ樹脂層が形成された基体上に、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を塗布して被膜を形成した後、全面的に露光して透明保護膜を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、カラーフィルタの製造方法におけるEBR処理の効率向上を図ることができる。
本発明における光重合性不飽和化合物(以下、(A)成分ということがある。)は、ネガ型感光性樹脂組成物がエネルギー線の照射を受けたときに、(B)光重合開始剤の作用により重合硬化するような不飽和結合を有する化合物であり、公知のものを使用することができる。
(A)成分として、例えば、(A1)付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物(以下、(A1)成分ということもある)を好適に用いることができる。具体的には、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(二量体、三量体、オリゴマー含む)、あるいは側鎖若しくは主鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重合体などが挙げられる。
(A1)成分としての重合体の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミネーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準、以下同様)は、特に限定するものではないが、1000〜100000程度が好ましく、2000〜50000程度がより好ましい。Mwが大きすぎると現像に適さず、小さすぎると現像時に剥がれを生じ易い。
好ましくは、R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル基である。
なお、(メタ)アクリル樹脂は、アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂の意味である。(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートの意味である。
上記式(I)で表される酸無水物は、酸無水物部分が6員環であるため、5員環構造の酸無水物を用いる場合に比べ、各分子間の立体構造上の距離が広がる。このため、再環化が生じ難く、再環化に伴う有機酸の離脱や酸無水物の遊離の発生が抑えられ、これら成分の染み出しが防止される。なお、4員環以下の酸無水物を用いた場合、安定な無水物をつくることができない。また7員環以上のものを用いた場合、無水物は不安定なものとなってしまう。
該有機溶媒としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。中でも、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等が好ましく用いられる。
反応温度は100〜130℃程度が好ましく、特には110〜125℃程度である。
特に、酸無水物として、上記式(I)で表される酸無水物と前記酸二無水物との混合物を用いる場合には、エポキシ基含有化合物100質量部に対し、上記式(I)で示す酸無水物を1〜80質量部、特には10〜60質量部とし、酸二無水物を1〜60質量部、特には10〜50質量部用いるのが好ましい。
用いる成分の使用量を上記の範囲内とすると、良好な透明性、耐熱性、および密着性が得られる。
なお、(A2)成分の生成は、IRスペクトルによって確認することができる。
(A2)成分の酸価は20〜200であり、好ましくは40〜100である。酸価が低すぎるとアルカリ現像性が悪くなり、一方、酸価が高すぎると剥がれを生じる。
下記式(II)、(V)で表される化合物はビスフェノールプロパン構造を有するエポキシ樹脂を用いた場合の一例を示し、式(III)、(VI)で表される化合物はビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂を用いた場合の一例を示し、式(VII)で表される化合物はグリシジル基含有(メタ)アクリル樹脂を用いた場合の一例を示し、式(IV)で表される化合物はグリシジル基含有フェノール樹脂を用いた場合の一例を示す。
R8: 水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。好ましくは水素原子またはメチル基を示す。
m:0〜19の整数を示す。
n:1〜20の整数を示す。
(A)成分として、前記(A1)成分および/または(A2)成分を用いることが好ましい。(A2)成分のみを用いること、又は(A1)成分と(A2)成分を併用することがより好ましい。
(A2)成分を用いると、透明性、耐熱性、密着性に優れるとともに、5員環構造の酸無水物を用いた場合のようにハーフエステルによって酸が遊離して滲出することがなく、また耐薬品性にも優れるネガ型感光性樹脂組成物が得られる。
さらに(A1)成分を併用することにより、ネガ型感光性樹脂組成物の塗布性や塗膜特性が向上する。
(A1)成分と(A2)成分を併用する場合、(A2)成分の100質量部に対して(A1)成分を1〜300質量部程度用いることが好ましい。より好ましい範囲は1〜200質量部程度である。
本発明における光重合開始剤(以下、(B)成分ということがある。)は、特に限定されるものでなく、公知のものを任意に用いることができる。
例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン[=ミヒラーズケトン]、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜100質量部の範囲が好ましく、1〜50質量部の範囲がより好ましい。該(B)成分の含有量が上記範囲の下限値以上にすることにより、露光、現像後のパターン形成能が向上し、上記範囲の上限値以下にすることによりレジストにおける不溶性の異物が発生を抑制して歩留まりへの悪影響を抑制することができる。
溶剤(以下、(C)成分ということがある。)としては、沸点が190℃以上の高沸点溶剤(以下、(C1)成分ということがある。)と沸点が190℃未満の低沸点溶剤(以下、(C2)成分ということがある)との混合溶剤が用いられる。
(C1)成分は、沸点が190〜300℃の範囲内の溶剤であることが好ましく、沸点が190〜250℃の範囲の溶剤であることがより好ましい。さらに、高沸点溶剤(C1)として、沸点が200℃以上のものが好ましく、沸点が200〜300℃の範囲内の溶剤がより好ましく、沸点が200〜250℃の範囲の溶剤が特に好ましい。い。
(C1)成分の例としては、γ−ブチロラクトン(沸点;204℃)、ベンジルアルコール(沸点;204℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。特にγ−ブチロラクトンを用いると、レジストとの相溶性の点で好ましい。
例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点;120℃)、酢酸ブチル(沸点;125−126℃)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点;145〜146℃、以下PGMEAと略記することもある)、シクロヘキサノン(沸点;156℃)、および、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点;165℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点;171℃)からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
特に3−メトキシブチルアセテートおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いると、ネガ型感光性樹脂組成物を塗布した時の膜厚の面内均一性、およびネガ型感光性樹脂組成物に顔料を含有させたときの顔料の分散安定性に優れていて好ましい。
ネガ型感光性樹脂組成物における(A)成分および(C)成分の含有量は特に限定されず、塗布可能な濃度範囲で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分濃度が1〜50質量%の範囲内、好ましくは5〜30質量%の範囲内となるように用いられる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、液晶表示装置などのカラーフィルタの保護膜やカラーレリーフ樹脂層形成のためのホトレジストとして、あるいはプリント配線基板製造時のソルダーホトレジスト等として用いることができるが、特にカラーフィルタのカラーレリーフ樹脂層形成用ホトレジストとして用いる場合には、さらに(D)成分として顔料および/または染料を含有させる必要がある。
本発明の特許請求の範囲および明細書における「カラーレリーフ樹脂層」は、例えばR(赤色)、G(緑色)、B(青色)等のカラーフィルタ画素を構成する樹脂層、およびブラックマトリックスを構成する遮光層のうちの1以上を指す。
黄色顔料:C.I. 20、24、83、86、93、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、180、185、195
橙色顔料:C.I. 36、43、51、55、59、61
赤色顔料:C.I. 9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254
紫色顔料:C.I. 19、23、29、30、37、40、50
青色顔料:C.I. 15、15:3、15:6、22、60、64
緑色顔料:C.I. 7、36
茶色顔料:C.I. 23、25、26として表されているものが透明性が高く、しかも耐熱性、耐候性、耐薬品性に優れているため、好適に用いることができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記各成分に加えて、必要に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、顔料分散剤、消泡剤等の任意成分を添加することができる。
増感剤の使用量は、(A)成分の総量100質量部に対し、1〜100質量部の範囲が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
熱重合禁止剤の使用量は、(A)成分の総量100質量部に対し、0.001〜10質量部の範囲が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。
可塑剤の使用量は、(A)成分の総量100質量部に対し、1〜50質量部の範囲が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。
界面活性剤の使用量は、(A)成分の総量100質量部に対し、0.0001〜10質量部の範囲が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましい。
消泡剤の使用量は、(A)成分の総量100質量部に対し、0.0001〜10質量部の範囲が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましい。
以下に本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いたカラーフィルタを製造する方法の一例を示す。
(1)ネガ型感光性樹脂組成物の調製
(A)成分、(B)成分、(C)成分、および(D)成分、さらに所望により上記その他の成分を混合してカラーフィルタ用のネガ型感光性樹脂組成物を調製する。
混合工程は、例えば3本ロールミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等でよく分散、混練することが好ましい。
上記で調製したネガ型感光性樹脂組成物を、あらかじめ表面を清浄にしておいた基板上に塗布する。基板としてはガラス、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の材料が挙げられる。
塗布工程には、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置や、スピンナー、カーテンフローコター等の非接触型塗布装置を用いることができる。特に厚膜の場合には複数回塗布するか、前記塗布装置の数種を併用するのがよい。
乾燥工程は、ダイレクトホットプレートにて数分間乾燥するか、温風ヒーター、赤外線ヒーター中に数10分〜数時間入れて溶剤を除去する方法で行うことができる。
後述のエッチバックリンス処理を行う場合は、乾燥工程において、有機溶剤を完全に揮散させる完全乾燥よりも、乾燥雰囲気から減圧下に大気を吸引して塗膜の有機溶剤を完全に揮散させない不完全乾燥の状態、すなわち乾固まで至らない半乾き状態の被膜となるように乾燥するのが有利である。
乾燥後の被膜の膜厚は、例えば1〜10μm程度が好ましい。
乾燥工程後、基板の周辺部、縁辺部及び裏面部の少なくとも一部から不要な被膜を洗浄液で洗浄して除去する、エッチバックリンス処理(以下、EBR処理ということもある。)を行うことが好ましい。
EBR処理の方法は特に限定されない。例えば以下の方法がある。
(ア)洗浄液を噴出するノズルを基板縁辺部に沿って移動させる方法。
(イ)回転する基板の下方に洗浄液を噴出するノズルを配置し、基板裏面から除去する方法。
(ウ)予め洗浄液を満たした洗浄液貯留部に、基板を水平方向から挿入させることによって、基板の縁辺部を該貯留部内の洗浄液に接触させる方法(特開平8−102434号公報参照)。
(エ)予め洗浄液を満たした溶剤貯留部で基板の両端を狭持し、基板を移動させる方法。
(オ)洗浄液で満たされた槽に基板を垂直に保持し浸漬する方法。
特に好ましいのは(ウ)の方法である。
例えば、洗浄される被膜の形成に用いられたネガ型感光性樹脂組成物に含まれる(C)成分の1種以上、好ましくは(C2)成分の1種以上の溶剤を含む洗浄液が用いられる。その他に洗浄液の溶剤成分として知られているものを併用してもよい。
洗浄液に含有させる溶剤として、特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、および3−メトキシプロピオン酸メチルが好ましい。
また洗浄液は、ネガ型感光性樹脂組成物に含まれる界面活性剤、その他の成分等を含有してもよい。例えば、ネガ型感光性樹脂組成物から、遠心分離等の分離手段を経て得られる上澄み液も、洗浄液として用いることができる。この場合、顔料以外の固形分成分((A)成分および(B)成分等)を除去することが好ましい。
その他に、洗浄液に含有させる成分として知られている溶剤以外の各種成分を含んでいてもよい。
また、後述の現像工程で用いられるアルカリ現像液を、洗浄液として用いることもできる。
上記で形成した被膜に対して、ネガマスクを介して活性線を選択的に照射して露光する。上記EBR処理を行う場合、選択的露光はEBR処理後に行う。
活性線としては紫外線、エキシマレーザー光、エックス線、ガンマ線、電子線等が好適である。露光量は、ネガ型感光性樹脂組成物の成分組成により異なるが、30〜2000mJ/cm2程度が好ましい。
選択的露光後、現像処理して、活性線の未照射部分を除去し、基板上にカラーフィルタ画素(カラーレリーフ樹脂層)を形成する。(D)成分としてブラック顔料を用いた場合は遮光層が形成される。
現像処理は、アルカリ現像液を用いて、浸漬法、スプレー法等により行うことができる。
具体的には、まず、基板上に予めカラーレリーフ樹脂層が形成された基体上(カラーフィルタ樹脂層上)の上面に、ネガ型感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて被膜を形成する。この後、好ましくはEBR処理を行った後、全面的に露光して被膜を硬化させることによって透明な保護膜を形成することができる。
塗布工程、乾燥工程、EBR処理、および露光工程は、上述したカラーレリーフ樹脂層の形成方法と同様にして行うことができる。
これはネガ型感光性樹脂組成物の(C)溶剤として、沸点が高い(C1)成分と沸点が低い(C2)成分とを混合して用いたことにより、乾燥工程後の被膜における残存溶剤が増加するためと考えられる。
一般に、顔料が分散されている組成物は、洗浄除去性能に劣るが、本発明によれば、顔料が分散された感光性組成物であっても、良好な洗浄除去性を得ることができる。
また本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、顔料を含有させたときの良好な顔料分散安定性が得られる。また、該ネガ型感光性樹脂組成物を塗布した時の膜厚の面内均一性も良好である。
本発明のネガ型感光樹脂組成物は、EBR工程を有するカラーフィルタの製造方法に好適であるが、EBR工程を行わないカラーフィルタの製造方法にも適用できることは勿論であり、良好なカラーレリーフ樹脂層または透明保護膜を形成することができる。
下記組成のネガ型感光性樹脂組成物Aを調製し、塗布装置としてTR−39000(製品名、東京応化社製)を用いて、サイズ550×650mmのガラス基板上に塗布した。200枚のガラス基板への塗布を終えた後、下記組成の洗浄液Aを用いて塗布装置を循環洗浄した。洗浄除去性の評価として、洗浄後の塗布液吐出ノズルおよび配管内の汚染物の残留状況を目視にて評価した。評価結果を下記表1に示す。表1における◎、○、×は以下の通りである。
◎:洗浄効果大、完璧に近く汚れが取れる。
○:洗浄効果あり、殆ど汚れが取れる。
×:洗浄効果なし、殆ど汚れが取れない。
◎:粘度増加1%以下 分散安定性良好
○:粘度増加1%〜5% 分散安定性やや良好
×:粘度増加5%以上 分散安定性不可
膜厚均一性=(最高値−最低値)÷2÷平均値×100 …(1)
その結果を下記表1に示す。表1における◎、○、×は以下の通りである。
◎:膜厚均一性 3以下、大変良好。
○:膜厚均一性 3〜5、良好。
×:膜厚均一性 5以上、不可。
(A)成分:カルドエポキシジアクリレート、100質量部。
(B)成分:4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン[=ミヒラーズケトン]、25質量部。
(C1)成分:γ−ブチロラクトン(沸点;204℃)、67質量部。
(C2)成分:PGMEA(沸点;145〜146℃)、400質量部。
(D)成分:赤色顔料 C.I. 254、20質量部を11%濃度にしたPGMEA溶液。
その他成分:増感剤、顔料分散剤、界面活性剤、重合禁止剤、合計60質量部。
PGMEA、100質量部。
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物Aの組成において、γ−ブチロラクトンをシクロヘキサノン(沸点;156℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、洗浄除去性、顔料の分散安定性、膜厚の面内均一性について評価した。その結果を下記表1に示す。
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物Aの組成において、γ−ブチロラクトンを酢酸ブチル(沸点;125〜126℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、洗浄除去性、顔料の分散安定性、膜厚の面内均一性について評価した。その結果を下記表1に示す。
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物Aの組成において、γ−ブチロラクトンを用いず、PGMEAの配合量を467質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、洗浄除去性、顔料の分散安定性、膜厚の面内均一性について評価した。その結果を下記表1に示す。
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物Aの組成において、PGMEAを用いず、γ−ブチロラクトンの配合量を467質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、洗浄除去性、顔料の分散安定性、膜厚の面内均一性について評価した。その結果を下記表1に示す。
Claims (10)
- (A)光重合性不飽和化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)溶剤を含有してなり、前記(C)溶剤が、(C1)沸点が190℃以上の高沸点溶剤と(C2)沸点が190℃未満の低沸点溶剤との混合溶剤であることを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
- 上記(C1)高沸点溶剤は、γ−ブチロラクトンを含む請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 上記(C)溶剤中の、上記(C1)高沸点溶剤の含有率が1〜50質量%である請求項1又は2記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 上記(C)溶剤中の、上記(C1)高沸点溶剤の含有率が1〜30質量%である請求項3記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 上記(C2)低沸点溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、3−エトキシエチルプロピオネート、3−メトキシブチルアセテートおよび酢酸ブチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- さらに(D)顔料および/または染料を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 請求項6記載のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して被膜を形成した後、選択的に露光し、次いで現像してカラーレリーフ樹脂層を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
- 上記被膜を形成した後、選択的に露光する前に、不要な被膜を洗浄液で洗浄するエッチバックリンス処理工程を有する請求項7記載のカラーフィルタの製造方法。
- 基板上にカラーレリーフ樹脂層が形成された基体上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を塗布して被膜を形成した後、全面的に露光して透明保護膜を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
- 上記被膜を形成した後、全面的に露光する前に、不要な被膜を洗浄液で洗浄するエッチバックリンス処理工程を有する請求項9記載のカラーフィルタの製造方法。
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