JP2007070114A - 折り畳み式ゴミ収容装置 - Google Patents

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康博 柴田
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Abstract

【課題】鳥害や獣害を確実に防止することができ、折り畳み状態での美観が損なわれる恐れの小さい折り畳み式ゴミ収容装置を提供する。
【解決手段】前側枠体1と後側枠体2との間の、少なくとも両側面及び上面が膜状体5によって覆われていることで鳥害や獣害を確実に防止することができるが、前側枠体1の外周面が、後側枠体2の内周面より小さくなされていることで後側枠体2の内側に前側枠体1を収納することができ、ゴミの出し入れの際に汚れがちな前側枠体1を後側枠体2によって隠して折り畳み状態での美観が損なわれる恐れを小さくできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴミ集積時には展開されて収容用のスペースが確保され、それ以外では折り畳まれて邪魔にならない折り畳み式ゴミ収容装置に関するものである。
従来の折り畳み式ゴミ収容装置としては、例えばごみ収容部が左右両側に位置する前後方向に伸縮自在なパンタグラフ伸縮機構と、該パンタグラフ伸縮機構の前端部に設けられた前面パネルを備え、パンタグラフ伸縮機構の吊元端部にパンタグラフ伸縮機構と前面パネルが収容可能な収納枠を立設し、蓋体を前記収納枠の上部前端位置に枢着し、パンタグラフ伸縮機構を伸長した状態において蓋体をパンタグラフ伸縮機構と前面パネルの上部に覆設してごみ集積ボックスを形成し、パンタグラフ伸縮機構を縮めた状態においてパンタグラフ伸縮機構と前面パネルを収納枠の内部に収容し、蓋体を前面パネルと重ね合わせたことを特徴とするごみ集積ボックスが開示されている(例えば特許文献1)。
また、1枚のパネルと相対する枠体を左側面,右側面及び上面の対向する辺をパンタ機構で連結し枠体がパネルに対して前後平行に伸縮自在に動くようにした構造体を構成(以後構造体Aと言う)し更にこの構造体Aの内面には構造体Aの動きに応じて内容物を保護する囲いが伸縮,屈曲自在な構造物(以後構造物Bと言う)によって自動的に構成出来るようにし枠体をパネル側に移動すると扉以外は面体の箱状態になり枠体をパネルに対して手前に動かすと収納庫が形成出来る伸縮式構造体において枠体には適宜扉を取り付けて使用する伸縮式ゴミ収納庫が開示されている(例えば特許文献2)。
特開2000−309401号公報 特開2002−87502号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような折り畳み式ゴミ収容装置では、側面のパンタグラフ伸縮機構の隙間からカラスが収容されたゴミをついばんだりする恐れがあり、鳥害や獣害を確実に防止することができにくい構造となっていた。
また、特許文献2に記載のような折り畳み式ゴミ収容装置では、後側の枠体の前面に前側の枠体が重ね合わされることで、ゴミの出し入れの際に汚れが付着しやすい前側の枠体が、折り畳まれた状態で露出しており、折り畳み状態での美観が損なわれる恐れのあるものであった。
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、鳥害や獣害を確実に防止することができ、折り畳み状態での美観が損なわれる恐れの小さい折り畳み式ゴミ収容装置を提供せんとするものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置は、開閉自在な扉が取り付けられた前側枠体と、後側枠体と、前記前側枠体と前記後側枠体とを伸縮自在に繋ぐパンタグラフ伸縮機構と、前記前側枠体と前記後側枠体との間の少なくとも両側面及び上面を覆う可とう性の膜状体とを備え、前記前側枠体の外周面が、前記後側枠体の内周面より小さくなされていることを特徴とするものである。
本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置によれば、前側枠体と後側枠体との間の、少なくとも両側面及び上面が膜状体によって覆われていることで鳥害や獣害を確実に防止することができるが、前側枠体の外周面が、後側枠体の内周面より小さくなされていることで後側枠体の内側に前側枠体を収納することができ、ゴミの出し入れの際に汚れがちな前側枠体を後側枠体によって隠して折り畳み状態での美観が損なわれる恐れを小さくできる。
また前記膜状体は、一体のネットが折り曲げられて断面門型となされたものを用いていれば、風圧による膜状体の変形や破損を防止でき、また両側面と上面との間に隙間が開く恐れをなくして鳥害及び獣害をより確実に防止できるようになり好ましい。
また前記パンタグラフ伸縮機構は、前記前側枠体及び前記後側枠体の左右両側に各々設けられ、斜桟がX字状に交差されると共に所定位置においてピン結合されたX字体が前後方向に複数設けられたものであって、該複数のX字体間には、上下方向に延びる縦桟が設けられ、該縦桟の上端において、左右の前記パンタグラフ伸縮機構間に支持バーが差し渡されて設けられていれば、左右のパンタグラフ伸縮機構間が支持バーにより一定の間隔となされることで、展開時及び折り畳み時にパンタグラフ伸縮機構にかかるねじれ応力等を低減して耐久性を高めることができ、また支持バーにより上面の膜状体を下方から支持できることで、装置内の空間を確保するのが容易となり好ましい。
また更に間隔保持手段が設けられ、該間隔保持手段によって展開時に前記前側枠体と前記後側枠体との間隔が保持されるようになされていれば、展開時に前側枠体と後側枠体との前後の間隔が一定となされることで、収容されたゴミが押しつぶされたり、パンタグラフ伸縮機構が広がりすぎて破損したりする等の不具合の発生を防止することができ好ましい。
また前記後側枠体は、枠材が箱状に枠組みされて囲繞部が形成され、折り畳み時において、該囲繞部に前記前側枠体、前記パンタグラフ伸縮機構及び前記膜状体が収納可能となされていれば、折り畳み時には装置全体が後側枠体外縁より内側に収まることになり、折り畳み時の美観を更に高めることができると共に、前側枠体等が突出して周囲を通行する歩行者や自転車等に接触する恐れを小さくすることができ好ましい。
また前記前側枠体は、前記扉の開放時には下方が開口されて門型となされたものであって、ゴミが収容され且つ前記扉が開放された状態で、前記パンタグラフ伸縮機構を収縮させて折り畳み可能となされていれば、ゴミ収集車によるゴミの収集時等において装置内にゴミを収容したまま装置の折り畳みを行うことができ、ゴミの取り出しと装置の折り畳みを同時に行うことができるようになり好ましい。
また本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置は、開閉自在な扉が取り付けられた前側枠体と、枠材が箱状に枠組みされて囲繞部が形成された後側枠体と、前側枠体と後側枠体とを繋ぎヒンジ構造により内側に折り畳み可能に接続された側面枠体と、後側枠体に取り付けられた上面板とを備え、収納時において前側枠体と側面枠体が囲繞部に収容可能となされ、後側枠体の前面側の少なくとも一部が上面板により覆われるようになされていることを特徴とするものである。
本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置によれば、前側枠体、後側枠体、側面枠体及び上面板により収容スペースが囲まれることで鳥害や獣害を確実に防止することができるが、折り畳まれた状態で、囲繞部に前側枠体と側面枠体とが収容されることで後側枠体により突出した部分をなくして全体的にすっきりとした印象となり、また後側枠体の前面側の少なくとも一部が上面板により覆われることで収容された前側枠体及び側面枠体が隠されるようになされて、美観が損なわれる恐れを小さくできる。
また前記上面板は、囲繞部に収容されるようになされていれば、更にすっきりとした印象として美観が損なわれる恐れを小さくでき好ましい。
本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置によれば、前側枠体と前記後側枠体との間の、少なくとも両側面及び上面が膜状体によって覆われていることで鳥害や獣害を確実に防止することができるが、前記前側枠体の外周面が、前記後側枠体の内周面より小さくなされていることで後側枠体の内側に前側枠体を収納することができ、ゴミの出し入れの際に汚れがちな前側枠体を後側枠体によって隠して折り畳み状態での美観が損なわれる恐れを小さくできる。
また本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置によれば、前側枠体、後側枠体、側面枠体及び上面板により収容スペースが囲まれることで鳥害や獣害を確実に防止することができるが、折り畳まれた状態で、囲繞部に前側枠体と側面枠体とが収容されることで後側枠体により突出した部分をなくして全体的にすっきりとした印象となり、また後側枠体の前面側の少なくとも一部が上面板により覆われることで収容された前側枠体及び側面枠体が隠されるようになされて、美観が損なわれる恐れを小さくできる。
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1は、本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第一の実施形態を示すもので、(a)は展開時を示す斜視図、(b)は折り畳み時を示す斜視図である。まず(a)において、折り畳み式ゴミ収容装置10は、前側枠体1と後側枠体2とが、各々の両側端間に設けられた伸縮自在のパンタグラフ伸縮機構3によって接続され、展開時においては前側枠体1と後側枠体2との距離は、剛性の棒状体である間隔保持手段4を用いて一定に保持されるようになされている。また前側枠体1と後側枠体2との間の、上面及び両側面には、合成樹脂製のネットである膜状体5が設けられ、膜状体5は前側枠体1の背面側と、後側枠体2の後端部分とに取り付けられると共に、パンタグラフ伸縮装置3に被せられるようにして設けられている。
前側枠体1は、鋼鉄製の角パイプが溶接により枠組みされて外枠材11が形成され、外枠材11の内部に、同じく鋼鉄製の角パイプを溶接して枠組みした扉枠材12が形成され、扉枠材12の内側には金網13が張り巡らされている。外枠材11と扉枠材12はヒンジ構造(図示せず)により回動可能に接続されることで、扉枠材12が前面側に開放されることで折り畳み式ゴミ収容装置10内の空間が開放され、ゴミの出し入れを行うことができるようになされている。尚、扉枠材12を開放する必要がない場合には、前面に設けられた閉鎖錠14により閉鎖状態を保持することができるようになされている。また前側枠体1の下面にはキャスター15が取り付けられ、展開時や折り畳み時に前側枠体1を円滑に移動することができるようになされている。
後側枠体2は、鋼鉄製のL字型のアングルであるアングル材21が箱状に枠組みされ、側方の下端部分には地表に埋設された二体のアンカーボルトAに固定するためのベース部22が設けられている。アングル材21が箱状に枠組みされることで、後側枠体2の前後方向はある程度の厚みを持ったものとなり、その両側端に設けた鋼鉄製の板状体であるベース部22を複数のアンカーボルトAによって固定することで、後側枠体2が前後方向からの外力に対して強固に地表に固定されたものとなり、折り畳み式ゴミ収容装置を安定な構造体とすることができている。
パンタグラフ伸縮機構3は、鋼鉄製の棒状体がX字状に交差された斜桟31が、長さ方向の中央付近でピン結合32されて回動自在に結合されてX字体33が形成されており、X字体33がその両端で上下方向に延びる鋼鉄製の角パイプである縦桟34に同じく回動自在にピン結合32されることで前後方向に伸縮自在に形成されたものである。更に縦桟34の上端から横方向に、左右のパンタグラフ伸縮機構3の縦桟34間に差し渡されて設けられた鋼鉄製の角パイプである支持バー35が溶接により一体とされて形成されており、縦桟34の左右方向における位置ズレを防止してパンタグラフ伸縮機構3の変形や破損の恐れを小さくすると共に、膜状体5の上面部分を下方から支持してゴミ収納用の空間を保持するようにしている。
間隔保持手段4は、鋼鉄製の棒状体である剛性バー41が、前側枠体1に設けられたプレート43と、後側枠体2に設けられた支持部44との間に差し渡されて形成され、プレート43に対しては回動軸42により回動自在に固定されることで、折り畳み時には剛性バー41の一端を支持部44から取り外し、剛性バー41を回動軸42によって下方に回動させて前側枠体1に沿わせることで、折り畳み時に間隔保持手段4も同時に折り畳むことが可能となされている。
膜状体5は、ポリエチレン製の合成樹脂製ネットであり、折り畳み式ゴミ収容装置10は展開時において、前側は前側枠体1によって覆われており、後側は壁面や後側枠体2にカバー材を取り付ける等適宜の手段にて覆うことができるが、上面及び両側面については膜状体5により覆うことで、ゴミを収容する空間を完全に覆って、カラスなどの鳥類が飛来して装置内に収容されたゴミをついばんで散らかす等する鳥害や、猫や犬などが到来して同じくゴミをあさって散らかす等する獣害を防ぐことができる。また膜状体5は可とう性のものであるから、折り畳み時には自在に変形して収納することができる。膜状体5は、風荷重を受けにくいネットが好ましく、また折り畳み時に容易に折り畳むことができる合成樹脂製のものが好ましいが、それに限定されるものではなく、金属製のネットや、合成樹脂製のシート等も用いることができる。更に合成樹脂製のネットやシートに鳥獣類が忌避するカプサイシンを配合して形成したものを用いてもよい。
次に図1の(b)において、前側枠体1の幅W1及び高さH1が、門型に形成された後側枠体2の内側の幅W2及び高さH2より小さくなされていることで、折り畳み時に前側枠体1が後側枠材2の前面23より略同一又は奧側に収納可能となり、側方や斜め方向から見た場合に前側枠体1が後側枠体2により隠されるようにできる。前側枠体1は、ゴミの出し入れの際にゴミが当たって汚れたり、扉枠材12の開閉によって擦り傷等が付いたりして好ましくない美観となる場合が多いが、後側枠体2により隠されることで、市街地等に設置した場合でも美観を損ねる恐れを小さくできる。
図2は、本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第二の実施形態を示す説明図である。まず(a)は、パンタグラフ伸縮機構3が伸長されて展開時となされ、扉枠材12が開放された状態を示しているが、折り畳み式ゴミ収容装置10内にはゴミDが集積されており、本実施形態においてはゴミDの下方には底板等を設けることなく、ゴミDは地表上に載置された状態となされている。更に前側枠体1の外枠材11は、下方が開放されて門型となされていることで、装置10内にゴミDを収容した状態でパンタグラフ伸縮機構3を収縮させて前側枠材1を後方に向かって移動することで折り畳みを行うことができる。
(b)は、扉枠材12を除いて折り畳みを行った状態を示しているが、パンタグラフ伸縮機構3、間隔保持手段4及び膜状体5が折り畳まれて収納されていることで、ゴミDの上方及び前方が開放された状態となりゴミの取り出しと回収とが格段に容易な状態となされている。かかる構成により、ゴミ収集車による回収時に、収集作業者が回収時に、回収を容易にするためと併せて折り畳み式ゴミ収容装置10の折り畳みを行うようになり、ゴミが集積されていない状態において折り畳み状態を維持するのにゴミ当番制等によって周辺住民に繁雑な手間をかけさせることを軽減することができる。
図3及び図4は、図2に示した折り畳み式ゴミ収容装置の、更に変形の例を示す横断面図である。まず図3において、パンタグラフ伸縮機構3が伸長された状態で、折り畳み式ゴミ収容装置10内にはゴミDが集積されている。外枠材11に取り付けられた扉枠材12には金網13が取り付けられているが、金網13は扉枠材12に対して回動軸16によって回動自在となされると共に、金網13自体の左右方向の中央にも回動軸16が設けられている。また後側枠体2は上下方向に延びるアングル材21が四隅に形成され、四隅のアングル材21により囲繞部23が形成されている。
図4は、折り畳みの状態を示す横断面図であるが、まず(a)に示す如く外枠材11に対して扉枠材12がヒンジ構造(図示せず)によって回動されて、折り畳み式ゴミ収容装置10の前面側が開放される。その状態でパンタグラフ伸縮機構3を収縮させて、図2に示した如き折り畳みを行う。折り畳みが行われることで、前側枠体1、パンタグラフ伸縮機構3及び膜状体(本図には図示せず)が囲繞部23に収容される。パンタグラフ収縮機構3を折り畳むと共に、(b)に示す如く回動軸16を用いて金網13をも折り畳む。金網を折り畳むことで集積されたゴミDが左右の側面についても開放された状態となり、収集作業者によるゴミDの収集作業が更に簡便なものとなり得る。また金網13を折り畳むことで扉としての動作半径が小さくなり、この状態で扉枠材12を閉鎖状態として折り畳みを完了することもできるようになり、折り畳みに係わる作業を一連の動作として行うことができるようになり、収集の作業がより一層簡便なものとなり得る。
尚、上述の金網13については一例を示すものであり、面状体であれば特に金属製等の金網に限定されるものではなく、木材、金属材料、合成樹脂材料を用いて形成した面板や、金属樹脂積層板等を用いて形成してもよい。また一連の実施形態において、扉枠材12内に金網13を取り付けたものを示しているが、この形態に限定されるものではなく、扉枠材12を用いずに上記の如き面板を直接外枠材11に取り付けることで扉を形成するようにしてもよい。
図5〜図9は、本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第三の実施形態を示す説明図である。図5は折り畳み式ゴミ収容装置の展開時を示す斜視図であるが、まず図5(a)において、折り畳み式ゴミ収容装置10は、第一の実施形態と同様に、鋼鉄製の角パイプであるアングル材21が筺状に枠組みされて後側枠体2が形成され、後側枠体2の下端に設けられたアンカープレート22により地表に固定できるようになされている。また前側枠体1についても同様に、外枠材11内に前面側に観音開きとなる扉材17が取り付けられ、更に外枠材11の下方両側端に前側枠体1を前後に移動させるためのキャスター15が取り付けられている。扉材17には閉鎖状態を維持するための閉鎖錠14が取り付けられている。
前側枠体1と後側枠体2との間は、まず側面については側面枠体6により接続されている。側面枠体6は、薄い鋼板からなる面材62の周囲を鋼鉄製の角パイプからなる外枠材61が囲んで形成されたもので、二体がヒンジ構造により接続されて設けられて側面を閉塞している。また上面については、把手71が設けられた上面板7により閉塞されている。
展開状態においては、(b)に示す如く内部空間が開放される。まず前側枠体1に取り付けられた扉材17が前面側に観音開きする方向である矢印Y1の方向に開放されるようになされ、更には上面板7が後側枠体2との接続部分を中心に上方である矢印Y2の方向に開放されて、ゴミ収容用の内部空間が開放される。上面板7は上方に開放されることから、重力により閉鎖状態を保持できることから前側枠体1及び側面枠体6に載置されているのみであるが、必要に応じて閉鎖錠等を設けておいてもよい。上面板7を開放するのは主にゴミを投入する場合であり、扉材17を開放するのは主としてゴミを回収する場合である。従って上面板7には把手71が設けられると共に、上面板7の周囲が折り曲げられて枠状部73が設けられて軽量化が図られ、軽量でありながら高い強度が得られるようになされている。
図6は、折り畳み式ゴミ収容装置10の収納を示す斜視図である。(a)において、まず上面板7を回動軸72を中心に上方である矢印Y2の方向に持ち上げておく。次に二体設けられた側面枠体6は、互いにヒンジ構造により接続されると共に、側面枠体6と、前側枠体1及び後側枠体2との間もヒンジ構造により接続されて、両側面に設けられた側面枠体6が共に内側である矢印Y3の方向に折り曲げられるようになされていることで、側面枠体6をヒンジ構造により折り曲げることで前側枠体1を後方である矢印Y4の方向に移動させることができる。前側枠体1の矢印Y4への移動はキャスター15により円滑に行われる。
側面枠体6を折り曲げて折り畳むことで、(b)に示す如く前側枠体1及び側面枠体6は後側枠体2のアングル材21により囲まれた囲繞部23内に収容される。収納された前側枠体1の前面側に、更に下方である矢印Y5の方向に回動されて上面板7も囲繞部23内に収納され、折り畳み式ゴミ収容装置10は収納状態となされる。
前側枠体1においては、強度及び靱性の高い鉄鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属材料を用いて形成するのが好ましく、外枠体11はこれらの金属製である管状体や押出形材を適宜用いて形成することができる。また扉材17を形成する面材については、これらの金属材料の板状体を好適に用いることができるが、金属−樹脂積層板を用いて軽量化及び美観の向上を図ってもよい。扉材17についても面材の周囲に枠体を形成したり、周囲を折り曲げたりして強度を必要とされる強度を確保することができる。後側枠体2についても金属材料を用いて形成するのが好ましく、第一及び第二の実施形態と同様にL字型のアングル材を用いて形成してもよいが、管状体をアングル材21として用いることで、強度を高めて囲繞部23の立体的な安定性を高めておくのが好ましい。
側面枠体6についても前側枠体1と同様の材料や形状にて外枠体61や面材62を形成してよく、また上面板7と同様に面材の周囲を折り曲げて枠状部を形成し、外枠体61を省略してもよい。上面板7についても同様に、外枠部に面材を取り付けて形成してもよい。また扉材17、面材62及び上面板7については、パンチング孔が開口されたパンチング板や、適宜の形状の孔が空けられた有孔板を用いて形成し、軽量化や内容物の視認を図るようにしてもよい。また金網製のネットや、金属製の棒材を縦横に巡らせたフェンス状体などを用いることもできる。上記パンチング孔等やネットや棒材の隙間は、カラスの嘴等が容易に侵入できないよう、50mm以下程度の直径としておくのが好ましい。
またパンチング孔は図7に示すように設けてもよい。パンチング孔Pは箱状の形状である折り畳み式ゴミ収容装置10に合わせて矩形の形状となされることで、パンチング孔Pが全体の形状に違和感なく溶け込んで美観が高められるようになされている。パンチング孔Pは前側枠体1の扉材17及び側面枠体6の面材62に設けられて、外側からのゴミの収容量の把握及び内部への通気性を確保してガス等の充満を防ぐように図られているが、パンチング孔Pは扉材17及び面材62の上半分のみに設けられている。折り畳み式ゴミ収容装置10内に収容されたゴミは重力により下方に配向すると共に、外側に拡がって扉材17や面材62の内面に押し付けられるような状態になる場合が多く、かかる状態でゴミがカラスの嘴等により容易に啄まれる恐れが大きくなるが、扉材17及び面材62の下半分にパンチング孔Pを設けていないことでそのような不具合が発生する恐れを小さくすることができる。また上面板7にはパンチング孔Pを設けないようにして、収容されたゴミが水濡れして不具合が発生するのを防止している。
図8は、後側枠体2への上面板7の取り付けの詳細を示す説明図である。上面板7の枠状部73は、アングル材21に対して平面コ字状の取付金具74を介して取り付けられることで、アングル材21と上面板7とが間隔をおいて取り付けられるようになされている。枠状部73と取付金具74とは回動軸72により接続されて、回動軸72を中心に上面板7が矢印Y2及び矢印Y5の両方向に回動自在となされている。上面板7の後端と、アングル材21の上面を閉塞する天板24との間には、上面板7の回動半径を確保するだけのクリアランスが設けられ、また取付金具74は、アングル材21の上面及び前面から突出しないように取り付けられている。
また囲繞部23を形成する後側枠体2の側面に、ガラスビーズを合成樹脂に埋設して成形した再帰反射体Rが取り付けられていることで、夜間においても車両の前照灯等により折り畳み式ゴミ収容装置10の存在が喚起され、車両等の衝突や擦過の発生を防止することができる。再帰反射体Rは後側枠体2の側面のみならず、後側枠体2の前面側や、前側枠体1の前側面側、上面板7の上面等、注意喚起の効果が高められる適宜の箇所に取り付けておくのが好ましい。
図9は、折り畳み式ゴミ収容装置10の収納状態での、後側枠体2を透視した側面図である。折り畳まれた状態で、前側枠体1及び側面枠体6が前後に重ねられ、後方の側面枠体6Bはヒンジ部63を介してアングル材21にヒンジ部63を中心に回動可能に取り付けられている。後側枠体2の後背面は背面板25により閉塞され、上面は天板24により閉塞されているが、側面及び前面は開放されている。アングル材21が筺状に枠組みされて後側枠体2が形成されていることで、後側枠体2内にはアングル材21の外面により囲まれた囲繞部23が形成されている。前側枠体1及び側面枠体6が前後に略隙間なく重ねられ、前側枠体1、側面枠体6及び上面板7を合わせた厚みが囲繞部23の厚みより小さくなされ、且つ前側枠体1及び側面枠体6の外周面が、後側枠体2の内周面より小さくなされていることで、収納状態において囲繞部23内に収納された前側枠体1、側面枠体6及び上面板7が、ヒンジ構造も含めて収められて囲繞部23の外にはみ出ないようになされている。
前側枠体1、側面枠体6及び上面板7が囲繞部23の外にはみ出ないように収められていることで、収納状態で歩行者や自転車が衝突した場合に、その衝撃がアングル材21により受け止められて、容易に前側枠体1、側面枠体6及び上面板7に到達しないようになされることで、これらの破損や変形を防止でき、とりわけ外力に対して変形し易いヒンジ構造の保護を図れることで、収納及び展開機構の耐久性を格段に高めることができる。また、第一の実施形態と同様に、汚損により好ましくない外観となる前側枠体1を後側枠体2及び上面板7により隠して、収納時の美観を高めることができる。
尚、本実施形態における折り畳み式ゴミ収容装置10は、例えば幅1500mm×高さ1000mm×奥行き1000mmの大きさのものを図示しているが、この大きさ及び幅、高さ及び奥行きの比率のものに限定されるものではなく、道路の側縁等に設置されるにおいて最も重要視される奥行きを設定するのに、例えば奥行きを700mmにしたい場合には側面枠体6及び上面板7の大きさを変更するのみで他の部材についてはそのまま用いることができ、部材の共通性を高めて種々の奥行きへの対応が容易なものとなされている。
更に設置状態において、折り畳み式ゴミ収容装置10の背面側を壁面等から距離を置くようにして、折り畳み式ゴミ収容装置10全体に自動車等のカバーの如き覆いを被せるようにすれば、折り畳み式ゴミ収容装置10の汚損を防止することができると共に、上面板7が固定されていない状態でも上面板7が風圧等により動揺して音鳴りが発生するのを防止することができ好ましい。
図10は、折り畳み式ゴミ収容装置10の横断面図で、(a)が展開状態、(b)が収納状態を示すものである。まず(a)において、側面枠体6は、回転二軸ヒンジであるヒンジ部64により後方の側面枠体6Bが背面側のアングル材21にヒンジ構造により取り付けられており、後方の側面枠体6Bと前方の側面枠体6Aとは平型蝶番であるヒンジ部63によりヒンジ構造によって取り付けられている。また前側枠体1と前方の側面枠体6Aとは、回転二軸ヒンジであるヒンジ部64によりヒンジ構造により取り付けられている。尚、ヒンジ部63及び64は、側面枠体6に対しては強度の高い外枠部61にビス止め又はリベット止めされて取り付けられている。
次に(b)において、前側枠体1の外周面の幅W1が、後側枠体2の内周面の幅W2より小さくなされていることで、前側枠体1は囲繞部23内に収容可能となされるが、側面枠体6が折り畳まれた状態でヒンジ部63までも含めた幅W3が幅W2の半分より小さくなされていることで、側面枠体6A及び6Bが互いに衝突することなく折り畳むことができるようになると共に、囲繞部23内で要する厚みは側面枠体6A及び6Bの厚み分だけとなされて囲繞部23内のスペースを有効に活用できるよう図られている。また上面板7についても、左右の幅が前側枠体1の幅W1と略同一となされており、囲繞部23に収容可能となされると共に前側枠体1及び側面枠体6の上に載置された際に段差が生じることがなくされて、美観を高めるようになされている。
図11は、上面板7の変形の一例で、折り畳み式ゴミ収容装置10の前面の上端角部付近の詳細を示す説明図である。上面板7の下面にゴム等の弾性体からなるパッキン材75が取り付けられ、前側枠体1及び側面枠体6上に上面板7が載置される際の衝撃を緩和し、各々の変形や破損を防止すると共に音鳴りを軽減しているが、ここでパッキン75の厚みは20〜30mmとなされており、その厚みにより上面板7の下面と前側枠体1の上面との間に20〜30mm程度の、カラスの嘴等が侵入できない程度の間隙Kが生じるようになされることで、上面板7を矢印Y2の方向に持ち上げる際に間隙Kに指を差し込んで行うことができ、把手71を設ける必要がなくなり、また急激に上面板7が閉じた場合でも指が挟まれるのを防ぐことができ、コストの低減及び安全性の向上を図ることができる。
図12及び図13は、上記第三の実施形態の、変形の一例を示すもので、サインボードの取り付けを示す説明図である。まず図12において、後側枠体2を形成するアングル材21の、上下方向に設けられたアングル材21の上面に取り付けられたキャップ26を取り外し、アングル材21の中空部211を上方に開放する。
図13において、サインボード8は折り畳み式ゴミ収容装置10の略全幅に亘って取り付けられるようになされたもので、アルミ樹脂積層板からなる表示板81の周囲に金属製の角パイプからなる枠体82が取り付けられ、枠体82の両側端の下面からは枠体82が延長される形で脚部83が下方に突設されている。まず(a)において、開放されたアングル材21の中空部211に脚部83が上方から挿入される。脚部83は、中空部211の内形より僅かに小さい外形となされることで中空部211に挿入可能となされると共に、挿入後のガタツキが抑えられるようになされている。脚部83の長さは、長いほどサインボード8を安定して取り付けることができるようになるが、枠体82と一体化された金属製の脚部83であれば、表示部81の高さの1/3〜1/4程度の長さであれば、風圧等に耐えうる構造とできる。
脚部83を中空部211に挿入することで(b)に示す如く折り畳み式ゴミ収容装置10の上面にサインボード8が取り付けられる。サインボード8が不要となった場合には、中空部211から脚部83を抜き取って再びキャップ26を取り付けることで元に戻すことができる。サインボード8は比較的高い場所に設けられることで訴求効果を高めることができ、一般の商業施設や企業の広告等を表示部81により標示してもよく、自治体の広報などを表示してもよく、またゴミ収集に関わる情報を表示して、ゴミ出し日の遵守を促すようにしてもよい。
本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第一の実施形態を示す説明図である。 本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第二の実施形態を示す説明図である。 図2に示した折り畳み式ゴミ収容装置の、変形の例を示す横断面図である。 図2に示した折り畳み式ゴミ収容装置の、変形の例を示す横断面図である。 本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第三の実施形態を示す説明図である。 本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第三の実施形態の収納時を示す説明図である。 上面板の取付部分の詳細を示す説明図である。 パンチング孔を設けた折り畳み式ゴミ収容装置の一例を示す斜視図である。 図5に示した折り畳み式ゴミ収容装置における後側枠体を透視した側面図である。 図5に示した折り畳み式ゴミ収容装置の横断面図である。 本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第三の実施形態における上面板の変形の例を示す説明図である。 本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第三の実施形態における変形の一例を示す説明図である。 本発明に係わる折り畳み式ゴミ収容装置の、第三の実施形態における変形の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 前側枠体
12 扉(扉枠材)
2 後側枠体
23 囲繞部
3 パンタグラフ伸縮機構
31 斜桟
32 ピン結合
33 X字体
34 縦桟
35 支持バー
4 間隔調整手段
5 膜状体
6 側面枠体
7 上面板
8 サインボード
10 折り畳み式ゴミ収容装置
D ゴミ

Claims (8)

  1. 開閉自在な扉が取り付けられた前側枠体と、後側枠体と、前記前側枠体と前記後側枠体とを伸縮自在に繋ぐパンタグラフ伸縮機構と、前記前側枠体と前記後側枠体との間の少なくとも両側面及び上面を覆う可とう性の膜状体とを備え、前記前側枠体の外周面が、前記後側枠体の内周面より小さくなされていることを特徴とする折り畳み式ゴミ収容装置。
  2. 前記膜状体は、一体のネットが折り曲げられて断面門型となされたものを用いていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式ゴミ収容装置。
  3. 前記パンタグラフ伸縮機構は、前記前側枠体及び前記後側枠体の左右両側に各々設けられ、斜桟がX字状に交差されると共に所定位置においてピン結合されたX字体が前後方向に複数設けられたものであって、該複数のX字体間には、上下方向に延びる縦桟が設けられ、該縦桟の上端において、左右の前記パンタグラフ伸縮機構間に支持バーが差し渡されて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折り畳み式ゴミ収容装置。
  4. 更に間隔保持手段が設けられ、該間隔保持手段によって展開時に前記前側枠体と前記後側枠体との間隔が保持されるようになされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳み式ゴミ収容装置。
  5. 前記後側枠体は、枠材が箱状に枠組みされて囲繞部が形成され、折り畳み時において、該囲繞部に前記前側枠体、前記パンタグラフ伸縮機構及び前記膜状体が収納可能となされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の折り畳み式ゴミ収容装置。
  6. 前記前側枠体は、前記扉の開放時には下方が開口されて門型となされたものであって、ゴミが収容され且つ前記扉が開放された状態で、前記パンタグラフ伸縮機構を収縮させて折り畳み可能となされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の折り畳み式ゴミ収容装置。
  7. 開閉自在な扉が取り付けられた前側枠体と、枠材が箱状に枠組みされて囲繞部が形成された後側枠体と、前側枠体と後側枠体とを繋ぎヒンジ構造により内側に折り畳み可能に接続された側面枠体と、後側枠体に取り付けられた上面板とを備え、収納時において前側枠体と側面枠体が囲繞部に収容可能となされ、後側枠体の前面側の少なくとも一部が上面板により覆われるようになされていることを特徴とする折り畳み式ゴミ収容装置。
  8. 前記上面板は、囲繞部に収容されるようになされていることを特徴とする請求項7に記載の折り畳み式ゴミ収容装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010195573A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Npo Chiteki Zaisanken Support Kyokai ゴミステーション
KR200496950Y1 (ko) * 2022-11-09 2023-06-16 김정원 접철 쓰레기 보관함

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