JP2007069715A - 車両用空調装置 - Google Patents

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JP2007069715A JP2005258357A JP2005258357A JP2007069715A JP 2007069715 A JP2007069715 A JP 2007069715A JP 2005258357 A JP2005258357 A JP 2005258357A JP 2005258357 A JP2005258357 A JP 2005258357A JP 2007069715 A JP2007069715 A JP 2007069715A
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Abstract

【課題】車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調制御を行うことができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両用空調装置は、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出するIRセンサ70と、このIRセンサ70によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段としてのエアコンECU8と、を備え、エアコンECU8は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、温度が上昇中であると判断された箇所は日射の影響があると推定して日射補正を行っている。この構成によれば、車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調制御が実施できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車室内における日射の影響を反映した空調制御の補正を行う車両用空調装置に関する。
従来、この種の車両用空調装置は、マトリックス型赤外線センサを用いて、乗員の温度を細かく分割した熱画像の各マトリックス要素の温度データとして測定し、これらのデータと所定の基準温度との差に基づいて乗員への日射の有無を判断するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−230728号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用空調装置は、乗員の温度を検出するのに多数に分割された熱画像の各マトリックス要素の温度データを取得して温度分布を作成するため、日射が当たってからその影響が熱画像の温度データにあらわれ、日射の影響がわかるまで一定の時間を要することになり、乗員が暑いと感じた後、ようやく冷房空調が強化されるといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調制御を行うことができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下に記載の技術的手段を採用する。請求項1に記載の車両用空調装置の発明は、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する温度検出手段(70)と、温度検出手段(70)によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段(8)と、を備え、制御手段(8)は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、温度が上昇中であると判断された箇所は日射の影響があると推定して日射補正を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、その温度の絶対値に関わらず、温度が上昇中である箇所の側に日射の影響があると推定することにより、車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調制御が実施できる。
請求項2に記載の車両用空調装置の発明は、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する温度検出手段(70)と、温度検出手段(70)によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段(8)と、を備え、制御手段(8)は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報についてそれぞれの箇所の温度上昇量を比較し、温度上昇量が大きい方の箇所を日射の影響があると推定して日射補正を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のそれぞれの箇所の温度上昇量を比較して温度上昇量が大きい方の箇所の側に日射の影響があると推定することにより、車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調制御が実施できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用空調装置において、日射の影響があると推定した箇所における温度上昇度合いに応じて日射補正を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、日射の影響があると推定した箇所の温度状態に適合した効率のよい空調制御が実施できる。
請求項4に記載の発明は、前請求項3に記載の車両用空調装置において、温度上昇度合いが大きいほど日射の影響が大きいと判断して、より車室内温度を下げるように日射補正を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、日射の影響があると推定した箇所の温度上昇度合いに応答した空調制御が行え、車室内温度の上昇を迅速に防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用空調装置において、車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段(83)を設け、日射検出手段(83)によって検出された日射量に応じて、日射補正を行うときの補正量を算出することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、日射検出手段により検出された日射量に応じた日射補正量の算出をあわせもつことにより、より精度の高い日射補正を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用空調装置において、制御手段(8)は、車室内における空調状態が暖房中であると判定したときは、暖房中でないと判定したときよりも日射補正における補正量を小さくすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、車室内が暖房されている場合は、車室内温度が上昇していても日射の影響ではないと判断して日射補正量を小さくすることで、より精度の高い日射補正を行うことができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る車両用空調装置の構成を示し、個別に制御可能な吹出し空調風が供給される複数の空調ゾーンを含めて模式的に示されている。図1に示すように、空調ゾーン1aは、前席の空調ゾーンのうち運転手席2側の領域を示し、空調ゾーン1bは、前席の空調ゾーンのうち運転手席の隣席である助手席3側の領域を示している。空調ゾーン1cは、後席4の空調ゾーンのうち運転手席側の領域を示し、空調ゾーン1dは、後席4の空調ゾーンのうち助手席側の領域である、空調ゾーン1cの隣側の領域を示している。
この車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1bのそれぞれの空調状態、例えば、空気温度を独立して調整するための前席用空調ユニット5と、空調ゾーン1c、1dのそれぞれの空調状態を独立して調整するための後席用空調ユニット6とから構成されている。前席用空調ユニット5はインストルメントパネルの内側に配置され、後席用空調ユニット6は、車室内の最後方部に配置されている
前席用空調ユニット5は、車室内に空調風を送風するための前席側空調ダクト50を備え、この前席側空調ダクト50には、車室内から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが開口されている。さらに、前席側空調ダクト50には、サーボモータ51aにより駆動されて、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉することができる内外気切替ドア51が備えられている。
また、前席側空調ダクト50内であって、外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内に向けて吹き出される空気流を発生させる送風ファン52が設けられ、送風ファン52は、ブロワモータ52aによって駆動されている。さらに、前席側空調ダクト50内であって、送風ファン52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としての蒸発器53が設けられ、さらに、この蒸発器53よりも空気下流側には、通風される空気を加熱するヒータコア540が設けられている。
そして、前席側空調ダクト50内であって、蒸発器53の空気下流側には、前席側空調ダクト50内を運転手席側通路50cと助手席側通路50dとに仕切っている仕切り板57が設けられている。運転手席側通路50cにおけるヒータコア540の側方には、バイパス通路50fが形成され、このバイパス通路50fは、ヒータコア540に対して蒸発器53により冷却された冷風をバイパスさせる場合に用いられる。
また、助手席側通路50dにおけるヒータコア540の側方には、バイパス通路50eが形成され、バイパス通路50eは、ヒータコア540に対して蒸発器53により冷却された冷風をバイパスさせる場合に用いられる。
ヒータコア540の空気上流側には、エアミックスドア55b、55cが設けられ、これらと、仕切り板57、運転手席側通路50c、助手席側通路50d、およびヒータコア540とでヒータユニット54を構成している。エアミックスドア55bは、その開度により、運転手席側通路50cを流通する冷風のうち、ヒータコア540を通る量とバイパス通路50fを通る量との比を調整する働きがある。他方、エアミックスドア55cは、その開度により、助手席側通路50eを流通する冷風のうち、ヒータコア540を通る量とバイパス通路50dを通る量との比を調整する働きがある。なお、エアミックスドア55b、55cには、駆動手段としてのサーボモータ55a、55dがそれぞれ連結されており、その開度は、エアコンECU8が制御するサーボモータ55a、55dによって、調整される。
蒸発器53は、図示しない圧縮機、凝縮器、受液器、および減圧器とともに、冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、前席側空調ダクト50内を流れる空気を冷却する。なお、圧縮機は、自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結され、この電磁クラッチを断続的に制御することによってその駆動および停止が制御されるものである。ヒータコア540は、自動車のエンジン冷却水を熱源とする熱交換装置であり、このヒータコア540は、蒸発器53によって冷却された冷風を加熱するものである。
運転手席側通路50cのうちヒータコア540の空気下流側には、運転手席側フェイス吹出口FrDrが開口されており、この運転手席側フェイス吹出口FrDrから吹き出される空気は、運転手席側通路50cから運転手席に着座する運転者の上半身に向けられる。さらに、運転手席側通路50cのうち運転手席側フェイス吹出口FrDrの空気上流部には、運転手席側フェイス吹出口FrDrを開閉する吹出口切替ドア56cが設けられている。
また、図示していないが、運転手席側通路50cは、運転手席側通路50cから運転者の下半身に向けて空気を吹き出す運転手席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち運転手席側領域に空気を吹き出す運転手席側デフロスタ吹出口と連通している。そして、運転手席側フット吹出口および運転手席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、図示していないが、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられている。これら運転手席側の各吹出口切替ドアは、エアコンECU8が制御する運転手席側のサーボモータ56aにより連動して開閉駆動される。
助手席側通路50dのうちヒータコア540の空気下流側には、助手席側フェイス吹出口FrPaが開口されており、助手席側フェイス吹出口FrPaから吹き出される空気は、助手席側通路50dから助手席に着座する助手席乗員の上半身に向けられる。さらに、助手席側通路50dのうち助手席側フェイス吹出口FrPaの空気上流部には、助手席側フェイス吹出口FrPaを開口する吹出口切替ドア56bが設けられている。
また、図示していないが、助手席側通路50dは、助手席側通路50dから助手席乗員の下半身に向けて空気を吹き出す助手席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち助手席側領域に空気を吹き出す助手席側デフロスタ吹出口と連通している。そして、助手席側フット吹出口および助手席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、図示していないが、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられている。そして、これら、助手席側の各吹出口切替ドアは、エアコンECU8が制御する助手席側のサーボモータ56dにより連動して開閉駆動される。
後席用空調ユニット6は、車室内に送風するための後席用空調ダクト60を備えている。この後席用空調ダクト60内の最上流部には、車室内から内気導入口60aを通して内気のみを導入する内気導入用ダクトが接続されている。この内気導入用ダクトの空気下流側には、車室内に向けて吹き出される空気流を発生させる送風ファン62が設けられ、送風ファン62は、ブロワモータ62aによって駆動される。
さらに、後席用空調ダクト60内であって送風ファン62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としての蒸発器63が設けられ、この蒸発器63の空気下流側には、通風される空気を加熱するヒータコア640が設けられている。
そして、後席用空調ダクト60内であって、蒸発器63の空気下流側には、後席側空調ダクト60内を後席運転手席側通路60cと後席助手席側通路60dとに仕切っている仕切り板67が設けられている。後席運転手席側通路60cにおけるヒータコア640の側方には、バイパス通路60fが形成され、このバイパス通路60fは、ヒータコア640に対して蒸発器63により冷却された冷風をバイパスさせる場合に用いられる。
そして、後席助手席側通路60dにおけるヒータコア640の側方には、バイパス通路60dが形成され、このバイパス通路60dは、ヒータコア640に対して蒸発器63により冷却された冷風をバイパスさせる場合に用いられる。
ヒータコア540の空気上流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられ、これらと、仕切り板67、後席運転手席側通路60c、後席助手席側通路60d、およびヒータコア640とでヒータユニット64を構成している。エアミックスドア65aは、その開度により、後席運転手席側通路60cを流通する冷風のうち、ヒータコア640を通る量とバイパス通路60fを通る量との比を調整する働きがある。他方、エアミックスドア65bは、その開度により、後席助手席側通路60bを流通する冷風のうち、ヒータコア640を通る量とバイパス通路60fを通る量との比を調整する働きがある。なお、エアミックスドア65a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ65c、65dがそれぞれ連結され、その開度は、エアコンECU8が制御するサーボモータ65c、65dによって、調整される。
蒸発器63は、蒸発器53に対して並列的に配管結合されるものであり、上述と同様の冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器であって、後席側空調ダクト60内を流れる空気を冷却する。ヒータコア640は、自動車のエンジン冷却水を熱源とする熱交換装置であり、ヒータコア540に対し並列的に接続されて、蒸発器63によって冷却される冷風を加熱する。
後席用空調ダクト60のうちヒータコア640の空気下流側には、後席運転手席側フェイス吹出口RrDrが開口されており、後席運転手席側フェイス吹出口RrDrから吹き出される空気は、後席運転手席側通路60cから後席運転手席側に着座する乗員の上半身に向けられる。さらに、後席運転手席側フェイス吹出口RrDrの空気上流部には、後席運転手席側フェイス吹出口RrDrを開閉する吹出口切替ドア66aが設けられ、この吹出口切替ドア66aは、エアコンECU8が制御する駆動手段としてのサーボモータ66cによって、開閉駆動される。
また、図示していないが、後席用空調ダクト60には、後席運転手席側通路60cから後席運転手席側の乗員の下半身に空気を吹き出す運転手席側フット吹出口が設けられている。この運転手席側フット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられ、この吹出口切替ドアは、エアコンECU8が制御するサーボモータによって開閉駆動される。
また、後席用空調ダクト60のうちヒータコア640の空気下流側には、後席助手席側フェイス吹出口RrPaが開口されており、この後席助手席側フェイス吹出口RrPaから吹き出される空気は、後席助手席側通路60dから後席助手席側に着座する乗員の上半身に向けられる。ここで、後席助手席側フェイス吹出口RrPaの空気上流部には、後席助手席側フェイス吹出口RrPaを開閉する吹出口切替ドア66bが設けられ、この吹出口切替ドア66bは、エアコンECU8が制御する駆動手段としてのサーボモータ66dによって開閉駆動される。
また、図示されていないが、後席用空調ダクト60には、後席助手席側通路60dから後席助手席側の乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、この吹出口切替ドアは、エアコンECU8が制御するサーボモータによって開閉駆動される。
制御手段であるエアコンECU8には、外気温度センサ81、冷却水温度センサ82、内気温度センサ84、85、蒸発器温度センサ86、87、および日射検出手段である日射センサ83、により検出された情報が送信されるように構成する。
この外気温度センサ81は、車室外温度Tamdispを検出してその検出温度を示す外気温度信号をエアコンECU8に出力する。この冷却水温度センサ82は、エンジンの冷却水、すなわち温水Twの温度を検出しその検出温度を示す冷却水温度信号をエアコンECU8に出力する。
この日射センサ83は、フロントウィンドウの内側にて車両左右方向の略中央部分に配置された周知の2素子(2D)タイプの日射センサであり、車室内の運転手席側空調ゾーン1aに入射される日射量TsDrと助手席側空調ゾーン1bに入射される日射量TsPaとを検出し、それら検出した各日射量を示す日射量信号をエアコンECU8に出力する。
この内気温度センサ84は、前席側空調領域である空調ゾーン1a、1bの空気温度TrFrを検出し、その検出温度を示す内気温度信号をエアコンECU8に出力する。この内気温度センサ85は、後席側空調領域である空調ゾーン1c、1dの空気温度TrRrを検出し、その検出温度を示す内気温度信号をエアコンECU8に出力する。
この蒸発器温度センサ86は、蒸発器53の吹出空気温度TeFrを検出し、その検出温度を示す蒸発器吹出温度信号をエアコンECU8に出力する。この蒸発器温度センサ87は、蒸発器63の吹出空気温度TeRrを検出し、その検出温度を示す蒸発器吹出温度信号をエアコンECU8に出力する。
エアコンECU8には、乗員が温度設定スイッチ9、10、11、12を操作することによりそれぞれ設定される、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの設定温度FrDrTset、FrPaTset、RrDrTset、RrPaTsetが送信される。なお、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、設定温度等の設定内容を表示する設定温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
また、エアコンECU8には、乗員等の表面温度を検出する温度検出手段であり、マトリクス型非接触赤外線温度センサであるIRセンサ70が接続され、このIRセンサ70により検出された温度情報が送信される。このIRセンサ70は、複数の温度検出セル71により構成され、車室内の複数箇所における所定範囲の温度情報をそれぞれマトリクス状に検出するものである。また、IRセンサ70としては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子が用いられている。また、車室内のある箇所で取得された温度情報を可視化する熱画像は、IRセンサを走査することにより作成してもよい。
本実施形態の車両用空調装置における特徴の一つは、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する、例えばIRセンサ70などの温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段としてのエアコンECU8と、を備え、エアコンECU8は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、温度が上昇中であると判断された箇所は日射の影響があると推定して日射補正を行うことにある。
さらに、エアコンECU8は、日射の影響があると推定した箇所における温度上昇度合いに応じて日射補正を行うことを特徴としている。
また、エアコンECU8は、温度上昇度合いが大きいほど日射の影響が大きいと判断して、より車室内温度を下げるように日射補正を行うことを特徴としている。
また、エアコンECU8は、車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段としての日射センサ83を設け、この日射センサ83によって検出された日射量に応じて、日射補正を行うときの補正量を算出することを特徴としている。
また、エアコンECU8は、車室内における空調状態が暖房中であると判定したときは、暖房中でないと判定したときよりも日射補正における補正量を小さくすることを特徴としている。
温度検出手段は、図2および図3に示すように、車室内の前席運転手席FrDr側のサイドウィンドウシールド21における温度検出範囲25、空調ゾーン1aに存在するFrDrの乗員の上半身温度を検出可能な温度検出範囲26、後席運転手席RrDr側のサイドウィンドウシールド23における温度検出範囲27、および空調ゾーン1cに存在するRrDr乗員の上半身温度を検出可能な温度検出範囲28における表面温度を検出するように構成されている。また、この温度検出手段は、図示していないが、車室内の運転手席の隣に位置する助手席側においても同様に、前席助手席FrPa側のサイドウィンドウシールド22における温度検出範囲、空調ゾーン1bに存在するFrPa乗員の上半身温度を検出可能な温度検出範囲、後席助手席RrPa側のサイドウィンドウシールド24における温度検出範囲、および空調ゾーン1dに存在するRrPa乗員の上半身温度を検出可能な温度検出範囲における表面温度も検出する。
この温度検出手段は、当該温度検出範囲に設けられた接触型温度検出センサで構成してもよいが、IRセンサ70で構成する場合には、マトリクス状に複数に分割された熱電対部がそれぞれの温度検出範囲に対向して配置され、検出対象とする温度検出範囲から入射される赤外線に基づいて、検出対象範囲の表面温度を電圧に変換して検出することになる。
次に、上記構成の車両用空調装置が行う空調補正制御を、図4〜図9を用いて説明する。まず、エアコンECU8は、電源が投入されると、ROM,RAMなどのメモリに記憶された制御プログラムがスタートし、図4に示すフロー図にしたがって空調補正制御を実行する。
図4に示すように、空調補正の制御フローにおける主なステップは、日射推定ステップ(S100)、空調状態判定ステップ(S200)、各日射補正量パラメータ算出ステップ(S300)、各部日射補正量算出ステップ(S400)、各部目標吹出温度算出ステップ(S500)、および空調装置の制御実行ステップ(S600)である。そして、イグニッションスイッチ(以下、IGとする)がONされてバッテリから電源が供給されると、各ステップにおける処理を順に実行し、これらの各ステップを繰り返し反復することで、IGがONの間、常に空調補正制御を実行することになる。
まず、日射推定ステップ(S100)について、図5を用いて説明する。この日射推定ステップは、車室内の少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、上昇中であると判断された箇所を確定して日射推定の度合いを算出するステップであり、その一例として、図5に示す制御フローでは、サイドウィンドウシールドなどのガラスの表面温度が上昇中であるか否かを判断して日射推定の度合いを算出している。なお、図5は、FrDrの領域における演算のフローを示したものであり、図示していないが、同様に、FrPa、RrDr、RrPaの各領域についても演算を行うものとする。
まず、FrDr側日射推定度合いを0にして初期値に設定する(ステップS110)。そして、温度設定スイッチ9、10、11、および12から各設定温度信号FrPaTset、FrDrTset、RrDrTset、およびRrPaTsetを読み込むとともに、外気温度センサ81から外気温度信号Tamdisp、内気温度センサ84、85から内気温度FrTr、RrTr、日射センサ83から各部日射量FrDrTs、FrPaTs、RrDrTs、RrPaTs、およびIRセンサ70からFrDr側サイドウィンドウ21の温度およびFrDr乗員の上半身温度をそれぞれ継続的に読み込んでいく。
そして、現在のFrDr側サイドウィンドウの温度が所定時間前(例えば、4秒前)の温度よりも上昇しているか否かを判断する(ステップS120)。現在のFrDr側サイドウィンドウの温度が4秒前よりも上昇していると判断されたときは、続いて、現在のFrDr乗員の上半身温度が所定時間前(例えば、4秒前)の温度よりも上昇しているか否かを判断する(ステップS130)。現在のFrDr乗員の上半身温度が4秒前よりも上昇していると判断されたときは、次式(A1)によってFrDr側日射推定度合いを算出する(ステップS140)。
FrDr側日射推定度合い
=4秒前のFrDr側日射推定度合い
+(4秒前のFrDr側サイドウィンドウ温度上昇分×3.0)・・・式(A1)
このように、日射の影響があると推定した箇所における温度上昇度合いに応じて日射補正を行うことによって、日射の影響があると推定した箇所の温度状態に適合した空調制御を行うことになる。そして、空調状態判定ステップS200を実行する。
一方、ステップS120において、現在のFrDr側サイドウィンドウの温度が4秒前よりも上昇していないと判断された場合や、ステップS130において、現在のFrDr乗員の上半身温度が4秒前よりも上昇していないと判断された場合は、次式(A2)によってFrDr側日射推定度合いを算出する(ステップS150)。
FrDr側日射推定度合い
=4秒前のFrDr側日射推定度合い
−4秒前のFrDr側サイドウィンドウ温度上昇分/10・・・式(A2)
このようにしてFrDr側日射推定度合いは、所定時間に1回(本実施形態ではその一例として4秒に1回)更新することになる。エアコンECU8は、引き続きIRセンサ70などの温度検出手段が検出する他の箇所についても、同様に温度上昇中である箇所を割り出し、日射の影響のある箇所を推定する。そして、空調状態判定ステップS200を実行する。
ステップS200の空調状態判定ステップは、各空調ゾーンにおける現在の空調モードが、暖房中であるか否かを判定するステップである。図6は、FrDr(前席運転手席)側空調状態判定パラメータf1を算出するための図であり、図7は、RrDr(後席運転手席)側空調状態判定パラメータr1を算出するための図である。
図6および図7は、横軸にそれぞれFrTOADr、RrTOADrといった目標吹出温度をとり、縦軸にそれぞれ対応するf1、r1をとってそれらの関係を示し、これらはあらかじめ制御プログラムに格納されている。また、FrTOAPaは図6のFrTOADrに置き換えることができ、RrTOAPaは図7のRrTOADrに置き換えることができる。なお、図6および図7における各数値は一例を示したものであり、必ずしも表示された数値に限定されるものではない。
横軸のFrTAODr、FrTOAPa、RrTOAPa、RrTOADrはそれぞれ、次式(A3)〜(A6)を用いて算出し、算出した値を図6および図7に当てはめると対応するf1、r1が求められることになる。
FrTAODr
=FrKet×FrDrTset−FrKr×FrTr−FrKam×Tamdisp
−FrKs×TsDr+FrC・・・式(A3)
FrTAOPa
=FrKet×FrPaTset−FrKr×FrTr−FrKam×Tamdisp
−FrKs×TsPa+FrC・・・式(A4)
RrTAODr
=RrKet×RrDrTset−RrKr×RrTr−RrKam×Tamdisp
−RrKs×TsDr+RrC・・・式(A5)
RrTAOPa
=RrKet×RrPaTset−RrKr×RrTr−RrKam×Tamdisp
−RrKs×TsPa+RrC・・・式(A6)
ここで、FrKsetは前席用温度設定ゲイン、RrKsetは後席用温度設定ゲイン、FrKrは前席用内気温ゲイン、RrKrは後席用内気温ゲイン、FrKamは前席用外気温ゲイン、RrKamは後席用外気温ゲイン、FrKsは前席用日射ゲイン、RrKsは後席用日射ゲイン、FrCは前席用補正数、RrCは後席用補正数である。
図6および図7に示すように、エアコンECU8は、横軸の目標吹出温度が35〜45℃の範囲であるときは、暖房中であると判定して、縦軸の値を暖房中でないときよりも低く算出し、後述する日射補正量を小さくすることになる。
次に、図4に示す日射補正パラメータ算出のステップS300をあらかじめ制御プログラムに記憶された図8および図9の関係図を用いて説明する。このステップS300では、算出する日射補正量パラメータのうち、f3、f4、r3、r4を求める。f3、f4、r3、r4のパラメータは、日射方向、日射の有無を示すパラメータである。f3、f4は、それぞれ日射センサ83で検出されたFrDr日射量、FrPa日射量に対応する値を図8、図9の関係図から算出することで得られる。また、後席4側の日射補正パラメータr3、r4についても、あらかじめ制御プログラムに記憶された関係図(図示しない)から、前席2、3側のf3、f4と同様に算出することとする。
このようにステップS300において、エアコンECU8は、検出された日射量に応じて日射補正を行うときの補正量を算出している。
次に、これまで算出した各日射補正パラメータf1、r1、f3、r3、f4、r4、およびステップS100で算出した各部の日射推定度合いを用いて、次式(A7)〜(A10)から日射補正量を算出する(ステップS400)。
FrDr日射補正量
=−FrDr側日射推定度合い×2.0×f1×f3・・・式(A7)
FrPa日射補正量
=−FrPa側日射推定度合い×2.0×f1×f4・・・式(A8)
RrDr日射補正量
=−RrDr側日射推定度合い×2.0×r1×r3・・・式(A9)
RrPa日射補正量
=−RrPa側日射推定度合い×2.0×r1×r4・・・式(A10)
このようにして、各部における日射補正量が求められると、次式(1)〜(4)に各値を代入して車室内に吹き出す空気の目標吹出温度を算出する(ステップS500)。この目標吹出温度は、日射の有無を高い精度で推定し、空調補正を行ったことにより得られた目標温度である。
FrTAODr
=FrKet×FrDrTset−FrKr×FrTr−FrKam×Tamdisp
−FrKs×TsDr+FrC+FrDr日射補正量・・・式(1)
FrTAOPa
=FrKet×FrPaTset−FrKr×FrTr−FrKam×Tamdisp
−FrKs×TsPa+FrC+FrPa日射補正量・・・式(2)
RrTAODr
=RrKet×RrDrTset−RrKr×RrTr−RrKam×Tamdisp
−RrKs×TsDr+RrC+RrDr日射補正量・・・式(3)
RrTAOPa
=RrKet×RrPaTset−RrKr×RrTr−RrKam×Tamdisp
−RrKs×TsPa+RrC+RrPa日射補正量・・・式(4)
そして、エアコンECU8は、以上のように算出したFrTAODr、FrTAOPa、RrTAODr、RrTAOPaに基づいて、以下に示す各部品を制御することによって車両用空調装置の制御を実行する(ステップS600)。具体的には、FrTAODr、FrTAOPaの平均値、およびRrTAODrとRrTAOPaの平均値に基づいて、ブロワモータ52a、62aに印加する電圧を決定し、さらに、FrTAODr、FrTAOPa、RrTAODr、RrTAOPaに基づいて、内外気切替ドア51の開閉制御による内外気切替モードの決定、空調ゾーン毎の吹出口モードの決定(フェイスモード、バイレベルモード、フットモード)、およびエアミックスドア55b、55c、65a、65bの目標開度の決定を行う。そして、決定された、ブロワモータの印加電圧、内外気切替モード、吹出口モード、エアミックスドアの目標開度のそれぞれを制御する信号をブロワモータ52a、サーボモータ51a、56a、56d、66c、66d、55a、55d、65c、65d等に出力して、送風ファン52、送風ファン62a、内外気切替ドア51、吹出口切替ドア56b、56c、66a、66b、エアミックスドア55b、55c、65a、65bのそれぞれの作動を制御する。
このようにして空調補正に伴う車両用空調装置の制御が実行された後は、再度ステップS100に戻り、さらに継続的にステップS100〜S600の処理を実行することで日射の影響に対して応答性に優れた空調制御を実施することができる。
このように本実施形態の車両用空調装置は、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出するIRセンサ70と、このIRセンサ70によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段としてのエアコンECU8と、を備え、エアコンECU8は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、温度が上昇中であると判断された箇所は日射の影響があると推定して日射補正を行っている。この構成によれば、車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調制御が実施できる。また、日射の影響を検出するための画素を低減することができる。さらに、日射センサでは検出することが難しい、仰角の小さい日射による影響を検出することが比較的容易に行える。
さらに、エアコンECU8は、日射の影響があると推定した箇所における温度上昇度合いに応じて日射補正を行っている。この構成を採用した場合には、日射の影響があると推定した箇所の温度状態に適合した空調を提供することができる。
また、エアコンECU8は、温度上昇度合いが大きいほど日射の影響が大きいと判断して、より車室内温度を下げるように日射補正を行っている。この構成を採用した場合には、日射の影響があると推定した箇所の温度上昇度合いに応答した空調制御が行える。
また、エアコンECU8は、日射センサ83によって検出された日射量に応じて、日射補正を行うときの補正量を算出している。この構成を採用した場合には、より精度の高い日射補正を行うことができる。また、日射センサの検出値が低い場合には、車室内の温度が上昇しても、日射の影響ではないと判断し、日射補正を行わない制御を実施することもできる。このような制御であれば、さらに精度の高い空調補正が行える。
また、エアコンECU8は、空調状態が暖房中であると判定したときは、暖房中でないと判定したときよりも日射補正における補正量を小さくする。この構成を採用した場合には、車室内が暖房されている場合は日射補正量を小さくすることで、より精度の高い日射補正を行うことができる。
(第2実施形態)
本実施形態の車両用空調装置の特徴の一つは、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する、例えばIRセンサ70などの温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段としてのエアコンECU8と、を備え、エアコンECU8は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報についてそれぞれの箇所の温度上昇量を比較し、温度上昇量が大きい方の箇所を日射の影響があると推定して日射補正を行うことにある。
本実施形態では、第1実施形態の車両用空調装置に対して、図4のステップS100における日射推定ステップとして図10に示す制御フローを実施する点のみが異なり、その他の処理手順や方法は同様であり、その説明は省略する。また、本実施形態の車両用空調装置の基本構成部品および温度検出範囲は、図1〜図3に示すものと同一であり、その説明は第1実施形態に委ね、省略する。
本実施形態における日射推定ステップを説明する。図10に示すように、この日射推定ステップは、車室内の少なくとも2箇所以上において検出された温度情報についてそれぞれの箇所の温度上昇量を比較し、温度上昇量が大きい方の箇所を日射の影響があると推定して日射推定の度合いを算出するステップであり、その一例として、図10に示す制御フローでは、単位時間当たりのサイドウィンドウシールドなどのガラスの温度上昇量と、単位時間当たりの乗員上半身の温度上昇量とをそれぞれ車両左右方向で比較して、車両の左右いずれの箇所が温度上昇しているかを判断することによって、日射推定の度合いを算出している。なお、図10は、FrDrの領域がFrPaの領域よりも温度上昇量が大きいときのフローを示したものであり、図示していないが、同様に、FrPa、RrDr、RrPaの各領域についても他の箇所との温度上昇量の比較を行う演算を行うものとする。
まず、FrDr側日射推定度合いを0にして初期値に設定する(ステップS110)。そして、温度設定スイッチ9、10、11、および12から各設定温度信号FrPaTset、FrDrTset、RrDrTset、およびRrPaTsetを読み込むとともに、外気温度センサ81から外気温度信号Tamdisp、内気温度センサ84、85から内気温度FrTr、RrTr、日射センサ83から各部日射量FrDrTs、FrPaTs、RrDrTs、RrPaTs、およびIRセンサ70からFrDr側サイドウィンドウ21の温度、FrPa側サイドウィンドウ22の温度、FrDr乗員の上半身温度、FrPa乗員の上半身温度をそれぞれ継続的に読み込んでいく。
そして、所定時間内(例えば、4秒間)におけるFrDr側サイドウィンドウの温度上昇量が、所定時間内(例えば、4秒間)におけるFrPa側サイドウィンドウの温度上昇量よりも大きいか否かを判断する(ステップS120A)。FrDr側サイドウィンドウの温度上昇量の方が大きいと判断されたときは、続いて、所定時間内(例えば、4秒間)におけるFrDr乗員の上半身温度の上昇量が、所定時間内(例えば、4秒間)におけるFrPa乗員の上半身温度の上昇量よりも大きいか否かを判断する(ステップS130A)。FrDr乗員の上半身温度の上昇量の方が大きいと判断されたときは、次式(B1)によってFrDr側日射推定度合いを算出する(ステップS140A)。
FrDr側日射推定度合い
=4秒前のFrDr側日射推定度合い
+(4秒前のFrDr側サイドウィンドウ温度上昇分×3.0)・・・式(B1)
このように、日射の影響があると推定した箇所(この場合は運転手席側)における温度上昇度合いに応じて日射補正を行うことによって、日射の影響があると推定した箇所の温度状態に適合した空調制御を行うことになる。そして、空調状態判定ステップS200を実行する。
一方、ステップS120Aにおいて、FrDr側サイドウィンドウの温度上昇量の方が小さいと判断された場合や、ステップS130Aにおいて、FrDr乗員の上半身温度の上昇量の方が小さいと判断された場合は、次式(B2)によってFrDr側日射推定度合いを算出する(ステップS150)。
FrDr側日射推定度合い
=4秒前のFrDr側日射推定度合い
−4秒前のFrDr側サイドウィンドウ温度上昇分/10・・・式(B2)
このようにしてFrDr側日射推定度合いは、所定時間に1回(本実施形態ではその一例として4秒に1回)更新することになる。エアコンECU8は、引き続きIRセンサ70などの温度検出手段が検出する他の箇所についても、同様に温度上昇量の比較を行っていき、温度上昇量が大きい箇所を割り出し、日射の影響のある箇所を推定する。次に、空調状態判定ステップS200を移行し、順次、ステップS600まで各ステップを実行していく。そして、再度ステップS100に戻り、さらに継続的にステップS100〜S600の処理を実行することで日射の影響に対して応答性に優れた空調制御を実施することができる。
このように本実施形態の車両用空調装置は、車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する、例えば、IRセンサ70などの温度検出手段と、この温度検出手段によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行うエアコンECU8と、を備え、エアコンECU8は、少なくとも2箇所以上において検出された温度情報についてそれぞれの箇所の温度上昇量を比較し、温度上昇量が大きい方の箇所を日射の影響があると推定して日射補正を行う。この構成によれば、車室内における日射の影響を反映した優れた応答性を有する空調を提供できる。
さらに、エアコンECU8は、日射の影響があると推定した箇所における温度上昇度合いに応じて日射補正を行っている。この構成を採用した場合には、日射の影響があると推定した箇所の温度状態に適合した空調を提供することができる。
また、エアコンECU8は、温度上昇度合いが大きいほど日射の影響が大きいと判断して、より車室内温度を下げるように日射補正を行っている。この構成を採用した場合には、日射の影響があると推定した箇所の温度上昇度合いに応答した空調制御が行える。
また、エアコンECU8は、日射センサ83によって検出された日射量に応じて、日射補正を行うときの補正量を算出している。この構成を採用した場合には、より精度の高い日射補正を行うことができる。また、日射センサの検出値が低い場合には、車室内の温度が上昇しても、日射の影響ではないと判断し、日射補正を行わない制御を実施することもできる。このような制御であれば、さらに精度の高い空調補正が行える。
また、エアコンECU8は、空調状態が暖房中であると判定したときは、暖房中でないと判定したときよりも日射補正における補正量を小さくする。この構成を採用した場合には、車室内が暖房されている場合は日射補正量を小さくすることで、より精度の高い日射補正を行うことができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態の他に、温度検出手段としてのIRセンサが検出する温度検出範囲を図11に示すように構成してもよい。図11は、前方から後方に向けて車室内を見た図であり、温度検出範囲31および37は空調ゾーン1aの領域の検出範囲を示し、温度検出範囲32および38は空調ゾーン1bの領域の検出範囲を示し、温度検出範囲33は空調ゾーン1cの領域の検出範囲を示し、温度検出範囲34は空調ゾーン1dの領域の検出範囲を示している。また、温度検出範囲39は前席と後席の中間部、および運転手席と助手席の中間部における検出範囲を示している。温度検出範囲35、36は、それぞれ前席運転手席側サイドウィンドウシールドの検出範囲、前席助手席側サイドウィンドウシールドの検出範囲を示している。
また、温度検出手段としてのIRセンサ、および日射検出手段としての日射センサは、図12に示すように配置する構成としてもよい。IRセンサ40は、フロントガラス上方の車室内に設けられ、空調ゾーン1aまたは空調ゾーン1bにおける乗員等の表面温度分布をマトリクス状に検出し、また、同様に後席側領域の温度分布をマトリクス状に検出する場合には、IRセンサ41を車室内の天井部に設け、空調ゾーン1cまたは空調ゾーン1dにおける温度分布を検出する。なお、このようなIRセンサ40、41は、他の手段で温度検出を行うことができる場合には、車室内にいずれか一方のみ設ける構成としてもよいし、両方を備える構成としてもよい。2素子(2D)タイプの日射センサ42は、前席側における日射量を検出するものでダッシュボード周辺に配置され、日射センサ43は後席より後方のリアトレイに設けられ、後席側における日射量を検出する。
上述の実施形態においては、検出される少なくとも2箇所以上の温度検出位置は、サイドウィンドウシールドの他、サイドウィンドウシールド近傍の内装表面、乗員の表面、シート表面、フロントウィンドウガラス、リアウィンドウガラスなどとすることも可能である。なお、ここでいうサイドウィンドウシールド近傍の内装表面とは、サイドウィンドウシールドが配置されている窓枠の周辺における車室内壁面を指しており、特に、日射の角度が低仰角であるときの日射影響を検出するためには、窓枠よりも下側の、運転席側乗員または助手席側乗員寄りの車室内壁面であることが望ましい。
また、第2実施形態において温度上昇量が比較される箇所は、運転手席側と助手席側といった車室内の左右方向箇所だけでなく、例えば、前席側と後席側といった車室内の前後方向箇所であってもよい。
また、上述の実施形態においては、車室内における前後方向の空調ゾーンとして、前席空調ゾーンと後席空調ゾーンの2分割した空調ゾーンを説明しているが、いわゆる3列シートを有する車両に適用する場合には、前後方向の空調ゾーンを3分割してそれぞれが空調制御可能である構成としてもよい。
第1および第2実施形態の車両用空調装置の概略構成を示した模式図である。 第1および第2実施形態の温度検出手段によるFrDr(前席運転手席)側の温度検出範囲を示す概略図である。 第1および第2実施形態の温度検出手段によるRrDr(後席運転手席)側の温度検出範囲を示す概略図である。 第1実施形態の車両用空調装置における空調補正の制御動作を示したフロー図である。 図4の日射推定ステップにおける処理手順を示したフロー図である。 図4の空調状態判定ステップで用いられるFrDr(前席運転手席)側空調状態判定パラメータf1を算出するための図である。 図4の空調状態判定ステップで用いられるRrDr(後席運転手席)側空調状態判定パラメータr1を算出するための図である。 第1および第2実施形態の車両用空調装置における空調補正の制御動作において、FrDr(前席運転手席)側日射補正パラメータf1を算出するための図である。 第1および第2実施形態の車両用空調装置における空調補正の制御動作において、FrPa(前席助手席)側日射補正パラメータf4を算出するための図である。 第2実施形態の車両用空調装置における空調補正の制御動作を示したフロー図である。 その他の実施形態で説明するIRセンサによる検出範囲を示す図である。 その他の実施形態で説明する各種センサの配置を示す図である。
符号の説明
8 エアコンECU(制御手段)
70 IRセンサ(温度検出手段)
83 日射センサ(日射検出手段)

Claims (6)

  1. 車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する温度検出手段(70)と、前記温度検出手段(70)によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段(8)と、を備え、
    前記制御手段(8)は、前記少なくとも2箇所以上において検出された温度情報のうち、温度が上昇中であると判断された箇所は日射の影響があると推定して日射補正を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車室内の少なくとも2箇所以上の温度を検出する温度検出手段(70)と、前記温度検出手段(70)によって検出された温度情報に基づいて日射補正を行う制御手段(8)と、を備え、
    前記制御手段(8)は、前記少なくとも2箇所以上において検出された温度情報についてそれぞれの箇所の温度上昇量を比較し、前記温度上昇量が大きい方の箇所を日射の影響があると推定して日射補正を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記日射の影響があると推定した箇所における温度上昇度合いに応じて日射補正を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記温度上昇度合いが大きいほど日射の影響が大きいと判断して、より車室内温度を下げるように日射補正を行うことを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段(83)を設け、
    前記日射検出手段(83)によって検出された日射量に応じて、前記日射補正を行うときの補正量を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御手段(8)は、車室内における空調状態が暖房中であると判定したときは、暖房中でないと判定したときよりも前記日射補正における補正量を小さくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用空調装置。
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