JP2007065198A - 自動演奏装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 演奏者がアンブシュア検出センサ11に唇4を着け、唇リードを形成させて息を吹き込むと、このときのアンブシュアと息圧が、それぞれアンブシュア検出センサ11および息圧センサ12によって検出される。息圧修正部16は、息圧自動演奏データに対して、検出した息圧情報を関与度r2に対応する量だけ加味して修正息圧信号を生成し、アンブシュア修正部14も同様にして修正アンブシュア信号を生成する。補助信号に応じて息圧アクチュエータ21とアンブシュアアクチュエータ18が駆動され、これにより、楽器演奏装置1は、演奏者の演奏行為を関与度に従って関与させた自動演奏をトランペット2に行わせることができる。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、上述した従来の技術においては、自分の演奏操作を自動演奏に関与させることはできなかった。
本発明の更に好ましい態様において、前記演奏操作量検出手段は、演奏者が唇をつけて息を吹き込むマウスピースに取り付けられたセンサを有し、前記センサは前記マウスピースに対する演奏者のアンブシュアを検出し、前記操作量は前記アンブシュアを含むようにしてもよい。
また、本発明の更に好ましい態様において、前記演奏操作量検出手段は、演奏者が唇をつけて息を吹き込むマウスピースに取り付けられて前記息の息圧を検出する息圧センサを有し、前記操作量は前記息圧を含むようにしてもよい。
また、本発明の更に好ましい態様において、前記演奏対象となる楽器は金管楽器であり、前記演奏操作手段は前記金管楽器のマウスピースに取り付けられた振動子を有し、前記振動子を前記修正演奏パラメータに基づいて励振させるようにしてもよい。
また、本発明の別の好ましい態様において、前記演奏対象となる楽器はエアーリードによって発音する木管楽器であり、前記演奏操作量検出手段は、前記木管楽器の吹き込み口に取り付けられ、演奏者によって吹き込まれる息のジェット流速、ジェット長さ、ジェット幅を検出するセンサを有し、前記操作量は前記センサが検出する前記ジェット流速、前記ジェット長さ、前記ジェット幅を含み、前記演奏操作手段は、前記木管楽器の吹き込み口に取り付けられる振動子を有し、前記振動子を前記修正演奏パラメータに基づいて励振させるようにしてもよい。
また、本発明の好ましい態様において、前記演奏操作量検出手段は擦弦楽器の指板に取り付けられ運指を検出する指板センサと、前記擦弦楽器の弦を弾く弓の前記弦に対する圧力、前記弓の角度、および前記弓の移動の速さを各々検出するセンサを有し、これらのセンサからの出力信号を前記操作量に含み、前記演奏操作手段は演奏対象となる擦弦楽器の弦を押さえる押弦アクチュエータと、前記擦弦楽器の弦を弾く弓を駆動する弓アクチュエータを有し、前記修正パラメータに基づいて前記押弦アクチュエータおよび前記弓アクチュエータを駆動するようにしてもよい。
図1はこの発明の第1の実施形態である楽器演奏装置1の構成を示す図である。図において、2はトランペットであり、3はトランペット2に装着されるマウスピースである。4は演奏者の唇である。11は、例えば演奏者の唇の緊張(スティッフィネス)や唇の開口(アパチュア)サイズ等、演奏者の唇の構えに関する物理情報(以下、アンブシュアと呼ぶ)を検出し、その物理情報を表す信号を生成するアンブシュア検出センサである。
アンブシュア修正部14は、具体的には、Sa×(1−r)+Sb×rという演算を行ってその演算結果を修正アンブシュア信号として出力する。
次に、15は、息圧センサ12からの信号に基づいて息圧情報を生成する息圧検出部である。D2は、予め楽器演奏装置1に記憶された息圧自動演奏データであり、楽曲の自動演奏を行うための息圧を示すデータである。16は、息圧自動演奏データD2と息圧検出部15から供給される息圧情報と関与度r2とに基づいて修正息圧信号を生成する息圧修正部である。なお、息圧修正部16の電気回路構成および修正息圧信号の生成方法は、図2に示したアンブシュア修正部14のそれと同様であり、ここではその説明を省略する。
アンブシュア自動演奏データD1、息圧自動演奏データD2および運指自動演奏データD3は、一つの曲に対応するデータとしてそれぞれが生成されており、読み出される際には、図示せぬ読み出し制御部によって同期して読み出されるようになっている。
以上の動作により、トランペット2からは、運指アクチュエータ33による運指と人工唇19のアンブシュアと息圧アクチュエータ21から流入する空気流に応じた音が発音される。この発音は、人工唇19のリップリードに基づく音であり、トランペット2の管路の気柱共鳴の音となる。これにより、楽器演奏装置1は、演奏者の演奏行為を関与度r,r2,r3に従って関与させた自動演奏をトランペット2に行わせることができる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
図3はこの発明の第2の実施形態である楽器演奏装置200の構成を示す図である。この楽器演奏装置200が、図1に示した第1の実施形態である楽器演奏装置1と異なる点は、演奏者の演奏行為を検出するためのアンブシュア検出センサ11、息圧センサ12および擬似ピストンバルブ29が、トランペット2とは別のトランペット6に設けられている点である。なお、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付してその説明を省略する。
以上の動作により、トランペット2からは、運指アクチュエータ33による運指と人工唇19のアンブシュアと息圧アクチュエータ21から流入する空気流に応じた音が発音される。この発音は、人工唇19のリップリードに基づく音であり、トランペット2の管路の気柱共鳴の音となる。これにより、楽器演奏装置200は、トランペット6における演奏者の演奏行為を、関与度r,r2,r3に従って自動演奏に関与させることができる。
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
図4はこの発明の第3の実施形態である楽器演奏装置300の構成を示す図である。この楽器演奏装置300が、図1に示した第1の実施形態である楽器演奏装置1と異なる点は、演奏者の演奏行為を検出するためのアンブシュア検出センサ11、息圧センサ12、擬似ピストンバルブ29、アンブシュア検出部13、息圧検出部15および運指検出部30が設けられていない点と、ビデオカメラ301、動画画像解析部302、ピッチ変化抽出部303、ダイナミクス変化抽出部304、音符長さ抽出部305、打点タイミング抽出部306が設けられている点である。なお、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。図6はこの発明の第4の実施形態である楽器演奏装置400の構成を示す図である。この楽器演奏装置400が、図4に示した楽器演奏装置300と異なる点は、ビデオカメラ301に代えて、マイクロフォン401を備えている点と、動画画像解析部302に変えて、波形解析部402を備えている点である。なお、以下の説明においては、第3実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。図8はこの発明の第5の実施形態である楽器演奏装置500の構成を示す図である。この楽器演奏装置500が、この発明の第1実施形態である楽器演奏装置1と異なる点は、息圧やアンブシュアを検出してそれらを修正するのに加えて、振動波形を検出してその振動波形を示す波形データから音量やピッチを算出して、それらの値に応じて息圧アクチュエータやアンブシュアアクチュエータを駆動させる点である。なお、図8において、第1の実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して適宜その説明を省略する。図8において、501は音を収音してその振動波形を表す信号を生成するマイクロフォンである。502は振動波形検出部であり、マイクロフォン501で生成される信号から振動波形を検出する。503は振動波形検出部502から検出される振動波形を、音量を示す音量データとピッチを示すピッチデータとに変換する音量/ピッチ変換部である。504は音量/ピッチ変換部503で変換された音量データとピッチデータから息圧情報とアンブシュア(以下、物理演奏情報)を生成する物理演奏情報変換部である。505は物理演奏情報変換部504で生成された物理演奏情報を、関与度rに応じて修正する物理演奏情報修正部である。この物理演奏情報修正部505は第1実施形態の図2に示した電気回路と同様のものを備えており、この電気回路によって、関与度rに応じて物理演奏情報自動演奏データを修正する。
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。図9はこの発明の第6の実施形態である楽器演奏装置600の構成を示す図である。この楽器演奏装置600が、第5実施形態である楽器演奏装置500と異なる点は、アンブシュアアクチュエータや息圧アクチュエータを備えていない点と、振動アクチュエータを備えており、振動波形を発生させて演奏補助を行う点である。以下の説明においては、第5実施形態との相違点を中心に説明することとし、第5実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
管楽器においては、運指が同じでも異なる音程が出せるので、運指と物理演奏情報の両方を使用して発音音程を決定することが好ましい。
また、唇の固有振動数を平均律の離散化した音程で鳴らすようにしてもよい。
次に、この発明の第7の実施形態について説明する。図10はこの発明の第7の実施形態である楽器演奏装置700の構成を示す図である。この楽器演奏装置700は、検出したアンブシュアから演奏者の唇の固有振動数を算出し、算出した固有振動数を自動演奏データに反映させるものである。
次に、この発明の第8の実施形態について説明する。図11はこの発明の第8の実施形態である楽器演奏装置800の構成を示す図である。この楽器演奏装置800が、図10に示した第7の実施形態である楽器演奏装置700と異なる点は、マイクロフォン801を備えている点と、マイクロフォン801で生成する振動波形から演奏者の唇の固有振動数を算出する点である。
次に、この発明の第9の実施形態を説明する。図12はこの発明の第9の実施形態である楽器演奏装置900の構成を示す図である。なお、図12において、上述した第1乃至第8の実施形態と同様の構成要素については同様の符号を付して適宜その説明を省略する。
リードの直下部分や、マウスピース内の発音波形の波形に極力似せるために、アンブシュアと息圧とから駆動波形を生成する。リードの振動波形や、マウスピース直下部分の音圧波形を生成し、リード上に配備されたアクチュエータ、またはマウスピース内に配備された小型スピーカなどのアクチュエータで加振してやれば、楽器のトーンホールやベルから、本物に近い楽器音が得られる。
次に、この発明の第10の実施形態を説明する。図13はこの発明の第10の実施形態である楽器演奏装置1000の構成を示す図である。なお、図13において、上述した第9の実施形態と同様の構成要素については同様の符号を付して適宜その説明を省略する。
次に、この発明の第11の実施形態を説明する。図14はこの発明の第11の実施形態である楽器演奏装置1100の構成を示す図である。図において、110,120は例えばバイオリン等の弦楽器である。楽器演奏装置1100は弦楽器110を用いて自動演奏を行う。一方、弦楽器120は演奏者の演奏行為を検知するために用いられる。11a,12aはそれぞれ弦楽器110,120の弓である。1111は弓12aの弓毛にかかる圧力を検出して弓圧を示す信号を生成する弓圧センサであり、1112は弓12aの弓の速度を検出して弓速を示す信号を生成する弓速センサである。1113は演奏者の運指を検出して運指を示す信号を生成する運指センサである。弓圧センサ1111,弓速センサ1112,運指センサ1113は弦楽器120に設けられており、演奏者が弦楽器120を用いて演奏を行うと、これらの弓圧センサ1111,弓速センサ1112,運指センサ1113が弓圧と弓速と運指をそれぞれ検出する。この場合、弓圧センサ1111は、弓毛の張設方向のテンションを検出する圧力センサとスチックの角度を検出する角度センサなどによって構成され、例えば、スチックの根本部分に内蔵される。弓速センサ1112は弓の張設方向の速度を検出する速度センサなどによって構成され、スチックの根本部分に内蔵される。また、運指センサ1113は、指板上に設けられた多数の圧力センサによって構成され、演奏者の指がどの位置のセンサを押圧しているかを検出することにより、どの弦のどの位置が押さえられているかを検出する。また、運指センサ1113は、指の押圧力についても検出する。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)上述した実施形態においては、図2に示す電気回路を用いて、関与度rに応じて補助信号を生成するようにしたが、補助信号を生成するための回路構成はこれに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、検出演奏データに対してハイパスフィルタをかけてもよい。このような構成にすると、検出演奏データの微分値が自動演奏データに対して強い影響を与えるようになるので、例えば、検出演奏データの立ち上がりや立ち下がりの部分で、自動演奏データへの影響が大きくなる。また、図16に示すように、検出演奏データにローパスフィルタをかけた後ハイパスフィルタをかけるようにしてもよい。このように構成すると、ローパスフィルタによって検出演奏データの立ち上がりを鈍化させて大まかな変化をとらえ、その大まかな変化の中の上昇部分や下降部分をハイパスフィルタよって強調し、これにより自動演奏データに影響を与えるようにしてもよい。
例えば、鍵盤楽器については、押鍵の強さを検出し、これと自動演奏データとを比較することにより、演奏補助データを生成し、この演奏補助データによって鍵を駆動するソレノイドを駆動して、自動演奏を行うようにしてもよい。このような構成は、鍵盤にソレノイドが設けられている自動ピアノに付加すれば容易に実現することができる。また、演奏者の演奏行為の関与は、鍵盤だけでなく、ペダルについても同様の構成で行うことができる。
以上のように操作量は、演奏者の演奏に関与する量として検出されるものであり、上述した以外にも楽器の特性に応じて種々の検出値が操作量となり得ることは勿論である。
Claims (9)
- 楽器の演奏に関する演奏者の操作量を検出する演奏操作量検出手段と、
演奏対象となる楽器の演奏操作に対応した演奏パラメータを楽曲の進行に応じて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出された演奏パラメータに対し、前記演奏操作量検出手段が検出した操作量を所定の関与度に応じて影響させて修正された修正演奏パラメータを生成する修正演奏パラメータ生成手段と、
前記演奏対象となる楽器に取り付けられ、前記修正演奏パラメータ生成手段が生成した修正演奏パラメータに基づいて、前記楽器に対する演奏操作を行う演奏操作手段と
を具備することを特徴とする自動演奏装置。 - 前記演奏対象となる楽器は金管楽器であり、前記演奏操作手段は、前記金管楽器のマウスピースを複数の可撓性部材で覆う人工唇と、前記人工唇を駆動してアンブシュアを変える人工唇アクチュエータと、前記人工唇を介して前記マウスピース内に加圧気体を吹き込む加圧気体吹込機構とを有し、前記修正演奏パラメータに基づいて前記人工唇アクチュエータおよび前記加圧気体吹込機構の加圧気体吹き込み量を制御することを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。
- 前記演奏操作量検出手段は、演奏者が唇をつけて息を吹き込むマウスピースに取り付けられたセンサを有し、前記センサは前記マウスピースに対する演奏者のアンブシュアを検出し、前記操作量は前記アンブシュアを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の自動演奏装置。
- 前記演奏操作量検出手段は、演奏者が唇をつけて息を吹き込むマウスピースに取り付けられて前記息の息圧を検出する息圧センサを有し、前記操作量は前記息圧を含むことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の自動演奏装置。
- 前記演奏対象となる楽器は金管楽器であり、前記演奏操作手段は前記金管楽器のマウスピースに取り付けられた振動子を有し、前記振動子を前記修正演奏パラメータに基づいて励振させることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の自動演奏装置。
- 前記演奏対象となる楽器はマウスピースにリード片が取り付けられる木管楽器であり、前記演奏操作手段は、前記リードに取り付けられる振動子を有し、前記振動子を前記修正演奏パラメータに基づいて励振させることを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。
- 前記演奏対象となる楽器はエアーリードによって発音する木管楽器であり、前記演奏操作量検出手段は、前記木管楽器の吹き込み口に取り付けられ、演奏者によって吹き込まれる息のジェット流速、ジェット長さ、ジェット幅を検出するセンサを有し、前記操作量は前記センサが検出する前記ジェット流速、前記ジェット長さ、前記ジェット幅を含み、
前記演奏操作手段は、前記木管楽器の吹き込み口に取り付けられる振動子を有し、前記振動子を前記修正演奏パラメータに基づいて励振させることを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。 - 前記演奏対象となる楽器は、音高を決定する音高操作子を有し、
前記演奏操作手段は、前記音高操作子を前記修正パラメータに基づいて駆動することを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。 - 前記演奏操作量検出手段は擦弦楽器の指板に取り付けられ運指を検出する指板センサと、前記擦弦楽器の弦を弾く弓の前記弦に対する圧力、前記弓の角度、および前記弓の移動の速さを各々検出するセンサを有し、これらのセンサからの出力信号を前記操作量に含み、
前記演奏操作手段は演奏対象となる擦弦楽器の弦を押さえる押弦アクチュエータと、前記擦弦楽器の弦を弾く弓を駆動する弓アクチュエータを有し、前記修正パラメータに基づいて前記押弦アクチュエータおよび前記弓アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。
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