JP2007064870A - 回転角センサの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 モータロータ100のシャフト部101に固定されてモータロータ100と一体に回転するロータ10と、このロータ10に対向配置されるステータ30とを備えた回転角センサ1の固定構造において、シャフト部101のセンサ取付軸部103に軸方向位置決め用の段差部102が設けられるとともに環状のカラー50が圧入され、段差部102と圧入部材50との間にロータ10と弾性圧縮された環状の弾性部材40が密接して挟装されている。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、ロータを回転軸に隙間嵌めしたためロータが回転軸に対して動いてしまうと検出精度が低下する。
そこで、例えば、ロータと回転軸にキー溝を設けキーを嵌合してロータを周方向に変位しないようにする回転角センサの固定構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータを回転軸に取り付けた後に回転軸にカラーを圧入してロータを軸方向に押圧することにより、ロータの軸方向移動を阻止するとともに、摩擦力でロータを周方向および径方向に変位しないようにする回転角センサの固定構造が知られている。
また、回転軸にカラーを圧入しロータを軸方向に押圧しても十分な軸方向力が得らず、ロータが周方向に変位(振動)してしまい、検出精度が低下する虞がある。
そこで、この発明は、ロータを回転軸に対して周方向に変位しないように確実に固定することができる回転角センサの固定構造を提供するものである。
このように構成することにより、弾性部材の反発力がロータに作用し、ロータを段差部あるいは圧入部材に所定の軸方向力で圧接させることができるので、大きな摩擦力を発生させることができ、その結果、ロータを回転軸に対して周方向あるいは径方向に移動不能にすることができる。また、ロータの軸方向移動も阻止することができる。
このように構成することにより、ロータを段差部に所定の軸方向力で圧接させることができ、ロータと段差部との接触面、および、ロータと弾性部材との接触面に大きな摩擦力を発生させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記弾性部材が段差部に隣接して配置され、該弾性部材と前記圧入部材との間に前記ロータが配置されていることを特徴とする。
このように構成することにより、ロータを圧入部材に所定の軸方向力で圧接させることができ、ロータと圧入部材との接触面、および、ロータと弾性部材との接触面に大きな摩擦力を発生させることができる。
このように構成することにより、弾性片の押圧力によりロータを段差部に所定の軸方向力で圧接させることができるので、ロータと段差部との接触面、および、ロータと圧入部材との接触面に大きな摩擦力を発生させることができ、その結果、ロータを回転軸に対して周方向および径方向に移動不能にすることができる。また、ロータの軸方向移動も阻止することができる。
このように構成することにより、樹脂層が、ロータの回転軸に対する周方向、径方向、および軸方向の移動を阻止する。
このように構成することにより、ロータの回転軸に対する周方向移動を確実に阻止することができる。
このように構成することにより、樹脂溜まり凹部および樹脂注入口を容易に構成することができる。
請求項4に係る発明によれば、ロータを段差部に所定の軸方向力で圧接させて、ロータを回転軸に対して周方向、径方向、軸方向に移動不能にすることができるので、回転角センサの角度検出精度が向上する。
請求項6に係る発明によれば、ロータの回転軸に対する周方向移動を確実に阻止することができるので、回転角センサの角度検出精度が向上する。
請求項7に係る発明によれば、樹脂溜まり凹部および樹脂注入口を容易に構成することができる。
〔実施例1〕
初めに、この発明に係る回転角センサの固定構造の実施例1を図1および図2の図面を参照して説明する。
図1に示すように、回転角センサ1は、回転体としてのモータロータ100に固定されてモータロータ100と一体に回転するロータ10と、図示しないモータのステータ(以下、モータステータという)に固定されるステータ30とから構成されている。
モータロータ100のシャフト部(回転軸)101における軸方向一端側には、ロータ10の軸方向位置決め用の段差部102が設けられ、段差部102よりも端面側は断面形状が真円形のセンサ取付軸部103にされており、このセンサ取付軸部103にロータ10が取り付けられている。
ロータ10は貫通孔11にセンサ取付軸部103を隙間嵌めした状態で段差部102に突き当てられて、段差部102に面当接している。
また、センサ取付軸部103には、ロータ10に隣接して弾性リング40が取り付けられ、弾性リング40に隣接して金属製のカラー(圧入部材)50が取り付けられている。換言すると、段差部102とカラー50との間にロータ10と弾性リング40が挟装されている。
カラー50は円環状をなし、センサ取付軸部103に圧入して固定されており、弾性リング40の端面に密接して弾性リング40を弾性圧縮するように設置されている。そして、カラー50はロータ10および弾性リング40の軸方向移動を阻止する。
ステータ30は真円形の円環状をなし、ロータ10の外側に対向配置されてロータ10と同心上に設置されている。そして、回転角センサ1は、ロータ10とステータ30との間に形成されるギャップのパーミアンスが、ロータ10の回転に伴って正弦波状に変動することを利用して、モータロータ100の回転角度を検出する。
また、ロータ10はセンサ取付軸部103に隙間嵌めしており、圧入固定していないので、ロータ10に応力ひずみが発生せず、インダクタンスの変化を引き起こさない。
したがって、回転角センサ1の角度検出精度が向上する。
次に、この発明に係る回転角センサの固定構造の実施例2を図3の図面を参照して説明する。
実施例2の回転角センサの固定構造が実施例1と相違する点は、ロータ10と弾性リング40の配置にある。すなわち、実施例2の回転角センサの固定構造では、段差部102とカラー50との間にロータ10と弾性リング40が挟装されているが、弾性リング40が段差部102に突き当てられて面当接しており、この弾性リング40とカラー50との間にロータ10が配置された状態で、弾性リング40が弾性圧縮されている。その他の構成は実施例1と同じであるので同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
また、ロータ10はセンサ取付軸部103に隙間嵌めしており、圧入固定していないので、ロータ10に応力ひずみが発生せず、インダクタンスの変化を引き起こさない。
したがって、回転角センサ1の角度検出精度が向上する。
次に、この発明に係る回転角センサの固定構造の実施例3を図4および図5の図面を参照して説明する。
図4に示すように、実施例3の回転角センサの固定構造では、実施例1および実施例2における弾性リング40がなく、その代わりに金属製のカラー50に弾性片52を設け、この弾性片52でロータ10を軸方向に押圧している。
詳述すると、実施例3の回転角センサの固定構造に用いられるカラー50は、図5に示すように、センサ取付軸部103に圧入される断面略矩形の環状の固定リング部51と、この固定リング部51の軸方向一端面外周縁から一体的に径方向外側へ斜めに延出する環状の弾性片52とから構成されている。弾性片52は皿バネ状をなし、径方向および軸方向に弾性変形可能になっており、弾性片52の先端52aは平坦面に形成されている。
その他の構成については実施例1および実施例2と同じであるので同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
また、ロータ10はセンサ取付軸部103に隙間嵌めしており、圧入固定していないので、ロータ10に応力ひずみが発生せず、インダクタンスの変化を引き起こさない。
したがって、回転角センサ1の角度検出精度が向上する。
次に、この発明に係る回転角センサの固定構造の実施例4を図6から図9の図面を参照して説明する。
図6、図8に示すように、回転角センサ1は、回転体としてのモータロータ100に固定されてモータロータ100と一体に回転するロータ10と、図示しないモータステータに固定されるステータ30とから構成されている。
モータロータ100のシャフト部(回転軸)101における軸方向一端側には、ロータ10の軸方向位置決め用の段差部102が設けられ、段差部102よりも端面側はセンサ取付軸部103にされており、このセンサ取付軸部103にロータ10が取り付けられている。
ロータ10は、後述する一部分を除いて同一形状、同一寸法の環状の積層鋼板10aを多数積層してなり、中央にはセンサ取付軸部103に隙間嵌めするための貫通孔11が形成されている。貫通孔11は、センサ取付軸部103の外形と略相似形をなし、センサ取付軸部103の面取部104A〜104Dに対応して周方向90度間隔に4つの面取部12A〜12Dが形成され、センサ取付軸部103に隙間嵌めすることができる寸法に形成されている。ロータ10の外周形状も貫通孔11と相似形をなし、ロータ10とステータ30との間のギャップが変化するようになっている。なお、ステータ30は真円形の円環状をなし、ロータ10の外側に対向配置されてロータ10と同心上に設置されている。そして、回転角センサ1は、ロータ10とステータ30との間に形成されるギャップのパーミアンスが、ロータ10の回転に伴って正弦波状に変動することを利用して、モータロータ100の回転角度を検出する。
カラー(圧入部材)50は円環状をなし、センサ取付軸部103に圧入して固定されており、ロータ10の端面に圧接してロータ10の軸方向移動を阻止する。すなわち、段差部102とカラー50との間にロータ10が挟装されている。なお、図6ではカラー50を省略している。
また、モータロータ100のセンサ取付軸部103における面取部104Aにはその幅方向中央に、ロータ10の樹脂溜まり凹部13に対向して樹脂溜まり凹部105が形成されている。
そして、樹脂層60は、面取部12と面取部104との間、および、ロータ10の樹脂溜まり凹部13と樹脂注入口14の内部、および、モータロータ100の樹脂溜まり凹部105の内部にも隙間なく形成されている。
また、ロータ10はセンサ取付軸部103に隙間嵌めしており、圧入固定していないので、ロータ10に応力ひずみが発生せず、インダクタンスの変化を引き起こさない。
したがって、回転角センサ1の角度検出精度が向上する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、回転角度の検出対象である回転体はモータロータに限るものではない。
10 ロータ
10a 積層鋼板
12A 面取部(ロータの内周面)
13 樹脂溜まり凹部13
14 樹脂注入口
30 ステータ
40 弾性リング(弾性部材)
50 カラー(圧入部材)
52 弾性片
60 樹脂層
100 モータロータ(回転体)
101 シャフト部(回転軸)
102 段差部
104A 面取部(回転軸の外周面)
Claims (7)
- 回転体の回転軸に固定されて該回転体と一体に回転するロータと、このロータに対向配置されるステータとを備えた回転角センサの固定構造において、
前記回転軸に軸方向位置決め用の段差部が設けられるとともに環状の圧入部材が圧入され、前記段差部と前記圧入部材との間に前記ロータと弾性圧縮された環状の弾性部材が密接して挟装されていることを特徴とする回転角センサの固定構造。 - 前記ロータが段差部に隣接して配置され、該ロータと前記圧入部材との間に前記弾性部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転角センサの固定構造。
- 前記弾性部材が段差部に隣接して配置され、該弾性部材と前記圧入部材との間に前記ロータが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転角センサの固定構造。
- 回転体の回転軸に固定されて該回転体と一体に回転するロータと、このロータに対向配置されるステータとを備えた回転角センサの固定構造において、
前記回転軸に軸方向位置決め用の段差部が設けられ、この段差部に前記ロータが突き当てられて配置され、このロータに当接して該ロータを前記段差部に接近する方向へ押圧する環状の弾性片を一体に備えた圧入部材が前記回転軸に圧入されていることを特徴とする回転角センサの固定構造。 - 回転体の回転軸に固定されて該回転体と一体に回転するロータと、このロータに対向配置されるステータとを備えた回転角センサの固定構造において、
前記回転軸に軸方向位置決め用の段差部が設けられるとともに環状の圧入部材が圧入され、前記段差部と前記圧入部材との間に前記ロータが挟装され、前記ロータの内周面と前記回転軸の外周面との間に樹脂層が設けられていることを特徴とする回転角センサの固定構造。 - 前記ロータの内周面に樹脂溜まり凹部と該樹脂溜まり凹部に連通する樹脂注入口が設けられ、前記樹脂溜まり凹部および前記樹脂注入口に充填された樹脂が前記樹脂層の一部を構成することを特徴とする請求項5に記載の回転角センサの固定構造。
- 前記ロータは積層鋼板からなり、前記樹脂溜まり凹部および前記樹脂注入口は前記積層鋼板に打ち抜き形成された凹部を重ね合わせて形成されたことを特徴とする請求項6に記載の回転角センサの固定構造。
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