JP2007064825A - 加速度センサ及びこれを装備した電子装置 - Google Patents

加速度センサ及びこれを装備した電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度に加速度検出を行うことができると共に、小型化を図ることができる加速度センサを提供すること。
【解決手段】 少なくとも一方向に自由度を有するばね部材と、N極面とS極面とを同一方向に向けて一体的に構成さればね部材に装備された磁界発生手段と、この磁界発生手段のN極面及びS極面にそれぞれ少なくとも1つずつ対向して配置され磁界の向きを検出する各磁界検出手段と、を備え、各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は、加速度センサにかかり、特に、磁界の向きの変化に基づいて加速度を計測する加速度センサに関する。また、これを装備した電子装置に関する。
従来より、所定の物体の動作を検出するために、かかる物体の加速度を検出する加速度センサの利用が検討されている。例えば、産業ロボットの操作部分、自動車のエアバック装置、さらには、携帯型パソコンに搭載されるハードディスクドライブなど、種々の用途が考えられる。具体的に、ハードディスクドライブにおいては、無理な移動や落下を瞬時に検出して磁気ヘッドの退避を行うなど、データの損傷を抑制するために利用可能である。さらには、自由落下の他に、機器に加えられる衝撃や機器の傾き(角度)を検出することにも加速度センサが必要とされている。
そして、従来例における加速度センサの構成としては、例えば特許文献1に開示されているように、加速によって構造体に生じるひずみを検出する手法が多く採られている。具体的には、十字状のばね性を有する支持部材の中心(交点)におもりを装備し、かつ、支持部材の各梁の部分に歪検出素子を固定装備する。そして、この歪検出素子からの検出値に基づいて各梁の変形を検出し、各軸(X,Y,Z)方向の加速度を検出する。例えば、歪検出素子として半導体ピエゾ素子を利用してその抵抗値をブリッジ回路を組んで検出したり、あるいは、特許文献1に示すように圧電振動子を利用して歪による発信周期を検出することにより、加速度を検出する手法がある。
特許第2732287号公報
しかし、上記従来例における方法では、十字状の支持部材(ばね)自体やその近辺に、歪を検出するための信号を取り出す際に用いる電極を設ける必要があり、配線によって構造が複雑化しうる。また、支持部材に歪検出素子を装着するため、その小型化を図ることができない。さらには、支持部材のばね部分に歪検出素子を装着あるいは内蔵させるため、ばねの変位を妨げ、精度よく加速度を検出することが困難になる、という問題が生じていた。
このため、本発明では、上記従来例の不都合を改善し、特に、高感度に加速度検出を行うことができると共に、小型化を図ることができる加速度センサを提供することをその目的とする。
そこで、本発明の一形態である加速度センサは、
少なくとも一方向に自由度を有するばね部材と、N極面とS極面とを同一方向に向けて一体的に構成さればね部材に装備された磁界発生手段と、この磁界発生手段のN極面及びS極面にそれぞれ少なくとも1つずつ対向して配置され磁界の向きを検出する各磁界検出手段と、を備え、
各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した、
ことを特徴としている。
上記発明によると、まず、所定の方向に加速が生じると、ばね部材が撓み、それに装備されている磁界発生手段のN極面及びS極面が同一方向に傾く。そして、この角度を、各極面に対向して配置された磁気抵抗効果素子にて磁界の傾きに応じた抵抗値として出力する。このとき、各磁気抵抗効果素子は、検出する磁界の向きが同一となるよう配置されており、一方で、対向する磁界発生手段はN極あるいはS極といった逆極性であることから、逆向きの抵抗値が得られる。従って、これらの抵抗値の差分を算出することで、1つの磁気抵抗効果素子を設けた場合と比較してさらに大きな変化量(約2倍)を検出することができる。その結果、傾きの検出感度の向上を図ることができると共に、複数の磁界検出手段の磁化固定方向を同一方向に設定することからその構成が容易となり、さらに、センサの小型化を測ることができる。
また、上記構成に、各磁気抵抗効果素子の間の差動電圧を検出するブリッジ回路を備えた、ことを特徴とし、さらに、各磁気抵抗効果素子を、N極面と前記S極面とに対向してそれぞれ2ずつ設けた、ことを特徴としている。
これにより、ブリッジ回路にて容易に抵抗値を検出することができ、所定の方向の加速度計測が容易となる。また、所定方向の加速によって全ての抵抗値が変化する4つの磁気抵抗効果素子を用いてブリッジ回路を組むことで、より大きい差動電圧を抵抗値の変化を検出することができ、より高精度に加速度の検出を行うことができる。
また、4つの磁気抵抗効果素子を並列接続しブリッジ回路を形成するよう1チップ内に形成し、このチップ上に電圧印加用端子と差動電圧検出用端子を形成した、ことを特徴としている。
これにより、上述したように全ての磁気抵抗効果素子を同一方向に磁化固定させることができることから、ウエハプロセスにおいて1チップ上に形成することができる。従って、使用する素子の小型化を図ることができ、加速度センサ自体の小型化を図ることができる。
また、加速度センサの他の構成として、
同一直線上又はほぼ平行に、固定端と自由端との位置が相互に反対向きに配置され、各自由端が同一方向に沿って撓むよう自由度を有する一対の片持ち梁と、
N極面とS極面とを同一方向に向けて一体的に構成され、各片持ち梁の各自由端にそれぞれ装備された一対の磁界発生手段と、
各磁界発生手段のN極面及びS極面にそれぞれ少なくとも1つずつ対向して配置され磁界の向きを検出する各磁界検出手段と、を備え、
各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、対向する各磁界発生手段ごとに検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した、
ことを特徴としている。
そして、片持ち梁の長手方向の加速度計測用として、一方及び他方の磁界発生手段のN極面とS極面とにそれぞれ対向する少なくとも4つから成る磁気抵抗効果素子の組を設けると共に、
片持ち梁が撓んだときの軌跡が形成される面に沿った当該片持ち梁の長手方向に直交する方向の加速度計測用として、加速度計測用の磁気抵抗効果素子の組と同様に少なくとも4つから成る磁気抵抗効果素子の組を別途設けた、
ことを特徴としている。
上記発明によると、まず、所定の方向に加速が生じると、各自由端にモーメントによって回転力が生じ、各片持ち梁はそれぞれ撓む。そして、各自由端に装備された磁界発生手段が傾き、これによる磁界の向きも変化する。このとき、各自由端は、所定の2軸方向においてそれぞれ異なるよう撓む。ここで、加速度センサが備え付けられた装置において、当該装置を形成する所定の平面をX軸とY軸にて構成されるX−Y平面とし、その垂直方向をZ軸方向とする。そして、Z軸方向に撓むようX軸(又はY軸)に沿って一対の片持ち梁を設けた場合には、X軸方向(又はY軸方向)への加速に対しては一対の片持ち梁がそれぞれ反対方向に撓み、一方、Z軸方向の加速に対しては、同一方向に撓む。そして、このような一対の片持ち梁の撓みの状態を、磁界発生手段からの磁界の向きの変化として各磁界検出手段にて検出することで、少なくとも2軸方向の加速度を検出することができる。つまり、磁気抵抗効果素子にて抵抗値にて検出することで、簡易な構成、小型かつ低コストにて加速度センサを構成することができる。特に、上述したように、各磁気抵抗効果素子を各磁界発生手段のN極面及びS極面に対応して検出する磁界の向きが同一となるよう配置するため、加速度の検出感度の向上を図ることができると共に、複数の磁界検出手段の磁化固定方向を同一方向に設定することから、その構成が容易となる。さらに、複数の磁界検出手段をごく近傍に集積できるため、後述するようにブリッジ回路を形成する素子間の抵抗値のばらつきが非常に小さく、また素子ごとの温度特性をそろえることができる。その結果、1チップで構成されるブリッジ回路の温度変化による電圧ドリフトを極力抑えることができ、温度ドリフト特性の向上を図ることができる。
また、各方向の加速度計測用としてそれぞれ設けられた磁気抵抗効果素子の組ごとに、各磁気抵抗効果素子の間の差動電圧を検出するブリッジ回路をそれぞれ設けた、ことを特徴としている。このとき、各磁気抵抗効果素子を、対向する各磁界発生手段ごとに1チップ内に形成し、各チップ上にブリッジ回路を構成可能なよう電圧印加用端子と差動電圧検出用端子とを形成した、ことを特徴としている。さらに、各チップ内に形成される各磁気抵抗効果素子の向きを、各チップごとに同一方向に配置した、ことを特徴としている。
これにより、X軸方向とZ軸方向の加速度を、異なる磁界発生手段に対応して配置された磁気抵抗効果素子を用いて検出するものの、その際にブリッジ回路にて抵抗値を検出することで、より容易に検出できる。さらには、各磁界発生手段に対応する各磁気抵抗効果素子を1チップに収めることができるため、使用する素子の小型化を図ることができ、加速度センサ自体の小型化を測ることができる。
また、上記構成の加速度センサにおいて、一対の片持ち梁は、当該梁の捩れ方向に自由度を有すると共に、片持ち梁が捩れることによって変化する磁界の向きを検出する他の捩れ方向用の磁界検出手段を、少なくとも1つの磁界発生手段のN極面及びS極面に対向するようそれぞれ少なくとも1つずつを設け、捩れ方向用の各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した、ことを特徴としている。
これにより、上述した2軸(例えば、X軸とZ軸)以外の他の1軸(例えば、Y軸)方向に加速されると、片持ち梁が捩れ、これによる磁界発生手段による磁界の向きも変化する。そして、他の磁界検出手段にてかかる磁界の向きの変化を、上述したように、磁界発生手段のN極面とS極面にそれぞれ対応して配置された磁気抵抗効果素子を用いることで、より高精度に他の1軸(例えば、Y軸)方向の加速度も検出することができる。
そして、上述した加速度センサ同様に、捩れ方向用の各磁気抵抗効果素子の間の差動電圧を検出するブリッジ回路を備えると望ましい。また、捩れ方向用の各磁気抵抗効果素子を、N極面とS極面とに対向してそれぞれ2ずつ設けると、より加速度検出の感度が向上する。さらには、捩れ方向用の4つの磁気抵抗効果素子を並列接続しブリッジ回路を形成するよう1チップ内に形成し、このチップ上に電圧印加用端子と差動電圧検出用端子を形成することで、センサの小型化を図ることができる。
また、上記一対の片持ち梁は、当該片持ち梁が撓んだときの軌跡が形成される面に対して直交する平面を有する板状の梁である、ことを特徴としている。このように、梁を板状に形成することで、各軸方向に沿った加速度に対して、上述したように容易に撓みと捩れを生じさせることができる。従って、簡易な構成にて3軸方向の加速度を検出できる加速度センサを形成することができ、小型化、低コスト化を図ることができる。
また、上記磁界発生手段は、U字型磁石である、ことを特徴としている。このとき、U字型磁石のN極及びS極の形成面とは反対側部分を覆う強磁性体を設けた、ことを特徴としている。さらに、各片持ち梁のそれぞれの自由端において、各磁界発生手段をそれぞれ複数に分割して設けた、ことを特徴としている。
これにより、磁界発生手段をU字型にすることで、磁界検出手段へ入射する磁界強度が大幅に増加しうる。特に、U字型磁石と強磁性体(鉄、パーマロイ、フェライトなど)とを組み合わせることで、磁界検出手段方向以外への磁界の漏れを大幅に抑えることができ、隣接する磁石同士の干渉を抑制できる。その結果、磁界検出手段を密集して配置しても高い出力電圧(磁気抵抗変化)を得ることができ、強い磁界を得るために磁石を大きく、あるいは、長く形成する必要が無くなり、かつ、磁界発生手段を分割してさらなる小型化が可能となる。これにより、磁界検出手段を密集して配置することを可能とし、センサの小型化、コストの削減を図ることができる。
そして、上述した加速度センサは、ハードディスクドライブなどの電子装置に装備して、当該電子装置に生じる加速度を計測するよう使用される。これにより、所定の加速度を検出したときに電子装置の動作を制御して当該装置自体を加速度から保護可能なよう構成することも可能である。さらには、電子装置に加えられる衝撃や電子装置の傾きなども検出することができ、検出した電子装置の状況に応じた処理を施すことが可能となる。従って、信頼性の高い電子装置を構成することができると共に、電子装置の高機能化を図ることができる。
また、上記加速度センサは、1Gから50G程度の加速度を検出することができるため、自由落下を加速度で検出する機能、衝撃を加速度で検出する機能、さらには、角度を加速度で検出する機能を1つのセンサで実現することができる。
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、所定方向の加速によって傾く磁界発生手段のN極及びS極による磁界の向きを抵抗値として検出することで、その差分は、1つの磁気抵抗効果素子を使用した場合と比較してさらに大きな変化量を得ることができる。その結果、加速度の検出感度の向上を図ることができると共に、複数の磁気抵抗効果素子の磁化固定方向を同一方向に設定することからその構成が容易となり、さらに、センサの小型化を測ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
本発明は、磁界発生手段による磁界の向きを、磁気抵抗効果素子にて抵抗値の変化として検出することで、加速度を検出することに特徴を有する。特に、U字磁石を用い、N極面とS極面の磁界の向きを抵抗値として検出し、その差分から加速度を求め、感度の向上を図る。以下、加速度の計測原理、及び、加速度センサの構成を、実施例にて説明する。
本発明の第1の実施例を、図1乃至図8を参照して説明する。図1乃至図5は、本発明における加速度センサの計測原理を示す説明図である。図6乃至図8は、加速度センサの構成の一部を示す概略図である。以下、本発明の加速度センサの計測原理及び方法について説明し、加速度センサの構成について説明する。
[計測原理]
本発明の加速度センサは、加速が生じたときに位置や姿勢が変化する磁石にて発生される磁界の向きを検出することにより実現される。そして、磁界の向きは、GMR素子を用いて抵抗値の変化に基づいて検出する。まず、図1を参照して、GMR素子に対する磁界Hの向き(侵入角)と、MR抵抗値との関係について説明する。
図1(a)の上方には磁石が配置してあるものとするが、いずれの方向にも加速していない場合においては、GMR素子が磁石からの磁界Hの向きに対してほぼ垂直となるよう配置されている(図1(a)の一点鎖線を参照)。そして、後述するように、所定方向に加速が生じることにより磁石に働く慣性力にて、これを支持するばね部材が撓んで磁石の姿勢が変化する。すると、磁石の磁界発生面が傾き、ここから発生される磁界Hの向きが−△θ(△(デルタ):変化量を表すこととして用いる)、あるいは、+△θの角度だけ傾く。すると、図1(a)の点線矢印に示すように、所定の角度をもって磁界がGMR素子3aに侵入することとなる。このとき、GMR素子3aは、一方向に磁化固定されているため、その方向において磁界の向きが変化すると、図1(b)に示すように、MR抵抗値が変化する。かかる例では、垂直な状態における抵抗値をRoと設定したときに、微小角度だけ傾いたときに特に大きく変化するという特性を有する。このように、磁石からの磁界Hの向きを、GMR素子3aのMR抵抗値の変化にて検出することができる。
図2に、上述した原理を利用した加速度センサのモデルを示す。図2(a)に示すように、磁石2と、この磁石2を支持する片持ち梁1(ばね部材)と、磁石2の磁界発生面に対向して表面にGMR素子3aが装備された磁界検出チップ3と、を備えて構成されている。ここで、片持ち梁1は、上下方向(矢印参照)に撓むよう自由度を有している。なお、磁石2を指示する部材は、片持ち梁1であることに限定されず、少なくとも一方向に自由度を有し、所定の加速によって磁石2の姿勢が変化するよう撓むばね部材であればよい。
そして、例えば、図2(b)に示すように下方に落下するよう加速が生じたとすると(矢印Gz参照)、磁石2は慣性力により上方に移動するよう付勢され、これにより、片持ち梁1の自由端は上方に反り返るよう撓む。すると、磁石2の磁界発生面は、図2(a)の状態からは傾き、これにより、GMR素子3aに侵入する磁界Hの向きも傾く。そして、この磁界の向きに対応する抵抗値は、図2(c)に示すように増加することとなる。こうして、かかる抵抗値に基づいて磁石2の傾き度合い、つまり、片持ち梁の撓み具合を検出することができ、さらにこれに基づいて、加速が生じている方向及び加速度を計測することができる。
ここで、本発明では、さらに計測精度の向上を図るべく、磁石2を図3に示すように、U字磁石2を用いる。このU字磁石2は、片持ち梁1の自由端に、下方にN極面とS極面を向けて装着される。このようにU字磁石2を用いることで、各極面からの磁界が周囲に漏れず、磁界の向きが各極面に対してより垂直方向を向くこととなり、指向性を有することとなる。従って、精度よく、磁石2の傾き、つまり、加速度を検出することができるようになる。なお、磁石はU字状ではなく、N極面とS極面とを同一方向に向けて一体的に構成された磁石であればよい。
また、U字磁石2のN極面及びS極面における磁界の向きを、よりGMR素子3aに向かうようにし、磁界の漏れを抑制するためには、U字磁石のN極及びS極の形成面とは反対側部分を強磁性体(鉄、パーマロイ、フェライトなど)で覆うよう構成するとよい。つまり、強磁性体の板上にN極部とS極部とを備えてU磁石を構成し、キャップ型に形成するとよい。このようにU字型磁石と強磁性体(鉄、パーマロイ、フェライトなど)とを組み合わされることで、N極面、S極面からの磁界の漏れを大幅に抑えることができ、隣接する磁石同士の干渉をなくすことができる。
また、U字磁石2を用いることに対応して、N極面とS極面とが下方に向くこととなるが、それぞれの極面に対向するようGMR素子を備えた磁界検出チップ31,32を配置する。すると、例えば、図3(b)に示すように下方に落下するよう加速が生じたときには(矢印Gz参照)、上記図2(b)を参照して説明したときと同様に、磁石2の磁界発生面であるN極面とS極面は、図3(a)の状態からは傾く。このとき、U字磁石2は一体的に構成されているため、N極面とS極面はほぼ同一の方向に向くよう、同一の角度だけ傾く。このときの磁界の向きの検出原理を、図4乃至図5を参照して説明する。
図4(a)には、U字磁石2と、それに対向して配置されている磁界検出チップ31,32と、を模式的に示している。このとき、各磁界検出チップ31,32のGMR素子は、それぞれ同一方向に磁化固定されており、同一方向の磁界の向きを検出可能なよう構成されている。そして、上述したように、図4(a)の点線に示すようにU字磁石2が傾くと、N極面S極面それぞれの磁界の向きの変化により、GMR素子にて出力される抵抗値が、図4(b)に示すようになる。つまり、N極面に対向する磁界検出チップ31からは+dRが出力され、S極面に対向する磁界検出チップ32からは−dRが出力される。そして、後述するように、これら抵抗値による出力から加速度を計測することとなる。
加速度の計測は、まず、上述したように各磁界検出チップ31,32からそれぞれ出力される抵抗値の差分を算出する。すると、1つのチップにて検出したときよりもその値が大きくなるため、検出感度が向上する。具体的には、図5(a)に示すように、各磁界検出チップ31,32のGMR素子31a,32aを用いてブリッジ回路を構成し、当該GMR素子31a,32aの間の差動電圧(Vout)を求める。これにより、差動電圧は「2dR」となり、1つのGMR素子31aにて検出したときよりも、2倍の感度で磁石の傾きを検出することができる。そして、これは、図4(a)に示すように、GMR素子31a,32aを同一方向に磁化固定方向を向けて配置したことによる。
ここで、さらに検出感度を上げるべく、図5(b)に示すように、ブリッジ回路を構成する4つの抵抗値全てに、U字磁石2の傾きに応じて検出される抵抗値を用いる。つまり、U字磁石2のN極面、S極面に対向して、それぞれ2つずつの磁界検出チップ33,34(GMR素子33a,34a)を配置する。そして、4つのGMR素子31a,32a,33a,34aにて磁界の向きに応じた抵抗値を検出するよう構成する。その様子を図6に示す。
図6には、U字磁石2と、一組の磁界検出チップ30と、を示している。この図に示すように、U字磁石2のN極面とS極面とに対向して、それぞれの極面に2つずつの磁界検出チップ31〜34を配置し、全体として、1つのU字磁石2の磁界発生面に、4つのGMR素子を有する一組の磁界検出チップ30を配置する。このとき、一組の磁界検出チップ30は、全ての磁化固定方向が同一方向に配置される。このことについては、さらに後述する。
上記4つの磁界検出チップ31〜34にてブリッジ回路を組むと、図7(a)に示すように、各チップ31〜34の端子が接続されることとなる。そして、図7(b)に示すように、N極面に対向する磁界検出チップ31,33のGMR素子31a,33aからは、+dRの抵抗値が検出され、S極面に対向する磁界検出チップ32,34のGMR素子32a,34aからは−dRの抵抗値が検出される。このようにして構成したブリッジ回路にて、符号A,Bに示す部位の差動電圧を計測することで、さらに高感度に傾きを検出することができる。
また、図8には、上記図7(a)に示す4つの磁界検出チップ31〜34からなる一組の磁界検出チップ30を、各接続配線を含めてブリッジ回路を構成しつつ、1つの磁界検出チップ4として形成した例を示す。このように1チップ化できるのは、上述したように、4つのGMR素子31a〜34aが同一の方向に磁化固定されているためであり、チップを製造するウエハプロセスにおいても容易に4つのGMR素子を同時に形成できるためである。この1チップ化された磁界検出チップ4についてさらに詳述すると、図8(a)に示すように、1つの磁界検出チップ4上には、4つのGMR素子31a〜34aが形成されており、そして、これらを接続する配線と、各端子(電圧印加用端子4a,4b(Vcc、G)、差動電圧用端子4c,4d(A,B))が形成されている。そして、各端子と各GMR素子31a〜34aが、それぞれチップ内で接続されている。
上記磁界検出チップ4は、図8(b)に示すように、各GMR素子部分31a〜34aがU字磁石2のN極面、S極面にそれぞれ対向するよう配置される。かかる状態で差動電圧用端子4c,4d(A,B)から差動電圧を検出することで、磁石2の傾きに応じた加速度を計測することができる。
そして、上述した加速度センサにより、1軸方向(例えば、垂直方向(Z方向))の加速度を計測することが可能となる。これに加え、さらに2軸方向の加速度を計測する場合には、上述した片持ち梁1、磁石2、磁界検出チップ4からなる加速度センサを、各軸に設けることで、3軸方向(X,Y,Z軸方向)の加速度計測が可能となる。
以上説明したように、片持ち梁1(ばね部材)にU字磁石2を装備し、このN極面とS極面とに対峙するGMR素子を設け、ブリッジ回路にて抵抗値を検出することで、高感度に加速度を計測することができる。特に、複数のGMR素子を同一の磁化固定方向にて配置できることから、1チップに収めて形成することができ、加速度センサの小型化を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施例を、図9乃至図20を参照して説明する。図9乃至10は、加速度センサの構成を示す図である。図11乃至図16は、加速度計測の原理及び方法を説明する図である。図17乃至図18は、加速度センサの構成を示す概略図である。図19乃至図20は、加速度センサの構成の変形例を示す図である。
[構成]
本実施例における加速度センサの構成を、図9乃至図10を参照して説明する。本実施例における加速度センサは、図10(a)に示すように、ほぼ3つの構造体(A,B,C)にて構成されている。まず、図9を参照して、加速度センサの上部に配置される第一構造体Aについて説明する。図9(a)はその上面図を、図9(b)は下方からの斜視図を示す。
図1に示すように、第一構造体Aは、所定の厚みを有する略長方形の枠体13を有しており、各短辺の中央には、それぞれ中心に向かって延びる一対の片持ち梁10(各片持ち梁11,12)の固定端11b,12bが一体的に装備されている。そして、この一対の片持ち梁10は、各梁11,12が同一直線上に位置するよう形成され、各自由端11a,12aが対峙するよう配置されている。つまり、2本の梁11,12は、固定端と自由端との位置が相互に反対向きに配置されている。
そして、各梁11,12は、枠体13にて形成される平面にほぼ平行な略板状に形成されており、当該平面に対して垂直方向に撓むよう自由度を有している。具体的には、各梁11,12の枠体13との連結点を支点として、自由端11a,12aが、枠体13にて形成される平面と垂直な平面上にて円弧軌跡(撓み軌跡)を描くよう撓む。また、各梁11,12は、捩れ方向にも自由度を有する。なお、各梁11,12の長さは、ほぼ同じ長さに形成されており、枠体13の長辺の半分の長さよりも短く形成されている。これにより、枠体13のほぼ中心にて、自由端11a,12aが対峙するようになっている。
また、各梁11,12の対峙する自由端11a,12aの左右には、それぞれ磁石21a,21b,22a,22b(磁界発生手段)が装着されている。なお、各梁11,12にそれぞれ2つずつ磁石が装備されているが、各梁11,12に1つでもよく、一対の片持ち梁10に対応して一対の磁石が装備されていてもよい。
各磁石21a,21b,22a,22bは、梁11,12の長手方向に厚みを有するU字磁石である。そして、これらU字磁石21a,21b,22a,22bは、それぞれN極面とS極面を下方に向けて装着されている(後述する図11(a)を参照)。具体的に、加速度がかかっていない状態においては、U字磁石21a,21b,22a,22bによる磁界の向きは、板状である片持ち梁11,12の板面に対してほぼ垂直方向、つまり、片持ち梁11,12が撓んだときの軌跡が形成される面に沿って当該片持ち梁11,12の長手方向と直交する方向に向いている。そして、N極面では、当該N極面から出力されるよう下方に磁界が向いており、S極面には当該面に入力されるよう上方に磁界が向いている。なお、U字磁石21a,21b,22a,22bは、永久磁石である。
このとき、上述したように、U字磁石をそれぞれ強磁性体の板上にN極部とS極部とを備えて構成し、キャップ型に形成することで、N極面、S極面からの磁界の漏れを大幅に抑えることができるため、図示するように磁石同士を隣接させたとしても、引き合ったり反発するなどの干渉を抑制することができる。
ここで、上記第一構造体Aは、図9(a)及び図10(a)に示すように、枠体13にて形成される平面が、装着される装置(例えば、ハードディスクドライブ)の一平面(例えば、水平面)と並行になるよう配置される。そして、枠体13の長辺がX軸に、短辺がY軸に沿った向きにて配置される。従って、各片持ち梁11,12は、X軸に沿って配置されることとなり、また、Z軸方向に自由度を有して撓むこととなる。そして、上述した磁石21a,21b,22a,22bの磁界の向きは、加速度センサが設置される装置(例えば、ハードディスクドライブ)が水平に載置される際には、当該水平方向に直交するZ軸方向に向くよう設定されている。但し、加速度センサが所定の設置されるときの向きは任意である。
次に、図10を参照して、上記第一構造体の下方に装備される第二構造体Bと第三構造体Cについて説明する。図10(a)は加速度センサの全体構成を示す分解図であり、図10(b)は加速度センサの全体構成を簡略化した側方断面図を示す。
まず、第三構造体Cは、上記枠体13とほぼ同一形状である略長方形状の板材である基台15を備えている。また、第二構造体Bは、第三構造体Cの周囲を囲うよう所定の高さを有する側面体14から成る。この側面体14が、第三構造体Cと第一構造体Aとの間に配置されることで、これら構造体A,Cの間には空間が形成される。つまり、第一構造体Aの一対の片持ち梁10がZ軸方向に撓むことが許容される空間が形成されることとなる。
ここで、第三構造体Cについて詳述する。基台15には、枠体13に装備された上記磁石21a,21b,22a,22bのうち3つに対応してそれぞれ磁界の向きを検出する磁界検出チップ5,6,7(磁界検出手段)が配置されている。その配置は、加速度センサを組み付けると、図10(b)に示すように、各磁石21a,22a,22bの真下に位置することとなる。そして、各磁石21a,22a,22bのN極面、S極面からの磁界の向き(矢印参照)を検出するために用いられる。
磁界検出チップ5,6,7は、上記実施例1にて説明した4つのGMR素子が形成された磁界検出チップ4とほぼ同様の構成である。そして、符号7に示す磁界検出チップは、Y軸方向の加速度を検出するためのものであり、符号5,6に示す2つの磁界検出チップは、X軸方向とZ軸方向の加速度を検出するためのものである。つまり、符号5,6の2つの磁界検出チップは、一対の片持ち梁11,12に対応して、対をなして配置されている。
そして、上述したように、各磁界検出チップ5,6,7の上面の積層面にそれぞれ4つずつ形成されているGMR素子(磁気抵抗効果素子)は、入力される磁界の向きに応じたMR抵抗値を出力する。これらGMR素子は、所定の方向の磁界のみを検出すべく、かかる方向に磁化固定されている。例えば、符号5,6に示すX軸方向用、Z軸方向用の磁界検出チップに形成されたGMR素子は、X軸方向と垂直な方向(Y軸方向)に延びる直線状に複数形成されており、互いに直列接続されていて、X軸方向の加速度を検出するためにX軸方向に磁化固定されている。なお、これらを用いてX軸方向とZ軸方向との加速度を計測する原理については後述する。また、符号7に示す磁界検出チップのGMR素子は、Y軸方向と垂直な方向(X軸方向)に延びる直線状に複数形成されていて直列接続されており、Y軸方向の加速度を検出するためにY軸方向に磁化固定されている。
また、各磁界検出チップ5,6,7には、上記各GMR素子を接続する配線が形成されており、さらに、これらGMR素子に接続された接続端子(電圧端子、グランド端子、差動電圧検出用端子)などが形成されている。
次に、具体的に各軸方向の加速度の検出原理を説明する。まず、図11乃至図13を参照して、X軸方向、及び、Z軸方向の加速度を検出する際の原理を説明する。上述したように、磁界検出チップは、X軸用、Z軸用として一対のチップ5,6を配置しているが、それぞれのGMR素子の磁化固定はX軸方向と同一である。そして、後述するように、1つの磁界検出チップに形成された4つのGMR素子のうち、2つをX軸用、残りの2つをZ軸用として用いる。従って、一対の磁界検出チップ5,6からそれぞれ2つずつ、計4つのGMR素子を用いてブリッジ回路を構成して、2軸方向の加速度の計測をする。以下、計測原理をさらに詳述する。
まず、図11(a)に示すように、通常は、磁石21a,21b,22a,22bからの磁界Hの向きが磁界検出チップ5,6,7の積層面にほぼ垂直に設定されている。但し、図11(b)に示すように、梁11,21の自重や磁石21a,21b,22a,22bによる質量のため、梁11,12の自由端11a,12aが下方に常に撓んだ状態にある。かかる場合には、それぞれが垂直方向に対して−△θgだけ傾いた状態にあるため、GMR素子に対する磁界の向きも同様に垂直方向に対して−△θgだけ傾いた状態となる。なお、それぞれの梁11,12は相互に反対向きに設けられているので、その角度の正負の向きも逆となる。そして、この図においては、加速度gがかかっている状態であるが、このときのX軸方向への加速度と、Z軸方向への加速度とは、磁界Hの向きの変化量、つまり、上記磁石21a,21b,22a,22bの傾いた角度の和と差を算出することにより、当該算出した角度の大小によって表すことができる。具体的には、X軸方向の加速度に対応する角度Axは侵入角の差を、Z軸方向の加速度に対応する角度Azは侵入角の和を算出すればよいこととなり、
Ax=−△θg−(−△θg)=0
Az=−△θg+(−△θg)=−2△θg
となる。
次に、図12(a)において、X軸方向に加速した場合を説明する。この図に示すように、矢印Gx方向に加速した場合には、一方の梁11の自由端(磁石21a)はZ軸の正方向に撓むため、磁石21aは、垂直方向に対して−△θg+△θxだけ傾くこととなる。そして、他方の梁12の自由端(磁石22a)はZ軸の負方向に撓むため、磁石22aは、垂直方向に対して−△θg−△θxだけ傾くこととなる。ここから、X軸方向の加速度に対応する角度Axと、Z軸方向の加速度に対応する角度Azを求めると、
Ax=(−△θg+△θx)−(−△θg−△θx)=+2△θx
Az=(−△θg+△θx)+(−△θg−△θx)=−2△θg
となる。
同様に、図12(b)は、Z軸方向に加速した場合である。この図に示すように、矢印Gz方向に加速した場合には、一対の梁11,12の自由端(磁石21a,22a)が共に、Z軸の正方向に撓むため、磁石21a,22aは、垂直方向に対して−△θg+△θzだけ傾くこととなる。ここから、X軸方向の加速度に対応する角度Axと、Z軸方向の加速度に対応する角度Azを求めると、
Ax=(−△θg+△θz)−(−△θg+△θz)=0
Az=(−△θg+△θz)+(−△θg+△θz)=−2△θg+2△θz
となる。
同様に、図12(c)は、X−Z平面に沿ってX軸及びZ軸方向に加速した場合である。この図に示すように、矢印Gxz方向に加速した場合には、X軸方向の加速を含んでいるため、上述したように、一対の梁11,12の自由端(磁石21a,22a)はそれぞれ異なるようZ軸方向に撓む。このため、一方の磁石21は、垂直方向に対して−△θg+△θx+△θzだけ傾くこととなり、他方の磁石22は、垂直方向に対して−△θg−△θx+△θzだけ傾くこととなる。ここから、X軸方向の加速度に対応する角度Axと、Z軸方向の加速度に対応する角度Azを求めると、
Ax=(−△θg+△θx+△θz)−(−△θg−△θx+△θz)
=+2△θx
Az=(−△θg+△θx+△θz)+(−△θg−△θx+△θz)
=−2△θg+2△θz
となる。
以上のように、一対の片持ち梁11,12の自由端が、X軸方向に加速した場合にはそれぞれ逆方向に撓み、また、Z軸方向に加速した場合にはそれぞれ同一方向に撓むため、各片持ち梁11,12のそれぞれの撓み方向の組み合わせを、各磁石21a,22aのX軸方向における磁界Hの向きを検出して特定することで、X軸方向、及び、Z軸方向の2軸方向の加速度を計測することができる。
また、図13は、Y軸方向に加速した場合である。Y軸方向に加速すると、両梁11,12とも、同一回転方向に捩れる。従って、磁石21a,21b,22a,22bは両方とも同一方向に回転する。このため、磁石21a,21b,22a,22bは、垂直方向に対して+△θyだけ傾くこととなる。従って、この傾きの角度+△θyをY軸方向の加速度に対応する角度Ayとして用いることができる。
ここで、X軸方向とZ軸方向のGMR素子は、両方ともX軸方向に磁化固定されているため、上述したように一対の片持ち梁11,12の撓み方向の組み合わせの相違を、各GMR素子から出力される抵抗値から特定する必要がある。そのために、各軸における一対の磁界検出チップ5,6内のGMR素子の配置を以下のように設定する。
まず、図14(a)(1)にはX軸方向(右向き矢印方向)に加速度が生じた場合の一対の片持ち梁11,12の様子を、図14(a)(2)にはZ軸方向(上向き矢印方向)に加速度が生じた場合の一対の片持ち梁11,12の様子を示す。そして、図14(b)は、それぞれGMR素子に対する磁界Hの侵入角と抵抗値との正負の関係を示す。この図において、磁界検出チップ5,6内に図示された三角形は、計測する磁界の向きによる出力抵抗値の正負の向きを示している。なお、各片持ち梁11,12は、それぞれ自由端が対峙して設けられているので、磁石21a,22aの傾き角度の正負は、もともと逆方向に設定されていることとする(図11等参照)。
はじめにX軸用のGMR素子にて検出する抵抗値を考える。図14(b)(1)の上段に示すように対をなす磁界検出チップ5,6のGMR素子を、相互に反対向きに配置すると、図14(b)(1)の下段のように抵抗値dRは、それぞれ正負が逆となる。一方、これとは逆に同一の向きにGMR素子を配置すると、抵抗値dRは、それぞれ正あるいは負となる。このとき、ブリッジ回路によって差動電圧を検出するために、2つの抵抗値の差を算出すると、
反対向きの場合:Dx=+dR−(−dR)=+2dR
同一向きの場合:Dx=+dR−(+dR)=0
以上より、X軸方向用の一対の磁界検出チップ5,6内のGMR素子の配置は、図14(b)(1)に示すように逆向きに設定する必要がある。
次に、Z軸用のGMR素子にて検出する抵抗値を考える。図14(b)(2)の上段ように、対をなす磁界検出チップ5,6のGMR素子を同一の向きに配置すると、抵抗値dRはそれぞれ正負が逆となる。一方で、これとは逆に、相互に反対向きにGMR素子を配置すると、抵抗値dRはそれぞれ正となる。このとき、ブリッジ回路によって差動電圧を検出するために、2つの抵抗値の差を算出すると、
同一向きの場合:Dx=+dR−(−dR)=+2dR
反対向きの場合:Dz=+dR−(+dR)=0
以上より、Z軸方向用の一対の磁界検出チップ5,6内のGMR素子の配置は、図14(b)(2)に示すように同一の向きに設定する。
さらに、Y軸方向のGMR素子にて検出する抵抗値を考えてみると、これは、上述した実施例1の場合と同様である。従って、全てのGMR素子を同一方向に向けて配置すればよい。
次に、さらに磁界検出チップ5,6,7の配置について図15乃至図17を参照して詳述する。まず、上述したように、各チップ5,6,7を各磁石21a,22a,22bに対向して配置する。このとき、図15に示すように、符号21aに示す磁石に対向する磁界検出チップ5内の2つのGMR素子がX軸用として用いられ(符号SX1)、同様に、符号22aに示す磁石に対向する磁界検出チップ6内の2つのGMR素子がX軸用として用いられ(符号SX2)、これらによってX軸用加速度センサSXが構成される。また、同様に、磁界検出チップ5,6の残りのGMR素子(SZ1,SZ2)でZ軸用加速度センサSZが構成される。なお、X軸用センサSXを構成するGMR素子は、上述したように、磁界検出チップ5,6において反対向きに配置するとよいが、これでは、符号6に示す磁界検出チップにおいて、GMR素子の全ての磁化固定向きが同一とならない。すると、1チップ内に製造することが困難となってしまうため、図16の符号SZ2,SX2に示すように同一向きに設定することが必要となる。これに対応するためには、これらGMR素子に接続される電圧印加用端子などの配置を、通常とは逆に設定すればよい。これについては後述する。
また、符号22bに示す磁石に対向して配置された磁界検出チップ7内の4つのGMR素子が、Y軸用センサSYとして用いられる。このとき、その向きは、梁12の捩れ方向に向いて配置される。
続いて、図17に、実際に装着する磁界検出チップ5,6,7の構成と、その配置について説明する。まず、Y軸用の磁界検出チップ7は、上記実施例1にて図8を参照して説明したものと同様の構成を採っており、磁化固定方向が同一の4つのGMR素子71,72,73,74が形成されている。そして、各GMR素子71〜74は、それぞれ磁石22bのN極面、S極面に対向して配置される。また、この磁界検出チップ7には、電圧印加用端子(Vcc,G)と、差動電圧検出用端子(Y1,Y2)が形成されており、ブリッジ回路が形成されている。これにより、差動電圧検出用端子(Y1,Y2)間の差動電圧を計測することで、上述したように、高感度に磁石22bの傾き、つまり、Y軸方向の加速度を検出することができる。
また、X軸用、Z軸用として用いられる一対の磁界検出チップ5,6も同様に、それぞれ磁化固定方向が同一の4つのGMR素子(51,52,53,54)(61,62,63,64)が形成されている。但し、このうち、各チップ5,6におけるそれぞれ2つずつのGMR素子により、X軸用センサSX1,SX2(51,52,63,64)、Z軸用センサSZ1,SZ2(53,54,61,62)が構成される。なお、X軸用のセンサに関しては、符号6に示す磁界検出チップにおけるGMR素子SX2が、電圧印加用端子が逆に接続されることで、出力抵抗値が逆になるよう設定され、SX1に対して反転させた場合と同様の効果を有する。そして、各軸用センサにてブリッジ回路を構成し、差動電圧検出用端子(X1,X2)(Z1,Z2)間の差動電圧を計測することで、各磁石21a,22aの傾きを検出し、上述したように、X軸あるいはZ軸方向への加速度を計測することができる。つまり、上記構成により、各磁界検出チップ5,6,7の各GMR素子にて、図18に示すようブリッジ回路が形成される。従って、かかるブリッジ回路にて、それぞれの差動電圧Vx,Vy,Vzを検出することにより、これらに基づいて各GMR素子の抵抗値の変化、つまり、各軸方向の加速度を検出することができる。
そして、図17に示すように、磁界検出チップ5,6,7に形成するGMR素子は、各チップにおいて全てが同一の方向に磁化固定されているため、チップを製造するウエハプロセスにおいて、容易に1チップ上に収めて製造することができる。従って、磁界検出チップの小型化を図ることができる。また、各4つのGMR素子を1チップ化するため、ブリッジ回路を構成する際にこれらの配線接続も容易となり、容易に使用することができる。
なお、上記では、U字磁石2のN極、S極が、各梁11,12の長手方向に平行して装着されている場合を例示し、これに対応して磁界検出チップ5,6,7のGMR素子を配置した例を説明したが、これに限定されない。図19に示すように、U字磁石2のN極、S極が、各梁11,12の長手方向に対して垂直に延びるよう装着されていてもよい。かかる場合には、N極、S極に対応して、各磁界検出チップ5,6,7のGMR素子を配置する。
また、上記では、ブリッジ回路を構成して各GRM素子の抵抗値の変化を検出して、これに基づいて各片持ち梁11,12に設けられた各磁石21a,21b,22a,22bの傾きを検出し、最終的に各軸方向の加速度を計測する構成を例示したが、かかる構成にて計測することに限定されない。ブリッジ回路を用いずに、各GMR素子の抵抗値を検出する構成、方法を採ってもよい。
また、ブリッジ回路を用いずに、他の構成、方法にて、各片持ち梁11,12のZ軸方向に沿った撓み方向の相違を検出して、X軸方向とZ軸方向との加速度を計測してもよい。例えば、直接各GMR素子の抵抗値を検出し、その変化量の正負をも区別して検出することで、X軸用とZ軸用とを共用することができ、さらに構成の簡素化を実現できる。
また、上記では、一対の片持ち梁11,12を同一直線状に配置したが、同一直線状ではなく、これらをほぼ平行に配置してもよい。このようにしても、X軸、Z軸方向への加速度に対して、上述同様に作用しうる。また、磁石を装備した各自由端を相互に対峙するよう配置したが、後に説明するように、それぞれが反対側に位置するよう配置してもよい。
さらに、上記では、梁11,12を水平面を形成するX軸に沿って配置する構成を例示したが、いかなる向きに配置してもよい。例えば、梁11,12を水平面を形成するY軸方向に沿って配置して、その撓み方向がZ軸方向となるよう配置してもよい。
ここで、上述した一対の片持ち梁10、つまり、第一構造体Aの変形例を、図20に示す。図20は、本実施例における一対の片持ち梁及び磁石を含む第一構造体の構成を示す図であり、図20(a)は、上方から見た斜視図を、図20(b)は裏面側から見た斜視図である。
図20に示すように、本実施例における一対の片持ち梁101は、ほぼ同一直線状に配置され、各梁111,112の各固定端が対峙して配置されている。そして、各固定端側で1つの板状の支持部材130にて固定されている。従って、各梁111,112の各自由端は、相互に反対側に位置している。これにより、各自由端に装備された各磁石121,122間の距離を離して配置することができる。また、各磁石121,122は、さらに2つに分割されて設けられている。このとき、各梁111,112の自由端部から梁111,112に対して垂直に延びる長さの短い補助部材が設けられており、その両端部に分割された各U字磁石(121a,121b、及び、122a,122b)が設けられている。
これに対応して、各U字磁石121a,121b,122a,122bの下方には、上述したように、磁界検出チップが配置されることとなる。
このようにすることにより、各梁111,112に装備された磁石間の距離をあけて配置することができ、チップによる磁界の向きの検出時に、他方の磁石による影響を抑制することができる。これにより、計測精度の向上を図ることができる。また、中央に配置された支持部材130にて一対の片持ち梁101を支持しているため、センサ自身の省スペース化、及び、低コスト化を測ることができる。
ここで、上述した磁界検出チップの変形例、及び、磁石に対する配置の変形例を、図21乃至図22を参照して説明する。図21(a)には、X軸及びZ軸方向用の磁界検出チップ5’(6’)の構成を示す。また、図21(b)には、Y軸方向用の磁界検出チップ7’の構成を示す。この図において、符号5a(6a)あるいは符号7aに示す部分がGMR素子となっている。そして、それぞれのGMR素子が三角形印方向に磁化固定されており、上述したように、同一チップ内では全てが同一方向に磁化固定されている。
そして、図22に、実際に磁石配置したときの様子を示す。図22(a)は上面図を示し、図22(b)は図22(a)に示す矢印方向から見た側面図を示す。この図においては、図20に示した片持ち梁101に、それぞれU字型磁石121a,121b,122a,122bが装備されており、このとき、符号121aと122aに示す磁石に対して、符号121b,122bの磁石は90度回転して装備されている。そして、符号121aと122aに示す磁石には上述したX軸及びY軸方向用の磁界検出チップ5’,6’が配設され、符号122bの磁石にはY軸方向用の磁界検出チップ7’が配設されており、それぞれのGMR素子5a,6a,7aが対向した状態になっている。なお、符号121bに示す磁石に対してはチップが配設されないが、片持ち梁のバランスを保つため、装備された状態である。
以上のように、磁界検出チップを構成したり、U字磁石を配置した場合であっても、上述同様に1つのセンサにて3軸方向の加速度を検出することができる。なお、上述した磁界検出チップの構成やU字磁石の配置、さらには、磁界検出チップとU字磁石との位置関係は一例であって、上述したものに限定されるものではない。
次に、上述した構成の加速度センサの実装例を説明する。例えば、ハードディスクドライブの筐体内に加速度センサを装備する。
ここで、図23に、ハードディスクドライブ200を裏側から見た内部構造を示す。ハードディスクドライブ200の内部には、当該ドライブの動作を制御する制御基板201が実装されており、かかる基板201上に加速度センサ210を装着する。そして、当該センサ210から検出した信号が、制御基板201上の演算装置(図示せず)にて演算処理され、所定の方向の加速度を検出するよう構成する。これにより、ハードディスクドライブ200がいかなる姿勢にてコンピュータなどに配置されていたとしても、上述したように3軸方向の加速度を検出することができるため、いかなる方向の加速度をも適切に検出することができる。
そして、例えば、各軸方向への所定の値以上の加速度を検出した際には、磁気ヘッドを磁気ディスク上から退避させるよう作動させる機構及び制御装置を、ハードディスクドライブ200に装備するとよい。このようにすることで、データの破損を抑制することができる。
なお、上記では、加速度センサをハードディスクドライブに装備する場合を例示したが、他の電子装置に搭載してもよい。そして、所定の加速度を検出したときに電子装置の動作を制御して当該装置自体を加速度から保護可能なよう構成してもよい。さらには、上記加速度センサにて加速度を検出することによって、電子装置に加えられる衝撃や電子装置の傾きなども検出することができる。そして、検出した加速度、つまり、衝撃や傾き状況に応じた所定の処理を施すことも可能となる。従って、信頼性の高い電子装置を構成することができると共に、電子装置の高機能化を図ることができる。
ここで、例えば、自由落下を検出する場合には1G〜3Gの範囲で検出可能なセンサを、衝撃を検出する場合には30G〜50Gの範囲で検出可能なセンサを装備することが望ましいが、本発明の加速度センサは、1Gから50G程度の加速度を検出することができるため、自由落下を加速度で検出する機能、衝撃を加速度で検出する機能、さらには、角度を加速度で検出する機能を1つのセンサで実現することができる。
本発明である加速度センサは、産業用ロボットやハードディスクドライブなどの電子装置に生じる衝撃や落下、傾きなどを検出することができ、電子装置の状況に応じた適切な処理を施すよう構成することが可能であり、産業上の利用可能性を有する。
図1(a),(b)は、実施例1における加速度の計測原理を示す説明図であり、磁界の向きとGMR素子の抵抗値との関係を示す。 図2(a)〜(c)は、実施例1における加速度の計測原理を示す説明図であり、加速度センサの一構造を挙げて磁界の向きとGMR素子の抵抗値との関係を示す図である。 図3(a),(c)は、実施例1における加速度の計測原理を示す説明図であり、磁石にU字磁石を用いた場合を示す。 図4(a),(b)は、実施例1における加速度の計測原理を示す説明図であり、磁石にU字磁石を用いた場合の磁界の向きとGMR素子の抵抗値との関係を示す。 図5(a),(b)は、実施例1におけるGMR素子にてブリッジ回路を構成したときの様子を示す図である。 実施例1における磁界検出チップの構成を示すと共に、当該磁界検出チップのU字磁石に対する配置を示す図である。 図7(a),(b)は、磁界検出チップにより構成したブリッジ回路を示す図である。 図8(a)は、実施例1における磁界検出チップの構成を示す概略図であり、図8(b)は、磁界検出チップのU字磁石に対する配置を示す図である。 図9は、実施例2における加速度センサの一部である片持ち梁を有する構成を示す。図9(a)は上面図を示し、図9(b)は下方斜視図を示す。 図10は、実施例2における加速度センサの全体構成を示す。図10(a)は加速度センサの分解図であり、図10(b)は側方から見た簡略図である。 図11(a),(b)は、実施例2における加速度の計測原理を示す説明図である。 図12(a)〜(c)は、実施例2における加速度の計測原理を示す説明図である。 図13(a),(b)は、実施例2における加速度の計測原理を示す説明図である。 図14(a),(b)は、実施例2における適切なセンサの配置を示す説明図である。 実施例2におけるU字磁石に対する磁界検出チップの配置を示す説明図である。 実施例2におけるU字磁石に対する磁界検出チップの配置の改良例を示す説明図である。 実施例2における各磁界検出チップの構成を示すと共に、これら磁界検出チップのU字磁石に対する配置を示す図である。 実施例2における各磁界検出チップにてブリッジ回路を構成したときの説明図である。 実施例2におけるU字磁石に対する磁界検出チップの配置の変形例を示す説明図である。 実施例2における加速度センサの一部である片持ち梁の構成の変形例を示す図であり、図20(a)は上方斜視図、図20(b)は下方斜視図である。 図21(a),(b)は、それぞれ磁界検出チップの構成の変形例を示す図である。 図22(a),(b)は、図21に開示した磁界検出チップを磁石に対抗して配置したときの図を示す。 本発明である加速度センサをハードディスクドライブに実装したときの様子を示す図である。
符号の説明
1,11,12,111,112 片持ち梁(ばね部材)
10 一対の片持ち梁
2 磁石(磁界発生手段)
3,4,31,32,33,34,4,5,6,7 磁界検出チップ(磁界検出手段)
3a,31a,32a,33a,34a,51,52,53,54,61,62,63,64,71,72,73,74 GMR素子(磁気抵抗効果素子)
21a,21b,22a,22b U字磁石
13 枠体
14 側面体
15 基台
11a,12a 自由端
11b,12b 固定端
130 支持部材
200 ハードディスクドライブ(電子装置)
201 制御基板
210 加速度センサ
A 第一構造体
B 第二構造体
C 第三構造体

Claims (19)

  1. 少なくとも一方向に自由度を有するばね部材と、N極面とS極面とを同一方向に向けて一体的に構成され前記ばね部材に装備された磁界発生手段と、この磁界発生手段のN極面及びS極面にそれぞれ少なくとも1つずつ対向して配置され磁界の向きを検出する各磁界検出手段と、を備え、
    前記各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した、
    ことを特徴とする加速度センサ。
  2. 前記各磁気抵抗効果素子の間の差動電圧を検出するブリッジ回路を備えた、
    ことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
  3. 前記各磁気抵抗効果素子を、前記N極面と前記S極面とに対向してそれぞれ2ずつ設けた、ことを特徴とする請求項2記載の加速度センサ。
  4. 前記4つの磁気抵抗効果素子を並列接続し前記ブリッジ回路を形成するよう1チップ内に形成し、このチップ上に電圧印加用端子と差動電圧検出用端子を形成した、ことを特徴とする請求項3記載の加速度センサ。
  5. 同一直線上又はほぼ平行に、固定端と自由端との位置が相互に反対向きに配置され、各自由端が同一方向に沿って撓むよう自由度を有する一対の片持ち梁と、
    N極面とS極面とを同一方向に向けて一体的に構成され、前記各片持ち梁の各自由端にそれぞれ装備された一対の磁界発生手段と、
    各磁界発生手段のN極面及びS極面にそれぞれ少なくとも1つずつ対向して配置され磁界の向きを検出する各磁界検出手段と、を備え、
    前記各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、対向する前記各磁界発生手段ごとに検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した、
    ことを特徴とする加速度センサ。
  6. 前記片持ち梁の長手方向の加速度計測用として、一方及び他方の前記磁界発生手段のN極面とS極面とにそれぞれ対向する少なくとも4つから成る前記磁気抵抗効果素子の組を設けると共に、
    前記片持ち梁が撓んだときの軌跡が形成される面に沿った当該片持ち梁の長手方向に直交する方向の加速度計測用として、前記加速度計測用の磁気抵抗効果素子の組と同様に少なくとも4つから成る前記磁気抵抗効果素子の組を別途設けた、
    ことを特徴とする請求項5記載の加速度センサ。
  7. 前記各方向の加速度計測用としてそれぞれ設けられた前記磁気抵抗効果素子の組ごとに、前記各磁気抵抗効果素子の間の差動電圧を検出するブリッジ回路をそれぞれ設けた、
    ことを特徴とする請求項6記載の加速度センサ。
  8. 前記各磁気抵抗効果素子を、対向する前記各磁界発生手段ごとに1チップ内に形成し、各チップ上に前記ブリッジ回路を構成可能なよう電圧印加用端子と差動電圧検出用端子とを形成した、ことを特徴とする請求項7記載の加速度センサ。
  9. 前記各チップ内に形成される前記各磁気抵抗効果素子の向きを、各チップごとに同一方向に配置した、ことを特徴とする請求項8記載の加速度センサ。
  10. 前記一対の片持ち梁は、当該梁の捩れ方向に自由度を有すると共に、
    前記片持ち梁が捩れることによって変化する磁界の向きを検出する他の捩れ方向用の前記磁界検出手段を、少なくとも1つの前記磁界発生手段のN極面及びS極面に対向するようそれぞれ少なくとも1つずつを設け、
    前記捩れ方向用の各磁界検出手段を、磁界の向きに応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子にてそれぞれ形成すると共に、検出可能な磁界の向きが同一方向となるようそれぞれ配置した、
    ことを特徴とする請求項6,7,8又は9加速度センサ。
  11. 前記捩れ方向用の各磁気抵抗効果素子の間の差動電圧を検出するブリッジ回路を備えた、
    ことを特徴とする請求項10記載の加速度センサ。
  12. 前記捩れ方向用の各磁気抵抗効果素子を、前記N極面と前記S極面とに対向してそれぞれ2ずつ設けた、ことを特徴とする請求項11記載の加速度センサ。
  13. 前記捩れ方向用の4つの磁気抵抗効果素子を並列接続し前記ブリッジ回路を形成するよう1チップ内に形成し、このチップ上に電圧印加用端子と差動電圧検出用端子を形成した、ことを特徴とする請求項12記載の加速度センサ。
  14. 前記一対の片持ち梁は、当該片持ち梁が撓んだときの軌跡が形成される面に対して直交する平面を有する板状の梁である、ことを特徴とする請求項6,7,8,9,10,11,12又は13記載の加速度センサ。
  15. 前記磁界発生手段は、U字型磁石である、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14記載の加速度センサ。
  16. 前記U字型磁石のN極及びS極の形成面とは反対側部分を覆う強磁性体を設けた、ことを特徴とする請求項15記載の加速度センサ。
  17. 前記各片持ち梁のそれぞれの自由端において、前記各磁界発生手段をそれぞれ複数に分割して設けた、ことを特徴とする請求項15又は16記載の加速度センサ。
  18. 請求項6乃至17記載の加速度センサを備えたことを特徴とする電子装置。
  19. 請求項6乃至17記載の加速度センサを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。

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