JP4352892B2 - マイクロ傾斜検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話及び携帯端末などのモバイル機器、及び、自動車等に実装される小型デバイス等に搭載される超小型傾斜検知装置に関する。
傾斜計は従来、地盤の変動、建築物の傾きを計測するために使用され、そこに使用される測定器としては古くはいわゆる水準器であり、近年においては、ポテンショメータ式やトルクバランス式等がもちいられてきた(非特許文献1 今すぐ使えるセンサの働きとダ最適利用 技術評論社 著者 日本レギュレータ・センサ研究会 S56.3.10初版発行 P180−181)。
それらの基本原理は、水平な基板を有し、そこから立設した部材に、錘を垂下させたものであり、測定したいものの上にその装置をのせ、その傾斜を基準位置からの変位として計測するものである。それそれの方式はその変位の測定方法に特徴があり、トルクバランス式では発光素子等を用いて測定している。
更に、高精度化したものも開発されている。これは、特許文献1(特開平5−240641号公報)には弾性変形可能な可動板をバルク磁石の間に垂下させ、磁石間の磁束方向と直交するように巻回したコイルを可動板に装着し、傾斜により可動板が変位したときの可動板と磁石との対向面間の静電容量の変化に応じてコイルへの通電量を変化させて可動板を元の位置に復帰するように作用させ、そのときにコイルに流れる電流から傾斜角を検出できるように構成したものである。
また、特許文献2(特開平8−184435号公報)においては、固定盤から錘りの両サイドに平行になるように2枚の恒弾性体板バネを取り付けてこの恒弾性体板に錘りを垂直につり下げるとともに、固定盤側に磁気検出器を、対向する錘り側に磁石を取り付けた傾斜計が開示されている。また、上記傾斜計を水平面上の2つの直交軸方向に配設することが記載されている。この装置は、地上に設置して使用される。
しかし、これらの傾斜計は、いずれも、錘を垂下する方式のため、鉛直方向に長く、大型で部品点数も多く、小型化することが困難であった。
一方、自動車やロボット等の移動体の分野においても、技術の発展に伴い、姿勢制御等のニーズが高まり、移動体の傾斜量の測定が望まれていた。更に、これら移動体において使用される場合には、傾斜検知装置の小型軽量化が必須の条件である。
最近では、携帯電話、携帯端末などモバイル機器には磁気コンパスが利用されるようになってきた。磁気コンパスは 地磁気の水平成分の大きさを測定して、方位を出力するものであるが、一般にモバイル機器は手に持って操作することが多いのでそのモバイル機器の姿勢は様々であり方位誤差を生みやすい。そこでモバイル機器の姿勢すなわち傾斜角度と傾斜方向を傾斜検知装置で測定し、その傾斜情報により方位誤差を補正することが行われはじめている。しかしながら近年のモバイル機器は非常に小型かつ薄型に作られており電子回路基板に実装するためには、ICなどと同じパッケージの高さか、あるいはそれ以下の実用的な超小型の傾斜検知装置として実現する必要がある。
具体的には、モバイル機器に使用される傾斜検知装置は、半田付けなどにより電子回路基板に装着する必要がある。近年の携帯電話機器においては特に薄型に実現するニーズが強く、ICなどの電子回路部品と同様に傾斜検知装置の電子回路基板からの高さはすなわちパッケージの高さはおおよそ1.5mm以下にする必要がある。
しかし、前述の従来技術からなる傾斜センサは錘を重力方向に懸垂する構造のため、縦方向(重力方向)の寸法を小さくすることが困難であり、かつ±90°までの広い傾斜角には対応できず、さらに構造が複雑なため小型化ができない等の問題点を有していた。
また、一般的な傾斜の検知は重力による弾性体の変形を変位として変位検出器で電気的に信号を得るものであったが、重力―変位変換装置を構成する弾性体の寸法が大きいほど大きな変位が得られるので従来のメカニズムは大型であった。このようなメカニズムをそのまま小型化しても、十分な変位感度が得られない。たとえば一般的に用いられる片持ち梁の力に対する変位量は梁長さの4乗に比例するので、この長さを小さくして行くと所定の力に対する変位の感度は急激に減少し通常の変位検出手段ではとても検出ができなくなる。また、これらの従来技術は、移動体に組み込まれることを想定しておらず、その環境下での問題点の認識もなく、解決手段も提示されていない。
よって、しかし、上記のすべての分野で実装可能な超小型で高感度な傾斜検知装置は出現していない。
特開平5−240641号公報 特開平8−184435号公報 今すぐ使えるセンサの働きとダ最適利用 技術評論社 著者 日本レギュレータ・センサ研究会 S56.3.10初版発行 P180−181
そこで、本発明においては、(移動する被検出体において)超小型で任意の傾斜角および傾斜方向を高精度で検知できるマイクロ傾斜検知装置の提供を目的とする。
更に、本発明においては、(移動する被検出体において)、移動に伴うノイズを除去することにより、超小型で任意の傾斜角および傾斜方向を高精度で検知できるマイクロ傾斜検知装置の提供を目的とする。
更に、本発明においては、磁気的変位検出手段を用いた超小型で任意の傾斜角および傾斜方向を高精度で検知できるマイクロ傾斜検知装置の提供を目的とする。
更には、上記磁気的変位検出手段をしようした場合に、超高感度ゆえに生じる地磁気ノイズを除去することにより、超小型で任意の傾斜角および傾斜方向を高精度で検知できるマイクロ傾斜検知装置の提供を目的とする。
本願発明は、基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、第一重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI1とし、第二重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI2としたとき、I2/I1≧100との関係を有する重力−変位変換装置と、当該重力−変位変換装置の第一、第二弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下自由端とする。)の変位を測定する第一、第二変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した当該基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなることを特徴とするマイクロ傾斜検知装置である。
上記のように構成された本発明の重力−変位変換装置の基板が任意の角度および方向に傾斜すると前記二つの弾性体は基板との間に隙間δを有するため摩擦力を受けることなく重力の作用により純粋に弾性変形する。更に、基板の傾斜測定に対する誤差となる第二重力作用面に垂直な方向の変位のし易さを、第一重力作用面に対して1/100以下にすることができるので、傾斜測定誤差を1%以下に小さくすることができ高精度なマイクロ傾斜検知装置の実現を可能にした。更に、±90°までの広い傾斜角を計測することができる。
また、この重力―変位変換装置の弾性体は長辺mを基板と平行に配置し、そして短辺lを垂直方向にに配設しているため、従来の傾斜装置の錘の垂下方式に比べ、大幅に高さの低い構造である。
第一および第二変位検出手段は前記弾性体の変位量に対応する電気信号Su、Svを出力する。
この変位信号Su、Svにもとづいて信号演算装置は演算を行い基板の傾斜が最大となる方向θおよびその傾斜角φを求め出力する。この演算方法は、公知の数学的公理にもとづいで導きだせるものである。以下に概略を示す。
信号演算装置は、たとえば前記第一および第二弾性体の長辺mの延長線が互いになす角αが90°の場合において、前記基板を重力に垂直に設置した場合を傾斜がゼロの状態とし、傾斜がゼロのときの第一弾性体の長辺mを含む軸をX軸、第二弾性体の長辺mを含む軸をY軸とし、そのときのX−Y平面を基準X−Y平面とする。前記基板を基準X−Y平面から傾斜させたとき、基板の最大傾斜ベクトルの基準X−Y平面への正射影ベクトルと、基準X−Y平面上のX軸とのなす角θを基板の傾斜方向θとし、それを数1により演算した。また、最大傾斜ベクトルと基準X−Y平面となす角φを基板の傾斜角φとし数2より演算し出力する。
θ=tan−1(Su/Sv) 数1
φ=sin−1√(Su2+Sv2) 数2
また、本願発明は、基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、第一重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下、自由端とする。)の変位量t1とし、第二重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の変位量t2としたとき、t1/t2≧100との関係を有する重力−変位変換装置と、当該重力−変位変換装置の第一、第二弾性体のそれぞれの変位を測定する第一、第二変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した当該基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなることを特徴とするマイクロ傾斜検知装置である。
上記により基板の傾斜に対応する変位量t1に対して誤差となる変位量t2の割合を1/100以下にすることができるので、傾斜測定の誤差が1%以下の高精度なマイクロ傾斜検知装置の実現を可能にした。
本願発明は、基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺n(厚さ辺は短辺の1/10以下である)とを有する第一弾性体と、外形が短辺l、長辺mと長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺n(厚さ辺は短辺の1/10以下である)とを有する第二弾性体とを有し、基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、各弾性体の長辺mの長さが1〜3mmであり、第一重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下、自由端とする。)の重力方向への変位量が10μm以上〜300μmであり、第二重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の変位量が無く構成された重力−変位変換装置と、当該重力−変位変換装置の第一、第二弾性体のそれぞれの変位を測定する第一、第二変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなるマイクロ傾斜検知装置である。
上記のように構成された本発明の重力−変位変換装置の基板が任意の角度および方向に傾斜すると前記二つの弾性体は基板との間に隙間δを有するため摩擦力を受けることなく重力の作用により純粋に弾性変形する。このとき前記二つの弾性体は厚さ辺nの長さよりも10倍以上大なる短辺lの長さを有して基板に垂直に配設されているため第二重力作用面においては変位が発生せず(ここで変位が発生しないとは、全く変位が発生しないとの意味ではなく、基板に接触するほどの変位でなく、かつ、傾斜測定の誤差が1%以下となる程度までの小さな変位は含むものである。)、第一重力作用面の力にのみ変位が発生することとなる。前記二つの弾性体の固定されていない自由端はともに第一重力作用面に垂直な方向にのみ変位可能になり、第一弾性体および第二弾性体の変位は前記基板の傾斜と精度良く対応する。更に、長辺mの長さを従来に比べ著しく小さい1〜3mmとし、各弾性体の第一重力作用面に重力が垂直に作用したときにおける変位量を10〜300μmとすることにより、十分な検出感度と同時に、第一重力作用面に作用する力と前記弾性体の自由端の変位量との間に精度の良い直線性がえられる。長辺mの長さ(ここでの長辺mの長さとは、固定手段によって固定されている固定端から、もう一方の自由端までの長さをいう。)が1〜3mmに対して、弾性体の自由端の変位量が10μm未満では、十分な検出感度が得られず、逆に弾性体の自由端の変位量が300μmを超える場合は、第一重力作用面に作用する力と自由端の変位量との間の直線性が不十分となる。この重力―変位変換装置の弾性体は長辺mの長さを従来に比べ著しく小さい1〜3mmとし、かつ、基板と平行に配置し、そして短辺lを垂直方向にに配設しているため、従来の傾斜装置の錘の垂下方式に比べ、大幅に高さの低い構造である。
本願発明は、更に、当該第一弾性体及び当該第二弾性体における第一重力作用面内に穴部を有するマイクロ傾斜検知装置である。
これにより第一重力作用面に垂直な方向の変位感度を大きくすることができる。このため前記第一および第二弾性体の長辺mを1〜3mmとしても第一重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの重力方向への変位量を10μm〜300μmとすることができ、超小型の傾斜検知装置の実現を可能にするという効果を得た。
更に、本願発明は、当該第一弾性体及び第二弾性体における短辺lの長さが、1.0mm以下であるマイクロ傾斜検知装置である。
上記により前記重力―変位変換装置を収納したパッケージの高さを1.5mm以下とすることができ、携帯電話のような小型モバイル機器に実装できる実用的なマイクロ傾斜検知装置として実現可能になった。当該短辺lの長さが、0.6mm以下であることが好ましい。この場合の当該パッケージの高さを1.0mm以下とすることができる。
また、本願発明は、基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、各弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下、自由端とする。)近傍には磁石が配設されており、第一重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI1とし、第二重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI2としたとき、I2/I1≧100との関係を有する重力−変位変換装置と、当該重力−変位変換装置の第一及び第二弾性体の長辺mの長手方向に沿い、当該自由端面に垂直に基板上に配設された第一及び第二磁気的変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した当該基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなることを特徴とするマイクロ傾斜検知装置である。
上記の構成による磁気的変位検出手段において、前記二つの弾性体の自由端近傍が変位すると、これに固定されている磁石も変位するため、第一及び第二の磁気的変位検出手段に印加される前記磁石の磁界が変化する。この磁界を電気信号に変換することで、非接触かつ自由端に何ら作用を与えることなく精度良く変位を計測する。
さらに、本願発明は、当該第一磁気的変位検出手段、第二磁気的変位検出手段が、アモルファスワイヤと該アモルファスワイヤの周囲に検出コイルを巻回したセンサヘッドを含み前記アモルファスワイヤにパルス通電するときのパルスの立ち上がりもしくは立下り時に前記検出コイルに発生する誘導電圧の最大値から磁界を検出するマグネトーインダクティブ磁気検出器であるマイクロ傾斜検知装置である。
マグネトーインダクティブ磁気検出器はホール素子を使用した磁気検出器の1000倍以上の高感度の磁気検出器であり、かつ、センサヘッドであるアモルファスワイヤの直径が代表的に20〜30μmであり非常に小型のため、前記弾性体の10〜300μmの微小な変位を磁界の変化から高精度かつ高感度で検知することができる。このため非常に微小変位の弾性体と組み合わせることで超小型のマイクロ傾斜検知装置の実現を可能にした。
なお、アモルファスワイヤの長さは、0.5mm以下で、各弾性体の自由端面とアモルファスワイヤ端の距離はできるだけ近接させたほうがよい。磁石を小型化でき、かつ、小型な磁石による微小磁界内に、アモルファスワイヤの感磁面がすべて入ることができ、高い出力が得られるからである。
本願発明は、当該信号演算装置が当該各種変位検出手段の信号に対して前記重力―変位変換装置の固有振動周波数よりも低いカットオフ周波数の低周波フィルタ処理を行うマイクロ傾斜検知装置である。
上記手段は、本装置が移動を伴うデバイスに使用されるときに、デバイスの移動に伴う加速度の発生による傾斜の測定ノイズを排除するためのものである。
特に、本発明が搭載されるモバイル機器等は手に持てる程軽量なため、容易にかなりの運動加速度が発生してしまい、かつ、本発明のマイクロ傾斜検知装置の対重力感度が非常に高く構成されているために、その運動加速度の影響が大きなノイズとなってくる。これらは、通常の傾斜装置においては発生しえなかった課題である。
具体的には、モバイル機器等は手に持って操作されることが多く、手や体の動きによる運動加速度が加えられると当該重力―変位変換装置の弾性体の固有振動数における共振が発生し、前記変位検出手段の出力信号にノイズとして重畳してくる。信号演算装置は二つの当該変位検出手段の信号に対してそれぞれ前記重力―変位変換装置の固有振動周波数よりも低いカットオフ周波数の低周波フィルタ処理演算を行うことでノイズを平均化し、その影響を無視できる程度に排除する。このノイズが排除された信号にもとづいて傾斜角および傾斜方向の演算を行うためモバイル機器においても精度の高い傾斜角および傾斜方向の測定が可能になる。
さらに、本願発明は、前述の発明において、地磁気を含む周囲環境の磁界成分を検出する2つの磁気センサを、当該基板上で、各弾性体の磁石部から所定距離はなれた所で、かつ、両者の検出軸を交差する2つの方向に配設し、当該磁気センサからの信号にもとづいて、前記信号演算装置が周囲磁界補償演算を行い前記変位検出手段の信号を補正するマイクロ傾斜検知装置である。通常、これらの地磁気レベルのノイズは、通常の変位検出用の磁気検出器においてもはそれ程影響は無い。更に、通常使われる重力−変位変換装置である、センチ、ミリ単位の弾性体においては、その先端につけられた磁石へ作用する地磁気レベルの磁界変動は、その変位量にほとんど影響をあたえるものでなかった。そのため、このような地磁気等はノイズ要因とされていなかった。それに対し、本発明のマイクロ傾斜検知装置は、超小型かつ高感度を達成するために、本発明のマイクロ傾斜検知装置の各弾性体は超小型にもかかわらず10〜300μm程度の所定の変位量を稼げるように対重力感度が非常に高く構成されているために、重力のみならず、地磁気等の変動によっても変位してしまう。すなわち、二つの弾性体の自由端に取付けた変位検出のための磁石は地磁気および周囲環境の磁界から磁気力を受けて変位し、その変位が変位信号に和としてノイズが重畳することとなる。
また、本発明は、上述の超小型(好ましくは、短辺lの長さが0.6mm以下、長辺mの長さが1mm〜3mm、厚さ辺nの長さが2μm〜50μm)の場合の、上記の所定変位量10〜300μmは、超小型の重力−変位変換装置としては大きい変位ではあるが、検出するにはかなりの検出感度が要求されるため、前述した磁気変化に対して高感度であるマグネトーインダクティブ磁気検出器を使用することが好ましい。
この場合は、マグネトーインダクティブ磁気検出器の感度が高感度なため、地磁気あるいはその他周囲環境の磁気の影響を受けるので、前記変位信号に和としてこれらノイズが重畳する。
これらは、通常の傾斜装置においては発生しえなかった課題である。
本発明においては、具体的には、信号演算装置が前記2つの磁気センサの信号に対応して周囲磁界補償演算を行い前記変位信号からノイズを取り除くことで高精度な傾斜角および傾斜方向の計測を可能にした。
一方、本願発明は、基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、第一重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI1とし、第二重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI2としたとき、I2/I1≧100との関係を有し、当該基板を重力に垂直に設置した場合に、出力信号がゼロであるマイクロ傾斜検知装置用重力−変位変換装置ともとらえることができる。
上記マイクロ傾斜検知装置用重力−変位変換装置については、各重力作用面の変位量については、第一重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の変位量t1とし、第二重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の変位量t2としたとき、t1/t2≧100との関係を有するものとして捉えることもできる。
さらに、上記マイクロ傾斜検知装置用重力−変位変換装置については、基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺n(厚さ辺は短辺の1/10以下である)とを有する第一弾性体と、外形が短辺l、長辺mと長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺n(厚さ辺は短辺の1/10以下である)とを有する第二弾性体とを有し、基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、各弾性体の短辺lの一方の端を固定する手段を有し、各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、各弾性体の長辺mの長さが1〜3mmであり、第一重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の重力方向への変位量が10μm以上〜300μmであり、第二重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の変位量が無く構成されたものとして捉えることもできる。
(実施例1)
本発明の実施例を図1を使って説明する。図1において第一重力―変位変換装置1aは第一弾性体11の一方の短辺lが固定手段である固定台12に固着されることで構成される。第二の重力―変位変換装置1bは第二弾性体13の一方の短辺lが固定手段である固定台14に固着されることで構成される。また、この二つの固定台12、14は前記第一および第二の弾性体の長辺mの延長線が直交するべく基板1に配設されている。
第一の変位検出手段Aはアモルファスワイヤ21とその周囲に巻回した検出コイル22とセンサ台23からなるセンサヘッド2aと信号処理回路24からなるマグネトーインダクティブ磁気検出器2と前記第一弾性体のもう一方の短辺に固着した変位検出用の磁石25を含む重力−変位変換装置1aから構成される。第二の変位検出手段はアモルファスワイヤ31とその周囲に巻回した検出コイル32とセンサ台33からなるセンサヘッド3aと信号処理回路34からなるマグネトーインダクティブ磁気検出器3と前記第二弾性体のもう一方の短辺に固着した変位検出用の磁石35を含む重力−変位変換装置1bから構成される。
地磁気を含む周囲環境の磁界成分を検出する第一の磁気センサCは前記第一弾性体11の長辺mと平行に配設されたアモルファスワイヤ51とその周囲に巻回した検出コイル52とセンサ台53からなるセンサヘッド5aと信号処理回路54からなるマグネトーインダクティブ磁気検出器5からなる。第二の磁気センサDは前記第二弾性体13の長辺mと平行に配設されたアモルファスワイヤ41とその周囲に巻回した検出コイル42とセンサ台43からなるセンサヘッド4aと信号処理回路44からなるマグネトーインダクティブ磁気検出器4からなる。前記信号処理回路24、34、44、54はICにより構成されておりそれぞれIC台5に配設されている。
第一の変位検出手段Aの信号処理回路24の出力は端子p1によって変位信号Suを外部電気回路に接続できるようになっている。また、第二の変位検出手段Bである信号処理回路34の出力は端子p2によって変位信号Svを外部電気回路に接続できるようになっている。
第一の磁気センサである信号処理回路54の出力は端子p3によって磁気信号Muを外部電気回路に接続できるようになっている。また、第二の磁気センサである信号処理回路44の出力は端子p4によって磁気信号Mvを外部電気回路に接続できるようになっている。
信号演算装置60はマイクロコンピュータからなり、ソフトウエアによって演算を行う。該信号演算装置60は低周波フィルタ演算装置61と周囲磁界補償装置62およびベクトル演算装置63から成る。低周波フィルタ61は前記変位信号SuおよびSvを前記出力端子p1、p2から入力しそれぞれの信号から所定のカットオフ周波数よりも低い周波数成分の信号のみを通過させて運動加速度に伴うノイズをカットして周囲磁界補償装置62に伝送する。周囲磁界補償装置62は周囲磁界に対応する前記磁気センサの信号MuおよびMvを前記出力端子p3、p4から入力し、Su−a*Mu(aは係数)の演算結果を補正後の変位信号Suとして、またSv−b*Mv(bは係数)を補正後の変位信号Svとしてベクトル演算装置63に伝送することによって地磁気等の周囲磁界によるノイズをカットしてベクトル演算装置63は前出の数1および数2により演算を行い、その結果傾斜角θを出力端子p10から、傾斜方向φを出力端子p11から出力するよう構成されている。
次に本実施例の動作について図2により説明する。図2は前出の図1における第1および第二重力―変位変換装置と基板のみを表したものである。基板1が任意の方向に傾斜すると第一および第二重力―変位変換装置1a,1bの弾性体は重力により破線で示すごとく固定されていない短辺部が変位する。この変位は傾斜角および傾斜方向に対応して矢印方向へ変位するものである。ここで実線で表すのは基板1の傾斜がゼロすなわち水平におかれたときの前記短辺部の位置である。この基板の傾斜に対応する変位量は図1の変位検出手段における磁石による磁界変化として前記マグネトーインダクティブ磁気検出器2,3によって検知され、変位信号Su、Svとして出力される。このSu、Svには運動加速度に起因する重力―変位変換装置の固有振動ノイズが重畳されるが、信号演算装置60の低周波フィルタ演算装置61により取り除かれる。一方、この段階ではSu、Svにはまだ、地磁気を含む周囲の磁界によるノイズが含まれているが周囲磁界補償演算装置62により前記演算(Su−a*Mu、Sv−b*Mv)が施されるので、ベクトル演算装置63にはこれらのノイズが取り除かれた変位信号が入力され、精度の高い傾斜角および傾斜方向を求めることができる。
次に図4を用いてこの周囲磁界補償演算の効果について説明する。図4は地磁気の水平成分が約300ミリガウスの磁界環境において、水平磁界の方向と前記第一重力―変位変換装置1aの第一弾性体11の長辺mの方向とを直交させた状態で、前記基板1を±90°回転したときの本発明のマイクロ傾斜検知装置の出力をグラフ化したものである。周囲磁界補償演算を施した図4の○印の結果は破線で示す理論値との差が僅かであり、最大誤差は±1%以下であった。これに対して前記周囲磁界補償演算装置62の動作を止めて補償演算を行わなかったときの結果は●印で示すように出力が理論値よりも小さく現れた。これより周囲磁界補償演算装置の効果を十分確認することができた。
なお実施例で用いた第一および第二の重力―変位変換装置の寸法は図3(a)に拡大図示したごとく弾性体の短辺lの長さは0.3mm、長辺mの長さは1.5mm、厚さすなわち辺nの長さは5μmであり、第一重力作用面には穴部11aがあり、その長辺方向g長さは0.8mm、短辺方向h長さは0.22mmである。上記のごとく重力―変位変換装置の短辺lの長さは0.3mmであるため、高さ寸法が非常に小さい傾斜検知装置を実現できることが分かる。
なお、実施例に限らず、本発明の弾性体が略直方体である場合の短辺l、長辺m、厚さ辺n、及びそれらの長さについて図3(b)に示した。本願発明においての短辺l、長辺m、厚さ辺nと記載した場合であっても、その場合の弾性体の形状は直方体に限られるものではなく、いかなる形状であっても良い。
さらに第一弾性体11に穴部11aを設けると、第一重力作用面に対して垂直な力に対する断面二次モーメントが小さくなり、変形量を大きくとることができる。更に、短辺lと長辺m(自由端から固定端まで)で囲まれる第一重力作用面において2本の隣接する弾性体の先端に11b(斜線部)の錘をつけたかのような状態になるため、変形量を更に稼ぐことができる。
また、上記構造は、二つの片持ち梁を隙間を持って上下に配設された片持ち梁構造からなり、該二つの片持ち梁の自由端が結合部材により一体的に固着されているとも言うことができる。
更に、11b部に磁石を載せることにより、その質量により、さらに変形量を増加できるため、重力に対する変位量を増大することができる。一方、第二重力作用面に垂直な方向の断面二次モーメントはあまり減少しないので、第二重力作用面に垂直な方向への変位は無視でき、測定精度を落とすことは無い。
なお第一および第二弾性体には穴部のないものを用いることも可能である。
本発明のマイクロ傾斜検知装置の斜視図および信号演算装置のブロック図 本発明のマイクロ傾斜検知装置中の重力−変位変換装置の原理説明図 本発明のマイクロ傾斜検知装置中の重力−変位変換装置の構造図 本発明のマイクロ傾斜検知装置の出力結果
1 基板
1a、b 重力―変位変換装置
11、13 弾性体
12.14 固定台
2、3 マグネトーインダクティブ磁気検出器
2a、b センサヘッド
C,D 磁気センサ
25,35 磁石
5 IC台
60 信号演算装置
61 低周波フィルタ演算装置
62 周囲磁界補償装置
63 ベクトル演算装置

Claims (10)

  1. 基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、
    外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、
    基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、
    第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、
    各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、
    各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、
    第一重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI1とし、第二重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI2としたとき、I2/I1≧100との関係を有する重力−変位変換装置と、
    当該重力−変位変換装置の第一、第二弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下自由端とする。)の変位を測定する第一、第二変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、
    当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した当該基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなることを特徴とするマイクロ傾斜検知装置。
  2. 基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、
    外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、
    基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、
    第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、
    各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、
    各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、
    第一重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下、自由端とする。)の変位量t1とし、
    第二重力作用面に対して垂直に重力が作用したときの各弾性体の自由端の変位量t2としたとき、t1/t2≧100との関係を有する重力−変位変換装置と、
    当該重力−変位変換装置の第一、第二弾性体のそれぞれの変位を測定する第一、第二変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、
    当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した当該基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなることを特徴とするマイクロ傾斜検知装置。
  3. 当該第一弾性体及び当該第二弾性体における第一重力作用面内に穴部を有することを特徴とする請求項1〜に記載されたマイクロ傾斜検知装置。
  4. 当該第一弾性体及び第二弾性体における短辺lの長さが、0.6mm以下であることを特徴とする請求項1〜に記載されたマイクロ傾斜検知装置。
  5. 当該厚さ辺nの長さが2μm〜50μmであることを特徴とする請求項に記載されたマイクロ傾斜検知装置。
  6. 基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、
    外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、
    基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、
    第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、
    各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、
    各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、各弾性体の固定されていないもう一方の短辺l(以下、自由端とする。)近傍には磁石が配設されており、
    第一重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI1とし、第二重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI2としたとき、I2/I1≧100との関係を有する重力−変位変換装置と、
    当該重力−変位変換装置の第一及び第二弾性体の長辺mの長手方向に沿い、当該自由端面に垂直に基板上に配設された第一及び第二磁気的変位検出手段とからなるマイクロ傾斜検知装置であって、
    当該マイクロ傾斜検知装置の当該基板を重力に対して垂直に配置し、そこから当該基板が傾斜したときに上記各変位検出手段から得られた信号を演算処理し、重力に対して垂直に配置した当該基板を含む面を基準面として傾斜角および傾斜方向を出力する信号演算装置とからなることを特徴とするマイクロ傾斜検知装置。
  7. 当該第一磁気的変位検出手段、第二磁気的変位検出手段が、アモルファスワイヤと該アモルファスワイヤの周囲に検出コイルを巻回したセンサヘッドを含み前記アモルファスワイヤにパルス通電するときのパルスの立ち上がりもしくは立下り時に前記検出コイルに発生する誘導電圧の最大値から磁界を検出するマグネトーインダクティブ磁気検出器であることを特徴とする請求項に記載したマイクロ傾斜検知装置。
  8. 請求項1において信号演算装置は前記変位検出手段の信号に対して前記重力―変位変換装置の固有振動周波数よりも低いカットオフ周波数の低周波フィルタ演算を行うことを特徴とするマイクロ傾斜検知装置。
  9. 請求項1において、地磁気を含む周囲環境の磁界成分を検出する2つの磁気センサを、当該基板上で、各弾性体の磁石部から所定距離はなれた所で、かつ、両者の検出軸を交差する2つの方向に配設し、当該磁気センサからの信号にもとづいて、前記信号演算装置が周囲磁界補償演算を行い前記変位検出手段の信号を補正することを特徴とするマイクロ傾斜検知装置。
  10. 基板と、外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第一弾性体と、
    外形が短辺l、長辺mと、長辺m及び短辺lに垂直な方向に厚さ辺nとを有する第二弾性体とを有し、
    基板に対して、第一弾性体及び第二弾性体の短辺lを垂直であり、かつ、基板との間に隙間δを有するように配設し、
    第一弾性体及び第二弾性体の長辺mの延長線が基板と平行な面内で所定の角度αで交差するように配設し、
    各弾性体の長辺方向に2箇所ある短辺lの内のいづれか一方を固定する手段を有し、
    各弾性体は、短辺lと長辺mで形成される第一重力作用面と、長辺mと厚さ辺nで形成される第二重力作用面を有し、
    第一重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI1とし、第二重力作用面に対して垂直方向への力に対する断面2次モーメントをI2としたとき、I2/I1≧100との関係を有し、当該基板を重力に垂直に設置した場合に、出力信号がゼロであるマイクロ傾斜検知装置用重力−変位変換装置。
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