JP2007064586A - 伝火薬付弾薬 - Google Patents

伝火薬付弾薬 Download PDF

Info

Publication number
JP2007064586A
JP2007064586A JP2005254314A JP2005254314A JP2007064586A JP 2007064586 A JP2007064586 A JP 2007064586A JP 2005254314 A JP2005254314 A JP 2005254314A JP 2005254314 A JP2005254314 A JP 2005254314A JP 2007064586 A JP2007064586 A JP 2007064586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammunition
charge
transfer
holding part
combustible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005254314A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Watanabe
正基 渡邉
Shinji Nakajima
真司 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2005254314A priority Critical patent/JP2007064586A/ja
Publication of JP2007064586A publication Critical patent/JP2007064586A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F42AMMUNITION; BLASTING
    • F42CAMMUNITION FUZES; ARMING OR SAFETY MEANS THEREFOR
    • F42C19/00Details of fuzes
    • F42C19/08Primers; Detonators
    • F42C19/0823Primers or igniters for the initiation or the propellant charge in a cartridged ammunition
    • F42C19/0826Primers or igniters for the initiation or the propellant charge in a cartridged ammunition comprising an elongated perforated tube, i.e. flame tube, for the transmission of the initial energy to the propellant charge, e.g. used for artillery shells and kinetic energy penetrators
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F42AMMUNITION; BLASTING
    • F42BEXPLOSIVE CHARGES, e.g. FOR BLASTING, FIREWORKS, AMMUNITION
    • F42B5/00Cartridge ammunition, e.g. separately-loaded propellant charges
    • F42B5/02Cartridges, i.e. cases with charge and missile

Abstract

【課題】可燃性保持部の伝火薬の保持方法及び組立て方法を適正化することで、飛翔体の飛翔に影響を与えず、機軸方向及び円周方向への火炎伝播を良好にし、発射薬を高装填にする弾薬を提供する。
【解決手段】飛翔体1、容器2、火管9、発射薬8、伝火薬4及び可燃性保持部3を主要構成要素とする伝火薬付弾薬であって、火管径よりも大きな径の火管挿通用孔を有しており、該伝火薬は機軸方向の長さが火管よりも長い棒状或いは管状形状であり、該伝火薬を該可燃性保持部に固定すると共に、該火管を可燃性保持部の該火管挿通用孔に通して配置するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、戦車砲、機関砲等のあらゆる火砲用弾薬システム、ライフル等のあらゆる小火器システムの火炎伝播に関するものである。
近年、弾薬の威力の向上や多機能化のために、弾薬の飛翔体が容器内に伸びる構造が主流になってきている。例えば、図19〜21に示すとおり、容器内に飛翔体が伸びた場合、火管を短くせざるを得ない場合がある。この短火管の影響で火炎伝播が悪化し、砲内で異常腔圧が見られることがある。これは、負差圧が主原因であると考えられる。負差圧とは、主に砲尾側圧力と弾底側圧力の時間に対する圧力差分のうち、最初に大きく負となった値である。図1に負差圧の例を示す。負差圧を抑制する技術としては、以下のようなものがある。
特許文献1、特許文献2では、棒状の火薬を飛翔体に紐で巻きつける技術が記載されている。しかし、固定した紐や伝火薬により飛翔体の飛翔に影響を与える恐れがある。
特許文献3では、伝火薬を2個の焼尽性の押え容器で固定する技術が記載されている。しかし、飛翔体に押え容器を固定する構造は、組立てが難しく、容器自体も弾丸飛翔時に弾と一緒に砲外に飛び出す恐れもある。また、飛翔体部に固定した場合、弾丸の弾道に影響を与える恐れがある。さらに薬莢内に押え容器を入れることで、弾丸飛翔エネルギーを確保する発射薬を入れる容積が減少するため、押え容器の容積低減を図る必要がある。
特許文献4では、火炎伝播を促進するチューブが記載されている。しかし、飛翔体部と火管部をチューブでつなぐ構造のため、組み立てが難しく、さらに飛翔体部に固定する構造であるため飛翔体の飛翔に影響を与える恐れがある。
特許文献5では、火炎伝播を促進する焼尽性容器が記載されている。しかし、筒内部に粒状の発射薬を装填しているため、粒の状態によっては機軸方向への火炎伝播が十分でない恐れがある。さらに薬莢内に焼尽性容器を入れることで、弾丸飛翔エネルギーを確保する発射薬を入れる容積が減少するため、押え容器の容積低減を図る必要がある。
特開昭57−134699号公報 米国特許第5,325,785号明細書 特開平4−198695号公報 米国特許第4,917,017号明細書 米国特許第5,443,009号明細書
本発明は、可燃性保持部の伝火薬の保持方法及び組立て方法を適正化することで、飛翔体の飛翔に影響を与えず、機軸方向及び円周方向への火炎伝播を良好にし、発射薬を高装填にする弾薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、弾薬の構造、組立て方法、燃焼特性について鋭意研究した結果、伝火薬と可燃性保持部及び飛翔体と接する容器の前方に填薬孔を設けることで、前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)飛翔体、容器、火管、発射薬、伝火薬及び可燃性保持部を主要構成要素とする伝火薬付弾薬であって、火管径よりも大きな径の火管挿通用孔を有しており、該伝火薬は機軸方向の長さが火管よりも長い棒状或いは管状形状であり、該伝火薬を該可燃性保持部に固定すると共に、該火管を可燃性保持部の該火管挿通用孔に通して配置するようにしたことを特徴とする伝火薬付弾薬。
(2)伝火薬を可燃性保持部の外側に配置し、次いで、テープ、紐、該可燃性保持部よりも大径の他の可燃性保持部のいずれかを単独もしくは、組み合わせて用いて伝火薬を可燃性保持部に固定することを特徴とする上記(1)記載の伝火薬付弾薬。
(3)可燃性保持部が伝火薬保持用の孔及び/又は凹部を有しており、該孔及び/又は凹部に伝火薬を挿し込むことによって伝火薬を可燃性保持部に固定することを特徴とする上記(1)記載の伝火薬付弾薬。
(4)可燃性保持部の素材として、セルロース誘導体を主成分とする発射薬組成物、セルロース誘導体および/またはクラフトパルプを主成分とする可燃性組成物、紙、並びに、可燃性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の伝火薬付弾薬。
(5)可燃性保持部の厚みが0.05mm〜5mmの範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の伝火薬付弾薬。
(6)可燃性保持部の長さが火管底部と飛翔体底部の間の距離よりも短いことを特徴とする上記(1)〜(5)に記載の伝火薬付弾薬。
(7)伝火薬の長さが、機軸方向の容器長さに対し40〜95%の長さを持つことを特徴とする上記(1)〜(6)に記載の伝火薬付弾薬。
(8)伝火薬の長さが、機軸方向の容器長さに対し40〜80%の長さを持つことを特徴とする上記(1)〜(7)に記載の伝火薬付弾薬。
(9)伝火薬の重量%が、発射薬に対し0.2〜10重量%であることを特徴とする上記(1)〜(8)に記載の伝火薬付弾薬。
(10)伝火薬として、飛翔体部の形状に合わせて、2種以上の異なる長さの伝火薬を用いることを特徴とする上記(1)〜(9)に記載の伝火薬付弾薬。
(11)伝火薬が少なくとも3本以上であることを特徴とする上記(1)〜(10)に記載の伝火薬付弾薬。
(12)飛翔体と接する容器の前方に少なくとも1つの填薬孔を設けた構造であることを特徴とする上記(1)〜(11)に記載の伝火薬付弾薬。
本発明により、火管の短い弾薬システムにおいて、飛翔体の飛翔に影響を与えず、機軸方向及び円周方向への火炎伝播を促進しつつ、発射薬を高装填にする弾薬が提供できるようになった。
すなわち、飛翔体、容器、火管、発射薬、伝火薬及び可燃性保持部を主要構成要素とする伝火薬付弾薬であって、火管径よりも大きな径の火管挿通用孔を有しており、該伝火薬は機軸方向の長さが火管よりも長い棒状或いは管状形状であり、該伝火薬を該可燃性保持部に固定すると共に、該火管を可燃性保持部の該火管挿通用孔に通して配置するようにしたことを特徴とし、伝火薬を飛翔体に直接固定することのないシステムを提供する。
従来、火炎伝播の良い伝火薬を取り付けるには、弾道の飛翔に影響を与える飛翔体自身に伝火薬を紐、押え容器、チューブ等で固定する必要があり、飛翔時に紐、押え容器、チューブ等がともに放出される恐れがあった。また弾の弾道飛翔状況にも影響を与える恐れがあった。本発明の伝火薬付弾薬は、可燃性保持部に固定した伝火薬と飛翔体が触れるだけであるので、飛翔体に影響を与える恐れがほとんどなく、また、簡便に製造することができる。
また、伝火薬を可燃性保持部の外側に配置し、次いで、テープ、紐、該可燃性保持部よりも大径の他の可燃性保持部のいずれかを単独もしくは、組み合わせて用いて伝火薬を可燃性保持部に固定することで、飛翔体側に固定せず伝火薬を固定することができる。同様に、可燃性保持部が伝火薬保持用の孔及び/又は凹部を有しており、該孔及び/又は凹部に伝火薬を挿し込むことによって伝火薬を可燃性保持部に固定することで、飛翔体側に固定することなく、伝火薬を固定することができる。
また、可燃性保持部の素材として、セルロース誘導体を主成分とする発射薬組成物、セルロース誘導体および/またはクラフトパルプを主成分とする可燃性組成物、紙、可燃性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を使用することで一定の形状に保持し、燃焼後の残渣を少なくすることが可能である。
さらに、可燃性保持部の厚みを0.05mm〜5mmの範囲の範囲にすることで、燃焼性を促進すると共に、可燃性保持部の容積を小さくし、発射薬の装填可能な容積を確保することが可能である。さらに可燃性保持部の長さを火管底部と飛翔体底部の間の距離よりも短くすることで、可燃性保持部が占有する容積を小さくし、さらに発射薬の装填可能な容積を確保可能である。
また、伝火薬の長さが、機軸方向の容器長さに対し40〜95%の長さを持つことで、負差圧を抑制する効果を有する。さらに、発射薬の占有する容積を増加させたい場合は、機軸方向の容器長さに対し40〜80%の長さであることが望ましい。
また、伝火薬の重量%が、発射薬に対し0.2〜10重量%であれば、十分な火炎伝播を与えることが出来る。
また、伝火薬として、飛翔体部の形状に合わせて、異なる長さの伝火薬を2種以上用いることで、図17の例に示すとおり、飛翔体の後方に翼等の阻害物がある場合は、阻害される部分を短い伝火薬を用い、阻害されない部分を長い伝火薬を用いることができる。この技術により、図18の例に示すとおり、長い伝火薬が阻害物により開きを生じるのを防ぐ効果がある。この技術により、より発射薬を高装填することができる。
また伝火薬が少なくとも3本以上であることで伝火薬の火炎を均一に広げることが可能になる。またに可燃性保持部に固定された伝火薬を飛翔体に取り付ける際、3点で保持すれば、取り付けた状態を保持しやすくなる。2本であれば、保持性が悪化し、組立て時に可燃性保持部を火管に通すことが難しくなる。
また飛翔体と接する容器の前方に少なくとも1つの填薬孔を設けた構造であることで、火管側から飛翔体側の薬莢領域に発射薬を装填しにくい場合においても、装填可能になるため、より高装填が可能になる。
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に詳細に説明する。
本発明における弾薬とは、弾薬の火管と火炎伝播を良くする長い棒状或いは管状の伝火薬を容器内に配置し、飛翔体の飛翔に影響を与えない火炎伝播システムを持った弾薬のことである。本発明は、戦車砲、機関砲等のあらゆる火砲用弾薬システム、ライフル等のあらゆる小火器システムの火炎伝播を改善することができる。弾薬の使用例を図2、図3に示す。また、別の弾薬の使用例を図4に示す。
図2に示した弾薬は、飛翔体(1)、容器(2,5,6)、火管(9)、発射薬(8)、伝火薬(4)、可燃性保持部(3)を主要構成品とする弾薬であって、飛翔体(1)は、発射薬(8)の燃焼ガスにより飛翔可能であればどのような素材、形状ものでも良い。例えばりゅう弾、徹甲弾、訓練弾等のあらゆる弾のことである。
また、飛翔体(1)は、翼を有しているもの、もしくは有してないもののどちらでもこの発明において用いることが出来る。容器とは、発射薬を装填可能な容器のことであり、発射薬を包みこめるものならばどのような素材、形状の容器でも良い。例えば、焼尽性部材、金属性部材、プラスティック部材等を用いる。燃焼残留物(残渣)を少なくするために、砲内または銃内に入る部分には、ニトロセルロース、パルプを主成分とした焼尽性部材を使用することが好ましい。
ここでいう主成分とは、5重量%以上含まれることをいう。
火管は、点火薬の火炎を伝火薬および/または発射薬に伝播できるものであれば、どのような素材、形状を用いても良い。例えば、金属製火管または焼尽性火管を用いることができる。火管の内部に入れる点火薬は、発射薬を点火できるものであればどのような組成のものでよい。例えば、黒色火薬、べナイトストランド、ボロン、ボロン硝石、ボロンペレット等を用いる。
また、発射薬の組成は、シングルベース発射薬、ダブルベース発射薬、トリプルベース発射薬、マルチベース発射薬、LOVA発射薬等のあらゆる組成のものでよく、形状は不定形状発射薬、球状発射薬、単孔管状発射薬、7孔管状発射薬、19孔管状発射薬、6角7孔発射薬、6角19孔発射薬、ロゼッタ形状発射薬、棒状発射薬、円周方向に切れ込みを入れた棒状管状発射薬、円周方向に切れ込みを入れた棒状6角7孔発射薬、円周方向に切れ込みを入れた棒状6角19孔発射薬等のどのような設計の発射薬でも良い。
次に本発明の主たる構成品である伝火薬及び可燃性保持部に関して述べる。前述したように、近年、弾薬の威力向上や、多機能化に伴い、飛翔体が薬室内に伸びた構造のものが主流となっている。図19〜21にその弾薬の例を示す。いずれの弾薬も火炎伝播を左右する火管は、機軸方向上で飛翔体と同一線上にあるため、飛翔体の容器内への伸張にともない、火管は短くなる傾向にある。短い火管になると火管から発生する点火ガスが不均一に容器内を伝播するため燃焼挙動が悪化する。この現象は、砲身破壊へとつながる負差圧を引き起こす危険性がある。このため、短火管の燃焼挙動への影響を補う方策が必要となる。
本発明で示すシステムとしては、火管よりも機軸方向に長い棒状或いは管状形状の伝火薬を火管径よりも大きな火管挿通用孔を持った可燃性保持部によって固定し、火管を可燃性保持部の火管挿通用孔に通し配置することで飛翔体に直接固定することのないシステムである。
従来、火炎伝播の良い伝火薬を取り付けるには、弾の飛翔に影響を与える飛翔体自身に何らかの手段(紐、押え容器、チューブ等)で伝火薬を固定する必要があり、飛翔時に紐、押え容器、チューブ等がともに放出される恐れがあった。また飛翔体に本来、飛翔とは関係のない部材を固定することでバランスを崩し、砲身内もしくは、銃内で暴れ、砲もしくは銃を傷つける危険性があった。
本発明は、可燃性保持部に固定した伝火薬と飛翔体とが触れるだけであるので、飛翔体に影響を与える恐れがほとんどない。さらに簡便に製造することができる。また可燃性保持部は、図2に示されるように配置する場合の他に、図3のように分離して保持しても良い。
図5に可燃性保持部の円周図を示し、図6に図5のB−B’間の断面図を示す。可燃性保持部は、図6に示す筒状の他に図7のように飛翔体の翼を避けるために、歯車状の管状可燃性保持部であってもよい。
図8に図2のA−A’間の例を示す。図8に示すように、可燃性保持部(3)の外側に伝火薬(4)を配置し、その外側にテープまたは、紐(10)で伝火薬(4)を固定する。伝火薬(4)をテープ(10)で固定した例の円周図を図9に示す。また、
図10に別の保持例を示す。図10は、可燃性保持部(3)の外側に伝火薬(4)を配置し、伝火薬(4)を包むようにさらに大きい可燃性保持部(3)で挟み込むことを特徴とする。また、図11に別の可燃性保持部(3)の例を示す。
図11に示すものは、火管(9)を通すために中央に火管の直径よりも大きな火管挿通用孔を持ち、周囲に伝火薬を挿し込むための孔(11)を有していることを特徴としている。
また、図12に図11の可燃性保持部(3)に伝火薬(4)、火管(9)を挿し込んだ例を示す。このとき、伝火薬を挿し込む孔は、貫通孔である場合と貫通孔でない凹部である場合がある。
図13に図10の例の可燃性保持部(3)、(3)が一体型となった例を示す。
図14に図13のC−C’間の断面図を示す。
図15に図10、図12、図14の可燃性保持部(3)を用い、伝火薬(4)を固定した円周図の例を示す。
図16に伝火薬として、飛翔体(1)の形状に合わせて、長さの異なる伝火薬(4)を2種使用した例を示す。
図17に図16の伝火薬(4)と飛翔体(1)を組み立てた例を示す。この例は、飛翔体の後方に翼等の阻害物がある場合は、阻害される部分を短い伝火薬を用い、阻害されない部分を長い伝火薬を用い、長い伝火薬が阻害物により開きを生じるのを防ぐ効果がある。この技術により、より発射薬を高装填することが出来る。長い伝火薬のみを用いて、伝火薬に開きが生じた例を図18に示す。
可燃性保持部は、可燃性があればどのような素材を用いても良い。ただし可燃性保持部の素材として、セルロース誘導体を主成分とする発射薬組成物、セルロース誘導体および/またはクラフトパルプを主成分とする可燃性組成物、紙、並びに、可燃性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することで、より燃焼残渣が少なくなるため好ましい。
セルロース誘導体の例としては、ニトロセルロース、アセチル化ニトロセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロース等を挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。可燃性ポリマーの例としては、ポリアジドメチルオキセタン(AMMO)、ポリビスアジドメチルオキセタン(BAMO)、ポリニトラトメチルオキセタン(NIMO)、およびそれらの共重合体などの高エネルギーポリマーを挙げることができる。
また可燃性保持部の厚みは、0.05mm〜5mmの範囲であることが好ましい。図6に厚みの例を示す。この厚みは、可燃性保持部の外径のことではなく、例えば孔と孔との間の厚みのような素材の厚みをさす。この厚みは、少なくとも0.05mmなければ、形状を保持できず、5mmを超えると燃焼残渣として残る可能性が高くなる。また、この厚みを薄くすることで、発射薬の装填できるスペースを増大することができるため好ましい。
また、可燃性保持部の長さを図19に示す火管底部と飛翔体底部の間の距離よりも短くすることで、飛翔体部の底部の径よりも小さくすることが可能になり、発射薬を装填できるスペースを増大することが出来る。可燃性保持部の長さが火管底部と飛翔体底部の間よりも長い場合は、スリットを設ける構造とするか、飛翔体部の外側により大きな径の可燃性保持部が必要となり、コストの増大及び発射薬の装填できるスペースの減少につながる。
また伝火薬の組成は、着火性がよいニトロセルロースを主成分として配合していればどのようなものを用いても良い。例えば、べナイトストランド、シングルベース、ダブルベース、トリプルベース、マルチベース、LOVA等がある。また、伝火薬の形状が、棒状、溝付長管状、少なくとも1つ以上の孔を有する管状形状、1つ以上の孔を有する管状多角形状のいずれか単独または、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。これは、溝または孔に火炎が伝播し、火炎伝播をより良好にすることができるからである。
また、伝火薬と発射薬の形状は、伝火薬は、火炎伝播を重視した形状とするため、発射薬と異なる形状のほうが好ましい。次に伝火薬の長さは、火管より長く設定することが好ましい。容器長さの40%未満であれば、伝火薬の負差圧を抑制する機能が十分でないため、容器長さの40〜95%であることが好ましい。発射薬をより高装填にするため、伝火薬長さを短くする場合は、容器長さの40〜80%であるとさらに好ましい。
容器長さとは、図19に示す発射薬および/または、伝火薬が入る容器内側の機軸方向の最大長さのことである。発射薬と伝火薬の重量としては、伝火薬の重量%が、発射薬に対し0.2〜10重量%以下であれば、火炎伝播に必要なエネルギーを確保でき、負差圧を抑制することができるため好ましい。さらに好ましくは、0.2〜2重量%の範囲である。この領域であれば、発射薬を高装填することが可能になるため好ましい。
また伝火薬が少なくとも3本以上であることで伝火薬の火炎を均一に広げることが可能になる。またに可燃性保持部に固定された伝火薬を飛翔体に取り付ける際、3点で保持すれば、取り付けた状態を保持しやすくなる。2本であれば、保持性が悪化し、可燃性保持部を火管に通すことが難しくなる。
また飛翔体と接する容器の前方に少なくとも1つの填薬孔を設けた構造であることで、火管側から飛翔体側の薬莢領域に発射薬を装填しにくい場合においても、前方の孔より装填可能になるため、より高装填が可能になる。また、容器前方部、容器底部側(火管側)に2つ以上の填薬孔を設け、高装填化をしても良い。
以下に実施例を用いて本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図8に示すように、筒型の可燃性保持部(3)の外周面に伝火薬(4)を並べ、テープ(10)を用いて伝火薬(4)を固定した。その円周図を図9に示す。
(実施例2)
図11に示すように、伝火薬(4)を挿し込む孔(11)を持った筒型の可燃性保持部(3)を作製し、該孔(11)に伝火薬(4)を挿し込んで図12に示すように固定した。その円周図を図15に示す。
(実施例3)
図2に示す供試体を組立てた。組立図を図24に示す。
飛翔体(1)の翼部を上に向け、飛翔体(1)と容器部品A(2)を接合した後、伝火薬(4)を可燃性保持部(3)にテープ(10)を用いて固定したものを、飛翔体(1)の翼部から取り付けた。次に、容器部品B(5)と容器部品C(6)を接合したものを容器部品A(2)に接合し、填薬孔(7)から、発射薬(8)を装填し、火管(9)を容器部品C(6)にねじ込み、組み立てた。
(実施例4)
図22に示す供試体を組み立て、この供試体について図23に示す破裂板ボンブ装置(24)を用いて、その負差圧を評価した。
はじめに供試体(図22)の組立て方法について述べ、次に試験結果について述べる。
最初に、容器部品F(14)に紙筒(15)をセットし、紙筒(15)が上を向くように容器部品F(14)の向きを調整した。次に、可燃性保持部(3)の周囲に伝火薬(4)をテープ(10)で固定し、伝火薬(4)を紙筒(15)にセットし、容器部品F(14)の間にトリプルベース系の7孔管状発射薬(8)を装填し、容器部品G(16)をはめた。
次に可燃性保持部(3)の火管挿通用孔に火管が通るように、容器部品G(16)に火管(9)をねじ込んだ。なお伝火薬(4)は、発射薬(8)と同一の組成を使用し、トリプルベース系で長い単孔管状のものを用いた。伝火薬(4)の重量%を表1に記載する。また、可燃性保持部(3)は、ニトロセルロース、クラフトパルプを主成分とした焼尽部材であり、円筒とした。
この供試体を、図23の破裂板ボンブ装置(24)に装填し、各器材、部品を組み立てた。試験は、供試体を点火装置により発火させ、圧力センサ(A)(19)と圧力センサ(B)(20)の圧力差分値で最初に大きく負になる負差圧を計測し、評価を行った。伝火薬の長さと負差圧の結果を表1に示す。表1記載の容器長さは、約17cmである。表1より、可燃性保持部に固定した伝火薬を用いることで、負差圧の低減効果が確認された。
Figure 2007064586
時間〜圧力の関係を示す図である 弾薬の例を示す断面図(その1) 弾薬の例を示す断面図(その2) 弾薬の例を示す断面図(その3) 可燃性保持部の例を示す円周図 可燃性保持部を示す図5のB−B‘間の断面図 可燃性保持部に伝火薬を固定した例を示す図2のA−A’の断面図(その1) 可燃性保持部に伝火薬を固定した例を示す図2のA−A’の断面図(その2) 図7,図8の円周図 可燃性保持部の間に伝火薬を挟み込み固定した例を示す断面図 伝火薬を挿し込む孔を有する可燃性保持部の例を示す断面図 可燃性保持部の孔に伝火薬を挿し込み固定した例を示す断面図 挟み込む可燃性保持部がつながった例を示す断面図 図13のC−C‘間の断面図 図10、図12、図14の可燃性保持部に伝火薬を挿し込み固定した円周図 長さの異なる2種類の伝火薬をテープで固定した円周図 図16の伝火薬を翼を有する飛翔体に取り付けた例を示す円周図 同じ長さの伝火薬を翼を有する飛翔体に取り付けた例を示す円周図 火管が短い弾薬の例を示す断面図(1) 火管が短い弾薬の例を示す断面図(2) 火管が短い弾薬の例を示す断面図(3) 破裂板ボンブ試験の供試体断面図 破裂板ボンブ装置断面例図 図2に示す弾薬の組み立て図
符号の説明
1 飛翔体
2 容器部品A
3 可燃性保持部
4 伝火薬
5 容器部品B
6 容器部品C
7 填薬孔
8 発射薬
9 火管
10 テープまたは紐
11 伝火薬を挿し込む孔
12 容器部品D
13 容器部品E
14 容器部品F
15 紙筒
16 容器部品G
17 圧力用孔(A)
18 圧力用孔(B)
19 圧力センサ(A)
20 圧力センサ(B)
21 破裂版
22 押さえネジA
23 押さえネジB
24 破裂板ボンブ装置

Claims (12)

  1. 飛翔体、容器、火管、発射薬、伝火薬及び可燃性保持部を主要構成要素とする伝火薬付弾薬であって、火管径よりも大きな径の火管挿通用孔を有しており、該伝火薬は機軸方向の長さが火管よりも長い棒状或いは管状形状であり、該伝火薬を該可燃性保持部に固定すると共に、該火管を可燃性保持部の該火管挿通用孔に通して配置するようにしたことを特徴とする伝火薬付弾薬。
  2. 伝火薬を可燃性保持部の外側に配置し、次いで、テープ、紐、該可燃性保持部よりも大径の他の可燃性保持部のいずれかを単独もしくは、組み合わせて用いて伝火薬を可燃性保持部に固定することを特徴とする請求項1記載の伝火薬付弾薬。
  3. 可燃性保持部が伝火薬保持用の孔及び/又は凹部を有しており、該孔及び/又は凹部に伝火薬を挿し込むことによって伝火薬を可燃性保持部に固定することを特徴とする請求項1記載の伝火薬付弾薬。
  4. 可燃性保持部の素材として、セルロース誘導体を主成分とする発射薬組成物、セルロース誘導体および/またはクラフトパルプを主成分とする可燃性組成物、紙、並びに、可燃性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  5. 可燃性保持部の厚みが0.05mm〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  6. 可燃性保持部の長さが火管底部と飛翔体底部の間の距離よりも短いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  7. 伝火薬の長さが、機軸方向の容器長さに対し40〜95%の長さを持つことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  8. 伝火薬の長さが、機軸方向の容器長さに対し40〜80%の長さを持つことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  9. 伝火薬の重量%が、発射薬に対し0.2〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  10. 伝火薬として、飛翔体部の形状に合わせて、2種以上の異なる長さの伝火薬を用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  11. 伝火薬が少なくとも3本以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
  12. 飛翔体と接する容器の前方に少なくとも1つの填薬孔を設けた構造であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の伝火薬付弾薬。
JP2005254314A 2005-09-02 2005-09-02 伝火薬付弾薬 Pending JP2007064586A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005254314A JP2007064586A (ja) 2005-09-02 2005-09-02 伝火薬付弾薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005254314A JP2007064586A (ja) 2005-09-02 2005-09-02 伝火薬付弾薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007064586A true JP2007064586A (ja) 2007-03-15

Family

ID=37926982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005254314A Pending JP2007064586A (ja) 2005-09-02 2005-09-02 伝火薬付弾薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007064586A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57134699A (en) * 1981-02-10 1982-08-19 Asahi Chemical Ind Ammunition
US4917017A (en) * 1988-05-27 1990-04-17 Atlas Powder Company Multi-strand ignition systems
JPH04198695A (ja) * 1990-11-29 1992-07-20 Tech Res & Dev Inst Of Japan Def Agency 翼安定弾薬の伝火方法
US5179250A (en) * 1989-10-19 1993-01-12 Olin Corporation Segmented cartridge assembly
US5325785A (en) * 1990-03-13 1994-07-05 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Strand ignition for propellant of shell-coated projectile
US5443009A (en) * 1993-06-05 1995-08-22 Rheinmetall Gmbh Charge arrangement for cartridge ammunition
FR2725781A1 (fr) * 1994-10-18 1996-04-19 Giat Ind Sa Materiau d'allumage pour charge propulsive et systeme d'allumage ou tube allumeur mettant en oeuvre un tel materiau
US5712445A (en) * 1993-05-04 1998-01-27 Alliant Techsystems Inc. Propellant system

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57134699A (en) * 1981-02-10 1982-08-19 Asahi Chemical Ind Ammunition
US4917017A (en) * 1988-05-27 1990-04-17 Atlas Powder Company Multi-strand ignition systems
US5179250A (en) * 1989-10-19 1993-01-12 Olin Corporation Segmented cartridge assembly
US5325785A (en) * 1990-03-13 1994-07-05 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Strand ignition for propellant of shell-coated projectile
JPH04198695A (ja) * 1990-11-29 1992-07-20 Tech Res & Dev Inst Of Japan Def Agency 翼安定弾薬の伝火方法
US5712445A (en) * 1993-05-04 1998-01-27 Alliant Techsystems Inc. Propellant system
US5443009A (en) * 1993-06-05 1995-08-22 Rheinmetall Gmbh Charge arrangement for cartridge ammunition
FR2725781A1 (fr) * 1994-10-18 1996-04-19 Giat Ind Sa Materiau d'allumage pour charge propulsive et systeme d'allumage ou tube allumeur mettant en oeuvre un tel materiau

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6499649B2 (ja) 発射体本体を伴う小火器用又は軽火器用弾丸
US10161726B2 (en) Firearm ammunition case insert
JP6131711B2 (ja) 発射装薬
JP5697373B2 (ja) 発射装薬
RU2320951C2 (ru) Выстрел для пушек среднего и большого калибров
JP3141092B2 (ja) 複合発射装薬
RU2441192C2 (ru) Заряд к артиллерийскому орудию
JP2007064586A (ja) 伝火薬付弾薬
JP5978928B2 (ja) ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬
JP4462975B2 (ja) モジュール式発射装薬
JP5200479B2 (ja) 発射薬点火用火管体
JP4740655B2 (ja) 空包
JP2014163577A (ja) 焼尽容器、並びにこれを使用したモジュール式発射装薬
US8425703B1 (en) Insensitive munitions primers
US20210102791A1 (en) Scalable insensitive munitions primer
JP3562870B2 (ja) ダブルステ−ジ型クロ−ズドテレスコ−プ弾
JP3517386B2 (ja) 火管体
JP6252213B2 (ja) ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬
JP4446554B2 (ja) 発射薬点火用火管体
JP5849738B2 (ja) 空包
RU2100754C1 (ru) Заряд к артиллерийскому орудию
JP2014185792A (ja) 発射薬点火用火管
JP5516059B2 (ja) 衝撃音発生装置用燃焼容器及び衝撃音発生装置
JP2004184076A (ja) テレスコ−プ弾用火管
JP2001311598A (ja) 発射薬用火管体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110325

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110610