JP2007064027A - 副室式内燃機関 - Google Patents

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耕一 芦田
Atsushi Terachi
淳 寺地
Isamu Hotta
勇 堀田
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Abstract

【課題】 低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室における燃料又は新気混合気を圧縮することができる副室式内燃機関を提供する。
【解決手段】 副室式内燃機関1は、主燃焼室63と、副燃焼室61と、ロータ81とを備える。副燃焼室61は、主燃焼室63に隣接する。ロータ81は、副燃焼室61において回転する。副燃焼室61は、第1空間61aを有する。第1空間61aは、第1面62aと、ロータ81の第1側面81aとで囲まれている。ロータ81は、回転して、第1空間61aの容積を変える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、副室式内燃機関に関する。
従来から、主燃焼室と、その主燃焼室に隣接する副燃焼室とを備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−11517(第1−6頁、第1−2図)
特許文献1の技術では、往復運動するピストンを用いて、副燃焼室における燃料が圧縮されている。
しかし、特許文献1の技術では、往復運動するピストンが用いられているので、ピストンを駆動するためのカム機構がさらに必要であり、副燃焼室における燃料又は新気混合気を圧縮するための構造が複雑になる傾向がある。このため、副燃焼室における燃料又は新気混合気を圧縮するための構造を形成するためのコストが増加する傾向にあり、そのような構造が搭載されるスペースを確保できないことがある。
本発明の課題は、低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室における燃料又は新気混合気を圧縮することができる副室式内燃機関を提供することにある。
本発明に係る副室式内燃機関は、主燃焼室と、副燃焼室と、ロータとを備える。副燃焼室は、主燃焼室に隣接する。ロータは、副燃焼室において回転する。副燃焼室は、第1空間を有する。第1空間は、内壁面と、ロータの外面とで囲まれている。ロータは、回転して、第1空間の容積を変える。
この副室式内燃機関では、副燃焼室は、第1空間を有する。ロータは、回転して、第1空間の容積を変える。このため、第1空間における燃料又は新気混合気を圧縮するための構造を簡素化することができる。
本発明に係る内燃機関では、第1空間における燃料又は新気混合気を圧縮するための構造を簡素化することができる。このため、低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室における燃料又は新気混合気を圧縮することができる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図1に示す。
(副室式内燃機関の概略構成)
副室式内燃機関1は、主として、主燃焼室63,吸排気機構,第1燃料噴射弁26,第2燃料噴射弁27,副燃焼室61,第1点火プラグ(第1点火部)29,回転ピストン機構80,可変ロータタイミング機構91(図3参照)及びECU(制御部)40を備える。
主燃焼室63は、シリンダヘッド20,シリンダブロック10およびピストン3に囲まれた室である。シリンダヘッド20には、主燃焼室63に新気混合気を供給するための吸気ポート23と、主燃焼室63から既燃ガスを排気ガスとして排出するための排気ポート24とが形成されている。
また、吸排気機構として、吸気ポート23の下流には吸気バルブ21が、排気ポート24の上流には排気バルブ22が配備されている。クランクシャフト(クランク軸)86(図3参照)の回転に連動して回転する吸気用カム軸21b/排気用カム軸22bに固定された吸気用カム21a/排気用カム22aは、吸気バルブ21/排気バルブ22の上方に配置されており、吸気バルブ21/排気バルブ22を開閉させる。さらに、バイパス路66が副燃焼室61に至る部分には、バイパスバルブ28が配備されている。バイパスバルブ28は、吸気ポート23から副燃焼室61へ向かう方向の流れのみを許容する逆止弁であり、吸気ポート23の圧力よりも副燃焼室61の圧力が小さくなった場合に、バイパス路66を開くように設けられている。
第1燃料噴射弁26は、吸気ポート23に燃料を噴射する弁である。第1燃料噴射弁26の先端は、吸気ポート23に突出している。
第2燃料噴射弁27は、バイパス路66に燃料を噴射する弁である。第2燃料噴射弁27の先端は、バイパスバルブ28より上流側においてバイパス路66に突出している。
副燃焼室61は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁67に囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略まゆ形状の副燃焼室壁67が配置され、副燃焼室61が形成される。また、副燃焼室壁67の膨出した半球状の底面には、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通する複数の連通路64が形成されている。第1点火プラグ29は、その先端部分29aが副燃焼室61に突出するように設けられている。
回転ピストン機構80は、主として、ロータ81,83,・・・とエキセントリックシャフト(ロータ軸)82とを有する。ロータ81,83,・・・は、副燃焼室61の内部に設けられている。エキセントリックシャフト82は、ロータ81,83,・・・を貫通しており、ロータ81,83,・・・を回転させることができるように設けられている。
可変ロータタイミング機構91は、油圧駆動式であり、クランクシャフト86に対するエキセントリックシャフト82の位相を変化させることで、ロータ81の回転の位相をクランクシャフト86の回転の位相に対して進角化あるいは遅角化させる。すなわち、可変ロータタイミング機構91は、エキセントリックシャフト82の回転とクランクシャフト86の回転との位相差ΔT(図4参照)を変える。可変ロータタイミング機構91の具体的構成については、周知の可変バルブタイミング機構と同様であるため、ここでは説明を省略する。
ECU40は、第1燃料噴射弁26、第2燃料噴射弁27、第1点火プラグ29、可変ロータタイミング機構91などに電気的に接続されている。
(副室式内燃機関の概略動作)
副室式内燃機関1では、副燃焼室61の吸気行程(以下、「副室吸気行程」とする)において、加圧された燃料が第2燃料噴射弁27に供給される。このとき、ロータ81が回転して、吸気ポート23の圧力よりも副燃焼室61の圧力が小さくなり、バイパスバルブ28がバイパス路66を開く。これにより、吸気ポート23の新気空気の一部がバイパス路66へ導入される。第2燃料噴射弁27は、バイパス路66に導入された新気空気に、燃料を噴射する。これにより、新気混合気が生成されて副燃焼室61に導入される。
一方、主燃焼室63の吸気行程(以下、「主室吸気行程」とする)において、加圧された燃料が第1燃料噴射弁26に供給される。第1燃料噴射弁26は、吸気ポート23に導入された新気空気に、燃料を噴射する。これにより、新気混合気が生成される。そして、吸気行程において、吸気用カム21aにより吸気バルブ21は開状態とされ、新気混合気は吸気ポート23から主燃焼室63へ導入される。
副燃焼室61の圧縮行程(以下、「副室圧縮行程」とする)においては、副燃焼室61の新気混合気が圧縮される。一方、主燃焼室63の圧縮行程(以下、「主室圧縮行程」とする)においては、主燃焼室63で新気混合気が圧縮される。
副燃焼室61の膨張行程(以下、「副室膨張行程」とする)では、第1点火プラグ29により、副燃焼室61の新気混合気は所定のタイミングで着火され燃焼する。副燃焼室61の燃焼ガス(火炎)は、連通路64を介して主燃焼室63へトーチ状に放射され、主燃焼室63の均質な新気混合気を燃焼させる。
主燃焼室63の膨張行程(以下、「主室膨張行程」とする)では、新気混合気が燃焼して発生した燃焼圧力によって、ピストン3が押し下げられる。
副燃焼室61の排気行程(以下、「副室排気行程」とする)では、副燃焼室61の残留ガスが連通路64を介して主燃焼室63へ押し出される。
主燃焼室63の排気行程(以下、「主室排気行程」とする)では、排気用カム22aにより排気バルブ22が開状態とされ、主燃焼室63で燃焼された既燃ガスが、排気ガスとして排気ポート24へ排出される。
ECU40は、第1燃料噴射弁26、第2燃料噴射弁27、第1点火プラグ29、可変ロータタイミング機構91などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。ECU40は、各種の制御を行うためのロジックを実行する。例えば、ECU40は、所定のロジックを、電気回路的に、ソフト的に又はその両方により実行する。
(回転ピストン機構の詳細構成)
回転ピストン機構80は、図1〜図3に示すように、主として、ロータ81,・・・,エキセントリックシャフト82,副燃焼室壁67,ロータプーリ88及びタイミングベルト89を有する。
タイミングベルト89は、クランクシャフト86に固定されたクランクプーリ87と、ロータプーリ88とをつなぐように掛けられている。エキセントリックシャフト82は、ロータプーリ88に固定されており、ロータプーリ88の回転に連動して回転するように設けられている。すなわち、エキセントリックシャフト82には、クランクプーリ87,タイミングベルト89及びロータプーリ88を介してクランクシャフト86から動力が供給されるようになっている。
エキセントリックシャフト82は、副燃焼室61の内部に設けられたロータ81を貫通している。具体的には、エキセントリックシャフト82とロータ81とが接する部分には、エキセントリックシャフト82の外周面82aにステーショナリギヤ(図示せず)が設けられており、ロータ81の内周面81bにインターナルギヤ(図示せず)が設けられている。これにより、エキセントリックシャフト82の回転トルクがロータ81に伝達されるようになっている。すなわち、エキセントリックシャフト82は、ロータ81を回転させることができるように設けられている。このロータ81は、略三角柱形状である。
副燃焼室壁67は、主として、ハウジング62とサイドカバー65とを有する。ハウジング62は、エキセントリックシャフト82の長手方向と平行に、エキセントリックシャフト82を囲むように延びている。このハウジング62には、内面として第1面(内壁面)62aが形成されている。ハウジング62の第1面62aは、エキセントリックシャフト82の長手方向と垂直な断面視において、略まゆ形状のエピトロコイド曲線を含んでいる。このため、略三角柱形状であるロータ81は、ハウジング62の第1面62aに接しながら回転することができるようになっている。具体的には、ロータ81において、三角柱の角の辺81d〜81fに相当する部分にアペックスシール(図示せず)が設けられており、辺81d〜81fと第1面62aとの間のシール性が確保されている。
また、エキセントリックシャフト82により貫通されているサイドカバー65は、エキセントリックシャフト82の長手方向と垂直に延びている。このサイドカバー65には、平面として第2面(内壁面)65aが形成されている。サイドカバー65の第2面65aは、ロータ81の上面又は底面81cと平行に延びている。このため、ロータ81は、サイドカバー65の第2面65aに接しながら回転することができるようになっている。具体的には、ロータ81において、三角柱の上面又は底面81cに相当する部分にサイドシール(図示せず)が設けられており、上面又は底面81cと第2面65aとの間のシール性が確保されている。
さらに、副燃焼室壁67に囲まれて形成されている副燃焼室61は、主として、第1空間61a,第2空間61b及び第3空間61cを有する。第1空間61aは、ロータ81の第1側面(外面)81aと第1面62aと第2面65aとで囲まれて形成されている。第2空間61bは、ロータ81の第2側面81gと第1面62aと第2面65aとで囲まれて形成されている。第3空間61cは、ロータ81の第3側面81hと第1面62aと第2面65aとで囲まれて形成されている。このため、ロータ81が第1面62aや第2面65aに沿って回転することにより、第1空間61a・第2空間61b・第3空間61cの容積はそれぞれ変化するようになっている。
(回転ピストン機構の詳細動作)
回転ピストン機構の動作を第1空間61aについて説明する。
まず、副室吸気行程において、ロータ81が回転して、第1空間61aがバイパス路66と連通し始める。そして、ロータ81が回転することにより第1空間61aの容積が増加していくので、第1空間61aに負圧が発生する。このため、吸気ポート23の圧力よりも副燃焼室61の圧力が小さくなり、バイパスバルブ28がバイパス路66を開く。これにより、吸気ポート23の新気空気の一部がバイパス路66へ導入される。第2燃料噴射弁27は、バイパス路66に導入された新気空気に、燃料を噴射する。そして、新気混合気が生成されて副燃焼室61に導入される。すなわち、ロータ81は、回転して、新気混合気を第1空間61aに吸気する。
副室圧縮行程においては、第1空間61aがバイパス路66と連通しなくなる。そして、ロータ81が回転することにより第1空間61aの容積が減少していくので、第1空間61aにおける新気混合気は圧縮されて高温高圧になる。また、ロータ81が回転することにより、第1空間61aが第1点火プラグ29の先端部分29aに面した位置に来るようになる。
副室膨張行程では、第1点火プラグ29により、第1空間61aにおける高温高圧な新気混合気が所定のタイミングで着火され燃焼する。そして、ロータ81がさらに回転して、第1空間61aが連通路64を介して主燃焼室63と連通し始める。このため、副燃焼室61の燃焼ガス(火炎)は、未燃の新気混合気とともに、連通路64を介して主燃焼室63へトーチ状に放射される。この火炎により、未燃の新気混合気と主燃焼室63の新気空気とが混合されて生成されたリーンな新気混合気は主燃焼室63において燃焼する。ここで、第1空間61aにおいて着火される新気混合気が高温高圧になっているので、第1空間61aにおける新気混合気の燃焼速度が増加しており、その新気混合気が着火されて生成された火炎も強いものとなっている。このため、主燃焼室63におけるリーン限界が拡大されている。
副室排気行程では、ロータ81が回転することにより第1空間61aの容積が減少していくので、第1空間61aにおける残留ガスが連通路64を介して主燃焼室63へ押し出される。これにより、副燃焼室61における残留ガスが掃気される。
なお、第2空間61b及び第3空間61cについても、各工程における動作は第1空間61aと同様である。ただし、各工程が行われるタイミングは、第1空間61aと第2空間61bと第3空間61cとで互いに異なっている。
(ECUの詳細構成)
ECU40は、主として、負荷演算部41,回転数演算部42,燃料噴射制御部43,点火時期制御部44,位相差制御部45及び記憶部(図示せず)を備える。負荷演算部41,回転数演算部42,燃料噴射制御部43及び点火時期制御部44は、CPUなどである。記憶部は、ROM,RAMなどであり、プログラムやマップ情報(図5参照)などを記憶している。
ECU40は、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、可変ロータタイミング機構91を制御するためのロジックを実行する。
(ECUの詳細動作)
ECU40には、クランク角センサ51で検出されたクランク角信号、水温センサ52で検出された冷却水温信号、アクセル開度センサ53で検出されたアクセル開度信号などが入力される。負荷演算部41や回転数演算部42は、これらの信号を受け取る。負荷演算部41は、これらの信号に基づいて、機関負荷を演算する。回転数演算部42は、これらの信号に基づいて、機関回転数を演算する。
燃料噴射制御部43は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関回転数の情報を回転数演算部42から受け取り、機関負荷や機関回転数の情報などに基づいて、第1噴射量制御信号と第2噴射量制御信号とを生成する。これにより、第1燃料噴射弁26は、第1噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。第2燃料噴射弁27は、第2噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。
点火時期制御部44は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関回転数の情報を回転数演算部42から受け取り、機関負荷や機関回転数の情報などに基づいて、点火時期制御信号を生成する。これにより、第1点火プラグ29は、点火時期制御信号に基づいて所定のタイミングでスパークを発生させる。
位相差制御部45は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関回転数の情報を回転数演算部42から受け取る。また、位相差制御部45は、記憶部を参照し、マップ情報(図5参照)を記憶部から受け取る。位相差制御部45は、機関負荷や機関回転数の情報とマップ情報となどに基づいて、位相差制御信号を生成する。これにより、可変ロータタイミング機構91は、位相差制御信号に基づいて、所定のタイミングでロータ81の回転の位相をクランクシャフト86の回転の位相に対して進角化あるいは遅角化させる。すなわち、位相差制御部45は、位相差制御信号に基づいて、エキセントリックシャフト82の回転とクランクシャフト86の回転との位相差ΔTを変える。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関1の制御を、図5を参照して説明する。
ECU40の位相差制御部45が参照するマップ情報を、図5に示す。マップ情報には、機関負荷や機関回転数と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1運転条件領域A1のみから構成されている。
ECU40は、第1運転条件領域A1のとき、副燃焼室61から連通路64経由で主燃焼室63へ放射される火炎で主燃焼室63における新気混合気が点火されるように制御する。具体的には、ECU40は、第1運転条件領域A1において、機関回転数が大きい場合のエキセントリックシャフト82の回転の位相を、機関回転数が小さい場合よりも進角させる。これにより、機関回転数の上昇に伴って主室膨張行程が実時間単位で短くなっても、主燃焼室63に火炎が放射されてから既燃ガスが排気ポート24へ排出されるまでの期間が長く取られるので、主燃焼室63において燃焼が行われるために期間が十分に確保される。すなわち、種々の機関回転数において、副燃焼室61から連通路64経由で火炎が主燃焼室63へ放射されるタイミング(図4における連通期間T1のタイミング)は適切なものとなる。
また、ECU40は、第1運転条件領域A1において、機関負荷が低い場合のエキセントリックシャフト82の回転の位相を、機関負荷が高い場合よりも進角させる。これにより、機関負荷の低下に伴って主燃焼室63における燃焼期間が長くなっても、主燃焼室63に火炎が放射されてから既燃ガスが排気ポート24へ排出されるまでの期間が長く取られるので、主燃焼室63において燃焼が行われるために期間が十分に確保される。すなわち、種々の機関負荷において、副燃焼室61から連通路64経由で火炎が主燃焼室63へ放射されるタイミング(図4における連通期間T1のタイミング)は適切なものとなる。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、副燃焼室61は、第1空間61aを有する。ロータ81は、回転して、第1空間61aの容積を変える。このため、第1空間61aにおける新気混合気を圧縮するための構造は簡素化されている。具体的には、往復運動するピストンを駆動するためのカム機構がなくても、副燃焼室61における新気混合気は圧縮されるようになっている。
このように、第1空間61aにおける新気混合気を圧縮するための構造は簡素化されている。このため、低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室61における新気混合気は圧縮される。
(2)
ここでは、ロータ81は、回転して、新気混合気を第1空間61aに吸気する。このため、簡素な構造で、十分な量の新気混合気が第1空間61aに導入される。
(3)
ここでは、ロータ81は、回転して、第1空間61aにおける新気混合気を圧縮する。このため、簡素な構造で、第1空間61aにおける新気混合気の燃焼速度は増加しており、第1空間61aが主燃焼室63に連通された際に第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が強く放射される。
(4)
ここでは、ハウジング62の第1面62aは、エピトロコイド曲線を含む。このため、第1面62a及び第2面65aと、ロータ81の第1側面81aとで第1空間61aは形成される。また、ロータ81が回転して第1空間61aの容積は変えられる。
(5)
ここでは、エキセントリックシャフト82は、クランクシャフト86から動力が供給される。このため、簡素な構造で、エキセントリックシャフト82は駆動される。
(6)
ここでは、ECU40は、運転条件に応じて、エキセントリックシャフト82の回転とクランクシャフト86の回転との位相差ΔTを制御する。このため、種々の運転条件において、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射されるタイミングは適切なものとなる。
(7)
ここでは、ECU40は、第1運転条件領域A1において、機関回転数が大きい場合のエキセントリックシャフト82の回転の位相を、機関回転数が小さい場合よりも進角させる。このため、第1運転条件領域A1のとき、種々の機関回転数において、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射されるタイミングは適切なものとなる。
(8)
ここでは、ECU40は、第1運転条件領域A1において、機関負荷が低い場合のエキセントリックシャフト82の回転の位相を、機関負荷が高い場合よりも進角させる。このため、第1運転条件領域A1のとき、種々の機関負荷において、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射されるタイミングは適切なものとなる。
(第1実施形態の変形例)
(A)バイパス路66を介して副燃焼室61に導入されるのは、新気混合気である代わりに燃料のみであってもよい。この場合、バイパス路66は、副燃焼室61にのみ通じていてもよい。
また、副燃焼室61に導入される新気混合気は、バイパス路66に導入された新気空気に第2燃料噴射弁27が燃料を噴射することにより生成される代わりに、吸気ポート23の新気空気に第1燃料噴射弁26が燃料を噴射することにより生成された新気混合気がバイパス路66に導入されたものであってもよい。なお、この場合、副室式内燃機関1は、第2燃料噴射弁27を備えなくても良い。
(B)クランクシャフト86に対するエキセントリックシャフト82の位相は、可変ロータタイミング機構91により変えられる代わりに、固定されていても良い。このとき、エキセントリックシャフト82は、クランクシャフト86の回転に同期してロータ81を回転させる。このため、副燃焼室61の燃焼サイクルと主燃焼室63の燃焼サイクルとが同期するので、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射されるタイミングは主燃焼室63の燃焼サイクルに同期することが容易になる。なお、この場合、副室式内燃機関1は、可変ロータタイミング機構91を備えなくても良い。
(C)副室式内燃機関1i(図6参照)は、回転ピストン機構80の代わりに回転ピストン機構80iを備えてもよい。回転ピストン機構80iは、ロータ81の代わりにロータ81iを有し、副燃焼室壁67の代わりに副燃焼室壁67iを有する。
ロータ81iは、略楕円柱形状である。また、副燃焼室壁67iは、ハウジング62の代わりにハウジング62iを有する。ハウジング62iの第1面62aiは、エキセントリックシャフト82の長手方向と垂直な断面視において、略円形のエピトロコイド曲線を含んでいる。このため、略楕円柱形状であるロータ81iは、ハウジング62iの第1面62aiに接しながら回転することができるようになっている。
さらに、副燃焼室壁67iに囲まれて形成されている副燃焼室61iは、主として、第1空間61ai及び第2空間61biを有する。第1空間61aiは、ロータ81iの第1側面81aiと第1面62aiと第2面65aとで囲まれて形成されている。第2空間61biは、ロータ81iの第2側面81giと第1面62aiと第2面65aとで囲まれて形成されている。このため、ロータ81iが第1面62aiや第2面65aに沿って回転することにより、第1空間61ai・第2空間61biの容積はそれぞれ変化するようになっている。
(D)副室式内燃機関1j(図7参照)は、回転ピストン機構80の代わりに回転ピストン機構80jを備えてもよい。回転ピストン機構80jは、ロータ81の代わりにロータ81jを有し、副燃焼室壁67の代わりに副燃焼室壁67jを有する。
ロータ81jは、略四角柱形状である。また、副燃焼室壁67jは、ハウジング62の代わりにハウジング62jを有する。ハウジング62jの第1面62ajは、エキセントリックシャフト82の長手方向と垂直な断面視において、略三つ葉クローバー形状のエピトロコイド曲線を含んでいる。このため、略四角柱形状であるロータ81jは、ハウジング62jの第1面62ajに接しながら回転することができるようになっている。
さらに、副燃焼室壁67jに囲まれて形成されている副燃焼室61jは、主として、第1空間61aj,第2空間61bj,第3空間61cj及び第4空間61djを有する。第1空間61ajは、ロータ81jの第1側面81ajと第1面62ajと第2面65aとで囲まれて形成されている。第2空間61bjは、ロータ81jの第2側面81gjと第1面62ajと第2面65aとで囲まれて形成されている。第3空間61cjは、ロータ81jの第3側面81hjと第1面62ajと第2面65aとで囲まれて形成されている。第4空間61djは、ロータ81jの第4側面81sjと第1面62ajと第2面65aとで囲まれて形成されている。このため、ロータ81jが第1面62ajや第2面65aに沿って回転することにより、第1空間61aj・第2空間61bj・第3空間61cj・第4空間61djの容積はそれぞれ変化するようになっている。
(E)副室式内燃機関1k(図8参照)は、回転ピストン機構80の代わりに回転ピストン機構80kを備えてもよい。回転ピストン機構80kは、ロータ81の代わりにロータ81kを有し、副燃焼室壁67の代わりに副燃焼室壁67kを有する。
ロータ81kは、略五角柱形状である。また、副燃焼室壁67kは、ハウジング62の代わりにハウジング62kを有する。ハウジング62kの第1面62akは、エキセントリックシャフト82の長手方向と垂直な断面視において、略四つ葉クローバー形状のエピトロコイド曲線を含んでいる。このため、略五角柱形状であるロータ81kは、ハウジング62kの第1面62akに接しながら回転することができるようになっている。
さらに、副燃焼室壁67kに囲まれて形成されている副燃焼室61kは、主として、第1空間61ak,第2空間61bk,第3空間61ck,第4空間61dk及び第5空間61ekを有する。第1空間61akは、ロータ81kの第1側面81akと第1面62akと第2面65aとで囲まれて形成されている。第2空間61bkは、ロータ81kの第2側面81gkと第1面62akと第2面65aとで囲まれて形成されている。第3空間61ckは、ロータ81kの第3側面81hkと第1面62akと第2面65aとで囲まれて形成されている。第4空間61dkは、ロータ81kの第4側面81skと第1面62akと第2面65aとで囲まれて形成されている。第5空間61ekは、ロータ81kの第5側面81tkと第1面62akと第2面65aとで囲まれて形成されている。このため、ロータ81kが第1面62akや第2面65aに沿って回転することにより、第1空間61ak・第2空間61bk・第3空間61ck・第4空間61dk・第5空間61ekの容積はそれぞれ変化するようになっている。
(F)副室式内燃機関1n(図9参照)は、回転ピストン機構80の代わりに回転ピストン機構80nを備えてもよい。回転ピストン機構80nは、ロータプーリ88の代わりにロータプーリ88nを有し、タイミングベルト89の代わりにタイミングプーリ89nを有する。
ロータプーリ88nとタイミングプーリ89nとは、互いが接する部分が噛み合うように歯形が形成されている。また、電気モータ86nの回転軸は、タイミングプーリ89nに固定されている。このため、エキセントリックシャフト82には、タイミングプーリ89n及びロータプーリ88nを介して電気モータ86nから動力が供給されるようになっている。このため、エキセントリックシャフト82の回転を電気的に制御することができるようになっているので、エキセントリックシャフト82の回転の制御性が高まっている。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図10に示す。また、副室式内燃機関における回転ピストン機構の構成を図11に示す。なお、第1実施形態と同様の構成要素は同じ番号で示されている。
副室式内燃機関100は、図10及び図11に示すように、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、回転ピストン機構80の代わりに回転ピストン機構180を備える点と、可変ロータタイミング機構91の代わりに可変ロータタイミング機構群191(191a,191b,・・・)を備える点と、ECU40の代わりにECU(制御部)140を備える点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
回転ピストン機構180は、主として、ロータ81,83,・・・とエキセントリックシャフト(ロータ軸)182a,182b,・・・とを有する。エキセントリックシャフト182a,182b,・・・は、ロータ81,83,・・・ごとに独立して設けられている。各エキセントリックシャフト182a,182b,・・・は、ロータ81,83,・・・を貫通しており、ロータ81,83,・・・を回転させることができるように設けられている。
各可変ロータタイミング機構191a,191b,・・・は、油圧駆動式であり、クランクシャフト86(図3参照)に対するエキセントリックシャフト182a,182b,・・・の位相を変化させることで、ロータ81,83,・・・の回転の位相をクランクシャフト86の回転の位相に対して進角化あるいは遅角化させる。すなわち、各可変ロータタイミング機構191a,191b,・・・は、エキセントリックシャフト182a,182b,・・・の回転とクランクシャフト86の回転との位相差ΔT(図4参照)を変える。
ECU140は、第1燃料噴射弁26、第2燃料噴射弁27、第1点火プラグ29、可変ロータタイミング機構191a,191b,・・・などに電気的に接続されている。
他の点は第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
副室式内燃機関100では、後述の火花点火モードで制御が行われる場合、ロータ81の回転が停止されるため、副室吸気行程・副室圧縮行程・副室膨張行程・副室排気行程が行われない。また、主室圧縮行程において、主燃焼室63で新気混合気が圧縮されるとともに、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路64を介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入される。そして、第1点火プラグ29により、副燃焼室61の新気混合気は所定のタイミングで着火され燃焼する。
ECU140は、第1燃料噴射弁26、第2燃料噴射弁27、第1点火プラグ29、可変ロータタイミング機構191a,191b,・・・などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
他の点は第1実施形態と同様である。
(回転ピストン機構の詳細構成)
回転ピストン機構180は、エキセントリックシャフト82の代わりにエキセントリックシャフト182a,・・・を有し、ロータプーリ88の代わりにロータプーリ188a,・・・を有し、タイミングベルト89の代わりにタイミングプーリ189a,・・・を有する。
ロータプーリ188a,・・・とタイミングプーリ189a,・・・とは、それぞれ、互いが接する部分が噛み合うように歯形が形成されている。また、電気モータ186a,・・・の回転軸は、それぞれ、タイミングプーリ189a,・・・に固定されている。このため、エキセントリックシャフト182a,・・・には、それぞれ、タイミングプーリ189a,・・・及びロータプーリ188a,・・・を介して電気モータ186a,・・・から動力が供給されるようになっている。このため、エキセントリックシャフト182a,・・・の回転を電気的に制御することができるようになっているので、エキセントリックシャフト182a,・・・の回転の制御性が高まっている。
他の点は第1実施形態と同様である。
(回転ピストン機構の詳細動作)
回転ピストン機構180が後述の火花点火モードで制御される場合、第1空間61aが点火可能位置に来るように、ロータ81の回転は停止される。ここで、点火可能位置は、第1空間61aが連通路64を介して主燃焼室63に連通されている位置であり、且つ、第1空間61aにおける新気混合気を第1点火プラグ29が点火することが可能となる位置である。このため、第1点火プラグ29が所定のタイミングでスパークを発生させることにより、主燃焼室63における新気混合気は火花点火される(図13(b)参照)。
一方、回転ピストン機構180が後述のトーチ点火モードで制御される場合は、第1実施形態と同様である(図13(a)参照)。
(ECUの詳細構成)
ECU140は、位相差制御部45の代わりに位相差制御部145を備え、回転制御部146をさらに備える。また、記憶部は、マップ情報(図5参照)の代わりにマップ情報(図12参照)を記憶している。
他の点は第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
位相差制御部145は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関回転数の情報を回転数演算部42から受け取る。また、位相差制御部145は、記憶部を参照し、マップ情報(図12参照)を記憶部から受け取る。位相差制御部145は、機関負荷や機関回転数の情報とマップ情報となどに基づいて、位相差制御信号を生成する。これにより、可変ロータタイミング機構191a,・・・は、位相差制御信号に基づいて、所定のタイミングでロータ81,・・・の回転の位相をクランクシャフト86の回転の位相に対して進角化あるいは遅角化させる。すなわち、位相差制御部145は、位相差制御信号に基づいて、エキセントリックシャフト182a,・・・の回転とクランクシャフト86の回転との位相差ΔTを変える。
回転制御部146は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関回転数の情報を回転数演算部42から受け取る。また、回転制御部146は、記憶部を参照し、マップ情報(図12参照)を記憶部から受け取る。回転制御部146は、機関負荷や機関回転数の情報とマップ情報となどに基づいて、モータ制御信号を生成する。これにより、電気モータ186a,・・・は、回転制御信号に基づいて、エキセントリックシャフト182a,・・・に動力を供給する。
他の点は第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関100の制御を、図12を参照して説明する。
ECU140の位相差制御部145及び回転制御部146が参照するマップ情報を、図12に示す。マップ情報には、機関負荷や機関回転数と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1運転条件領域A101と第2運転条件領域A102とに分けられている。第1運転条件領域A101は比較的低回転低負荷側の領域であり、第2運転条件領域A102は比較的高回転側又は高負荷側の領域である。
ECU140は、第1運転条件領域A101のとき、副燃焼室61から連通路64経由で主燃焼室63へ放射される火炎で主燃焼室63における新気混合気が点火されるように制御する。具体的には、ECU140は、第1運転条件領域A101において、機関回転数が大きい場合のエキセントリックシャフト182a,・・・の回転の位相を、機関回転数が小さい場合よりも進角させる。これにより、機関回転数の上昇に伴って主室膨張行程が実時間単位で短くなっても、主燃焼室63に火炎が放射されてから既燃ガスが排気ポート24へ排出されるまでの期間が長く取られるので、主燃焼室63において燃焼が行われるために期間が十分に確保される。すなわち、種々の機関回転数において、副燃焼室61から連通路64経由で火炎が主燃焼室63へ放射されるタイミング(図4における連通期間T1のタイミング)は適切なものとなる。
また、ECU140は、第1運転条件領域A101において、機関負荷が低い場合のエキセントリックシャフト182a,・・・の回転の位相を、機関負荷が高い場合よりも進角させる。これにより、機関負荷の低下に伴って主燃焼室63における燃焼期間が長くなっても、主燃焼室63に火炎が放射されてから既燃ガスが排気ポート24へ排出されるまでの期間が長く取られるので、主燃焼室63において燃焼が行われるために期間が十分に確保される。すなわち、種々の機関負荷において、副燃焼室61から連通路64経由で火炎が主燃焼室63へ放射されるタイミング(図4における連通期間T1のタイミング)は適切なものとなる。
ECU140は、第2運転条件領域A102のとき、主燃焼室63における新気混合気が火花点火されるように制御する。具体的には、ECU140は、第2運転条件領域A102において、第1空間61aが点火可能位置に来るように、ロータ81,・・・の回転を停止する。このため、第1点火プラグ29が所定のタイミングでスパークを発生させることにより、主燃焼室63における新気混合気は火花点火される。これにより、副燃焼室61からの熱損失は低減され、ロータ81の回転に伴う機械損失も低減される。
(副室式内燃機関の特徴)
第1空間61aにおける新気混合気を圧縮するための構造が簡素化されている点は、第1実施形態と同様である。したがって、このような副室式内燃機関100によっても、低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室61における新気混合気は圧縮される。
また、エキセントリックシャフト182a,・・・は、電気モータ186a,・・・から動力が供給される。このため、エキセントリックシャフト182a,・・・の回転を電気的に制御することができるようになっているので、エキセントリックシャフト182a,・・・の回転の制御性が高まっている。
さらに、ECU140は、第1運転条件領域A101のとき、副燃焼室61から主燃焼室63へ放射される火炎で主燃焼室63における新気混合気が点火されるように制御する。また、ECU140は、第2運転条件領域A102のとき、主燃焼室63における新気混合気が火花点火されるように制御する。このため、種々の運転条件において、主燃焼室63における燃焼は適切なものとなる。
それから、ECU140は、第2運転条件領域A102において、第1空間61aが点火可能位置に来るように、ロータ81の回転を停止する。このため、第2運転条件領域A102のとき、主燃焼室63における新気混合気は火花点火されるようになる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図14に示す。なお、第1実施形態と同様の構成要素は同じ番号で示されている。
副室式内燃機関200は、図14に示すように、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、ECU40の代わりにECU(制御部)240を備える点と、第2点火プラグ(第2点火部)225及び開閉機構(開閉部)270をさらに備える点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
第2点火プラグ225は、その先端部分225aが主燃焼室63に突出するように設けられている。
開閉機構270は、主として、遮断弁271と駆動機構272とを有する。駆動機構272は、遮断弁271を上昇させたり、遮断弁271を下降させたりする。これにより、遮断弁271は、連通路264を開閉する。
ECU240は、第1燃料噴射弁26、第2燃料噴射弁27、第1点火プラグ29、第2点火プラグ225、可変ロータタイミング機構91、駆動機構272などに電気的に接続されている。
他の点は第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
副室式内燃機関200では、後述の火花点火モードで制御が行われる場合、遮断弁271が連通路264を閉める(図15(b)参照)。そして、副室吸気行程において、第2燃料噴射弁27は、バイパス路66に導入された新気空気に、燃料を噴射しない。このため、新気空気が副燃焼室61に導入される。副室圧縮行程においては、副燃焼室61の新気空気が圧縮される。副室膨張行程では、第1点火プラグ29はスパークを発生させない。
一方、後述のトーチ点火モードで制御が行われる場合、遮断弁271が連通路264を開く(図15(a)参照)。
ECU240は、第1燃料噴射弁26、第2燃料噴射弁27、第1点火プラグ29、第2点火プラグ225、可変ロータタイミング機構91、駆動機構272などに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。
他の点は第1実施形態と同様である。
(回転ピストン機構の詳細構成)
第1実施形態と同様である。
(回転ピストン機構の詳細動作)
第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細構成)
ECU240は、位相差制御部45を備えず、開閉制御部247をさらに備える。また、記憶部は、マップ情報(図5参照)の代わりにマップ情報(図16、図17参照)を記憶している。
他の点は第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
開閉制御部247は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関回転数の情報を回転数演算部42から受け取る。また、開閉制御部247は、記憶部を参照し、マップ情報(図16、図17参照)を記憶部から受け取る。開閉制御部247は、機関負荷や機関回転数の情報とマップ情報となどに基づいて、開閉制御信号を生成する。これにより、開閉機構270は、開閉制御信号に基づいて、連通路264を開閉する。具体的には、駆動機構272は、開閉制御信号に基づいて、遮断弁271を上昇させたり、遮断弁271を下降させたりする。
他の点は第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関200の制御を、図16,図17を参照して説明する。
ECU240の開閉制御部247が参照するマップ情報を、図16,図17に示す。マップ情報には、機関負荷や機関回転数と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1運転条件領域A201と第2運転条件領域A202とに分けられている。第1運転条件領域A201は比較的低回転低負荷側の領域であり、第2運転条件領域A202は比較的高回転側又は高負荷側の領域である。
ECU240は、第1運転条件領域A201のとき、副燃焼室61から連通路264経由で主燃焼室63へ放射される火炎で主燃焼室63における新気混合気が点火されるように制御する。具体的には、ECU240は、第1運転条件領域A201において、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気の空気過剰率に応じて、開口率が変わるように、開閉機構270に連通路264を開かせる。ここで、開口率は、開閉機構270に連通路264を開かせる度合いであり、駆動機構272が遮断弁271をリフトさせる量L(図15(a)参照)に応じて変わるようになっている。すなわち、ECU240は、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気の空気過剰率が大きい場合の開口率が、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気の空気過剰率が小さい場合の開口率よりも小さくなるように、開閉機構270を制御する(図17参照)。これにより、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気がリーンな場合に、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射される速度は速くなる。この結果、リーン限界は拡大する。また、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気がリッチな場合に、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射される速度は抑えられる。この結果、主燃焼室63において燃焼騒音が発生することは低減される。
ECU240は、第2運転条件領域A202のとき、主燃焼室63における新気混合気が火花点火されるように制御する。具体的には、ECU240は、第2運転条件領域A202において、開閉機構270に連通路264を閉めさせる。このため、第2点火プラグ225が所定のタイミングでスパークを発生させることにより、主燃焼室63における新気混合気は火花点火される。これにより、副燃焼室61からの熱損失は低減される。
(副室式内燃機関の特徴)
第1空間61aにおける新気混合気を圧縮するための構造が簡素化されている点は、第1実施形態と同様である。したがって、このような副室式内燃機関200によっても、低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室61における新気混合気は圧縮される。
また、ECU240は、第1運転条件領域A201において、開閉機構270に連通路264を開かせる。このため、第1運転条件領域A201のとき、第1空間61aから主燃焼室63へ放射される火炎で主燃焼室63における新気混合気が点火されるように制御される。また、ECU240は、第2運転条件領域A202において、開閉機構270に連通路264を閉めさせる。このため、第2運転条件領域A202のとき、主燃焼室63における新気混合気が火花点火されるように制御される。
さらに、ECU240は、第1運転条件領域A201において、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気の空気過剰率に応じて、開口率が変わるように、開閉機構270を制御する。具体的には、ECU240は、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気の空気過剰率が大きい場合の開口率が、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気の空気過剰率が小さい場合の開口率よりも小さくなるように、開閉機構270を制御する。このため、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気がリーンな場合に、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射される速度は速くなる。この結果、リーン限界は拡大する。また、副燃焼室61又は主燃焼室63における新気混合気がリッチな場合に、第1空間61aから主燃焼室63へ火炎が放射される速度は抑えられる。この結果、主燃焼室63において燃焼騒音が発生することは低減される。
本発明に係る副室式内燃機関は、低コストかつコンパクトな構造で副燃焼室における燃料又は新気混合気を圧縮することができるという効果を有し、副室式内燃機関等として有用である。
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 図1のII-II断面図。 本発明の第1実施形態における回転ピストン機構を示す図。 エキセントリックシャフトの回転とクランクシャフトの回転との位相差を示す図。 本発明の第1実施形態におけるマップ情報を示す図。 本発明の第1実施形態の変形例における回転ピストン機構を示す図。 本発明の第1実施形態の変形例における回転ピストン機構を示す図。 本発明の第1実施形態の変形例における回転ピストン機構を示す図。 本発明の第1実施形態の変形例における回転ピストン機構を示す図。 本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第2実施形態における回転ピストン機構を示す図。 本発明の第2実施形態におけるマップ情報を示す図。 本発明の第2実施形態における回転ピストン機構の動作を示す図。 本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第3実施形態における回転ピストン機構を示す図。 本発明の第3実施形態におけるマップ情報を示す図。 本発明の第3実施形態におけるマップ情報を示す図。
符号の説明
1,1i,1j,1k,1n,100,200 副室式内燃機関
29 第1点火プラグ(第1点火部)
40,140,240 ECU(制御部)
61 副燃焼室
61a 第1空間
62a 第1面(内壁面)
63 主燃焼室
64,264 連通路
65a 第2面(内壁面)
81等 ロータ
81a 第1側面(外面)
82,182a等 エキセントリックシャフト(ロータ軸)
86 クランクシャフト(クランク軸)
86n,186a等 電気モータ
225 第2点火プラグ(第2点火部)
270 開閉機構(開閉部)

Claims (16)

  1. 主燃焼室と、
    前記主燃焼室に隣接する副燃焼室と、
    前記副燃焼室において回転するロータと、
    を備え、
    前記副燃焼室は、内壁面と、前記ロータの外面とで囲まれた第1空間を有し、
    前記ロータは、回転して、前記第1空間の容積を変える、
    副室式内燃機関。
  2. 前記ロータは、回転して、燃料又は新気混合気を前記第1空間に吸気する、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  3. 主燃焼室と、
    前記主燃焼室に隣接する副燃焼室と、
    前記副燃焼室において回転するロータと、
    を備え、
    前記副燃焼室は、内壁面と、前記ロータの外面とで囲まれた第1空間を有し、
    前記ロータは、回転して、前記第1空間における燃料又は新気混合気を圧縮する、
    副室式内燃機関。
  4. 前記ロータを貫通しており、前記ロータを回転させるロータ軸をさらに備え、
    前記副燃焼室の内壁面は、
    前記ロータ軸の長手方向と平行に前記ロータ軸を囲むように延びているハウジングが有する内面である第1面と、
    前記ロータにより貫通されており前記ロータ軸の長手方向と垂直に延びているサイドカバーが有する平面である第2面と、
    を含み、
    前記ハウジングの前記第1面は、エピトロコイド曲線を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  5. 前記ロータを貫通しており、前記ロータを回転させるロータ軸をさらに備え、
    前記ロータ軸は、クランク軸から動力が供給される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  6. 前記ロータを貫通しており、前記ロータを回転させるロータ軸をさらに備え、
    前記ロータ軸は、電気モータから動力が供給される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  7. 前記ロータを貫通しており、前記ロータを回転させるロータ軸をさらに備え、
    前記ロータ軸は、クランク軸の回転に同期して前記ロータを回転させる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  8. 前記ロータ軸の回転と前記クランク軸の回転との位相差を制御する制御部をさらに備えた、
    請求項5又は6に記載の副室式内燃機関。
  9. 前記制御部は、第1運転条件領域のとき、前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射される火炎で前記主燃焼室における新気混合気が点火されるように制御し、第2運転条件領域のとき、前記主燃焼室における新気混合気が火花点火されるように制御する、
    請求項8に記載の副室式内燃機関。
  10. 前記制御部は、第1運転条件領域において、前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射される火炎で前記主燃焼室における新気混合気が点火されるように制御し、機関回転数が大きい場合の前記ロータ軸の回転の位相を、機関回転数が小さい場合よりも進角させる、
    請求項8に記載の副室式内燃機関。
  11. 前記制御部は、第1運転条件領域において、前記副燃焼室から前記主燃焼室へ放射される火炎で前記主燃焼室における新気混合気が点火されるように制御し、機関負荷が低い場合の前記ロータ軸の回転の位相を、機関負荷が高い場合よりも進角させる、
    請求項8に記載の副室式内燃機関。
  12. 前記制御部は、前記第2運転条件領域において、前記ロータの回転を停止する、
    請求項9に記載の副室式内燃機関。
  13. 前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通する連通路と、
    前記副燃焼室に配置され、前記第1空間における新気混合気を点火する第1点火部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記第2運転条件領域において、前記第1空間が、前記連通路を介して前記主燃焼室に連通されている位置であり且つ前記第1空間における燃料又は新気混合気を前記第1点火部が点火することが可能となる位置である点火可能位置に来るように、前記ロータの回転を停止する、
    請求項12に記載の副室式内燃機関。
  14. 前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通する連通路と、
    前記連通路を開閉する開閉部と、
    前記副燃焼室に配置され、前記第1空間における燃料又は新気混合気を点火する第1点火部と、
    前記主燃焼室に配置され、前記主燃焼室における新気混合気を点火する第2点火部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1運転条件領域において、前記開閉部に前記連通路を開かせ、前記第2運転条件領域において、前記開閉部に前記連通路を閉めさせる、
    請求項9に記載の副室式内燃機関。
  15. 前記制御部は、前記第1運転条件領域において、前記副燃焼室又は前記主燃焼室における新気混合気の空気過剰率に応じて、前記開閉部に前記連通路を開かせる度合いである開口率が変わるように、前記開閉部を制御する、
    請求項14に記載の副室式内燃機関。
  16. 前記制御部は、前記副燃焼室又は前記主燃焼室における新気混合気の空気過剰率が大きい場合の前記開口率が、前記副燃焼室又は前記主燃焼室における新気混合気の空気過剰率が小さい場合の前記開口率よりも小さくなるように、前記開閉部を制御する、
    請求項15に記載の副室式内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106640387A (zh) * 2016-12-06 2017-05-10 江苏大学 一种可实现转子发动机不同压缩比的执行机构
CN113944542A (zh) * 2021-08-31 2022-01-18 东风汽车集团股份有限公司 一种预燃室、发动机以及车辆
CN114017234A (zh) * 2021-09-29 2022-02-08 联合汽车电子有限公司 一种内燃机点火控制方法、控制器、系统、介质及车辆

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