JP2007063854A - 1柱1杭基礎構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1本の柱脚13を1本の杭11が支持する1柱1杭基礎構造10の施工方法であって、杭11、柱脚13、およびこれら杭11と柱脚13とを連結する接合部材12を、それぞれ別体として施工現場に搬入して、所定位置の地盤G中に前記杭11を埋設し、この杭11の杭頭部に前記接合部材12を載せ、杭11の芯と接合部材12の芯とを一致させた後、これら杭11と接合部材12とを接合し、その後、接合部材12の開口端を通して、前記柱脚13の先端部を接合部材12の内部空間内に挿入し、柱脚13の鉛直方向および水平方向の位置を調整後、これら接合部材12と柱脚13とを接合したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
施工現場に運び込まれたこれら杭と、接合鋼管、鉄骨柱、および基礎梁が一体化されたものとは、まず、所定位置に杭が埋設され(あるいは打設され)、この杭の杭頭部に、接合鋼管、鉄骨柱、および基礎梁が一体化されたものが載置され、杭頭部と接合鋼管とが接合されるようになっている。このとき、接合鋼管は杭の直上に接合するため、杭の埋設された(あるいは打設された)位置(打設位置)に誤差が生じていても、柱位置を調整することができない。また、接合鋼管をずらすことが可能な構造である場合も(特開平9-25637参照)、強固である必要のある接合部の芯が杭の芯とずれてしまい接合部強度が低下してしまう問題がある。
本発明による1柱1杭基礎構造の施工方法は、1本の柱脚を1本の杭が支持する1柱1杭基礎構造の施工方法であって、杭、柱脚、およびこれら杭と柱脚とを連結する接合部材を、それぞれ別体として施工現場に搬入して、所定位置の地盤中に前記杭を埋設し、この杭の杭頭部に前記接合部材を載せ、杭の芯と接合部材の芯とを一致させた後、これら杭と接合部材とを接合し、その後、接合部材の開口端を通して、前記柱脚の先端部を接合部材の内部空間内に挿入し、柱脚の鉛直方向および水平方向の位置を調整後、これら接合部材と柱脚とを接合したことを特徴とする。
このような1柱1杭基礎構造の施工方法によれば、杭、接合部材、および柱脚が、それぞれ別部材として施工現場に搬入されることとなるので、搬入作業の簡略化を図ることができる。
また、杭、接合部材、および柱脚が、それぞれ別部材として施工現場に搬入され、これら部材は、杭の芯と接合部材の芯とを一致させ、柱脚の鉛直方向および水平方向の位置調整を行うように組み立てられるため、杭が所定位置からずれた場所に圧入(埋設)された場合にも、柱脚の位置調整により杭の打設誤差を吸収することができ、接合部の強度を低下させること無く常に所定位置に柱を設置することができる。
このような1柱1杭基礎構造によれば、杭、接合部材、および柱脚が、それぞれ別部材として施工現場に搬入されることとなるので、搬入作業の簡略化を図ることができる。
また、杭、接合部材、および柱脚が、それぞれ別部材として施工現場に搬入され、これら部材は、杭の芯と接合部材の芯とを一致させ、柱脚の鉛直方向および水平方向の位置調整を行うように組み立てられるため、杭が所定位置からずれた場所に圧入(埋設)された場合にも、柱脚の位置調整により杭の打設誤差を吸収することができ、接合部の強度を低下させること無く常に所定位置に柱を設置することができる。
図1は、本実施形態に係る1柱1杭基礎構造の側断面図である。この1柱1杭基礎構造10は、地盤Gに埋設された(あるいは打設された)杭11と、この杭11の鉛直上方に配置された接合ユニット(接合部材)12とを主たる要素として構成されたものである。
接合ユニット12は、鋼管杭11と略同じ外径を有する中空円筒状の部材(例えば、鋼製の部材)であり、その上端は、柱脚13の底板13aを受け入れ易くするために開口端となっていて、その下端には、底板12aが設けられている。
そして、これら鋼管杭11と接合ユニット12とは、溶接により(あるいは添接板およびボルト・ナットを介して)接合されている。
まず、鋼管杭11を埋設しようとする所定位置の地盤Gに穴15を掘り、その穴15に鋼管杭11を立てた後、鋼管杭11の先端部が支持層に到達するまで、図示しない圧入機等を用いて地盤G中に回転圧入する(図2(a)参照)。
鋼管杭11の杭頭部に接合ユニット12を載せ、鋼管杭11の芯と接合ユニット12の芯とを一致させた後、これら鋼管杭11と接合ユニット12とを溶接により(あるいは添接板およびボルト・ナットを介して)接合する。鋼管杭11と接合ユニット12との接合が完了したら穴15を埋め戻し、接合ユニット12の開口端のみが地盤Gの表面に現れるようにする(図2(b)参照)。
そして、接合ユニット12の開口端を通して、柱脚13の先端部を接合ユニット12の内部空間内に挿入し、後述する位置決め装置を用いて接合ユニット12の芯と柱脚13の芯とを一致させる(図2(c)参照)。
この状態で接合ユニット12の内部空間内にコンクリート14を充填し、接合ユニット12と柱脚13とを接合し、一基礎構造の工事が完了する(図2(d)および図1参照)。なお、穴15の埋め戻しは、柱脚固定までの一連の作業完了後に行ってもよい。
図9に示すように、この位置決め装置101は、地盤Gに埋設された接合ユニット12内に、柱脚13の先端部を挿入し、接合ユニット12内にコンクリート14を充填して、柱脚13を接合ユニット12に立設固定する時に用いるものである。位置決め装置101は、矩形板状の一対の第1の蓋板104と、矩形板状の一対の第2の蓋板105とを備えている。
また、第1の蓋板104および第2の蓋板105の直線状の縁部(104b,105b)には、柱脚13の側面に沿って当接すると共に、柱脚13の局所的な破壊を防止するための強度部材である垂直材(106,107)がそれぞれ立設されている。蓋板104,105のサイズは柱脚13の引抜きに対する拘束力を高めるため、柱脚13挿入部以外の接合ユニット12の開口端全面を覆うようなサイズ(大きさ)としている。
また、図11に示すように、柱脚13の上部の両側面には鍔部材110と、この鍔部材110に螺合する4本のボルト111とがそれぞれ設けられていて、これらで柱脚13の上下位置調整手段112が構成されている。左右のボルト111の下端が後述する上下位置調整手段112に当接しており、左右のボルト111を回すことにより、柱脚13の上下方向H位置および四方側面の傾きを調整することができる。また、第1の蓋105上には、図12(a)に示す水平Y方向の移動手段である低摩擦式の一対の柱脚移動手段113が載置されていて、柱脚移動手段113の上面にボルト111の下端が当接している。この柱脚移動手段113により、柱脚13の水平Y方向への移動が低押力により行える。
また、上記において、ボルト孔(104,105a)の長孔の長さ寸法幅、フランジ102bへの各蓋板(104,105)の固定位置調整を行うことにより、柱脚13の水平XY方向(柱脚13の四辺に直交する方向)の位置調整(柱脚13の中心を設計中心位置Oに合致する位置調整)を容易に行うことができる。
(a)地盤G中に埋設している接合ユニット12内に、柱脚13の先端部を挿入する。
(b)柱脚13の両側面に一対の第1の蓋板104を設置し、ボルト109によりフランジ102bに仮止め固定する(この時、ボルト109は仮締め)。
(c)柱脚13の水平X方向の位置決めの際には、第1の蓋板104をその長孔104aに沿って(例えばx矢印方向に)スライドさせて行い、柱脚13に蓋板104の垂直材106が軽く触れる位置で第1の蓋板104をフランジ102bにボルト109を止め固定する。
(d)次に、例えばy矢印方向に柱脚13を移動して、柱脚13の水平Y方向の位置決めを行う。その位置で上下位置調節手段112を介して蓋板104上に柱脚13の加重を掛ける。
(e)上下位置調節手段112を調節して柱脚13のレベル(上下位置)調整(例えばh矢印方向への調整)を行う。
(f)矢印120で示す開口端より接合ユニット12内にコンクリート14を打設する。
(g)第2の蓋板105を柱脚13位置に応じて、ボルト109により蓋板104および/またはフランジ102bに締付け固定する。
(ア)柱脚13の両側面を一対の第1の蓋板104の直線状の縁部104bで挟み込んだ状態で、柱脚13の水平X方向の位置決めを、フランジ102b上において第1の蓋板104をスライドすることにより行い、第1の蓋板104をフランジ102bに、ボルト109により仮止め固定する。
(イ)柱脚13の水平X方向に直交する水平Y方向の位置決めを、柱脚13を第1の蓋板104の直線状の縁部104bに沿って移動することで行なう。
(ウ)柱脚13の上下方向の位置決めを、柱脚13の両側面にそれぞれ設けた鍔部材110と、第1の蓋板104との間に設置する上下位置調整手段112により行った後、第1の蓋板104をフランジ102bに、ボルト109により本締め固定する。
(エ)一対の第1の蓋板104間から接合ユニット12内にコンクリート14を充填する。
(オ)次に、柱脚13の他の両側面を一対の第2の蓋板105の直線状の縁部105bにより挟み込んだ状態として、第2の蓋板105を第1の蓋板104に、又はフランジ102bに固定する。
なお、上記(イ)と(ウ)とは、その作業を同時または逆順序で行っても良い。
また、上記事例において、柱脚13の水平Y方向の位置決め時に、図12に示す、柱脚移動手段113を用いれば、柱脚13の移動が円滑に行い得る。
また、柱脚13の水平X方向の位置決めを、フランジ102b上の第1の蓋板104をスライドさせて行うので、水平X方向の位置調整時において柱脚13は常に平面上を移動することになり、位置決めが容易に行える。水平XY方向(水平2方向)の位置を調整する際、片側1方向ずつ調整していくため、位置決めがそれほど難しくない。第1の蓋板104が柱脚13の支持台となるため、柱脚13支持用の新たな部材が不必要である。
また、本実施形態による1柱1杭基礎構造10の施工方法によれば、鋼管杭11、接合ユニット12、および柱脚13が、それぞれ別部材として施工現場に搬入され、これら部材は、鋼管杭11の芯と接合ユニット12の芯とを一致させ、柱脚13の鉛直方向および水平方向の位置調整を行うように組み立てられるため、鋼管杭11が所定位置からずれた場所に圧入(埋設)された場合にも、柱脚13の位置調整により杭11の打設誤差を吸収することができ、接合部の強度を低下させること無く常に所定位置に柱13を設置することができる。
本実施形態における1柱1杭基礎構造20は、接合ユニット12の代わりに接合ユニット21が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
テーパ部22は、その下端面が鋼管杭11の外径と略同じ外径を有し、その上端面が拡径部23の外径と略同じ外径を有するとともに、上方に向かってすり鉢状に拡径する中空円錐台状の部材であり、その下端には、底板22aが設けられている。
拡径部23は、テーパ部22の上端面と略同じ外径を有する中空円筒状の部材であり、その上端は、柱脚13の底板13aを受け入れ易くするために開口端となっている。
なお、本実施形態に係る1柱1杭基礎構造の施工方法については、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
また、鋼管杭11と接合ユニット21との接合部における応力をテーパ部22において分散させることができるので、鋼管杭11と接合ユニット21との接合部における応力集中を防止することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態における1柱1杭基礎構造30は、鋼管杭11の上端面(図4において上側の端面)に複数本(本実施形態では12本)のアンカーボルト31が設けられているとともに、接合ユニット12の底板12aに複数個(本実施形態では12個)のボルト穴32が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
一方、接合ユニット12の底板12aには、各アンカーボルト31に対応したボルト穴32が設けられている。
そして、これら鋼管杭11と接合ユニット12とは、鋼管杭11の上端面に接合ユニット12を載置し、各アンカーボルト31のネジ部と螺合するナット(図示せず)をそれぞれ締め付けていくことにより接合される。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態における1柱1杭基礎構造40は、接合ユニット12の下端部(図5において下側の端部)に雄部41が設けられているとともに、鋼管杭11の上端面(図5において上側の端面)に雌部42が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
一方、雌部42は、図5(c)に示すように、軸部41aの外径と略等しい内径を有するとともに軸部41aを受け入れることができるように形成された縮径部42aと、突部41bの外径と略等しい内径を有するとともに突部41bを受け入れることができるように形成された拡径部42bとを有している。また、図5(d)に示すように、縮径部42aの下面には、テーパ部Tが設けられている。
そして、これら鋼管杭11と接合ユニット12とは、接合ユニット12の雄部41を鋼管杭11の雌部42内に挿入し、接合ユニット12を一方向(例えば、上方から見て時計方向)に回動させることにより接合される。なお、接合ユニット12を回動させるのに、鋼管杭11を地盤G中に回転圧入させる圧入機等が用いられると好適である。
また、雄部41の突部41bと雌部42の縮径部42aとが、テーパ部Tを介して密着することとなるので、接合ユニット12を鋼管杭11に接合した際のガタツキや緩みを無くすことができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態における1柱1杭基礎構造50は、地中梁51(図6および図7参照)を支持するための地中梁支持手段52(図7参照)が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
開口部53は、接合ユニット12の板厚方向に貫通する、平面視長方形状の穴であり、この開口部53を通して、Tピース54の突部54aが、接合ユニット12の外側に突出するようになっている。また、Tピース54と接合ユニット12との間には、図示しないシール部材が設けられており、接合ユニット12内に充填されたコンクリート14が、突部54aと開口部53との間から漏れ出さないようになっている。
スプライスプレート55は、Tピース54の突部54aと地中梁51のウェブ51aとを連結するものであり、スプライスプレート55の一端とTピース54の突部54a、およびスプライスプレート55の他端と地中梁51のウェブ51aはそれぞれ、隅肉溶接により(あるいは添接板およびボルト・ナットを介して)接合される。
また、Tピース54の突部54aが貫通する開口部53が、地盤Gの表面近くに位置する接合ユニット12の側面に設けられており、地中梁51が地盤Gの表面近くに位置することとなるので、地中梁51の掘り込み深さを浅くすることができ、工期の短縮を図ることができるとともに、工費の削減を図ることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態による1柱1杭基礎構造60によれば、基礎梁61を地盤G中に埋め込む必要がなくなるので、工期をより短縮することができるとともに、工費をより削減することができる。
なお、図8(b)には、図8(a)に示す柱脚13および基礎梁61に、ブレース62を取り付けたものを一具体例として示している。
11 杭
12 接合ユニット(接合部材)
13 柱脚
20 1柱1杭基礎構造
21 接合ユニット(接合部材)
30 1柱1杭基礎構造
40 1柱1杭基礎構造
50 1柱1杭基礎構造
60 1柱1杭基礎構造
G 地盤
Claims (2)
- 1本の柱脚を1本の杭が支持する1柱1杭基礎構造の施工方法であって、
杭、柱脚、およびこれら杭と柱脚とを連結する接合部材を、それぞれ別体として施工現場に搬入して、
所定位置の地盤中に前記杭を埋設し、この杭の杭頭部に前記接合部材を載せ、杭の芯と接合部材の芯とを一致させた後、これら杭と接合部材とを接合し、その後、接合部材の開口端を通して、前記柱脚の先端部を接合部材の内部空間内に挿入し、柱脚の鉛直方向および水平方向の位置を調整後、これら接合部材と柱脚とを接合したことを特徴とする1柱1杭基礎構造の施工方法。 - 1本の柱脚を1本の杭が支持する1柱1杭基礎構造であって、
それぞれ別体として施工現場に搬入された、杭、柱脚、およびこれら杭と柱脚とを連結する接合部材が、
所定位置の地盤中に前記杭を埋設し、この杭の杭頭部に前記接合部材を載せ、杭の芯と接合部材の芯とを一致させた後、これら杭と接合部材とを接合し、その後、接合部材の開口端を通して、前記柱脚の先端部を接合部材の内部空間内に挿入し、柱脚の鉛直方向および水平方向の位置を調整後、これら接合部材と柱脚とを接合して組み立てられていることを特徴とする1柱1杭基礎構造。
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