JP2007063596A - 薄膜パターン形成装置及び薄膜パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 薄膜パターン形成装置1を、局所排気装置4と、原料供給手段5と、局所排気手段6とを有し、局所排気装置4内に設けられる第1流路7とによって構成し、第1流路7が、切換手段8によって、原料供給手段5と局所排気手段6とに交互に局所排気部18に連結される構成とする。
【選択図】 図1
Description
この場合、薄膜パターン形成装置には、チャンバーの内外の圧力差に対する耐久性が求められることから、必然的に装置が大型化してしまう。
この薄膜パターン形成装置においては、局所排気装置に選択的に連結される原料供給手段と局所排気手段が、局所排気部における薄膜形成と薄膜除去の各加工に応じて、交互に各加工を補助する構成とされる。
この薄膜パターン形成方法においては、薄膜の結晶成長による形成と少なくとも一部の除去を、他の工程を介することなく連続的に行うことによって、所望の細長パターン薄膜を形成する。
まず、本発明に係る薄膜パターン形成装置の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。
ここで、原料供給手段5及び局所排気手段6は、それぞれ、支持台2に載置されるTFT基板などの加工対象物となる基板3上における薄膜形成及び薄膜除去の補助手段となるものであり、本実施形態においては、それぞれ後述するように、レーザーCVD法とレーザーエッチングの補助手段となる。
なお、局所排気部18は、局所成膜/エッチングヘッド4の下面に臨んで、図1Bに示すように、排気流路15及び16の端部を構成する吸引溝が形成する略同心環状の内側に、略円筒状空間として透明窓19と基板3との間に形成される。
ここで、パージガス供給手段12には、局所排気部18につながるパージガス流路17が連結され、このパージガスを導入する圧力、速度、位置、角度等を選定することにより、加工によって生じた異物などが透明窓19の表面に付着することを抑制することなどが可能となる。
すなわち、本実施形態に係る薄膜パターン形成装置1において、局所排気装置4は静圧浮上パッド構成とされる。
なお、ここで浮上剛性とは、局所排気装置4と加工対象物の間の吸着力であり、この浮上剛性が十分でない場合には、局所排気装置4の加工対象物に対する高さ(ギャップ)の安定性が不十分となるとか、局所排気装置4の機械的もしくは力学的な安定性が不十分になるなどの問題が生じることから、浮上剛性を十分に確保しておくことが望ましい。
浮上量は圧縮ガス圧力の増加とともに大きくなり、0.35MPaの圧力で10μm以上の浮上量が得られる。浮上時の剛性は非常に高く10μm浮上時では500gの外力を加えても1μm程度しか変動しない。また10kgの荷重をかけても基板と局所成膜/エッチングヘッドが接触することはなかった。
これは、基板と局所成膜/エッチングヘッドの間で非常に大きなバネ定数を有する空気バネが形成されているためと考えられる。
また、其々のプロセスに最適な条件を外気遮断とは独立に制御可能とすることもできるし、排気手段10及び11には、有毒ガスを除害する機能を付加した構成とすることもできる。
次に、本発明に係る薄膜パターン形成装置の第2の実施の形態について、図3を参照して説明する。
本実施形態に係る薄膜パターン形成装置31は、少なくとも図3に示すように、支持台32上の基板33に対向する局所排気装置(局所成膜/エッチングヘッド)34と、第1の光源装置35と、第2の光源装置36とを有する。第1の光源装置35は、例えば薄膜形成のためのCVD用レーザー光源を有し、このレーザー光源としては、例えば、波長355nm、パルス幅25ナノ秒(ns)、周波数24kHz、出力2Wのものを用いることができる。また、第2の光源装置36は、例えば薄膜除去のためのエッチング(ザッピング)用レーザー光源を有し、このレーザー光源としては、例えば、波長390nm、パルス幅3ピコ秒(ps)、周波数1kHz、出力1mWのものを用いることができる。
ミラー37とスリット38の間にはスリット用照明42に対応するミラー43が設けられ、スリットの開口サイズの選定が可能とされる。また、ミラー40の対物レンズ41とは反対側に、観察用照明44と、ミラー45と、観察装置46とが設けられ、集光照射ならびに加工状態の確認が可能とされる。
また、W(CO)6に例示されるタングステンカルボニルなどの原料ガスを供給する原料供給手段55及び局所排気手段56は、切換手段例えば切換バルブ58によって、第1流路57に選択的に連結される構成を有する。また、図示しないが、前述の第1実施形態と同様に、パージガス供給手段がその流路と共に設けられる。
また、本実施形態においては、局所排気装置34にヒーター59が併設されており、このヒーターによって、局所排気部51を中心とするガスの温度、すなわち薄膜パターン形成装置1のチャンバー内の温度を一定に保つことが可能とされる。
局所成膜/エッチングヘッド34の動作は、前述の局所成膜/エッチングヘッド4と同様であるので、詳細説明は省略する。
次に、本発明に係る薄膜パターン形成方法の第1の実施の形態について、図4を参照して説明する。
なお、本実施形態では、図1に示した構成による薄膜パターン形成装置1を用いる場合を例として、実施形態の説明を行う。
この基板21は、例えば絶縁基板の表面に少なくとも一部覆う複数の細長パターンの下地層、本例では導電性部材による配線22が形成され、そのうちの一部の配線22が途中で分離領域、本例では断線領域23を有して形成されている。複数の配線22間の周辺領域24は、絶縁基板が露出されている。
続いて、図4Bに示すように、圧縮ガス供給手段9、排気手段10及び11によって局所排気装置4の浮上を開始し、浮上高さの安定を確認して加工対象物(図示せず)を局所排気装置4の下に移動させ、基板21における絶縁基板が露出した断線領域23を少なくとも含み、かつ本実施形態では断線領域23を規定する配線22の一部を含んで、導電性薄膜25を例えばレーザーCVD法によって成膜し、薄膜形成工程を行う。
なお、この工程では、前述の切換手段によって、原料供給手段5を第1流路7に連結した状態として、第1流路7からW(CO)6に例示されるタングステンカルボニルなどの原料ガスを供給し、パージガス流路17からArなどのパージガスを供給しながら薄膜形成を行う。
このような薄い部分が余剰部として生じると、複数の配線22同士が導電性薄膜25によって電気的に短絡するなどの問題が生じる。
なお、この薄膜除去工程では、薄膜パターン形成装置1の第1流路7を前述の切換手段によって、局所排気手段6に連結した状態で、パージガス供給流路17からのパージガスのみを供給しながらレーザー光の照射で熱的に飛ばして導電性薄膜の除去を行う。
次に、本発明に係る薄膜パターン形成方法の第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。
なお、本実施形態では、図3に示した構成による薄膜パターン形成装置31を用いる場合を例として、実施形態の説明を行う。
この基板61は、例えば絶縁基板の表面に少なくとも一部覆う複数の細長パターンの下地層、本例では導電性部材による配線62が形成され、更にそのうちの互いに隣り合って延在する複数の配線62の互いに近接する位置に、それぞれ分離領域、本例では断線領域63を有して形成されている。互いに隣り合って延在する複数の配線62間は周辺領域64とされ、これら断線領域63及び周辺領域64においては、絶縁基板が露出する構成とされている。
続いて、図5Bに示すように、基板61における絶縁基板が露出した断線領域63と各配線62の一部を少なくとも含み、更に本実施形態では互いに隣り合って延在する複数の配線62間の断線領域63を規定する配線62を含んで、導電性薄膜65を例えばレーザーCVD法によって成膜し、薄膜形成工程を行う。
なお、この工程では、切換手段58によって、原料供給手段55を第1流路57に連結した状態で、原料供給手段55とパージガス供給手段(図示せず)とによって、W(CO)6に例示されるタングステンカルボニルなどの原料ガスArを供給しながら薄膜形成を行う。
なお、この工程では、薄膜パターン形成装置31の第1流路57を前述の切換手段58によって、局所排気手段56に連結した状態で、Arのみを供給しながら薄膜除去を行う。
次に、本発明に係る薄膜パターン形成方法の第3の実施の形態について、図6を参照して説明する。
なお、本実施形態では、図3に示した構成による薄膜パターン形成装置31を用いる場合を例として実施形態の説明を行う。
次に、本発明に係る薄膜パターン形成方法の第4の実施の形態について、図7〜図10を参照して説明する。
図7A及び図7Bに示すように、本実施形態における基板81は、厚さ方向に絶縁層89を挟んでそれぞれ独立に延在する第1及び第2の下地層82a及び82bが、絶縁層89中に混入した異物88によって電気的に短絡した状態となっている。
まず、図8A及び図8Bに示すように、局所排気手段から第1流路を通して排気を行いつつ、第2下地層82bの近傍の第1下地層82aのみをレーザーエッチングによって除去する。
この薄膜除去工程に引き続いて、絶縁性薄膜85aを跨いで第1の下地層82aの電気的導通を確保する導電性薄膜85bを形成する。なお、本実施形態では重複説明を省略するが、この導電性薄膜85bについても、本工程を薄膜形成工程として、引き続きパターン形状を整形する薄膜除去工程を行ってパターン整形をすることが可能である。
したがって、本発明にかかる薄膜パターン形成装置及び薄膜パターン形成方法は、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネセンスディスプレイ等の表示装置の製造などに用いられるフォトマスクの欠陥修正やTFT基板の配線修正に適用する場合にも、特に好適であると考えられる。
したがって、本発明に係る薄膜パターン形成装置及び薄膜パターン形成方法によれば、加工対象物に対する加工を絶縁層の形成前により多く行うことができることから、修正された箇所の信頼性が向上し、最終的に得られるフォトマスクや薄膜トランジスタなどの歩留まりも向上する。
本発明の実施例を説明する。
続いて、この下地層が形成された基板を薄膜パターン形成装置の支持台上に載置し、支持台に対向する局所配置装置からの圧縮ガス噴出によって、0.35MPaの圧力で10μmの高さに局所配置装置を自己浮上させるとともに、局所配置装置の下に基板を移動させる。
この薄膜形成工程では、薄膜パターン形成装置の第1流路を、切換手段によって原料供給手段のみに連通させた状態で薄膜形成を行う。レーザー光は、波長355nm、パルス幅25ナノ秒(ns)、周波数24kHz、出力2Wのものを用いた。
この薄膜除去工程では、薄膜パターン形成装置の第1流路を、切換手段によって局所排気手段のみに連通させた状態で薄膜除去を行う。レーザー光は、波長390nm、パルス幅3ピコ秒(ps)、周波数1kHz、出力1mWのものを用いた。
例えば、前述の実施の形態では、薄膜パターン形成方法の第1の実施の形態を、薄膜パターン形成装置1を用いる場合を例として、薄膜パターン形成方法の第2及び第3の実施の形態を、薄膜パターン形成装置31を用いる場合を例として説明したが、各形成方法の実施形態は、パターン形成装置1及び31のいずれによって行うこともできる。
また、基板上に、下地層を形成することなく直接に、最終的に得るパターン形状よりも大きなエリアにわたって例えばベタ膜状に薄膜形成工程を行い、続いて薄膜除去工程を行うことにより、パターン長がパターン厚に比して大となるパターン形状の薄膜を形成することもできる。
更に例えば、多層膜を構成する必要のある場合にも、前述の薄膜形成工程と薄膜除去工程とを繰り返すことによって所望の位置形状に多層膜を形成することが可能であるなど、本発明は、種々の変形及び変更をなされうる。
Claims (16)
- 少なくとも、加工対象物である基板を支持する支持台と、前記支持台に対向する局所排気装置と、前記基板上における薄膜形成の補助手段となる原料供給手段と、前記基板上における薄膜除去の補助手段となる局所排気手段とを有し、
前記局所排気装置内に、前記原料供給手段及び前記局所排気手段に対して選択的に連結される共通の第1流路と、前記基板の主たる被加工部に対向する局所排気部とが形成されている
ことを特徴とする薄膜パターン形成装置。 - 前記薄膜形成のための第1レーザー光と、前記薄膜除去のための第2レーザー光とが出力される光源装置を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン形成装置。 - 前記第1レーザー光と前記第2レーザー光とが、前記光源装置内の同一の光源から出射される
ことを特徴とする請求項2に記載の薄膜パターン形成装置。 - 前記局所排気装置が、前記支持台に対する気体噴射による自己浮上型とされた
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン形成装置。 - 基板上に、薄膜パターン形成装置の原料供給手段から第1流路を通して原料ガスを供給しながら、結晶成長によって薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記薄膜を、前記薄膜パターン形成装置の局所排気手段から前記第1流路を通して排気を行いながら少なくとも一部除去することによって、パターン長がパターン厚に比して大となるパターン形状に整形する薄膜除去工程とを有する
ことを特徴とする薄膜パターン形成方法。 - 前記基板の表面の少なくとも一部に下地層が設けられた
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記基板の表面の少なくとも一部に複数の下地層が設けられ、
前記薄膜形成工程において、前記複数の下地層の分離領域を少なくとも含んで前記薄膜を形成し、
前記薄膜除去工程において、前記薄膜のうち、前記分離領域と前記下地層とを除く周辺領域上に形成された余剰部を除去する
ことを特徴とする請求項6に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記薄膜形成工程において、複数の前記分離領域を少なくとも含んで前記薄膜の形成を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記分離領域が、前記下地層によって構成される配線の断線部である
ことを特徴とする請求項7に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記薄膜形成工程及び前記薄膜除去工程により、配線パターンを形成する
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記薄膜が、導電性薄膜である
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記薄膜が、絶縁性薄膜である
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記下地層が、導電性薄膜である
ことを特徴とする請求項6に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記下地層が、絶縁性薄膜である
ことを特徴とする請求項6に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記薄膜形成工程をレーザーCVDによって行い、
前記薄膜除去工程をレーザーエッチングによって行う
ことを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターン形成方法。 - 前記下地層の少なくとも一部を除去して整形を行う下地層の除去工程を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の薄膜パターン形成方法。
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