JP2007063406A - レーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物、及びレーザーマーキングが施されたポリエステル樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】
レーザー照射によるマーキングにおいて、マーキング文字のコントラストに優れ、鮮明で堅固なマーキングを、簡単に且つ短時間で付すことができ、また、機械的強度や耐熱性の低下も少なく、更に、ハロゲン原子の含有量を最小限に抑えたポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対し、(b)ベンゼン環及びベンゾ縮合環を、分子量比率として40重量%以上含む芳香族非晶性樹脂を0.5〜30重量部含有してなることを特徴とするレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を溶融成形してなるポリエステル樹脂成形品、並びに、該成形品の表面に、レーザー光を照射してマーキングが施されたポリエステル樹脂成形品。
【選択図】 なし
レーザー照射によるマーキングにおいて、マーキング文字のコントラストに優れ、鮮明で堅固なマーキングを、簡単に且つ短時間で付すことができ、また、機械的強度や耐熱性の低下も少なく、更に、ハロゲン原子の含有量を最小限に抑えたポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対し、(b)ベンゼン環及びベンゾ縮合環を、分子量比率として40重量%以上含む芳香族非晶性樹脂を0.5〜30重量部含有してなることを特徴とするレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を溶融成形してなるポリエステル樹脂成形品、並びに、該成形品の表面に、レーザー光を照射してマーキングが施されたポリエステル樹脂成形品。
【選択図】 なし
Description
本発明は、レーザー光を利用して鮮明な文字、記号等をマーキングすることが可能な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、及びレーザーマーキングが施されたポリエステル樹脂成形品、に関する。
電気、電子部品の分野では、製品の識別等のために、成形品の表面に通常マーキングを行なうが、このマーキング方法としては、スクリーン印刷、インク書き込み方式、インクジェット方式によるインクの吹き付け等がある。しかし、これらの方法を用いた場合には、マーキングに時間がかかる。また、樹脂成形品の表面は、一般にインクの密着性が乏しいため、インクの付着が良くなるように成形品表面の脱脂を行なう必要があり、環境問題も発生している。これらの方法に比べ、再現性や作業環境が良好で、更に高速でマーキングを行える方法として、成形品表面にレーザー光を照射して、文字、記号等のマーキングを行なうレーザーマーキング法が提案され、最近注目を集めている。
レーザーマーキング法としては、(1)樹脂中の未重合モノマーや分解生成物が、レーザー照射により発泡し、成形品の表面が変化する現象を利用してマーキングする方法、(2)顔料や染料を樹脂中に配合し、レーザー照射によりこれらが変色する現象を利用してマーキングする方法、(3)カーボンブラックやグラファイト等の充填剤を樹脂中に配合し、レーザー照射部の蝕刻による表面状態の変化を利用してマーキングする方法(特許文献1及び2)(4)レーザー照射部の樹脂に炭化等の熱的な変化を起こさせてマーキングする方法(特許文献4)がある。
上記(3)のマーキング方法に関する特許文献1には、熱可塑性ポリエステル樹脂、臭素系難燃剤、アンチモン系難燃助剤、並びに、カーボンブラック及び/又はグラファイトを含有する樹脂組成物については、高コントラストでマーキング可能であると記載されている。しかし、この特許文献1の樹脂組成物は、主に白色系のマーキング用途を意図しており、白色系のマーキングの場合には、レーザー光照射部分が一部炭化して、成形品表面のコントラストが十分でないという問題があった。また、ここでは、臭素系難燃剤とアンチモン系難燃助剤は、主に難燃性を向上させるために配合されており、これらが、難燃性以外の性能である暗色系のマーキングにどのような影響を与えるのかについては、何ら示唆されていない。
また、現在レーザーマーキング用に要求されている材料には、必ずしも難燃性を有していなくても良い場合があり、不必要に難燃特性を有する材料を使用している場合が多く、コスト的にも不利なケースが見られる。特にハロゲン系難燃剤を配合した成形品は、近年、焼却廃棄時の環境汚染が問題視され、ハロゲン原子を含まないか、最小限の含有に抑えることが求められている。
同様に、上記(3)のマーキング方法に関する特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート等からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂に、カーボンと酸化チタンを配合してなる樹脂組成物について、レーザーマーキングに優れると記載されている。しかし、この特許文献2の樹脂組成物も、白色系のマーキング用途を意図しており、暗色系のマーキングを行う場合に、結晶性樹脂と非晶性樹脂とをどのように配合すれば良好なマーキング特性が得られるのかについては、何ら示唆されていない。
また、特許文献3には、ポリカーボネート樹脂やポリスチレン樹脂等の非晶性樹脂(60〜99.9重量%)を主体とし、これにPETやPBT等の結晶性樹脂(0.1〜40重量%)を配合してなる樹脂組成物が、白色マーキングに良好であると記載されている。しかし、この特許文献3の樹脂組成物も、白色系のマーキング用途を意図しており、暗色系のマーキングを行う場合に、結晶性樹脂と非晶性樹脂とをどのように配合すれば良好なマーキング特性が得られるのかについては、何ら示唆されていない。
更に、上記マーキング方法(4)に関する特許文献4は、ポリアセタール樹脂(50〜99.5重量%)を主体とし、これにベンゼン環若しくは縮合ベンゼン環を分子量比率として30%以上含む少なくとも1種の樹脂(PBT又はポリスチレン樹脂)(0.5〜50重量%)を配合した樹脂組成物を用いると、鮮明な暗色マーキングが得られることが記載されている。しかし、この特許文献4で開示されているのは、非芳香族系のポリアセタール樹脂を主体とする樹脂組成物であり、芳香族ポリエステル樹脂の暗色系マーキング特性を改良するために、どのような非晶性樹脂をどの程度配合したらよいかという知見については、何ら示唆されていない。更に、特許文献4の従来技術の欄には、「Kunststoffe German Plastics 78(1988)8,pp.688−691によれば、PC(ポリカーボネート樹脂)にPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)を配合したPC/PBT樹脂は、PC単独の樹脂と比べると、PBTのブレンドによるマーキングの効果の改良が見られない」ことが記載されている。
このように、従来法においては、暗色系のマーキング用途に用いられ、特に難燃性は要求されない場合の、最適な樹脂組成については詳細な検討がなされておらず、機械的強度や耐熱性を著しく低下させることなく、暗色系のマーキング特性に優れ、且つ、ハロゲン原子の含有を最小限に抑えた樹脂組成物が望まれていた。
本発明の目的は、レーザー照射によるマーキングにおいて、マーキング文字のコントラストに優れ、鮮明で堅固なマーキングを、簡単に且つ短時間で付すことができ、また、機械的強度や耐熱性の低下も少なく、更に、ハロゲン原子の含有量を最小限に抑えたポリエステル樹脂組成物、及び、これから得られる成形品に、レーザーマーキングを施した成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂に、特定の非晶性樹脂を特定量配合することにより、機械的強度や耐熱性を著しく低下させることなく、優れたレーザーマーキング性を有し、且つ、ハロゲン原子の含有量を最小限に抑えることが可能なポリエステル樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対し、(b)ベンゼン環及びベンゾ縮合環を、分子量比率として40重量%以上含む芳香族非晶性樹脂を0.5〜30重量部含有してなることを特徴とするレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を溶融成形してなるポリエステル樹脂成形品、並びに、該成形品の表面に、レーザー光を照射してマーキングが施されたポリエステル樹脂成形品、に存する。
本発明のポリエステル樹脂組成物より得られる成形品は、レーザー照射により、特に暗色系のマーキング操作において、マーキング速度が速く、また、マーキング文字のコントラストが極めて優れているため、マーキング工程の高速自動化や高品質の製品管理が可能である。
また、機械的強度や耐熱性を著しく低下させることがなく、ハロゲン原子を含まないか、又は、最小限の含有に抑えることが可能となり、製品の廃棄焼却時の環境保全に役立つため、総合的にバランスの優れた性能を有するポリエステル樹脂成形品を得ることができる。
また、機械的強度や耐熱性を著しく低下させることがなく、ハロゲン原子を含まないか、又は、最小限の含有に抑えることが可能となり、製品の廃棄焼却時の環境保全に役立つため、総合的にバランスの優れた性能を有するポリエステル樹脂成形品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
本発明で使用される(a)熱可塑性ポリエステル樹脂とは、少なくとも1種の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種のグリコール成分の重合反応、又は、オキシカルボン酸の重縮合反応により得られるポリエステルであり、少なくとも、ベンゼン環又はベンゾ縮合環を含む構造を有するポリエステルを意味する。
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
本発明で使用される(a)熱可塑性ポリエステル樹脂とは、少なくとも1種の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種のグリコール成分の重合反応、又は、オキシカルボン酸の重縮合反応により得られるポリエステルであり、少なくとも、ベンゼン環又はベンゾ縮合環を含む構造を有するポリエステルを意味する。
2官能性カルボン酸成分の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸、スベリン酸及びアゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。中でも、芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましく、特にはテレフタル酸またはテレフタル酸ジエステルが好ましい。
グリコール成分の具体例としては、一般式HO(CH2)qOH(qは2〜20の整数)で表されるα,ω−アルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、またはこれらのエステル形成性誘導体等を挙げることができる。中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のα,ω−アルキレングリコールが好ましく、特には、1,4−ブタンジオールが好ましい。
またオキシカルボン酸の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
またオキシカルボン酸の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
本発明の(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂は、上述した全2官能性カルボン酸成分及びグリコール成分の各々の70mol%以上、好ましくは80モル%以上、更には90モル%以上が単一成分であれば、任意の共重合体でよいが、成形性や耐熱性の観点から、中でも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂の固有粘度は、通常0.5〜1.3dl/g、好ましくは0.6〜1.2dl/g、更に好ましくは0.7〜1.0dl/gである。該(a)ポリエステル樹脂の固有粘度が、0.5dl/g未満であると、機械的物性や溶融時の熱安定性が低下する傾向があり、1.3dl/gを超えると、成形時の流動性が低下する傾向がある。なお、本発明において、固有粘度は、フェノール性フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて、30℃で測定した溶液粘度から求められる値である。
該(a)ポリエステル樹脂としては、マーキング特性を高め、且つ、耐熱性を高めるという点から、ベンゼン環及びベンゾ縮合環(以下、「ベンゼン(縮合)環」と総称する)を、分子量比率として15〜70重量%、更には20〜60重量%、特には25〜50重量%、最も好ましくは30〜40重量%含むものを使用することが好ましい。ここで、ベンソ縮合環とは、ベンゼン環を含んでいる縮合環を指し、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。
また、分子量比率とは、該(a)ポリエステル樹脂1分子の分子量中に含まれるベンゼン(縮合)環総分子量の占める割合である。例えば、式(OCH2CH2CH2CH2OCOC6H4CO)nで示されるポリブチレンテレフタレートの場合、水素、炭素及び酸素の各原子の原子量を、各々1、12及び16とすると、ベンゼン(縮合)環の分子量比率は、(12×6+4)×100/(1×12+12×12+16×4)=34.5重量%となる。
(b)芳香族非晶性樹脂
本発明においては、樹脂組成物に、(b)ベンゼン環及びベンゾ縮合環(「ベンゼン(縮合)環」と総称する)を、分子量比率として40重量%以上含む芳香族非晶性樹脂を特定量配合することを特徴とする。この特定の(b)非晶性樹脂を配合することにより、成形品の機械的強度や耐熱性を著しく低下させることなく、レーザーマーキング特性を向上させることができる。(b)非晶性樹脂の該分子量比率の好ましい範囲としては、43重量%以上、更には48重量%以上、特には55重量%以上、最も好ましくは60重量%以上であるのが良い。
本発明においては、樹脂組成物に、(b)ベンゼン環及びベンゾ縮合環(「ベンゼン(縮合)環」と総称する)を、分子量比率として40重量%以上含む芳香族非晶性樹脂を特定量配合することを特徴とする。この特定の(b)非晶性樹脂を配合することにより、成形品の機械的強度や耐熱性を著しく低下させることなく、レーザーマーキング特性を向上させることができる。(b)非晶性樹脂の該分子量比率の好ましい範囲としては、43重量%以上、更には48重量%以上、特には55重量%以上、最も好ましくは60重量%以上であるのが良い。
ここで、ベンゼン(縮合)環の分子量比率とは、上述の該(a)ポリエステル樹脂と同様に、(b)非晶性樹脂1分子の分子量の中に含まれる、ベンゼン(縮合)環の総分子量の占める割合をいう。例えば、式(CH2CHC6H5)nで示されるポリスチレンの場合、水素、炭素及び酸素各原子の原子量を、各々、1、12及び16とすると、ベンゼン(縮合)環の分子量比率は、(12×6+5)/(1×8+12×8)=74%となる。また、式(C6H4C3H6C6H4OCO)nで示されるポリカーボネートの場合、ベンゼン(縮合)環の分子量比率は、(12*12+8)/(1*16+12*16+16*2)=63.3%となる。
また、ベンゾ縮合環とは、上述した該(a)ポリエステル樹脂の場合と同様に、ベンゼン環を含んでいる縮合環を指し、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。
本発明においては、(b)非晶性樹脂の該分子量比率が、上述した該(a)ポリエステル樹脂の該分子量比率よりも高いことが好ましく、より好ましくは10重量%以上、更には15重量%以上、特には20重量%以上高いことが好ましい。
本発明においては、(b)非晶性樹脂の該分子量比率が、上述した該(a)ポリエステル樹脂の該分子量比率よりも高いことが好ましく、より好ましくは10重量%以上、更には15重量%以上、特には20重量%以上高いことが好ましい。
該(b)非晶性樹脂の種類は特に限定されないが、好ましくは、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体樹脂、無水マレイン酸スチレン共重合体樹脂等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂及びポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂が挙げられる。中でも、ポリスチレン系樹脂及びポリカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
該(b)非晶性樹脂中のハロゲン原子、特に臭素原子の含有率は、18重量%以下が好ましく、15重量%以下、更には10重量%以下、特には5重量%以下が好ましい。ハロゲン原子の含有率をこのような範囲とすることにより、環境保全に役立つのみでなく、金型の腐食が抑制される結果、金型のメンテナンスのサイクルを長くすることができ、また、樹脂組成物の溶融熱安定性が向上するというメリットがある。
また、該(b)非晶性樹脂の数平均分子量は、通常10000〜40000であり、好ましくは14000〜30000であり、更に好ましくは15000〜25000である。
また、該(b)非晶性樹脂の数平均分子量は、通常10000〜40000であり、好ましくは14000〜30000であり、更に好ましくは15000〜25000である。
該(b)非晶性樹脂の配合量は、(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜18重量部、更には4〜15重量部、特には6〜13重量部である。0.5重量部未満ではレーザーマーキング性の改善効果が不充分であり、30重量部を越えると成形品の機械的性質や耐熱性が低下する傾向がある。
(c)光吸収剤
本発明の樹脂組成物には、更に、(c)光吸収剤を配合することが好ましい。樹脂組成物に(c)光吸収剤を配合することにより、機械的強度や耐熱性を著しく低下させることなく、暗色系のマーキング特性を向上させるというメリットがある。
本発明の樹脂組成物には、更に、(c)光吸収剤を配合することが好ましい。樹脂組成物に(c)光吸収剤を配合することにより、機械的強度や耐熱性を著しく低下させることなく、暗色系のマーキング特性を向上させるというメリットがある。
本発明において使用される(c)光吸収剤とは、レーザー光を吸収し、燃焼時にチャーを形成する機能を有するものであり、一般的に樹脂の難燃助剤として知られているものが使用できるが、具体的には、アンチモン化合物、硼素系化合物、金属水酸化物、硫化物及び酸化物等が挙げられる。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)や、五酸化アンチモン酸ソーダ[xNa2O・Sb2O5・yH2O(x=0〜1、y=0〜4)]等の五酸化アンチモン酸塩が挙げられるが、中でも、三酸化アンチモン(Sb2O3)が、レーザーマーキング特性の点から好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)や、五酸化アンチモン酸ソーダ[xNa2O・Sb2O5・yH2O(x=0〜1、y=0〜4)]等の五酸化アンチモン酸塩が挙げられるが、中でも、三酸化アンチモン(Sb2O3)が、レーザーマーキング特性の点から好ましい。
硼素系化合物は、酸化硼素、無水硼酸、硼酸金属塩等が挙げられる。硼酸金属塩としては、通常用いる処理条件下で安定であり、揮発成分のないものが好ましく、具体的には、硼酸のアルカリ金属塩(四硼酸ナトリウム、メタ硼酸カリウム等)、アルカリ土類金属塩(硼酸カルシウム、オルト硼酸マグネシウム、オルト硼酸バリウム)及び、硼酸亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、2ZnO・3B2O3・xH2O(x=3.3〜3.7)で表される水和硼酸亜鉛が好ましく、特には、2ZnO・3B2O3・3.5H2Oで表され、且つ、成形温度で安定な水和硼酸亜鉛が好ましい。具体的には、脱水温度が250℃以上、好ましくは260℃以上、さらに好ましくは280℃以上の水和硼酸亜鉛が好ましい。
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等が挙げられ、硫化物としては硫化亜鉛等が挙げられ、酸化物としては酸化鉄等が挙げられる。
上述した(c)光吸収剤の中でも、レーザー印字性能及び高温下での安定性の点から、アンチモン化合物及び硼酸化合物が好ましく、特にはアンチモン化合物が好ましい。
上述した(c)光吸収剤の中でも、レーザー印字性能及び高温下での安定性の点から、アンチモン化合物及び硼酸化合物が好ましく、特にはアンチモン化合物が好ましい。
(c)光吸収剤の配合量は、(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、更には0.5〜7重量部、特には0.8〜5量部、最も好ましくは1.0〜3重量部配合することが好ましい。また、上述した該(b)非晶性樹脂と(c)光吸収剤の配合比率[(b)/(c)](重量比)は、通常20/1〜1/2、好ましくは12/1〜1/1、更に好ましくは9/1〜2/1が好ましい。
(d)無機充填材
本発明の樹脂組成物には、更に、無機充填材を配合することが好ましい。(d)無機充填材を配合することにより、成形品の機械的強度が向上する他、暗色系マーキングの特性が向上するというメリットがある。無機充填材としては、公知のものが使用でき、具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ繊維、金属繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、PPS繊維、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化鉄、黒鉛、カーボンブラック、マイカ、アスベスト、セラミックパウダー、金属フレーク、板状ガラス、ガラスビーズなどが挙げられる。中でも、ガラス繊維、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、マイカ、板状ガラス及びガラスビーズが好ましく、特には、ガラス繊維が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、更に、無機充填材を配合することが好ましい。(d)無機充填材を配合することにより、成形品の機械的強度が向上する他、暗色系マーキングの特性が向上するというメリットがある。無機充填材としては、公知のものが使用でき、具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ繊維、金属繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、PPS繊維、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化鉄、黒鉛、カーボンブラック、マイカ、アスベスト、セラミックパウダー、金属フレーク、板状ガラス、ガラスビーズなどが挙げられる。中でも、ガラス繊維、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、マイカ、板状ガラス及びガラスビーズが好ましく、特には、ガラス繊維が好ましい。
(d)無機充填材としては、中でも、シランカップリング剤やチタン系カップリング剤等で表面処理されたものが好ましい。表面処理剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタン系カップリング剤などが挙げられる。
(d)無機充填材の配合量は、樹脂組成物の組成に応じて任意に設定し得るが、通常、該(a)ポリエステル樹脂100重量部に対し、120重量部以下であるが、配合する場合には、好ましくは20〜100重量部、更に好ましくは30〜80重量部、特には40〜60重量部である。
本発明の樹脂組成物には、更に他の添加剤として、結晶核剤、顔料、染料、可塑剤、離型剤、滑剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、帯電防止剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、上述した各成分(a)〜(d)、及び、必要に応じて用いられる各種添加物を混合し、溶融混練することにより製造することができる。各成分の混合は、通常用いられる装置、例えば、リボンブレンダー、ヘンセルミキサー、ドラムブレンダー等を用いて行われる。また、溶融混練は、各種押出機、ブラベンダーブラストグラフ、ラボプラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて行われ、溶融混練に際しての加熱温度は、通常230〜290℃である。
溶融混練に際し、上述した各成分は、任意成分を含め、溶融混練機に一括して供給することもできるし、順次供給することもできる。樹脂組成物の最も簡便な製造方法は、(a)ポリエステル樹脂と(b)非晶性樹脂と(c)光吸収剤とを混合し、各成分を一括して溶融混練機に供給して、樹脂組成物のペレットを製造する方法である。
また、任意成分を含めた各成分から選ばれたニ種以上の成分を予め混合しておくこともできる。本発明においては、(b)非晶性樹脂と(c)光吸収剤とを予め混合し、この混合物を溶融混練してマスターペレットを形成し、次いで、このペレットと(a)ポリエステル樹脂とを溶融混練して樹脂組成物を製造する方法が、(b)非晶性樹脂がチャーを形成しやすくなり、マーキング特性がより改善されるという点から好ましい。
また、ガラス繊維などの繊維状の(d)無機充填材を配合する場合には、他の樹脂成分を混合し溶融させた後に、押出機の途中から(d)無機充填材を添加することにより、樹脂組成物の破砕を避け、引張強度や曲げ強度等の機械的強度の点で高い特性を発揮させることが出来る。
本発明の樹脂組成物は、既知の種々の成形方法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形、カレンダー成形、回転成形等の方法により、電機・電子部品等の成形品を得ることができる。好ましい成形方法は、流動性の良さの点から射出成形法であり、射出成形に当たっては、樹脂温度を230〜280℃にコントロールするのが好ましい。
本発明の樹脂組成物から得られる成形品には、任意の方法でレーザーマーキングを行なうことができる。例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、ルビーレーザー、半導体レーザー、アルゴンレーザー、エキシマレーザー等を使用することができるが、これらの中でも、鮮明な詳細マーキングが可能である等の点から、Nd:YAGレーザーを用いるのが好ましい。また、マーキング方式は、スキャン型、マスク型、又はこれらの混合型等の方式が採用できるが、中でも、スキャン型が好ましい。本発明の樹脂組成物を用いることで、例えば、スキャンスピード150mm/sec以上、好ましくは180mm/sec以上のような高速においても、良好な暗色系マーキングを行なうことができる。ここで、暗色系のマーキングとは、黒色や暗灰色、茶色等の色のマーキングを指し、背景の色に比べ濃い色であれば特に制限されない。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、表中の値は、特に示すものの他は重量部を表すものとする。
[原材料]
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名ノバデュラン(登録商標)5008、固有粘度[η]=0.85、ベンゼン(縮合)環の分子量比率32.7重量%
(a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名ノバデュラン(登録商標)5008、固有粘度[η]=0.85、ベンゼン(縮合)環の分子量比率32.7重量%
(b)非晶性樹脂
(b−1)ポリスチレン樹脂:
PSジャパン社製 商品名 HF77(ベンゼン(縮合)環の分子量比率約76重量%)
(b−2)ポリカーボネート樹脂:
三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名ユーピロン(登録商標)S3000(ベンゼン(縮合)環の分子量比率56.7重量%)
(b−3)ポリメチルメタクリレート樹脂:
三菱レイヨン社製 商品名アクリペットMF(ベンゼン(縮合)環の分子量比率0重量%)
(b−1)ポリスチレン樹脂:
PSジャパン社製 商品名 HF77(ベンゼン(縮合)環の分子量比率約76重量%)
(b−2)ポリカーボネート樹脂:
三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名ユーピロン(登録商標)S3000(ベンゼン(縮合)環の分子量比率56.7重量%)
(b−3)ポリメチルメタクリレート樹脂:
三菱レイヨン社製 商品名アクリペットMF(ベンゼン(縮合)環の分子量比率0重量%)
(c)光吸収剤
(c−1)三酸化アンチモン:鈴裕化学社製 商品名AT−3CN
(c−2)硼酸亜鉛:ボラックス・ジャパン社製 商品名ファイヤーブレイクZB2335(脱水温度290℃)
(d)無機充填剤
ガラス繊維:日本電気硝子社製 商品名T187
(c−1)三酸化アンチモン:鈴裕化学社製 商品名AT−3CN
(c−2)硼酸亜鉛:ボラックス・ジャパン社製 商品名ファイヤーブレイクZB2335(脱水温度290℃)
(d)無機充填剤
ガラス繊維:日本電気硝子社製 商品名T187
[実施例1〜6及び比較例1〜5]
表1及び表2に示す割合となるよう無機充填剤以外の各樹脂成分を混合した後、日本製鋼所(株)製TEX30C型2軸押出機を用いて、シリンダー温度240〜270℃、スクリュー回転数200rpmの条件下で各成分を溶融混練し、PBTの樹脂組成物のペレットを得た。また、無機充填剤を配合した例においては、無機充填剤をサイドフィード方式で押出機に供給した。
得られたペレットは、日本製鋼所(株)製J75ED成形機を用いて、シリンダー温度240〜270℃、金型温度100℃の条件下で射出成形させ、ダンベル試験片を成形した。この試験片を用いて、以下に記載の方法により成形品の性能を評価した結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す割合となるよう無機充填剤以外の各樹脂成分を混合した後、日本製鋼所(株)製TEX30C型2軸押出機を用いて、シリンダー温度240〜270℃、スクリュー回転数200rpmの条件下で各成分を溶融混練し、PBTの樹脂組成物のペレットを得た。また、無機充填剤を配合した例においては、無機充填剤をサイドフィード方式で押出機に供給した。
得られたペレットは、日本製鋼所(株)製J75ED成形機を用いて、シリンダー温度240〜270℃、金型温度100℃の条件下で射出成形させ、ダンベル試験片を成形した。この試験片を用いて、以下に記載の方法により成形品の性能を評価した結果を表1及び表2に示す。
[実施例7]
ポリスチレン樹脂と三酸化アンチモンを混合した後、この混合物を、日本製鋼所製TEX30C型2軸押出機を用いて、シリンダー温度180〜200℃にて溶融混練し、三酸化アンチモンを含有するポリスチレン樹脂ペレットを予め製造した。表2に示した配合割合とし、ポリスチレン樹脂と三酸化アンチモンの代わりに、この予め製造したポリスチレン樹脂ペレットを用いたこと以外は、実施例6と同様にしてPBTの樹脂組成物のペレットを得、試験片を成形した。評価結果を表2に示す。
ポリスチレン樹脂と三酸化アンチモンを混合した後、この混合物を、日本製鋼所製TEX30C型2軸押出機を用いて、シリンダー温度180〜200℃にて溶融混練し、三酸化アンチモンを含有するポリスチレン樹脂ペレットを予め製造した。表2に示した配合割合とし、ポリスチレン樹脂と三酸化アンチモンの代わりに、この予め製造したポリスチレン樹脂ペレットを用いたこと以外は、実施例6と同様にしてPBTの樹脂組成物のペレットを得、試験片を成形した。評価結果を表2に示す。
[成形品の性能評価法]
(1)機械的物性
実施例及び比較例で成形したダンベル試験片について、ISO527規定に従って引張強度を測定し、ISO179規定に従ってシャルピー衝撃強度の測定を行った。
(1)機械的物性
実施例及び比較例で成形したダンベル試験片について、ISO527規定に従って引張強度を測定し、ISO179規定に従ってシャルピー衝撃強度の測定を行った。
(2)耐熱性
実施例及び比較例で成形したダンベル試験片について、ISO75規定(荷重1.80MPa)に従い、荷重撓み温度(DTUL:℃)を測定した。
実施例及び比較例で成形したダンベル試験片について、ISO75規定(荷重1.80MPa)に従い、荷重撓み温度(DTUL:℃)を測定した。
(3)マーキング特性
日本電気(株)製レーザーマーカーSL475Hマーキングの装置を用い、レーザー発振器はS141Cを用いた。また、連続発振式Nd:YAGレーザーを使用し、最大出力は50W以上、スキャンスピード及び超音波Qスイッチは以下の条件で行った。
条件―1:スキャンスピード100mm/sec、超音波Qスイッチ2kHz
条件―2:スキャンスピード200mm/sec、超音波Qスイッチ2kHz
条件―1:スキャンスピード100mm/sec、超音波Qスイッチ5kHz
日本電気(株)製レーザーマーカーSL475Hマーキングの装置を用い、レーザー発振器はS141Cを用いた。また、連続発振式Nd:YAGレーザーを使用し、最大出力は50W以上、スキャンスピード及び超音波Qスイッチは以下の条件で行った。
条件―1:スキャンスピード100mm/sec、超音波Qスイッチ2kHz
条件―2:スキャンスピード200mm/sec、超音波Qスイッチ2kHz
条件―1:スキャンスピード100mm/sec、超音波Qスイッチ5kHz
マーキングの評価は、目視にて、マーキング部分のコントラストを判断し、以下の基準で分類した。
1:くっきり鮮明で良好な暗灰色マーキング
2:良好な暗灰色マーキング
3:やや薄めだが、良好なマーキング
4:解読可能であるが、かなり薄く不鮮明なマーキング
5:印字不可または解読不可能
1:くっきり鮮明で良好な暗灰色マーキング
2:良好な暗灰色マーキング
3:やや薄めだが、良好なマーキング
4:解読可能であるが、かなり薄く不鮮明なマーキング
5:印字不可または解読不可能
また、総合的マーキング状態は、以下のように評価した。
◎:評価1〜3のみの場合
○:評価2〜4のみの場合
×:評価5がある場合
◎:評価1〜3のみの場合
○:評価2〜4のみの場合
×:評価5がある場合
表1及び表2より、以下のことが判明する。
(1)PBTに、非晶性樹脂として(b−3)ポリメチルメタクリレート樹脂(ベンゼン(縮合)環を含有しない)を配合した比較例2は、比較例1に比べマーキング特性は改善されていないが、本発明の特定の(b)非晶性樹脂(ベンゼン(縮合)環の分子量比率40重量%以上)を配合した実施例1及び2は、マーキング特性が改善されている。無機充填材を配合した例においても、同様の傾向が見られる(実施例5、比較例4、5)。
(1)PBTに、非晶性樹脂として(b−3)ポリメチルメタクリレート樹脂(ベンゼン(縮合)環を含有しない)を配合した比較例2は、比較例1に比べマーキング特性は改善されていないが、本発明の特定の(b)非晶性樹脂(ベンゼン(縮合)環の分子量比率40重量%以上)を配合した実施例1及び2は、マーキング特性が改善されている。無機充填材を配合した例においても、同様の傾向が見られる(実施例5、比較例4、5)。
(2)本発明の(b)非晶性樹脂を大量に配合した比較例3においては、マーキング特性が劣り、機械的強度や耐熱性も大きく低下することが分かる。
(3)(c)光吸収剤を配合した実施例3及び4では、実施例1に比べ、更にマーキング特性が改善されている。無機充填材を配合した例においても、同様の傾向が見られる(実施例6、7)。
(4)(b)非晶性樹脂と(c)光吸収剤について、予めマスターペレットを作製した実施例7では、光吸収剤が実施例6よりも少ないにもかかわらず、マーキング性能に優れることが分かる。
(3)(c)光吸収剤を配合した実施例3及び4では、実施例1に比べ、更にマーキング特性が改善されている。無機充填材を配合した例においても、同様の傾向が見られる(実施例6、7)。
(4)(b)非晶性樹脂と(c)光吸収剤について、予めマスターペレットを作製した実施例7では、光吸収剤が実施例6よりも少ないにもかかわらず、マーキング性能に優れることが分かる。
Claims (7)
- (a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対し、(b)ベンゼン環及びベンゾ縮合環を、分子量比率として40重量%以上含む芳香族非晶性樹脂を0.5〜30重量部含有してなることを特徴とするレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物。
- 該(b)非晶性樹脂が、ポリスチレン系樹脂及びポリカーボネート系樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂である請求項1に記載のレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物。
- 該(b)非晶性樹脂中のハロゲン原子の含有率が、18重量%以下である請求項1又は2に記載のレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物。
- (a)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対し、更に、(c)アンチモン系化合物及び硼素系化合物から選ばれる少なくとも一種の光吸収剤を0.1〜10重量部含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載のレーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の該ポリエステル樹脂組成物を、溶融成形してなることを特徴とするポリエステル樹脂成形品。
- 請求項5に記載の該成形品の表面に、レーザー光を照射してマーキングが施されたことを特徴とするポリエステル樹脂成形品。
- 暗色系のマーキングが施された請求項6に記載のポリエステル樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005251228A JP2007063406A (ja) | 2005-08-31 | 2005-08-31 | レーザーマーキング用ポリエステル樹脂組成物、及びレーザーマーキングが施されたポリエステル樹脂成形品 |
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---|---|---|---|---|
JP2016028120A (ja) * | 2014-07-09 | 2016-02-25 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形体 |
JP2016141775A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形体 |
-
2005
- 2005-08-31 JP JP2005251228A patent/JP2007063406A/ja active Pending
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