JP2007291226A - 繊維強化熱可塑性樹脂組成物およびこれを成形してなる樹脂成形体 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂組成物およびこれを成形してなる樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物と同様の補強効果を示し、且つ色むらの無い、均一な色調を発現し、更には焼却時に炉を傷めず、サーマルリサイクルが容易な、繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも、以下の成分(a)、(b)、及び(c)からなり、成分(b)は、平均繊維径7〜25μm、且つ成分(a)と成分(b)との合計に対して1〜15重量%であり、成分(c)は樹脂組成物全体に対して0.001〜5重量%であることを特徴とする、単一色調の繊維強化熱可塑性樹脂組成物
(a):熱可塑性樹脂
(b):玄武岩繊維
(c):カーボンブラック、ニグロシン、及びアニリンブラックからなる群より選ばれる少なくとも一種
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物およびこれを成形してなる樹脂成形体に関する。詳しくは、単一の暗色色調を有し、強度、剛性、衝撃性に優れ、更には焼却等の廃棄時において周辺環境への負荷をも低減した繊維強化熱可塑性樹脂組成物を及び、これを成形してなる樹脂成形体に関する。
ポリスチレン、アクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂に無機充填材を配合した強化熱可塑性樹脂は、その優れた機械的特性、流動性、耐薬品性等を生かして、電気・電子、自動車、雑貨部品などに広く使用されている。特に、無機充填材としてガラス繊維を用いたガラス繊維強化熱可塑性樹脂は高度な剛性、耐衝撃性、寸法安定性を有し、且つ経済性にも優れる事から最も広く使用されている。
しかし昨今、高まるガラス繊維の需要に対して、出発原料である石英砂、ソーダ、硫酸ホウ素等が将来的に逼迫すると推測がなされている。また、環境負荷物質を低減する動きが活発化する中、前記の様な各種物質から合成して製造されるガラス繊維に代わり、天然物質に極力手を加えずに製造される強化材への切り替えが望まれている。
この様な状況の中、カオリン、マイカ、ワラストナイト等の天然鉱物を精製、分級して得られる強化剤は、ガラス繊維の抱えている前記課題が無いものの、ガラス繊維に比べて、剛性或いは耐衝撃性の向上効果が劣るなどの機械的特性において課題を抱えている。
一方、自然界に豊潤に存在する鉱物である玄武岩を熱可塑性樹脂配合する事が提案されている。具体的には例えば、アクリル変性ポリスチレン100重量部と、玄武岩繊維5〜100重量部を含む樹脂成形体において、玄武岩繊維表面にアクリロニトリル−(エチレン−プロピレン−ジエン)−スチレン共重合体表皮層が設けられた、樹脂成形体(雨樋)が提案されている(例えば特許文献1参照)。
一般的に玄武岩はその組成中に有色鉱物を含んでいるので、濃緑色〜黒色の、所謂、暗色を呈している。従って玄武岩繊維を透明色のアクリル変性ポリスチレン樹脂に対して、単に配合しただけでは、暗色の色むらを生じ、意匠性の低い樹脂組成物しか得ることが出来ないという問題があった。
また遠赤外線放射効果の高い熱可塑性樹脂組成物及び成形物を得ることを目的として、アルカリカンラン石玄武岩を含有する熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしここで用いられている玄武岩は形状が不定形であるのでガラス繊維並みの機械的特性を発現出来ず、更に、色調についても暗色の色ムラを生じると言う問題があった。
更に、装飾模様のある成形品を製造する為の合成樹脂成形材料として、熱可塑性ポリマーと補強物質および/またはフィラー、および暗色鉱物繊維を含有する、装飾模様のある成形品を製造するための合成樹脂成形材料が提案されている(例えば特許文献3参照)。
この特許文献3においては、暗色鉱物繊維として玄武岩繊維が記載されているが、この合成樹脂成形材料は、その色むらを装飾模様、つまりマーブル様模様、霜降模様、繊維を想起させる、明瞭な2色以上の多色で構成される色彩模様に利用する技術であり、より広範囲の用途に使用できる、色ムラがなく、ガラス繊維強化材並みの機械的特性を発現する樹脂組成物についての記載も示唆もない。
特開2002−266480号公報 特開2004−217741号公報 特許第3603097号公報
上述の通り、ガラス繊維並みの補強効果を示し、且つエコロジカルな強化材を含む強化熱可塑性樹脂組成物が所望されていた。また、熱可塑性樹脂に玄武岩を配合する事自体は、従来から知られていたが、色むらのある樹脂組成物しか適応されていなかった。
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に、特定形状、特定量の玄武岩繊維と、特定の黒色系物質を併用することによって、色むらの無い均一な色調(単一色調)を発現し、且つガラス繊維で、強化した時と同様の補強効果を示す強化熱可塑性樹脂組成物が製造出来る事を見出し、本発明に到達したものである。
即ち本発明の要旨は、少なくとも、以下の成分(a)、(b)、及び(c)からなり、成分(b)は、平均繊維径7〜25μm、且つ成分(a)と成分(b)との合計に対して1〜15重量%であり、成分(c)は樹脂組成物全体に対して0.001〜5重量%であることを特徴とする、単一色調の繊維強化熱可塑性樹脂組成物
(a):熱可塑性樹脂
(b):玄武岩繊維
(c):カーボンブラック、ニグロシン、及びアニリンブラックからなる群より選ばれる少なくとも一種
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、自動車部品,電気電子部品、機械部品、雑貨、建材部品等の用途に、幅広く使用出来る。特に、従来からガラス繊維強化熱可塑性樹脂が使用されていた用途に広く適用する事が出来る。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる成分(a)熱可塑性樹脂は、溶融、成形できる樹脂であれば、特に限定されることはなく、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、熱可塑性である、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、芳香族ビニル化合物重合体、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられる。
本発明で用いられる熱可塑性ポリアミド樹脂(以下PAと略記する場合がある。)としては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、または、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミドを用いることができる。具体的には例えば、ε−カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7ーアミノヘプタン酸、11ーアミノウンデカン酸、9ーアミノノナン酸、αーピロリドン、αーピペリドンなどの重合体が挙げられる。
また、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等のジアミン類と、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸類と重縮合して得られる重合体またはこれらの共重合体が挙げられる。具体的には例えば、ポリアミド4、6、7、8、11、12、6.6、6.9、6.10、6.11、6.12、6T、6/6.6、6/12、6/6T、6I/6T、MXD6(メタキシリレンジアミン単位とアジピン酸単位からなるポリアミド)、MP6(メタキシリレンジアミン単位、パラキシリレンジアミン単位及びアジピン酸単位からなるポリアミド)等が挙げられる。
これらのポリアミド樹脂は単独で、又は2種以上を任意の割合で使用してもよい。特に結晶性ポリアミド樹脂と、非晶性のポリアミド樹脂を併用すると光沢感に優れた樹脂組成物を製造出来るので好ましい。本発明に用いる熱可塑性ポリアミド樹脂としては、中でも耐熱性、流動性、剛性に優れる、PA6、PA66、MXD6、MP6から選択される1種を主構成単位とするものが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性ポリアミド樹脂の粘度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、ISO粘度数が86〜300ml/gのものが好ましい。ここでISO粘度数とは、ISO―307規格に準じて測定される値であり、具体的には96%濃硫酸溶媒及び該溶媒中0.5重量%濃度のポリアミド溶液について、23℃で測定された粘度から計算された粘度数を示す。ISO粘度数が低すぎると靭性が低下し、逆に高すぎても流動性が低下し、樹脂成形体表面の光沢感が低下する場合があるので、中でもISO粘度数は90〜190ml/gであることが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、従来公知の任意のものを使用でき、中でも芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。ここで芳香族ポリエステル系樹脂とは、芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステルを示し、芳香族ジカルボン酸成分およびジオール(およびそれらのエステル形生成誘導体)成分とを主成分とする、これらを重縮合して得られる重合体もしくは共重合体である。
芳香族ジカルボン酸成分としては、具体的には例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4,4’−ジカルボン酸、アントラセン−2,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4,4’−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸が好ましい。
これらの芳香族ジカルボン酸は単独で、又は2種以上を任意の割合で使用してもよい。尚、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の、脂環式ジカルボン酸を1種以上併用してもよい。
ジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどの炭素数2〜12の脂肪族グリコールが挙げられる。中でも炭素数2〜10の脂肪族グリコール類、ポリオキシアルキレングリコール類、脂環族ジオール類、及び芳香族ジオール類等が挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコール類としては、アルキレン基の炭素数が2〜4で、複数のオキシアルキレン単位を有するグリコール類であり、具体的には例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
脂環族ジオール類としては、具体的には例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールAなどが挙げられる。また芳香族ジオール類としては、具体的には例えば、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシレングリコールなど)などが挙げられる。
また上述したジオール成分としては、ハロゲン化物、例えばテトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなど)付加物などのハロゲン化ジオールを用いてもよい。これらのジオール成分は、単独で、又は2種以上を任意の割合で使用してもよく、更には分子量400〜6000の長鎖ジオール類、即ちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが共重合したものであってもよい。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレン−テレフタレート)等が挙げられる。
また、エチレングリコール/イソフタレート/テレフタレート共重合体、1,4−ブタンジオール/イソフタル酸/テレフタル酸共重合体や、1,4−ブタンジオール/イソフタル酸/デカンジカルボン酸共重合体等の共重合ポリエステルや、更にポリブチレンテレフタレートとポリオキシテトラメチレングリコールからなるポリエステルエラストマー(PBT−PTMG)をも用いることが出来る。中でもPBT、PBT−PTMG、PETが好ましく、特にPBTが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂は、単独で、又は2種以上を任意の割合で使用してもよく、熱可塑性ポリエステル樹脂は、溶融成形性などを損なわない限り、直鎖状のみならず分岐鎖構造を有していてもよく、また架橋されていてもよい。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量は特に制限されず、適宜選択して決定すればよいが、具体的には例えば、通常1×10〜1×10であり、中でも3×10〜70×10、さらに5×10〜50×10であることが好ましい。また熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度[η]は、通常0.5〜2dl/gであり、中でも0.6〜1.5dl/g、特に0.6dl/g〜1.2dl/gであることが好ましい。尚、固有粘度とは、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶媒に試料を溶解し、30℃でのウベローデ粘度計による測定値である。
本発明に用いる熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂とは、下記一般式(1)で示される構造を有する単独重合体又は共重合体である。
Figure 2007291226
(式中、Qは、各々、ハロゲン原子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表し、Qは、各々、水素原子、ハロゲン原子、第一級若しくは第二級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表し、mは10以上の数を表す。)
及びQにおける第一級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しくは4−メチルペンチル又はヘプチルの各アルキル基が好ましい。また第二級アルキル基としては、イソプロピル、sec−ブチル又は1−エチルプロピルの各アルキル基が好ましい。中でも、Qはアルキル基又はフェニル基、特に炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、この際Qは水素原子であることが好ましい。
ポリフェニレンエーテルの単独重合体としては、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ−テル単位からなるものが好ましい。また共重合体としては、上述の単独重合体におけるモノマー単位と、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエ−テル単位とからなるランダム共重合体であることが好ましい。更に、この様なポリフェニレンエーテルには、例えば分子量、溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性を改良する分子構成部分を含んでいてもよい。
本発明に用いるポリフェニレンエーテルの粘度は適宜選択して決定すればよいが、通常、クロロホルム中で測定した、30℃の固有粘度が0.2〜0.8dl/gであるものが好ましい。中でもこの固有粘度が0.2〜0.7dl/g、特に0.25〜0.6dl/gであることが好ましい。固有粘度が低すぎると本発明の樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となる場合があり、逆に高すぎても成形性が不十分となる場合がある。
また本発明にポリフェニレンエーテル樹脂を用いる際には、成分(a)熱可塑性樹脂としてこれのみを単独で用いてもよいが、流動性、機械的特性などの観点から、ポリスチレン、スチレン系エラストマー、ポリアミド等と併用することが、より好ましい。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、従来公知の任意のポリカーボネート樹脂を用いることが出来、具体的には例えば、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。中でも芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネートは、一般的に、芳香族ヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させて得られるものである。また本発明に用いる芳香族ポリカーボネートは、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体をも用いることが出来、その製造方法は任意であり特に制限はなく、具体的には例えば、ホスゲン法(界面重合法)や、溶融法(エステル交換法)等が挙げられる。更に溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネートを使用することもできる。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、更に難燃性向上目的で、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物及び/又はシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマー又はオリゴマーを使用することもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネートを得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で示されるポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等を、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよい。その使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。また分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、m−及p−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
芳香族ポリカーボネートとしては、好ましくは、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。さらに、難燃性を高める目的でシロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーを共重合することもできる。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネートとしては、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。また芳香族ポリカーボネートの分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常、溶媒としてメチレンクロライドを用い、25℃にて測定した溶液粘度より換算した粘度平均分子量が13000〜30000である。中でも15000〜27000、特に17000〜24000であることが好ましい。粘度平均分子量が低すぎると機械的強度が不足し、逆に高すぎても成形性が不十分となる場合がある
本発明に用いる、芳香族ビニル化合物重合体とは、下記一般式(2)で示される構造を有する単量体化合物から誘導された重合体である。
Figure 2007291226
(式中、Rは、水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子を表し、Zは、水素原子、低級アルキル基、塩素原子又はビニル基を表し、nは、1−5の整数を表す。)
本発明に用いる芳香族ビニル化合物重合体としては、具体的には例えばポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体等が挙げられる。
本発明に用いるポリオレフィンとは、α−オレフィンの単独重合体、α−オレフィン同士の共重合体、又はα−オレフィン(複数種でもよい)を主成分とし、他の不飽和単量体(複数種でもよい)を副成分とする共重合体等を示す。ここで共重合体とは、ブロック、ランダム、グラフト又はこれらの複合物等のいかなる共重合のタイプをも含む。またこれらのオレフィン重合体の塩素化、スルフォン化、カルボニル化等の変性されたものをも含む。
α−オレフィンとは、具体的には例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等が挙げられる。中でも入手の簡便さから、炭素数が2−8のものが好ましい。また上記不飽和単量体としては、具体的には例えばアクリル酸、メタクリル酸(以下、両者をあわせて、「(メタ)アクリル酸」と略記する。)、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸等の不飽和有機酸又はそのエステル、無水物等の誘導体や、不飽和脂肪族環状オレフィン等が挙げられる。
本発明に用いるポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、プロピレン−エチレンブロック又はランダム共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等、エチレンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。
本発明に用いるポリアセタールとしては、通常、ホルムアルデヒド又はトリオキサンの重合によって製造される高分子量の重合体であり、オキシメチレン基を繰り返し単位とする単独重合体が挙げられる。またこれらは通常、耐熱性及び化学的抵抗性を増加させるために、末端基をエステル基又はエーテル基に変換することが行われている。
また本発明に用いるポリアセタールは、ブロック共重合体やランダム共重合体であってもよい。このポリアセタール共重合体は、例えばブロック共重合体に於いては、上記オキシメチレン基を繰り返し単位とする単独重合体ブロックと、他種の重合体ブロックとから構成される。他種の重合体ブロックとしては、具体的には例えばポリアルキレングリコール、ポリチオール、ビニルアセテート−アクリル酸共重合体、水添ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
また本発明に用いるポリアセタールのランダム共重合体として、ホルムアルデヒド及びトリオキサンは、他のアルデヒド、環状エーテル、ビニル化合物、ケテン、環状カーボネート、エポキサイド、イソシアネート、エーテル等と共重合されるものが挙げられる。共重合される化合物としては、具体的には例えば、エチレンオキサイド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセペン、エピクロロヒドリン、プロピレンオキサイド、イソブチレンオキサイド及びスチレンオキサイドが挙げられる。この種の共重合体では、カチオン重合後、重合触媒の失活化、末端安定化等が一般に行われる。また、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、炭素数2以上のオキシアルキレン基を含有する共重合体が汎用される。
本発明に用いるポリフェニレンスルフィドとしては、下記構造式(3)で示される繰り返し単位を主構成要素として含有するものである。
Figure 2007291226
本発明に用いるポリフェニレンスルフィドの製造方法は任意であり、従来公知の任意の方法を採用できる。具体的には例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中において、硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンとを反応させる方法が好ましい。他の製造方法としては、p−ジクロロベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法や、極性溶媒中で硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム又は硫化水素と水酸化ナトリウムの存在下で重合させる方法、p−クロルチオフェノールの自己縮合等が挙げられる。
本発明に用いるポリフェニレンスルフィドには、上記の繰り返し単位を主構成要素とする限り種々の共重合体が含まれる。中でも、上述した繰り返し単位を主構成成分、具体的には80モル%以上とし、他の繰り返し単位の一種又は二種以上を20モル%以下の割合で含有する共重合体が好ましい
本発明に用いる成分(a)熱可塑性樹脂としては、上述した各種の熱可塑性樹脂を一種または任意の割合で2種以上を併用してもよい。更に2種類以上を組み合わせて用いる場合には、必要に応じて、相溶化剤を配合してもよい。
本発明に用いる成分(a)熱可塑性樹脂としては、中でも融点が170℃以上の結晶性樹脂、及び/またはガラス転移温度が140℃以上である非結晶性樹脂が、耐熱性に優れた強化熱可塑性樹脂組成物が製造出来るので好ましい。尚、ここで融点はDSC(示差熱量分析)により、またガラス転移温度はDTA(示唆熱分析)により測定すればよい。
融点が170℃以上である結晶性樹脂としては、具体的には例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の各熱可塑性樹脂が挙げられる。Tgが140℃以上の樹脂の非晶性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。
本発明に用いる成分(b)玄武岩繊維とは、通常、玄武岩を溶融紡糸したものである。ここで玄武岩とは、火山岩の一種であって、主としてCaに富む斜長石とオージャナイトからなり、その他のカンラン石、斜方輝石、ピジョン輝石、ホルンブレンド、黒雲母,磁鉄鉱、チタン鉄鉱、シリカ鉱物、アルカリ長石、リン灰石、沸石、ネフェリン、メリライト、リューサイト等の内の数種類を主成分又は副成分鉱物として含有するものである。
本発明に用いる玄武岩繊維の原料は玄武岩であれば、特にその組成に制限はない。具体的には例えば、玄武岩繊維が呈する色は、原料である玄武岩中の有色鉱物の組み合わせや量により変化するが、これについても特に制限はない。尚、本発明において成分(a)熱可塑性樹脂としてポリステル樹脂を用いる際には、玄武岩繊維としてアルカリ成分が少ない方が、樹脂の熱安定性の観点から好ましい。
本発明に用いる玄武岩繊維の製造方法は任意であり、具体的には例えば、原料である玄武岩を溶融紡糸する際の溶融温度や紡糸等に係る条件は適宜選択して決定すればよい。
本発明に用いる玄武岩繊維としては、中でも、融点が1000℃を超えるものであると、焼却処分性に優れるので好ましい。即ち、この様な玄武岩繊維を含む本発明の樹脂組成物は、資源の有効利用の観点から、サーマルリサイクル(焼却炉により焼却して、熱エネルギーを回収する)した際、ガラス繊維(通常使用されるE−ガラス)が一般的な焼却処分の温度600℃〜900℃で融解し、焼却炉を傷める為にサーマルリサイクルし難いのに対し、融点が1000℃を超える玄武岩繊維では、焼却炉を傷める事が無くなるので、サーマルリサイクルが容易に可能となるためである。
本発明に用いる玄武岩繊維の機械的特性は任意であり適宜選択して決定すればよいが、引張弾性率が8000kg/mm以上のものを用いると、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物における補強効果が顕著となるので好ましい。また玄武岩繊維自身の密度は3未満であると、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の軽量化が顕著となり、好ましい。
また本発明に用いる玄武岩繊維の平均繊維径は、7〜25μmであることを特徴とする。平均繊維径が小さ過ぎると耐衝撃性が低過ぎる場合がある。逆に大きすぎても剛性の向上効果が不十分となるばかりか、成形体の表層に当該繊維が浮かび上がりやすくなり、光沢性の低下、色むらの原因ともなる場合があるので、中でも10〜20μmであることが好ましい。
本発明に用いる玄武岩繊維は、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物中に分散した状態での平均繊維長が、通常40〜10000μmである。この分散状態での繊維長が小さ過ぎると剛性の向上効果が不十分となり、耐衝撃性が低下する場合がある。逆に大きすぎても、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形した成形品の表面にフローマークなどの外観不良が形成されやすくなる。よってこの平均繊維長は、中でも100〜10000μm、特に300μm〜3000μmであることが好ましい。
尚、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の玄武岩繊維の形状測定は、従来公知の任意の方法により行えばよい。具体的には例えば、樹脂組成物を600℃で3時間加熱して樹脂分を焼却し、玄武岩繊維を分収し、電子顕微鏡による観察によって観察し、画像解析する方法が挙げられる。尚、平均繊維長は、具体的には例えば、1000〜2000本の玄武岩繊維を無作為に分収して測定し、それらの平均繊維長を求めればよい。
本発明に用いる玄武岩繊維には、中でも、取り扱い性、樹脂への分散性、樹脂との密着強度向上等を目的に、公知の手法、添加剤を用いて、集束剤、サイジング剤、密着性改良剤などにより表面処理を行うことが好ましい。
玄武岩繊維の表面処理方法や、これに用いる表面処理剤は従来公知の任意の表面処理剤、具体的には例えば、ガラス繊維や炭素繊維に用いられている表面処理剤や方法を用いればよく、本発明に用いる成分(a)熱可塑性樹脂との適性を考慮して決定すればよい。
表面処理剤としては、具体的には例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ナイロン系の集束剤や、Siカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤等が挙げられる。中でもシランカップリング剤による表面処理は、機械的強度を高めることが出来るので好ましい。
本発明においては、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物中における成分(b)玄武岩繊維の含有量が、その含有量が成分(a)と成分(b)との合計量に対して(成分(a)と成分(b)との合計を100重量%とした際に)1〜15重量%であることを特長とする。1重量%より少ないと、実質的に剛性が改良されず、逆に多すぎても表面の光沢感が低下してしまう。
更に本発明においては、成分(c)として、カーボンブラック、ニグロシン、及びアニリンブラックからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特長とする。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、従来公知の任意のカーボンブラックを用いることが出来る。具体的には例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。中でも隠蔽力に優れる、DBP吸収量が30〜300g/cmのカーボンブラック、特にファーネスブラックを用いることにより、安定した色調を発現させることができるので好ましい。
本発明に用いるニグロシンとは、ニグロシン染料として従来公知の任意のものを使用でき、C.I.SOLVENTBLACK5や、C.I.SOLVENTBLACK7として、COLORINDEXに記載の黒色のアジン系縮合混合物が挙げられる。これらは具体的には例えば、オリエント化学社製ヌビアンブラック(商品名)が挙げられる。
本発明に用いるニグロシンはその製造方法は特に制限はないが、具体的には例えば、アニリン、アニリン塩酸塩及びニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160乃至180℃で酸化及び脱水縮合することにより行い得る方法が挙げられる。ニグロシンは反応条件や仕込み原料、仕込比等により、種々の異なる化合物の混合物として得られるものであり、各種のトリフェナジンオキサジンや、フェナジンアジン等のアジン系化合物の混合物である。
本発明に用いるアニリンブラックとしては、例えばC.I.PIGMENTBLACK1としてCOLORINDEXに記載の、黒色のアニリン誘導体等の酸化縮合混合物であり、酸化縮合の反応条件により、数種の中間体や副生物との混合物になる。具体的には例えば、塩酸アニリン及びアニリンを反応温度40乃至60℃で1乃至2日間酸化縮合させたものを、硫酸酸性の重クロム酸塩の溶液に短時間浸すことにより完全に酸化縮合させることによって、黒色系混合物として得ることができる。アニリンブラックとしては、具体的には例えばICI社製アニリンブラック等が挙げられる。
本発明において成分(c)の含有量は、適宜選択して決定すればよいが、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物全体(樹脂組成物全体)に対して、0.001〜5重量%である。この含有量が少なすぎると色ムラのある色調の樹脂組成物となってしまい、逆に多すぎても靭性や流動性の低下の他、発生ガス量の増加などの不都合が生じる。よって中でも樹脂組成物全体に対して0.01〜1重量%、特に0.05〜0.5重量%であることが好ましい。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物には、上述の成分(a)、(b)、(c)以外に、本発明の効果を損ねない範囲で、他の各種添加剤を、複数種、配合することができる。具体的には例えば、熱安定剤、重金属補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、難燃剤、離型剤、滑剤、可塑剤、造核剤、流動性改良剤、染料、顔料、有機繊維、無機充填剤、塗装性改良材、導電材、耐衝撃性改良剤、耐磨耗性改良剤などが挙げられる。
熱安定剤としては、具体的には例えば、ヒンダートフェノール化合物、ホスファイト化合物、チオエーテル化合物、ハロゲン化銅、ハロゲン化カリウム、ハイドロタルサイト等が例示できる。 熱安定剤の配合量は樹脂組成物全体に対して3重量%未満であることが好ましい。
離型剤としては、具体的には例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス等を例示できる。離型剤の配合量は樹脂組成物全体に対して3重量%未満であることが好ましい。
無機充填材としては、本発明の効果を損ねない範囲で、成分(b)である玄武岩繊維以外の、無機充填剤を用いることが出来る。具体的には例えば、タルク、ワラストナイト、カオリン、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、アルミナ、シリカ、モンモリナイト等や、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状無機充填剤が挙げられる。
中でも、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の、そりを抑制するために、融点1000℃以上の、例えばマイカ、タルク等の板状無機充填剤を、樹脂組成物全体に対して1〜50重量%であることが好ましい。
難燃剤としては、具体的には例えば、PTFEに代表される、(パー)フルオロポリオレフィン等のハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコン系難燃剤の他、水和金属塩、ホウ酸化合物等が挙げられる。これらの難燃剤は必要に応じて樹脂組成物全体に対して50重量%未満であることが好ましい。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法は任意であり、従来公知の任意の、樹脂組成物の製造方法を使用できる。具体的には例えば、各種原料を、バンバリーミキサーや押出機を使用して溶融混練する方法や、ドライブレンドによる製造方法などが挙げられる。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、単一色調であることを特徴とする。ここで単一色調とは、目視にて観察し、樹脂組成物やその成形体の同一面上が、斑状の外観やマーブル調模様等の色むらを形成しない、即ち均一な色調のものを示す。
中でも本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法においては、色調、機械的特性の安定発現性、生産性に優れる2軸押出機による溶融混練にて製造することが好ましい。具体的には例えば、成分(a)と成分(c)を、二軸押出機の上流部から投入して、中流部から成分(b)を投入するサイドフィード製法が挙げられる。また成分(c)を予め成分(a)またはその他の熱可塑性樹脂に高濃度に配合し、コンパウンドした、高濃度マスターバッチペレットを製造しておいて、これを用いて配合させる方法も挙げられる。
本発明の樹脂成形体は、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を、従来公知の任意の方法により成形すればよく、その製造方法は特に限定されるものではない。具体的には例えば、射出成形法、中空成形法、押出成形法、シート成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などを採用することができる。特には、生産性に優れる射出成形法が特に好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下に示す例における配合量は重量%を意味する。
実施例及び比較例の各樹脂組成物を得るにあたり、次に示す原料を準備した。
成分(a)
(a−1):ポリアミド6(結晶性熱可塑性樹脂) 三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバミッド1010J、ISO粘度数118[ml/g]、融点223℃
(a−2):ポリアミド66(結晶性熱可塑性樹脂) デュポン社製ZYTEL FE3218、ISO粘度数138[ml/g]、融点264℃
(a−3):ポリブチレンテレフタレート(結晶性熱可塑性樹脂) 三菱エンジニアリングプラスチックス社製5008、固有粘度η=0.85[dl/g]、融点223℃
成分(b)
(b−1):玄武岩繊維 昭和高分子社製バサルトファイバー(玄武岩を溶融紡糸して得られた繊維にシランカップリング及び集束剤を付加したチョップドストランド)、平均繊維径13μm。
この玄武岩繊維の化学組成は、SiO:47.4〜49.6重量%、Al:14〜15.3重量%、CaO:10.8〜11.9重量%、MgO:8.2〜9.7重量%、FeO:6.3〜9.1重量%、NaO:2.3重量%、H:1〜1.2重量%である。また玄武岩の他の特性は、比重2.8、融点1000℃以上、色調:暗褐色、引張弾性率10000kg/mmである。
成分(c)
(c−1)カーボンブラック(ファーネスカーボンブラック)、三菱化学社製三菱カーボン#40、DBP吸収量110cm/100g
(c−2)ニグロシン オリエント化学社製ヌビアンブラックEP−5
その他の成分(d)
(d−1)ガラス繊維 日本電気硝子社製ガラス繊維ECS−03−T289(シランカップリングと集束剤を付加したチョップドストランド)、平均繊維径13μm
[評価方法]
各品質の評価方法は次の通り実施した。
1.各試験片の準備
(1)試験片の作成
成形機:ファナック100B、樹脂温度:成分(a)の融点+25℃の温度、金型温度:80℃、充填時間1.5秒、保圧時間15秒、冷却時間15秒、1サイクル45秒にて各試験を成形した。
2.評価
(1)曲げ試験:ASTM−D790規格に準拠して測定した。
(2)IZOD衝撃強度:ASTM−D256規格に準拠し、1/8インチ厚み、ノッチ有りにて試験を行なった。
(3)熱変形温度:ASTM−D648規格に準拠し、0.45MPaの応力条件にて測定した
(4)色むらの有無
上述(2)のIZOD試験前の成形品を目視にて観察し、成形品の同一面上で斑状の外観や、マーブル調模様等の、均一な色調でない状態のものを「色むら有り」として×を、また単一色調のものを○として示した。
[実施例1〜7及び比較例1〜5]
実施例1〜5、及び比較例1〜5おける樹脂組成物と、これを成形してなる試験片を、以下の方法により得た。
二軸押出機(TEX−30XCT、日本製鋼所社製、スクリュー直径=30mmΦ)を用いて表1、表2に示す割合で配合し調製した。原料の投入個所は、押出機の最上流部から、成分(a)及び(c)を投入し、成分(b)及び、その他の成分(d)は、中流部からサイドフィードで投入して溶融混練樹脂組成物ペレットを製造した。溶融混練条件は、シリンダー温度は成分(a)の融点+20℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hにて行なった。
この工程によって得られた溶融混練樹脂組成物ペレットを、120℃真空乾燥機にて8時間乾燥して、試験片を製造する為の成形材料を完成させた。尚、当該工程により得られた樹脂組成物のペレットから樹脂中に分散している成分(b)の平均繊維長、平均繊維径を測定した値についても表1に記載した。
また、各実施例、比較例に用いた樹脂ペレットを焼却し、サーマルリサイクル性を確認した。実験方法は、各樹脂ペレット1gを、るつぼに入れて、電気炉内にて3時間、1000℃の条件下に静置させた。加熱終了後、室温にて放熱させ、冷却した。次いで、るつぼ内の残渣を取り出し、残渣を実体顕微鏡にて観察した。
実施例1〜5において用いた玄武岩繊維は、残渣中にても形状を保持しており、断面が円形の繊維状であった。一方、ガラス繊維を用いた比較例では、ガラス繊維同士が融着し、塊状となっており、繊維状の原形は留めていなかった。これから、玄武岩繊維は繊維状無機フィラーとして再利用が可能であり、逆にガラス繊維は再利用が困難となってしまうばかりか、このガラス塊状物が通常の焼却炉内に張り付いて除去すら困難となることが明白である。表1に結果を示す。サーマルリサイクル性に優れるものを○、サーマルリサイクルできないものを×とした。
Figure 2007291226
表1から明らかなとおり、実施例1〜5の組成物は色ムラの無い樹脂組成物となっているのに対し、比較例1、2に示した樹脂組成物では成分(c)が配合されていない為、色むらを生じた。
また玄武岩繊維を含有する実施例の樹脂組成物と、ガラス繊維のみを含有する樹脂組成物とを比較すると、ほぼ同等の機械的特性を発現している事が分かる。即ち、本発明によって、色むらが無く、且つガラス繊維並みの補強特性を有する樹脂組成物が得られることが分かる。

Claims (7)

  1. 少なくとも、以下の成分(a)、(b)、及び(c)からなり、成分(b)は、平均繊維径7〜25μm、且つ成分(a)と成分(b)との合計に対して1〜15重量%であり、成分(c)は樹脂組成物全体に対して0.001〜5重量%であることを特徴とする、単一色調の繊維強化熱可塑性樹脂組成物
    (a):熱可塑性樹脂
    (b):玄武岩繊維
    (c):カーボンブラック、ニグロシン、及びアニリンブラックからなる群より選ばれる少なくとも一種
  2. 成分(b):玄武岩繊維の平均繊維長が300〜3000μmであることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  3. 成分(b):玄武岩繊維が、シランカップリング材で表面処理されたものであることを特長とする請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  4. 成分(a):熱可塑性樹脂が、融点が180℃以上の結晶性熱可塑性樹脂及び/またはガラス転移温度が140℃以上の非晶性樹脂である請求項1乃至3の何れかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  5. 成分(a):熱可塑性樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、メタキシリレンジアミン単位とアジピン酸単位からなるポリアミド、並びに、メタキシリレンジアミン単位、パラキシリレンジアミン単位及びアジピン酸単位からなるポリアミドからなる群より選ばれる、少なくとも1種のポリアミドを主構成単位とするポリアミド樹脂である請求項1〜4の何れかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  6. 成分(a):熱可塑性樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなる、樹脂成形体。

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