JP2007063354A - クリーンルーム用潤滑剤並びに摺動装置及び回動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、極めて商品価値の高い画期的なクリーンルーム用潤滑剤並びに摺動装置及び回動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 クリーンルーム内で使用され、軸1に対して摺動体2が摺動する摺動装置3若しくは軸に対して回動体が回動する回動装置に付与される潤滑剤であって、液晶化合物を含有するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 クリーンルーム内で使用され、軸1に対して摺動体2が摺動する摺動装置3若しくは軸に対して回動体が回動する回動装置に付与される潤滑剤であって、液晶化合物を含有するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、クリーンルーム用潤滑剤並びに摺動装置及び回動装置に関するものである。
軸に対して摺動体が摺動する摺動装置は、金属間接触による磨耗、発熱及び錆の発生などを防止することを目的として、該軸と摺動体との間に潤滑剤が塗布されるが、この潤滑剤は、軸に対して摺動体を摺動させた際、周囲に飛散してしまう。
特にクリーンルームで使用される摺動装置には潤滑剤そのものの飛散や摺動装置の磨耗による発塵を抑制する要求が強く、そこで、従来においてこのクリーンルームで使用される専用の潤滑剤(以下、従来例)が提案されている。
ところが、この従来例は、成分や含有量を調整して潤滑剤そのものの飛散や、摺動装置からの磨耗による発塵を抑制する為、粘性抵抗が大きく、軸に対する摺動体の動摩擦力が大きくなり摺動体の円滑な動きを阻害してしまうという問題点がある。
本発明は、上述の問題点を解消する画期的なクリーンルーム用潤滑剤並びに摺動装置及び回動装置を提供する。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
クリーンルーム内で使用され、軸1に対して摺動体2が摺動する摺動装置3若しくは軸に対して回動体が回動する回動装置に付与される潤滑剤であって、液晶化合物を含有することを特徴とするクリーンルーム用潤滑剤に係るものである。
また、請求項1記載のクリーンルーム用潤滑剤において、前記液晶化合物として、荷重が作用した際、液晶の分子配列が乱雑状態から規則的状態に変化する液晶化合物を採用したことを特徴とするクリーンルーム用潤滑剤に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載のクリーンルーム用潤滑剤において、前記液晶化合物として下記構造のものが採用されていることを特徴とするクリーンルーム用潤滑剤に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載のクリーンルーム用潤滑剤を摺動摩擦が生じる部位に付着せしめたことを特徴とする摺動装置に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載のクリーンルーム用潤滑剤を回動摩擦が生じる部位に付着せしめたことを特徴とする回動装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、周囲への飛散が可及的に抑制され且つ円滑な摺動及び回動が行なわれることになるなどクリーンルームで使用される摺動装置及び回動装置専用の潤滑剤として秀れた作用効果を発揮する極めて商品価値の高い画期的なクリーンルーム用潤滑剤となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して説明する。
摺動装置3を構成する軸1と摺動体2との間に本発明に係る潤滑剤を付与し、軸1に対して摺動体2を摺動させると、周囲への飛散が可及的に抑制され且つ円滑な摺動が行なわれる。
本発明に係る液晶化合物を含有した潤滑剤は、図2に図示したように軸1と摺動体2とが当接しない部位P1では液晶の分子配列が乱雑な状態であるが、軸1と摺動体2とが当接して荷重が作用する部位P2では液晶の分子配列が乱雑な状態から規則的状態(摺動体2の進行方向に向けて整然な状態)に変化し、油膜が形成されて金属間接触が防止され、円滑な摺動が可能になるからと考えられる。
尚、飛散が減少する点については、その理由は不明である。
以上、本発明に係る潤滑剤は、実験の結果、飛散が少ないことが確認され、この潤滑剤を用いたら円滑摺動及び回動が達成されることが確認され、これらの点を請求項としたものが本発明である。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、クリーンルーム内で使用され、軸1に摺動体2が転動体(図示省略)を介して被嵌され、この摺動体2が軸1に対して摺動する摺動装置3の前記転動体及び転動体が転動移動する部位に付着せしめられる潤滑剤である。
摺動装置3を構成する摺動体2には転動体が循環する無限循環路が形成されており、この無限循環路は、転動体に負荷が作用する負荷路と、転動体に負荷が作用しない無負荷路と、両者を連結するリターン路とで構成され、この無限循環路及び転動体に本実施例に係る潤滑剤が付着せしめられる。
符号1aは負荷路を構成する転動溝である。
軸に対して回動体が回動する回動装置(図示省略)の場合でも同様に、本実施例の潤滑剤を付着せしめる。
本実施例の潤滑剤は、下記の構造式1の液晶化合物に、Zinc di alkyldi thiophosphate(ジンク ジ アルキル ジチオフォスフェート)が0.8%(重量)、更に、適量のLithium hydroxystearate(リチウム ヒドロキシ ステアレート)が添加されたものを採用している。
本発明者は次の実験1,2により上述の作用効果を確認している。
尚、実験では、摺動装置3として図1に図示した軸1に対して摺動体2が直線摺動するタイプの摺動装置3を採用している。
実験1:飛散について(図3,4参照)
実験1は、軸1に対して摺動体2を該軸1のA−B間を往復動させた際における本実施例に係る潤滑剤と従来例との飛散状況を比較した実験であり、飛散測定装置Sで両者の飛散状況を測定している。
実験1は、軸1に対して摺動体2を該軸1のA−B間を往復動させた際における本実施例に係る潤滑剤と従来例との飛散状況を比較した実験であり、飛散測定装置Sで両者の飛散状況を測定している。
この飛散測定装置Sは、摺動装置3から飛散する飛散物Dを該摺動装置3が配される部屋から吸引し、所定体積中に存在する所定大きさ(0.3μm以上)の飛散物Dの数を計測する装置である。
図4は、前述した飛散測定装置Sにより100回計測した際における飛散物Dの数を表にしたものである。
この表から両者を使用して摺動装置3を摺動させた場合に飛散する飛散物Dの数が明らかに異なることがわかる。
従って、実験1により、本実施例に係る潤滑剤は従来例に比して飛散物Dが少ないことが確認された。
実験2:動摩擦力について(図3,5参照)
実験2は、軸1に対して摺動体2を該軸1のA−B間を往復動させた際における本実施例に係る潤滑剤と従来例との動摩擦力(軸1の転動溝1aに対する転動体の転がり摩擦)を比較した実験であり、動摩擦力測定装置(図示省略)にて夫々未使用の摺動装置における脱脂品との動摩擦力の差を測定している。尚、摺動装置は未使用の脱脂品が最も動摩擦力が低い状態であるが、実際は、継続使用による動摩擦力増大を防止する為、潤滑剤を付与する。しかし、この潤滑剤の粘性が抵抗となってむしろ潤滑剤を付与すると動摩擦力が大きくなるということが業界の周知事実である。
実験2は、軸1に対して摺動体2を該軸1のA−B間を往復動させた際における本実施例に係る潤滑剤と従来例との動摩擦力(軸1の転動溝1aに対する転動体の転がり摩擦)を比較した実験であり、動摩擦力測定装置(図示省略)にて夫々未使用の摺動装置における脱脂品との動摩擦力の差を測定している。尚、摺動装置は未使用の脱脂品が最も動摩擦力が低い状態であるが、実際は、継続使用による動摩擦力増大を防止する為、潤滑剤を付与する。しかし、この潤滑剤の粘性が抵抗となってむしろ潤滑剤を付与すると動摩擦力が大きくなるということが業界の周知事実である。
図5は、前述した動摩擦力測定装置により計測された数値を表したものであり、摺動装置を、脱脂品の状態、従来例を塗布した状態、本実施例を塗布した状態でA方向・B方向に摺動させた際の動摩擦力の最大値、最小値、平均値を示したものである。
この表から、本実施例に係る潤滑剤を塗布した場合は、脱脂品に近い動摩擦力となり、一方、従来例を塗布した場合は、上記の通り脱脂品よりもはるかに動摩擦力が大きくなることが分かる。
従って、実験2により、本実施例係る潤滑剤は従来例に比して摺動体2を摺動させたときの動摩擦力が小さくなり、よって、摺動体2の円滑な摺動が達成されることが確認された。
以上のように、本実施例は、前述した実験1,2により周囲への飛散を抑制し且つ円滑な摺動を達成することができ、クリーンルームで使用される摺動装置専用として最適であることが確認された。
これは、本実施例に係る液晶化合物を含有した潤滑剤は、図2に図示したように軸1と摺動体2とが当接しない部位P1では液晶の分子配列が乱雑な状態であるが、軸1と摺動体2とが当接して荷重が作用する部位P2では液晶の分子配列が乱雑な状態から規則的状態(摺動体2の進行方向に向けて整然な状態)に変化し、油膜が形成されて金属間接触が防止され、よって、摺動体2の円滑な摺動が達成されると考えられ、飛散が減少する点については、その理由は不明であるが、本実施例に係る潤滑剤に含有される液晶化合物が何らかの作用を発揮しているものと推察される。
尚、本実施例は、周囲への飛散が抑制されることで、メンテナンスフリー効果も得られることになる。
1 軸
2 摺動体
3 摺動装置
2 摺動体
3 摺動装置
Claims (5)
- クリーンルーム内で使用され、軸に対して摺動体が摺動する摺動装置若しくは軸に対して回動体が回動する回動装置に付与される潤滑剤であって、液晶化合物を含有することを特徴とするクリーンルーム用潤滑剤。
- 請求項1記載のクリーンルーム用潤滑剤において、前記液晶化合物として、荷重が作用した際、液晶の分子配列が乱雑状態から規則的状態に変化する液晶化合物を採用したことを特徴とするクリーンルーム用潤滑剤。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載のクリーンルーム用潤滑剤を摺動摩擦が生じる部位に付着せしめたことを特徴とする摺動装置。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載のクリーンルーム用潤滑剤を回動摩擦が生じる部位に付着せしめたことを特徴とする回動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005249100A JP2007063354A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | クリーンルーム用潤滑剤並びに摺動装置及び回動装置 |
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Citations (7)
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JPH0782582A (ja) * | 1993-09-09 | 1995-03-28 | Aujimonto Kk | 潤滑剤組成物 |
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2005
- 2005-08-30 JP JP2005249100A patent/JP2007063354A/ja active Pending
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