JP2007060337A - 静電型超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ - Google Patents

静電型超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ Download PDF

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Abstract

【課題】 振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を増加させてより大きな膜振動を得ることができる静電型超音波トランスデューサを提供する。
【解決手段】 複数の穴14が形成された第1の固定電極10Aと、前記第1の固定電極と対をなす複数の穴14が形成された第2の固定電極10Bと、前記一対の固定電極に挟持され導電層121を有し、該導電層に直流バイアス電圧が印加される振動膜12と、前記一対の固定電極と前記振動膜を保持する保持部材とを有し、前記一対の固定電極間には交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記一対の固定電極に形成された穴14は貫通穴であり、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広周波数帯域に渡って一定の高音圧を発生する静電型超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカに関する。
従来の超音波トランスデューサは圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。
ここで、従来の超音波トランスデューサの構成を図7に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図7に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図7に示すバイモフル型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック61および62と、コーン63と、ケース64と、リード65および66と、スクリーン67とから構成されている。
圧電セラミック61および62は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード65とリード66が接続されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
上述した図7に示す共振型の超音波トランスデューサと異なり、従来より静電方式の超音波トランスデューサは高周波数帯域にわたって高い音圧を発生可能な広帯域発振型超音波トランスデューサとして知られている。この静電型の超音波トランスデューサは、振動膜が固定電極側に引き付けられる方向のみ働くことからPull型と呼ばれている。
図8に広帯域発振型超音波トランスデューサ(Pull型)の具体的構成を示す。
図8に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリ・エチレン・テレフタレート樹脂)等の誘電体131(絶縁体)を用いている。誘電体131に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極132がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極133が誘電体131の下面部に接触するように設けられている。この下電極133は、リード152が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板135に固定されている。
また、上電極132は、リード153が接続されており、このリード153は直流バイアス電源150に接続されている。この直流バイアス電源150により上電極132には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極132が下電極133側に吸着されるようになっている。151は信号源である。
誘電体131および上電極132ならびにベース板135は、メタルリング136、137、および138、ならびにメッシュ139とともに、ケース130によってかしめられている。
下電極133の誘電体131側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極133と誘電体131との間の空隙となるので、上電極132および下電極133間の静電容量の分布が微小に変化する。
このランダムな微小な溝は、下電極133の表面を手作業でヤスリにより荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、図8に示す超音波トランスデューサの周波数特性が図9において曲線Q1に示すように広帯域となっている。
上記構成の超音波トランスデューサでは、上電極132に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極12と下電極133との間に矩形波信号(50〜150Vp-p)が印加されるようになっている。因みに、図9に曲線Q2で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。
これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である(特許文献1、2参照)。
特開2000−50387号公報 特開2000−50392号公報
上述したように、図7に示す共振型の超音波トランスデューサと違い、図8に示す静電方式の超音波トランスデューサは従来から広周波数帯に渡って比較的高い音圧を発生させることが可能な広帯域超音波トランスデューサ(Pull型)として知られている。
しかしながら、音圧の最大値は図9に示すように、共振型の超音波トランスデューサが130dB以上であるのに比べ、静電型の超音波トランスデューサでは120dB以下と音圧が低く、超音波スピーカとして利用するには若干音圧が不足していた。
ここで、超音波スピーカについて説明しておく。キャリア波と呼ばれる超音波周波数帯域の信号にオーディオ信号(可聴周波数帯の信号)でAM変調をかけ、この変調信号で超音波トランスデューサを駆動することにより、超音波を信号源のオーディオ信号で変調した状態の音波が空中に放射され、空気の非線形により、空中で元のオーディオ信号が自己再生される、というものである。
つまり、音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分が顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波)と可聴波(元オーディオ信号)に波形分離され、我々人間は20kHz以下の可聴音(元オーディオ信号)のみを聴くことができるという原理であり、一般にはパラメトリックアレイ効果と呼ばれている。
上記のパラメトリック効果が十分現れるためには120dB以上の超音波音圧が必要であるが、静電型の超音波トランスデューサではこの数値を達成することが難しく、もっぱらPZTなどのセラミック圧電素子やPVDFなどの高分子圧電素子が超音波発信体として用いられてきた。
しかし、圧電素子はその材質を問わず鋭い共振点を有しており、その共振周波数で駆動して超音波スピーカとして実用化しているため、高い音圧を確保出来る周波数領域が極めて狭い。すなわち狭帯域であるといえる。
一般に、人間の最大可聴周波数帯域は20Hz〜20kHzと云われており約20kHzの帯域を持つ。すなわち超音波スピーカにおいては、超音波領域で20kHzの周波数帯域に渡って高い音圧を確保しないと、元のオーディオ信号を忠実に復調することは不可能となる。従来の圧電素子を用いた共振型の超音波スピーカでは到底この20kHzという広帯域を忠実に再生(復調)することは困難であることは容易に理解できるであろう。
実際、従来の共振型の超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカでは、(1)帯域が狭く再生音質が悪い、(2)AM変調度をあまり大きくすると復調音が歪むため最大でも0.5程度までしか変調度を上げられない、(3)入力電圧を上げると(ボリュームを上げると)圧電素子の振動が不安定となり、音が割れる。さらに電圧を上げると圧電素子自身が破壊され易い、(4)アレイ化や大型化、小型化が困難であり、それが故にコストが高い、といった問題が有った。
これに対し図8に示した静電型の超音波トランスデューサ(Pull型)を用いた超音波スピーカは、上記従来技術の抱える課題をほぼ解決できるが、帯域を広くカバーできる反面、復調音が十分な音量であるためには絶対的な音圧が不足しているという問題を抱えていた。
また、Pull型の超音波トランスデューサは、静電力は固定電極側へのみ引き付ける方向にしか働かず振動膜(図8における上電極132に相当する。)の振動の対称性が保たれないため、超音波スピーカに用いる場合、振動膜の振動が直接、可聴音を発生させるという問題が有った。
これに対して、我々は、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができる超音波トランスデューサを既に提案している。この超音波トランスデューサは、導電層を有する振動膜を対向する位置に貫通穴が形成された一対の固定電極により挟持し、振動膜に直流バイアス電圧が印加された状態で一対の固定電極に交流信号を印加するように構成したものである。
この超音波トランスデューサは、Push−Pull型の超音波トランスデューサと呼ばれており、一対の固定電極により挟持された振動膜が交流信号の極性に応じた方向において静電吸引力と静電斥力を同方向にかつ同時に受けるために、振動膜の振動をパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に大きくすることができるだけでなく、振動の対称性が確保されるため、従来のPull型超音波トランスデューサに比して高い音圧を広周波数帯域にわたって発生させることができる。
しかしながら、このPush−Pull型の超音波トランスデューサは、音が抜ける貫通穴が比較的小面積であるためこのままでは、十分な音圧を空中に発生させることは困難であるという問題がある。
したがって、このような構造を有するPush−Pull型の超音波トランスデューサにおいても十分な音圧を発生させるための技術が必要とされていた。
上記Push−Pull型の超音波トランスデューサでは、既述したように、音を外部に放出する貫通穴を有しているため、固定電極と振動膜の間に作用する静電力を十分確保できないが、これは主に振動膜と対向する固定電極側に静電力が作用する十分な電極面積を確保できないためであった。
上記Push−Pull型の超音波トランスデューサでは、固定電極の振動膜と対向する貫通穴外周に円形状に段部を形成していたが、面積効率が低かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を増加させてより大きな膜振動を得ることができる静電型超音波トランスデューサ及びこれを用いて超音波スピーカを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の静電型超音波トランスデューサは、複数の穴が形成された第1の固定電極と、前記第1の固定電極と対をなす複数の穴が形成された第2の固定電極と、前記一対の固定電極に挟持され導電層を有し、該導電層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の固定電極と前記振動膜を保持する保持部材とを有し、前記一対の固定電極間には交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記一対の固定電極に形成された穴は貫通穴であり、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたことを特徴とする。
上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサでは、第1の固定電極と、第2の固定電極の対向する位置に複数の穴が形成され、振動膜の導電層に直流バイアス電圧が印加された状態で、第1、第2の固定電極からなる一対の固定電極に駆動信号である交流信号が印加されるために、一対の固定電極に挟持された振動膜は、交流信号の極性に応じた方向において、静電吸引力と静電斥力が同方向に同時に受けるために、振動膜の振動をパラメトリック効果を得るのに十分大きくすることができるだけでなく、振動の対称性が確保されるため、高い音圧を広周波数帯域にわたって発生させることができる。
さらに、前記一対の固定電極に形成された穴を貫通穴とし、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたので、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記段部外周形状は正六角形であることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に設けた段部外周形状を正六角形としたので、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を他の多角形状とした場合より一層増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記段部をハニカム状に配置したことを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に設けた多角形状、特に正六角形状の段部をハニカム状に配置することにより、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積をより一層増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記複数の貫通穴は、各々同一サイズであることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、一対の固定電極に各々、同一サイズの貫通穴が形成される。したがって、穴加工が容易であり、製造コストの低減が図れる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記複数の貫通穴は、各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズを有することを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、一対の固定電極において各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズの貫通穴が形成される。したがって、穴加工が容易であり、製造コストの低減が図れる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極は、単一の導電性部材からなることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極は、単一の導電性部材、例えば、SUS、真鍮、鉄、ニッケル等の導電性材料で形成することができる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極は、複数の導電性部材からなることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極は、複数の導電性部材で形成することができる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極は、導電性部材と絶縁部材とからなることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極は、導電性部材と絶縁部材から構成される。例えば、ガラスエポキシ基板や紙フェノール基板等の絶縁部材に所望の穴加工をした後、ニッケルや金、銀、銅等でメッキ処理をすることにより、固定電極を導電性部材と絶縁部材で形成することができる。これにより、超音波トランスデューサの軽量化が図れる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された薄膜であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、振動膜は絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成される。そしてこの場合に後述するように振動膜に対向する固定電極側には絶縁層が設けられる。したがって、振動膜の作製が容易になる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記振動膜は、電極層が2枚の絶縁性高分子フィルムで挟むように形成された薄膜であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、電極層を絶縁層(絶縁高分子フィルム)で挟むように振動膜が形成される。したがって、固定電極側の絶縁処理が不要になり、超音波トランスデューサの製造が容易になる。また、振動膜に対する固定電極の配置における対称性の確保が容易になる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜を2枚使用し、各々電極層同士を密着させて構成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜を2枚使用し、各々電極層同士を密着させることにより振動膜が形成される。したがって、振動膜の作製が容易となる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記振動膜は、エレクトレットフィルムを用いていることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記振動膜は、エレクトレットフィルムが用いられる。この場合に固定電極側には絶縁層が形成される。したがって、振動膜の作製が容易となる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された薄膜である振動膜、またはエレクトレットフィルムを用いた振動膜を用いる場合は、前記一対の固定電極の各々振動膜側に電気的絶縁処理を施すことを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、振動膜として絶縁層(絶縁フィルム)の両面に導電層(電極層)が形成された振動膜を使用する場合、あるいは振動膜としてエレクトレットフィルムを使用する場合には固定電極の振動膜側に電気的絶縁処理が施される。したがって、絶縁層(絶縁フィルム)の両面に導電層(電極層)が形成された両面電極蒸着膜や、エレクトレットフィルムを振動膜として使用することが可能となる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記振動膜には、単一極性の直流バイアス電圧が印加されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記振動膜には、単一極性の直流バイアス電圧が印加される。したがって、振動膜の電極層には常に同極性の電荷が蓄積されるので、前記一対の固定電極に印加される交流信号により変化する固定電極の電圧の極性に応じて、振動膜が静電吸引力及び静電斥力を受け、振動する。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記固定電極と前記振動膜を保持する部材は絶縁材料で構成することを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記固定電極と振動膜を保持する部材は絶縁材料で構成される。したがって、固定電極と振動膜との間の電気的絶縁が保持される。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記振動膜は膜表面上における直角四方向に張力をかけて固定されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記振動膜は膜平面上における直角四方向に張力をかけて固定される。したがって、従来、振動膜を固定電極側に吸着させるために数百ボルトの直流バイアス電圧を振動膜に印加する必要があったが、振動膜の膜ユニット作製時に膜に張力をかけて固定することにより、従来、上記直流バイアス電圧が担っていた引張り張力と同様の作用をもたらすため、上記直流バイアス電圧を低減することができる。
また、本発明の超音波スピーカは、上記いずれかの静電型超音波トランスデューサと、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、前記静電型超音波トランスデューサは、前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波スピーカでは、信号源により可聴周波数帯の信号波が生成され、キャリア波供給手段により超音波周波数帯のキャリア波が生成され、出力される。さらに、変調手段によりキャリア波が前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調され、この変調手段から出力される変調信号が前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加され、駆動される。
本発明の超音波スピーカでは、上記構成の静電型超音波トランスデューサを用いて構成したので、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分高い音圧レベルの音響信号を発生することができる超音波スピーカを実現できる。
さらに、上記構成の静電型超音波トランスデューサを用いて構成したので、すなわち、前記一対の固定電極に形成された穴を貫通穴とし、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたので、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの構成を図1に示す。図1(A)は、静電型超音波トランスデューサの構成を示し、同図(B)は、超音波トランスデューサの一部を破断した平面図を示している。
図1において、本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサ1は、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極10A、10Bと、一対の固定電極に挟持され、導電層121を有する振動膜12と、一対の固定電極10A、10Bと振動膜を保持する部材(図示せず)とを有している。
振動膜12は、絶縁体120で形成され、導電性材料で形成された電極層121を有しており、該電極層121には、直流バイアス電源16により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい。)の直流バイアス電圧が印加されるようになっており、さらに、この直流バイアス電圧に重畳して固定電極10Aと固定電極10Bには、信号源18から出力される相互に位相反転した交流信号18A,18Bが電極層12との間に印加されるようになっている。
また、一対の固定電極10A、10Bは振動膜12を介して対向する位置に同数かつ複数の穴14を有しており、一対の固定電極10A、10Bの導電部材間には信号源18により相互に位相反転した交流信号18A,18Bが印加されるようになっている。
固定電極10Aと電極層121、固定電極10Bと電極層121は、それぞれコンデンサが形成されている。固定電極10A、10Bの構造は本発明に係る静電型超音波トランスデューサの主要構成をなすものであるが、これについては後述する。
上記構成において、超音波トランスデューサ1は、振動膜12の電極層に、直流バイアス電源16により単一極性の(本実施形態では正極性の)直流バイアス電圧に信号源18から出力される相互に位相反転した交流信号18A,18Bが重畳された状態で印加される。
一方、一対の固定電極10A、10Bには、信号源18より相互に位相反転した交流信号18A,18Bが印加される。
この結果、信号源18から出力される交流信号18Aの正の半サイクルでは、固定電極10Aに正の電圧が印加されるために、振動膜12の固定電極で挟持されていない表面部分12Aには、静電反発力が作用し、表面部分部分12Aは、図1上、下方に引っ張られる。
また、このとき、交流信号18Bが負のサイクルとなり、対向する固定電極10Bには負の電圧が印加されるために、振動膜12の前記表面部分12Aの裏面側である裏面部分12Bには、静電吸引力が作用し、裏面部分12Bは、図1上、さらに下方に引っ張られる。
したがって、振動膜12の一対の固定電極10A、10Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。これは、信号源18から出力される交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜12の表面部分12Aには図1上、上方に静電吸引力が、また裏面部分12Bには、図1上、上方に静電反発力が作用し、振動膜12の一対の固定電極10A、10Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜12が同方向に静電反発力と静電斥力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化するので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。
このように本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサ1は、振動膜12が一対の固定電極10A、10Bから力を受けて振動することからプッシュ +プル(Push―Pull)型と呼ばれている。
本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサ1は、従来の、振動膜に静電吸引力のみしか作用しない静電型の超音波トランスデューサ(Pull型)に比して、広帯域性と高音圧を同時に満たす能力を持っている。
本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサの周波数特性を図9に示す。同図において、曲線Q3が本実施形態に係る超音波トランスデューサの周波数特性である。同図から明らかなように、従来の広帯域型の静電型超音波トランスデューサの周波数特性に比して、より広い周波数帯にわたって、高い音圧レベルが得られることが分かる。具体的には、20kHz〜120kHzの周波数帯域においてパラメトリック効果が得られる120dB以上の音圧レベルが得られることが分かる。
本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサ1は一対の固定電極10A、10Bに挟持された薄膜の振動膜12が静電吸引力と静電斥力の両方を受けるため、大きな振動が発生するばかりでなく、振動の対称性が確保されるため、高い音圧を広帯域に渡って発生させることができるのである。
次に、本実施形態に係る超音波トランスデューサの固定電極について説明する。図2は円柱状固定電極(一対の固定電極のうち片方の電極のみ)のいくつかの構成例(断面図)を示している。
図2(a)は貫通穴タイプであり、具体的には、一対の固定電極10A,10Bに形成された穴は、円柱状に形成された貫通穴である。この貫通穴が形成された固定電極は、製造は最も簡単であるが振動膜12と対向する電極に相当する部分がないため、静電力が弱いという欠点を有している。
図2(b)は2段貫通穴構造の固定電極の構造を示している。すなわち、一対の固定電極10A,10Bに形成された穴は、直径および深さが各々異なる少なくとも二種類以上(本実施形態では二種類)のサイズの同心円柱状の穴が連なって形成された貫通穴である。固定電極に形成された穴は、反振動膜側に対して振動膜側の方の穴径が大きく、且つ深さが浅く形成されている。
この場合各穴の淵部分に並行する場所(段部)が振動膜12と対向しており、この部分が平行板コンデンサを構成している。
したがって振動膜12の淵部分が持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため膜振動を大きくさせることができる。また図2(c)は断面がテーパー状の貫通穴を示している。この形状を固定電極として採用した場合の効果も図(b)における構成により得られる効果と同様である。
次に、本発明の主要構成である固定電極10A,10B(図1参照)の貫通穴外周部の構造について図3及び図4を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサは、一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたことを特徴としている。
図3及び図4は、固定電極に形成された貫通穴14の外周部を振動膜12(図1参照)側から見た平面図である。
図3(a)は、図2(b)に示した2段貫通穴構造の場合における複数の貫通穴外周部の形状及びそれらの配置を示している。同図に示すように貫通穴14の外周に円形状に段部(振動膜に対向する固定電極における対向電極部分)20が形成され、これらの段部20が隣接するように形成されている。
これに対して、図3(b)に示す固定電極の貫通穴14の外周部に形成された段部22の外周は、正六角形に形成され、複数の段部22は、ハニカム状に配置されている。図3(c)は、図3(a)と図3(b)に示した貫通穴外周部(段部)の形状の面積を比較するために両者を模式的に重ね合わせて示した図である。図3(c)における斜線部分22Aが図3(a)に示した2段貫通穴構造の固定電極における段部(振動膜との対向電極部分)、すなわち振動膜の電極層と固定電極との間で静電力が働く部分である。
図3(c)における細斜線部分22Bが図3(a)に示した2段貫通穴構造の固定電極における段部より更に増加した対向電極部分を示している。図3(a)と図3(b)に示した固定電極における貫通穴外周部である段部(対向電極部分)20,22の面積、すなわち図3(a)における斜線部20の面積と、図3(b)の細斜線部分22の面積とを比較すると、外周円形の斜線部分に比べ、外周正六角形の細斜線部分の面積が約1.36倍と36%も対向電極部分の面積が増加している。
図4は、貫通穴の外周形状を正八角形にした場合である。この場合も貫通穴14の外周形状が円形の時に比べて対向電極部分の面積が増加(増加した対向電極部分24)してはいるが、その比は1.05と僅か5%増に留まり、静電力増加の効果がほとんど無い事が分かる。
このように本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に設けた段部外周形状を正六角形としたので、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を他の多角形状とした場合より一層増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
また、本発明の静電型超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に設けた多角形状、特に正六角形状の段部をハニカム状に配置することにより、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積をより一層増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
また、図2、図4の各構成例に示した、固定電極に形成された複数個の貫通穴は、各々同一サイズとしてもよい。
また、前記複数個の貫通穴は、各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズを有するようにしてもよい。
本実施形態に係る超音波トランスデューサを構成する固定電極は、単一の導電性部材で構成してもよいし、複数の導電性部材で形成してもよい。
また、本実施形態に係る超音波トランスデューサを構成する固定電極は、導電性部材と絶縁部材から構成してもよい。
具体的には、本実施形態に係る超音波トランスデューサの固定電極の材質は導電性であればよく例えばSUSや真鍮、鉄、ニッケルの単体構成も可能である。
また、軽量化を図る必要があるため、回路基板などで一般的に用いられるガラスエポシキ基板や紙フェノール基板に所望の穴加工を施した後、ニッケルや金、銀、銅などでメッキ処理をすることなども可能である。また、この場合成型後のソリを防止するために基板へのメッキ加工は両面に施すなどの工夫も有効である。
ただし、振動膜12に、両面電極蒸着膜やエレクトレットフィルムを使う場合は、図1に示した超音波トランスデューサ1において、一対の固定電極10A,10Bの振動膜12側には何らかの絶縁処理が必要となる。例えば、アルミナ、珪素ポリマー系材料、アモルファス・カーボン膜、SiOなどで絶縁薄膜処理を施すなどの必要がある。
次に、振動膜12について説明する。振動膜12の機能は常に同極性の電荷を蓄積しておき(+の極性でも−の極性でもかまわない)、交流電圧で変化する固定電極10A,10B間で静電力により振動することである。本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサにおける振動膜12の具体的構成例を、図4を参照して説明する。
図4(a)は絶縁フィルム120の両面に電極蒸着処理を施し、電極層121を形成した振動膜12の断面構造を示している。中心の絶縁フィルム120は高分子材料、例えばポリ・エチレン・テレフタレート(PET)、ポリ・エステル、ポリ・エチレン・ナフタレート(PEN)、ポリ・フェニレン・サルファイド(PPS)などが伸縮性、電気耐圧的に好ましい。
電極層121を形成する電極蒸着材料はAlが最も一般的で、その他、Ni、Cu、SUS、Tiなどが上記高分子材料との相性、コストなどの面から望ましい。振動膜12を形成する絶縁フィルム120としての絶縁性高分子フィルムの厚みは駆動周波数や固定電極に設けた穴サイズなどにより最適値が異なるため一意には決めかねるが、一般には1μm以上100μm以下の範囲でおおよそ十分であると思われる。
電極層121としての電極蒸着層の厚みも40nm〜200nmの範囲が望ましい。電極厚みは薄すぎると電荷がほとんど蓄積できず、また厚すぎると膜が硬くなって振幅が小さくなるという問題につながってしまう。また、電極材料としては透明導電膜ITO/In,Sn,Zn酸化物などでも良い。
図4(b)は電極層121を絶縁フィルム120としての絶縁性高分子フィルムで挟み込んだ構造を示している。このときの電極層121の厚みも図4(a)の場合と同様に40nm〜200nmの範囲が望ましい。また、電極層121それを挟む絶縁フィルム120の材質、厚さも図4(a)の両面電極蒸着膜と同様にポリ・エチレン・テレフタレート(PET)、ポリ・エステル、ポリ・エチレン・ナフタレート(PEN)、ポリ・フェニレン・サルファイド(PPS)、1μm以上100μm以下が望ましい。
図4(c)は片面電極蒸着膜を電極面が接触するように2枚張り合わせたものである。このときの絶縁膜および電極部の条件は上述した他の振動膜と同様の条件が望ましい。
また、振動膜12には数百ボルトの直流バイアス電圧が必要となるが、膜ユニット作製時に振動膜12の膜表面上における直角四方向に張力をかけて固定することにより、前記バイアス電圧は低減できる。
これはあらかじめ膜に張力をかけておくことで、従来バイアス電圧が担っていた引っ張り張力と同様の作用をもたらすためであり、低電圧化のためには非常に有効な手段である。
この場合も膜電極材料としては、Alが最も一般的で、その他、Ni、Cu、SUS、Tiなどが上記高分子材料との相性、コストなどの面から望ましい。さらに透明導電膜ITO/In,Sn,Zn酸化物などでも良い。
次に、上記固定電極あるいは振動膜の固定材料であるが、アクリル、ベークライト、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)樹脂(POM)などのプラスチック系材料が、軽量、非導電性という観点から好ましい。
次に、本発明の実施形態に係る超音波スピーカの構成を図8に示す。本実施形態に係る超音波スピーカは、上述した本発の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサ(図1)を超音波トランスデューサ55として用いたものである。
図8において、本実施形態に係る超音波スピーカは、可聴波周波数帯の信号波を生成する可聴周波数波発振源(信号源)51と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波発振源(キャリア波供給手段)52と、変調器(変調手段)53と、パワーアンプ54と、超音波トランスデューサ55とを有している。
変調器53は、キャリア波発振源52から出力されるキャリア波を可聴周波数波発振源51から出力される可聴波周波数帯の信号波により変調し、パワーアンプ54を介して超音波トランスデューサ55に供給する。
上記構成において、可聴周波数波発振源51より出力される信号波によってキャリア波発振源52から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調器53により変調し、パワーアンプ54で増幅した変調信号により超音波トランスデューサ55を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ55により有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が自己再生される。
すなわち、音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分な顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波周波数帯)とに波形分離され、可聴波周波数帯の信号波(信号音)が再生される。
以上のように高音圧の広帯域性が確保されると様々な用途にスピーカとして利用することが可能となる。超音波は空中では減衰が激しく、その周波数の二乗に比例して減衰する。したがって、キャリア周波数(超音波)が低いと減衰も少なくビーム状に遠くまで音の届く超音波スピーカを提供することができる。
逆にキャリア周波数が高いと減衰が激しいのでパラメトリックアレイ効果が十分に起きず、音が広がる超音波スピーカを提供することができる。これらは同じ超音波スピーカでも用途に応じて使い分けることが可能なため大変有効な機能である。
また、ペットとして人間と生活をともにすることの多い犬は40kHzまで、猫は100kHzまでの音を聴くことが可能であるため、それ以上のキャリア周波数をもちいれば、ペットに及ぼす影響もなくなるという利点も有する。いずれにせよ色々な周波数で利用できるということは多くのメリットをもたらす。
本発明の実施形態に係る超音波スピーカによれば、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができる。
また、上記構成の静電型超音波トランスデューサを用いて構成したので、すなわち、前記一対の固定電極に形成された穴を貫通穴とし、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたので、振動膜と対向する固定電極において静電力が作用する対向面積を増加させることができ、これにより大きな膜振動を得ることができる。
本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサは、各種センサ、例えば、測距センサ等に利用可能であり、また、既述したように、指向性スピーカ用の音源や、理想的なインパルス信号発生源等に利用可能である。
本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を示す図。 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサにおける固定電極の形状の具体例を示す説明図。 固定電極に形成された貫通穴の外周部を振動膜側から見た平面図。 固定電極に形成された貫通穴の外周部を振動膜側から見た平面図。 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサにおける振動膜の構造の具体例を示す説明図。 本発明の実施形態に係る超音波スピーカの構成を示すブロック図。 従来の共振型の超音波トランスデューサの構成を示す図。 従来の静電型の広帯域発振型超音波トランスデューサの具体的構成を示す図。 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサの周波数特性を従来の超音波トランスデューサの周波数特性と共に示した図。
符号の説明
1…超音波トランスデューサ、10A,10B…固定電極、12…振動膜、14…穴、16…直流バイアス電源、18…信号源、51…可聴周波数波発振源、52…キャリア波発振源、53…変調器、54…パワーアンプ、55…超音波トランスデューサ、120…絶縁フィルム、121…電極層。

Claims (17)

  1. 複数の穴が形成された第1の固定電極と、
    前記第1の固定電極と対をなす複数の穴が形成された第2の固定電極と、
    前記一対の固定電極に挟持され導電層を有し、該導電層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、
    前記一対の固定電極と前記振動膜を保持する保持部材とを有し、
    前記一対の固定電極間には交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、
    前記一対の固定電極に形成された穴は貫通穴であり、前記一対の固定電極の各々の振動膜側における貫通穴外周に多角形状の段部を設けたことを特徴とする静電型超音波トランスデューサ。
  2. 前記段部外周形状は正六角形であることを特徴とする請求項1に記載の静電型超音波トランスデューサ。
  3. 前記段部をハニカム状に配置したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  4. 前記複数の貫通穴は、各々同一サイズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  5. 前記複数の貫通穴は、各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  6. 前記一対の固定電極は、単一の導電性部材からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  7. 前記一対の固定電極は、複数の導電性部材からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  8. 前記一対の固定電極は、導電性部材と絶縁部材とからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  9. 前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された薄膜であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  10. 前記振動膜は、電極層が2枚の絶縁性高分子フィルムで挟むように形成された薄膜であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  11. 前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜を2枚使用し、各々電極層同士を密着させて構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  12. 前記振動膜は、エレクトレットフィルムを用いていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  13. 請求項9または請求項12に記載の振動膜を用いる場合は、前記一対の固定電極の各々振動膜側に電気的絶縁処理を施すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  14. 前記振動膜には、単一極性の直流バイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  15. 前記固定電極と前記振動膜を保持する部材は絶縁材料で構成することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  16. 前記振動膜は膜表面上における直角四方向に張力をかけて固定されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。
  17. 請求項1乃至16のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサと、
    可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、
    超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、
    前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、
    前記静電型超音波トランスデューサは、前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする超音波スピーカ。

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