JP2006262092A - 超音波トランスデューサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動膜の振動部分に対する応力の対称性を確保し、非対称歪による歪音の発生を低減することができ、また、超音波トランスデューサを構成する構造部品の組立時に、振動膜の超音波を発生させる部分の位置合わせ工程を必要としない、簡易な構成の静電型の超音波トランスデューサを提供する。
【解決手段】 振動膜の振動により超音波信号を発生させる超音波トランスデューサであって、振動膜の振動音を伝達する複数の貫通穴を形成した平板状の単一の支持部材と、前記単一の支持部材を挟持するように該支持部材の両面に吸着される、導電層が形成された第1と第2の2つの振動膜と、前記第1と第2の振動膜との間に直流バイアス電圧を印加する共に、該直流バイアス電圧に交流信号を重畳させる手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 振動膜の振動により超音波信号を発生させる超音波トランスデューサであって、振動膜の振動音を伝達する複数の貫通穴を形成した平板状の単一の支持部材と、前記単一の支持部材を挟持するように該支持部材の両面に吸着される、導電層が形成された第1と第2の2つの振動膜と、前記第1と第2の振動膜との間に直流バイアス電圧を印加する共に、該直流バイアス電圧に交流信号を重畳させる手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、超音波トランスデューサに関し、特に、振動膜の振動部分に対する応力の対称性を確保し、非対称歪による歪音の発生を低減することができる、静電型の超音波トランスデューサに関するものである。
従来より静電型の超音波トランスデューサ(静電トランスデューサ)は高周波数帯域にわたって高い音圧を発生可能な広帯域発振型超音波トランスデューサとして知られている。
図5に、静電型の超音波トランスデューサの例を示す。図5において、超音波トランスデューサ20は、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極21A、21Bと、一対の固定電極に挟持され、導電層である電極層22Bを有する振動膜22と、一対の固定電極21A、21Bと振動膜22を保持する部材(図示せず)とを有している。
振動膜22は、3〜20μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の絶縁膜(誘電体)で形成され、アルミ箔等の導電性材料で形成された電極層22Bを有しており、該電極層22Bには、直流バイアス電源25により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい。)の直流バイアス電圧が印加されるようになっており、さらに、この直流バイアス電圧に重畳して信号源26から出力される交流信号が印加されるようになっている。
一方、一対の固定電極21A、21Bには、信号源26より交流信号が印加される。この結果、信号源26から出力される交流信号の正の半サイクルでは、固定電極21Aに正の電圧が印加されるために、振動膜22の固定電極で挟持されていない表面部分23Aには、静電反発力が作用し、表面部分23Aは、図5上、下方に引っ張られる。また、このとき、対向する固定電極21Bには、負の電圧が印加されるために、振動膜22の前記表面部分23Aの裏面側である裏面部分23Bには、静電吸引力が作用し、裏面部分23Bは、図5上、さらに下方に引っ張られる。
したがって、振動膜22の一対の固定電極21A、21Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。これは、信号源26から出力される交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜22の表面部分23Aには図5上、上方に静電吸引力が、また裏面部分23Bには、図5上、上方に静電反発力が作用し、振動膜22の一対の固定電極21A、21Bにより扶持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜22が同方向に静電反発力と静電斥力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化するので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。
このように、図5に示す超音波トランスデューサ1は、振動膜22が一対の固定電極21A、21Bから力を受けて振動することからプッシュプル(Push−Pull)型と呼ばれている。
しかしながら、図5に示すプッシュプル型の超音波トランスデューサにおいては、超音波帯の振動を実現するためには振動膜22の振動部分の穴径を数mm以下にする必要があり、固定電極21A、21Bに対する加工精度や、固定電極同士を組立てる際の位置ずれ等により、振動部分の構造が膜を挟んで非対称となりやすい問題がある。
図6は、固定電極の構造が非対称になる例を示す図であり、図6(a)に示すように、上下の固定電極21A、21Bの穴の位置がずれる場合や、図6(b)に示すように、上下の固定電極21A、21Bに反りが生じる場合がある。
このように、上下の固定電極21A、21Bの構造が非対称になると、そこに生じる静電力も非対称となり、膜振動における非対称歪が発生し、この非対称歪による歪音(可聴音等)の発生につながってくるという問題があった。
なお、超音波トランスデューサについての従来技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。この特許文献1の従来技術は、歪みを低減し、効率を改善した、従来システムのキャリア周波数よりも十分に高いキャリア周波数を有するパラメトリックオーディオシステムを提供することを目的としたものである。また、特許文献2の従来技術は、効率が良く動作帯域の広いトランスデューサを提供することを目的としたものである。しかしながら、上記特許文献1、2の従来技術は、固定電極が一枚の振動膜の一方の面側だけに配置された超音波トランスデューサを対象としたものであり、本発明とは対象となる超音波トランスデューサの種類が異なり、また、本発明は一対の固定電極の構造の非対称性に起因する膜振動における非対称歪の発生の問題を解決しようとするものであり、本発明と従来技術とは、発明の目的と構成が異なるものである。
特開2000−50387号公報
特開2000−50392号公報
上述したように、図5に示すような上下の固定電極が振動膜を挟んで対向配置される構造では、固定電極に対する加工精度や、固定電極同士を組立てる際に位置ずれ等が起きるという課題があり、また、固定電極自体が反ってしまうことにより非対称性が生じる場合があるという課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、振動膜の振動部分に対する応力の対称性を確保することにより、振動膜の非対称歪による歪音(可聴音等)の発生を低減するとともに、超音波トランスデューサを構成する構造部品の組立時に、振動膜の振動部分に対する応力の対称性を確保するための位置合わせ工程を必要としない簡易な構成の超音波トランスデューサを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の超音波トランスデューサは、振動膜の振動により超音波信号を発生させる超音波トランスデューサであって、振動膜の振動音を伝達する複数の貫通穴を形成した平板状の単一の支持部材と、前記単一の支持部材を挟持するように該支持部材の両面に吸着される、導電層が形成された第1と第2の2つの振動膜と、前記第1と第2の振動膜との間に直流バイアス電圧を印加する共に、該直流バイアス電圧に交流信号を重畳させる手段とを備えることを特徴とする。
このように構成した超音波トランスデューサでは、従来の上下の固定電極と振動膜と間に静電駆動力を印加し、上下の固定電極に開けた穴の部分の振動膜を振動させて超音波を発生させる方法の代わりに、複数の貫通穴を設けた単一の支持部材の両面に2枚の振動膜を配置し、この2枚の振動膜に静電駆動力を印加し、支持部材の貫通穴の部分の振動膜を振動させて超音波を発生させるようにする。したがって、2枚の振動膜間の振動部分に対する応力の対称性を確実に確保することができ、非対称歪による歪音の発生を低減することができる。また、超音波トランスデューサを構成する構造部品の組立時に、振動膜の超音波を発生する部分の位置合わせ工程を必要としない簡易な構成の静電型の超音波トランスデューサの提供が可能となる。
このように構成した超音波トランスデューサでは、従来の上下の固定電極と振動膜と間に静電駆動力を印加し、上下の固定電極に開けた穴の部分の振動膜を振動させて超音波を発生させる方法の代わりに、複数の貫通穴を設けた単一の支持部材の両面に2枚の振動膜を配置し、この2枚の振動膜に静電駆動力を印加し、支持部材の貫通穴の部分の振動膜を振動させて超音波を発生させるようにする。したがって、2枚の振動膜間の振動部分に対する応力の対称性を確実に確保することができ、非対称歪による歪音の発生を低減することができる。また、超音波トランスデューサを構成する構造部品の組立時に、振動膜の超音波を発生する部分の位置合わせ工程を必要としない簡易な構成の静電型の超音波トランスデューサの提供が可能となる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記単一の支持部材の一方の面に前記第1の振動膜を接着し、他方の面に前記第2の振動膜を接着することにより、前記単一の支持部材に前記第1および第2の振動膜を固着するように構成したことを特徴とする。
このように構成した超音波トランスデューサでは、第1および第2の振動膜は、単一の支持部材の両面に接着して固定される。したがって、超音波トランスデューサの組み立てが容易に行なえる。
このように構成した超音波トランスデューサでは、第1および第2の振動膜は、単一の支持部材の両面に接着して固定される。したがって、超音波トランスデューサの組み立てが容易に行なえる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記単一の支持部材の貫通穴の部分と前記第1および第2の振動膜とで形成される閉空間を負圧にすることにより、前記単一の支持部材に前記第1および第2の振動膜を吸着させるように構成したことを特徴とする。
このように構成した超音波トランスデューサでは、支持部材と振動膜とで構成される閉空間を負圧(周囲の気圧に対して負圧)として、吸引力により振動膜と支持部材とを固定するように構成される。したがって、接着剤を使用することなく支持部材と振動膜とを固定でき、超音波トランスデューサの組み立て工程がさらに簡単となる。
このように構成した超音波トランスデューサでは、支持部材と振動膜とで構成される閉空間を負圧(周囲の気圧に対して負圧)として、吸引力により振動膜と支持部材とを固定するように構成される。したがって、接着剤を使用することなく支持部材と振動膜とを固定でき、超音波トランスデューサの組み立て工程がさらに簡単となる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記単一の支持部材を導電性の材料で形成するか、または該支持部材が導電層を含むように形成し、前記支持部材と前記第1の振動膜との間、および前記支持部材と前記第2の振動膜との間に直流バイアス電圧を印加することにより、前記支持部材に前記第1および第2の振動膜を吸着させるように構成したことを特徴とする。
このように構成した超音波トランスデューサでは、支持部材を導電性の材料で構成し、支持部材と振動膜との間に直流バイアス電圧を与え、静電吸引力により振動膜と支持部材とを固定する。したがって、接着剤を使用することなく支持部材と振動膜とを固定でき、超音波トランスデューサの組み立て工程がさらに簡単となる。
このように構成した超音波トランスデューサでは、支持部材を導電性の材料で構成し、支持部材と振動膜との間に直流バイアス電圧を与え、静電吸引力により振動膜と支持部材とを固定する。したがって、接着剤を使用することなく支持部材と振動膜とを固定でき、超音波トランスデューサの組み立て工程がさらに簡単となる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本発明の実施の形態に係わる超音波トランスデューサの構成例を図1に示す。
図1は、本発明の超音波トランスデューサの構成例を示す図である。図1に示す超音波トランスデューサ1は、単一の円形平板状の支持部材2と、その支持部材2を面側から挟む形で配置される上部の振動膜3と下部の振動膜4とで構成される。支持部材2には振動穴の形状を構成する貫通穴2Aが複数設けられている。また、支持部材2および振動膜3、4は、枠部材5、6等のケーシング材により収納される。
このような構成により、振動穴の形状が単一の支持部材2の貫通穴2Aにより決定されるため、構造的な非対称がなくなり、振動膜3、4の振動部分の対称性が容易に確保されることになる。このため、図5に示したような固定電極の位置合わせ等の必要がなくなる。
なお、支持部材2に使用する材料としては、樹脂、ガラス、セラミック、鉄、銅等の無機材料、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機材料などが使用できる。
また、振動膜3、4としては、3〜20μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の誘電体(絶縁体)が用いられる。また、振動膜3、4の中心部にはアルミ等の金属箔として形成される蒸着層(電極層)が形成されている。また、支持部材2の貫通穴2Aの穴径半径は、450μm〜1050m程度で構成することにより、40kHz〜50kHz付近の音圧ピークを持つ超音波トランスデューサを構成することができる。
図2は、図1に示す超音波トランスデューサの断面を示す図である。図2に示すように、振動膜3は、電極層3AをPET等の絶縁膜3B、3Cで全体を覆う形態で構成され、同様にして、振動膜4も電極層4AをPET等の絶縁膜4B、4Cで全体を覆う形態で構成されている。
また、振動膜3、4は、接着層7により支持部材2に接着されており、接着剤としては無機接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、ゴム系接着剤、構造用接着剤、耐熱性接着剤、シアノアクリレート、嫌気性接着剤、合成水溶性接着剤、エマルジョン接着剤、液状ポリマー接着剤などが使用できるが、接着材料としては特に種類の制限はなく、支持部材2と振動膜3、4とを確実に接着できればよく、支持部材2の材質、大きさ、形状、構造等に応じて適宜に選択することができる。
なお、振動膜3、4に使用される円形膜(貫通穴の部分)の共振周波数の理論式は次式で表される。
f=(unm/2πa)√(T/ρ)、
ここで、fは共振周波数(Hz)、
aは 穴半径(m)、unmはベッセル関数Jo(x)の解(2.405, 5.520, ・・・)、
ρは密度(kg/m^3)・・・ 1.39E+03(PET)、
Tは応力(Pa)・・・ 3.17E+06(PET)、
を示している。
f=(unm/2πa)√(T/ρ)、
ここで、fは共振周波数(Hz)、
aは 穴半径(m)、unmはベッセル関数Jo(x)の解(2.405, 5.520, ・・・)、
ρは密度(kg/m^3)・・・ 1.39E+03(PET)、
Tは応力(Pa)・・・ 3.17E+06(PET)、
を示している。
例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)を振動膜とした場合、40kHz〜50kHz付近を音圧ピークとするには、一次共振周波数または 二次共振周波数に対応する穴径半径は、450μm〜1050μmとなり非常に小さな振動穴となる。
また、図2に示すように、振動膜3、4と支持部材2とは接着層7により接着されて固定された構成としているが、支持部材2の他に押さえ部材を2つ用意して、この押さえ部材により、振動膜3、4のそれぞれを外側から支持部材2に押さえ込むように構成することも可能である。
また、図4に示すように、直流バイアス電源11により、支持部材2と電極層3Aとの間に直流バイアス電圧を印加し、静電吸引力により振動膜3と支持部材2とを吸着させ、また、直流バイアス電源12により、支持部材2と電極層4Aとの間に直流バイアス電圧を印加し、静電吸引力により振動膜4と支持部材2とを吸着させるようにしてもよい。また、支持部材2と振動膜3と振動膜4とで形成される閉空間(膜間領域)10を負圧(周囲の気圧に対して負圧)とするようにして、振動膜3、4と支持部材2に吸着させるようにしてもよい。
また、図3は、振動膜の静電力駆動を行なうための回路構成例を示す図である。
前述したように、振動膜3、4は、3〜20μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の絶縁体で形成され、内部にアルミ箔等の導電性材料で形成された電極層3A、4Aを有している。該電極層3A、4Aには、直流バイアス電源8により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい。)の直流バイアス電圧が印加されるようになっており、さらに、この直流バイアス電圧に重畳して信号源9から出力される交流信号が印加されるようになっている。なお、直流バイアス電圧は交流信号の電圧よりも十分大きくなるように設定されている。
前述したように、振動膜3、4は、3〜20μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の絶縁体で形成され、内部にアルミ箔等の導電性材料で形成された電極層3A、4Aを有している。該電極層3A、4Aには、直流バイアス電源8により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい。)の直流バイアス電圧が印加されるようになっており、さらに、この直流バイアス電圧に重畳して信号源9から出力される交流信号が印加されるようになっている。なお、直流バイアス電圧は交流信号の電圧よりも十分大きくなるように設定されている。
上記構成において、超音波トランスデューサ1は、振動膜3、4の電極層3A、3Bに、直流バイアス電源8により単一極性(電極層3Aが+側)の直流バイアス電圧に信号源9から出力される交流信号が重畳された状態で印加される。なお、直流バイアス電圧は交流信号の電圧よりも十分大きくなるように設定されている。
この結果、直流バイアス電源8により、振動膜3の電極層3Aには正(+)電圧が与えられ、振動膜4の電極層4Aには負(−)電圧が与えられることにより、振動膜3と振動膜4との間には、常時、一定レベルの静電吸引力が働いており、振動膜3と振動膜4とは内部方向(振動膜3は矢印aで示す方向、振動膜4は矢印bに示す方向)に向かって常時、互いに引っ張られている。
そして、信号源9から出力される交流信号の正の半サイクルでは、振動膜3の電極層3Aには交流信号の正の電圧がさらに印加され、振動膜4の電極層4Aには交流信号の負の電圧が印加されるために、電極層3Aと電極層4Aとの電位差が増大し、振動膜3と振動膜4との静電吸引力は増大し、振動膜3と振動膜4とはさらに内部方向に向かって引っ張られることになる。
また、信号源9から出力される交流信号の負の半サイクルについては、振動膜3の電極層3Aには、直流バイアス電源8の正電圧に交流信号の負電圧を加えた電圧が加わるため、電極層3Aの正電圧が減少し、また、振動膜4の電極層4Aには交流信号の正電圧が印加されるために、電極層3Aと電極層4Aとの電位差が減少し、振動膜3と振動膜4との静電吸引力が減少し、振動膜3と振動膜4とは外側方向に向かって戻されることになる。
このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜3、4の接着層7で固定されていない部分が図上で上下に振動し、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。
以上説明したように、本発明の超音波トランスデューサにおいては、複数の貫通穴2Aを有する単一の支持部材2を使用し、この単一の支持部材2の両面に振動膜3、4を配置することにより、2枚の振動膜3、4の振動部分に対する応力の対称性を確実に確保することができ、振動膜3、4の非対称歪による歪音の発生を低減することができる。また、超音波トランスデューサを構成する構造部品の組立時に、振動膜の振動部分に働く応力の対称性を確保するための位置合わせ工程を必要としない、簡易な構成の静電型の超音波トランスデューサを提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の超音波トランスデューサは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 超音波トランスデューサ、 2 支持部材、 2A 貫通穴
3、4 振動膜、 3A、4A 電極層、 3B、3C、4B、4C 絶縁膜
5、6 枠部材、 7 接着層、 8 直流バイアス電源、 9 信号源
10 閉空間、 11、12 直流バイアス電源
3、4 振動膜、 3A、4A 電極層、 3B、3C、4B、4C 絶縁膜
5、6 枠部材、 7 接着層、 8 直流バイアス電源、 9 信号源
10 閉空間、 11、12 直流バイアス電源
Claims (4)
- 振動膜の振動により超音波信号を発生させる超音波トランスデューサであって、
振動膜の振動音を伝達する複数の貫通穴を形成した平板状の単一の支持部材と、
前記単一の支持部材を挟持する形態で該支持部材の両面に配置される、導電層が形成された第1と第2の2つの振動膜と、
前記第1と第2の振動膜との間に直流バイアス電圧を印加する共に、該直流バイアス電圧に交流信号を重畳させる手段と
を備えることを特徴とする超音波トランスデューサ。 - 前記単一の支持部材の一方の面に前記第1の振動膜を接着し、他方の面に前記第2の振動膜を接着することにより、前記単一の支持部材に前記第1および第2の振動膜を固着するように構成したこと
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。 - 前記単一の支持部材の貫通穴の部分と前記第1および第2の振動膜とで形成される閉空間を負圧にすることにより、前記単一の支持部材に前記第1および第2の振動膜を吸着させるように構成したこと
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。 - 前記単一の支持部材を導電性の材料で形成するか、または該支持部材が導電層を含むように形成し、
前記支持部材と前記第1の振動膜との間、および前記支持部材と前記第2の振動膜との間に直流バイアス電圧を印加することにより、前記支持部材に前記第1および第2の振動膜を吸着させるように構成したこと
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
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CN112714371A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-04-27 | 松山湖材料实验室 | 平板静电音箱 |
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---|---|---|---|---|
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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