JP5711860B1 - 圧電式発音体及び電気音響変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電素子の外部電極がショートすることを防止可能な圧電式発音体を提供する。【解決手段】圧電式発音体は、圧電素子と、振動板とを具備する。上記圧電素子は、実装面を有する素体と、上記実装面上に形成され、相互に離間している第1及び第2の端子部とを有する。上記振動板は、上記圧電素子に接合され、上記実装面に対向する主面を有する導電性の本体部と、上記主面の上記第1の端子部に対向する領域に形成され上記本体部と上記第1の端子部との間に間隔を形成する有底又は無底の第1の孔部とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、イヤホン、ヘッドホン、携帯情報端末等に適用可能な圧電式発音体及び電気音響変換装置に関する。
圧電式発音体は、簡易な電気音響変換手段として、例えば、イヤホンやヘッドホンのような音響機器、携帯情報端末のスピーカなどとして広く利用されている。特許文献1には、金属材料からなる振動板に圧電素子が接合された構成を有する圧電式発音体が開示されている。
上記構成を有する圧電式発音体は、圧電素子の2つの外部電極に入力される再生信号に基づいて振動板を振動させることによって、再生信号に応じた音波を発生させることが可能である。
特開2013−150305号公報
圧電素子の各外部電極の簡便な形成方法としてディップ法が知られている。しかしながら、ディップ法で形成された外部電極は素体から突出するため、圧電素子が振動板に接合されると2つの外部電極がいずれも導電性の振動板に接触してしまう場合がある。この場合、2つの外部電極が振動板を介してショートしてしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、圧電素子の外部電極がショートすることを防止可能な圧電式発音体及び電気音響変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る圧電式発音体は、圧電素子と、振動板とを具備する。
上記圧電素子は、実装面を有する素体と、上記実装面上に形成され、相互に離間している第1及び第2の端子部とを有する。
上記振動板は、上記圧電素子に接合され、上記実装面に対向する主面を有する導電性の本体部と、上記主面の上記第1の端子部に対向する領域に形成され上記本体部と上記第1の端子部との間に間隔を形成する有底又は無底の第1の孔部とを有する。
この構成により、圧電素子の第1の端子部が振動板の導電性の本体部と導通しないため、圧電素子の第1の端子部と第2の端子部とがショートすることを防止することができる。
また、圧電素子の第1の端子部に実装面から突出する凸部がある場合にも、当該凸部が振動板の第1の孔部に入り込み、圧電素子の実装面と振動板の主面とが良好に面接触するため、圧電素子が発生させる振動が振動板に良好に伝達される。このため、圧電素子の第1の端子部を形成する方法として、ディップ法などの凸部が生じるような方法を採用可能となる。
上記第2の端子部は上記実装面から突出する凸部を有してもよい。
上記振動板は、上記凸部に嵌合する有底又は無底の第2の孔部を更に有してもよい。
この構成により、圧電素子の第2の端子部の凸部が振動板の第2の孔部に入り込み、圧電素子の実装面と振動板の主面とが良好に面接触するため、圧電素子が発生させる振動が振動板に良好に伝達される。このため、圧電素子の第2の端子部を形成する方法として、ディップ法などの凸部が生じるような方法を採用可能となる。
上記第2の孔部は、上記本体部に対する上記凸部の相対位置を規制する規制部を有してもよい。
この構成では、圧電素子の第2の端子部の凸部の相対位置が、振動板の第2の孔部の規制部によって規制されるため、振動板と圧電素子との相対位置を簡単かつ正確に合わせることができるようになる。
上記第1の孔部及び上記第2の孔部は、相互に線対称又は点対称となる位置に形成されていてもよい。
この構成により、振動板の振動がより等方的になるため、振動板がより良好な音波を生成可能となる。
上記振動板は、その厚さ方向に貫通する単数又は複数の第3の孔部を更に有してもよい。
この構成により、圧電式発音体以外の発音体が発生させる音波が第3の孔部を通過可能となる。これにより、圧電式発音体と、これ以外の発音体とを含む電気音響変換装置においてより良好な音響を生成可能となる。
上記主面は円形状であり、上記実装面は多角形状であってもよい。
この構成により、振動板における少なくとも圧電素子の実装面の各辺に隣接する位置に第3の孔部を設けるスペースが確保される。したがって、この構成では、第3の孔部を設けるために圧電素子を小型化する必要がなく、圧電素子の機能がより良好に担保される。
上記第1の孔部に絶縁性樹脂が充填されていてもよい。
この構成により、圧電素子の第1の端子部と振動板の本体部とが絶縁性樹脂によってより確実に絶縁されるようになる。
本発明の一形態に係る電気音響変換装置は、筐体と、圧電素子と、振動板と、電磁式発音体とを具備する。
上記圧電素子は、実装面を有する素体と、上記実装面上に形成され、相互に離間している第1及び第2の端子部とを有する。
上記振動板は、上記筐体に支持され、上記圧電素子に接合され、上記実装面に対向する主面を有する導電性の本体部と、上記主面の上記第1の端子部に対向する領域に形成され上記本体部と上記第1の端子部との間に間隔を形成する貫通孔部とを有する。
上記電磁式発音体は、上記筐体内に収容され、上記振動板に対向して配置されている。
上記貫通孔部は、上記電磁式発音体が発生させた音波を通す通音部として構成されていてもよい。
この構成により、電磁式発音体が発生させる音波が振動板の貫通孔部を通過可能となるため、圧電素子と振動板とにより構成される圧電式発音体と、電磁式発音体とを有する電気音響変換装置においてより良好な音響を生成可能となる。
圧電素子の外部電極がショートすることを防止可能な圧電式発音体及び電気音響変換装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電気音響変換装置の概略構成を示す側断面図である。 上記電気音響変換装置の電磁式発音体及び圧電式発音体の概略構成を示す分解側断面図である。 上記電気音響変換装置の概略構成を示す平面図である。 上記電気音響変換装置の圧電素子の概略構成を示す斜視図である。 上記圧電素子の図4のA−A'線に沿った断面図である。 上記電気音響変換装置の振動板の概略構成を示す平面図である。 上記電気音響変換装置の圧電式発音体の概略構成を示す平面図である。 上記圧電式発音体の図7のB−B'線に沿った部分断面図である。 上記圧電式発音体の図7のC−C'線に沿った部分断面図である。 上記圧電式発音体の図7のC−C'線に沿った部分断面図である。 第1の実施形態の変形例1に係る電気音響変換装置の概略構成を示す側断面図である。 上記変形例1に係る電気音響変換装置の圧電素子の概略構成を示す斜視図である。 上記変形例1に係る圧電素子の図10のD−D'線に沿った断面図である。 第1の実施形態の変形例2に係る電気音響変換装置の圧電素子の概略構成を示す斜視図である。 上記変形例2に係る電気音響変換装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電気音響変換装置の概略構成を示す側断面図である。 上記電気音響変換装置の圧電素子の概略構成を示す斜視図である。 上記圧電素子の図15のE−E'線に沿った断面図である。 上記電気音響変換装置の振動板の概略構成を示す平面図である。 上記電気音響変換装置の圧電式発音体の概略構成を示す平面図である。 上記圧電式発音体の図18のF−F'線に沿った部分断面図である。 本発明の実施形態に係る電気音響変換装置の構成の変形例を示す模式図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気音響変換装置としてのイヤホン100の概略構成を示す側断面図である。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[イヤホンの全体構成]
本実施形態に係るイヤホン100は、イヤホン本体10と、イヤピース20とを有する。イヤピース20は、イヤホン本体10の音道11に取り付けられるとともに、ユーザの耳に装着可能に構成される。
イヤホン本体10は、発音ユニット30と、発音ユニット30を収容するハウジング40とを有する。発音ユニット30は、電磁式発音体31と、圧電式発音体32とを有する。ハウジング40は、筐体41と、カバー42とを有する。
[筐体]
筐体41は、有底の円筒形状を有し、典型的には、プラスチックの射出成形体で構成される。筐体41は、発音ユニット30を収容する内部空間を有し、その底部410には、上記内部空間と連通する音道11が設けられている。
筐体41は、圧電式発音体32の周縁部を支持する支持部411と、発音ユニット30の周囲を囲む側壁部412とを有する。支持部411及び側壁部412はいずれも環状に形成されており、支持部411は、側壁部412の底部近傍から内方側へ突出するように設けられている。支持部411は、XY平面に平行な平面で形成されており、圧電式発音体32の周縁部を直接又は他の部材を介して間接的に支持する。なお、支持部411は、側壁部412の内周面に沿って環状に配置された複数の柱体で構成されてもよい。
[電磁式発音体]
電磁式発音体31は、低音域を再生するウーハ(Woofer)として機能するスピーカユニットで構成される。電磁式発音体31は、例えば7kHz以下の音波を主として生成するダイナミックスピーカで構成され、ボイスコイルモータ(電磁コイル)等の振動体を含む機構部311と、機構部311を振動可能に支持する台座部312とを有する。台座部312は、筐体41の側壁部412の内径と略同一の外径を有する略円盤形状に形成され、側壁部412に嵌合する周面部31eを有する。
図2は筐体41への組み付け前の状態の発音ユニット30の概略構成を示す分解側断面図であり、図3は発音ユニット30の概略構成を示す平面図である。
電磁式発音体31は、圧電式発音体32とは反対側を向く第1の面31aと、圧電式発音体32に対向する第2の面31bとを有する円盤形状に形成されている。第2の面31bの周縁部には、圧電式発音体32の周縁部に接触可能に対向する脚部312aが設けられている。脚部312aは環状に形成されるが、これに限られず、複数の柱体で構成されてもよい。
第1の面31aは、台座部312の上面中央部に設けられた円盤状の隆起部31cの表面に形成される。第1の面31aには、発音ユニット30の電気回路を構成する回路基板33が固定されている。回路基板33の表面には、図3に示すように、各種配線部材と接続される複数の端子部331,332,333が設けられている。回路基板33は、典型的には配線基板で構成されるが、少なくとも各配線部材が接続される端子部を備えた基板であればよい。また、回路基板33は、第1の面31aに設けられる例に限られず、例えばカバー42の内壁部等の他の部位に設けられてもよい。
各端子部331,332,333は、それぞれ一対ずつ設けられている。端子部331は、図示しない再生装置から送信される再生信号を入力する配線部材C1がそれぞれ接続される。端子部332は、配線部材C2を介して電磁式発音体31の入力端子313にそれぞれ電気的に接続される。端子部333は、配線部材C3を介して圧電式発音体32の入力端子327a,327bにそれぞれ電気的に接続される。なお、各配線部材C2,C3は、回路基板33を介さずに配線部材C1に直結されてもよい。
[圧電式発音体]
(全体構成)
圧電式発音体32は、高音域を再生するツイータ(Tweeter)として機能するスピーカユニットを構成する。本実施形態では、例えば7kHz以上の音波を主として生成するようにその発振周波数が設定される。圧電式発音体32は、振動板321と、圧電素子322とを有する。
振動板321は、金属(例えば42アロイ)等の導電材料で構成され、その平面形状は円形に形成される。振動板321の外径や厚みは特に限定されず、筐体41の大きさ、再生音波の周波数帯域などに応じて適宜設定される。振動板321の外径は、電磁式発音体31の外径よりも小さく設定され、例えば、振動板321の形状は、直径約12mm、厚み約0.2mmとすることができる。
振動板321は、必要に応じ、その外周から内周側に向けてくぼむ凹状やスリット状などに形成された切り欠き部を有していてもよい。なお、振動板321の平面形状は、概形が円形であれば、切り欠き部が形成されることなどにより厳密には円形でない場合にも、「円形」として扱うものとする。
図2に示すように、振動板321は、筐体41に支持される周縁部321cを有する。発音ユニット30は、筐体41の支持部411と振動板321の周縁部321cとの間に配置された環状部材34を更に有する。環状部材34は、電磁式発音体31の脚部312aを支持する支持面341を有する。環状部材34の外径は、筐体41の側壁部412の内径と略同一に形成される。
環状部材34を構成する材料は特に限定されず、例えば、金属材料、合成樹脂材料、ゴム等の弾性材料などで構成される。環状部材34がゴム等の弾性材料で構成される場合、振動板321の共振のぶれが抑制され、これにより振動板321の安定した共振動作を確保することができる。
振動板321は、電磁式発音体31に対向する第1の主面32aと、音道11側を向いている第2の主面32bと、を有する。本実施形態において圧電式発音体32は、振動板321の第1の主面32aにのみ圧電素子322が接合されたユニモルフ構造を有する。
これに限られず、圧電素子322は、振動板321の第2の主面32bに接合されてもよい。また、圧電式発音体32は、振動板321の両主面32a,32bに圧電素子322がそれぞれ接合されたバイモルフ構造で構成されてもよい。
(圧電素子)
図4は圧電素子322の概略構成を示す斜視図であり、図5は図4のA−A'線に沿った圧電素子322の断面図である。
圧電素子322は、素体328と、素体328に設けられ、X軸方向に相互に対向する第1の外部電極326a及び第2の外部電極326bとを有する。また、圧電素子322は、相互に対向するZ軸に垂直な第1の主面322a及び第2の主面322bを有する。圧電素子322の第2の主面322bは、振動板321の第1の主面32aに対向する実装面として構成される。
圧電素子322の平面形状(主面322a,322bの形状)は、本実施形態では矩形(長方形)とされるが、正方形や平行四辺形や台形などの他の四角形、あるいは四角形以外の多角形、あるいは円形や楕円形や長円形などであってもよい。圧電素子322の厚みも特に限定されず、例えば約50μmとされる。
素体328は、セラミックシート323と、内部電極層324a,324bとがZ軸方向に積層された構造を有する。つまり、内部電極層324a,324bは、セラミックシート323を挟んで交互に積層されている。セラミックシート323は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、アルカリ金属含有ニオブ酸化物等の圧電材料によって形成されている。内部電極層324a,324bは各種金属材料などの導電性材料によって形成されている。
外部電極326a,326bは、素体328のX軸方向の両端面に各種金属材料などの導電性材料によって形成されている。本実施形態では、外部電極326a,326bの形成方法として簡便であるディップ法を採用している。ディップ法で形成された外部電極326a,326bは、図4に示すように、それぞれ素体328の4辺から突出する。なお、図面では、説明の便宜上、外部電極326a,326bの突出を誇張して示している。
外部電極326a,326bの形成方法は、特定の方法に限定されず、ディップ法以外の塗布法やスパッタ法などであってもよい。更に、第1の外部電極326aの形成方法と、第2の外部電極326bの形成方法は、相互に異なっていてもよい。詳細は後述するが、本実施形態の構成は、圧電素子322において外部電極326a,326bの少なくとも一方が第2の主面322bから突出する場合に特に有効である。
素体328の第1の内部電極層324aは、第1の外部電極326aに接続されるとともに、セラミックシート323のマージン部によって第2の外部電極326bから絶縁されている。また、素体328の第2の内部電極層324bは、第2の外部電極326bに接続されるとともに、セラミックシート323のマージン部によって第1の外部電極326aから絶縁されている。
このような構成により、外部電極326a,326b間に交流電圧が印加されると、各内部電極層324a,324b間にある各セラミックシート323が所定周波数で伸縮する。これにより、圧電素子322は振動板321に付与する振動を発生させることができる。
(圧電式発音体の電気的接続構成)
以下、圧電式発音体32において、回路基板33から引き出される各配線部材C3を圧電素子322の各外部電極326a,326bに接続するための構成について説明する。
上述のとおり、圧電式発音体32には、各配線部材C3に接続される入力端子327a,327bが設けられている。圧電式発音体32では、第1の入力端子327aが第1の外部電極326aに接続され、第2の入力端子327bが第2の外部電極326bに接続される。
第1の入力端子327aと第1の外部電極326aとを接続するために、圧電素子322の第1の主面322aには、第1の外部電極326aから引き出された第1の引出電極層325aが設けられている。また、第2の入力端子327bと第2の外部電極326bとを接続するために、圧電素子322の第2の主面322bには、第2の外部電極326bから引き出された第2の引出電極層325bが設けられている。第1の引出電極層325aは第2の外部電極326bから離間し、第2の引出電極層325bは第1の外部電極326aから離間している。
図2に示すように、圧電素子322の第2の主面322bは、振動板321の対向面である第1の主面32aに接合されている。これにより、第2の引出電極層325bが振動板321に導通している。圧電素子322と振動板321との接合には、導電性接着剤やはんだを利用可能であり、第2の引出電極層325bと振動板321との接触を確保できる場合には絶縁性接着剤を利用することもできる。詳細は後述するが、圧電式発音体32は、第1の外部電極326aが振動板321と導通しないように構成されている。
第1の入力端子327aは、第1の引出電極層325a上に直接設けられている。第2の入力端子327bは、振動板321の第1の主面32a上に設けられ、振動板321の導電性の本体部を介して第2の引出電極層325bに接続されている。つまり、配線部材C3を介して再生信号の入力を受ける入力端子327a,327bは、それぞれ引出電極層325a,325bを介して外部電極326a,326bに接続されている。
このような構成により、圧電式発音体32は、回路基板33から配線部材C3を介して入力端子327a,327bに入力された再生信号に基づく音波を発生させることが可能である。
(振動板の孔部)
図6は振動板321の概略構成を示す平面図であり、図7は当該振動板321に圧電素子322が接合された圧電式発音体32の概略構成を示す平面図である。
振動板321の導電性の本体部には、第1の孔部35及び第2の孔部36が形成されている。本実施形態では、第1の孔部35及び第2の孔部36が、無底の貫通孔部として構成されるが、有底の凹状部として構成されていてもよい。
第1の孔部35は、圧電素子322の第1の外部電極326aに対向する領域に、第1の外部電極326aのX軸方向及びY軸方向における外形よりも大きい矩形状に形成されている。つまり、第1の外部電極326aはX軸方向及びY軸方向において第1の孔部35内に収まっている。第1の外部電極326aは、第1の孔部35の中央領域に配置されている。
図8Aは図7のB−B'線に沿った圧電式発音体32の部分断面図である。第1の外部電極326aはZ軸方向下方に突出する第1の凸部329aを有し、第1の凸部329aが圧電素子322の第2の主面322bから突出している。第1の外部電極326aの第1の凸部329aは、振動板321の第1の主面32aから第1の孔部35内に進入している。
このように、振動板321に第1の孔部35が形成されていることにより、第1の外部電極326aの第1の凸部329aは、圧電素子322の第2の主面322bから突出しているものの、圧電素子322の第2の主面322bによる振動板321の第1の主面32aに対する面接触を阻害しない。
また、振動板321の第1の孔部35によって、第1の外部電極326aと振動板321の本体部との間に間隔が形成されている。これにより、第1の外部電極326aと振動板321の本体部とが絶縁されている。
このように、第1の入力端子327aに接続される第1の端子部としての外部電極326aが振動板321の本体部から絶縁される。このため、第2の入力端子327bに接続される第2の端子部としての第2の引出電極層325b及び第2の外部電極326bが振動板321に導通する構成においても、第1の入力端子327aと第2の入力端子327bとが振動板321を介してショートすることがない。
なお、第1の外部電極326aの形成方法がディップ法以外の塗布法やスパッタリング法などで、外部電極326aに図8Aに示すような第1の凸部329aが生じない場合にも、振動板321における第1の孔部35の構成は有効である。つまり、第1の孔部35によって、外部電極326aの直下に振動板321の本体部が存在しなくなるため、外部電極326aを振動板321の本体部からより確実に絶縁することができる。
第2の孔部36は、圧電素子322の第2の外部電極326bに対向する領域に、第2の外部電極326bのX軸方向及びY軸方向における外形よりも大きい矩形状に形成されている。つまり、第2の外部電極326bはX軸方向及びY軸方向において第2の孔部36内に収まっている。
図8Bは図7のC−C'線に沿った圧電式発音体32の部分断面図である。第2の外部電極326bはZ軸方向下方に突出する第2の凸部329bを有し、第2の凸部329bが圧電素子322の第2の主面322bから突出している。第2の外部電極326bの第2の凸部329bは、振動板321の第1の主面32aから第2の孔部36内に進入している。
このように、振動板321に第1の孔部35が形成されていることにより、第2の外部電極326bの第2の凸部329bは、圧電素子322の第2の主面322bから突出しているものの、圧電素子322の第2の主面322bによる振動板321の第1の主面32aに対する面接触を阻害しない。
第2の外部電極326bの第2の凸部329bは、第2の孔部36の内壁面の内側部分にある規制部Pに接触している。圧電式発音体32の製造過程において、振動板321に圧電素子322を接合する際に、第2の外部電極326bの凸部329bを第2の孔部36の規制部Pに突き当てることにより、第1の外部電極326aが図8Aに示すように位置決めされる。このように、圧電式発音体32では、振動板321と圧電素子322との相対位置を簡単かつ正確に合わせることができる。
なお、第2の孔部36の規制部Pは、図8Bに示すような第2の孔部36の内壁面の内側部分にある構成に限らず、図8Cに示すような第2の孔部36の内壁面の外側部分にあってもよい。更に、振動板321と圧電素子322との相対位置を他の方法により合わせることが可能な構成においては、第2の孔部36に規制部Pを設けなくてもよい。つまり、第2の外部電極326bは振動板321の本体部から離間していてもよい。
第1の孔部35及び第2の孔部36の位置及び形状は、圧電素子322の外部電極326a,326bの位置や形状などに応じて適宜決定可能である。例えば、第1の孔部35及び第2の孔部36は、その短辺が円形状や楕円形状などの曲線状になるように形成されていてもよい。
ただし、第1の孔部35と第2の孔部36とは、相互に対称性を有するように形成されていることが好ましい。より具体的には、第1の孔部35と第2の孔部36とは、振動板321の中心点について相互に点対称となるように形成され、又は、振動板321の中心点を通る中心線について相互に線対称となるように形成されていることが好ましい。これにより、振動板321の振動がより等方的になるため、振動板321がより良好な音波を発生させることが可能となる。
(振動板の通音部)
図1に示すように、振動板321は、電磁式発音体31が配置された第1の空間部S1と、音道11が設けられた第2の空間部S2とを隔てている。したがって、第1の空間部S1が密閉されていると、所望とする周波数特性で低音域の音波を発生させることができない場合がある。具体的には、所定の周波数帯域におけるピークレベルの調整や、低音域の特性曲線と高音域の特性曲線との交差部(クロスポイント)における周波数特性の最適化などに対して、柔軟に対応することが困難となる。
このため、孔部35,36は、無底の貫通孔部として構成され、外部電極326a,326bより外側のマージン部がある程度大きく確保されていることが好ましい。この場合、孔部35,36が、第1の空間部S1にある電磁式発音体31が発生させる音波を第2の空間部S2に通過させる通音部として機能する。これにより、電磁式発音体31が発生させる音波が良好に音道11から放出されるようになる。
更に、振動板321には、その厚さ方向に貫通する第3の孔部37が形成されている。第3の孔部37は、孔部35,36の外側にそれぞれ隣接して形成された丸穴として構成され、電磁式発音体31が発生させる音波を更に良好に第2の空間部S2に通過させる通音部として機能する。
したがって、孔部35,36のみによって電磁式発音体31が発生させる音波を充分に第2の空間部S2に通過させることができる場合には、第3の孔部37を設ける必要がない。なお、第3の孔部37は、特定の構成(数や位置や形状など)に限定されないが、孔部35,36と同様に、相互に対称性を有するように形成されていることが好ましい。
振動板321に第3の孔部37を設ける観点から、圧電素子322の平面形状(主面322a,322bの形状)は、振動板321の平面形状(主面32a,32bの形状)である円形ではなく、矩形をはじめとする多角形であることが好ましい。これにより、振動板321には、少なくとも圧電素子322の各辺に隣接する位置に、第3の孔部37を設けるスペースが確保される。したがって、この構成では、振動板321に第3の孔部37を設けるために圧電素子322を小型化する必要がなく、圧電素子の機能がより良好に担保される。
また、本実施形態に係るイヤホン100では、振動板321における孔部35,36,37の構成(例えば孔部35,36,37の大きさや第3の孔部37の数など)によって、低音域の周波数特性を調整あるいはチューニングすることができる。つまり、所望とする低音域の周波数特性に応じて孔部35,36,37の構成を決定可能である。
[カバー]
カバー42は、筐体41の内部を閉塞するように側壁部412の上端に固定される。カバー42の内部上面には、電磁式発音体31を環状部材34に向けて押圧する押圧部421を有する。これにより、環状部材34は、電磁式発音体31の脚部312aと筐体41の支持部411との間に強固に挟持されるため、振動板321の周縁部321cを筐体41に一体的に接続することが可能となる。
カバー42の押圧部421は環状に形成され、その先端部は、弾性層422を介して、電磁式発音体31の隆起部31cの周囲に形成された環状の上面部31d(図2及び図3参照)に接触する。これにより、電磁式発音体31が、環状部材34の全周にわたって均一な力で押圧されることになり、筐体41の内部において発音ユニット30を適正に位置決めすることが可能となる。なお押圧部421は、環状に形成される場合に限られず、複数の柱体で構成されてもよい。
カバー42の所定位置には、回路基板33の端子部331に接続される配線部材C1を図示しない再生装置へ導出するためのフィードスルーが設けられている。
[配線部材C3の引出構造]
本実施形態においては、圧電式発音体32に接続される各配線部材C3は、振動板321の第1の主面32a側から引き出されるように構成される。すなわち圧電式発音体32の各入力端子327a,327bは、第1の空間部S1に臨んで配置されているため、これら配線部材C3を回路基板33上の端子部333に導くための引き回し経路が必要となる。そこで本実施形態では、電磁式発音体31の台座部312の側周面と、環状部材34とに、それぞれ配線部材C3を収容可能なガイド溝が設けられている。
図2に示すように、電磁式発音体31の周面部31e及び上面部31dには、第1の面31aと第2の面31bとの間で引き回される複数の配線部材C3を収容する第1のガイド溝31fが設けられている。これにより、電磁式発音体31の周面部31eと筐体41の側壁部412との間、及び、電磁式発音体31の上面部31dとカバー42の押圧部421との間において、配線部材C3を損傷させることなく容易に引き回すことが可能となる。
第1のガイド溝31fは、上面部31dにあっては径方向に、周面部31eにあっては高さ方向(Z軸方向)に沿ってそれぞれ形成されている。上面部31d及び周面部31eに形成される各ガイド溝31fは、相互に接続されている。第1のガイド溝31fは角溝で構成されるが、丸溝等の他の形状の凹溝で構成されてもよい。第1のガイド溝31fの形成位置は特に限定されないが、図3に示すように回路基板33の端子部333に近い位置に設けられるのが好ましい。
なお、カバー42の押圧部421が複数の柱体で構成される場合には、これら柱体間に配線部材C3を通すことができるため、上面部31dへのガイド溝31fの形成は省略することができる。
一方、環状部材34の支持面341には、複数の配線部材C3を収容可能な第2のガイド溝34aが設けられている。第2のガイド溝34aは、環状部材34の内周縁部と外周縁部との間を連絡するように径方向に直線的に形成される。第2のガイド溝34aは、発音ユニット30を筐体41の内部に組み込んだ状態において、第1のガイド溝31fと連通する位置に形成される。これにより、電磁式発音体31の脚部312aと環状部材34との間において、配線部材C3を損傷させることなく容易に引き回すことが可能となる。
[イヤホンの動作]
続いて、以上のように構成される本実施形態のイヤホン100の典型的な動作について説明する。
本実施形態のイヤホン100において、発音ユニット30の回路基板33には、配線部材C1を介して再生信号が入力される。再生信号は、回路基板33及び配線部材C2,C3を介して、電磁式発音体31及び圧電式発音体32にそれぞれ入力される。これにより、電磁式発音体31が駆動し、主として7kHz以下の低音域の音波を発生させる。一方、圧電式発音体32は、圧電素子322の伸縮動作により振動板321が振動し、主として7kHz以上の高温域の音波を発生させる。発生させられた各帯域の音波は、音道11を介してユーザの耳に伝達される。このようにイヤホン100は、低音域用の発音体と高音域用の発音体とを有するハイブリッドスピーカとして機能する。
ここで、発音ユニット30が発生させる音波は、圧電式発音体32が発生させ、第2の空間部S2へ伝播する音波成分と、電磁式発音体31が発生させ、孔部35,36,37を介して第2の空間部S2へ伝播する音波成分との合成波で形成される。したがって、振動板321の孔部35,36,37の構成を最適化することにより、圧電式発音体32から出力される低音域の音波を、例えば所定の低音帯域に音圧ピークが得られるような周波数特性に調整あるいはチューニングすることが可能となる。
本実施形態では、孔部35,36,37が振動板321の厚み方向に貫通する貫通孔部で構成されているため、第1の空間部S1から第2の空間部S2への音波伝搬経路を最小(最短)にすることができる。これにより、所定の低音域に音圧ピークを設定しやすくなる。
また、振動板321の孔部35,36,37は、電磁式発音体31から発生した音波のうち所定以上の高周波成分をカットするローパスフィルタとしての機能を有する。これにより、圧電式発音体32によって発生される高音域の周波数特性に影響を及ぼすことなく、所定の低周波帯域の音波を出力することが可能となる。
更に本実施形態によれば、圧電式発音体32は、複数の配線部材C3をすべて振動板321の第1の主面32a側に引き出すように構成されているため、振動板321の第2の主面32b側から配線を引き出す場合と比較して、圧電素子322への配線部材C3の接続作業性だけでなく、筐体41への組立性の向上を図ることができる。
しかも、発音ユニット30は、電磁式発音体31と圧電式発音体32とを配線部材C3によって相互に接続した状態で筐体41の内部へ一括的に組み込むことができるため、組立性の更なる向上を図ることができる。また、配線部材C3を収容可能な第1及び第2のガイド溝31f,34aが電磁式発音体31の周面部31e及び環状部材34の支持面341にそれぞれ設けられているため、配線部材C3を損傷させることなく、適正な経路で引き回すことが可能となる。これにより、作業の熟練度を必要とすることなく、安定した組立精度を確保することが可能となる。
[変形例1]
図9は、上記実施形態の変形例1に係る電気音響変換装置としてのイヤホン100の概略構成を示す側断面図である。変形例1に係るイヤホン100は、以下に示す構成以外について、上記実施形態と同様であり、適宜その説明を省略する。また、変形例1に係るイヤホン100における上記実施形態に対応する構成については同様の符号を付す。
変形例1に係るイヤホン100では、入力端子327a,327bがいずれも圧電素子322の第1の主面322a上に設けられている。
図10は圧電素子322の概略構成を示す斜視図であり、図11は図10のD−D'線に沿った圧電素子322の断面図である。
圧電素子322では、第1の入力端子327aと第1の外部電極326aとを接続するための第1の引出電極層325aと、第2の入力端子327bと第2の外部電極326bとを接続するための第2の引出電極層325bとがいずれも第1の主面322a上に設けられている。引出電極層325a,325bは相互に離間している。
入力端子327a,327bは、それぞれ引出電極層325a,325b上に直接設けられている。つまり、配線部材C3を介して再生信号の入力を受ける入力端子327a,327bは、それぞれ引出電極層325a,325bを介して外部電極326a,326bに接続されている。
このような変形例1の構成によっても、圧電式発音体32は、回路基板33から配線部材C3を介して入力端子327a,327bに入力された再生信号に基づく音波を発生させることが可能である。
[変形例2]
変形例2に係るイヤホンは、以下に示す構成以外について、変形例1に係るイヤホン100と同様であり、適宜その説明を省略する。また、変形例2に係るイヤホンにおける変形例1に係るイヤホン100に対応する構成については同様の符号を付す。
図12は圧電素子322の概略構成を示す斜視図であり、図13は圧電式発音体32の概略構成を示す平面図である。
変形例2に係る圧電素子322では、第1の引出電極層325aがY軸方向の一方の端部のみにおいて第1の外部電極326aに接続され、第2の引出電極層325bがY軸方向の他方の端部のみにおいて第2の外部電極326bに接続されている。つまり、第1の引出電極層325aと第1の外部電極326aの接続部と、第2の引出電極層325bと第2の外部電極326bの接続部とは、矩形状の第1の主面322aにおける対角位置にある。
外部電極326a,326bは、上記実施形態よりも小さく形成され、素体328の端面全体を覆っておらず、引出電極層325a,325bとの接続部の周囲のみを覆っている。振動板321の孔部35,36は、外部電極326a,326bの位置及び形状に対応して、上記実施形態よりも小さく形成されている。
このように、振動板321の孔部35,36の構成は、圧電素子322の外部電極326a,326bの位置や形状に応じて様々に変更可能であり、あらゆる構成の圧電素子322に対応可能である。
第3の孔部37は、孔部35、36に対して圧電素子322を挟んで対向する位置にそれぞれ2つずつ配置されている。孔部35,36,37は、全体として、振動板321の中心点について相互に点対称となっている。これにより、振動板321の振動がより等方的になるため、振動板321がより良好な音波を発生させることが可能となる。
また、孔部35,36が小さい場合に、第3の孔部37の数を多くしたり、あるいは第3の孔部37を大きく形成したりすることにより、電磁式発音体31が発生させる音波の通音性を向上させることができる。
<第2の実施形態>
図14は、本発明の第2の実施形態に係る電気音響変換装置としてのイヤホン100の概略構成を示す側断面図である。第2の実施形態に係るイヤホン100は、以下に示す構成以外について、第1の実施形態と同様であり、適宜その説明を省略する。また、第2の実施形態に係るイヤホン100における第1の実施形態に対応する構成については同様の符号を付す。
図15は本実施形態に係る圧電素子322の概略構成を示す斜視図であり、図16は図4のE−E'線に沿った圧電素子322の断面図である。
圧電素子322では、第1の外部電極326aが第1の実施形態と同様にディップ法によって形成されている。この一方で、第2の外部電極326bは、第1の実施形態とは異なり、ディップ法以外の塗布法やスパッタリング法によって形成されている。これにより、第1の外部電極326aには第2の主面322bから突出する第1の凸部329aが生じているものの、第2の外部電極326bには第2の主面322bから突出する第2の凸部329bが生じていない。
図17は振動板321の概略構成を示す平面図であり、図18は当該振動板321に圧電素子322が接合された圧電式発音体32の概略構成を示す平面図である。
振動板321の導電性の本体部には、第1の実施形態と同様に第1の孔部35が形成されているものの、第1の実施形態とは異なり第2の孔部36が形成されていない。すなわち、第2の外部電極326bは、第2の主面322bにおいて平坦であるため、第2の孔部36を設けなくても、振動板321の第1の主面32aと圧電素子322の第2の主面322bとの面接触を阻害しない。
図19は図18のF−F'線に沿った圧電式発音体32の部分断面図である。振動板321の第1の孔部35には、絶縁性樹脂が充填された封止部351が設けられている。第1の外部電極326aの第1の凸部329aは、第1の孔部35内において封止部351に固定されている。これにより、第1の外部電極326aが封止部351によって振動板321の本体部からより確実に絶縁される。
また、図18に示すように、第1の孔部35を封止部351によって封止することにより、振動板321に第1の孔部35を設けることによる振動板321の振動特性への影響を低減させることができる。特に、本実施形態では振動板321に第2の孔部36が設けられていないため、第1の孔部35によって振動板321の振動の等方性が損なわれやすいが、第1の孔部35に充填された封止部351の作用によって振動板321の振動の等方性が維持される。
振動板321の第3の孔部37は、圧電素子322の4辺のそれぞれに沿ってスロット状に形成されている。つまり、本実施形態に係る振動板321では、第1の実施形態よりも、第3の孔部37の数が多く、それぞれの第3の孔部37が大きい。これにより、振動板321では、第1の孔部35が貫通しておらず、第2の孔部36が設けられていないものの、電磁式発音体31が発生させる音波の高い通音性を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施の形態では、電磁式発音体31と圧電式発音体32とを備えたハイブリッドスピーカを例に挙げて説明したが、圧電式発音体のみを備えた電気音響変換装置にも本発明は適用可能である。また、圧電式発音体32及び電磁式発音体31とは異なる発音体を備えた電気音響変換装置にも本発明は適用可能である。
また、以上の実施形態では、低音域の音波を音道へ導く通音部が圧電式発音体に設けられたが、これに限られず、圧電式発音体の周囲に設けられてもよい。この場合、例えば図20に模式的に示すように、圧電式発音体U2の外径は、筐体Bの側壁部の内径よりも小さく形成され、これらの間に、電磁式発音体U1で発生した低音域の音波を通過させる通音部Tが形成される。なお、圧電式発音体U2は、複数の支柱Rを介して筐体Bの底部B1に固定される。これにより、通音部Tを通過した音波を音道B2へ導くことができる。
更に、以上の実施形態では、電気音響変換装置としてイヤホン100を例に挙げて説明したが、これに限られず、ヘッドホンや補聴器などにも適用可能である。また、本発明は、携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載されるスピーカユニットとして適用することも可能である。
100…イヤホン
30…発音ユニット
31…電磁式発音体
32…圧電式発音体
321…振動板
32a…第1の主面
32b…第2の主面
322…圧電素子
322a…第1の主面
322b…第2の主面
326a…第1の外部電極
326b…第2の外部電極
328…素体
325a…第1の引出電極層
325b…第2の引出電極層
35…第1の孔部
36…第2の孔部
37…第3の孔部

Claims (9)

  1. 実装面を有する素体と、前記実装面上に形成され、相互に離間している第1及び第2の端子部とを有する圧電素子と、
    前記圧電素子に接合され、前記実装面に対向する主面を有する導電性の本体部と、前記主面の前記第1の端子部に対向する領域に形成され前記本体部と前記第1の端子部との間に間隔を形成する有底又は無底の第1の孔部とを有する振動板と
    を具備する圧電式発音体。
  2. 請求項1に記載の圧電式発音体であって、
    前記第2の端子部は前記実装面から突出する凸部を有し、
    前記振動板は、前記凸部に嵌合する有底又は無底の第2の孔部を更に有する
    圧電式発音体。
  3. 請求項2に記載の圧電式発音体であって、
    前記第2の孔部は、前記本体部に対する前記凸部の相対位置を規制する規制部を有する
    圧電式発音体。
  4. 請求項2又は3に記載の圧電式発音体であって、
    前記第1の孔部及び前記第2の孔部は、相互に線対称又は点対称となる位置に形成されている
    圧電式発音体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電式発音体であって、
    前記振動板は、その厚さ方向に貫通する単数又は複数の第3の孔部を更に有する
    圧電式発音体。
  6. 請求項5に記載の圧電式発音体であって、
    前記主面は円形状であり、前記実装面は多角形状である
    圧電式発音体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の圧電式発音体であって、
    前記第1の孔部に絶縁性樹脂が充填されている
    圧電式発音体。
  8. 筐体と、
    実装面を有する素体と、前記実装面上に形成され、相互に離間している第1及び第2の端子部とを有する圧電素子と、
    前記筐体に支持され、前記圧電素子に接合され、前記実装面に対向する主面を有する導電性の本体部と、前記主面の前記第1の端子部に対向する領域に形成され前記本体部と前記第1の端子部との間に間隔を形成する貫通孔部とを有する振動板と、
    前記筐体内に収容され、前記振動板に対向して配置された電磁式発音体と
    を具備する電気音響変換装置。
  9. 請求項8に記載の電気音響変換装置であって
    前記貫通孔部は、前記電磁式発音体が発生させた音波を通す通音部として構成される
    電気音響変換装置。
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