JP3867716B2 - 超音波トランスデューサ、超音波スピーカ、及び超音波トランスデューサの駆動制御方法 - Google Patents
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Description
このような構成により、振動膜のそれぞれの面に対向して設けられた第1および第2の一対の固定電極のそれぞれについて、そのうちの一部を駆動用電極、一部を検出用電極(静電型センサ)として用いる。そして、第1および第2の固定電極のそれぞれの検出用電極で検出された振動膜の振幅情報を基にして、振動膜が両面対称(入力信号に対して正負対称)に振動するように、第1および第2の固定電極と振動膜とのギャップ(空隙)をそれぞれアクチュエータにより制御する。
これにより、プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサにおいて、トランスデューサの振動膜に対向する一対の固定電極の間で加工誤差や位置合わせ誤差、電気特性のばらつきが生じても、振動膜と固定電極との間のギャップをアクチュエータにより調整し、出力振動波形の正負非対称歪みを抑制して、トランスデューサから直接発せられる可聴音成分を低減することができるので、より指向性の高いスピーカとして構成することが可能になる。
このような構成により、固定電極を、互いに絶縁された複数の電極アレイを配列させた構造とする。これにより、電極アレイを組み合わせて超音波トランスデューサを製作でき、電極アレイの組み合わせ方により、種々の大きさ、形状の超音波トランスデューサを形成できる。また、検出用固定電極とする電極アレイを所望の位置に配置することができる他、複数の検出用固定電極を形成することもできる。
このような構成により、導電層(電極膜)を絶縁層で挟む形で振動膜を形成する。これにより、固定電極側の絶縁が不要になり、超音波トランスデューサの製造が容易になる。また、振動膜に対する固定電極の配置の対称性の確保が容易になる。
このような構成により、振動膜の片面または両面に導電層を被覆することにより、振動膜を形成する。そして、導電層と対向する固定電極側に絶縁層を設ける。これにより、振動膜の製作が容易となる。
このような構成により、第1の振幅検出手段により、第1の検出用固定電極と振動膜の導電層とを静電センサとして使用し、第1の検出用固定電極と導電層との間の電圧を測定して、第1の固定電極に対する振動膜の振動(振幅)状態を検出する。また、第2の振幅検出手段により、第2の検出用固定電極と振動膜の導電層とを静電センサとして使用し、第2の検出用固定電極と導電層との間の電圧を測定して、第2の固定電極に対する振動膜の振動(振幅)状態を検出する。また、第1の誤差検出手段により、第1の振幅検出手段で検出した振動膜の振動電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する。また、第2の誤差検出手段により、第2の振幅検出手段で検出した振動膜の振幅電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する。そして、第1の誤差検出手段による誤差検出結果を基に、第1の空隙制御部手段により、振動膜と第1の固定電極間のギヤップをアクチュエータにより調整する。また、第2の誤差検出手段による誤差検出結果を基に、第2の空隙制御部手段により、振動膜と第2の固定電極間のギヤップをアクチュエータにより調整する。
これにより、プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサにおいて、トランスデューサの振動膜に対向する一対の固定電極の間で加工誤差や位置合わせ誤差、電気特性のばらつきが生じても、振動膜と固定電極と間のギャップ(空隙)をアクチュエータにより調整し、出力振動波形の正負非対称歪みを抑制することができる。このため、トランスデューサから直接発せられる可聴音成分を低減することができるので、より指向性の高いスピーカとして構成することが可能になる。
このような構成により、第1の誤差検出手段により、第1の振幅検出手段で検出した第1の固定電極側の振動電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する。また、第2の誤差検出手段により、第2の振幅検出手段で検出した第2の固定電極側の振幅電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する。また、第1の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以下の場合は、第1の可変利得調整手段により、第1の固定電極側の駆動用固定電極に印加する交流信号の利得を調整する。また、第2の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以下の場合は、第2の可変利得調整手段により、第2の固定電極側の駆動用固定電極に印加する交流信号の利得を調整する。また、第1の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以上の場合は、第1の空隙制御手段により、第1の固定電極と振動膜との間のギャップをアクチュエータで調整する。また、第2の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以上の場合は、第2の空隙制御手段により、第2の固定電極と振動膜との間のギャップをアクチュエータで調整する。
これにより、プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサにおいて、トランスデューサの振動膜に対向する一対の固定電極の間で加工誤差や位置合わせ誤差、電気特性のばらつきが生じても、超音波トランスデューサを駆動する正負の信号の利得を調整するか、または、振動膜と固定電極と間のギャップをアクチュエータにより調整し、出力振動波形の正負非対称歪みを抑制することができる。
このような構成により、出力振動波形の正負非対称歪を抑制した超音波トランスデューサを使用して、指向性の高い復調音を再生可能な超音波スピーカを構成できる。
このような方法により、振動膜のそれぞれの面に対向して設けられた第1および第2の一対の固定電極のそれぞれについて、そのうちの一部を駆動用電極、一部を検出用電極(静電型センサ)として用いる。そして、第1および第2の固定電極のそれぞれの検出用電極で検出された振動膜の振幅情報を基にして、振動膜が両面対称(入力信号に対して正負対称)に振動するように、第1および第2の固定電極と振動膜とのギャップ(空隙)をそれぞれアクチュエータにより制御する。
これにより、プッシュプル型の静電型超音波トランスデューサにおいて、トランスデューサの振動膜に対向する一対の固定電極の間で加工誤差や位置合わせ誤差、電気特性のばらつきが生じても、振動膜と固定電極と間のギャップをアクチュエータにより調整し、出力振動波形の正負非対称歪みを抑制することができる。このため、トランスデューサから直接発せられる可聴音成分を低減することができるので、より指向性の高いスピーカとして構成することが可能になる。
図1は、本発明による超音波トランスデューサの第1の構成例を示す図(断面図)である。図1に示す超音波トランスデューサ1はプッシュプル型の静電型超音波トランスデューサであり、導電層を有する振動膜(振動電極膜)10を、上側の固定電極(上駆動用固定電極21aと上検出用固定電極22a)と、下側の固定電極(下駆動用固定電極21bと下検出用固定電極22b)とで挟んだ構造となっている。また、振動膜10のそれぞれの面に対向するように、上側の固定電極(第1の固定電極)と、下側の固定電極(第2の固定電極)が配置されている。なお、図1に示す超音波トランスデューサ1では、振動膜10に対して、固定電極21a、22aと、固定電極21b、22bが対称の位置にあり、説明の都合上、振動膜10に対して、固定電極21a、22aの側を上側、固定電極21b、22bの側を下側としている(他の図においても同じ)。
振幅検出の原理は、コンデンサマイクの検出原理と同様である。振動膜10と検出用固定電極22との間にはコンデンサが形成されているため、振動膜10が振動して検出用固定電極22とのギャップが変動すると、コンデンサの静電容量が変化してコンデンサに誘起される電荷量が変化する。その結果、コンデンサ電極間の電圧が変化する。よって、振動膜10と検出用固定電極22との電圧を検出することで、振動膜10と検出用固定電極22のギャップ、すなわち振幅を検出することができる。
また、図6は、電圧制御部の一構成例を示す図である。電圧制御部40は、上振幅検出部30aと下振幅検出部30b(図5参照)に対応して、上電圧制御部40aと下電圧制御部40bが設けられている。上電圧制御部40aと下電圧制御部40bはそれぞれ同じ回路構成である。
図7は、空隙制御部の一構成例を示す図であり、空隙制御部50には、上アクチュエータ23aと下アクチュエータ23b(図3、図4を参照)に対応して、上空隙制御部50aと下空隙制御部50bとが設けられている。上空隙制御部50aと下空隙制御部50bとはそれぞれ同じ回路構成である。
図1に示した固定電極は、振動膜10と固定電極20との間の全体にわたって空隙を設けた構成であり、振動面積が大きいことから、可聴音帯域の再生を重視したラウドスピーカ向きの構成である。なお、図1はトランスデューサの横断面を示しているが、音波貫通部の平面形状は、円や矩形、同心円状環、同心矩形状環など、様々なパターンに形成することができる。
第1のケースとし、両表面に絶縁膜が被覆形成された振動膜10を用いる(図8参照)。
第2のケースとして、振動膜10の両表面には電極層が形成(被覆)され、振動膜に対向する上下固定電極の表面にはそれぞれ絶縁層が形成されている(図示せず)。
第3のケースとして、図9に示すように、絶縁膜の片面に導電層(電極膜面)が被覆形成された振動膜を用い、振動膜10の導電層形成面に対向する固定電極の表面には絶縁層が形成されている。
52a 上空隙制御回路、 52b 下空隙制御回路
Claims (8)
- 導電層を有する振動膜と、該振動膜のそれぞれの面に対向して設けられた第1および第2の一対の固定電極とを有し、前記一対の固定電極には対応する位置に複数の貫通穴が設けられ、前記振動膜の導電層にDCバイアス電圧を印加すると共に、前記第1および第2の固定電極間に交流信号を印加して超音波を発生させる静電型の超音波トランスデューサであって、
前記一対の固定電極の一部が超音波トランスデューサを駆動する駆動用固定電極として形成され、前記一対の固定電極の一部が前記振動膜の振幅を検出する検出用固定電極として形成されると共に、
前記検出用固定電極で検出された振動膜の振幅の大きさに基づいて、前記第1および第2の固定電極と振動膜との間のギャップをそれぞれアクチュエータで調整することにより、入力信号に対して前記振動膜の振幅が比例して振動するように制御する手段を
備えることを特徴とする超音波トランスデューサ。 - 前記一対の固定電極のそれぞれが、互いに絶縁された複数の電極をアレイ状に配列して形成され、前記電極アレイの一部が駆動用固定電極として、一部が振幅検出用の検出用固定電極として形成されたことを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜が、導電層なる電極膜の両表面に絶縁層を被覆して形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜は、該振動膜の片面、または両面に導電層を被覆して形成され、前記固定電極の前記振動膜の導電層に対向する面には、絶縁層が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
- 前記一対の固定電極のうちの第1の固定電極側の検出用固定電極と前記振動膜との間の電圧測定により、該振動膜の第1の固定電極側に対する振幅電圧を検出する第1の振幅検出手段と、
前記一対の固定電極のうちの第2の固定電極側の検出用固定電極と前記振動膜との間の電圧測定により、該振動膜の第2の固定電極側に対する振幅電圧を検出する第2の振幅検出手段と、
前記第1の振幅検出手段により検出した振幅電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する第1の誤差検出手段と、
前記第2の振幅検出手段により検出した振幅電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する第2の誤差検出手段と、
前記第1の誤差検出手段による誤差検出結果を基に、前記第1の固定電極と振動膜との間のギャップをアクチュエータで調整する第1の空隙制御手段と、
前記第2の誤差検出手段による誤差検出結果を基に、前記第2の固定電極と振動膜との間のギャップをアクチュエータで調整する第2の空隙制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。 - 前記一対の固定電極のうちの第1の固定電極側の検出用固定電極と前記振動膜との間の電圧測定により、該振動膜の第1の固定電極側に対する振幅電圧を検出する第1の振幅検出手段と、
前記一対の固定電極のうちの第2の固定電極側の検出用固定電極と前記振動膜との間の電圧測定により、該振動膜の第2の固定電極側に対する振幅電圧を検出する第2の振幅検出手段と、
前記第1の振幅検出手段により検出した振幅電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する第1の誤差検出手段と、
前記第2の振幅検出手段により検出した振幅電圧レベルと、目標とする電圧レベルとの誤差を検出する第2の誤差検出手段と、
前記第1の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以下の場合に、前記第1の固定電極側の駆動用固定電極に印加する交流信号の利得を調整する第1の可変利得調整手段と、
前記第2の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以下の場合に、前記第2の固定電極側の駆動用固定電極に印加する交流信号の利得を調整する第2の可変利得調整手段と、
前記第1の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以上の場合に、前記第1の固定電極と振動膜との間のギャップをアクチュエータで調整する第1の空隙制御手段と、
前記第2の誤差検出手段による誤差検出結果が所定の値以上の場合に、前記第2の固定電極と振動膜との間のギャップをアクチュエータで調整する第2の空隙制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。 - 請求項1から6のいずれかに記載の超音波トランスデューサを備え、超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号で変調した変調波を供給するように構成されたことを特徴とする超音波スピーカ。
- 導電層を有する振動膜と、該振動膜のそれぞれの面に対向して設けられた第1および第2の一対の固定電極とを有し、前記一対の固定電極には対応する位置に複数の貫通穴が設けられ、前記振動膜の導電層にDCバイアス電圧を印加すると共に、前記第1および第2の固定電極間に交流信号を印加して超音波を発生させる静電型の超音波トランスデューサの駆動制御方法であって、
前記一対の固定電極の一部を超音波トランスデューサを駆動する駆動用固定電極として形成し、前記一対の固定電極の一部を前記振動膜の振幅を検出する検出用固定電極として形成する手順と、
前記検出用固定電極で検出された振動膜の振幅の大きさに基づいて、前記第1および第2の固定電極と振動膜との間のギャップをそれぞれアクチュエータで調整することにより、入力信号に対して前記振動膜の振幅が比例して振動するように制御する手順と
を含むことを特徴とする超音波トランスデューサの駆動制御方法。
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