JP2005341143A - 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分割された積層部材から構成され表面に凹凸部を有する固定電極10と、電極層を有し固定電極10の表面に設置される振動膜12と、固定電極10と振動膜12とを保持する固定部材を有している。固定電極10は、同幅の第1の固定電極2と第2の固定電極3とを有し、且つ各々絶縁体4で狭持されている。振動膜12の電極層には、直流バイアス電源14により単一極性の直流バイアス電圧が印加され、振動膜12の電極層と、第1の固定電極2または第2の固定電極3との間には、上記直流バイアス電圧に重畳して信号源16から出力される交流信号が印加されるようになっている。
【選択図】 図1
Description
ここで、従来の超音波トランスデューサの構成を図7に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図7に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図7に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック61および62と、コーン63と、ケース64と、リード65および66と、スクリーン67とから構成されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
下電極133の誘電体131側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極133と誘電体131との間の空隙となるので、上電極132および下電極133間の静電容量の分布が微小に変化する。
しかしながら、音圧の最大値は図9に示すように、共振型の超音波トランスデューサが130dB以上であるのに比べ、静電型の超音波トランスデューサでは120dB以下と音圧が低く、超音波スピーカとして利用するには若干音圧が不足していた。
しかし、圧電素子はその材質を問わず鋭い共振点を有しており、その共振周波数で駆動して超音波スピーカとして実用化しているため、高い音圧を確保出来る周波数領域が極めて狭い。すなわち狭帯域であるといえる。
これに対し静電型の超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカは、上記従来技術の抱える課題をほぼ解決できるが、帯域を広くカバーできる反面、絶対的な音圧が不足しているという問題を抱えていた。
固定電極10は、同幅の第1の固定電極2と第2の固定電極3と、且つ各々絶縁体4で狭持されている。
また、振動膜12の電極層と、第1の固定電極2または第2の固定電極3との間には、上記直流バイアス電圧に重畳して信号源16から出力される振動膜12を振動させるための交流信号が印加されるようになっている。
なお、隣接する第1の固定電極2と第2の固定電極3には、相互に逆位相の、すなわち極性の異なる交流信号が信号源16により印加されるように構成されている。
一方、図1に示す本発明の第1実施形態に係る超音波トランスデューサの構成では振動膜12の両端の固定方法は両端支持である。材料力学および振動力学においては、梁の最大撓みは両端支持の場合、両端固定端の場合に比べ5倍の撓みを持つことが一般的に知られている(材料力学I,p87〜105,1985,渥美 光 他、森北出版)。
なお、第1実施形態に係る超音波トランスデューサの構成の場合、図2に示すように、固定電極形状(固定電極の凹凸部の形状)は同心円状に形成された複数の真円溝で構成された円形溝構造(図2(a))、同心円状に形成された複数の楕円溝で構成された楕円溝構造(図2(b))、複数の直線溝で構成された直線溝構造(図2(c))などが可能である。生産技術上はスリット構造のほうが簡便で望ましい。図2(a)〜図2(c)において、白色部分は固定電極の溝部であり、黒色部分は、凸部を形成する絶縁体である。
固定電極の材質は導電性であればよく、例えばアルミニウムやSUS、真鍮、鉄、ニッケル、チタン、導電性プラスチックなどが使用可能である。
また、電極材料としては透明導電膜ITO/In,Sn,Zn酸化物などでも良い。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、第2実施形態に係る超音波トランスデューサの場合に、超音波の放射に大きく寄与するのは、幅の広い第2の固定電極3Aである。
変調器53は、キャリア波発振源52から出力されるキャリア波を可聴周波数波発振源51から出力される可聴波周波数帯の信号波により変調し、パワーアンプ54を介して超音波トランスデューサ55に供給する。
逆にキャリア周波数が高いと減衰が激しいので、パラメトリックアレイ効果が十分に起きず、音が広がるスピーカが提供できる。これらは同じ超音波スピーカでも用途に応じて使い分けることが可能なため大変有効な機能である。
Claims (15)
- 分割された積層部材から構成され表面に凹凸部を有する固定電極と、
電極層を有し前記固定電極の表面に設置される振動膜と、
前記固定電極と振動膜とを保持する部材とを有し、
前記振動膜の電極層と固定電極との間に交流信号を印加することにより駆動することを特徴とする超音波トランスデューサ。 - 前記固定電極は、同幅の第1の固定電極と第2の固定電極とを有し、各々相互に逆位相の変調信号電圧を印加され、且つ各々絶縁体で狭持されていることを特徴とする請求項1記載の超音波トランスデューサ。
- 前記固定電極は、各々異なる幅の第1の固定電極と第2の固定電極とを有し、各々相互に逆位相の電圧を印加され、且つ各々絶縁体で狭持されていることを特徴とする請求項1記載の超音波トランスデューサ。
- 前記固定電極の凹凸部は、同心円状に形成された複数の真円溝で構成されていることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記固定電極の凹凸部は、同心円状に形成された複数の楕円溝で構成されていることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記固定電極の凹凸部は、複数の直線溝で構成されていることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記溝断面形状は矩形状、テーパー形状、下部略半円形状などのいずれかで構成されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜は、電極層を絶縁性高分子フィルムで挟むように形成された薄膜であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された薄膜であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜電極に単一極性の直流バイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記固定電極と振動膜を保持する部材は絶縁材料で形成されていることを特徴とする請求項2乃至11のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記振動膜は膜平面上における直角四方向に張力をかけて固定されていることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 前記超音波トランスデューサは固有振動の共振点ではなく、駆動電圧で発生する静電力による強制振動を利用することを特徴とする請求項2乃至13のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の超音波トランスデューサと、
可聴波周波数帯の信号波を生成する信号源と、
超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、
前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、
前記超音波トランスデューサは、前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする超音波スピーカ。
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JP2004156321A JP2005341143A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ |
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JP2004156321A Withdrawn JP2005341143A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010535445A (ja) * | 2007-07-31 | 2010-11-18 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 高k誘電体を有するcmut |
JP2012509631A (ja) * | 2008-11-21 | 2012-04-19 | コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ | ナノチューブまたはナノワイヤーまたはナノビームの薄膜よりなるcmutセル |
-
2004
- 2004-05-26 JP JP2004156321A patent/JP2005341143A/ja not_active Withdrawn
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JP2012509631A (ja) * | 2008-11-21 | 2012-04-19 | コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ | ナノチューブまたはナノワイヤーまたはナノビームの薄膜よりなるcmutセル |
US8873341B2 (en) | 2008-11-21 | 2014-10-28 | Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives | CMUT cell formed from a membrane of nanotubes or nanowires or nanorods and device for ultra high frequency acoustic imaging including multiple cells of this kind |
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