JP2007059472A - 半導体レーザ装置および波長制御方法 - Google Patents

半導体レーザ装置および波長制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007059472A
JP2007059472A JP2005240084A JP2005240084A JP2007059472A JP 2007059472 A JP2007059472 A JP 2007059472A JP 2005240084 A JP2005240084 A JP 2005240084A JP 2005240084 A JP2005240084 A JP 2005240084A JP 2007059472 A JP2007059472 A JP 2007059472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
wavelength
value
output
amplifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005240084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4699137B2 (ja
Inventor
Nobuhiro Nunotani
伸浩 布谷
Yasuo Shibata
泰夫 柴田
Kazutoshi Kato
和利 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2005240084A priority Critical patent/JP4699137B2/ja
Publication of JP2007059472A publication Critical patent/JP2007059472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4699137B2 publication Critical patent/JP4699137B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】 新しい材料の開発や半導体以外の材料と組み合わせることなく、温度変化に対して、発振波長の安定性を向上する半導体レーザ装置および波長制御方法を提供すること。
【解決手段】 波長制御領域を有する半導体レーザ素子1と、半導体レーザ素子1の光出力を増幅する増幅器5と、増幅器5により増幅された半導体レーザ素子1の光出力を受光するフォトダイオード2と、半導体レーザ素子1の光出力をほぼ一定に保つ制御を行う光出力制御回路3と、光出力制御回路3からの電流を増幅器5と波長制御領域とに分配する電流分配回路4とを備える。このような構成において、増幅器5により増幅された半導体レーザ素子1の光出力を一定に保つように、フォトダイオード2により受光された光出力に応じて決定された電流をそれぞれ、波長制御領域および増幅器5に注入する。
【選択図】 図4

Description

本発明は半導体レーザ装置および波長制御方法に関し、より詳細には、レーザの発振波長の温度による変化量の調整に適用可能な半導体レーザ装置および波長制御方法に関するものである。
一般的に、半導体レーザの発振波長、閾値電流および出力効率は、周囲温度および素子温度に依存し変化する。例えば、一般的な分布帰還型(DFB)レーザの発振波長の温度依存性は0.1nm/K程度である。これは、DFBレーザを構成する半導体の屈折率(n)が温度依存性を持ち、これにより回折格子のブラッグ波長(λ)が
mλ=2nΛ (1)
に従って変化するためである。ここで、mは回折の次数、Λは回折格子の周期である。現在レーザの材料として用いられているInP系やGaAs系の半導体では、温度上昇に伴い屈折率が大きくなる。このため、InP系やGaAs系の半導体を用いたレーザにおいて、発振波長は、温度上昇と共に長波長側に変化していく。また、閾値電流は、通常温度上昇に伴って大きくなり、出力効率は低下する。したがって、ある一定の出力を得る場合、温度が上昇すると必要な電流値は大きくなる。
例えば、光ファイバ通信の光源として半導体レーザを用いる場合、特にいくつかの異波長光の信号を1本のファイバに多重化して伝送する波長多重通信(WDM)を行う場合など、信号光波長の精度が重要である場合には、発光源である半導体レーザの発振波長を、温度に依存することなく安定化することが必要不可欠である。このため、例えば、ペルチェ素子を用い温度制御を行う必要があるが、素子構造や制御の複雑化、消費電力の増加などが問題となる。
ペルチェ素子などによる温度制御を用いずに発振波長の温度依存性を安定させる方法は、大きく分類して2つの方法が考えられる。上記方法の1つとして、例えば、特許文献1には、従来とは異なる、屈折率の温度依存性の小さい半導体材料を開発することが記載されている。すなわち、特許文献1に記載の方法は、半導体のみの構成により温度依存性を低減する方法である。
また、上記方法のもう一つの方法として、例えば、特許文献2には、半導体レーザと半導体以外の材料よりなる外部導波路を組み合わせたレーザが記載されている。さらに、特許文献3には、半導体とこの半導体とは逆の屈折率温度依存性を有する半導体以外の材料を交互に縦列接続した構成が記載されている。すなわち、特許文献2および3に記載の方法は、半導体と半導体以外の材料による複合構成により温度依存性を低減する方法である。
一方、半導体の屈折率は、温度以外でも電流注入により変化する。これを用いた波長可変レーザが多数開発されている。例えば、特許文献4によれば、少なくとも一方が利得と波長選択性を持つ2つの反射領域に挟まれた位相調整領域に電流を注入することにより、位相調整領域の導波路コアの屈折率を変化させ波長を変化させている。InP系やGaAs系などの通常用いられている半導体に電流注入すると、屈折率は小さくなる方向に変化する。これにより光学長(光路長)が短くなり、共振器長が短くなるため発振波長は短波長側に変化する。
この様な波長可変レーザは各種報告されており、波長が連続的に変化するレーザとしては、後述する分布ブラッグ反射(DBR)を用いたレーザや、非特許文献1に示されるように、twin−guide(TTG)distributed feedback(DFB)laserといった波長可変レーザなどがある。
特開平11−8432号公報 特開2002−190643号公報 特開2002−14247号公報 特開2004−273644号公報 T.Wolf et al, "Tunable twin-guide(TTG)distributed feedback(DFB)laser with over 10 nm continuous tuning range "Electron. Lett., Vol. 29, No.24, pp.2124-2125, Nov.1993
しかしながら、これまでに実用化した新材料の報告は無く、新しい半導体を開発することは、結晶成長や素子形成上、非常に困難であることが伺える。
一方、半導体以外の材料と組み合わせる場合、光軸調整が必要など簡便性に問題がある。また、半導体基板上に有機材料をスピンコートするなど簡便な作成法であったとしても、例えば、半導体と有機材料を交互に縦列接続して分布反射器とするような場合は、優れた特性の得られる1次の回折格子を作成するためには半導体と有機材料を1/4波長程度の長さで交互に並べる必要がある。従って、加工の難易度、および、信頼性に大きな問題が残る。また、組み合わせ方が容易な方法であったとしても、異なる材料を組み合わせる分、半導体のみで作製したレーザよりもプロセスが煩雑になる。
本発明は、これらの問題点を鑑みてなされたものであり、新しい材料の開発や半導体以外の材料と組み合わせることなく、温度変化に対して、発振波長の安定性を向上する半導体レーザ装置および波長制御方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、発振波長を調整する波長制御領域を少なくとも1つ以上有し、前記領域に第1の電流が入力されることにより波長が変化する波長可変レーザと、第2の電流を入力されることにより、前記波長可変レーザの光出力を増幅する増幅器と、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を受光する受光部と、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、前記第1の電流の第1の値および第2の電流の第2の値をそれぞれ決定し、該第1の値を有する第1の電流を前記波長可変レーザの波長制御領域に出力し、前記第2の値を有する第2の電流を前記増幅器に出力する出力制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記出力制御手段は、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、第3の電流の値を決定し、該第3の電流の値に関連する電流を出力する光出力制御回路と、前記第3の電流の値に関連する電流が入力されると、前記光出力制御回路によって決定された第3の電流の値に基づいて、前記第3の電流の値を分配し、該分配された電流の値から、前記波長可変レーザの波長制御領域へと出力する第1の電流の第1の値を決定し、前記増幅器へと出力する第2の電流の第2の値を決定する電流分配回路とを備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記出力制御手段は、前記受光部の後段側に配置された、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、前記第1の電流の第1の値を決定し、該第1の値を有する第1の電流を前記波長可変レーザの波長制御領域に出力する第1の回路と、前記受光部の後段側に、前記第1の回路と並列に配置された、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、前記第2の電流の第2の値を決定し、該第2の値を有する第2の電流を前記増幅器に出力する第1の回路とを備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記第3の電流の値に関する電流は、前記第3の電流の値に関する電気信号であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記第3の電流の値に関する電流は、前記第3の電流そのものであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記増幅器および前記位相制御領域へ出力される電流が、前記波長可変レーザの温度上昇による波長変化を低減させるように決定されることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記増幅器および前記位相制御領域へ出力される電流が、前記波長可変レーザの温度上昇による波長変化を大きくするように決定されることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記波長可変レーザは、結合係数150cm−1以上の回折格子を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記出力制御手段は、前記波長可変レーザの素子抵抗の10倍以上の抵抗を有する抵抗素子を備えることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記増幅器は、少なくとも2つ以上の増幅素子の縦列接続、もしくは、独立に電流注入が行える少なくとも2つ以上の縦列接続された増幅領域からなる増幅素子からなり、その中の少なくとも1つ以上の増幅素子または増幅領域に前記出力制御から出力された第2の電流を注入することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、発振波長を調整する波長制御領域を少なくとも1つ以上有し、前記領域に第1の電流が入力されることにより波長が変化する波長可変レーザの光出力を、第2の電流を入力されることにより増幅する増幅工程と、前記増幅された波長可変レーザの光出力を受光する受光工程と、前記増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光された光出力に応じて、前記第1の電流の第1の値および第2の電流の第2の値をそれぞれ決定し、該第1の値を有する第1の電流を前記波長可変レーザの波長制御領域に出力し、前記第2の値を有する第2の電流により前記増幅を制御する出力制御工程とを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、新しい半導体材料や、半導体以外の材料と組み合わせることなく、これまでに加工技術が確立されている半導体のみを用い、発振波長の観測や温度観測することなしに、発振波長が温度変化に対して安定な半導体レーザ、および、発振波長の温度変化を制御可能な半導体レーザを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に関わる半導体レーザ素子の光導波路方向に沿った断面図である。素子の両側の、第1および第2の分布帰還(DFB)領域においては、InP半導体基板101上にGaInAsP下部ガイド層102、GaInAsP活性層103、GaInAsP上部ガイド層104、InPクラッド105が順次積層されている。また、上部ガイド層104とクラッド105の間には回折格子が設けられている。素子中央部の位相制御領域(位相シフト領域とも呼ぶ)では、半導体基板101上にGaInAsPコア層106、クラッド105が積層されている。本実施形態では、位相制御領域を第1および第2のDFB領域にて挟むように形成されており、位相制御領域と第1および第2のDFB領域とは連続に形成されている。素子表面には、それぞれの領域の電極として、第1のDFB領域上には電極107aが形成され、第2のDFB領域上には107bが形成され、位相制御領域上には電極108が形成されている。InP半導体基板101の下部には下部電極109が形成されており、それぞれの領域において、下部電極109は共通となっている。
半導体材料に関しては、InPとGaInAsPの組み合わせに限定されるものではない。特に制約を設けるものではなく、InP、GaInAsP、GaInAs、GaAs、AlGaAs、GaInNAsなど任意の材料について適用が可能である。半導体の結晶成長方法、すなわち積層方法についても特に制約を設けるものではなく、例えば、MBE(Molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)などの方法を用いることができる。活性層103の形状としては、バルク、MQW(多重量子井戸)、量子細線、量子ドットなどの形状を問わない。ガイド層102、104は、一般的には分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)、または閉じ込め層などとも言うが、要求するレーザの特性に応じて、例えば、屈折率を階段状にしたり、段階的に変化させた傾斜屈折率(GI−)SCHとしたりしてもよい。導波路構造に関しても、pn埋め込み構造、半絶縁埋め込み構造、リッジ構造、ハイメサ構造など、通常用いられている導波路形状を適用できる。
また、位相制御領域については、その個数が1個に限定されるものではなく、少なくとも1つ以上有していれば良い。
位相制御領域のコア層の形状に関しても特に制約は無く、DFB領域か位相制御領域のどちらかを成長した後に、エッチングして溝部に再成長するいわゆるバッドジョイント法や、マスクをして成長領域を規制した選択成長法などを用いることができる。
図1では、回折格子位置が活性層103の上部のガイド層104に形成されているが、活性層103の下部のガイド層102と半導体基板101の境界に形成したりしても良く、活性層自体を周期的に加工してもよい。すなわち、波長選択性を持つ反射領域となっていればよい。
図1の半導体レーザは、DFB領域に電流IDFBを注入することにより、活性層において利得が生じ発振状態に至る。DFB領域には回折格子が形成されているため、ある特定の波長域の光のみ強い反射がおき、両側のDFB領域に反射した光の位相があう波長で光が強めあうため発振が起きる。強い反射が起きる波長域を透過できない波長域という意味でストップバンドと呼ぶ。
すなわち、図1において、第1のDFB領域からの、ストップバンドの波長域を有する第1の光と、第2のDFB領域からの、ストップバンドの波長域を有する第2の光とが、位相制御領域において干渉し、それら光のうち、強め合う波長の光が発振することになる。このとき、強め合う光の波長(発振波長)は、位相制御領域の長さ、すなわち、GaInAsPコア層106の光路長によって制御できる。この光路長は、GaInAsPコア層106の屈折率により制御することができる。従って、図1の半導体レーザ素子においては、図2に示すスペクトルの模式図のように、位相制御領域に注入する制御電流Iphaseを調整することにより位相制御領域の屈折率を変化させ、ストップバンドの中で発振波長を調整することができる。
次に、アサーマル化の動作原理を説明する。周囲の環境変化および素子の発熱により素子の動作温度が上昇すると、一般的にInPやGaAsなどの通常の光デバイスに用いられている半導体においては屈折率が上昇する。そのため、回折格子で選択される波長すなわちブラッグ波長も長波長に変化することになる。光ファイバ通信で使用されているInP系のDFBレーザの場合、温度変化による波長変化は0.1nm/℃程度である。つまり、回折格子で選択されるブラッグ波長が0.1nm/℃の温度依存性を持つ。図1に示した第一の実施形態においては、温度上昇によってDFB領域における高反射波長域すなわちストッパバンドが長波長側に移動していくことになる。
一方、温度上昇に伴い半導体レーザが閾値電流は増加し、出力効率は低下することが知られている。従って、図3に示す電流、光出力特性のように、どの動作温度であっても一定の光出力を得ようとする、いわゆるAPC(Auto power control)動作の場合、T、T、Tと温度上昇するに従って必要な電流値はI、I、Iと増加することになる。
図4に本実施形態に係るシステムの構成の概略図を示す。図4において、符号1は、図1に示した波長可変な半導体レーザ素子である。半導体レーザ素子1の出力端から所定の距離には、光増幅器5が配置されている。光増幅器5の出力端の所定の距離には、ハーフミラー6が配置されており、このハーフミラー6によって、光増幅器5から出力された光の一部が適切に入力できるように、フォトダイオード2が配置されている。このような構成において、フォトダイオード2は、半導体レーザ素子1からの光出力を増幅した光増幅器5からの光出力を検知する。
なお、本実施形態では、半導体レーザ素子1からの光出力を増幅した増幅器5からの光出力をハーフミラー6によって分岐して受光するように、フォトダイオード2を配置しているが、これに限定されない。本実施形態で重要なことは、半導体レーザ素子1の光出力の絶対値を測定することではなく、増幅器5で増幅された後の半導体レーザ素子1の光出力の、温度変化による変化を測定することであるので、半導体レーザ素子1からの光出力をフォトダイオード2に入射できる配置であればいずれの配置であっても良い。例えば、ミラーの分岐比率が1:1である必要はなく、より多くの光出力を取り出すために、PDへの分岐を低下させたミラーを用いても良い。
また、半導体レーザ素子1と光増幅器5とフォトダイオード2とは、必ずしも別個の部品で構成する必要は無く、半導体レーザ素子1の同一基板上に集積しても良い。
フォトダイオード2には、半導体レーザ素子1の光出力をほぼ一定に保つ制御を行う光出力制御回路3(APC回路とも呼ぶ)が電気的に接続されている。光出力制御回路3には、光出力制御回路3からの電流を増幅器5と半導体レーザ素子1の波長制御領域とに分配する電流分配回路4が電気的に接続されている。
なお、本明細書において、半導体レーザ素子1の「利得領域」とは、利得を調整する領域であって、図1においては、第1および第2のDFB領域を指す。また、「位相制御領域(位相シフト領域)」とは、その領域を通過する光の波長を調整する領域である。
図4において、APC動作の場合、光増幅器5で増幅した後の半導体レーザ素子1からの光出力をフォトダイオード(PD)などにより監視し、温度上昇で光出力が低下したら光出力を増加するように光出力制御回路3(APC回路)を用いて光増幅器5への注入電流を増加させる。すなわち、フォトダイオード2に入る光出力が設定した光出力となるように光増幅器5に流す電流に帰還をかける。このとき、帰還される電流を、電流分配回路4により、ある一定の割合で光増幅器5に流れる電流Iampと半導体レーザ素子1の位相制御領域に流れる電流Iphaseとに分配するようにすることにより、位相シフト量が変化し、電流が増加した場合には、発振波長はストップバンドの中を短波長側に移動する。従って、DFB領域と位相制御領域とに流れる電流の分配量を適切に設定すれば、温度上昇によるブラッグ波長およびストップバンドの長波長化を、位相シフト量変化による短波長化により相殺し、発振波長の温度変化を制御することが可能となる。
以下で、本実施形態に係る位相制御方法を詳細に説明する。
フォトダイオード2は、光増幅器5で増幅された半導体レーザ素子1からの光出力を受光すると、該光出力に関する光出力電気信号を光出力制御回路3へと出力する。光出力制御回路3は、光出力電気信号が入力されると、入力された光出力電気信号に応じて、光増幅器5で増幅された半導体レーザ素子1からの光出力がほぼ一定となるように、光増幅器5および半導体レーザ素子1の位相制御領域への注入電流の電流値を設定する。次いで、光出力制御回路3は、設定された電流値を有する、注入電流に関する注入電流電気信号を電流分配回路4へと出力する。電流分配回路4は、注入電流電気信号が入力されると、注入電流の電流値を一定の割合で分配して、該分配された電流値から光増幅器5への電流Iampおよび半導体レーザ素子の位相調整電流Iphaseに関する電流の値をそれぞれ決定する。電流Iampおよび電流Iphaseに関する電気信号を電源(不図示)に出力すると、該電源は、電流Iampを光増幅器5へ、また、電流Iphaseを半導体レーザ素子1の位相制御領域へと出力する。
また、電流分配回路4と電源とを個別に用いているが、電源を電流分配回路4に組み込んでも良い。このとき、電流分配回路4は、分配された電流Iampおよび電流Iphaseに関する電流の値を基に、電流Iampを光増幅器5へ、また、電流Iphaseを半導体レーザ素子1の位相制御領域へと出力する。
本実施形態では、光出力制御回路3からは、注入電流に関する電気信号を出力しているが、設定された電流値を有する注入電流を電流分配回路4に出力しても良い。この場合は、光出力制御回路3から注入電流を直接電流分配回路4へと出力する。この注入電流が入力されると、電流分配回路4は、注入電流を一定の割合で分配して、電流Iampおよび電流Iphaseを光増幅器5および半導体レーザ素子1に出力する。従って、この場合は、電流分配回路4は、注入電流の分配のみを行う。このように構成することで、光出力制御回路3のみに電源を設ければ良くなるので、装置のより簡素化を図ることができる。
このように波長制御を行えば、素子の温度上昇により、DFB領域において、ブラッグ波長およびストップバンドが長波長側にシフトしても、温度上昇に応じて設定された電流Iphaseにより位相制御領域の屈折率を小さくすることにより、位相制御領域における強め合う干渉を起こす波長をほぼ一定に保つことができる。すなわち、波長制御領域には、長波長側にシフトしたストップバンド内の波長の光が入射することになるが、強め合う干渉を起こす波長は、そのバラツキが抑制される。よって、素子の温度が上昇しても、発振波長のバラツキを抑えることが可能となる。
本実施形態では、光出力制御回路3にて決められた注入電流を、電流分配回路4にて、電流Iampと電流Iphaseとに分配しているが、ここでの目的は、素子の温度が変化しても、光出力を一定とし、かつ発振波長の安定性を向上させることである。図4の構成では、半導体レーザ素子1の温度変化に応じて、半導体レーザ素子1の光出力が変化し、光増幅器5にて増幅された上記光出力が変化することによって、フォトダイオード2の受光強度は変化する。該受光強度、すなわち、半導体レーザ素子1の光出力の変化に応じて、光出力制御回路3は、注入電流値を決定している。よって、フォトダイオード2および光出力制御回路3は、温度変化の有無の検知と温度変化量の検知との役割を果たしている。これは、素子の温度が変化すると、フォトダイオード2の受光強度が変化するので、光出力制御回路3からの注入電流値は変化するが、この変化が起こると、素子の温度が変化したことを示し、また、注入電流値の変化の度合いが、素子温度の変化の度合いに反映されているからである。
本実施形態のように、光出力制御回路3と電流分配回路4とを組み合わせることにより、電流Iampおよび電流Iphaseにも、素子の温度変化を反映させることができる。よって、素子の温度変化を反映した電流Iampにより、温度が変化しても、光出力をほぼ一定に保つことが出来る。また、電流Iphaseにより、位相制御領域において、上記温度変化に応じた量の位相シフトを行うことができる。よって、温度が変化しても、発振波長の安定性を向上させることが可能となる。
すなわち、光出力制御回路3と電流分配回路4とを組み合わせることにより、温度変化に応じて決められた注入電流を基に、すなわち、該注入電流を分配して、電流Iampおよび電流Iphaseを決めているので、素子の温度を一定にするための制御を行うことなく、光出力をほぼ一定に保つことができ、かつ、発振波長のバラツキを抑えることが可能となる。
光出力を一定に保つためには、半導体レーザ素子1のDFB領域すなわち利得領域に流す電流IDFBを変化させてもよいが、本実施形態のように半導体レーザ素子1の光出力を増幅する増幅器5の電流Iampを変化させることにより、IDFBを独立に制御することが可能となる。IDFBを一定値としておいても良く、例えば、IDFBにより光強度変調を行うことも可能である。また、本実施形態で用いているDFB型の波長可変レーザの場合、波長変化幅を大きくするためには、後述するようにDFB領域の長さを短くする必要があるため利得領域が短くなってしまう。このため、特に高温度下で光出力を大きくすることが難しく、広い温度範囲に渡って光出力を一定に保つことが困難となるが、光増幅器5を用いることによりこれを回避できる。
また、光増幅器5で増幅された光出力をモニタするということは、光増幅器の温度依存性も測定していることになるが、電流分配回路についても光増幅器の温度依存性も含めて設計すればよく、本実施形態においては特に問題が生じることはない。
なお、本実施形態では、電流分配回路4は、光出力制御回路3にて決定された注入電流を一定の割合で分配しているが、これに限定されない。例えば、電流分配回路に非線形素子を組み込むことによって、温度上昇が大きい程、すなわち、光出力制御回路3にて決定された注入電流が大きい程、分配比が大きくなるようにしても良い。
すなわち、本実施形態において、電流分配回路は、素子の電流−光出力の温度依存性と位相シフト量の電流量依存性から回路設計することができる。完全な補償を行う場合には回路構成も複雑になるが、例えば抵抗による簡単な分配であった場合、完全な温度依存性の補償はできなくとも、従来の半導体レーザよりも温度依存性を小さくすることができ、温度による波長変化幅をある範囲内に抑えるには有効である。また、簡単な分配回路であれば、レーザモジュールの中に組み込むことも可能であるため、見かけ上は通常の素子として扱うことが可能となり取扱上も容易となる。さらには、光増幅器5と半導体レーザ素子1の位相制御領域との構造が異なるため、各素子における素子抵抗が異なることが考えられるが、素子抵抗より十分大きな抵抗値を用いて電流分配回路を構成することで素子抵抗を無視できる。通常、素子抵抗は数Ω程度であるため、十倍以上の数十Ω程度以上とすればよく、百倍以上の数百Ω程度とすることにより、素子抵抗の変化に対する電流分配の影響はより少なくなる。
従来の半導体レーザにおいては、発振波長を安定化するために、ペルチェ素子などを用いて温度を一定に保つなど、温度を監視し制御する必要があったが、本実施形態により温度監視の必要が無くなる。帰還はAPC動作のみで良いことになり、温度制御も必要が無くなるため、大幅にシステムの簡易化が可能となる。光出力をモニタし制御することは、半導体レーザの使用時にはしばしば行われるため、APC動作回路を新たに組み込む必要が無い場合も多い。その場合、新たに加えるのは電流分配回路だけでよいため、簡単に本実施形態のシステムを構成できる。
温度上昇による発振波長の長波長化を波長可変機構で補償するためには、波長可変幅が広いことが必要である。通常のDFBレーザにおける波長の温度による変化は0.1nm/℃程度であるので、20−80℃の範囲で波長を安定化するには6nmの補償が必要である。すなわち、波長可変レーザにおける波長の連続可変幅が6nm以上必要である。本実施形態で用いるDFB型波長可変レーザにおいては、ストップバンドの中で波長が変化するため、ストップバンドの幅を6nm以上とする必要がある。
図5は、回折格子の結合係数κと回折格子長Lの積κLとに対するストップバンド幅とブラッグ波長における反射率を示す図である。図5から、ストップバンド幅を広げるためには、κを大きくするかLを短くすれば良いことがわかる。しかしながら、Lを短くしすぎると反射率が小さくなってしまうため、閾値電流の増加や最悪の場合はレーザ発振に至らない場合が生じる。反射率は出力効率にも関わるパラメータであるため、閾値電流と出力効率などの関係から得ようとする特性によって決定されるべきであるが、例えば、反射率90%以上を得るためには、積κLを1.8以上としなければならず、反射率95%以上を得るためには、積κLを2.2以上としなければならない。このため、ストップバンドを6nm以上とし、反射率を90%以上とするためには、κを150cm−1以上としなければならない。ストップバンドを6nm以上とし、反射率を95%以上とするためには、κは150cm−1では足りず200cm−1程度であれば十分である。
温度補償範囲を広げたり、動作範囲に余裕を持たせたりするためには、ストップバンドを更に広げ10nm程度とすればよい。ストップバンドを10nm以上とし、反射率を90%以上とするためには、kを250cm−1以上としなければならない。ストップバンドを10nm以上とし、反射率を95%以上とするためには、kは250cm−1では足りず300cm−1程度であれば十分である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、2つのDFB領域により位相制御領域を挟んだ構造をした波長可変レーザを用いたが、電流注入により波長が連続的に変化する波長可変レーザであれば、本発明の原理を用い、アサーマルレーザとして用いることが可能である。また、完全なアサーマル化を目的とせず、例えは波長変化がある範囲内におさまれば良いような場合であれば、波長が連続的に変化する波長可変レーザで無くとも、電流注入によって波長が変化する方向が、波長の温度変化を補償する範囲において常に同じであるようなレーザであれば本発明の原理を利用できる。
図6に示すように、第1の実施形態で用いた波長可変レーザの片側のDFB領域を高反射率の誘電体膜(HR膜)210により置き換えた構造でもよい。InP半導体基板201上にGaInAsP下部ガイド層202、GaInAsP活性層203、GaInAsP上部ガイド層204、InPクラッド205が順次積層されており、上部ガイド層204とクラッド205の間には回折格子が設けられている。DFB領域に連続して形成された位相制御領域では、半導体基板201上にGaInAsPコア層206、クラッド205が積層されている。素子表面には、それぞれの領域の電極として、DFB領域上には電極207、位相制御領域上には電極208が形成されている。InP半導体基板201の下部には下部電極209が形成されており、それぞれの領域において、下部電極209は共通となっている。用いる半導体材料、活性領域の形状、導波路構造などは、第1の実施形態と同様に特に制限はない。
また、例えば、図7に示すように、少なくとも一方が波長選択性を持つ利得を有しない2つの領域、つまり図7で示す例では分布ブラッグ反射型(DFB)領域により、利得を有する活性領域を挟み込んだ、いわゆる分布ブラッグ反射型(DFB)レーザであっても、APC制御電流を適宜分配することによりアサーマルレーザを実現できる。素子中央部の活性領域においては、InP半導体基板301上にGaInAsP下部ガイド層302、GaInAsP活性層303、GaInAsP上部ガイド層304、InPクラッド305が順次積層されている。両側のDBR領域では、InP半導体基板301上にコア層306とクラッド305が順次積層されており、コア層306とクラッド305の間には回折格子が設けられている。素子表面には、それぞれの領域の電極として、活性領域上には電極307、DBR領域上には電極308aおよび308bが形成されている。InP半導体基板301の下部には下部電極309が形成されており、それぞれの領域において、下部電極309は共通となっている。
用いる半導体材料、活性領域の形状、導波路構造などは、第1の実施形態と同様に特に制限はない。DBR型波長可変レーザの場合、レーザ自体の光出力は活性領域に流すIactにより変化し、波長はIDBRにより変化する。したがって、第1の実施形態で述べたDFB型波長可変レーザをDBR型波長可変レーザに置き換える場合、IDFBをIactにIphaseをIDBRに置き換えればよい。
なお、図6や図7の構成の半導体レーザ素子を、図4の半導体レーザ素子として用いれば、第1の実施形態と同様に動作させることができる。
さらに、従来の技術の項で説明したTTG−DFBレーザなども本発明の波長可変レーザとして用いることができる。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、波長の温度変化を打ち消す方向に電流分配している、すなわち、素子の温度上昇による波長変化を低減させるように電流分配を行っている。本実施形態では、これに限定されず、波長の温度変化を増加させるように、すなわち、素子の温度上昇による波長変化を大きくするように電流分配してもよい。そのためには、波長可変レーザの波長制御電流に対して波長が長波長側に変化するようにするか、電流分配回路により、電圧が上がった場合に電流が低減するようにすればよい。電圧上昇に伴って電流値が逆向きに変化するには、例えば共鳴トンネルダイオードなどを回路に含め、負性抵抗を用いてもよい。
例えば、利得の温度変化は屈折率の温度変化に比べて大きな変化率を持つ。利得が最も大きな波長において発振を起こすことが最も効率が良いが、温度変化により屈折率により決まる発振波長と、利得のピーク波長との間の差が変化する。そのため、DFBレーザなどの単一モード半導体レーザでは、室温における発振波長を利得のピーク波長からずらしておくなど、温度変化した際に利得ピークとの差が変化することを踏まえた設計をしている。そこで、本実施形態を用い、温度による波長変化をさらに大きくすることにより、発振波長の温度変化と利得の温度変化が同じになるようにし、常に利得ピーク波長で発振するように設定したり、一定の差を保った状態で動作させたりするように設定すれば、安定した効率の良い動作が得られることになる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態において、温度補償範囲を広くとるために半導体レーザ素子の波長可変量を大きくするには、位相調整電流Iphaseはできるだけ小さい値から始めることが望ましい。したがって、半導体レーザ素子1の位相調整電流Iphaseと光増幅器5に流す電流Iampとの分配が比例関係もしくはそれに近い回路で構成する電流分配回路4を用いる場合を考えると、光増幅器5に流す電流Iampも小さい値から始めることになるため、任意の出力において波長を固定することが困難となる。これを回避するには、予め光増幅器5に流す電流Iampに、Iphaseが小さい場合でも、任意の出力を得るためのある一定の定電流分を含める回路を考えなければならず、回路が複雑になる場合がある。
しかし、図8の構成のように、第一の光増幅器5と第二の光増幅器7とを直列に用いることにより、どちらか一方に温度により決まる帰還電流Iamp1を流し、もう一方に帰還回路とは独立したある一定の電流Iamp0を流すことにより、第1の実施形態における増幅電流Iampに定電流分を含めた動作と同様の効果が得られる。
すなわち、本実施形態では、増幅器5、7を2台直列に接続し、それぞれを別個に制御することにより、素子の温度によらず光出力を一定に保つための第1の増幅と、任意の光出力を得るための第2の増幅とを同時に行うことができる。
第一の光増幅器5と第二の光増幅器7は、必ずしも別の素子である必要は無く、一つの増幅器の電極を二つに分け、2入力の光増幅器としても良い。このような光増幅器を用いると、光結合損失の低下やコスト増加を防ぐことができる。また、半導体レーザ素子1などの他の半導体素子と同一基板上に集積しても良い。
図8においては、半導体レーザ素子1に近い増幅器5に電流分配回路4からの第1の電流(素子の温度によらず光出力を一定に保つための増幅に関わる電流)を流し、ハーフミラー6に近い増幅器7に第1の電流とは独立の第2の電流(任意の光出力を得るための増幅に関わる電流)を流しているが、第1の電流を増幅器7に流すようにし、第2の電流を増幅器5に流すようにしても良い。また、本実施形態では、増幅器を2つ用いているが、3つ以上用いても良い。すなわち、第1の増幅と第2の増幅とを行うように回路構成を行いさえすれば、2つ以上の増幅器を直列に用いても良い。
(第5の実施形態)
前述の第1から第4の実施形態において、光出力を一定に保つために、光出力を検知したフォトダイオード(PD)からの信号をもとに光出力制御回路(APC回路)にてレーザ素子もしくは増幅器に流す電流に関する値を決定し、電流分配回路によりそれぞれの素子に分配する電流量を決定していた。
しかし、図9のようにPD2からの出力を予め2つに分け、2つの独立したAPC回路8およびAPC回路9に流しても同様な効果を得ることができる。図9では、前述の第1から第4の実施形態との関係をわかりやすくするために、PD2からの信号が一定となるように動作するという意味で2つの光出力制御回路をAPC回路として表記した。全く同一のAPC回路を用いれば、APC回路8から半導体レーザ素子(波長可変LD素子)1に流れる電流IphaseとAPC回路9から光増幅器5に流れる電流Iampとに差は生じない。しかしながら、2つのAPC回路8およびAPC回路9による帰還の仕方、割合に差を設ける、すなわち、例えばPID(比例・積分・微分)制御の係数を適切に決定することにより、電流Iphaseと電流Iampとの間に差を生じさせることができる。
これにより、電流分配回路により帰還電流を分配した効果を同時に得ることができる。言い換えれば、第1から第4の実施形態の電流分配回路の機能を、光制御回路を独立した2つの回路を並列に用いることによって実現する。
上述した、本発明の一実施形態に係る半導体レーザの発振波長の温度無依存化方法を用いれば、新しい半導体材料や、半導体以外の材料と組み合わせることなく、これまでに加工技術が確立されている半導体のみを用い、発振波長測定や温度測定をすることなく、発振波長が温度変化に対して安定な半導体レーザを提供することができる。また、光通信用光源などにおける発振波長が安定であることが必要な場合であっても温度調整機構を必要としない半導体レーザ装置を得ることができる。さらには、電流分配量の変更などにより発振波長の温度依存性を任意に変更することができるため、例えば、温度変化による発振波長と利得ピーク波長との乖離を低減し、効率のよい発振動作を得ることが可能となる。
なお、本発明の一実施形態における本質は、APC回路や電流分配回路を用いることではなく、増幅器によって増幅された、半導体レーザ素子からの光出力の強度に応じて、半導体レーザ素子の波長制御領域の屈折率の制御、および半導体レーザ素子からフォトダイオードに出力される光出力を一定に保つような増幅の制御を行うことである。
本発明の一実施形態に係る波長可変レーザの断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長可変レーザの動作を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るAPC動作を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る、波長安定化のためのシステムを説明する図である。 本発明の一実施形態に係る、結合係数に対するストップバンド幅と反射率を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る波長可変レーザの断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長可変レーザの断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長安定化のためのシステムを説明する図である。 本発明の一実施形態に係る波長安定化のためのシステムを説明する図である。
符号の説明
1 半導体レーザ素子
2 フォトダイオード
3、8、9 光出力制御回路
4 電流分配回路
5、7 増幅器
6 ハーフミラー
101,201,301 半導体基板
102,202,302 下部ガイド層
103,203,303 活性層
104,204,304 上部ガイド層
105,205,305 クラッド
106,206,306 コア層
107a,107b,207 DFB領域電極
108,208 位相制御領域電極
109,209,309 下部電極
210 高反射膜(HR膜)
307 活性領域電流
307a,307b DFB領域電極

Claims (11)

  1. 発振波長を調整する波長制御領域を少なくとも1つ以上有し、前記領域に第1の電流が入力されることにより波長が変化する波長可変レーザと、
    第2の電流を入力されることにより、前記波長可変レーザの光出力を増幅する増幅器と、
    前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を受光する受光部と、
    前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、前記第1の電流の第1の値および第2の電流の第2の値をそれぞれ決定し、該第1の値を有する第1の電流を前記波長可変レーザの波長制御領域に出力し、前記第2の値を有する第2の電流を前記増幅器に出力する出力制御手段と
    を備えることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記出力制御手段は、
    前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、第3の電流の値を決定し、該第3の電流の値に関連する電流を出力する光出力制御回路と、
    前記第3の電流の値に関連する電流が入力されると、前記光出力制御回路によって決定された第3の電流の値に基づいて、前記第3の電流の値を分配し、該分配された電流の値から、前記波長可変レーザの波長制御領域へと出力する第1の電流の第1の値を決定し、前記増幅器へと出力する第2の電流の第2の値を決定する電流分配回路と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記出力制御手段は、
    前記受光部の後段側に配置された、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、前記第1の電流の第1の値を決定し、該第1の値を有する第1の電流を前記波長可変レーザの波長制御領域に出力する第1の回路と、
    前記受光部の後段側に、前記第1の回路と並列に配置された、前記増幅器により増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光部により受光された光出力に応じて、前記第2の電流の第2の値を決定し、該第2の値を有する第2の電流を前記増幅器に出力する第1の回路と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第3の電流の値に関する電流は、前記第3の電流の値に関する電気信号であることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第3の電流の値に関する電流は、前記第3の電流そのものであることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記増幅器および前記位相制御領域へ出力される電流が、前記波長可変レーザの温度上昇による波長変化を低減させるように決定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記増幅器および前記位相制御領域へ出力される電流が、前記波長可変レーザの温度上昇による波長変化を大きくするように決定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記波長可変レーザは、結合係数150cm−1以上の回折格子を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記出力制御手段は、前記波長可変レーザの素子抵抗の10倍以上の抵抗を有する抵抗素子を備えることを特徴とする請求項1乃至8に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記増幅器は、少なくとも2つ以上の増幅素子の縦列接続、もしくは、独立に電流注入が行える少なくとも2つ以上の縦列接続された増幅領域からなる増幅素子からなり、その中の少なくとも1つ以上の増幅素子または増幅領域に前記出力制御から出力された第2の電流を注入することを特徴とする請求項1乃至9に記載の半導体レーザ装置。
  11. 発振波長を調整する波長制御領域を少なくとも1つ以上有し、前記領域に第1の電流が入力されることにより波長が変化する波長可変レーザの光出力を、第2の電流を入力されることにより増幅する増幅工程と、
    前記増幅された波長可変レーザの光出力を受光する受光工程と、
    前記増幅された波長可変レーザの光出力を一定に保つように、前記受光された光出力に応じて、前記第1の電流の第1の値および第2の電流の第2の値をそれぞれ決定し、該第1の値を有する第1の電流を前記波長可変レーザの波長制御領域に出力し、前記第2の値を有する第2の電流により前記増幅を制御する出力制御工程と
    を有することを特徴とする波長制御方法。
JP2005240084A 2005-08-22 2005-08-22 半導体レーザ装置および波長制御方法 Expired - Fee Related JP4699137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005240084A JP4699137B2 (ja) 2005-08-22 2005-08-22 半導体レーザ装置および波長制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005240084A JP4699137B2 (ja) 2005-08-22 2005-08-22 半導体レーザ装置および波長制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007059472A true JP2007059472A (ja) 2007-03-08
JP4699137B2 JP4699137B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=37922723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005240084A Expired - Fee Related JP4699137B2 (ja) 2005-08-22 2005-08-22 半導体レーザ装置および波長制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4699137B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102255239A (zh) * 2010-03-23 2011-11-23 住友电气工业株式会社 可调ld的驱动电路
JP2012124287A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Furukawa Electric Co Ltd:The 波長可変光源装置および波長可変光源装置の制御方法
JPWO2021001964A1 (ja) * 2019-07-03 2021-01-07
CN114498300A (zh) * 2020-11-13 2022-05-13 株式会社电装 半导体激光装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08204271A (ja) * 1995-01-25 1996-08-09 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 波長可変半導体レーザ装置
JP2002094178A (ja) * 1996-05-22 2002-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光源の発振波長安定化装置及び高調波出力安定化装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08204271A (ja) * 1995-01-25 1996-08-09 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 波長可変半導体レーザ装置
JP2002094178A (ja) * 1996-05-22 2002-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光源の発振波長安定化装置及び高調波出力安定化装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102255239A (zh) * 2010-03-23 2011-11-23 住友电气工业株式会社 可调ld的驱动电路
JP2012124287A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Furukawa Electric Co Ltd:The 波長可変光源装置および波長可変光源装置の制御方法
JPWO2021001964A1 (ja) * 2019-07-03 2021-01-07
WO2021001964A1 (ja) * 2019-07-03 2021-01-07 日本電信電話株式会社 波長可変レーザおよびその制御方法
JP7248119B2 (ja) 2019-07-03 2023-03-29 日本電信電話株式会社 波長可変レーザおよびその制御方法
CN114498300A (zh) * 2020-11-13 2022-05-13 株式会社电装 半导体激光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4699137B2 (ja) 2011-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9722397B2 (en) Tunable laser and tunable laser module
US8155161B2 (en) Semiconductor laser
JP2016178283A (ja) 波長可変レーザ素子およびレーザモジュール
JP5737777B2 (ja) 波長可変レーザアレイ素子の制御方法および制御装置
JP4359252B2 (ja) 波長可変半導体レーザ装置
JP4630128B2 (ja) 半導体レーザ装置および波長制御方法
US11909174B2 (en) Reflection filter device and wavelength-tunable laser device
US20130315273A1 (en) Integrated semiconductor laser element
JP5365510B2 (ja) 半導体集積素子
JP2003046190A (ja) 半導体レーザ
JP4938709B2 (ja) 光半導体装置の作製方法
US8149889B2 (en) Semiconductor laser device
US7949020B2 (en) Semiconductor laser and optical integrated semiconductor device
JP4699137B2 (ja) 半導体レーザ装置および波長制御方法
US6967983B2 (en) Semiconductor laser apparatus
CN105830292B (zh) 半导体激光器元件、半导体激光器模块、以及波长可变激光器组件
JP5001239B2 (ja) 半導体波長可変レーザ
JP4787207B2 (ja) 半導体レーザ
JP5457239B2 (ja) 光素子の波長制御方法および波長制御装置
JP6730868B2 (ja) 波長可変半導体レーザ
US7852897B2 (en) Semiconductor laser optical integrated semiconductor device
JP7265198B2 (ja) 波長可変dbr半導体レーザ
JP2009246390A (ja) 半導体レーザ装置
JP4074534B2 (ja) 半導体レーザ
US20240047941A1 (en) Wavelength Tunable Optical Transmitter

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070816

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100511

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100831

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4699137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees