JP2007059145A - 組電池の設計方法、製造方法、及び組電池 - Google Patents

組電池の設計方法、製造方法、及び組電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 単電池を直列接続した組電池において、繰り返し内圧の上昇が生じた場合でも、電池の破壊を生じにくい組電池、組電池の設計方法、あるいは組電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 組電池20は、第1安全弁機構15を有する1つの第1単電池1と、第2安全弁機構25を有する9つの第2単電池2A〜2Iとを直列に接続した組電池である。第1単電池1の第1安全弁機構15の第1作動圧RP1sは、第2単電池2A〜2Iの第2安全弁機構25の第2作動圧RP2sa〜RP2siよりも小さい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、個々に安全弁を備えた単電池を複数直列に接続してなる組電池の設計方法、製造方法及び組電池に関する。
単電池を複数備える組電池において、個々の単電池にそれぞれ安全弁を設け、この単電池を直列に接続して組電池としたものが知られている(特許文献1参照)。このような組電池では、過放電や過充電などによって電池の内圧が異常上昇した場合には、安全弁が開弁して内部のガスを放出し、電池の破壊(電池ケース等の破裂)を防止している。なお、単電池を直列接続をした組電池では、過充電などの異常時には、通常、直列接続されたいずれの単電池についても電池の内圧上昇が起こる。
特開平11−339747号公報(図2参照)
しかしながら、組電池においては、各単電池に取り付けされている安全弁の作動圧が同一というわけではない。安全弁の各部品の材質、寸法等のばらつきに起因して、その作動圧にもばらつきが生じるためである。従って、1つの組電池の中に、同じ構成の安全弁を用いているにも拘わらず、安全弁の作動圧が相対的に高い単電池、逆に作動圧が相対的に低い単電池が存在することとなる。さらに、多数の組電池を見た場合、単電池の組み合わせによっては、安全弁の作動圧が相対的に高い単電池ばかりが集まって構成された組電池や、逆に、安全弁の作動圧が相対的に低い単電池ばかりが集まって構成された組電池なども存在しうる。
組電池あるいは組電池に接続する回路に異常がある場合の中には、繰り返し内圧が異常上昇する場合もありうる。しかるに、安全弁の作動圧が相対的に低い単電池は、安全弁が開弁して内圧を低下させることができるが、安全弁の作動圧が相対的に高い単電池では、なかなか安全弁が開弁しないため、電池ケースに大きな内圧(ストレス)が掛かり、電池ケースが疲労しやすい。このため、繰り返し内圧の異常上昇が起こると、ついには電池ケースが疲労破壊する可能性がある。
従って、単電池を直列接続をした組電池において、安全弁の作動圧が相対的に高い単電池を含む組電池について、あるいは、安全弁の作動圧が相対的に高い単電池ばかりが集まって構成された組電池について、特に、考慮が必要となる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、単電池を直列接続した組電池において、繰り返し内圧の上昇が生じた場合でも、電池の破壊を生じにくい組電池、組電池の設計方法、あるいは組電池の製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、複数の単電池を直列に接続した組電池の設計方法であって、第1作動圧で開弁する復帰型の第1安全弁機構を有する第1単電池であって、上記第1作動圧のばらつきの範囲が、第1下限圧力から第1上限圧力までの第1範囲である上記第1安全弁機構を有する上記第1単電池少なくとも1つと、第2作動圧で開弁する復帰型の第2安全弁機構を有する第2単電池であって、上記第2作動圧のばらつきの範囲が、第2下限圧力から上記第1上限圧力よりも高い第2上限圧力までの第2範囲である上記第2安全弁機構を有する上記第2単電池残余の数と、を組み合わせて上記組電池とする組電池の設計方法である。
本発明の組電池の設計方法では、複数の単電池として、少なくとも1つの第1単電池と、残余の数の第2単電池とを用いることとする。このうち、第1単電池に用いる復帰型の第1安全弁機構では、第1作動圧のばらつきが第1範囲であり、第2単電池に用いる復帰型の第2安全弁機構では、第2作動圧のばらつきが第2下限圧力から第1上限圧力よりも高い第2上限圧力までの第2範囲である。このように作動圧を設定した第1安全弁機構を有する第1単電池、及び第2安全弁機構を有する第2単電池からなる組電池では、各単電池は直列に接続されているので、組電池を過充電した場合などには、いずれの単電池の内圧も上昇する。
この場合において、最も好ましくないケースとして、組電池に含まれる第2単電池の第2作動圧がいずれも第1上限圧力より高い場合(例えばいずれも第2上限圧力である場合)を考える。この場合でも、本発明のように設計した組電池では、1または複数の第1単電池いずれもが第1上限圧力以下の第1作動圧で開弁する。
なお、複数の第2単電池の中に、第1上限圧力よりも低い第2作動圧を持つものが存在する場合には、そのような第2単電池も比較的低い第2作動圧で開弁することとなる。
ところで、単電池は、安全弁が開弁すると、内部のガスや電解液が放出され電池容量が低下する。従って、何度も開弁すると、ついには単電池として機能しなくなり、この単電池が直列に接続されている組電池全体も機能しなくなる。
従って、本発明の設計方法による組電池では、繰り返し内圧の異常上昇が起こると、第1上限圧力以下の作動圧(第1,第2作動圧)で開弁する第1単電池または第2単電池が徐々に単電池としての機能を失うので、ついには組電池全体の機能を失わせることができる。この場合において、第1単電池の第1上限圧力を適切に設定することにより、組電池の機能を失わせる時期や条件のうち、最も遅れる場合の時期や最も機能を失わせ難い条件を決めることができる。かくして、この設計方法により、各第2単電池の第2作動圧の組み合わせがどのような場合でも、第2単電池が疲労により破壊する前に、安全に組電池を機能停止させ、もって、第2単電池の破壊による不具合を防止可能に設定することができる。
なお、復帰型の安全弁機構とは、電池の内圧が作動圧よりも低くなった場合には、再び電池ケースを気密に保持することができるように構成された安全弁機構であり、公知の構造を採用することができる。例えば、金属バネやゴム状弾性体等を用いて、弁体を弾性的に付勢してこの弁体で排気孔を塞ぎ、内圧の上昇により排気孔からの排気可能とすると共に、可逆的に弁体を移動可能に保持したものが挙げられる。
また、単電池としては、内圧の上昇による電池の破壊(電池ケースの破裂等)などの不具合が生じる可能性のある電池であればいずれにも適用できるが、例えば、ニッケル水素電池などのアルカリ電池や、鉛電池などの酸電池、リチウムイオン電池などの有機電解液系電池が挙げられる。
また、上記組電池の設計方法であって、前記第1範囲を前記第2範囲より低くする組電池の設計方法とすると良い。
この組電池の設計方法によれば、各単電池の内圧が上昇すると、いずれの第2単電池の第2安全弁装置よりも先に、第1単電池の第1安全弁装置を開弁させることができる。従って、第1安全弁装置の第1範囲の設定によって、組電池の機能を失わせる時期や条件を設定することができる。
また、上記いずれかに記載の組電池の設計方法であって、前記第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、前記第1範囲のレンジが前記第2範囲のレンジより小さくされてなる組電池の設計方法とすると良い。
本発明の組電池の設計方法では、第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、第1範囲のレンジ(第1上限圧力と第1下限圧力との差)が第2範囲のレンジ(第2上限圧力と第2下限圧力との差)より小さくされてなる。つまり、第1安全弁機構の方が、第2安全弁機構よりも作動圧の精度が高くされている。
このような組電池では、第2範囲のレンジの大きさに拘わらず、少なくとも第1単電池が狙いの内圧に近い第1範囲内でいずれも開弁する。従って、組電池全体の機能を失わせる時期や条件のうち、この第1単電池の第1作動圧で決まる、最も遅くなる場合の時期や最も機能を失わせ難い条件を、精度良く決めることができる。かくして、高い第2作動圧を有する第2安全弁機構を有する第2単電池の破壊による不具合を適切に防止することができる。
さらに、上記いずれかに記載の組電池の設計方法であって、前記第1安全弁機構は、金属バネ材を用いて弁部材を付勢し、上記金属バネ材の付勢力によって前記第1作動圧が決定される機構であり、前記第2安全弁機構は、上記金属バネ材を用いることなく、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢しまたはゴム状弾性体からなる弾性体弁部材を含み、上記ゴム状弾性体の付勢力によって前記第2作動圧が決定される機構である組電池の設計方法とすると良い。
本発明の組電池の設計方法では、第1安全弁機構としては、金属バネ材を用いて弁部材を付勢する構成のものを用いる。このため、作動圧の精度が高く、つまり第1下限圧力から第1上限圧力までの第1範囲のレンジを比較的小さくすることができる。また、作動圧の経時変化も比較的小さい。但し、この第1安全弁機構は複雑となりがちであるため、比較的高価となる。また、金属バネ材等を収容するスペースを必要とするので、第1安全弁機構の体格が大きくなりがちである。
一方、第2安全弁機構としては、金属バネ材を用いず、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢する構成、またはゴム状弾性体自身を弾性体弁部材として用いる構成のものを用いる。このため、作動圧の精度は比較的低い、つまり第2下限圧力から第2上限圧力までの第2範囲のレンジが比較的大きくなる。また、作動圧の経時変化も比較的大きい。但し、機構を単純としやすいため、第2安全弁機構は比較的安価としうる。また、金属バネ材等を収容するスペースが不要で、単純な機構で済むので、第2安全弁機構の体格は比較的小さくできる。
本発明の組電池の設計方法では、このような2種類の安全弁機構を用いた第1,第2単電池を組み合わせているので、全ての単電池に第1安全弁機構を用いた場合に比して安価となる上、組電池全体の体格も小さくできる。一方、全ての単電池に第2安全弁機構を用いた場合に比して、確実に第1上限圧力以下の内圧で安全弁機構を作動させることができ、ひいては、適切に組電池全体の機能を失わせ、電池の破壊を防止できる。
なお、特に、第1単電池を1つ、第2単電池を残余の数とする組み合わせが、最も安価で体格も小さくなり好ましい。
他の解決手段は、複数の単電池を直列に接続した組電池の製造方法であって、第1作動圧で開弁する復帰型の第1安全弁機構を有する第1単電池であって、上記第1作動圧のばらつきの範囲が、第1下限圧力から第1上限圧力までの第1範囲である上記第1安全弁機構を有する上記第1単電池少なくとも1つと、第2作動圧で開弁する復帰型の第2安全弁機構を有する第2単電池であって、上記第2作動圧のばらつきの範囲が、第2下限圧力から上記第1上限圧力よりも高い第2上限圧力までの第2範囲である上記第2安全弁機構を有する上記第2単電池残余の数と、を組み合わせて上記組電池とする組電池の製造方法である。
本発明の組電池の製造方法では、複数の単電池として、1または複数の第1単電池と、残余の数の第2単電池とを組み合わせる。このうち、第1単電池に用いる復帰型の第1安全弁機構では、第1作動圧のばらつきが第1範囲であり、第2単電池に用いる復帰型の第2安全弁機構では、第2作動圧のばらつきが第2下限圧力から第1上限圧力よりも高い第2上限圧力までの第2範囲である。このように各々の作動圧を設定した、第1安全弁機構を有する第1単電池、及び第2安全弁機構を有する第2単電池からなるように組み合わせて製造された組電池では、各単電池は直列に接続されているので、組電池を過充電した場合などには、いずれの単電池の内圧も上昇する。
この場合において、最も好ましくないケースとして、組電池に含まれる第2単電池の第2作動圧がいずれも第1上限圧力より高い場合(例えばいずれも第2上限圧力である場合)を考える。この場合でも、本発明の製造方法で製造した組電池では、少なくとも1つの第1単電池いずれもが第1上限圧力以下の第1作動圧で開弁する。
なお、複数の第2単電池の中に、第1上限圧力よりも低い第2作動圧を持つものが存在する場合には、そのような第2単電池も比較的低い第2作動圧で開弁することとなる。
ところで、単電池は、安全弁装置が開弁すると、内部のガスや電解液が放出され電池容量が低下する。従って、何度も開弁すると、ついには単電池として機能しなくなり、この単電池が直列に接続されている組電池全体も機能しなくなる。
従って、本発明の製造方法による組電池では、繰り返し内圧の異常上昇が起こると、第1上限圧力以下の作動圧(第1,第2作動圧)で開弁する第1単電池または第2単電池が徐々に単電池としての機能を失うので、ついには、組電池全体の機能を失わせることができる。この場合において、第1単電池の第1上限圧力により、組電池の機能を失わせる時期のうち、最も遅れる場合の時期や最も機能を失わせ難い条件を決めることができる。かくして、この製造方法により、各第2単電池の第2作動圧の組み合わせがどのような場合でも、第2単電池が疲労により破壊する前に、安全に組電池を機能停止させ、第2単電池の破壊による不具合を防止することができる。
また、上記組電池の製造方法であって、前記第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、前記第1範囲が前記第2範囲より低くされてなる組電池の製造方法とすると良い。
この組電池の製造方法によれば、製造された組電池において、各単電池の内圧が上昇すると、いずれの第2単電池の第2安全弁装置よりも先に、第1単電池の第1安全弁装置を開弁させることができる。従って、第1安全弁装置の第1範囲の設定によって、組電池の機能を失わせる条件を設定することができる。
また、上記いずれかに記載の組電池の製造方法であって、前記第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、前記第1範囲のレンジが前記第2範囲のレンジより小さくされてなる組電池の製造方法とすると良い。
本発明の組電池の製造方法では、第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、第1範囲のレンジが第2範囲のレンジより小さくされてなる。つまり、第1安全弁機構の方が、第2安全弁機構よりも作動圧の精度が高くされている。
このようにして製造した組電池では、第2範囲のレンジの大きさに拘わらず、少なくとも第1単電池が狙いの内圧に近い第1範囲内でいずれも開弁する。従って、組電池全体の機能を失わせる時期や条件のうち、この第1単電池の第1作動圧で決まる終期や条件を、精度良く決めることができる。かくして、高い第2作動圧を有する第2安全弁機構を有する第2単電池の破壊による不具合を適切に防止することができる。
さらに、上記いずれかに記載の組電池の製造方法であって、金属バネ材を用いて弁部材を付勢し、上記金属バネ材の付勢力によって前記第1作動圧が決定される機構であり、上記第2安全弁機構は、上記金属バネ材を用いることなく、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢しまたはゴム状弾性体からなる弾性体弁部材を含み、上記ゴム状弾性体の付勢力によって前記第2作動圧が決定される機構である組電池の製造方法とすると良い。
本発明の組電池の製造方法では、第1安全弁機構としては、金属バネ材を用いて弁部材を付勢する構成のものを用いる。このため、第1作動圧の精度を高く、つまり第1下限圧力から第1上限圧力までの第1範囲のレンジを比較的小さくすることができる。また、第1作動圧の経時変化も比較的小さい。但し、この第1安全弁機構は複雑となりがちであるため、比較的高価となる。また、金属バネ材等を収容するスペースを必要とするので、第1安全弁機構の体格が大きくなりがちである。
一方、第2安全弁機構としては、金属バネ材を用いず、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢する構成、またはゴム状弾性体自身を弾性体弁部材として用いる構成のものを用いる。このため、第2作動圧の精度は比較的低い、つまり第2下限圧力から第2上限圧力までの第2範囲のレンジが比較的大きくなる。また、第2作動圧の経時変化も比較的大きい。但し、機構を単純としやすいため、第2安全弁機構は比較的安価としうる。また、金属バネ材等を収容するスペースが不要で、単純な機構で済むので、第2安全弁機構の体格は比較的小さくできる。
本発明の組電池の製造方法では、このような2種類の安全弁機構を用いた第1,第2単電池を組み合わせているので、全ての単電池に第1安全弁機構を用いた場合に比して安価となる上、組電池全体の体格も小さくできる。一方、全ての単電池に第2安全弁機構を用いた場合に比して、確実に第1上限圧力以下の内圧で安全弁機構を作動させることができ、ひいては、適切に組電池全体の機能を失わせ、電池の破壊を防止できる。
なお、特に、第1単電池を1つ、第2単電池を残余の数とする組み合わせが、最も安価で体格も小さくなり好ましい。
さらに他の解決手段は、複数の単電池を直列に接続した組電池であって、第1作動圧で開弁する復帰型の第1安全弁機構を有する少なくとも1つの第1単電池、及び、第2作動圧で開弁する復帰型の第2安全弁機構を有する残余の第2単電池からなり、上記第1安全弁機構は、金属バネ材を用いて弁部材を付勢し、上記金属バネ材の付勢力によって上記第1作動圧が決定される第1安全弁機構であり、上記第2安全弁機構は、上記金属バネ材を用いることなく、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢しまたはゴム状弾性体からなる弾性体弁部材を含み、上記ゴム状弾性体の付勢力によって、上記第2作動圧が決定される第2安全弁機構であり、上記組電池に含まれる第1単電池の上記第1作動圧のうちの最小値である第1最小作動圧と、上記組電池に含まれる第2単電池の上記第2作動圧のうちの最小値である第2最小作動圧とを比較したとき、上記第2最小作動圧よりも上記第1最小作動圧のほうが低い組電池である。
本発明の組電池は、第1安全弁機構を有する第1単電池、及び、第2安全弁機構を有する第2単電池を備える。このうち、第1安全弁機構は、金属バネ材を用いて弁部材を付勢する構成となっているので、第1作動圧の精度が高い。つまり実際の第1作動圧を狙いの作動圧に近い値とすることができる。また、第1作動圧の経時変化も少ない。但し、機構は複雑となりがちであるため、第1安全弁機構は比較的高価になりがちである。
一方、第2安全弁機構は、金属バネ材を用いず、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢する構成、またはゴム状弾性体自身を弾性体弁部材として用いる構成となっている。このため、第2作動圧の精度は比較的低い、つまり実際の第2作動圧が狙いの作動圧から離れた値となる場合も有りうる。また、第2作動圧の経時変化も比較的大きい。但し、機構を単純としやすいため、第2安全弁機構は比較的安価としうる。このように、第2安全弁機構を有する第2単電池では、第2作動圧のばらつきが大きい。
従って、第2単電池のみを用いて組電池を構成した場合、組電池に含まれるいずれの第2単電池の第2作動圧も、狙い値よりもかなり大きな値となってしまう場合があり得る。
これに対し、本発明の組電池では、各単電池の内圧が上昇すると、いずれの第2単電池の第2安全弁装置よりも先に、第1単電池のうち少なくとも第1最小作動圧にかかる第1単電池の第1安全弁装置が開弁する。かくして、第1単電池の第1最小作動圧により、組電池の機能を失わせる時期や条件を決めることができる。
しかも、第1最小作動圧は比較的精度が高いので、組電池の機能を失わせる時期や条件を適切に設定することができる。
また、上記組電池であって、前記第1単電池を1つ有する組電池とすると良い。
上述したように、第2安全弁機構に比して、第1安全弁機構は機構が複雑になり、高価になりがちである。本発明の組電池では、第1安全弁機構を有する第1単電池を1つとし、第2単電池を残余としているので、第1単電池を2ヶ以上有する場合に比して比較的安価である。
しかも、第1単電池を有しているので、繰り返し内圧の異常上昇が起こると、第1単電池が第1最大作動圧以下で開弁してガスや電解液を放出するので、この第1単電池が確実かつ早期に性能低下する。かくして、第2単電池のうち、第2作動圧が第2最大作動圧となっているものなど、第1最大圧力より高い第2作動圧を有する第2安全弁機構を有するものが、繰り返し内圧上昇に伴う疲労によって破壊する前に、組電池を機能停止させ、第2単電池の破壊による不具合を防止することができる。
さらに、上記いずれかに記載の組電池であって、前記第2安全弁機構は前記第1安全弁機構よりも小さくされてなる組電池とすると良い。
本発明の組電池では、第2安全弁機構を第1安全弁機構よりも小さくされている。従って、本発明の組電池では、第2安全弁機構を有する第2単電池を用いた分だけ、組電池の全体の大きさも小さくすることができる。つまり、組電池の体格の減少(専有体積の減少)を図ることができる。あるいは、ガス排気路部材や他の部材を第2単電池の周囲に配置しやすくなる。
(実施例1)
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施例にかかる組電池10は、図1に示すように、1つの第1単電池1と、9つの第2単電池2(2A,2B,…,2I)の合計10ヶの単電池からなり、各単電池が、図示しない端子によって互いに直列に接続されたニッケル水素電池の組電池であり、以下の設計方法により設計され、以下の構成を有するものとして製造されている。
このうち、第1単電池1では、正極、セパレータ、及び負極からなり電解液を含ませた電池要素13が、金属からなる直方体形状の電池ケース14内に収納されている。さらにこの電池ケース14の図中上方には、復帰型の第1安全弁機構15が形成されている。具体的には、電池ケース14の上部に弁孔14Aが設けられており、この弁孔14Aの外側周囲をなす座面14Bに当接し弁孔14Aを塞ぐように、ゴムからなる弁部材16が配置されている。この弁部材16は、押え板17を介して金属つるまきバネ18によって、座面14Bに向けて付勢されて密着している。安全弁キャップ19は、これらを覆うようにして、キャップ取付面でもある座面14Bに固着され、金属つるまきバネ18等を保持している。
第1単電池1の第1安全弁機構15は、ガスによって金属つるまきバネ18の付勢力に抗して弁部材16が押し上げられて、電池ケース14内のガスを外部に放出するように、構成されている。このような構造となっているため、第1安全弁機構15は、第1単電池1の内圧Pが、第1下限圧力P1L〜第1上限圧力P1Uまでのばらつきの範囲(第1範囲)内の第1作動圧P1s(P1L≦P1s≦P1U)以上となると、開弁する。
一方、第2単電池2(2A〜2I)は、いずれも、第1単電池1と同じ、正極、セパレータ、及び負極からなり電解液を含ませた電池要素13が、電池ケース14と同じ、金属からなる直方体形状の電池ケース24内に収納されている。さらにこの電池ケース24の図中上方にも、復帰型の第2安全弁機構25が形成されている。具体的には、電池ケース24の上部に弁孔24Aが設けられており、この弁孔24Aの外側周囲をなす座面24Bに当接し弁孔24Aを塞ぐように、ゴムからなるゴム弁部材26が配置されている。このゴム弁部材26は、キャップ取付面でもある座面24Bに固着された安全弁キャップ29で覆われ、自身の弾性により、所定の付勢力で座面24Bに密着している。
第2単電池2(2A〜2I)の第2安全弁機構25は、ガスによってゴム弁部材26が自身の付勢力に抗して押し上げられて、電池ケース24内のガスを外部に放出するように構成されている。第2安全弁機構25は、内圧Pが、第2下限圧力P2L〜第2上限圧力P2Uまでのばらつきの範囲(第2範囲)内の第2作動圧P2s(P2sa,P2sb,…,P2si)以上となると、それぞれ開弁する(但し、P2L≦P2sa,P2sb,…,P2si≦P2U)。
この第2単電池2は、前述したように座面24Bへゴム弁部材26が密着する付勢力を、自身の弾性によって得ているため、金属つるまきバネ18を用いている第1単電池1に比して、第2作動圧P2sの精度が低い。具体的には、第1範囲と第2範囲とを比較すると、第1範囲のレンジは、第2範囲のレンジよりも小さい。つまり、P1U−P1L<P2U−P2Lである。
第2単電池2の第2安全弁機構25では、ゴム弁部材26自身の弾性力を利用するため、寸法公差や材料のロット間変動などによるゴム弁部材26の弾性の変動が比較的大きくなるほか、常時、ゴム弁部材26に押圧力が掛かっているために、ゴム弁部材26にいわゆるヘタリが生じて弾性が経時的に低下するなど、経時的にも弾性力が比較的大きく変動するため、第2作動圧P2sが大きく変動する場合があるからである。
また、本実施例においては、第1単電池1の第1上限圧力P1Uと第2単電池2の第2上限圧力P2Uとを比較すると、第1上限圧力P1Uの方が小さくなるように、第1,第2安全弁機構15,25が設定されている(P1U<P2U)。
第1単電池1及び第2単電池2(2A〜2I)は、以上のような構造及び特性を有している。この第1単電池1を1つと、第2単電池2(2A〜2I)を9つ選択し、これらを直列に接続することにより、組電池10が製造される。
ところで、この組電池10は、これを過充電あるいは過放電した場合など、異常駆動した場合には、各単電池1,2A〜2Iが直列に接続されているため、いずれの電池についても一斉に内圧が上昇する。このような内圧の上昇によって、電池ケース14,24は、変形し、各所に機械的応力を受ける。内圧が繰り返し上昇した場合には、繰り返し機械的応力を受けることになる。この機械的応力は、内圧の大きさが大きくなるほど大きくなるため、内圧が極端に大きくなった場合や、多数回繰り返して応力を受けた場合には、電池ケース14,24が破損する虞がある。そこで、第1,第2単電池1,2において内圧が極端に大きくなることがないように、それぞれ第1,第2安全弁機構15,25を設けている。
しかしながら、前述のように、第1安全弁機構15及び第2安全弁機構25共に、常に決まった第1作動圧P1sや第2作動圧P2sが得られる訳ではなく、第1作動圧P1sは、第1下限圧力P1L〜第1上限圧力P1Uまでのばらつきの範囲(第1範囲)内のいずれかの値となる。また、第2作動圧P2sも、それぞれ第2下限圧力P2L〜第2上限圧力P2Uまでのばらつきの範囲(第2範囲)内のいずれかの値となる。
従って、第2単電池2の組み合わせによっては、最も好ましくない場合である以下の場合、即ち、第2単電池2A〜2Iにおける各々の第2安全弁機構25の第2作動圧P2sa,P2sb,…,P2siが、いずれも第2上限圧力P2Uに等しくなる場合もあり得る。この場合には、内圧が上昇しても第2安全弁機構25が相対的に開弁し難いので、電池ケース24に掛かる内圧が高くなり大きく変形し、疲労が蓄積して電池ケース24の破壊に至る可能性が高くなるからである。
以下では、第2単電池2の組み合わせが上述のようになった組電池10について、繰り返し内圧を上昇させた場合について考察する。この場合、過充電等により、内圧が異常上昇しても、各第2単電池2は、内圧Pが第2上限圧力P2U(P=P2sa、…、P2si=P2U)となるまでいずれも開弁しないこととなる。前述したように、内圧が大きくなると受ける機械的応力も大きくなり、電池ケース24の各所に蓄積される疲労が大きくなるので、繰り返し内圧が上昇すると、比較的早期に電池ケース24の破損を生じる虞がある。
しかるに、本実施例の組電池10では、9ヶの第2単電池2のほかに、第1単電池1を備えている。この第1単電池1は、前述したように、第1作動圧P1sが、第1下限圧力P1L〜第1上限圧力P1Uまでのばらつきの範囲(第1範囲)内とされている。しかも、第1単電池1の第1上限圧力P1Uと第2単電池2の第2上限圧力P2Uとを比較すると、第1上限圧力P1Uの方が小さくなるように設定されている(P1s≦P1U<P2U)。このため、内圧の異常上昇が起きて、第1単電池1でも同様に内圧Pが上昇した場合、この第1単電池1では、内圧Pが第2上限圧力P2Uよりも低い第1作動圧P1sとなった時点で開弁する。つまり、第2単電池2A等に先立って開弁する。なお、内圧上昇の程度によっては、各第2単電池2A等の第2安全弁機構25も開弁する場合があり得る。しかし、そうであっても、開弁の頻度や、開弁によって放出されるガスや電解液の量は、第2単電池2A等より多くなる。
ところで、単電池は、安全弁が開弁して内部のガスや電解液が放出されると、電池容量が低下する。従って、何度も開弁すると、ついには単電池として機能しなくなる。すると、この単電池が直列に接続されている組電池全体も機能しなくなる。
つまり、この組電池10は、第1上限圧力P1U以下の第1作動圧P1sで開弁する第1安全弁機構15を有する第1単電池1を含むので、過充電等の異常駆動を繰り返す等により、各単電池1,2A〜2Iの内圧が繰り返し上昇すると、少なくとも第1単電池1についてみれば、その第1安全弁機構15が第1作動圧P1sで作動して、ガスや電解液の放出を繰り返す。
このため、各第2単電池2よりも先に、第1単電池1の電池容量が低下し、単電池としての機能を失う。すると、他の単電池(第2単電池2A等)の電池容量が未だ残存していても、組電池10全体としても機能を失う。さすれば、もはや第2単電池2A等に過充電することも不能となり、第2単電池2A等について内圧が上昇することもない。
かくして、第1上限圧力P1Uより高い第2作動圧P2s(P2sa,…,P2si)を有する第2安全弁機構25を有する第2単電池の電池ケース24が、疲労により破壊する前に、安全に組電池10を機能停止させ、第2単電池2A等の破壊による不具合を防止するように設定できる。
なお、以上では、第2単電池2A〜2Iにおける各々の第2安全弁機構25の第2作動圧P2sa,P2sb,…,P2siが、いずれも第2上限圧力P2Uに等しくなる場合について考察した。
しかし、複数の第2単電池2A等の中に、第1上限圧力P1Uよりも低い第2作動圧P2sを持つ第2単電池2が存在する場合もありうる。例えば、第2単電池2Aの第2作動圧P2saが、第1上限圧力P1Uよりも小さい(P2sa<P1U)であったとする。この場合には、第1単電池1のみならず、このような低い第2作動圧を有する第2単電池2(上記例では2A)も開弁する。従って、第1単電池1及び低い第2作動圧を持つ第2単電池2(上記例では2A)は、他の高い第2作動圧を有する第2単電池2(上記例では2B〜2I)よりも先に、単電池として機能低下を生じ、ついには、第1単電池1及び低い第2作動圧を持つ第2単電池2(上記例では2A)のいずれかが単電池としての機能を失う。
従って、この場合でも、組電池10全体としてその機能を失わせ、第1上限圧力P1Uより高い第2作動圧P2sを有する第2安全弁機構25を有する第2単電池2(上記例では2B〜2I)が疲労により破壊する前に、安全に組電池10を機能停止させ、もって、第2単電池2(上記例では2B〜2I)の破壊による不具合を防止することができる。
上述の場合、第1作動圧P1sを有する第1単電池1と、比較的低い第2作動圧を有する第2単電池2(上記例では2A)とでは、より作動圧の低い方の単電池が、先に機能を失うこととなる。第2単電池2(上記例では2A)の第2作動圧P2s(上記例ではP2sa)が、第1単電池1の第1作動圧P1sよりも低い場合には、第1単電池1よりも先に、これよりも低い第2作動圧を持つ第2単電池2(上記例では2A)の機能が失われる。このように、各組電池10における第2単電池2の第2作動圧P2sの組み合わせにより、個々の組電池10についてみれば、第1単電池1を用いたことの利点が見出せない場合も有りうる。
しかし、安全弁機構25の第2作動圧P2sが、それぞれ第2下限圧力P2L〜第2上限圧力P2Uまでのばらつきの範囲(第2範囲)に拡がっている第2単電池2A等を組み合わせて用いる場合には、本実施例のように、第1単電池1を組み合わせた組電池とするのが適切である。第2単電池2の第2作動圧P2sの組み合わせがどのような場合であっても、第1単電池1では、内圧が第1上限圧力P1U以下の第1作動圧P1sとなると第1安全弁機構15が開弁する。従って、組電池10について過充電など異常駆動が繰り返し行われても、遅くとも、第1単電池1が単電池としての機能を失うまでの期間で、組電池10の機能を失わせることができる。つまり、複数の単電池の一部に、第1単電池1を用いる設計とすることで、第2単電池2のどのような組み合わせであっても、第2単電池2が疲労により破壊する前に、確実に組電池10を機能停止させるように設定することができる。
特に本実施例では、第1単電池1の第1安全弁機構15において金属つるまきバネ18を用いることで、第2安全弁機構25における第2作動圧P2sのばらつきのレンジよりも、第1安全弁機構15の第1作動圧P1sのばらつきのレンジを小さくしている。従って、一部の単電池が機能を失うことによって組電池10全体の機能を失わせる時期や条件のうち、この第1単電池の第1作動圧で決まる最も遅くなる場合の時期や最も機能を失わせ難い条件を、精度良く決めることができる。
さらに、組電池10において、第1作動圧P1sのばらつきの範囲(第1範囲)を、第2作動圧P2sのばらつきの範囲(第2範囲)より低くする、つまり、第1上限圧力P1Uを第2下限圧力P2Lよりも低く設定(P1U<P2L)しておくと良い。
このように設定した第1単電池1及び第2単電池2を用いた組電池10では、第2単電池2の第2作動圧P2sの組み合わせに拘わらず、組電池10について過充電など異常駆動が繰り返し行われれば、第1単電池1が最も早く開弁する。従って、この第1単電池1がその機能を失うまでの期間や条件で、組電池10の機能を失わせる期間や条件を決定できる。
さらに、本実施例1の組電池10では、第2単電池2に比して、比較的高価になる第1単電池1を1つのみ用いているので、第1単電池を複数用いた場合よりも組電池10全体として安価とすることができる。
また、第2安全弁機構25に比して体格の大きな第1安全弁機構15を備える第1単電池1を、1つだけ用いているので、第1単電池を複数用いた場合よりも組電池10全体の体格をも小さくすることができる。
(実施例2)
上記実施例1では、組電池10の設計方法、及び製造方法について説明した。これに対し、本実施例2では、現実に製造された組電池20について説明する。この組電池20は、実施例1の組電池10と同一の構成を有し、現実に製造された組電池である(図1参照)。
組電池20を現実に製造した場合、個々の現実の組電池20においては、各単電池の安全弁機構における作動圧は、ばらつきの範囲で考察するものではなく、現実に測定できるものである。以下では、組電池20における第1単電池1の第1作動圧をRP1sとし、第2単電池2(2A〜2I)の第2作動圧をRP2s(RP2sa〜RP2si)とし、9つの第2作動圧のうち最小値を第2最小作動圧RP2sminとする。
本実施例2に係る組電池20では、これに含まれる第1単電池1の第1作動圧RP1sと、組電池20に含まれる第2単電池2A〜2Iの第2作動圧RP2sa〜RP2siのうちの最小値である第2最小作動圧RP2sminとを比較したとき、第2最小作動圧RP2sminよりも第1作動圧RP1sのほうが低い関係となっている(RP1s<RP2smin)。なお、組電池20においては、第1単電池1を1つしか有していないので、第1作動圧のうちの最小値である第1最小作動圧RP1sminは、第1作動圧RP1sに一致する。
本実施例2の組電池20は、第1安全弁機構15を有する第1単電池1、及び、第2安全弁機構25を有する第2単電池2を備える。このうち、第1安全弁機構15は、金属つるまきバネ材18を用いて弁部材16を付勢する構成となっているので、第1作動圧RP1sの精度が高い。また第1作動圧RP1sの経時変化も少ない。
一方、第2安全弁機構25は、ゴム状弾性体自身をゴム弁部材26として用いる構成となっている。このため、第2作動圧RP2sa〜RP2siの精度はいずれも比較的低い。
従って、組電池20に含まれる第2単電池2A〜2Iの第2作動圧RP2sa〜RP2siがいずれも、狙い値よりもかなり大きな値となってしまう場合があり得る。
これに対し、本実施例2の組電池20では、第1単電池1を備えており、各単電池の内圧が上昇すると、いずれの第2単電池2A〜2Iの第2安全弁装置25よりも先に、第1単電池1の第1安全弁装置15が開弁する。かくして、この組電池20では、第1単電池1の第1作動圧RP1s(第1最小作動圧RP1smin)により、組電池20の機能が失われる時期や条件が決定される。
しかも、第1作動圧RP1sは比較的その精度が高いので、組電池20の機能を失われる時期や条件を適切に設定することができる。
さらに、本実施例2の組電池20では、第2単電池2に比して、比較的高価になる第1単電池1を1つのみ用いているので、第1単電池を複数用いた場合よりも組電池20全体として安価である。
また、第2安全弁機構25に比して体格の大きな第1安全弁機構15を備える第1単電池1を、1つだけ用いているので、第1単電池を複数用いた場合よりも組電池20全体の体格をも小さくなっている。
本実施例2の組電池20は、使用する第1単電池1の第1作動圧RP1s及び第2単電池2の第2作動圧RP2sを測定しておき、RP1s<RP2sとなる1つの第1単電池1と9つの第2単電池を選択し、これらを組み合わせて組電池20とすることで得られる。
また、第1単電池1の第1作動圧RP1sのばらつきの範囲の第1上限圧力RP1smaxが、第2単電池2の第2作動圧RP2sのばらつきの範囲の第2下限圧力RP2sminよりも小さいという関係とした第1単電池の集合と第2単電池の集合とを用意する。そして、これらから1つの第1単電池1と9つの第2単電池を選択し、これらを組み合わせて組電池20とすることもできる。
以上において、本発明を実施例1,2に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、前述の実施例では、第1単電池1を1つのみ用いたが、2つ以上の第1単電池を用いることもできる。但し、第1単電池1は、比較的高価であり体格も大きいので、実施例1のように1つのみ用いるのが、安価で小体積とできる点で有利である。
実施例に係る組電池の概略構成を示す説明図である。
符号の説明
10 組電池
1,2,2A,2B,2I 単電池
1 第1単電池
2 第2単電池
13 電池要素
14,24 電池ケース
14A,24A 弁孔
14B,24B 座面(キャップ取付面)
15 第1安全弁機構
16 弁部材
17 押え板
18 金属つるまきバネ
19 安全弁キャップ
25 第2安全弁機構
26 ゴム弁部材(弾性体弁部材)
29 安全弁キャップ

Claims (11)

  1. 複数の単電池を直列に接続した組電池の設計方法であって、
    第1作動圧で開弁する復帰型の第1安全弁機構を有する第1単電池であって、
    上記第1作動圧のばらつきの範囲が、第1下限圧力から第1上限圧力までの第1範囲である上記第1安全弁機構を有する上記第1単電池少なくとも1つと、
    第2作動圧で開弁する復帰型の第2安全弁機構を有する第2単電池であって、
    上記第2作動圧のばらつきの範囲が、第2下限圧力から上記第1上限圧力よりも高い第2上限圧力までの第2範囲である上記第2安全弁機構を有する上記第2単電池残余の数と、を組み合わせて上記組電池とする
    組電池の設計方法。
  2. 請求項1に記載の組電池の設計方法であって、
    前記第1範囲を前記第2範囲より低くする
    組電池の設計方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の組電池の設計方法であって、
    前記第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、
    前記第1範囲のレンジが前記第2範囲のレンジより小さくされてなる
    組電池の設計方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の組電池の設計方法であって、
    前記第1安全弁機構は、
    金属バネ材を用いて弁部材を付勢し、上記金属バネ材の付勢力によって前記第1作動圧が決定される機構であり、
    前記第2安全弁機構は、
    上記金属バネ材を用いることなく、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢しまたはゴム状弾性体からなる弾性体弁部材を含み、上記ゴム状弾性体の付勢力によって前記第2作動圧が決定される機構である
    組電池の設計方法。
  5. 複数の単電池を直列に接続した組電池の製造方法であって、
    第1作動圧で開弁する復帰型の第1安全弁機構を有する第1単電池であって、
    上記第1作動圧のばらつきの範囲が、第1下限圧力から第1上限圧力までの第1範囲である上記第1安全弁機構を有する上記第1単電池少なくとも1つと、
    第2作動圧で開弁する復帰型の第2安全弁機構を有する第2単電池であって、
    上記第2作動圧のばらつきの範囲が、第2下限圧力から上記第1上限圧力よりも高い第2上限圧力までの第2範囲である上記第2安全弁機構を有する上記第2単電池残余の数と、を組み合わせて上記組電池とする
    組電池の製造方法。
  6. 請求項5に記載の組電池の製造方法であって、
    前記第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、
    前記第1範囲が前記第2範囲より低くされてなる
    組電池の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の組電池の製造方法であって、
    前記第1安全弁機構と第2安全弁機構とでは、
    前記第1範囲のレンジが前記第2範囲のレンジより小さくされてなる
    組電池の製造方法。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の組電池の製造方法であって、
    金属バネ材を用いて弁部材を付勢し、上記金属バネ材の付勢力によって前記第1作動圧が決定される機構であり、
    上記第2安全弁機構は、
    上記金属バネ材を用いることなく、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢しまたはゴム状弾性体からなる弾性体弁部材を含み、上記ゴム状弾性体の付勢力によって前記第2作動圧が決定される機構である
    組電池の製造方法。
  9. 複数の単電池を直列に接続した組電池であって、
    第1作動圧で開弁する復帰型の第1安全弁機構を有する少なくとも1つの第1単電池、及び、
    第2作動圧で開弁する復帰型の第2安全弁機構を有する残余の第2単電池からなり、
    上記第1安全弁機構は、
    金属バネ材を用いて弁部材を付勢し、上記金属バネ材の付勢力によって上記第1作動圧が決定される第1安全弁機構であり、
    上記第2安全弁機構は、
    上記金属バネ材を用いることなく、ゴム状弾性体を用いて弁部材を付勢しまたはゴム状弾性体からなる弾性体弁部材を含み、上記ゴム状弾性体の付勢力によって、上記第2作動圧が決定される第2安全弁機構であり、
    上記組電池に含まれる第1単電池の上記第1作動圧のうちの最小値である第1最小作動圧と、上記組電池に含まれる第2単電池の上記第2作動圧のうちの最小値である第2最小作動圧とを比較したとき、上記第2最小作動圧よりも上記第1最小作動圧のほうが低い
    組電池。
  10. 請求項9に記載の組電池であって、
    前記第1単電池を1つ有する
    組電池。
  11. 請求項9または請求項10に記載の組電池であって、
    前記第2安全弁機構は前記第1安全弁機構よりも小さくされてなる
    組電池。
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