JP2007055253A - 防水シート融着機 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱風の吹出し口を有するノズルとをつなぐ接続部とが鋭角になっており、熱風発生装置と立ち上がり部とが干渉しないようになっていることから、防水シートをめくり上げることなく接合面の加熱を行うことができる。
【解決手段】入隅箇所における防水シート6と固定プレート4との接合で、両者の間に熱風を吹き込むことによって熱融着して接合する際に用いる防水シート融着機10において、熱風発生装置11と該装置に接続する送風部12とからなり、該送風部12は熱風口13を有するノズル14と、前記熱風発生装置11とノズル14とをつなぐ接続部15とからなり、ノズル14と接続部15とが形成する屈曲部16の角度θが90°未満に設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】入隅箇所における防水シート6と固定プレート4との接合で、両者の間に熱風を吹き込むことによって熱融着して接合する際に用いる防水シート融着機10において、熱風発生装置11と該装置に接続する送風部12とからなり、該送風部12は熱風口13を有するノズル14と、前記熱風発生装置11とノズル14とをつなぐ接続部15とからなり、ノズル14と接続部15とが形成する屈曲部16の角度θが90°未満に設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は防水シート同士を熱融着により接合する際に用いられる防水シート融着機に係り、より詳しくは入隅箇所における防水シートの接合を良好に行うことができる防水シート融着機に関する。
建築物の屋上などに敷設する防水シートとして用いられるものには、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンなどの合成樹脂からなるもの、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などの加硫ゴムからなるもの、そしてアスファルトあるいはゴムアスファルトなどのアスファルト系材料からなる防水シートが挙げられる。そして、このような素材からなる所定幅の防水シートを下地に敷いて、隣り合う防水シート同士を接合することにより下地全面を防水シートで覆うという作業が行われる。
下地で立ち上がり部を有し入隅となっているような箇所では、例えば特許文献1に示すように下地の平場部2と立ち上がり部3との境界に接するように金属板等の表面に融着可能な素材を被覆した固定プレート4にて平場部の防水シート6をアンカー固定し、その上に立ち上がり部3に敷設する防水シート7の端部7aを被せて、固定プレート4と熱融着するとともに平場部の防水シート6との間も熱融着して固定するといった接合方法が採られている(図5)。
また、例えば特許文献2内の図面には平場部の立ち上がり部との境界に先に固定プレートをアンカー固定し、平場部のシートを前記固定プレートに被せるとともに立ち上がり部に敷設した防水シートの上に重ね合わせて接合するといった構造が採られている。
特許文献3には入隅箇所で平場部の立ち上がり部との境界に固定プレートをアンカー固定し、平場部の防水シートを固定プレートに融着して立ち上がり部の防水シートを平場部の防水シートの上から融着する構造が開示されている。
特許文献1の構造を採った接合部では、立ち上がり部の防水シートの端部を固定プレートの上面と更に平場部に敷設した防水シートと重ね合わせた部分を融着しなければならないため、接合幅が広く接合作業に時間がかかるといった問題があった。
特許文献2に示す方法であると、立ち上がり部の防水シートの上に平場部の防水シートを重ねており、水勾配に対して逆の重ねあわせになっていることから接合部における漏水の問題がある。
特許文献3に開示された接合構造では、防水シート同士の接合幅も少なく水勾配に従った重ね合わせになっている。ただし、固定プレートと平場部の防水シートを熱融着するのに両者の間に熱風を吹き込む際、立ち上がり部が熱風発生装置に干渉するので防水シートをめくり上げた状態で熱風を吹き込むことになる。そうすると防水シートにしわが発生する原因となるほか、熱風であぶられた面を目視で確認することが困難であること防水シートをめくり上げた状態で加熱することから加熱が不足しやすくなることもあって、熱融着による接合の不良が発生しやすくなるといった問題があった。
そこで、本発明は入隅箇所において防水シートを固定するに際して、接合作業に要する時間を短くし防水シートをめくり上げることなく接合部の熱風による加熱を行うことができ、水勾配に従った重ねあわせとすることができるような防水シート融着機の提供を目的とする。
上記のような目的を達成するために本発明の請求項1では、入隅箇所における防水シートと固定プレートとの接合で、両者の間に熱風を吹き込むことによって熱融着して接合する際に用いる防水シート融着機において、熱風発生装置と該装置に接続する送風部とからなり、該送風部は吹出し口を有するノズルと、前記熱風発生装置とノズルとをつなぐ接続部とからなり、ノズルと接続部とが形成する屈曲部の角度が90°未満に設定されてなることを特徴とする。
請求項2では、ノズルと接続部とが形成する屈曲部の角度が80°以下に設定されている防水シート融着機としている。
請求項3では、屈曲部が円筒形である場合の外径を5〜15mmの範囲内に設定してなる請求項1〜2記載の防水シート融着機。
請求項1によると熱風の吹出し口を有するノズルと接続部とが形成する屈曲部が鋭角になっており、熱風発生装置と立ち上がり部とが干渉しないようになっていることから、防水シートをめくり上げることなく接合面の加熱を行うことができる。
ノズルと接続部とが形成する屈曲部の角度を80°以下と設定しており、熱風発生装置を少々大型のものにしたとしても立ち上がり部との干渉を防止することができる。
図1は本発明の防水シート融着機を用いて防水シートの融着固定を行う入隅箇所における断面図である。平場部2と立ち上がり部3とかなる下地1に防水シートを敷設するにあたって、平場部2の立ち上がり部3との境界付近に固定プレート4をアンカー部材5で下地1に打ち込み固定している。
平場部2および立ち上がり部3にそれぞれ防水シート6と7が敷設されており、平場部2の防水シート6は端部6aが固定プレート4に熱融着されており、立ち上がり部3の防水シート7は立ち上がり部3の下端から平場部2側へ端部7aが延びており、該端部7aは平場部2の防水シートの端部6aの更に上に重ね合わせられやはり熱融着により接合されている。
この過程における固定プレート4に平場部2の防水シートの端部6aを熱融着する際、防水シートの端部6aは立ち上がり部3に略突き当たった状態で敷設するので固定プレート4と防水シートの端部6aとの接合面を熱風で炙る場合、熱風発生装置が立ち上がり部3と物理的に干渉することから防水シートの端部6aを大きくめくりあげなければならなかった。よって加熱効率が悪くなって融着不良が発生しやすくなることや、防水シート6にしわが発生するといった問題があって漏水や外観不良の原因となっていた。
本発明の防水シート融着機10は、図2のように熱風発生装置11と該装置に接続する送風部12とからなり、該送風部12は熱風口13を有するノズル14と、前記熱風発生装置11とノズル14とをつなぐ接続部15とからなり、ノズル14と接続部15間の屈曲部16の角度θが90°未満に設定されてなる。このようにノズル14と接続部15との間の屈曲部16の角度θが鋭角となっていることによって、接続部15に取り付けた熱風発生装置11と立ち上がり部3との物理的な干渉を防止することができるので、防水シート6を大きくめくりあげることなく防水シート融着機のノズル14を端部6aと固定プレート4との間に差し込むことができ、熱融着による接合での接合不良の発生や防水シートのしわの発生といった問題を防止することができる。
ノズル14と接続部15と屈曲部16が形成する角度θを30°〜80°の範囲とすることで、防水シート融着機10と立ち上がり部3との干渉を確実に防止することができて、作業性をよりよいものとすることができるとともに、角度θが小さすぎて抵抗が大きくなり熱風の勢いを大きく妨げるといったこともない。
その他、屈曲部16における厚みは平場部2の防水シートの端部6aをできるだけ立ち上がり部3に近づけるために20mm以下とするとともに、熱風の勢いを妨げないように3mm以上とする。更に屈曲部16が円筒形の場合は、その外径が7〜15mmの範囲内であることが好ましい。外径が7mm未満であるとその内径も自然と小さなものになるので十分な風量を得ることができず、また15mm以内に抑えることで防水シートの端部6aの立ち上がり部3からの距離も小さくできる。
ノズルの熱風口13の幅wは30〜70mmの範囲とする。30mm未満であると一度に加熱することができる幅が狭く一箇所の接合をするのに複数回の加熱接合作業を行わなければならなくなり、70mmを超えると作業時の取り回しが悪くなるとともに加熱の不要な箇所にまで過剰に加熱を行うことになるので好ましくない。
また、図4に示すように熱風口13以外にノズル14の上下両面に直径が1〜4mm程度で、片側だけで10〜30個程度の小孔17を設けておくことで、熱風口13からの風量の低下を抑えて且つ接合部の予熱効果を発揮することができる。
ノズル14や接続部15、熱風発生装置11の形状は図面の形状に限られるものではなく、そのほか様々な形状を採用することが可能である。
固定プレート4はある程度の強度を有するとともに少なくとも表面が防水シートと熱融着できる素材からなるものからなる。例えば金属や熱硬化性樹脂等からなる芯材の表面に熱融着のための熱可塑性樹脂からなる被覆材を施したものや、全体が樹脂素材のみからなるものであってもよい。
具体的には、芯材としては金属や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化樹脂から構成される芯材であって、形状は径がφ60〜100mm程度の円形または正方形、矩形の芯材や、帯状で長尺の芯材を挙げることができる。
被覆材として用いられるものとしては、防水シート6と融着が可能な熱可塑性樹脂であることが必要になり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートなどのオレフィン樹脂やそれらを変成した塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、マレイン化エチレンビニルアセテートなどの変成オレフィン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられるが、この中でも加硫ゴムと融着したときの接着強度が大きいことからポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレンを用いることが好ましい。
被覆材の厚みは0.05〜2.0mm、より好ましくは0.05〜1.0mmの範囲とする。被覆材の厚みをこのような範囲とすることによって、前記のように防水シートの表面に20〜200μm深さの凹凸パターンを有していたとしても被覆材の熱可塑性樹脂が加熱して溶融したときに凹凸パターンの凹部にも十分流れ込むことができるので、接着面積が広くなったことになり接着力としては大きなもの得ることができる。
被覆材の厚みが0.05未満であると加熱して溶融しても防水シートの凹凸パターン内に十分流れ込むことができず接着力が小さくなってしまうことと薄すぎて強度の面で不安があるという問題が挙げられる。2.0mmを超えると通常の加熱状態では、シートとの接触面まで熱が伝わらず表面が溶融しない状態となるので好ましくない。また、厚みが1.0mmを超えた場合には、被覆材を防水シートの凹凸パターン内に十分流れ込むだけの溶融させるのに要する加熱時間が長くなるので、より好ましくは1.0mm以下とすることが好ましいといえる。
また、被覆材を構成する熱可塑性樹脂は加熱して溶融したときに流れやすいものの方が防水シートの凹凸パターン内に流れ込みやすい。そこで本発明では被覆材を構成する熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)が0.1〜30.0g/10minの範囲、より好ましくは0.2〜10.0g/10minのものを用いている。被覆材のMFRが0.1g/10min未満であると加熱時の流れが悪く防水シート表面の凹凸パターン内に流れ込むことができず接着力が小さくなってしまい、30.0g/10minを超えると加熱後の圧着によって樹脂が周囲に溢れて樹脂の厚みが薄くなるので好ましくない。
また、芯材と被覆材とは、例えば融着や接着剤を介在するなどして固着されている。芯材は、防錆性、耐候性の高いものが好ましく、具体的には鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融アルミニウムメッキ鋼板、冷間圧延ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などが挙げられる。
この芯材の厚みは使用する金属の種類によっても夫々異なるが、通常0.4〜2.0mm程度のものが用いられる。0.4mm未満であると剛性が低く、防水シートが風の負圧などで浮き上がろうとした時に破壊される可能性がある。また2.0mmを超えると加工性が乏しくなる上に重量が大きくなり、防水シート上に現れる段差が大きくなり外観を損ねることになるので好ましくない。特にステンレス鋼を用いる場合は0.5〜1.0mmの厚さがもっとも好ましい。ステンレス鋼であればこの範囲で剛性も十分に得られ、また、金切りはさみで簡単に切断加工することができ、施工時の加工も容易である。
本発明で用いる防水シート6、7の素材として用いられるものは、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、イソプレン・イソブチレン共重合体(IIR)、熱融着用加硫ゴム等のゴム素材や、塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマ−等の素材も用いることができる。
防水シート6、7の厚みとしては、0.8〜2.5mm程度の厚みのものが用いられる。1.0mm未満であると強度的に不足し、2.5mmを超える厚みになると接合部において段差が大きくなり過ぎて外観を損ねたりシート同士接合部の浮きなどの問題が発生したりするので好ましくない。
以上のように本発明のような防水シート融着機を用いることによって、入隅箇所において固定プレートを下地に先にアンカー固定してその上に平場部の防水シートを熱融着し、次いで立ち上がり部と平場部の防水シート同士を熱融着する。図5に示す従来例では平場部2の防水シート6を下地1上においてその上から固定プレート4でアンカー固定する方法では接合部の漏水を確実に防止するために立ち上がり部の防水シート7を固定プレート4及び平場部2の防水シート6の両方にまたがらせて熱融着しなければならなかったのに比べて、防水シート同士を熱融着する際の重ね幅を小さくすることができ施工性を向上させることができる。
また、固定プレートよりも先に防水シートを敷設する方法では、固定プレートのアンカーのための孔をコンクリート製の下地に開ける際、ドリル等でコンクリートを削るが、コンクリート粉が防水シートの表面パターンに入り込むように付着し、その清掃に手間がかかるといった問題もあり、本発明の防水シート融着機により固定プレートを先に下地に固定することができることでそういった清掃の手間を省くことができるという効果もある。
建築物の屋上等の防水で、立ち上がり部における入隅箇所の防水シートの敷設において利用することができる。
1 下地
2 平場部
3 立ち上がり部
4 固定プレート
5 アンカー部材
6 防水シート
6a 端部
7 防水シート
7a 端部
10 防水シート融着機
11 熱風発生装置
12 送風部
13 熱風口
14 ノズル
15 接続部
16 屈曲部
θ 角度
w 幅
2 平場部
3 立ち上がり部
4 固定プレート
5 アンカー部材
6 防水シート
6a 端部
7 防水シート
7a 端部
10 防水シート融着機
11 熱風発生装置
12 送風部
13 熱風口
14 ノズル
15 接続部
16 屈曲部
θ 角度
w 幅
Claims (3)
- 入隅箇所における防水シートと固定プレートとの接合で、両者の間に熱風を吹き込むことによって熱融着して接合する際に用いる防水シート融着機において、熱風発生装置と該装置に接続する送風部とからなり、該送風部は吹出し口を有するノズルと、前記熱風発生装置とノズルとをつなぐ接続部とからなり、ノズルと接続部とが形成する屈曲部の角度が90°未満に設定されてなることを特徴とする防水シート融着機。
- ノズルと接続部とが形成する屈曲部の角度が80°以下に設定されている請求項1記載の防水シート融着機。
- 屈曲部が円筒形である場合の外径を7〜15mmの範囲内に設定してなる請求項1〜2記載の防水シート融着機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006202643A JP2007055253A (ja) | 2005-07-27 | 2006-07-26 | 防水シート融着機 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005217925 | 2005-07-27 | ||
JP2006202643A JP2007055253A (ja) | 2005-07-27 | 2006-07-26 | 防水シート融着機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007055253A true JP2007055253A (ja) | 2007-03-08 |
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ID=37919130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006202643A Pending JP2007055253A (ja) | 2005-07-27 | 2006-07-26 | 防水シート融着機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014091971A (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-19 | Hokkai Giken Kogyo Kk | 屋根材押さえプレート |
CN112049339A (zh) * | 2020-09-21 | 2020-12-08 | 尹丽 | 一种防水卷材烘烤装置 |
CN117140969A (zh) * | 2023-09-20 | 2023-12-01 | 昆山晨鼎嘉电子科技有限公司 | 一种热风焊焊接设备 |
-
2006
- 2006-07-26 JP JP2006202643A patent/JP2007055253A/ja active Pending
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JP2014091971A (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-19 | Hokkai Giken Kogyo Kk | 屋根材押さえプレート |
CN112049339A (zh) * | 2020-09-21 | 2020-12-08 | 尹丽 | 一种防水卷材烘烤装置 |
CN117140969A (zh) * | 2023-09-20 | 2023-12-01 | 昆山晨鼎嘉电子科技有限公司 | 一种热风焊焊接设备 |
CN117140969B (zh) * | 2023-09-20 | 2024-05-28 | 昆山晨鼎嘉电子科技有限公司 | 一种热风焊焊接设备 |
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