JP2007055169A - 射出成形用金型および射出成形方法、ならびにテープリールおよびテープカートリッジ - Google Patents

射出成形用金型および射出成形方法、ならびにテープリールおよびテープカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 サイクルタイムを長くする必要がないため生産性に影響を与えず、所要の表面に微小凸部の形成を防止できる射出成形用金型、ならびにその射出成形用金型を用いて成形されるフランジ部材を備えるテープリールおよびテープカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】 第1の金型と第2の金型とを備え、型締め時に、前記第1の金型の第1成形面と、前記第2の金型の第2成形面とで囲まれる成形用キャビティを形成する射出成形用金型であって、前記第2の金型は、前記第2成形面から突出自在の押し出しピンを有し、前記第1の金型は、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部を備えることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、射出成形用金型および射出成形方法、ならびにその射出成形用金型を用いて成形されるフランジ部材を備えるテープリールおよびテープカートリッジに関する。
射出成形による精密部品の製造において、射出成形時に樹脂成形品の表面に形成される微小な凹凸は、その部品を組み込んで製造される製品に高い性能や品質が求められるに伴って、その製品の性能に大きな影響を与えるようになってきている。特に、微小な凹凸が、他の構成部材の動作に影響を与える部位などに形成される場合には、微小であっても、製品の性能や品質に大きな影響を与えることがある。例えば、近年、コンピュータのデータバックアップ等に用いられる磁気テープカートリッジでは、高記録密度化、大容量化の進展に伴って、磁気テープの走行速度の高速化かつ走行精度の向上が求められるに伴って、テープカートリッジの構成部材についても、より高精度であることが求められるようになってきている。
図2に示すように、テープカートリッジの構成部材であるテープリール2は、テープを巻装する円筒状のハブ21と、そのハブ21の上下両端に固着された2つのフランジ部材22a,22bとで構成される。このようなテープリール2を有するテープカートリッジにおいて、磁気テープが安定した走行を示すためには、テープリール2を構成する各部材が高い寸法精度を有しなければならない。
このテープリール2における磁気テープの巻き取りおよび巻き出しに際して、フランジ部材22a,22bのフランジ内面23a,23bは、ハブに巻装された磁気テープMTの端部(エッジ)が当接する面であるため、このフランジ内面23a,23bに凸部が存在すると、エッジにダメージを与え、このダメージは、磁気テープMTがテープリール2に巻き取られていくに従って、フランジ内面23a,23bの凸部を基点として外周側に放射状に伝播し、いわゆるスポーク状放射が発生し、これが、テープの走行性能とともに、テープの巻き姿にも悪影響を与え、テープカートリッジの性能および品質を損ねてしまうという問題もある。
ところで、こうしたテープリール2は、一般に熱可塑性樹脂を原料として射出成形により製造される。この射出成形は、原料となる溶融した熱可塑性樹脂をゲートを介して成形用金型のキャビティー(成形空間)に射出し、冷却固化することにより行われる。
そして、特許文献1には、成形用金型から成形品(フランジ)を取り出すとき、成形品(フランジ)が反ってしまったり、割れてしまうという問題を防止するために、フランジの周面に開口する複数のゲートをほぼ等間隔に有するとともに、前記フランジを突き出すための突き出しピンを前記複数のゲートの各々の近傍のみに設けた金型を用いる技術が開示されている。
しかし、この特許文献1に開示されている技術は、成形品(フランジ部材)の反りや割れを防止するものであるが、リールフランジ内面の微小凸部の形成による問題を解決するものではない。このリールフランジ内面における微小凸部の形成について図6(a)〜図6(d)に基づいて説明すると、まず、図6(a)に示すように、型締めされた射出成形用金型60において、固定側金型61と、可動側金型62との間に形成された成形用キャビティ63内に、固定側金型61に設けられた射出ノズル(図示せず)から溶融樹脂を射出すると、ランナ(図示せず)を通流した溶融樹脂がゲート64を通って導入される。成形用キャビティ63内で冷却・固化した溶融樹脂は、フランジ部材の粗成形品65を形成する。そして、可動側金型62を固定側金型61から離間させて、型開きを行うと、図6(b)に示すように、フランジ部材の粗成形品65のリールフランジ内面65aの側の空間が開放される。
このとき、サイクルタイムを短縮して生産性の向上を図るために、一般に、成形用キャビティ63内で完全な冷却・固化時間を取ることなく、半固化の状態、すなわち、第1成形面61aおよび第2成形面62aに接していた粗成形品65の表面、すなわち、リールフランジ内面65aおよびリールフランジ外面66の外側が固化した時点で、型開きが行われる。
このような状態で、図6(c)に示すように、押し出しピン67を第2成形面62aから突出させて、粗成形品65の脱型を行うと、押し出しピン67の突出によって粗成形品65の内側が押圧される。これによって、押し出しピン67に対向する部位のリールフランジ内面65aが、リールフランジ内面65a側の開放空間に向けて(図6(c)の紙面上の上方向に)押し出され、リールフランジ内面65aに微小凸部68が形成される。
この射出成形の一連の工程において、成形用キャビティ63内への溶融樹脂の射出後の冷却時間を十分に取り、樹脂が完全に固まった後に、型開きして押し出しピン67を可動側金型62から突き出す動作を行えば、微小凸部68の発生を防止することが可能である。しかし、冷却時間を十分に取った場合には、サイクルタイムが長くなるため生産性の低下を招く、という問題がある。
特開2002−100151号公報
そこで、前記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、サイクルタイムを長くする必要がないため生産性に影響を与えず、所要の表面に微小凸部の形成を防止できる射出成形用金型を提供することを目的とする。特に、テープカートリッジ用テープリールのフランジ部材の成形に好適な射出成形用金型を提供することを目的とする。
また、本発明の第2の態様は、サイクルタイムを長くする必要がないため生産性に影響を与えず、所要の表面に微小凸部の形成を防止できる射出成形方法を提供することを目的とする。特に、テープカートリッジ用テープリールのフランジ部材の成形に好適な方法を提供することを目的とする。
また、本発明の第3の態様は、リールフランジ内面に、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射の原因となる微小凸部を有しないテープカートリッジ用テープリールを提供することを目的とする。
さらに、本発明の第4の態様は、リールフランジ内面に、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射の原因となる微小凸部を有しないため、テープの走行性能に優れたテープカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、第1の発明に係る射出成形用金型は、第1の金型と第2の金型とを備え、型締め時に、前記第1の金型の第1成形面と、前記第2の金型の第2成形面とで囲まれる成形用キャビティを形成する射出成形用金型であって、前記第2の金型は、前記第2成形面から突出自在の押し出しピンを有し、前記第1の金型は、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部を備えることを特徴とする。
この射出成形用金型では、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部によって微小凹部が形成され、この微小凹部によって、押し出しピンの突き出し時に、前記押し出しピンに対向する部位の表面に微小凸部が形成されるのを防止できる。
また、テープカートリッジ用テープリールを構成するフランジ部材を成形するために用いられる射出成形用金型は、前記微小凹部形成部は、型締め時に、前記フランジ部材のリールフランジ内面であって、脱型時に、前記第2成形面から突出される押し出しピンの先端が当接するリールフランジ外面に対向する部位に、微小凹部を形成するように配設されることを特徴とする。
この射出成形用金型では、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部によって、前記フランジ部材のリールフランジ内面であって、脱型時に、前記第2成形面から突出される押し出しピンの先端が当接するリールフランジ外面に対向する部位に、微小凹部が形成され、この微小凹部によって、押し出しピンの突き出し時に、前記リールフランジ内面に微小凸部が形成されるのを防止できる。
また、第2の発明に係る射出成形方法は、前記第1の発明に係る射出成形用金型を用いて、樹脂成形品を成形する射出成形方法であって、型締め後、ゲートから成形用溶融樹脂を前記キャビティ内に射出する工程と、キャビティ内に前記微小凹部を有する樹脂成形品を粗成形する工程と、前記第2の金型を移動して型開き後、前記第2の金型の第2成形面から押し出しピンを突き出して、前記樹脂成形品を脱型する工程とを備えることを特徴とする。
この射出成形方法では、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部によって微小凹部が形成され、この微小凹部によって、押し出しピンの突き出し時に、前記押し出しピンに対向する部位の表面に微小凸部が形成されるのを防止できる。
また、第2の発明に係る射出成形方法によって、テープカートリッジ用テープリールの構成部材であるフランジ部材を成形する方法は、型締め後、ゲートから成形用溶融樹脂を前記成形用キャビティ内に射出する工程と、前記成形用キャビティ内に前記微小凹部を有する前記フランジ部材の粗成形品を成形する工程と、前記第2の金型を移動して型開き後、前記第2の金型の第2成形面から押し出しピンを突き出して、前記フランジ部材の粗成形品を脱型する工程と、を備えることを特徴とする。
この射出成形方法では、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部によって微小凹部が形成され、この微小凹部によって、押し出しピンの突き出し時に、前記フランジ部材の前記押し出しピンに対向する部位であるリールフランジ内面に微小凸部が形成されるのを防止できる。
また、第3の発明に係るテープカートリッジ用テープリールは、前記第1の発明に係る射出成形用金型を用いて成形され、フランジ部材のリールフランジ内面に存在する微小凹部の深さが10μm以下であることを特徴とする。
このテープカートリッジ用テープリールは、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射の原因となる微小凸部をフランジ内面に有しないため、これを組み込んだテープカートリッジにおけるテープの走行性能の向上を図ることができる。
さらに、第4の発明に係るテープカートリッジは、前記第3の発明に係るテープカートリッジ用テープリールを備えることを特徴とする。
このテープカートリッジは、前記テープカートリッジ用テープリールを構成部材として備え、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射の原因となる微小凸部をリールフランジ内面に有しないため、優れたテープ走行性能を得ることができる。
本発明の射出成形用金型は、射出成形工程における押し出しピンの突き出し時に、前記リールフランジ内面に微小凸部が形成されるのを防止できる。特に、テープリールのフランジ部材の射出成形においては、リールフランジ内面に微小凸部が形成されるのを防止できる。
また、本発明の射出成形方法によれば、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部によって微小凹部が形成され、この微小凹部によって、押し出しピンの突き出し時に、前記押し出しピンに対向する部位の表面に微小凸部が形成されるのを防止できる。
また、本発明のテープカートリッジ用テープリールは、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射の原因となる微小凸部をフランジ内面に有しないため、これを組み込んだテープカートリッジにおけるテープの走行性能の向上を図ることができる。
さらに、本発明のテープカートリッジは、前記テープカートリッジ用テープリールを構成部材として備え、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射等の原因となる微小凸部をリールフランジ内面に有しないため、優れたテープ走行性能を得ることができる。
次に、本発明の実施形態として、図1に示す磁気テープカートリッジMC1を例に取り、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁気テープカートリッジMC1の構成を示す分解斜視図、図2はテープリールの構成を示す分解斜視図、図3(a)はフランジ部材の構造を示す平面図、図3(b)は図3(a)に示すA−A線矢視断面図、図4(a)〜図4(d)は射出成形における射出成形用金型の動作を順を追って説明する模式図、図5(a)〜図5(d)は射出成形の各工程におけるフランジ部材の粗成形品の状態を説明する模式図である。
図1に示す磁気テープカートリッジMC1は、上ハーフ1Aと下ハーフ1Bとを結合して構成されるケース筐体1の内部に、磁気テープMTが巻装された単一のテープリール2、テープリール2の回転をロックするためのリールロック3、圧縮コイルばね4、リール2のロック状態を解除するためのリリースパッド5、上ハーフ1Aおよび下ハーフ1Bに跨ってケース筐体1に形成された磁気テープ引出口1Cを開閉するスライドドア6、スライドドア6を磁気テープ引出口1Cの閉位置に付勢するねじりコイルばね7、誤消去防止爪8、などを組み込んで構成されている。また、下ハーフ1Bには、補強用のリブ9A,9B,9Cがテープリール2の外周を取り囲む形で適宜立設されている。さらに、8a1および8a2は、上ハーフ1Aと下ハーフ1Bとを結合してケース筐体1を構成したときに、誤消去防止爪8を操作するための窓を形成する。
このテープリール2は、図2に示すように、上ハーフ1A側に開口するカップ状のハブ21と、ハブ21の上下両端に固着される2つのフランジ部材22a,22bとを主要な構成部材とするものである。ハブ21内には、図1に示す、リリースパッド5、リールロック3および圧縮コイルばね4が順次組み付けられ、磁気テープカートリッジMC1の非使用時には、テープリール2の回転動作が拘束され、磁気テープカートリッジMC1の使用時には、テープリール2の回転動作の拘束が解除され、テープリール2が回転自在とされる。
そして、フランジ部材22a,22bは、前記ハブ21の開口に対応して中央に開口部を有する。また、本実施形態では、フランジ部材22bは、ハブ21と一体に形成され、フランジ部材22aは、図2、図3(a)および図3(b)に示すように、ハブ21の下端に嵌着される環状嵌着部24aを有する。このフランジ部材22a,22bのリールフランジ内面23a,23bは、ハブ21の外周に巻装される磁気テープMTのエッジに当接し、磁気テープMTの巻き取りおよび巻き出しに際して、磁気テープMTの幅方向の動きを規制し、磁気テープMTの走行精度に大きな影響を与える部分である。
このテープリール2のフランジ部材22aの射出成形は、図4(a)〜図4(d)に示す射出成形用金型および工程によって行うことができる。
図4(a)に示すように、射出成形用金型40は、固定側金型(第1の金型)41と、可動側金型(第2の金型)42とを備え、型締め時に、固定側金型41の第1成形面41aと、可動側金型42の第2成形面42aとの間に成形用キャビティ43が形成される。
可動側金型42は、脱型時に、第2成形面42aから突出自在の押し出しピン44を備え、固定側金型41は、成形用キャビティ43を挟んで押し出しピン44に対向する部位に、第1成形面41aから突設された微小凹部形成部45を有する。また、固定側金型41には、溶融樹脂の射出ノズル46が設けられる。前記微小凹部形成部45の前記第1成形面41aからの突出高さ(図5(a)に示すh)は、10〜100μmが好ましく、3〜30μmがさらに好ましい。
この射出成形用金型40によるフランジ部材22aの成形は、まず、図4(a)に示すとおり、型締めされた射出成形用金型40において、固定側金型41の第1成形面41aと、可動側金型42の第2成形面42aとの間に形成された成形用キャビティ43に、射出ノズル46から溶融樹脂が射出される(工程(A))。射出された溶融樹脂は、図4(b)に示すように、ランナ47を通って、ゲート48から成形用キャビティ43に導入され、冷却・固化される。これによって、成形用キャビティ43の内部空間に沿って、フランジ部材22aの粗成形品49が形成される(工程(B))。なお、ゲート48は、溶融樹脂の成形用キャビティ43への導入および充填が過不足なく均等に行われ、ウェルドラインの発生、溶融樹脂の付きまわり不良等を防止することを考慮して、フランジ部材22aの環状嵌着部24aの内周に対応するランナ47の外縁に沿って均等に複数個所に設けられる。また、押し出しピン44は、フランジ部材22aの環状嵌着部24aの外周に沿って等間隔に第2成形面42aに突出自在に設けられ、通常、可動側金型42の4〜10箇所に設けられる。
このフランジ部材22aの粗成形品49には、第1成形面41aから突設された微小凹部形成部45に対応して微小凹部50が形成される。この微小凹部50の深さ(図5(b)に示すd)は、通常、1〜100μm程度、好ましくは3〜30μm程度である。微小凹部50が深すぎるとエッジダメージの原因となる。
次に、図4(c)に示すように、可動側金型42を移動(図4(c)中の紙面下方向)して、可動側金型42を固定側金型41から離間させて、型開きを行う。そして、図4(d)に示すように、押し出しピン44を第2成形面42aから突出させて、フランジ部材22aの粗成形品49を脱型する(工程(C))。このとき、可動側金型42の中央に設けられた押し出しピン51は、第2成形面42aから突出させて、固化したランナ47を脱型させることができる。
この工程(B)から工程(C)において、前記微小凹部50による微小凸部の形成の防止について、図5(a)〜(d)に基づいて説明する。
まず、工程(B)において、成形用キャビティ43内で冷却・固化したフランジ部材22aの粗成形品49は、図5(a)に示すように、第1成形面41aから突出高さhで突設された微小凹部形成部45に対応して、押し出しピン44に対向する、フランジ部材22aのリールフランジ内面23aに深さdの微小凹部50が形成される。そして、工程(C)において、可動側金型42を固定側金型41から離間させて、型開きを行うと、前記微小凹部50の側の空間が開放される。このとき、サイクルタイムを短縮して生産性の向上を図るために、成形用キャビティ43内で十分な冷却・固化時間を取ることなく、半固化の状態、すなわち、第1成形面41aおよび第2成形面42aに接していた粗成形品49の表面、すなわち、リールフランジ内面23aおよびリールフランジ外面25の外側が固化した時点で、型開きが行われる。
このような状態で、図5(c)に示すように、押し出しピン44を第2成形面42aから突出させて、粗成形品49の脱型を行うと、押し出しピン44の突出によって粗成形品49の内側が押圧される。これによって、押し出しピン44に対向する部位のリールフランジ内面23aに形成された微小凹部50の底面50aが、リールフランジ内面23a側の開放空間に向けて(図5(c)の紙面上の上方向に)押し出される。このとき、微小凹部50の深さd(図5(b)参照)、すなわち、リールフランジ内面23aから微小凹部50の底面までの距離を、押し出しピン44の突き出しによって、その押し出しピン44に対向する反対側の面(リールフランジ内面23a)が膨出する高さに相当するように形成しておけば、図5(c)に示すように、微小凹部50の底面50aがリールフランジ内面23aとほぼ面一となり、リールフランジ内面23aが、スポーク状放射の発生原因とならない程度にほぼ平坦化される。
このようにして、図5(d)に示すように、微小凹部50が消失して、リールフランジ内面23aが坦化されたフランジ部材22aが成形される。ここで、フランジ部材のリールフランジ外面25には、押し出しピン44の押圧によって凹部26が形成されるが、この凹部26は、ハブに巻装された磁気テープMTの端部(エッジ)が当接する面ではないため、磁気テープMTのエッジにダメージを与えたり、磁気テープMTの走行精度の悪化を招く原因とはならない。
以上の実施形態の説明において、成形後、微小凹部50の底面50aがリールフランジ内面23aとほぼ面一となり、リールフランジ内面23aが平坦面に形成されることを図示したが、実際の製造工程では、リールフランジ内面23aの凹凸を完全にゼロとすることはできず、また、一方、高さが数μmの微小凸部でも、スポーク状放射の原因となる。そして、押し出しピン44の突き出しによって、微小凹部50の底面50aがリールフランジ内面23aとほぼ面一となり、リールフランジ内面23aがスポーク状放射の発生原因とならない程度にほぼ平坦化される。このとき、微小凹部50の底面50aがリールフランジ内面23aまで膨出しないで、リールフランジ内面23aが微小な凹形状に形成されていてもよい。したがって、リールフランジ内面23aに形成される微小凸部の高さおよび微小凹部の深さは、10μm以下であることが好ましい。この範囲内で、微小凸部の高さおよび微小凹部の深さがこの範囲内となるように、前記微小凹部形成部45の突出高さh、押し出しピン44の突き出し量、型開きから押し出しピン44の突き出しまでの時間、冷却速度等を調整することが好ましい。
また、前記の実施形態は、テープリール2のハブ21と一体に成形されず、独立して形成されるフランジ部材22a、ならびにそのフランジ部材の射出成形用金型および射出成形方法について説明したが、本発明は、前記フランジ部材22aに限定されず、他の形態のフランジ部材にも適用可能である。例えば、ハブ21と一体に成形されないフランジ部材22b、また、ハブ21と一体に成形されるフランジ部材22bに適用して、そのフランジ部材22bが有するリールフランジ内面23bに、押し出しピン44の突き出しによってその押し出しピンが当接する側と反対側に微小凸部が形成されることを防止するために適用できる。
また、本発明は、フランジ部材22a,22bに限定されず、片面の表面に凸部が形成されることによって性能に悪影響を受ける薄板状の樹脂成形品に、押し出しピン44の突き出しによって、その押し出しピンが当接する側と反対側に微小凸部が形成されることを防止するために適用可能である。
さらに、前記実施形態は、1リール型の磁気テープカートリッジのテープリールのフランジ部材について説明したが、本発明は、1リール型に限定されず、例えば、2リール型の磁気テープカートリッジにおけるテープリールのフランジ部材についても適用可能である。これによって、押し出しピン44の突き出しによってその押し出しピンが当接する側と反対側に微小凸部が形成されることを防止することができる。そして、リールフランジ内面に、エッジダメージ、磁気テープの走行精度の悪化、いわゆるスポーク状放射の原因となる微小凸部を有しない2リール型のテープカートリッジ用テープリールを得ることができる。また、そのテープリールを備える2リール型の磁気テープカートリッジは、テープの走行性能に優れたテープカートリッジとなる。
磁気テープカートリッジMC1の構成を示す分解斜視図である。 テープリールの構成を示す分解斜視図である。 (a)はフランジ部材の構造を示す平面図、(b)は(a)に示すA−A線矢視断面図である。 (a)〜(d)は射出成形における射出成形用金型の動作を順を追って説明する模式図である。 (a)〜(h)は射出成形の各工程におけるフランジ部材の粗成形品の状態を説明する模式図である。 (a)〜(h)は、従来の射出成形の各工程におけるフランジ部材の粗成形品の状態を説明する模式図である。
符号の説明
2 テープリール
22a フランジ部材
22b フランジ部材
23a リールフランジ内面
23b リールフランジ内面
40 射出成形用金型
41 固定側金型(第1の金型)
41a 第1成形面
42 可動側金型(第2の金型)
42a 第2成形面
43 成形用キャビティ
44 押し出しピン
45 微小凹部形成部
48 ゲート
49 粗成形品
50 微小凹部
MC1 磁気テープカートリッジ
MT 磁気テープ

Claims (7)

  1. 第1の金型と第2の金型とを備え、型締め時に、前記第1の金型の第1成形面と、前記第2の金型の第2成形面とで囲まれる成形用キャビティを形成する射出成形用金型であって、
    前記第2の金型は、前記第2成形面から突出自在の押し出しピンを有し、前記第1の金型は、前記成形用キャビティを挟んで前記押し出しピンに対向する部位に、前記第1成形面から突設された微小凹部形成部を備えることを特徴とする射出成形用金型。
  2. テープカートリッジ用テープリールを構成するフランジ部材を成形するために用いられる射出成形用金型であって、
    前記微小凹部形成部は、型締め時に、前記フランジ部材のリールフランジ内面であって、脱型時に、前記第2成形面から突出される押し出しピンの先端が当接するリールフランジ外面に対向する部位に、微小凹部を形成するように配設されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 前記微小凹部形成部の前記第1成形面からの突出高さは、1〜100μmであることを特徴とする請求項2に記載の射出成形用金型。
  4. 請求項1に記載の射出成形用金型を用いて、樹脂成形品を成形する射出成形方法であって、
    型締め後、ゲートから成形用溶融樹脂を前記成形用キャビティ内に射出する工程(A)と、
    前記成形用キャビティ内に前記微小凹部を有する樹脂成形品を粗成形する工程(B)と、
    前記第2の金型を移動して型開き後、前記第2の金型の第2成形面から押し出しピンを突き出して、前記樹脂成形品を脱型する工程(C)とを備えることを特徴とする射出成形方法。
  5. 請求項2に記載の射出成形用金型を用いて、テープカートリッジ用テープリールを構成するフランジ部材を成形する射出成形方法であって、
    型締め後、ゲートから成形用溶融樹脂を前記成形用キャビティ内に射出する工程(A)と、
    前記成形用キャビティ内に前記微小凹部を有する前記フランジ部材の粗成形品を成形する工程(B)と、
    前記第2の金型を移動して型開き後、前記第2の金型の第2成形面から押し出しピンを突き出して、前記フランジ部材の粗成形品を脱型する工程(C)と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の射出成形方法。
  6. 請求項2に記載の射出成形用金型を用いて成形され、フランジ部材のリールフランジ内面に存在する微小凹部の深さが10μm以下であることを特徴とするテープカートリッジ用テープリール。
  7. 請求項6に記載のテープカートリッジ用テープリールを備えることを特徴とするテープカートリッジ。
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JP2010099866A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Hitachi Maxell Ltd 一体化部材の成形方法、上フランジの成形方法、一体化部材成形用金型、上フランジ成形用金型、一体化部材、上フランジ、テープリール、及びテープカートリッジ

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