JP2007055161A - 液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 異方性導電接着剤内バインダーからの放出ガスをリザーバ基板に付着させないようにして、リザーバ基板とノズル基板とを確実に接合する液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 リザーバ基板2にマスク90をセット、または、リザーバ基板2に保護テープを貼り付けて、ドライバIC15の実装工程において放出されるガスがリザーバ基板2に付着しないようにした。また、ドライバIC15を隔離するための遮蔽壁92、または、遮蔽壁92を有するドライバIC実装ツール91によって、ドライバIC15の実装工程において放出されるガスがリザーバ基板2に付着しないようにした。
【選択図】図8

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法に関し、特にノズル基板とリザーバ基板とを確実に接合する液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法に関する。
近年、インクジェットヘッドには、高解像度画像の高速印刷化及び多色化を目的として、ノズル列を複数有する構造のものが求められている。この要求を実現するためには、インクジェットヘッドのノズル密度を高密度化するとともに、長尺化(1列当たりのノズル数の増加)させなければならない。それに伴って、インクジェットヘッド内のアクチュエータ数も、益々増加するようになっている。このような状況の中、高密度なノズル密度で、長尺化かつ多列化したノズル列を有した小型のインクジェットヘッドが種々提案されている。
このようなインクジェットヘッドの中には、個別電極に駆動電源を供給するためのドライバICをインクジェットヘッド内に設置するようになっているものが存在する。このようなインクジェットヘッドでは、ドライバICが異方性導電接着剤によって電極実装部(バンプ)に実装されることが一般的である。この異方性導電接着剤には導電粒子が含まれており、導電粒子を介してドライバICと電極実装部との電気的な接続が実現されている。
たとえば、「エネルギー発生素子である電気熱変換素子及びインク流路やインク吐出口を形成した基板の表面に、制御用のICチップをフェースダウンで実装するとともに、ICチップの入力側をフレキシブルプリント基板の外部取出し電極に接続する」ようにした液体噴射ヘッドが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。この液体噴射ヘッドは、制御用IC部品が、絶縁樹脂に導電粒子を分散させた樹脂層によって素子基板に実装されていることを特徴としている。
特開2002−210969号公報(5頁及び図1)
上記の液体噴射ヘッドは、ICチップ表面がノズル面の一部を形成しているため、ICチップ表面にインクから保護する層が必要となり構造が複雑になってしまうという問題があった。また、印刷紙に対してノズルよりもICチップの位置が近いため、インク滴の飛翔距離を短くすることができずにインク滴の着弾ずれが生じやすく、高精細な印刷が困難になってしまうという問題もあった。さらに、インク流路とFPCとはICチップをはさんで互いに反対側に配置される構造であるため、ノズル列の多列化を行った場合、液体噴射ヘッド全体が大きくなってしまうという問題もあった。
上記のような問題を解決するためには、ICチップを液体噴射ヘッドを構成する各基板(電極基板やキャビティ基板、リザーバ基板、ノズル基板)内に収納するようにした構造の液滴吐出ヘッドが考えられる。しかしながら、電極基板及びキャビティ基板を接合した接合基板とリザーバ基板との接着接合後にICチップを実装する際、異方性導電接着剤内バインダーからの放出ガスがリザーバ基板上に付着してしまい、リザーバ基板とノズル基板との接着接合強度が低下してしまうという新たな問題が発生してしまった。
一般的に、リザーバ基板とノズル基板との接着接合強度を高めるために、下地となるプライマー層をリザーバ基板とノズル基板に作製することが多い。しかしながら、エポキシ系接着剤を用いてリザーバ基板とノズル基板とを接着接合する場合、異方性導電接着剤内バインダーからの放出ガスがリザーバ基板に付着すると、その放出ガスが異物になって接着接合強度が低下してしまう。また、リザーバ基板上に付着した放出ガスを除去するという方法も考えられるが、リザーバ基板上には既にプライマー層が形成されているため、付着した放出ガスを除去しようとするとプライマー層も一緒に除去されてしまう。さらに、プライマー層を一旦除去した後に、再度プライマー層を形成させることは、技術的に困難である。
本発明は、異方性導電接着剤内バインダーからの放出ガスをリザーバ基板に付着させないようにして、リザーバ基板とノズル基板とを確実に接合する液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、個別電極と該個別電極に駆動信号を供給するドライバICを実装するための実装部とが形成された電極基板と、実装部に対応する部分を開口した第1の穴部と個別電極に対向する位置に液滴吐出用の圧力室とが形成されたキャビティ基板と、第1の穴部に連通するように開口した第2の穴部と圧力室に液滴を供給するためのリザーバとが形成されたリザーバ基板とが積層された積層体を形成する工程と、第2の穴部に対応する部分を開口させたマスクを積層体のリザーバ基板上にセットする工程と、マスクがセットされた後に、積層体の実装部にドライバICを実装する工程とを有することを特徴とする。
積層体のリザーバ基板上にマスクをセットした後に、ドライバICを実装する上記構成によれば、ドライバICを実装する際に放出されるガスがリザーバ基板に付着することがない。すなわち、リザーバ基板にガスが付着することがないので、リザーバ基板とノズル基板との接着接合強度が低下しない。したがって、確実にリザーバ基板とノズル基板とを接合することができる。また、リザーバ基板とノズル基板とを確実に接着接合できるので、歩留まりの高い製造方法を提供することが可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、個別電極と該個別電極に駆動信号を供給するドライバICを実装するための実装部とが形成された電極基板と、実装部に対応する部分を開口した第1の穴部と個別電極に対向する位置に液滴吐出用の圧力室とが形成されたキャビティ基板と、第1の穴部に連通するように開口した第2の穴部と圧力室に液滴を供給するためのリザーバとが形成されたリザーバ基板とが積層された積層体を形成する工程と、積層体のリザーバ基板における第2の穴部以外の部分に保護テープを貼り付ける工程と、保護テープを貼り付けた後に、積層体の実装部にドライバICを実装する工程とを有することを特徴とする。
積層体のリザーバ基板上に保護テープを貼り付けた後に、ドライバICを実装する上記構成によれば、ドライバICを実装する際に放出されるガスがリザーバ基板に付着することがない。すなわち、リザーバ基板にガスが付着することがないので、リザーバ基板とノズル基板との接着接合強度が低下しない。したがって、確実にリザーバ基板とノズル基板とを接合することができる。また、リザーバ基板とノズル基板とを確実に接着接合できるので、歩留まりの高い製造方法を提供することが可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、個別電極と該個別電極に駆動信号を供給するドライバICを実装するための実装部とが形成された電極基板と、実装部に対応する部分を開口した第1の穴部と個別電極に対向する位置に液滴吐出用の圧力室とが形成されたキャビティ基板と、第1の穴部に連通するように開口した第2の穴部と圧力室に液滴を供給するためのリザーバとが形成されたリザーバ基板とが積層された積層体を形成する工程と、実装部及び第1の穴部、第2の穴部を隔離するための遮蔽壁を積層体における第1の穴部及び第2の穴部に挿入し、遮蔽壁の内側で、積層体の実装部にドライバICを実装する工程とを有することを特徴とする。
実装部及び第1の穴部、第2の穴部を隔離するための遮蔽壁を設け、遮蔽壁の内側でドライバICを実装する上記構成によれば、ドライバICを実装する際に放出されるガスが遮蔽壁の外側に流出することがない。すなわち、リザーバ基板にガスが付着することがないので、リザーバ基板とノズル基板との接着接合強度が低下しない。したがって、確実にリザーバ基板とノズル基板とを接合することができる。また、リザーバ基板とノズル基板とを確実に接着接合できるので、歩留まりの高い製造方法を提供することが可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記遮蔽壁を有するドライバIC実装ツールを用いて、積層体の実装部にドライバICを実装することを特徴とする。遮蔽壁を有するドライバIC実装ツールを用いて、ドライバICを実装する上記構成によれば、ドライバICを実装する際に放出されるガスが遮蔽壁の外側に流出することがない。すなわち、リザーバ基板にガスが付着することがないので、リザーバ基板とノズル基板との接着接合強度が低下しない。したがって、確実にリザーバ基板とノズル基板とを接合することができる。また、リザーバ基板とノズル基板とを確実に接着接合できるので、歩留まりの高い製造方法を提供することが可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、異方性導電接着剤により積層体の実装部にドライバICを実装することを特徴とする。このように、ドライバICと個別電極とを異方性導電接着剤により装着するようになっているので、ドライバICと個別電極との電気的な接続が可能となっている。この異方性導電接着剤は、熱硬化性樹脂に導電粒子を分散させたものである。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、積層体の実装部にドライバICを実装する工程において、実装部とドライバICとをピンによってアライメントすることを特徴とする。ピンを利用して電極基板とドライバICとのアライメント(位置合わせ)をするので、電極基板とドライバICとの位置ずれを防止することが可能となる。すなわち、確実にドライバICを電極基板に実装することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、積層体の実装部にドライバICを実装する工程において、実装部とドライバICとをカメラによってアライメントすることを特徴とする。カメラを利用して電極基板とドライバICとのアライメント(位置合わせ)をするので、電極基板とドライバICとの位置ずれを防止することが可能となる。すなわち、確実にドライバICを電極基板に実装することができる。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、請求項1〜7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を含むことを特徴とする。したがって、上記のいずれかの液滴吐出ヘッドの製造方法を含むため、上述した効果を得ることが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る液滴吐出ヘッド100の分解斜視図である。また、図2は、液滴吐出ヘッド100が組み立てられた状態のA−A断面を示す縦断面図である。なお、この液滴吐出ヘッド100は、ノズル基板の表面側に設けられたノズル孔から液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものであり、また静電気力により駆動される静電駆動方式のものである。また、図1は、駆動信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)の一部を含めて示している。
図1に示すように、液滴吐出ヘッド100は、一般的な静電駆動方式の液滴吐出ヘッドのような3層構造ではなく、電極基板4、キャビティ基板3、リザーバ基板2、ノズル基板1の4つの基板で構成される4層構造を特徴としている。リザーバ基板2の一方の面にはノズル基板1が接合されており、リザーバ基板2の他方の面にはキャビティ基板3が接合されている。また、キャビティ基板3のリザーバ基板2が接合された面の反対面には、電極基板4が接合されている。すなわち、電極基板4、キャビティ基板3、リザーバ基板2、ノズル基板1の順で接合されている。さらに、液滴吐出ヘッド100には、個別電極17に駆動信号を供給するドライバIC15が設けられている。なお、電極基板4とキャビティ基板3とリザーバ基板1とで積層体を構成している。
[電極基板4]
電極基板4は、ホウ珪酸ガラス等のガラスで形成するとよい。ここでは、電極基板4がホウ珪酸ガラスで形成されている場合を例に示すが、これに限定するものではない。たとえば、電極基板4を単結晶シリコンで形成してもよい。この電極基板4には、凹部(ガラス溝)12が、形成されている。この凹部12は、たとえば深さ0.3μmで形成するとよい。また、この凹部12の内部には個別電極17が、一定の間隔を有して後述の振動板8と対向するように作成されている。この個別電極17は、たとえばITO(Indium Tin Oxide)を0.1μmの厚さでスパッタして作製するとよい。
凹部12は、その一部が個別電極17を装着できるように、これらの形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成されており、その他の部分(中央部)は、ドライバIC15を装着できるようにパターン形成されている。この中央部にドライバIC15を設置するようにしている。個別電極17は、その一端がドライバIC15と接続されており、ドライバIC15から駆動信号が供給されるようになっている。
この液滴吐出ヘッド100は、複数の個別電極17が長辺及び短辺を有する長方形状に形成されており、この個別電極17が、互いの長辺が平行になるように配置され、個別電極17の短辺方向に伸びる電極列を2列形成している。なお、個別電極17の短辺が長辺に対して斜めに形成されており、個別電極17が細長い平行四辺形状になっている場合には、長辺方向に直角方向に伸びる電極列を形成するようにすればよい。
また、液滴吐出ヘッド100は、ドライバIC15が2つの電極列の間に形成され、両方の電極列に接続されるようになっている。したがって、ドライバIC15から2つの電極列に駆動信号を供給することが可能となり、電極列の多列化が容易となる。さらに、ドライバIC15の個数を少なくすることが可能なため、製造に要するコストを削減することができ、液滴吐出ヘッド100の小型化も可能となる。
電極基板4には、インク供給孔11が形成されている。このインク供給孔11は、電極基板4を貫通している。また、電極基板4には、FPC実装部21が形成されている。なお、電極基板4とキャビティ基板3とが接合された後に、IC出力実装部18及びギャップ13を封止するための封止部材14が形成されるが、この封止部材14については後に詳述する(図2参照)。また、ここでは、2つのドライバIC15が設置されている場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、これらのドライバIC15を1つのICで構成したり、3つ以上のICで構成するようにしてもよい。
[キャビティ基板3]
キャビティ基板3は、たとえば単結晶シリコンからなり、底壁が振動板8となる圧力室(又は吐出室)7が複数形成されている。この圧力室7は、個別電極17の電極列に対応して2列に形成されるようになっている。また、キャビティ基板3には、電極列の間にキャビティ基板3を貫通するように第1の穴部22が形成されている。さらに、キャビティ基板3は、振動板8に電圧を印加するための共通電極16を有している。そして、この共通電極16は、FPC30と接続されている。
なお、このキャビティ基板3は、単結晶シリコンからなり、その全面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって、TEOS(TetraEthylOrthoSilicate)からなる図示省略の絶縁膜を0.1μm形成している。これは、振動板8の駆動時における絶縁破壊及びショートを防止するためと、インク等の液滴によるキャビティ基板3のエッチングを防止するためのものである。
なお、振動板8は、高濃度のボロンドープ層で形成するようにしてもよい。水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液による単結晶シリコンのエッチングにおけるエッチングレートは、ドーパントがボロンの場合、約5×1019atoms/cm3 以上の高濃度の領域において、非常に小さくなる。このため、振動板8の部分を高濃度のボロンドープ層とし、アルカリ溶液による異方性エッチングによって圧力室7を形成する際に、ボロンドープ層が露出してエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチングストップ技術を用いることにより、振動板8を所望の厚さに形成することができる。
電極基板4とキャビティ基板3とを接合すると個別電極17と振動板8との間に空隙である振動室(ギャップ)13が形成される。この振動室13は、たとえば深さ0.2μmとなるように形成されている。また、キャビティ基板3には、キャビティ基板3を貫通するインク供給孔11が形成されている。
[リザーバ基板2]
リザーバ基板2は、たとえば単結晶シリコンからなり、圧力室7に液滴を供給するためのリザーバ10が2つ形成されており、リザーバ10の底面には、リザーバ10から圧力室7へ液滴を移送するための供給孔9が形成されている。また、リザーバ10の底面には、リザーバ10の底面を貫通するインク供給孔11が形成されている。このリザーバ基板2に形成されたインク供給孔11と、キャビティ基板3に形成されたインク供給孔11及び電極基板4に形成されたインク供給孔11は、リザーバ基板2、キャビティ基板3及び電極基板4が接合された状態において互いに繋がっており、外部からリザーバ10に液滴を供給するためのものである(図2参照)。さらに、リザーバ基板2のリザーバ10の間には、リザーバ基板2を貫通する第2の穴部23が形成されている。
図2に示すように、キャビティ基板3に設けられた第1の穴部22と、リザーバ基板2に設けられた第2の穴部23とは連通して収容部24を形成している。そして、この収容部24の内部には、ドライバIC15が収容されるようになっている。また、リザーバ基板2のリザーバ10以外の部分には、各々の圧力室7に連通し、圧力室7から後述するノズル孔5に液滴を移送するためのノズル連通孔6が形成されている。このノズル連通孔6は、リザーバ基板2を貫通しており、圧力室7の供給孔9が連通する一端の反対側の一端に連通している。
[ノズル基板1]
ノズル基板1は、たとえば厚さ100μmのシリコン基板からなり、各々のノズル連通孔6と連通する複数のノズル孔5が形成されている。なお、ノズル孔5を2段に形成して液滴を吐出する際の直進性を向上させている(図2参照)。また、電極基板4、キャビティ基板3、リザーバ基板2及びノズル基板1を接合するときに、シリコンからなる基板とホウ珪酸ガラスからなる基板を接合する場合は陽極接合により、シリコンからなる基板同士を接合する場合は直接接合によって接合することができる。またシリコンからなる基板同士は、接着剤を用いて接合することもできる。ここでは、ノズル基板1とリザーバ基板2とは、エポキシ系接着剤を用いて接着接合している。
図2に示すように、液滴吐出ヘッド100では、ドライバIC15が収容部24の内部に収容されており、収容部24がノズル基板1、リザーバ基板2、キャビティ基板3及び電極基板4によって閉塞されている。すなわち、ノズル基板1が収容部24の上面を、電極基板4が収容部24の下面を、キャビティ基板3及びリザーバ基板2が収容部24の側面を形成することにより、収容部24が閉塞されるようになっている。なお、収容部24は、液滴や外気からドライバIC15を保護するために密閉するのが望ましい。
また、封止部材14は、振動板8と個別電極17との間のギャップ13を封止するようになっている。この封止部材14は、たとえば水分透過性の低い酸化シリコン(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)、ポリパラキシリレン等で形成するとよい。なお、ポリパラキシリレンは、結晶性ポリマー樹脂であり水分透過防止性及び耐薬品性に優れている性質を有している。これらの材料をスパッタやCVD等を用いて成膜すれば、水分透過性の低い封止部材14を小さく形成することができ、液滴吐出ヘッド100を更に小型化することが可能となる。
次に、液滴吐出ヘッド100の動作について説明する。リザーバ10には、インク供給孔11を介して外部からインク等の液滴が供給されている。また、圧力室7には、供給孔9を介してリザーバ10から液滴が供給されている。ドライバIC15には、FPC30のFPC内配線(IC入力)32及び電極基板4に設けられたIC入力実装部20(図1参照)を介して液滴吐出装置の図示省略の制御部から駆動信号(パルス電圧)が供給されている。
そして、ドライバIC15から個別電極17に0Vから40V程度までのパルス電圧を印加し個別電極17をプラスに帯電させ、対応する振動板8をFPC内配線31(COM)を介して液滴吐出装置の図示省略の制御部から駆動信号(パルス電圧)を供給してマイナスに帯電させる。そうすると、振動板8は、静電気力によって個別電極17側に吸引されて撓むことになる。次に、このパルス電圧をオフにすると、振動板8にかけられた静電気力がなくなり振動板11は復元する。このとき、圧力室7の内部の圧力が急激に上昇し、圧力室7内の液滴がノズル連通孔6を通過してノズル孔5から吐出されることになる。その後、液滴がリザーバ10から供給孔9を通じて圧力室7内に補給され、初期状態に戻る。
なお、液滴吐出ヘッド100のリザーバ10への液滴の供給は、たとえばインク供給孔11に接続された図示省略の液滴供給管により行われている。また、FPC30が、FPC30の長手方向が電極列を形成する個別電極17の短辺方向と平行となるようにドライバIC15と接続されている。たとえば、個別電極17の短辺が長辺に対して斜めになっており、個別電極17が細長い平行四辺形状になっている場合には、個別電極17の長辺と直角方向にFPC30を接続すればよい。これにより、複数の電極列を有する液滴吐出ヘッド100とFPC30とをコンパクトに接続することができる。
図3は、異方性導電接着剤内のバインダーからガスが放出されることを示す説明図である。図2で示したように、ドライバIC15は収容部24に実装されるようになっている。このドライバIC15は、異方性導電接着剤であるACF(Anisotropic Conductive Film)若しくはACP(Anisotropic Conductive Paste)を貼付けることで実装するようになっている。ここでは、ACFを使用してドライバIC15が実装される場合を例に示している。
この異方性導電接着剤は、電気的な接続を可能にする役割を果たす直径数μmの導電粒子が混在した接着剤バインダー(以下、単にバインダーという)で構成されている。このACFを用いてドライバIC15を固定するためには、一般的に、加熱・加圧してACFを硬化させてドライバIC15を固定するようになっている(後の詳述する)。そして、加熱するときに、バインダーからガスが放出される。このガスが、リザーバ基板2上に付着してしまうと、リザーバ基板2とノズル基板1との接着接合強度が低下してしまう。
なお、リザーバ基板2には、ノズル基板1との接着接合強度をより強固にするために下地となるプライマー層を一般的に設けることが多い。このプライマー層に、バインダーから放出されたガスが付着してしまうと、そのガスが接着阻害物(異物)となって、接着接合強度が低下してしまうことになる。そこで、実施の形態1では、リザーバ基板2上にマスクを設けて、リザーバ基板2上にガスが付着しないようにした(図8参照)。また、実施の形態2では、ドライバIC実装ツールに遮蔽壁を設けて、リザーバ基板2上にガスが付着しないようにした(図9参照)。
ここで、ドライバIC15の一般的な実装工程について説明する。まず、ドライバIC15とドライバIC15を設置する基板(たとえば、電極基板4)を用意する。そして、基板上のドライバIC15の設置箇所へACFを貼り付ける。ここでは、基板にACFを貼り付ける場合を例に説明するが、ドライバIC15の端子部分にACFを貼り付けてもよい。
次に、ドライバIC15を基板上に仮圧着する。この仮圧着は、仮圧着装置によって行うようになっている。基板及びドライバIC15を仮圧着装置に載置したら、アライメントマークに基づいて位置合わせを行う。この位置合わせは、アライメントマークをカメラで認識してもよく、アライメントマークをピンで認識してもよい。位置合わせが終了すると、仮圧着を行う。たとえば、温度70℃、圧力1MPaで基板にドライバIC15を仮圧着する。このように、仮圧着はあまり高温でない温度で行われるので、バインダーからガスが放出されたとしても、接着接合強度を低下させるほどの量にはならない。
仮圧着が完了したら、基板にドライバIC15を本圧着する。つまり、仮圧着は、基板とドライバIC15との位置ずれ等を考慮して簡易に行われるものであるが、本圧着は、基板にドライバIC15を実際に固着させるために行われるものである。この本圧着は、本圧着装置で行われるようになっている。たとえば、温度220℃、圧力80MPaで基板にドライバIC15を本圧着する。この本圧着は、高温で行われるのでバインダーから多量のガスが放出されることになる。
したがって、本圧着工程において放出されるガスが、リザーバ基板2に付着しないようにする必要がある。そこで、本発明はリザーバ基板2上にマスクを設けたり、ドライバIC実装ツールに遮蔽壁を設けたりして、リザーバ基板2上にガスが付着しないようにしたのである。なお、仮圧着と本圧着とを別の装置で行う場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、仮圧着と本圧着とを同じ装置で行ってもよい。
図4は、液滴吐出ヘッド100の斜視図である。ここでは、3つの液滴吐出ヘッド100の切断前の状態を一例として便宜的に示している。液滴吐出ヘッド100を1つ1つに切断(ダイシング)する前の段階を示している。なお、ここで示している液滴吐出ヘッド100を1つ1つに切断せず、このままの状態で使用してもよい。図に示すように、ドライバIC15を液滴吐出ヘッド100の内部に収納するので、液滴吐出ヘッド100の小型化が実現されている。また、容易にノズルの多列化を実現することが可能になっている。
図5は、液滴吐出ヘッド100が搭載された液滴吐出装置の制御系を示す概略ブロック図である。なお、ここでは、液滴吐出装置が一般的なインクジェットプリンタであるものとして説明する。以下、図に基づいて、液滴吐出ヘッド100が搭載された液滴吐出装置の制御系について説明する。ただし、液滴吐出ヘッド100が搭載された液滴吐出装置の制御系を、ここで示した場合に限定するものではない。
インクジェットプリンタは、液滴吐出ヘッド100を駆動制御するための制御装置50を備えている。この制御装置50は、CPU(中央処理装置)51を中心に構成されている。CPU51は、パーソナルコンピュータや遠隔制御装置(リモコン)等の外部装置60から印刷情報が入力されるようになっている。この印刷情報は、バス52を介して入力されたり、赤外線信号等の無線信号で入力されたりするようになっている。また、CPU51には、内部バス53を介してROM54、RAM55及びキャラクタジェネレータ56と接続されている。
制御装置50では、RAM55内の記憶領域を作業領域として用いて、ROM54内に格納されている制御プログラムを実行し、キャラクタジェネレータ56から発生するキャラクタ情報に基づき、液滴吐出ヘッド100を駆動するための制御信号を生成する。制御信号は、論理ゲートアレイ57及び駆動パルス発生回路58を介して、印刷情報に対応した駆動制御信号となって、コネクタ65を経由して液滴吐出ヘッド100に内蔵されたドライバIC15に供給されるほか、COM発生回路59に供給される。また、ドライバIC15には、印字用の駆動パルス信号V3、制御信号LP、極性反転制御信号REV等(図4参照)も供給されるようになっている。なお、COM発生回路59は、たとえば駆動パルスを発生するための図示省略の共通電極ICで構成されているとよい。
COM発生回路59では、供給された各信号に基づき、液滴吐出ヘッド100の共通電極16、すなわち各振動板8に印加すべき駆動信号をその図示省略の共通出力端子COMから出力するようになっている。また、ドライバIC15では、供給された各信号及び電源回路70から供給される駆動電圧Vpに基づき、各個別電極17に印加すべき駆動信号を、各個別電極17に対応した個数の個別出力端子SEGから出力するようになっている。そして、共通出力端子COMの出力と個別出力端子SEGの出力との電位差が、各振動板8とそれに対向する個別電極17との間に印加されるようになっている。振動板8の駆動時(液滴の吐出時)には指定された向きの駆動電位差波形を与え、非駆動時には駆動電位差を与えないようになっている。
図6は、ドライバIC15及びCOM発生回路59の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。なお、ドライバIC15及びCOM発生回路59は、1組で64個の個別電極17及び振動板8に駆動信号を供給するものとする。また、ドライバIC15が、電源回路70から高電圧系の駆動電圧Vp及び論理回路系の駆動電圧Vccが供給されて動作するCMOSの64ビット出力の高耐圧ドライバである場合を例に示している。
ドライバIC15は、供給された駆動制御信号に応じて、駆動電圧パルスとGND電位の一方を、個別電極17に印加する。ドライバIC15は、64ビットのシフトレジスタ81を有し、シフトレジスタ81はシリアルデータとして論理ゲートアレイ57より送信された64ビット長のDI信号入力を、DI信号に同期する基本クロックパルスであるXSCLパルス信号入力によりデータをシフトアップし、シフトレジスタ81内のレジスタに格納するスタティクシフトレジスタとなっている。DI信号は、64個の個別電極17のそれぞれを選択するための選択情報をオン/オフにより示す制御信号であり、この信号がシリアルデータとして送信される。
また、ドライバIC15は、64ビットのラッチ回路82を有し、ラッチ回路82はシフトレジスタ81内に格納された64ビットデータを制御信号(ラッチパルス)LPによりラッチしてデータを格納し、格納されたデータを64ビット反転回路83に信号出力するスタティクラッチである。ラッチ回路82では、シリアルデータのDI信号が各振動板11の駆動を行うための64セグメント出力を行うための64ビットのパラレル信号へと変換される。
反転回路83では、ラッチ回路82から入力される信号と、REV信号との排他的論理和をレベルシフタ84へ出力する。レベルシフタ84は、反転回路83からの信号の電圧レベルをロジック系の電圧レベル(5Vレベル又は3.3Vレベル)からヘッド駆動系の電圧レベル(0〜45Vレベル)に変換するレベルインターフェイス回路である。SEGドライバ85は、64チャンネルのトランスミッションゲート出力となっていて、レベルシフタ84の入力によりSEG1〜SEG64のセグメント出力に対して、駆動電圧パルス入力か又はGND入力のいずれかを出力する。COM発生回路59に内蔵されたCOMドライバ86は、REV入力に対して駆動電圧パルスか又はGND入力のいずれかをCOMへ出力する。
XSCL、DI、LP及びREVの各信号は、ロジック系の電圧レベルの信号であり、論理ゲートアレイ57よりドライバIC15に送信される信号である。このように、ドライバIC15及びCOM発生回路59を構成することにより、駆動するセグメント数(振動板8の数)が増加した場合においても容易に液滴吐出ヘッド100の振動板8の駆動する駆動電圧パルスとGNDとを切り替えることが可能となる。
図7及び図8は、液滴吐出ヘッド100の製造工程の一例を示す縦断面図である。なお、ここで液滴吐出ヘッド100の製造方法の一例を示すが、これに限定するものではない。まず、個別電極17、インク供給孔11等が形成された電極基板4に、たとえば厚さ525μmのキャビティ基板3を陽極接合する(a)。なお、液滴吐出ヘッド100は、電極基板4がホウ珪酸ガラスからなるものとし、電極基板4に2列の電極列を形成して製造されるものとする。
ここで電極基板4の製造方法の一例を簡単に説明する。まず、レジストをガラス基板の片面全体に塗布して所定形状にパターニングした後、フッ酸水溶液等でエッチングして凹部12を形成してレジストを剥離する。そして、凹部12の形成された面の全面にスパッタ等でITOを成膜し、ITOの表面にレジストを塗布してパターニングし、エッチングによって個別電極17を形成した後にレジストを剥離する。なお、インク供給孔11は、ドリル等によって形成することが可能になっている。
次に、機械研削によってキャビティ基板3を薄板化して、キャビティ基板3の厚さを140μmにする(b)。なお、機械研削した後に、キャビティ基板3の表面に発生した加工変質層を水酸化カリウム水溶液等で除去するのが望ましい。そして、キャビティ基板3の表面にプラズマCVDによってTEOS膜(TetraEthylOrthoSilicate)等で酸化膜を形成した後(c)、酸化膜表面にレジストを塗布して圧力室7、第1の穴部22、インク供給孔11の形状をパターニングする(d)。
それから、たとえば水酸化カリウム水溶液でキャビティ基板3をエッチングして圧力室7、第1の穴部22、インク供給孔11を形成して、酸化膜を剥離する(e)。なお、上記のようにキャビティ基板3にボロンドープ層を形成していた場合には、ボロンドープ層が振動板8等の薄膜として残ることとなる。その後、RIE(Reactive Ion Etching)等によって第1の穴部22及びインク供給孔11に残ったシリコンの薄膜を除去し、第1の穴部22及びインク供給孔11を形成する(f)。
次に、第1の穴部22に封止部材14を形成して個別電極17との間のギャップ13を封止する(g)。このとき、個別電極17の封止部材14によって封止されていない部分は、封止部材14によって被覆するようにする。なお、封止部材14は、ポリパラキシレン等の樹脂を材料として用いる場合には、ニードル(針)によって所定位置に封止材を塗布することにより形成することができる。また、封止部材14の材料として酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸窒化シリコン、窒化シリコン等の金属系のものを用いる場合には、シリコン等からなるマスク90を使用したCVDによって形成することもできる。
次に、キャビティ基板3の圧力室7が形成された面に、リザーバ基板2を接合する(h)。このとき、第1の穴部22と第2の穴部23とが連通して収容部24が形成される。リザーバ基板2には、予め圧力室7に液滴を供給するリザーバ10と、リザーバ10から圧力室7へ液滴を移送するための供給孔9と、圧力室7からノズル孔5へ液滴を移送するノズル連通孔6と、第2の穴部23とを形成しておくとよい。なお、リザーバ基板2は、シリコン基板にシリコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜の表面にレジストをパターニングして所定部分のシリコン酸化膜をエッチングし、その後水酸化カリウム水溶液等でシリコン基板をエッチングすることにより形成することができる。
ここで、収容部24に対応した開口部を設けたマスク90をリザーバ基板2上にセットする(i)。ここでは、ドライバIC15の設置される電極基板4に、ACFを貼付けてドライバIC15を実装する場合を例に示している。前述したように、異方性導電接着剤内のバインダーから放出されるガスがリザーバ基板2に付着すると、リザーバ基板2とノズル基板1との接着接合強度が低下してしまう。これを防止するために、リザーバ基板2上にマスク90をセットさせるようにした。
リザーバ基板2には、ノズル基板1との接着接合をより強固にするために下地となるプライマー層を一般的に設けることが多い。このプライマー層に、バインダーから放出されるガスが付着してしまうと、そのガスが接着阻害物(異物)となって、接着接合強度が低下してしまうことになる。そこで、リザーバ基板2をキャビティ基板3に接合した後、ドライバIC15を実装する前に、リザーバ基板2上にマスク90をセットしてリザーバ基板2とノズル基板1との接着接合強度の低下を防止している。
ここで使用するマスク90は、放出されるガスがリザーバ基板2(プライマー層)とマスク90との間に入り込まないようなものであればよく、特に限定するものではない。たとえば、リザーバ基板2とマスク90との間に入り込まないような材質や厚さで構成されたマスク90を使用すればよい。また、ホウ珪酸ガラスや単結晶シリコン等で作成したようなマスク90基板でもよく、ダイシングテープのような保護テープでもよい。ただし、ダイシングテープを使用する場合には、ダイシングテープの耐熱を考慮する必要がある。なお、前述したように、リザーバ基板2とマスク90との位置合わせは、ピンやカメラ等によるアライメントで行うとよい。
リザーバ基板2上へのマスク90形成が終了した後、ドライバIC15を準備し、第1の穴部22内において2列の電極列を構成する個別電極17と接続されるように、ドライバIC15を電極基板4上に実装する(j)。収容部24内におけるドライバIC15の実装位置を確認したら、仮圧着を行う。この仮圧着は、たとえば温度70℃、圧力1MPaで行うとよい。仮圧着後、異方性導電接着剤を硬化させて、接合を確実にするために本圧着を行う。この本圧着は、たとえば、温度220℃、圧力80MPaとして行うとよい。本圧着が完了したら、マスク90を剥離する。マスク90を剥離しても、異方性導電接着剤は既に硬化しているのでガスが放出されることはない。つまり、ACFを加熱しなければ、ガスが放出されることはない。
そして、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電又はエッチング等によってノズル孔5が形成されたノズル基板1を、エポキシ系接着剤等の接着剤を用いてリザーバ基板2に接合する(k)。最後に、電極基板4、キャビティ基板3、リザーバ基板2、ノズル基板1が接合された接合基板を切断(ダイシング)して個々の液滴吐出ヘッド100が完成する。
このように、キャビティ基板3に第1の穴部22を設け、リザーバ基板2に第2の穴部23を設けて第1の穴部22と第2の穴部23とによって収容部24を形成し、この収容部24にドライバIC15を収容するため、液滴吐出ヘッド100のサイズを小さくすることが可能になっている。したがって、印刷紙とノズル孔5との距離を近くすることができ、高精細な印刷が可能となる。また、ノズル孔5が形成されている面を平らにすることができるため、ワイピング(不要な液滴を除去する工程)を容易に行うことができる。さらに、収容部24は、ノズル基板1、キャビティ基板3、リザーバ基板2及び電極基板4によって閉塞されているため、ドライバIC15を液滴から保護する層を別途設けなくて済み、ドライバIC15を外気等から保護することが可能となる。
実施の形態2.
図9は、液滴吐出ヘッド100の製造工程の他の一例を示す縦断面図である。図を用いて、本発明の実施の形態2に係わる液滴吐出ヘッド100の製造工程を説明する。なお、実施の形態2では、ドライバIC実装ツール91を使用してドライバIC15を実装する場合について説明する。なお、実施の形態2と実施の形態1との相違点について説明し、実施の形態1と同様である液滴吐出ヘッド100の構成や他の製造工程については説明を省略する。
ドライバIC15は、ドライバIC実装ツール91により実装される。このドライバIC実装ツール91には、バインダーから放出されるガスがリザーバ基板2上に付着しないように遮蔽壁92が設けられている。遮蔽壁92は、収容部24内のキャビティ基板3からリザーバ基板2の開口部方向に伸びており、ガスをドライバIC実装ツール91外に放出しないようにしている。ドライバIC実装ツール91は、ドライバIC15を加熱・加圧して固定するためのものであるが、遮蔽壁92を備えることで放出ガスの拡散を同時に防止することを可能にしている。
すなわち、ドライバIC15の実装工程において、ドライバIC15の実装とリザーバ基板2上へのガスの付着の防止とを同時に実現しているのである。実施の形態1では、リザーバ基板2にマスク90をセットし、このマスク90を最終的に剥離しなければならないが、実施の形態2では、マスク90のセット及び剥離という工程を省略することができる。したがって、実施の形態1で説明した効果の他、製造工程を更に簡略することができ、手間の軽減及び製造スピードの向上を図ることが可能になっている。
図10は、実施の形態1及び実施の形態2に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造された液滴吐出ヘッド100を搭載した液滴吐出装置150の一例を示した斜視図である。この液滴吐出装置150は、一般的なインクジェットプリンタである。実施の形態に係わる液滴吐出ヘッド100は、上述したようにサイズが小さく、吐出安定性及び耐久性に優れている。また、この液滴吐出ヘッド100を搭載した液滴吐出装置150も小型で印字性能及び耐久性が高いものとなる。
なお、液滴吐出ヘッド100は、図10に示したインクジェットプリンタの他に、液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することが可能である。また、液滴吐出ヘッド100及びその製造方法並びに液滴吐出装置150は、本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において変形可能である。たとえば、封止部材位置は、2カ所で密閉するようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。 液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態のA−A断面を示す縦断面図である。 異方性導電接着剤内のバインダーからガスが放出されることを示す説明図である。 液滴吐出ヘッドの斜視図である。 液滴吐出ヘッドが搭載された液滴吐出装置の制御系を示す概略ブロック図である。 ドライバIC及びCOM発生回路の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。 液滴吐出ヘッドの製造工程の一例を示す縦断面図である。 液滴吐出ヘッドの製造工程の一例を示す縦断面図である。 液滴吐出ヘッドの製造工程の他の一例を示す縦断面図である。 実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造された液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置の一例を示した斜視図である。
符号の説明
1 ノズル基板、2 リザーバ基板、3 キャビティ基板、4 電極基板、5 ノズル孔、6 ノズル連通孔、7 圧力室、8 振動板、9 供給孔、10 リザーバ、11 インク供給孔、12 凹部(ガラス溝)、13 振動室(ギャップ)、14 封止部材、15 ドライバIC、16 共通電極、17 対向電極(個別電極ITO)、18 IC出力(SEG)実装部、20 IC入力実装部、21 FPC実装部、22 第1の穴部、23 第2の穴部、30 FPC、31 FPC内配線(COM)、32 FPC内配線(IC入力)、50 制御装置、51 CPU、52 バス、53 内部バス、54 ROM、55 RAM、56 キャラクタジェネレータ、57 理論ゲートアレイ、58 駆動パルス発生回路、59 COM発生回路、60 外部装置、65 コネクタ、70 電源回路、90 マスク、91 ドライバIC実装ツール、92 遮蔽壁、100 液滴吐出ヘッド、150 液滴吐出装置。

Claims (8)

  1. 個別電極と該個別電極に駆動信号を供給するドライバICを実装するための実装部とが形成された電極基板と、前記実装部に対応する部分を開口した第1の穴部と前記個別電極に対向する位置に液滴吐出用の圧力室とが形成されたキャビティ基板と、前記第1の穴部に連通するように開口した第2の穴部と前記圧力室に液滴を供給するためのリザーバとが形成されたリザーバ基板とが積層された積層体を形成する工程と、
    前記第2の穴部に対応する部分を開口させたマスクを前記積層体のリザーバ基板上にセットする工程と、
    前記マスクがセットされた後に、前記積層体の実装部にドライバICを実装する工程とを有する
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 個別電極と該個別電極に駆動信号を供給するドライバICを実装するための実装部とが形成された電極基板と、前記実装部に対応する部分を開口した第1の穴部と前記個別電極に対向する位置に液滴吐出用の圧力室とが形成されたキャビティ基板と、前記第1の穴部に連通するように開口した第2の穴部と前記圧力室に液滴を供給するためのリザーバとが形成されたリザーバ基板とが積層された積層体を形成する工程と、
    前記積層体のリザーバ基板における第2の穴部以外の部分に保護テープを貼り付ける工程と、
    前記保護テープを貼り付けた後に、前記積層体の実装部にドライバICを実装する工程とを有する
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 個別電極と該個別電極に駆動信号を供給するドライバICを実装するための実装部とが形成された電極基板と、前記実装部に対応する部分を開口した第1の穴部と前記個別電極に対向する位置に液滴吐出用の圧力室とが形成されたキャビティ基板と、前記第1の穴部に連通するように開口した第2の穴部と前記圧力室に液滴を供給するためのリザーバとが形成されたリザーバ基板とが積層された積層体を形成する工程と、
    前記実装部及び前記第1の穴部、前記第2の穴部を隔離するための遮蔽壁を前記積層体における前記第1の穴部及び前記第2の穴部に挿入し、
    前記遮蔽壁の内側で、前記積層体の実装部にドライバICを実装する工程とを有する
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記遮蔽壁を有するドライバIC実装ツールを用いて、前記積層体の実装部にドライバICを実装する
    ことを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 異方性導電接着剤により前記積層体の実装部にドライバICを実装する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記積層体の実装部にドライバICを実装する工程において、
    前記実装部と前記ドライバICとをピンによってアライメントする
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記積層体の実装部にドライバICを実装する工程において、
    前記実装部と前記ドライバICとをカメラによってアライメントする
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記請求項1〜7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を含む
    ことを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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