JP2007052940A - リチウム二次電池及びそれに用いる電極材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極(正極)材料を構成する結着剤に環境負荷の少ない水溶性の結着剤を使用したリチウム二次電池であって、電極材料中での電子伝導性が良好で十分な高出力特性が得られるとともに、正極活物質と集電体(Al箔)との密着力も十分で充放電サイクルに優れたものを提供する。
【解決手段】正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む電極材料を用いて構成されたリチウム二次電池であって、前記導電助剤がカーボンブラック類であり、前記結着剤が導電性高分子と水溶性高分子とを含むものであるリチウム二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む電極材料を用いて構成されたリチウム二次電池及びそれに用いる電極材料の製造方法に関する。
一般的に、リチウム二次電池用の電極材料、特に正極側の電極材料は、正極活物質、導電助剤及び結着剤で構成されており、主に導電助剤にはカーボンブラック類のアセチレンブラック(AB)が、結着剤にはポリフッ化ビニリデン(PVdF)が使用されている。この内、結着剤であるPVdFは難水溶性であるため、電極材料を作製する際には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液などの有機溶剤に溶解させて使用するか、あるいは予めPVdFを含有済みのNMP溶液(市販品など)を使用する。
また、最近では、NMPなどの有機溶剤を使用することによる環境負荷を低減するため、結着剤に水溶性の結着剤が使用され始めている。このようなPVdFから水溶性の結着剤への転換は、塗工し易さの点から特に負極側の電極材料の製造において進んでいる。一方、正極側の電極材料の製造おいては、塗工し難いために水溶性の結着剤への転換は負極側ほど進んでいないが、一部の特許文献において、正極活物質と、水溶性高分子のような水溶性の結着剤とを含んだ電極材料が開示されており、水溶性の結着剤の一部に水溶性の導電性高分子を使用する例も知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2003−109596号公報 特開2003−109597号公報 特開2003−142104号公報
しかしながら、前記特許文献等に開示された水溶性の結着剤を使用した電極(正極)材料は、材料中での電子伝導性が必ずしも良好なものではなく、このため、従来のPVdF系の結着剤を使用したものと比べて十分な電池の高出力特性が得られなかった。また、PVdF系の結着剤を使用したものと比べて、正極活物質と集電体(Al箔)との密着力が十分とは言えず、このため電池の充放電サイクルは必ずしも良好ではなかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極(正極)材料を構成する結着剤に環境負荷の少ない水溶性の結着剤を使用したリチウム二次電池であって、電極材料中での電子伝導性が良好で十分な高出力特性が得られるとともに、正極活物質と集電体(Al箔)との密着力も十分で充放電サイクルに優れたものを提供することにある。
本発明によれば、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む電極材料を用いて構成されたリチウム二次電池であって、前記導電助剤がカーボンブラック類であり、前記結着剤が導電性高分子と水溶性高分子とを含むものであるリチウム二次電池、が提供される。
また、本発明によれば、正極活物質と、カーボンブラック類からなる導電助剤と、導電性高分子及び水溶性高分子を含む結着剤と、水とを混練した後、当該混練物を乾燥させることにより電極材料を得る電極材料の製造方法、が提供される。
本発明のリチウム二次電池は、電極(正極)材料を構成する結着剤に環境負荷の少ない水溶性の結着剤を使用したものでありながら、電極材料中での電子伝導性が良好で十分な高出力特性が得られるとともに、正極活物質と集電体(Al箔)との密着力も十分で充放電サイクルにも優れる。また、本発明の電極材料の製造方法によれば、電極材料中での電子伝導性が良好で、正極活物質と集電体(Al箔)との密着力にも優れる電極材料を製造することができる。
前記のとおり、本発明のリチウム二次電池は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む電極材料を用いて構成されたリチウム二次電池であって、前記導電助剤がカーボンブラック類であり、前記結着剤が導電性高分子と水溶性高分子とを含むことをその特徴とするものである。
一般に、電池の高出力化には、2つの要素が重要と考えられる。一つは、電極(正極)材料において、電子伝導性が高いこと。もう一つはイオン伝導性が高いことである。いずれか一方が劣る場合は、電池の内部抵抗が高くなり、十分な高出力特性は得られない。ここで、電子伝導性が高いというのは、正極活物質の粒子(一次粒子又は二次粒子)間、又は当該粒子と集電体(Al箔)との間の電子伝導パスが十分につながっていることであり、電子伝導パスの途切れが多い場合(物質間の接触が悪い場合)には、電池の内部抵抗は高くなる。
本発明のリチウム二次電池は、電極(正極)材料中において、カーボンブラック類からなる導電助剤と、導電性高分子及び水溶性高分子を含む結着剤とを混在させたことにより、正極活物質の粒子(一次粒子又は二次粒子)間での電子伝導性が向上し、正極活物質からのLi+イオンの挿入・離脱がスムーズになって、優れた高出力特性が得られる。
なお、前記特許文献1〜3に記載されているような、従来の水溶性の結着剤を使用した電極材料は、結着剤として導電性高分子及び水溶性高分子を使用してるものの、カーボンブラック類のような導電助剤を含まない点で本発明と異なる。従来の水溶性の結着剤を使用した電極材料において、カーボンブラック類のような導電助剤を含ませないのは、カーボンブラック類が非水溶性で水溶性の結着剤中に分散させることが困難であるためと考えられるが、本発明者等が検討を重ねた結果、たとえ十分な分散状態が得られなかったとしても、カーボンブラック類の添加により、電子伝導パスのつながりが改善され、前述のような電子伝導性の向上効果が得られることがわかった。
また、本発明においては、導電助剤にカーボンブラック類(特に、アセチレンブラック)、導電性高分子に水溶性でポリアニリン系の導電性高分子(特に、ポリアニリンスルフォン酸)、水溶性高分子にセルロース系の水溶性高分子(特に、カルボキシメチルセルロース)を使用すると、高出力特性に優れる他、正極活物質と集電体(Al箔)との密着力が強くなり、充放電に伴う集電体からの正極活物質の剥離を抑制でき、良好な充放電サイクル特性が得られる。
以下、本発明のリチウム二次電池について、その特徴部分である電極材料の構成成分を中心に説明する。
(導電助剤)
導電助剤としては、カーボンブラック類であるアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが使用でき、前記のとおり、高出力特性や充放電サイクル特性等の観点からアセチレンブラックが特に好適に使用できる。アセチレンブラックを使用する場合、電極材料中のアセチレンブラックの含有比率は、電極材料全体に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であると更に好ましい。含有比率がこのような範囲であると、良好な高出力特性が得られる。
(導電性高分子)
結着剤に含まれる導電性高分子としては、水溶性でアニリン系のものが好ましく、中でもポリアニリン系のもの、具体的には、ポリアニリンスルフォン酸が特に好ましい。ポリアニリンスルフォン酸は、Li塩、Na塩、K塩、NH4塩の何れでも構わなく、これらのうちの1種類以上が電極材料中に含まれていればよい。ポリアニリンスルフォン酸を使用する場合、電極材料中のポリアニリンスルフォン酸の含有比率は、電極材料全体に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましく、1〜3質量%であると更に好ましい。含有比率がこのような範囲であると、良好な高出力特性が得られる。
(水溶性高分子)
結着剤に含まれる水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類、ポリビニルアルコール、ポリビニルスルホン酸、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリオキシエチレン、ポリエリレンイミンなどが使用でき、特にカルボキシメチルセルロース類については、カルボキシメチルセルロース(Li塩、Na塩、K塩、NH4塩)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプチレート、酸化スターチ、燐酸化スターチが挙げられ、ポリアクリル酸類については、ポリアクリル酸(Li塩、Na塩、K塩、NH4塩)、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸が挙げられる。これらの中でもセルロース系のもの、特にカルボキシメチルセルロース類、具体的にはカルボキシメチルセルロースが好適である。カルボキシメチルセルロースは、Li塩、Na塩、K塩、NH4塩の何れでも構わなく、これらの内の1種類以上が電極材料中に含まれていればよい。カルボキシメチルセルロースを使用する場合、電極材料中のカルボキシメチルセルロースの含有比率は、電極材料全体に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であると更に好ましい。含有比率がこのような範囲であると、良好な高出力特性が得られる。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物を使用することが好ましい。なお、ここで言う「リチウム遷移金属複合酸化物」は、少なくともリチウム、遷移金属元素、酸素の3元素を含んで構成される物質であり、具体的には、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウムニッケルマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/2Mn1/22)、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LiNi1/3Mn1/3Co1/32)等が挙げられる。前記遷移金属元素の一部を他の金属元素(遷移金属元素を含む)の1種類以上で置換した組成も含まれる。具体的な金属元素としては、リチウム(Li)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、硼素(B)、バナジウム(V)、珪素(Si)、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属元素は特に限定されないが、原料が安価であることに加え、これを正極活物質として用いることにより、その電池のエネルギー密度や単電池電圧の向上が可能である点においてマンガンであることが好ましい。すなわち、本発明のリチウム二次電池は、正極活物質として、少なくともマンガンを構成元素の一つとするリチウム遷移金属複合酸化物を含むものであることが好ましい。
(負極活物質)
負極活物質としては、従来リチウム二次電池の負極活物質に使用されている種々の公知材料、例えば、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や、人造黒鉛、天然黒鉛等の高黒鉛化炭素材料を用いることができる。中でも、リチウム容量の大きい高黒鉛化炭素材料を用いることが好ましい。
(有機溶媒)
非水電解液に用いられる有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系溶媒や、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の単独溶媒又は混合溶媒が好適に用いられる。
(電解質)
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)等を挙げることができ、これらの1種類又は2種類以上を前記有機溶媒に溶解して用いる。特に、酸化分解が起こり難く、非水電解液の導電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
(電池構造)
本発明のリチウム二次電池の電池構造には、従来公知のリチウム二次電池の構造を採用することができ、例えば、板状に成形された正極活物質と負極活物質の間にセパレータを配して電解液を充填させたコイン型の電池(コインセル)や、金属箔の表面に正極活物質を塗工してなる正極板と、同様に金属箔の表面に負極活物質を塗工してなる負極板とを、セパレータを介して捲回又は積層してなる電極体を用いた円筒型や箱型といった各種電池構造を挙げることができる。
(電極材料の製造方法)
本発明の電極材料の製造方法は、正極活物質と、カーボンブラック類からなる導電助剤と、導電性高分子及び水溶性高分子を含む結着剤と、水とを混練した後、当該混練物を乾燥させることにより電極材料を得るものである。具体的には、正極活物質、導電助剤(カーボンブラック類)、導電性高分子、水溶性高分子を所望の比率で混合し、これに水を加えてスラリー状の混練物を得る。得られた混練物を、例えば、集電体であるAl箔に塗工して乾燥させ、更に必要に応じて所定の圧力でプレスして、電極材料とする。なお、混練物を乾燥する際の乾燥温度は、100〜150℃とすることが好ましく、120〜140℃とすることがより好ましい。乾燥温度が100℃未満の場合は、電極材料中に残存する水分量が多くなる場合があり、電池の特性に悪影響を及ぼすことがある。また、150℃を超えると、結着剤の分解(炭化)が生じ易く、やはり電池の特性に悪影響を及ぼすことがある。電極材料の製造に使用する正極活物質、導電助剤(カーボンブラック類)、導電性高分子、水溶性高分子には、それぞれ先に挙げたようなものが好適に使用できる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(正極活物質の合成)
出発原料として、市販のLi2CO3粉末、MnO2粉末、Al23粉末及びNiO粉末を用いて、表1に示す正極活物質の組成となるようにそれぞれ秤量し、混合した。次いで、この混合物を酸化雰囲気中、950℃で24時間焼成することにより、スピネル構造のマンガン酸リチウムを合成し、これらを正極活物質とした。
(電極材料及びコインセルの作製)
表1及び2に示す正極活物質、導電助剤及び結着剤を用い、同表に示す各質量比(導電助剤及び結着剤を除いた残部が正極活物質)で水に添加・混合した。こうして得られたスラリー状の混合物を集電体たるAl箔(厚さ20μm)に塗工し、これを140℃で乾燥させた。その後、300kg/cm2の圧力でプレスして電極(正極)材料を作製した。
これらの電極材料を直径20mmの円板状に打ち抜いて正極とした。次いで、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とが等体積比(1:1)で混合された有機溶媒に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度となるように溶解して調製した電解液、カーボンからなる負極、正極と負極とを隔てるセパレータ、及び前述のとおり作製した正極を用いて、実施例1〜23及び比較例1〜5の計28個のコインセル(コイン型のリチウム二次電池)を作製した。コインセルの作製は全てArガス雰囲気のグローブボックス中で行った。なお、前記のセパレータには、リチウムイオン透過性の三層構造フィルム(マイクロポアを有するリチウムイオン透過性のポリエチレン(PE)を、多孔性のリチウムイオン透過性のポリプロピレン(PP)で挟んだもの)を直径21mmの円板状に加工したものを用いた。
Figure 2007052940
Figure 2007052940
(出力特性の評価)
前記28個のコインセルを、室温にて、1C電流レートで4.1Vまで充電し、2.5Vまで放電する工程を1サイクルとして充放電を行い、初回放電容量を測定した。次に、同じく室温にて、1C電流レートで4.1Vまで充電し、5C電流レートで2.5Vまで放電を行い、再び同じく室温にて、1C電流レートで4.1Vまで充電し、10C電流レートで2.5Vまで放電を行い、それぞれの電流レートにおける放電容量を測定した。これらの放電容量を初回放電容量で除することでセルの出力特性(出力率(%))を評価し、その結果を表3に示した。なお、出力率(%)は1C電流レートにおける放電容量を100(%)として換算している。
Figure 2007052940
表3に示す実施例1〜7及び比較例1の結果より、導電助剤であるアセチレンブラックを添加することで、これを添加しない場合に比べて高い出力率が得られ、また、アセチレンブラックの含有比率は、電極材料中において0.01〜10質量%の場合に高い出力率を示し、0.1〜5質量%の場合により高い出力率を示し、0.5〜2質量%の場合に更に高い出力率を示すことがわかった。なお、アセチレンブラックの含有比率が11質量%の場合の出力率が、10質量%の場合の出力率とほぼ同等であったことから、アセチレンブラックは必要以上に含有させても、それに見合った効果の増大は期待できず、その含有比率の上限は10質量%程度とすることが好ましいことがわかった。
また、実施例8〜14及び比較例2の結果より、導電性高分子に用いたポリアニリンスルフォン酸の含有比率は、電極材料中において0.01〜5質量%の場合に高い出力率を示し、0.1〜4質量%の場合により高い出力率を示し、1〜3質量%の場合に更に高い出力率を示すことがわかった。なお、ポリアニリンスルフォン酸の含有比率が6質量%の場合の出力率が、5質量%の場合の出力率とほぼ同等であったことから、ポリアニリンスルフォン酸は必要以上に含有させても、それに見合った効果の増大は期待できず、その含有比率の上限は5質量%程度とすることが好ましいことがわかった。
また、実施例15〜18及び21〜23並びに比較例5の結果より、水溶性高分子に用いたカルボキシメチルセルロースの含有比率は、電極材料中において0.01〜5質量%の場合に高い出力率を示し、0.1〜4質量%の場合により高い出力率を示し、0.5〜2質量%の場合に更に高い出力率を示すことがわかった。なお、カルボキシメチルセルロースの含有比率が6質量%の場合の出力率が、5質量%の場合の出力率とほぼ同等であったことから、カルボキシメチルセルロースは必要以上に含有させても、それに見合った効果の増大は期待できず、その含有比率の上限は5質量%程度とすることが好ましいことがわかった。
更に、実施例18〜20の結果より、正極活物質として、マンガン酸リチウム(LiMn24)のMnの一部を他元素で置換したものを用いた場合の方が、置換しないものを使用した場合より出力率が高くなることがわかった。この理由としては、Mnの一部を他元素で置換することにより、マンガン酸リチウムのスピネル構造が安定化し、マンガン酸リチウムからのLi+イオンの挿入・離脱がスムーズに行われるためであると考えられる。
更にまた、実施例18並びに比較例4及び5の結果より、本発明の実施例は、水溶性の結着剤を使用しているにも係わらず、PVdFを結着剤に用いた従来技術と同等の高い出力率が得られることがわかった。
(充放電サイクル特性の評価)
前記28個のコインセルについて、室温で充放電サイクル特性を評価した。評価は、コインセルを室温にて、1C電流レートで4.1まで充電し、2.5Vまで放電する工程を1サイクルとして、200サイクルまで繰り返し充放電を行い、200サイクル後の放電容量維持率(%)を求めるという方法で行った。この放電容量維持率(%)は、200サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除することにより算出した。その結果を表4に示す。
Figure 2007052940
表4に示す実施例1〜7及び比較例1の結果より、導電助剤であるアセチレンブラックを添加することで、これを添加しない場合に比べて、200サイクル後の放電容量維持率が高くなることがわかった。
また、実施例18〜20の結果より、正極活物質として、マンガン酸リチウム(LiMn24)のMnの一部を他元素で置換したものを用いた場合の方が、置換しないものを使用した場合より高い放電容量維持率を示すことがわかった。この理由としては、Mnの一部を他元素で置換することにより、マンガン酸リチウムのスピネル構造が安定化するためであると考えられる。
更に、実施例18並びに比較例4及び5の結果より、本発明の実施例は、水溶性の結着剤を使用しているにも係わらず、PVdFを結着剤に用いた従来技術と同等の高い放電容量維持率が得られることがわかった。
本発明は、電極材料を製造する際の環境負荷が少なく、高出力特性及び充放電サイクルにも優れたリチウム二次電池と、それに用いる電極材料の製造方法として好適に使用することができる。

Claims (13)

  1. 正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む電極材料を用いて構成されたリチウム二次電池であって、
    前記導電助剤がカーボンブラック類であり、前記結着剤が導電性高分子と水溶性高分子とを含むものであるリチウム二次電池。
  2. 前記正極活物質がリチウム遷移金属複合酸化物である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記カーボンブラック類がアセチレンブラックであり、前記電極材料中に0.01〜10質量%の比率で含有されている請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記導電性高分子が水溶性でアニリン系の導電性高分子である請求項1ないし3の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記水溶性でアニリン系の導電性高分子がポリアニリンスルフォン酸であり、前記電極材料中に0.01〜5質量%の比率で含有されている請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記水溶性高分子がセルロース系の水溶性高分子である請求項1ないし5の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記セルロース系の水溶性高分子がカルボキシメチルセルロースであり、前記電極材料中に0.01〜5質量%の比率で含有されている請求項6に記載のリチウム二次電池。
  8. 正極活物質と、カーボンブラック類からなる導電助剤と、導電性高分子及び水溶性高分子を含む結着剤と、水とを混練した後、当該混練物を乾燥させることにより電極材料を得る電極材料の製造方法。
  9. 前記正極活物質がリチウム遷移金属酸化物である請求項8に記載の電極材料の製造方法。
  10. 前記カーボンブラック類がアセチレンブラックである請求項8又は9に記載の電極材料の製造方法。
  11. 前記導電性高分子が水溶性でアニリン系の導電性高分子である請求項8ないし10の何れか一項に記載の電極材料の製造方法。
  12. 前記水溶性高分子がセルロース系の水溶性高分子である請求項8ないし11の何れか一項に記載の電極材料の製造方法。
  13. 前記乾燥が100〜150℃の温度で行われる請求項8ないし12の何れか一項に記載の電極材料の製造方法。
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