JP2007052193A - ポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジスト組成物の製造方法及び該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物及び(B)酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂を含有するポジ型レジスト組成物であって、(B)成分の樹脂について、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の比率(保護率)が、(B)成分の全樹脂の保護率の平均(平均保護率)の±10%以内である樹脂成分を、(B)成分の全樹脂の80〜100質量%含有するポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジスト組成物の製造方法及び該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法。
【選択図】なし
Description
これらの電子線、X線、あるいはEUV用のポジ型レジストに関して、これまでポジ型レジスト組成物がいくつか知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、超微細領域での、高解像性、良好なラインエッジラフネスは同時に満足
できていないのが現状である。
一般的に、電子線、EUV光又はX線によるパターン形成に用いられる酸分解性樹脂は、フェノール性ポリマーのアルカリ可溶性基を酸分解性基で保護することによって、合成されているが、このようにして合成された樹脂は、酸分解性基によって保護されたアルカリ可溶性基の保護率のばらつきが大きくなる欠点があった。
本発明は、酸分解性樹脂に於いて、酸分解性基によって保護されたアルカリ可溶性基の保護率の範囲を所定の範囲に特定することにより、ポジ型レジスト組成物の感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネスを改良しようとするものである。
(B)酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂を含有するポジ型レジスト組成物であって、
(B)成分の樹脂について、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の比率(保護率)が、(B)成分の全樹脂の保護率の平均(平均保護率)の±10%以内である樹脂成分を、(B)成分の全樹脂の80〜100質量%含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
Xは、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基を表す。
尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において使用し得る活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表す。
〜20である。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
X-の非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のフッ素置換脂肪族スルホン酸アニオン、特に好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオンである。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を示す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を示す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を示す。
Rは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207は、電子吸引性基を示し、好ましくはシアノ基またはフロロアルキル基を表す。
R208は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
射により有機スルホン酸を発生する化合物が好ましく、活性光線又は放射線の照射によりベンゼンスルホン酸を発生する化合物がより好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂であって、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の比率(保護率)が、全樹脂の保護率の平均(平均保護率)の±10%以内である樹脂成分を、全樹脂の80〜100質量%含有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂(B)」ともいう)を含有する。
酸分解性樹脂(B)に於ける、アルカリ可溶性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、水酸基が好ましい。
酸分解性樹脂(B)に於ける、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等のアルカリ可溶性基の水素原子が、酸分解性
基で保護された基を挙げることができる。
酸分解性基としては、例えば、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)等を挙げることができる。
式中、R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37、R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
R36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
R36〜R39、R01及びR02のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。
R36〜R39、R01及びR02のアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
R36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
R36〜R39、R01及びR02は、置換基を有していてもよい。R36〜R39、R01及びR02が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率(%)=酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の数/(アルカリ可溶性基の数+酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の数)×100(%)
尚、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率を算出する方法として、例えば、1H又は13C NMRを用いることができる。
即ち、一般的に、樹脂を1H又は13C NMRで測定すると、そこから得られる保護率の値は、平均値すなわち平均保護率となる。算定方法としては、酸分解性基で保護されているものと、保護されていないものの同一位置の炭素の積分曲線の比で算出する。
例えば、下記化合物においては、aとe、bとf、cとg、dとh(見やすいいずれか1ペアで)の積分曲線の比で算出する。
平均保護率の−10%〜+10%の範囲内にある樹脂成分の総重量の測定、算出方法としては、例えば、カラムクロマトグラフィーによって、精製した樹脂を1H又は13C NMRで不純物が混入していないのを確認して、重さを量って算出する方法を挙げることができる。
本発明に於いては、酸分解性樹脂(B)中に、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率が、その平均保護率の−5%〜+5%の範囲内にある樹脂成分を80〜100質量%含有することが好ましい。
本発明に於いては、酸分解性樹脂(B)中に、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率が、その平均保護率の−3%〜+3%の範囲内にある樹脂成分を80〜100質量%含有することがより好ましい。
酸分解性樹脂(B)に於いて、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率の平均は、10〜50%であることが好ましいが、酸分解性基の種類によっても保護率が異なってくるために、これに限定されるものではない。
本発明に於いては、酸分解性樹脂(B)中に、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率が、8%以上の樹脂のみを含有することが好ましい。
合成した酸分解性樹脂(B)を、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率について所定の範囲ごとに分離・精製する手法として、例えば、カラムクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィーなどの吸着クロマトグラフィーや、イオン交換クロマトグラフィーや電気泳動による分離などが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
Xは、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基を表す。
Ra及びRbのアルキル基は、置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、さらに好ましくは1〜20であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは3〜20であり、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基、t−デカノイル基等が挙げられる。
Ra及びRbのアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
Ra及びRbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
Ra及びRbのアシル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜8個のアシル基であり、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
Ra及びRbのアシロキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜8のアシロキシ基であり、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルリオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。
ァニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
Ra及びRbのアルキルカルボニルオキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜8であり、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
Ra及びRbのアラルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜16のアラルキル基である、例えば、ベンジル基を挙げることができる。
Xの酸分解性基によって保護されたアルカリ可溶性基としては、前記の酸分解性基によって保護されたアルカリ可溶性基を挙げることができる。Xの酸分解性基によって保護されたアルカリ可溶性基は、単環、多環又は有橋式脂環式基を有していることが好ましく、炭素数5〜25の脂環式基を有していることがより好ましい。
Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
一般式(B2)に於ける、Ra及びRbは、一般式(B1)に於ける、Ra及びRbと同義である。
一般式(B2)に於けるベンゼン環は、水酸基の他に更に置換基を有していてもよい。一般式(B2)に於けるベンゼン環が、水酸基の他に更に有していてもよい置換基としては、一般式(B1)に於けるベンゼン環で挙げた置換基と同様のものを挙げることができる。
上記非酸分解性基の置換基としては、アセチル基、メシル基、トルエンスルホニル基等が好ましいが、これらに限定されるものではない。
上記スチレン類としては、スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、フェニルスチレン、t−ブチルスチレン、t−ブトキシスチレン等があげられるが、スチレン、メチルスチレン、t−ブチルスチレン、t−ブトキシスチレンが特に好ましい。
上記非酸分解性の(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等があげられる。
上記非酸分解性の(メタ)アクリル酸アミド類としては、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸フェニルアミド、(メタ)アクリル酸イソプロピルアミド等があげられる。
更に、共重合可能なモノマーとしては、例えば、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等を挙げることができる。
酸分解性基を有する繰り返し単位を導入する方法としては、酸分解性の(メタ)アクリル酸エステル類を共重合させる方法が好ましい。
酸分解性の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−1−ジアルキル−1−アダマンチル−メチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル等を挙げることができる。
酸分解性樹脂(B)の分子量分散度(Mw/Mn)は、ラインエッジラフネスの面から、1.0〜3.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.5、更に好ましくは1.0〜1.3である。
このような分子量分散の小さい樹脂は、ポリマーの合成条件(重合溶媒の量、重合開始剤の量)やポリマーの精製条件(再沈溶剤の種類・量、再沈操作の回数)を種々変更することによって得ることができる。例えば、重合溶剤や開始剤の量を変えることで分子量を調節することができ、また再沈溶剤を変えたり再沈操作の回数を増やすことで樹脂の分散度を減らすことができる。再沈溶剤としては、2種以上の溶剤を混合して用いるか、または再沈操作を2回以上行うことが好ましく、2種以上の溶剤を混合した再沈溶剤を用いて再沈操を2回以上行うことがより好ましい。あるいは、リビングアニオン、リビングラジカル、またはリビングカチオン重合法を経由して分子量分散度の低いポリビニルフェノールを合成した後、アルキルビニルエーテル類を用いてアセタール化することによっても合成することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(C)塩基性化合物を含有することが好ましい。
好ましい構造として、下記一般式(A)〜(E)で示される構造を挙げることができる。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナー5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が、上記(D)界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、各成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
本発明において、有機溶剤としては、単独で用いても混合して用いても良いが、構造中に水酸基を有する溶剤と、水酸基を有さない溶剤とを混合した混合溶剤を使用することが好ましい。これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減することができる。
水酸基を有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を有さない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンがより好ましい。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明のポジ型レジスト組成物を塗布し、乾燥し、レジスト膜を形成し、次に、KrFエキシマレーザー光、電子線、EUV光、X線等の活性光線又は放射線の照射、好ましくはEUV光の照射を行い、好ましくは加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物を基板上に塗布、乾燥して形成するレジスト膜の膜厚は、50〜200nmが好ましい。レジスト膜の膜厚を50〜200nmとすることにより、ドライエッチング耐性、パターンプロファイルを向上させ、且つレジスト膜の透過率を大きくすることができる。
レジスト膜の膜厚は、組成物の溶剤を除いた固形分濃度により調整することができ、好ましい固形分濃度は5〜18質量%、より好ましい固形分濃度は7〜15質量%、特に好ましい固形分濃度は9〜14質量%である。
これらのアルカリ現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンの水溶液である。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%であり、アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(日本曹達社製VP−8000)100gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)500gに溶解し、この溶液を60℃で、20mmHgまで減圧して約100gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、エチルビニルエーテル36g、p−トルエンスルホン酸0.2gを添加し、室温にて1時間攪拌した。その後、トリエチルアミン0.4gを添加して中和し、5000gのn−ヘキサンで再沈した。得られた固体を200gのアセトンに溶かして、再び、2000gのn−ヘキサンで再沈し、得られた固体を乾燥させることによって、粉体の樹脂(B−1)が114.4g得られた。得られた樹脂の平均保護率は、42%(−18〜+13%)、重量平均分子量は、9200、分散度(Mw/Mn)は、1.10であった。
上記平均保護率42%は、13C NMR(Gemini−300、Varian社製)定量モード117.63ppmと115.37ppmの面積比で算出した。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(日本曹達社製VP−8000)100g、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩0.5gをPGMEA500gに溶解し、この溶液を60℃で、20mmHgまで減圧して約100gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、シクロヘキシルエタノール44.8g、t−ブチルビニルエーテル35.0gを添加し、室温にて4時間攪拌した。その後、トリエチルアミン2.1gを添加して中和し、5000gのn−ヘキサンで再沈した。得られた固体を200gのアセトンに溶かして、再び、2000gのn−ヘキサンで再沈し、得られた固体を乾燥させることによって、粉体の樹脂(B−2)が130.9g得られた。得られた樹脂の平均保護率は25%(−16〜+15%)、重量平均分子量は11800、分散度は1.13であった。
上記平均保護率25%は、13C NMR(Gemini−300、Varian社製)定量モード117.39ppmと115.22ppmの面積比で算出した。
クロロホルムで充填したワコーゲルC−200(和光純薬社製カラムクロマトグラフ用シリカゲル)3000gに、合成例1で得られた樹脂(B−1)30gをクロロホルム60gに溶かした溶液をチャージした。1つのフラクションあたり1000gになるように分取して、酢酸エチル/クロロホルムを用いて徐々にグラジエーションして分画した。結果を下記表1に示す。
n−ヘキサンで充填したワコーゲルC−200(和光純薬製カラムクロマトグラフ用シリカゲル)2000gに、合成例2で得られた樹脂(B−2)20gをアセトン100g
に溶かした溶液をチャージした。1つのフラクションあたり1000gになるように分取して、アセトン/n−ヘキサンを用いて徐々にグラジエーションして分画した。
結果を下記表2に示す。
(i)ポジ型レジストの調製および塗設
下記表3に示すように、酸分解性樹脂、酸発生剤、塩基性化合物及び界面活性剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、固形分濃度8.5質量%の溶液を調製した後、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト溶液を得た。このレジスト溶液を6インチシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃で、90秒間ベークして膜厚0.30μmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)日立製作所製 HL750、加速電圧50KeV)を用いて電子線照射を行った。照射後に、110℃で、90秒間ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液に60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S−4300)を用いて観察した。0.15μmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
〔解像度〕
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像度とした。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す照射量における0.15μmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察し、A(矩形)、B(ややテーパー上)、C(ややテーパー下)、D(テーパー上)、E(テーパー下)の5段階評価を行った。
〔ラインエッジラフネス〕
上記の感度を示す照射量における0.15μmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について線幅を測定し、そのバラツキを3σで評価した。
評価結果を下記表3に示す。
〔酸分解性樹脂〕
P−1: 分画例1(樹脂(B−1))のフラクション5(平均保護率の±0%)
P−2: 分画例1(樹脂(B−1))のフラクション4〜7(平均保護率の−3〜+3%)
P−3: 分画例1(樹脂(B−1))のフラクション4〜8(平均保護率の−5〜+5%)
P−4: 分画例1(樹脂(B−1))のフラクション3〜9(平均保護率の−10〜+10%)
P−5: 樹脂(B−1)の未分画品(樹脂(B−1)のフラクション2〜10)
P−6: 分画例2(樹脂(B−2))のフラクション8(平均保護率の±0%)
P−7: 分画例2(樹脂(B−2))のフラクション7〜9(平均保護率の−3〜+3%)
P−8: 分画例2(樹脂(B−2))のフラクション6〜9(平均保護率の−5〜+5%)
P−9: 分画例2(樹脂(B−2))のフラクション5〜10(平均保護率の−10〜+10%)
P−10: 樹脂(B−2)の未分画品(樹脂(B−2)のフラクション4〜11)
E−1: トリ−n−ヘキシルアミン
E−2: 2,4,6−トリフェニルイミダゾール
E−3: テトラ-(n-ブチル)アンモニウムヒドロキシド
W−1:フッ素系界面活性剤、メガファックF−176(大日本インキ化学工業製)
W−2:フッ素/シリコン系界面活性剤、メガファックR08(大日本インキ化学工業製)
W−3:シリコン系界面活性剤、ポリシロキサンポリマーKP341(信越化学工業製)
上記実施例1〜8及び比較例1〜2の各レジスト組成物を用い、実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。ただし、レジスト膜厚は0.15μmとした。得られたレジスト膜にEUV光(波長13.5nm、リソテックジャパン社)を用いて、露光量を0〜5.0mJづつ変えながら面露光を行ない、さらに110℃で、90秒間ベークした。その後2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度を求めた。
次に上記実験にて求めた感度の1/2にあたる露光量のEUV光を照射したサンプルを
準備、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒現像した後のレジスト膜表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察した。結果を下記表4に示す。
Claims (12)
- (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物及び
(B)酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂を含有するポジ型レジスト組成物であって、
(B)成分の樹脂について、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の比率(保護率)が、(B)成分の全樹脂の保護率の平均(平均保護率)の±10%以内である樹脂成分を、(B)成分の全樹脂の80〜100質量%含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。 - (B)成分の樹脂について、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の比率(保護率)が、(B)成分の全樹脂の保護率の平均(平均保護率)の±5%以内である樹脂成分を、(B)成分の全樹脂の80〜100質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- (B)成分の樹脂について、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の比率(保護率)が、(B)成分の全樹脂の保護率の平均(平均保護率)の±3%以内である樹脂成分を、(B)成分の全樹脂の80〜100質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- (B)成分の樹脂中に、酸分解性基によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率が、8%以上の樹脂のみを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 一般式(B1)におけるXが、アセタール構造を有することを特徴とする請求項5に記載のポジ型レジスト組成物。
- (A)成分の化合物が、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化
合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。 - (A)成分の化合物が、活性光線又は放射線の照射によりベンゼンスルホン酸を発生する化合物であることを特徴とする請求項7に記載のポジ型レジスト組成物。
- 更に、塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 活性光線又は放射線が、EUV光であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物の製造方法であって、酸分解性によって保護されているアルカリ可溶性基の保護率が、その平均保護率の所定の範囲にある樹脂成分を所定の範囲含有するように、(B)成分の樹脂を精製することを特徴とするポジ型レジスト組成物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜に露光し、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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