JP2007051651A - 多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置 - Google Patents

多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
前進6速後進1速の多段自動変速機用に、シンプルでコンパクトな2連油圧クラッチ装置を提供する。
【解決手段】
入力部材1と一体となる側壁を有し、一方が開口される筒状のクラッチカバー2の筒状内周部にスプラインを形成し、軸方向中央部に固定部材10を配し、油圧クラッチC1、C2の摩擦部材を固定部材10の両サイドに配し、クラッチカバー2の筒状内側にクラッチカバー2の側壁部との間に作動油圧室20を形成するプッシュタイプの油圧ピストン3と、クラッチカバー2の筒状外側にクラッチカバー2の側壁部との間に作動油圧室30を形成するプルタイプの油圧ピストン4とを配し、油圧ピストン3との間に遠心油圧キャンセラー室40を形成するとともに軸方向移動可能なキャンセラープレート5と油圧ピストン4を、一定距離で連結し、油圧ピストン3とキャンセラープレート5とを付勢するリターンスプリングを設ける。

【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用自動変速装置に係わり、特に前進6速後進1速の多段自動変速装置に用いられる2連油圧クラッチ装置に関するものである。
周知の如く、自動変速装置は遊星歯車列とその構成要素を制御する複数のクラッチ及びブレーキから成り立っている。今日最も普及しているトルクコンバータを用いた前進4速後進1速の自動変速装置では、2個の遊星歯車列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有したものが多用されている。
近年地球環境問題のため自動車の省燃費の要求は強く、前進6速後進1速に多段化された自動変速装置も実用化されだした。前進6速後進1速のシンプルなギアトレンとして、4個の構成要素を持った2個の遊星歯車列の、3個の構成要素に選択的に減速回転と否減速回転を入力し、そのうちの2個の構成要素にブレーキを配し、残りの1個の構成要素を出力するシンプルな前進6速後進1速の車両用自動変速装置が考案されている。1個の構成要素に減速回転を入力し、他の2個の構成要素に否減速回転を入力した特許文献1と、2個の構成要素に減速回転を入力し、他の1個の構成要素に否減速回転を入力した特許文献2である。特許文献1では3個の遊星ギア列と2個のクラッチ及び3個のブレーキを有しており、特許文献2では3個の遊星ギア列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有している。
前進4速後進1速の自動変速装置では、3個のクラッチの1個は後進専用で他のクラッチと両方同時に締結することはないため、クラッチのピストンを重ね合わせたコンパクトな2重ピストン方式の2連油圧クラッチとして用いられる例もある。一方前進6速後進1速の自動変速装置では2個のクラッチの場合も3個のクラッチの場合も、クラッチは何れか1個の締結でも2個同時の締結でも可能で、締結及び開放は別々に精度よく制御できなければならないため、前進4速後進1速で用いられるような2重ピストン方式を採用することはできない。
3個の遊星ギア列と2個のクラッチ及び3個のブレーキを有した多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置として、特許文献3と特許文献5及び特許文献6が開示されており、3個の遊星ギア列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した多段自動変速機用として減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置が、特許文献4と特許文献7に開示されている。特許文献7以外のこれら2連油圧クラッチ装置ではコンパクトとなる工夫はなされているものの、各ピストンの遠心油圧キャンセラー室を形成するキャンセラープレートとリターンスプリングが各々2個必要となりコスト高となるばかりではなく、コンパクトさにも限界が生じる。尚、特許文献7ではキャンセラープレートが1個でリターンスプリングが2個となるが、2重ピストン構造であり、2個のクラッチの締結及び開放が別々に精度よく制御できる構造とはなっていない。
特開昭52−149562 特開平4−219553 特開平5−33816 特開2000−220705 特開2003−42184 特開2004−205027 特開2004−508502
本発明の第1の課題は、キャンセラープレートとリターンスプリングが1個となる、何れか1個の締結でも2個同時の締結でも可能で、締結及び開放が別々に精度よく制御でき得るシンプルでコンパクトな2連油圧クラッチ装置を提供することである。
本発明の第2の課題は、2個のクラッチの摩擦部材を同一形状とし、遊星歯車列の径方向外側に配置できる前輪駆動用前進6速後進1速の多段自動変速機に適した2連油圧クラッチ装置を提供することである。
本発明の第3の課題は、2連油圧クラッチの各構成部材を平板から一体となるプレス成形品とし、大量生産可能な構造とすることである。
本発明の第4の課題は、2連油圧クラッチに於ける油圧ピストンのリターンスプリングの配置を工夫し、更なるコンパクトさを実現することである。
請求項1に係わる本発明は、第1と第2の課題を解決するための手段であり、入力部材と一体となる側壁を有し、一方が開口される筒状のクラッチカバーの筒状内周部にスプラインを形成し、スプラインの軸方向中央部に固定部材を配し、油圧クラッチC1、C2の摩擦部材を固定部材の両サイドに配し、クラッチカバーの筒状内側に配され、側壁との間に作動油圧室を形成し、油圧クラッチC1の摩擦部材をクラッチカバーの開口部の方へ圧接するプッシュタイプの油圧ピストンと、クラッチカバーの筒状外側に配され、クラッチカバーの側壁部との間に作動油圧室を形成し、油圧クラッチC2の摩擦部材をクラッチカバーの開口部の方からフランジを介して圧接するプルタイプの油圧ピストンとを配し、油圧クラッチC1の油圧ピストンとの間に遠心油圧キャンセラー室を形成するとともに、軸方向移動可能なキャンセラープレートを開口部側に配し、キャンセラープレートと油圧クラッチC2の油圧ピストンとを、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンを貫通して一定距離で連結し、油圧クラッチC1の油圧ピストンとキャンセラープレートとを付勢するリターンスプリングを配した。
請求項2に係わる本発明は、2個の構成要素に減速回転を入力し、他の1個の構成要素に否減速回転を入力した特許文献2に開示された3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した多段自動変速機に関し、第2の課題を解決するための手段であり、クラッチカバーの筒状内周部に配された油圧クラッチC1、C2の摩擦部材の径方向内側に、サンギアと、遊星ピニオンギアを支持する遊星キャリアと、リングギアとからなる減速用遊星歯車列を配し、遊星キャリアを変速機ケースに軸支される入力部材1に連結するとともに、サンギアを変速機ケースに連結し、クラッチカバーの開口部側からキャンセラープレートの方向に順に、油圧クラッチC2の出力部材と、油圧クラッチC1の出力部材と、リングギアに溶着したハブとを、径方向内側に延材して連結部を設けるとともに、油圧クラッチC2の出力部材に、出力部材を制動するブレーキB2の摩擦部材を係止するハブを連結した。
請求項3に係わる本発明は、第3の課題を解決するための手段であり、クラッチカバーと2個の油圧ピストン及びキャンセラープレートを平板から一体となるプレス成形品とし、クラッチカバーの側壁の半径方向中央部を円筒状に開口部の方向に突き出し階段状の段部を設け、内径を入力部材1の外周部に溶着し、クラッチカバーに沿って段部の外周に入り込み軸方向移動自在とし、段部及び入力部材の間にシール材を配して作動油圧室を形成する油圧クラッチC1の油圧ピストンと、クラッチカバーに沿って段部の内周に入り込み軸方向移動自在とし、段部及び入力部材の間にシール材を配して作動油圧室を形成する油圧クラッチC2の油圧ピストンと、油圧クラッチC1の油圧ピストンに沿って段部外周に入り込み軸方向移動自在とし、段部の間にシール材を配するとともに油圧クラッチC1の油圧ピストンの内周まで側壁を延材し、内周大気開放の遠心油圧キャンセラー室を形成するキャンセラープレートを設けた。
請求項4に係わる本発明は、第4の課題を解決するための手段であり、作動油圧室20、30及び遠心油圧キャンセラー室40の径方向外側の回転中心に対称となる複数の同位置で、油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートの側壁にリベット孔を設け、中央部が両端より大径となり、中央部の軸方向長さが一定となるスタッドピンで油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートを一定距離で一体的に連結するよう絞め、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンのスタッドピンと同位置となる円周上に当分された数箇所に、スタッドピンのガイドとなる貫通孔を設け、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンのスタッドピンと同位置となる残りの箇所に、一端が外周方向に他端が内周方向に鍔をもつ円筒状のバネホルダーの円筒外周部がガイドとなる貫通孔を設け、バネホルダーの外周鍔を油圧クラッチC1の油圧ピストンに当接するようクラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンに挿入し、バネホルダーの内周鍔と前記キャンセラープレートの間にスタッドピンをガイドとするコイル状のリターンスプリングを配した。
請求項5に係わる本発明は、第4の課題を解決するための別の手段であり、作動油圧室20、30及び遠心油圧キャンセラー室40の径方向外側の回転中心に対称となる複数の同位置で、油圧クラッチC2の油圧ピストンの側壁に円周方向に長方形をした窓孔と、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンの側壁に油圧クラッチC2の油圧ピストンに配した窓孔より円周方向に幅広となる貫通平孔を設け、油圧クラッチC1の油圧ピストンの貫通平孔を通り油圧クラッチC2の油圧ピストンに延材する鍔をキャンセラープレートに一体的に形成し、油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートを一定距離で、鍔部にリティニングリング及び絞めを設けて連結し、遠心油圧キャンセラー室内に、油圧クラッチC1の油圧ピストンとキャンセラープレートを付勢する皿板状のリターンスプリングを配し、キャンセラープレートの鍔と、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンの貫通平孔をガイドとして油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートを軸方向移動自在に配した。
請求項6に係わる本発明は、第2の課題を解決するための付随手段であり、クラッチカバーのスプラインの軸方向中央部内側に施された1箇所のリティニングリング溝とリティニングリングにより固定される固定部材は、外周部がクラッチカバーのスプラインに嵌合し、中央部径方向外側にリティニングリング溝を有し、クラッチカバーのスプライン内径と固定部材のリティニングリング溝内径の差より、リティニングリングの外内径差を小さくした
請求項1に記載の構成では、クラッチカバーの筒状内周部にスプラインを形成し、スプラインの軸方向中央部に固定部材を配し、油圧クラッチC1、C2の摩擦部材を固定部材の両サイドに配したため、摩擦部材が共通化できるとともに軸方向に直線的に配置できる。また、クラッチカバー側壁の両サイドに作動油圧室を形成するプッシュタイプの油圧クラッチC1の油圧ピストンとプルタイプの油圧クラッチC2の油圧ピストンとを配し、クラッチカバーの筒状内側に配された油圧クラッチC1の油圧ピストンとの間に遠心油圧キャンセラー室を形成する軸方向移動可能なキャンセラープレートを配し、クラッチカバーの筒状外側に配された油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートを、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンを貫通して一定距離で連結し、油圧クラッチC1の油圧ピストンとキャンセラープレートとを付勢するリターンスプリングを配したので、遠心油圧キャンセラー室の遠心油圧とリターンスプリングは直接油圧クラッチC1の油圧ピストンに作用するとともに、キャンセラープレートを介して油圧クラッチC2の油圧ピストンにも作用する。したがって、通常2個の油圧ピストンに2個のキャンセラープレートとリターンスプリングが必要となるが、本発明では各1個で済むとともに、2個の油圧ピストンの作動油圧室がクラッチカバー側壁の両サイドに独立して設けられているため、何れか1個の締結でも2個同時の締結でも可能で、締結及び開放が別々に精度よく制御でき得るシンプルでコンパクトな2連油圧クラッチ装置が可能となる。
請求項2に記載の構成では、請求項1に記載したキャンセラープレートとリターンスプリングが各1個で済むため、減速用遊星歯車列及びその連結部材と油圧クラッチC1、C2の出力部材が、クラッチカバーの筒状内周部に配された油圧クラッチC1、C2の摩擦部材の径方向内側に配することができ、複雑になりがちな3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した多段自動変速機自体をコンパクト化することが可能となる。
請求項3に記載の構成では、クラッチカバーと2個の油圧ピストン及びキャンセラープレートを平板から一体となるプレス成形品とし、3個の油圧室が4個のプレス成形品からなる構造としたので、安価で大量生産が可能となる。
請求項4に記載の構成では、スタッドピンでクラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンを貫通して、油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートを作動油圧室の径方向外側に一定距離で一体的に連結したため、クラッチカバーに対し2個の油圧ピストンとキャンセラープレートが回り止めされるとともに、油圧クラッチC2の油圧ピストン近くまでスタッドピンに挿入したバネホルダーを介して油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートをコイル状のリターンスプリングで付勢したので、特にリターンスプリングの軸方向スペースを設ける必要もなく軸方向がさらにコンパクトとなる。
請求項5に記載の構成では、請求項4に記載のスタッドピンの代わりにキャンセラープレートに油圧クラッチC2の油圧ピストンに延材する鍔を一体的に形成し、クラッチカバーと油圧クラッチC1の油圧ピストンの貫通平孔を通り、油圧クラッチC2プの油圧ピストンとキャンセラープレートを一定距離で連結し、遠心油圧キャンセラー室内に油圧クラッチC2の油圧ピストンとキャンセラープレートを付勢する皿板状のリターンスプリングを配したので、請求項4と同様に軸方向がコンパクトとなる。
請求項6に記載の構成では、油圧クラッチC1、C2の摩擦部材を1個の固定部材と1個のリティニングリングで固定したので、軸方向がコンパクトとなるばかりでなく固定部材が摩擦部材の方向に移動しないため非締結状態の摩擦部材の連れ回りによるロストルクを低減することができる。
図1に本発明の2連油圧クラッチ装置の実施形態を示し、図2にその詳細を示す。図3と図4は本発明の別の実施形態である。これらは、3個の遊星歯車列と2個のクラッチ及び3個のブレーキを有した前進6速後進1速の多段自動変速機を対象としたものである。また、3個の遊星歯車列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した前進6速後進1速の多段自動変速機を対象とした減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置の実施形態を図5に示す。
まず、図1より説明すると、本発明の2連油圧クラッチ装置は入力部材1の動力を油圧クラッチC1、C2を介して出力部材15及び16に適宣伝達するものであり、入力部材1と一体をなすクラッチカバー2と、油圧クラッチC1の油圧ピストン3と摩擦部材13a、13b及び出力部材15と、油圧クラッチC2の油圧ピストン4と摩擦部材14a、14b及び出力部材16と、油圧クラッチC1、C2の共通となる固定部材10、キャンセラープレート5、リターンスプリング7aとから構成される。
クラッチカバー2は側壁を有し一方が開口される筒状をなしており、側壁の内周部で入力部材1と一体的に溶着されている。クラッチカバー2の筒状内周部にはスプラインが形成されており、スプラインの軸方向中央部にリティニングリング12を嵌めこむ溝が施され、外周部にスプライン加工が施されるとともに軸方向中央部にリティニングリング12を嵌めこむ溝を有した固定部材10がリティニングリング12により固定されている。尚、固定部材10に施されたリティニングリング12の溝は、スプライン内径から溝内径の差をリティニングリング12の内外径差より大きくしてクラッチカバー2のスプライン部に組み込み可能となっている。そのため固定部材10はクラッチカバー2に対し、回転方向と左右の軸方向が固定される。また、クラッチカバー2の筒状内周部に施されたスプラインにより、固定部材10を挟んで側壁側に油圧クラッチC1の複数の摩擦部材13bと、開口側に油圧クラッチC2の複数の摩擦部材14bが、スプライン結合されている。複数の摩擦部材13b及び14bと固定部材10の間には、それぞれ摩擦部材13a及び14aが交互に配置され、外周にスプラインを形成した出力部材15及び16と、スプライン結合されている。
側壁の半径方向中央部を円筒状に前記開口部の方向に突き出し、階段状の段部を設けた入力部材1と一体となるクラッチカバー2には、クラッチカバー2の側壁に沿って段部の外周に入り込む油圧ピストン3と内周に入り込む油圧ピストン4とが、段部の内周側に設けられたそれぞれの突起部でクラッチカバー2へ当接され配される。油圧ピストン3にはクラッチカバー2との段部の間及び入力部材1との間をシールするボンディドシール21と22が溶着されており、作動油圧室20を形成する。また、油圧ピストン3の外周はクラッチカバー2の開口側に曲げられ摩擦部材13bとの間にクラッチの切れ代を有する。油圧ピストン4はクラッチカバー2との段部の間をシールするボンディドシール31が溶着されるとともにに内周部が入力部材1に沿って曲げられ、入力部材1に設けられたOリング32でシールされ作動油圧室30を形成する。また、油圧ピストン4の外周はクラッチカバー2の筒状外周に沿って先端がクラッチカバー2の開口部を越えて筒状に延材され、先端部には摩擦部材14bとの間にクラッチの切れ代を有するフランジ9がリティニングリング11により固定される。
油圧ピストン3に沿ってクラッチカバー2の開口部側に配されたキャンセラープレート5は、油圧ピストン3の段部外周に入り込み油圧ピストン3の段部外周に溶着されたボンディドシール41でシールされるとともに、油圧ピストン3の
内周まで延材され、内周大気開放状態の遠心油圧キャンセラー室40を形成する。
作動油圧室20と30及び遠心油圧キャンセラー室40には変速機ケース100の油路から回転シールリングを介し、入力部材1に設けられた油孔23、33,43を通り図示しない油圧コントロールバルブから油が導かれる。
図1に加え図2に、キャンセラープレート5と油圧ピストン4の連結詳細を表すA部とB部の断面を示す。X−X断面は回転中心に対称となる6箇所設けられたA部の詳細を示したものである。油圧ピストン4とキャンセラープレート5の側壁にはリベット孔が設けられ、クラッチカバー2と油圧ピストン3の側壁にはリベット孔より大径となる貫通丸孔が設けられている。この貫通丸孔には一端が外周方向に他端が内周方向に鍔をもつ円筒状のバネホルダー8が外周方向鍔の円筒部側が油圧ピストン3の側壁に当接するよう配されている。また、このバネホルダー8の内側にはバネホルダー8の内周方向鍔とキャンセラープレート5を付勢するようコイル状のリターンスプリング7aが配されている。さらに、中央部が両端より大径となり、中央部の軸方向長さが一定となる段付部を有したスタッドピン6aがリターンスプリング7aの内側に配され、段付部を油圧ピストン4とキャンセラープレート5の側壁に当接し、両端のリベット部を絞めてキャンセラープレート5と油圧ピストン4を一定距離で一体的に連結している。Y−Y断面は回転中心に対称となる3箇所設けられたB部の詳細を示したものである。A部と同様に油圧ピストン4とキャンセラープレート5の側壁にはリベット孔が設けられ、クラッチカバー2と油圧ピストン3の側壁にはリベット孔より大径となる貫通丸孔が設けられている。この貫通丸孔には中央部が両端より大径となり、中央部の軸方向長さがスタッドピン6aと同等となる段付部を有したスタッドピン6bが貫通丸孔に対し中央部が回り止めとなるよう配され、段付部を油圧ピストン4とキャンセラープレート5の側壁に当接し、両端のリベット部を絞めてキャンセラープレート5と油圧ピストン4を一定距離で一体的に連結している。一体化されたキャンセラープレート5と油圧ピストン4、及び油圧ピストン3は、クラッチカバー2に対し軸方向移動自在で回り止めされ配される。
したがって、油圧クラッチC1の油圧ピストン3は作動油圧室20の油圧で移動して摩擦部材13a、13bを圧接し、入力部材1の動力をクラッチカバー2から出力部材15に伝達する。また、油圧クラッチC2の油圧ピストン4は作動油圧室30の油圧で移動して摩擦部材14a、14bを圧接し、入力部材1の動力をクラッチカバー2から出力部材16に伝達する。作動油圧室20及び30は互いに影響することなく配されるため、油圧ピストン3及び4はそれぞれ独自の油圧制御で作動可能となる。ここで、遠心油圧キャンセラー室40内の油は直接油圧ピストン3に作用して作動油圧室20内の遠心油圧をキャンセルするばかりではなく、スタッドピン6a、6bを介してキャンセラープレート5と一体となる油圧ピストン4の作動油圧室30内の遠心油圧をもキャンセルする。また、リターンスプリング7aはキャンセラープレート5と油圧ピストン3とを付勢すると同時にキャンセラープレート5と一体となる油圧ピストン4をも付勢する。つまりは油圧ピストン3と油圧ピストン4をクラッチカバー2に戻すよう作用する。尚、バネホルダー8はリターンスプリング7aのセット長を特別のスペースを必要とせず確保する役目をし、コイル状のリターンスプリング7aをスタッドピン6aの回りに配することで、遠心力が大きく作用する外周でも遠心力の影響を避けることが可能となる。
本発明の別の実施形態である図3はキャンセラープレート5と油圧ピストン4の連結を、スタッドピンを用いずに行ったものである。図3において、作動油圧室20、30及び遠心油圧キャンセラー室40の円周方向外側の回転中心に対称となる複数の同位置で、油圧ピストン4の側壁に円周方向に長方形をした絞め孔と、クラッチカバー2と油圧ピストン3に絞め孔より円周方向に幅広となる貫通平孔を設け、貫通平孔を通り油圧ピストン4に延材する鍔をキャンセラープレート5に一体的に形成し、鍔の円周幅を軸方向一定長さで段部を設け縮小するとともに段部が油圧ピストン4に当接するよう絞め孔に挿入して5a部を絞め一定距離で一体的に連結したものである。また、遠心油圧キャンセラー室40内に油圧ピストン3とキャンセラープレート5を付勢する皿板状のリターンスプリング7bを配する。したがって、一体化されたキャンセラープレート5と油圧ピストン4、及び油圧ピストン3は、クラッチカバー2に対し軸方向移動自在で回り止めされ配される。尚、油圧ピストン3及び4の作動は図1の実施形態と同じである。
本発明の更なる別の実施形態である図4はキャンセラープレート5と油圧ピストン4の連結を、分解可能にしたものである。図4において連結位置は図3と同じ位置であり、キャンセラープレート5は予め5a部が曲げられ図3と同じような形状をしている。油圧ピストン4の側壁に円周方向に長方形をした固定孔と、クラッチカバー2と油圧ピストン3の側壁に固定孔より円周方向に幅広となる貫通平孔を設け、貫通平孔を通り油圧ピストン4に延材する鍔をキャンセラープレート5に一体的に形成し、鍔の円周幅を軸方向一定長さで段部を設け縮小するとともに先端の5a部を周方向内側に折り曲げ、段部が油圧ピストン4に当接するよう固定孔に挿入するとともにリティニングリング17により一定距離で一体的に連結する。図4のZ−Z断面に示すようにリティニングリング17を油圧ピストン4の比較的低荷重で絞めることができる窓鍔で絞めている。又、遠心油圧キャンセラー室40内に油圧ピストン3とキャンセラープレート5付勢する皿板上のリターンスプリング7bを配する。したがって、一体化されたキャンセラープレート5と油圧ピストン4、及び油圧ピストン3は、クラッチカバー2に対し軸方向移動自在で回り止めされ配される。尚、油圧ピストン3及び4の作動は図1の実施形態と同じである。
図5は減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置の構造であり、図1が適用される3個の遊星歯車列と2個のクラッチ及び3個のブレーキを有した前進6速後進1速の多段自動変速装置と異なり、3個の遊星歯車列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した前進6速後進1速の多段自動変速装置を対象としたものである。
図5において、2連油圧クラッチ装置を構成するクラッチカバー2と、油圧クラッチC1の油圧ピストン3及び出力部材15と、油圧クラッチC2の油圧ピストン4及び出力部材16と、キャンセラープレート5と、キャンセラープレート57aの構造は図1と全く同じであり、クラッチカバー2の筒状内周部に配された油圧クラッチC1、C2の摩擦部材の径方向内側に、サンギアS0と、遊星ピニオンギアを支持する遊星キャリアP0と、リングギアR0とからなる減速用遊星歯車が配される。クラッチカバー2と一体となる入力部材1は2個のラジアルニードルベアリングで変速機ケースに軸支され、さらに軸方向に延材された変速機ケースにはサンギアS0が内周部でスプライン連結される。遊星キャリアP0は遊星ピニオンギアを挟むサイド部材が溶接等で一体成形され、キャンセラープレート5に隣接するサイド部材が内周部で入力部材1にスプライン連結される。リングギアR0のクラッチカバー2の開口部側に溶着されたハブの径方向内側に延材した連結部から動力が入力される。油圧クラッチC1の出力部材15は外周部のスプラインで油圧クラッチC1の摩擦部材を係止するとともに、リングギアR0の外周部と径方向内側に延材した溶着されたハブに沿って内周方向に延材され、内周部に連結部を有して配され、油圧クラッチC2の出力部材16は外周部のスプラインで油圧クラッチC2の摩擦部材を係止し、外周部に溶着されたハブが油圧クラッチC2の油圧ピストン4の径方向外側まで延材しブレーキB2の摩擦部材を係止するとともに、出力部材15に沿って内周方向に延材され、内周部に連結部を有して配される。
動力は図5の矢印に示すごとく内蔵された減速用遊星歯車のリングギアR0に入力され、サンギアS0が変速機ケースに固定されるため遊星キャリアP0は減速されスプラインで連結された入力部材1に伝わる。2連油圧クラッチ装置を構成する部材がクラッチカバー2と、油圧ピストン3、4及びキャンセラープレート5の4部材であることと、特別にリターンスプリングのスペースがいらないため、減速用遊星歯車を内蔵した2連油圧クラッチ装置はコンパクトとなる。
ここで、本発明の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置が適用できる前輪駆動用前進6速後進1速の自動変速機について説明を行う。図6(a)、(b)、(c)は図1、3、4に示した本発明の2連油圧クラッチ装置を適用した3個の遊星ギア列と2個のクラッチ及び3個のブレーキを有した前輪駆動用前進6速後進1速の自動変速機のスケルトン図と各変速段の締結要素及びその共線図であり、図8に具体的な実施構造を示す。また、図7(a)、(b)、(c)は図5に示した本発明の減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置を適用した3個の遊星ギア列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した前輪駆動用前進6速後進1速の自動変速機のスケルトン図と各変速段の締結要素及びその共線図であり、図9に具体的な実施構造を示す。
図6(a)において、減速用遊星歯車は互いに噛み合うダブル遊星ピニオンギアを支持する遊星キャリアP0と、ダブル遊星ピニオンギアの一方と噛み合うサンギアS0と、ダブル遊星ピニオンギアの他方と噛み合うリングギアR0とからなり、遊星キャリアP0とリングギアR0にはブレーキB3とB2が配されている。主変速装置を構成する4個の構成要素を有した遊星歯車列は、サンギアと、シングル遊星ピニオンギアを支持する遊星キャリアと、リングギアとからなる第1及び第2遊星歯車列からなり、第1遊星歯車列のサンギアS1と第2遊星歯車列のリングギアR2を連結するとともに減速用遊星歯車のリングギアR0と連結し、第1遊星歯車列の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列の遊星キャリアP2を連結してブレーキB1とワンウェイクラッチOWCを配するとともに本発明の油圧クラッチC2の出力部とし、第1遊星歯車列のリングギアR1を変速機の出力とし、第2遊星歯車列のサンギアS2を本発明の油圧クラッチC1の出力部としたものである。
動力は図6(a)の右端の左方向を指す矢印から入力され、一方が右端に配置された減速用遊星歯車のサンギアS0に入力されると同時に、もう一方が左端に配置された図1における2連油圧クラッチ装置の入力部材1に入力される。変速機の出力は減速用遊星歯車と主変速装置を構成する第1、第2遊星歯車列の間となり、前輪駆動用の配列を示したものである。
図6(b)は、図6(a)のスケルトン図に示した前進6速後進1速の各変速段の締結要素を表し、各変速段は2個の締結要素により決定される。本発明の2連油圧クラッチ装置において、前進1速、2速、3速では油圧クラッチC1のみが締結され、前進4速では油圧クラッチC1とC2が同時に締結され、前進5速、6速では油圧クラッチC2のみが締結される。したがって、油圧クラッチC1とC2は何れか1個の締結でも2個同時の締結でも可能で、締結及び開放が別々に精度よく制御できなければならない。各構成要素の速度を表す図6(c)の共線図において、前進1速、2速、3速、4速では油圧クラッチC1が締結され、動力は直接サンギアS2に入力される。前進1速におけるもう一方の締結要素はブレーキB1又はワンウェイクラッチOWCであり、遊星キャリアP1、P2が固定され、動力が第1、第2遊星歯車列で減速される。前進2速ではブレーキB2が締結され、サンギアS1とリングギアR2が固定される。前進3速ではブレーキB3が締結され、動力が減速用遊星ギアを介してサンギアS1とリングギアR2に減速され入力される。前進4速では油圧クラッチC2が締結され、第1、第2遊星歯車列が一体となり回転する。さらに、前進5速と6速では油圧クラッチC2が締結され、動力は直接遊星キャリアP1、P2に入力される。前進5速におけるもう一方の締結要素はブレーキB3であり、動力が減速用遊星ギアを介してサンギアS1とリングギアR2に減速されて入力され、前進6速ではブレーキB2が締結され、サンギアS1とリングギアR2が固定される。したがって、共線図における出力となるリングギアR1の速度は前進1速より前進2速及び前進3速と次第に高くなり、前進4速では入力回転と等しくなる。さらに、前進5速、前進6速と出力回転は高くなり、前進5速と前進6速では入力回転より高いオーバドライブとなる。後進ではブレーキB1とB3が締結され、動力が減速用遊星ギアを介してサンギアS1に減速されて入力されるとともに遊星キャリアP1が固定されるため、出力となるリングギアR1の速度は逆回転に減速される。
図6(a)の具体的構造を示す図8において、本発明の2連油圧クラッチ装置は変速機の後部端に配される。ここでは、図1における油圧クラッチC2の摩擦部材14aがリングギアR2の径方向外側で遊星キャリアP2の遊星キャリアP1への連結延材部に係止され、第2遊星歯車列が本発明の2連油圧クラッチ装置内部に入り込むため、変速装置が軸方向にコンパクトとなる。尚、図1における入力部材1が図示しないトルクコンバータからの入力軸と一体化され、つまりは2連油圧クラッチ装置そのものが入力軸と一体化され、変速装置全体がシンプルな構造となる。
図7(a)において、減速用遊星歯車は遊星ピニオンギアを支持する遊星キャリアP0と、遊星ピニオンギアと噛み合うサンギアS0とリングギアR0とからなり、リングギアR0が入力軸と、サンギアS0が変速装機ケースと、遊星キャリアP0が図5における2連油圧クラッチ装置の入力部材1とに連結される。主変速装置を構成する4個の構成要素を有したラビニョー遊星ギア列は、互いに噛み合う軸方向に長いロングピニオンギアと軸方向に短いショートピニオンギアを支持する遊星キャリアPと、ショートピニオンギアに噛み合うサンギアS2と、ロングピニオンギアに噛み合うサンギアS1と、ロングピニオンギアに噛み合うリングギアRとからなる。遊星キャリアPにはブレーキB1とワンウェイクラッチOWCが配され、動力の入力側に単独で配された油圧クラッチC3の出力ともなる。また、ラビニョー遊星ギア列のサンギアS2は2連油圧クラッチ装置のC1の出力となり、サンギアS1は油圧クラッチC2の出力となり、リングギアRが変速装置の出力となる。
動力は図7(a)の右端の左方向を指す矢印から入力され、一方が右端に配置された油圧クラッチC3に入力されると同時に、もう一方が左端に配置された減速用遊星ギアのリングギアR0に入力される。リングギアR0に入力された動力はサンギアS0の固定により遊星キャリアP0が減速され油圧クラッチC1とC2を有する2連油圧クラッチ装置に入力される。したがって減速された動力が油圧クラッチC1、C2によりサンギアS2とサンギアS1に出力される。
図7(b)は、図7(a)のスケルトン図に示した前進6速後進1速の各変速段の締結要素を表し、各変速段は2個の締結要素により決定される。本発明の減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置において、前進1速、2速及び4速では油圧クラッチC1のみが締結され、前進3速では油圧クラッチC1とC2が同時に締結され、前進5速では油圧クラッチC2のみが締結される。したがって、油圧クラッチC1とC2は何れか1個の締結でも2個同時の締結でも可能で、締結及び開放が別々に精度よく制御できなければならない。各構成要素の速度を表す図7(c)の共線図において、前進1速、2速、3速、4速では油圧クラッチC1が締結され、動力は減速されサンギアS2に入力される。前進1速におけるもう一方の締結要素はブレーキB1又はワンウェイクラッチOWCであり、遊星キャリアPが固定される。前進2速ではブレーキB2が締結され、サンギアS1が固定される。前進3速では油圧クラッチC2が締結され、動力が減速用遊星ギアを介してサンギアS1に減速されて入力される。前進4速では油圧クラッチC3が締結され、動力が遊星キャリアPに直接入力される。さらに、前進5速と6速では油圧クラッチC3が締結され、動力は直接遊星キャリアPに入力される。前進5速におけるもう一方の締結要素は油圧クラッチC2であり、動力が減速用遊星ギアを介してサンギアS1に減速されて入力され、前進6速ではブレーキB2が締結され、サンギアS1が固定される。したがって、共線図における出力となるリングギアRの速度は前進1速より前進2速と次第に高くなり、前進3速では減速用遊星歯車の出力となる2連油圧クラッチ装置C1、C2の回転と等しくなる。さらに、前進4速と出力回転は高くなり、前進5速と前進6速では入力回転より高いオーバドライブとなる。後進では油圧クラッチC2とブレーキB1が締結され、動力が減速用遊星ギアを介してサンギアS1に減速されて入力されるとともに、出力となるリングギアRの速度は逆回転に減速される。
図7(a)の具体的構造を示す図9において、本発明の図5に示した減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置は変速装置の後部端に配される。ここでは、図5では示すことができなかった減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置の連結部が明示されており、変速装置の後端の変速機ケースにより、入力部材1が軸支されるとともにサンギアS0が変速機ケースに連結される。また、変速機ケースは図示しないトルクコンバータからの入力軸を軸支しており、入力軸はリングギアR0に溶着されたハブに連結される。油圧クラッチC1、C2の出力部材15、16は、それぞれ変速機の出力ギアを軸支する変速機ケースの支持部の内周径方向内側を通り延材され、入力軸の外周部に配された主変速装置となるラビニョー遊星ギア列のサンギアS2とS1に連結され、油圧クラッチC2の出力部材16は、外周部に溶着されたハブが油圧クラッチC2の油圧ピストン4の径方向外側まで延材しブレーキB2の摩擦部材を係止し、油圧ピストン4の径方向外側にはブレーキB2の作動油圧室と油圧ピストンが配される。減速用遊星歯車列及びその連結部材と油圧クラッチC1、C2の出力部材が、クラッチカバーの筒状内周部に配された油圧クラッチC1、C2の摩擦部材の径方向内側に配することができ、しかもブレーキB2を油圧クラッチC1、C2の径方向外側に配したため、複雑で軸方向に長くなりがちな3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した多段自動変速機自体をコンパクト化することが可能となる。
本発明の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置の構造図 図1のキャンセラープレート5と油圧ピストン4の連結詳細図 図1及び図2の連結方法とは異なるキャンセラープレート5と油圧ピストン4の連結詳細図 図1、図2及び図3の連結方法とは異なるキャンセラープレート5と油圧ピストン4の連結詳細図 本発明の減速用遊星歯車を備えた2連油圧クラッチ装置の構造図 本発明の適用例を示す3個の遊星ギア列と2個のクラッチ及び3個のブレーキを有した前輪駆動用前進6速後進1速の自動変速装置で、(a)はスケルトン図、(b)は各変速段の締結要素、(c)は共線図 本発明の別の適用例を示す3個の遊星ギア列と3個のクラッチ及び2個のブレーキを有した前輪駆動用前進6速後進1速の自動変速装置で、(a)はスケルトン図、(b)は各変速段の締結要素、(c)は共線図 図6aのスケルトン図の具体的な構造図 図7aのスケルトン図の具体的な構造図
符号の説明
1 入力部材
2 クラッチカバー
3、4 油圧ピストン
5 キャンセラープレート
15,16 出力部材
20,30 作動油圧室
40 遠心油圧キャンセラー室
C1、C2、C3 クラッチ
B1、B2、B3 ブレーキ
S0、S1、S2 サンギア
P0、P1、P2、P 遊星キャリア
R0、R1、R2、R リングギア

Claims (6)

  1. 入力部材1と一体となる側壁を有し、一方が開口される筒状のクラッチカバー2の筒状内周部にスプラインを形成し、前記スプラインの軸方向中央部に固定部材を配し、
    油圧クラッチC1、C2の摩擦部材を前記固定部材の両サイドに配し、
    前記クラッチカバー2の筒状内側に配され、前記側壁部との間に作動油圧室20を形成し、前記油圧クラッチC1の摩擦部材を前記クラッチカバー2の開口部の方へ圧接するプッシュタイプの油圧ピストン3と、
    前記クラッチカバー2の筒状外側に配され、前記クラッチカバー2の側壁部との間に作動油圧室30を形成し、前記油圧クラッチC2の摩擦部材を前記クラッチカバー2の開口部の方からフランジ9を介して圧接するプルタイプの油圧ピストン4とを配した多段自動変速機用2連クラッチ装置であって、
    前記油圧ピストン3との間に遠心油圧キャンセラー室40を形成するとともに、軸方向移動可能なキャンセラープレート5を前記開口部側に配し、前記キャンセラープレート5と前記油圧ピストン4とを、前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3を貫通して一定距離で連結し、前記油圧ピストン3と前記キャンセラープレート5とを付勢するリターンスプリングを配した、多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置。
  2. 前記クラッチカバー2の筒状内周部に配された前記油圧クラッチC1、C2の摩擦部材の径方向内側に、サンギアと、遊星ピニオンギアを支持する遊星キャリアと、リングギアとからなる減速用遊星歯車を配し、前記遊星キャリアを変速機ケースに軸支される前記入力部材1に連結するとともに、前記サンギアを前記変速機ケースに連結し、前記クラッチカバー2の開口部側から前記キャンセラープレート5の方向に順に、前記油圧クラッチC2の出力部材16と、前記油圧クラッチC1の出力部材15と、前記リングギアに溶着したハブを、径方向内側に延材して連結部を設けるとともに、前記油圧クラッチC2の出力部材16に、前記出力部材16を制動するブレーキB2の摩擦部材を係止するハブを連結した、請求項1に記載の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置。
  3. 前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3、4及び前記キャンセラープレート5を平板から一体となるプレス成形品とし、前記クラッチカバー2の側壁の半径方向中央部を円筒状に前記開口部の方向に突き出し階段状の段部を設け、内径を前記入力部材1の外周部に溶着し、
    前記クラッチカバー2に沿って前記段部の外周に入り込み軸方向移動自在とし、前記段部及び前記入力部材1の間にシール材を配して前記作動油圧室20を形成する前記油圧ピストン3と、
    前記クラッチカバー2に沿って前記段部の内周に入り込み軸方向移動自在とし、前記段部及び前記入力部材1の間にシール材を配して前記作動油圧室30を形成する前記油圧ピストン4と、
    前記油圧ピストン3に沿って前記油圧ピストン3の段部外周に入り込み軸方向移動自在とし、前記油圧ピストン3の段部の間にシール材を配するとともに前記油圧ピストン3の内周まで側壁を延材し、内周大気開放の前記遠心油圧キャンセラー室40を形成する前記キャンセラープレート5とを有した、請求項1に記載の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置。
  4. 前記作動油圧室20、30及び前記遠心油圧キャンセラー室40の径方向外側の回転中心に対称となる複数の同位置で、前記油圧ピストン4と前記キャンセラープレート5の側壁にリベット孔を設け、中央部が両端より大径となり、中央部の軸方向長さが一定となるスタッドピンで前記油圧ピストン4と前記キャンセラープレート5を一定距離で一体的に連結するよう絞め、
    前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3の前記スタッドピンと同位置となる円周上に当分された数箇所に、前記スタッドピンのガイドとなる貫通孔を設け、
    前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3の前記スタッドピンと同位置となる残りの箇所に、一端が外周方向に他端が内周方向に鍔をもつ円筒状のバネホルダー8の円筒外周部がガイドとなる貫通孔を設け、前記バネホルダー8の外周鍔を前記油圧ピストン3に当接するよう前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3に挿入し、前記バネホルダー8の内周鍔と前記キャンセラープレート5の間に前記スタッドピンをガイドとするコイル状のリターンスプリングを配した、請求項1に記載の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置。
  5. 前記作動油圧室20、30及び前記遠心油圧キャンセラー室40の径方向外側
    の回転中心に対称となる複数の同位置で、前記油圧ピストン4の側壁に円周方向に長方形をした窓孔と、前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3の側壁に前記窓孔より円周方向に幅広となる貫通平孔を設け、前記貫通平孔を通り前記油圧ピストン4に延材する鍔を前記キャンセラープレート5に一体的に形成し、前記油圧ピストン4と前記キャンセラープレート5を一定距離で、鍔部にリティニングリング及び絞めを設けて連結し、
    前記遠心油圧キャンセラー室40内に、前記油圧ピストン3と前記キャンセラープレート5を付勢する皿板状のリターンスプリングを配し、
    前記キャンセラープレート5の鍔と前記クラッチカバー2と前記油圧ピストン3の貫通平孔をガイドとして前記油圧ピストン4と前記キャンセラープレート5を軸方向移動自在に配した、請求項1に記載の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置。
  6. 前記クラッチカバー2のスプラインの軸方向中央部内側に施された1箇所のリティニングリング溝とリティニングリング12により固定される前記固定部材は、外周部が前記クラッチカバー2のスプラインに嵌合し、中央部径方向外側にリティニングリング溝を有し、前記クラッチカバー2のスプライン内径と前記固定部材のリティニングリング溝内径の差より、リティニングリング12の外内径差を小さくした、請求項1に記載の多段自動変速機用2連油圧クラッチ装置
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