JP2007051505A - 背後気流層を有する大気汚染物質除去型防音壁 - Google Patents

背後気流層を有する大気汚染物質除去型防音壁 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の防音壁に比べて騒音防止効果を格段に向上させることが可能であり、加えて大気汚染防止効果も発揮できる大気汚染物質除去型防音壁を提供すること。
【解決手段】 外壁と内壁と、これらの間に形成された内部空間と、内部空間を外部と連通させる開口部を有し、外壁と内壁の内部には吸音材が配設され、内部空間は、壁内部を下端部から上端部に向けて気流が通過する通路を形成し、該通路は外壁と内壁の内部に配設された吸音材と連通し、前記開口部は、壁下端部に設けられて車両通行時に路面上に発生する気流を内部空間へと取り入れる下端開口部と、壁上端部に設けられて内部空間を通って上昇した気流を外部へ排出する上端開口部からなり、下端開口部は、車両通行路の路面上に沿って該通行路側に向けて開口し、気流通路を形成する内部空間は、上端開口部にて騒音波回折を遮る気流カーテンを生成するために、開口部の幅が絞られている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速道路等の車両通行路において発生する騒音が外部に漏れるのを防ぐための防音壁に関し、より詳しくは、走行車両の風圧流を送り込んで気流を発生させるための空間層を防音壁内部に設けることによって、従来の防音壁に比べて格段に優れた防音効果を発揮するとともに、自動車の排ガスや路面とタイヤの摩耗微粉などの大気汚染物質を除去することも可能となる背後気流層を有する大気汚染物質除去型防音壁に関する。
高速道路では車両の走行に伴って大きな騒音が発生するため、市街地等の近くにおいては、騒音を低減するために道路の側方に騒音を遮るための防音壁が設けられていることが多い。
従来の防音壁としては、道路の長さ方向に所定間隔で立設された支柱間にグラスウールと有孔鋼板を組み合わせた構造の吸音パネルを配設したものが公知である。
しかしながら、このような吸音材を中に入れただけの吸音パネルを用いた従来の防音壁は、高周波数域の音に対しては吸音率が高いものの、低周波数域の吸音率が非常に低く、その結果、低周波数域の成分が非常に大きい自動車等の車両騒音に対しては、充分な低減効果が得られないという問題がある。
このような従来の防音壁が抱える問題点に鑑みて、壁の内部に空間を設けた構造の防音壁が下記特許文献1において提案されている。
特許文献1に開示された防音壁は、表面板と背面板から構成された防音壁において、表面板に開口を設けるとともに、壁の内部を中間壁で区画して空間部を形成し、この空間部を迷路状に形成した構造を有するものであって、壁の内部に取り入れた騒音を迷路状に形成した空間部を通過させることで消音効果を得ようとするものであり、従来の防音壁とは異なる原理の防音効果を狙ったものである。
しかしながら、この特許文献1の開示技術において、騒音が迷路状の空間部に導入されることによって低減されることは確かではあろうが、単に迷路状空間を通過させるだけで充分な騒音低減効果が得られるとは考え難い。
実際、特許文献1においては、迷路状に形成した空間部の上方又は下方のいずれか一方を開口することによって、内部で消音しきれなかった騒音を上方の空間又は下方の地中に向けて放出する構成を提示しており、かかる構成の提示は迷路状の空間部のみによる防音効果が不十分であることを示唆している。
つまり、特許文献1において提案された防音壁では、上述した周波数域の問題以前に、本質的に実用に耐え得るだけの充分な防音効果が得られず、既存防音壁に代替し得ないと考えられる。更には、音の回折対策がなされておらず、防音壁としての欠点をクリアしていない。
高速道路等の車道における別の大きな問題として、自動車の走行に伴って発生する有害物質(NO、SO、CO、CO等のガス状物質や、微粒粉塵、タイヤ摩耗粉、アスファルトピッチ摩耗粉)が周囲に撒き散らされて大気汚染が引き起こされるという問題がある。この問題は、健康被害のみならず環境破壊をも引き起こし、騒音問題にも増して早急な対策が望まれる大きな社会問題である。
しかしながら、従来はその対策を専ら車両側に求めており、道路側に対策を施すことは余り考慮されていなかった。
実際、特許文献1の開示技術を含む従来の防音壁において、大気汚染に対して効果的な対策が充分になされているもの、即ち防音効果と大気汚染防止効果を高いレベルで両立し得るような大気汚染物質除去型の防音壁は存在していないのが実情であった。
特許第2975925号公報
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、自動車等の車両騒音に多く含まれる低周波数域音に対する吸音率が高く、防音壁上端を越えてくる回折騒音を自励気流層カーテンにより遮ることができるために、従来の防音壁に比べて騒音防止効果を格段に向上させることが可能であって、加えて大気汚染防止効果も発揮することができる大気汚染物質除去型防音壁を提供せんとするものである。
請求項1に係る発明は、車両通行路の側部に沿って立設される防音壁であって、外壁と、内壁と、これら外壁と内壁の間に形成された内部空間と、該内部空間を外部と連通させる開口部を具備してなり、前記外壁及び内壁の両方の内部には吸音材が配設され、前記内部空間は、防音壁内部を下端部から上端部に向けて気流が通過する通路を形成するとともに、該通路は前記外壁及び内壁の内部に配設された吸音材と連通してなり、前記開口部は、防音壁下端部に設けられて車両通行時に路面上に発生する気流を前記内部空間へと取り入れる下端開口部と、防音壁上端部に設けられて前記内部空間を通って上昇した気流を外部へと排出する上端開口部とからなり、前記下端開口部は、前記車両通行路の路面上に沿って該通行路側に向けて開口し、前記気流通路を形成する内部空間は、前記上端開口部において騒音波の回折を遮る気流カーテンを生成させるために、開口部の幅が絞られていることを特徴とする防音壁に関する。
請求項2に係る発明は、防音壁の上端部が前記車両通行路側に向けて湾曲しており、前記上端開口部が該車両通行路側に向けて開口していることを特徴とする請求項1記載の防音壁に関する。
請求項3に係る発明は、前記内壁の車両通行路側の面に騒音波入射用の多数の開口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防音壁に関する。
請求項4に係る発明は、前記外壁及び内壁の内部空間側の面に騒音波入射用の多数の開口が形成されていることを特徴とする請求項3記載の防音壁に関する。
請求項5に係る発明は、前記外壁及び内壁の内部空間側の面が、凹凸を有することを特徴とする請求項4記載の防音壁に関する。
請求項6に係る発明は、前記内部空間に、吸音材を内蔵した中間吸音板が配設されてなり、該中間吸音板は、前記内部空間の少なくとも一部を外層側空間と内層側空間とに仕切るとともに、外層側空間に面する外面及び内層側空間に面する内面に騒音波入射用の多数の開口を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の防音壁に関する。
請求項7に係る発明は、前記内部空間が形成する通路の中途部に、断面積が他の部分よりも拡大された膨張型消音の機能を持たせた拡大空間部が設けられてなることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の防音壁に関する。
請求項8に係る発明は、前記吸音材が、大気汚染物質を吸着して浄化する吸着材として機能する物質であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の防音壁に関する。
請求項9に係る発明は、前記吸音材が、平均粒子径0.5〜4.5mmの無機材料又は難燃性有機材料の粒子体からなることを特徴とする請求項8記載の防音壁に関する。
請求項10に係る発明は、前記粒子体の表面に、光触媒剤がコーティング又は担持されていることを特徴とする請求項9記載の防音壁に関する。
請求項11に係る発明は、前記内壁及び外壁の一部又は全部が光触媒作用を有する物質から構成されていることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の防音壁に関する。
請求項12に係る発明は、前記外壁の一部分に、光触媒反応を促進させるために、太陽光の壁内への入射を可能とする透明部が設けられていることを特徴とする請求項10又は11記載の防音壁に関する。
請求項13に係る発明は、前記透明部が、前記防音壁上端部に形成された湾曲部における外壁に形成されていることを特徴とする請求項11記載の防音壁に関する。
請求項14に係る発明は、前記車両通行路が、高速道路であることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の防音壁に関する。
請求項15に係る発明は、前記車両通行路が、軌道車両の通行路であることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の防音壁に関する。
請求項1に係る発明によれば、車両の走行によるポンプ効果で生じる風圧によって路面上に発生する気流(風圧流)が、下端開口部から内部空間へと侵入した後、内部空間を通って上昇し、開口部の幅が絞られた上端開口部から外部へと放出されることによって、防音壁の上方に気流層のカーテンが形成される。これによって、車両通行路から上方に向かう騒音波の回折が気流層カーテン(背後気流層)によって遮られることとなり、併せて、防音壁の内部空間に侵入した気流中に含まれる騒音が、外壁及び内壁の内部に配設された吸音材により吸音される。更に、防音壁が背後気流層を有する二重構造になっているため、直接の入射騒音レベルの減衰効果が大きく、これらの作用の相乗効果によって非常に優れた防音効果が発揮される。とりわけ、自動車等の車両騒音に多く含まれる低周波数域音に対する吸音率が高いことから、従来の防音壁に比して格段に優れた防音効果が発揮される。
請求項2に係る発明によれば、気流層カーテンが車両通行路側に導かれることにより、通行路から上昇してくる騒音波の回折がより効果的に遮られ、より優れた防音効果が発揮される。
請求項3に係る発明によれば、車両通行路において発生する騒音波が、内壁の車両通行路側の面に形成された騒音波入射用の開口を介して内壁の内部に取り入れられて吸音材により吸音されるので、より優れた防音効果が発揮される。
請求項4に係る発明によれば、内部空間に侵入した気流中に含まれる騒音波が、外壁及び内壁の内部空間側の面に形成された騒音波入射用の開口を介して、両側から外壁及び内壁の内部に侵入して吸音材により吸音されるので、より一層優れた防音効果が得られる。
請求項5に係る発明によれば、内部空間に入射した騒音波が、吸音面積を増加させた凹凸面に当たって、入射、反射、透過、吸収を繰り返すことで、その大部分の騒音エネルギーが吸音材中で消耗されるので、吸音効果が大きく、従って防音壁としての防音効果が確実に高められる。
請求項6に係る発明によれば、内部空間に侵入した気流中に含まれる騒音波が、騒音波入射用の開口を通過して中間吸音板内に内蔵された吸音材によっても吸音されるので、防音効果がより一層高められる。
請求項7に係る発明によれば、膨張型消音の機能を持たせた拡大空間部が、下端開口部から内部空間へと取り入れられた気流の勢いを減衰させて滞留させることで、吸音効果を高めることができると同時に粉塵がこの拡大空間部に滞留して吸着や沈降するため、これら環境に悪影響を及ぼす排ガス中に含まれる炭素微粒子、タイヤの摩耗粉やアスファルトピッチの摩耗粉等の微粒子粉塵を大気中に拡散することが大幅に低減できるという効果も奏される。
請求項8に係る発明によれば、防音壁の内部空間内に流入した気流中に含まれる大気汚染物質が、内部空間を通過する間に吸着除去され、清浄な空気となって外部に排出されるので、防音効果に加えて大気汚染防止効果も発揮することができる。
請求項9に係る発明によれば、粒子体の径が適当に設定されていることによって、吸音効果が最も効果的に発揮される。
請求項10に係る発明によれば、気流中に含まれる大気汚染物質が粒子体の表面の光触媒によって分解され、清浄な空気となって外部に排出されるので、防音効果に加えて大気汚染防止効果も発揮することができる。
請求項11に係る発明によれば、防音壁に照射される太陽光に含まれる紫外線によって、TiO(A)、WO3、チタンアパタイト等の光触媒作用を有する物質が光触媒作用を生じ、これにより車両から発生する有害物質を分解除去することができるので、防音効果に加えて優れた大気汚染防止効果を発揮することができる。
請求項12に係る発明によれば、太陽光が透明部を介して壁内へと導かれることによって、光触媒の作用が大いに発揮され、大気汚染防止効果が高められる。
請求項13に係る発明によれば、太陽光を効率よく壁内へと取り入れることが可能となる。
請求項14に係る発明によれば、高速道路において発生する騒音を効果的に抑制することが可能となる。
請求項15に係る発明によれば、電車、ディーゼル機関車、汽車、モノレール等の軌道車両の線路において発生する騒音を効果的に抑制することが可能となる。
以下、本発明に係る防音壁の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る防音壁の第一実施形態を示す一部断面正面図であり、図2は本発明に係る防音壁の第一実施形態を示す一部断面平面図である。
本発明に係る防音壁(1)は、車両(8)の走行に伴って発生する騒音が外部へと漏れるのを防ぐために、車両通行路(2)の左右両側部に沿って立設される防音壁であって、図示例では車両通行路が高速道路である場合が示されている。
防音壁(1)は、外壁(3)と、内壁(4)と、これら外壁(3)と内壁(4)の間に形成された内部空間(5)と、この内部空間(5)を外部と連通させる開口部を備えている。
本発明において、防音壁(1)を構成する外壁(3)、内壁(4)、内部空間(5)の厚さについては、特に限定されるものではないが、防音壁が全体厚さ制限を受ける場合には、その制限内において最も吸音効果の発揮する3層の寸法構造にすればよく、例えば全体の厚さが150mmであるならば、50mmの2層の内外吸音壁と50mmの1層の内部空間気流層を設けることで効果的な吸音構造が得られる。
内部空間(5)は、気流が防音壁(1)の内部を下端部から上端部に向けて通過し得る通路を形成しており、この通路において防音壁内部(即ち内壁の背後)に気流層(背後気流層)が形成される。
前記開口部は、車両通行時の風圧によるポンプ効果により路面上に発生する気流(9)を内部空間(5)へと取り入れる下端開口部(6)と、内部空間(5)において背後気流層に乗って上昇した気流を外部へと逃がす上端開口部(7)とからなる。
下端開口部(6)は、防音壁(1)を構成する内壁(4)の下端部に設けられ、車両通行路(2)の路面上に沿って、該車両通行路(2)側に向けて開口している。
内壁(4)の下端部は、図示の如くアール形状に湾曲しており、これにより内部空間(5)が形成する通路の下端部、即ち下端開口部(6)は、車両通行路(2)側に向けてラッパ状に拡大した断面を有する開口部となっている。
下端開口部(6)がこのような形状を有することにより、路面上に発生する気流(風圧流)(9)の流入抵抗が小さくなって、下端開口部(6)から内部空間(5)へと流入し易くなるという効果がある。
この下端開口部(6)は、路面から一定の高さまでの範囲に亘って形成されている。
下端開口部(6)の路面からの上限高さは、低すぎると車両通行時の風圧により路面上に発生する気流が内部空間(5)へと取り入れられ難くなり、逆に高すぎると内部空間(5)内において上昇気流が充分に得られなくなり、いずれの場合にも防音効果が低下してしまうため、適当な範囲に設定する必要がある。
適当な範囲の一例を挙げると、例えば路面から20〜80cmの範囲である。尚、これらの数値範囲はあくまでも一例を示したに過ぎず、本発明の構成を限定するものではない。又、路肩の構造によりこの範囲に限定するものではない。更に、下限高さは路面と等しく設定される。
下端開口部(6)から内部空間(5)に流入する気流の流量、流速は、路面上に発生する風圧の大きさによって左右され、風圧の大きさは、車両の大きさ、形状、速度、防音壁との位置関係、台数により影響を受ける。従って、本発明に係る防音壁(1)では、これらの要素を考慮して、下端開口部(6)の大きさや形状を設定すればよい。
外壁(3)と内壁(4)の間の内部空間(5)は、防音壁(1)の上端部まで続き、上端開口部(7)において平行ノズル形状を形成しており、騒音回折を遮る気流カーテンを生成するために開口部の幅が絞られている。
図示例において、防音壁(1)の上端部は、内側(車両通行路側)に向けて湾曲して雨避け用の庇部を形成しており、上端開口部(7)は車両通行路側に向けて開口している。
但し、本発明においては、防音壁(1)の上端部を湾曲させずに、上端開口部(7)を垂直上方に向けて開口させてもよい。このようにすると、製造が安価に行えるとともに、上端開口部から雨水が浸入すると、光照射下で光触媒と水との接触によって、その反応が促進され、付着した汚れが分解し洗い流される。更に、後述するように光触媒の劣化を防ぎ、再生効果が生まれるという利点がある。
本発明においては、上記した下端開口部(6)及び上端開口部(7)は、車両通行路(2)に沿って連続的に設けることが好ましいが、騒音が特に激しい場所等を選んで断続的に設ける構成を採用することも可能である。
上記構成からなる本発明に係る防音壁によれば、車両(8)の走行によるポンプ効果で生じる風圧によって路面上に発生する気流(風圧流)(9)は、排ガスによる排熱や夏季の灼熱による路面温度の上昇による熱気流と相俟って、下端開口部(6)から内部空間(5)へと侵入して内部空間(5)内に形成された背後気流層の流れに乗って上昇し、上端開口部(7)から気流層カーテン(10)を形成して外部へ放出される。
上端開口部(7)から外部に放出された気流は、図示の如く、防音壁(1)の上端部から上方へと流れる気流層カーテン(10)を形成することから、車両通行路(2)から上方に向かう騒音波(11)の回折は、この気流層カーテン(10)によって遮られ、結果として外部に騒音が漏れにくくなり、優れた防音効果が発揮される。
ここで、図示の如く、防音壁(1)の上端部が内側(車両通行路側)に向けて湾曲し、上端開口部(7)が車両通行路(2)側に向けて開口していることによって、この気流層カーテン(10)による遮音効果が有効に働くことになる。
これは、上端開口部(7)が車両通行路(2)側に向けて開口していることによって、気流層カーテン(10)が車両通行路(2)側に導かれ、この気流層カーテン(10)が通行路(2)から上昇してくる騒音波(11)を遮り、これを気流層カーテン(10)に乗せて上昇させることで回折騒音を防ぐことが可能となるためである。
本発明においては、外壁(3)の一部分に、光触媒反応を促進させるために、太陽光の壁内への入射を可能とする透明部(17)を設けることが好ましい。尚、この構成は本発明の必須構成ではないが、後述の実施形態においてもこの構成を採用している図を示している。
図1及び図2に示す例では、透明部(17)は、外壁(3)の上端に形成された湾曲部と、該湾曲部よりも下方の垂直部に設けられている。
これらの透明部(17)は、ガラスやポリカーボネート等の合成樹脂等によって形成することができ、通行路長さ方向に亘って連続して形成してもよいし、一定間隔毎に形成してもよい。
また、透明部(17)は、外壁と内壁の両方に形成してもよいし、内壁のみに形成してもよい。光を取り入れる効率の点からは外壁に形成することが好ましいが、メンテナンスの容易さの点では内壁に形成することが好ましいので、透明部を形成する位置は、防音壁の設置場所に応じて、両方のメリットデメリットを勘案して決定するとよい。
外壁(3)の垂直部に設けられる透明部(17)は、図示例では外壁(3)を部分的にくり貫いて、くり貫き部分に透明な板を嵌め込むことによって形成されている。
このような透明部(17)を設けることにより、図中に矢印で示すように、太陽光が透明部(17)を通過して壁内に入射するようになり、これによって吸音材に担持した光触媒剤の反応が活発になり、排ガス中の拡散大気汚染物質を浄化する効果が高められる。
本発明においては、この気流層カーテンによる防音効果に加えて、更に優れた防音効果を発揮させるために、外壁(3)及び内壁(4)の内部に吸音材が配設される。
図3は図1のA−A線断面図であって、外壁(3)と内壁(4)の両方の内部に吸音材(12)を配設した構成を示している。
外壁(3)は、防音壁(1)の外面を形成する外面側部材(31)と、内部空間に面する面を形成する内面側部材(32)とを備え、これら外面側部材(31)と内面側部材(32)の間に形成された空間に吸音材(12)が配設されている。
外面側部材(31)は、開口部を有さない遮音板(例えば、鉄板、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板等の金属板や、ポリカーボネート板等の合成樹脂板等)とされている一方、内面側部材(32)は、パンチングメタルやメッシュ板からなる騒音波入射用の多数の開口部を有した有孔板とされている。
本発明に係る防音壁(1)では、台風や地震等の災害に耐えるために、特に外壁(3)に強度をもたせる必要があることから、外壁(3)の外面側部材(31)を構成する遮音板には高強度を有する遮音構造材が用いられる。
内壁(4)は、防音壁(1)の内面を形成する内面側部材(41)と、内部空間に面する面を形成する外面側部材(42)とを備え、これら内面側部材(41)と外面側部材(42)の間に形成された空間に吸音材(12)が配設されている。
そして、内面側部材(41)及び外面側部材(42)は共に、パンチングメタルやメッシュ板からなる騒音波入射用の多数の開口部を有した有孔板とされている。
外壁(3)及び内壁(4)の内部に配設される吸音材(12)としては、ロックウール、ガラスウール、不燃性合成樹脂不織布等の繊維質系吸音材、ゼオライト、シラスバルーン、パーライト、ガラスビーズ、炭化物、軽石、ひる石等のセラミックス粒体、その他の公知の粒体状吸音材を、単独若しくは2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。尚、粒体状吸音材を用いる場合にはメッシュ袋、又はメッシュ容器に入れて用いる。
このとき、外壁(3)と内壁(4)において、内蔵される吸音材(12)の種類を異ならせる構成を採用することもできる。
粒体状吸音材の吸音効果は粒子径に関係するため、適度な粒子径のものを用いることが好ましく、具体的には、平均粒径が0.5〜4.5mmのものを用いることが好ましい。
これは、平均粒径が0.5mm未満であると透過損失は大きいが、吸音率は小さくなり、4.5mmを超えると透過損失も吸音率も小さくなり、いずれの場合も吸音効果が低下するためである。
つまり、0.5〜4.5mmの範囲外の微粒子体や粗粒子体では、十分な吸音効果が得られないものであり、この粒子径の範囲設定は、本発明における重要な要素である。
本発明においては、上記吸音材を構成する粒状体(粒子体)の表面に、光触媒剤がコーティング又は担持される構成が好ましく採用される。
コーティングの形態は、スプレーコーティングでもよいし、他の担持法でもよい。
コーティング又は担持される光触媒剤としては、TiO(A)、WO3やチタンアパタイト等を用いることができ、このような光触媒剤がコーティング又は担持された粒子体を吸音材として用いることにより、気流中に含まれる大気汚染物質が粒子体の表面の光触媒剤との反応によって分解され、清浄な空気となって外部に排出されるので、防音効果に加えて大気汚染防止効果も発揮することができる。
図3に示した構成を採用すると、下端開口部(6)から内部空間(5)へと取り入れられた気流(風圧流)(9)は、内部空間(5)を通って上昇する過程において、その一部が内面側部材(32)及び外面側部材(42)に形成された騒音波入射用の開口部を通って吸音材(12)へと達する。更に、車両(8)の走行により生じる騒音波(11)は、内面側部材(41)に形成された騒音波入射用の開口部を通って吸音材(12)へと達する。
その結果、内部空間(5)に侵入して上端開口部(7)から外部へと放出される気流に含まれる騒音は吸音材によって消音されるため、非常に優れた防音効果が発揮される。
図4は、図3に示した外壁(3)と内壁(4)の両方の内部に吸音材(12)を配設した構成の変更例であって、図3と同様に図1のA−A線断面図を示している。
図4に示す変更例の構成が図3の構成と異なる点は、外壁(3)及び内壁(4)の内部空間側の面、即ち内面側部材(32)及び外面側部材(42)が、吸音面積を増加させた凹凸面に形成されている点である。
図示例では、内面側部材(32)及び外面側部材(42)の面は、両者の凹部と凸部が対向する三角波形状に形成されており、その結果、内部空間(5)により形成される通路は蛇行通路となっている。
このように、外壁(3)及び内壁(4)の内部空間側の面を凹凸面に形成することによって、内部空間(5)に侵入した騒音波(11S)は、矢印で示す如く、凹凸面に入射、反射、透過、吸収を繰り返すことで急速に減衰し、その大部分の騒音エネルギーが吸音材(12)中で消耗されるので、吸音効果が大きくなり、従って防音壁としての防音効果が図3の構造に比して確実に高められる。
但し、本発明において形成される凹凸面の形態は図示例に限定されず、正弦波状、矩形波状、ランダムな曲線状など他の形態を採用することもできる。また、内面側部材(32)と外面側部材(42)のいずれか一方の面のみに凹凸を設ける構成としてもよい。
図5は本発明に係る防音壁の第二実施形態を示す図である。
第二実施形態に係る防音壁(1)は、上述した第一実施形態の防音壁と基本構成を同じくするものであるから、重複説明を省くために同じ構成には同じ符号を付して説明を省略し、第一実施形態と異なる構成についてのみ以下に説明する。
第二実施形態に係る防音壁(1)では、外壁(3)と内壁(4)との間に形成された内部空間(5)に、吸音材を内蔵した中間吸音板(13)が配設されている。
中間吸音板(13)は、内部空間(5)が形成する通路の長さ方向に沿って且つ幅方向の略中央に配設されており、内部空間(5)を外層側空間(51)と内層側空間(52)とに仕切っている。
尚、中間吸音板(13)は、図示例では内部空間(5)が形成する通路の一部分(直線部分)にのみ配設されているが、内部空間(5)が形成する通路の下端部から上端部まで至る全長に亘って配設することもできる。また、図示例のように長さ方向に連続的に設ける構成に代えて、断続的に設ける構成を採用することもできる。
図6は図5のB−B線断面図である。
第二実施形態の防音壁(1)では、図示の如く、外壁(3)と内壁(4)のみならず、中間吸音板(13)の内部にも吸音材(12)が配設されている。
この第二実施形態において、外壁(3)及び内壁(4)の構成は、第一実施形態と同様であるため説明を省略し、中間吸音板(13)の構成についてのみ以下に説明する。
中間吸音板(13)は、外層側空間(51)に面する面を形成する外面側部材(131)と、内層側空間(52)に面する面を形成する内面側部材(132)とを備え、これら外面側部材(131)と内面側部材(132)の間に形成された空間に吸音材(12)が配設されている。
外面側部材(131)及び内面側部材(132)は共に、パンチングメタルやメッシュ板からなる騒音波入射用の多数の開口部を有した有孔板とされている。
中間吸音板(13)の内部に配設される吸音材(12)は、上述した外壁(3)及び内壁(4)の内部に配設される吸音材と同様のものを用いることができる。
このとき、外壁(3)、内壁(4)、中間吸音板(13)の内部に配設される吸音材について、全て同じ種類とすることもできるし、2つを同じとして1つを異ならせる(例えば中間吸音板のみ異ならせる)こともできるし、全てを異ならせることもできる。
中間吸音板(13)の厚さは、内部空間(5)内の気流の通過を妨げないことと強度のバランスを考慮して適宜設定することができる。
例えば、外層側空間(51)、中間吸音板(13)、内層側空間(52)の各厚みを略等しく設定する(例えば防音壁全体の厚さの制限がある場合には、その制限内において最も吸音効果を発揮する5層の寸法構造にすればよく、例えば全厚さが150mmであるならば、30mmの3層の内外吸音壁と30mmの2層の内部空間気流層を設けることで効果的な吸音構造が得られる。
図6に示す断面構造を有する第二実施形態の防音壁によれば、下端開口部(6)から内部空間(5)へと取り入れられた気流(風圧流)(9)及び車両(8)の走行により生じる騒音波(11)は、外壁(3)と内壁(4)の内部に配設された吸音材だけでなく、中間吸音材(13)の内部に配設された吸音材にも吸音されることとなり、一層優れた防音効果が発揮される。
図7は本発明に係る防音壁の第三実施形態を示す図である。
第三実施形態に係る防音壁(1)も、上述した第一実施形態の防音壁と基本構成を同じくするものであるから、重複説明を省くために同じ構成には同じ符号を付して説明を省略し、第一実施形態と異なる構成についてのみ以下に説明する。
第三実施形態に係る防音壁(1)では、内部空間(5)が形成する気流通路の中途部に、断面積が他の部分(上端部及び下端部)よりも拡大された膨張型消音の機能を持たせた拡大空間部(14)が形成されている。
この拡大空間部(14)は、下端開口部(6)から内部空間(5)へと取り入れられた気流(風圧流)(9)の勢いを減衰させて気流を滞留させることで、より一層吸音効果を高めることができると同時に、排ガス中に含まれる炭素微粒子、タイヤの摩耗粉、アスファルトのピッチ磨耗粉の滞留場所となるため、これらの微粒子が外部の大気中に排出される量を大幅に低減することができる。
又、拡大空間部の底部(16)は、排ガス中に含まれる浮遊粒子状物質、タイヤの摩耗粉やピッチの摩耗粉等の沈降堆積場所となる。したがって上端開口部(7)から噴出される気流層カーテン中には、これらの浮遊粒子状物質や摩耗粉等がクリーニングされて噴出されることになる。
図8は第三実施形態の変更例である。
この変更例が上述した第三実施形態と異なる点は、内部空間(5)において、拡大空間部(14)が形成されていない上端部及び下端部と連続し且つ拡大空間部(14)の幅方向(厚さ方向)の略中央を貫くように、中間通路が設けられている点である。
中間通路は、所定間隔をあけて平行に配置された多数の開口を有する2枚の仕切り板(穴あき板又はメッシュ板)(15)により挟まれた空間である。尚、開口は拡大空間部(14)の全長に亘って形成してもよいし、図示のように中間部分にのみ形成してもよい。
下端開口部(6)から中間通路へと取り入れられた騒音を含んだ気流は、穴開き仕切り板(15)を通過して中間通路周囲の拡大空間部(14)へと入射し、この部分で乱流を起こすために、騒音波は消音されると同時に、微粒子大気汚染物質は拡大空間部の底部(16)に沈降し堆積する。この沈降堆積物は、一定期間後のメンテナンス時に取り除くために、吸引掃除機による清掃口(堆積状況確認口兼用)を設けることをしておくと良い。又、大気汚染ガスについても先に説明したように光触媒を担持した吸音材により浄化されることになる。この拡大空間部(14)を通り上端開口部(7)から流出する気流層カーテン中には汚染物質は除去されクリーン化された気流層カーテン(10)が大気中に放出される。これによる遮音効果も大いに発揮され得る。
本発明においては、上記した全ての実施形態において、外壁(3)及び内壁(4)の内部に、内部空間(5)内に取り入れられた気流中の大気汚染物質を吸着して浄化することが可能な吸着材兼吸音材を配設することが好ましい。
大気汚染物質吸着材兼吸音材としては、例えば、ゼオライト、活性炭、木炭、アルミナ、シラスバルーン、発泡スラッグ粉、火山灰、珪藻土、ひる石等の無機物粒子体や、廃棄コーヒー豆粉等の難燃性有機物粒子体を、単独で若しくはこれらの複数種を適宜組み合わせて使用することができる。
このような大気汚染物質吸着材兼吸音材を用いることで、防音壁(1)の内部空間(5)内に流入した気流中に含まれる大気汚染物質は、内部空間(5)を通過する間に吸着除去され、清浄な空気となって外部に排出されることとなり、防音効果に加えて大気汚染防止効果も発揮することができる。
粒子体吸音材の吸音効果は質量に関係せず、粒子径に関係するため、大気汚染物質吸着材兼吸音材として軽量の粒体を用いると、防音壁が軽くなり、取り付けやメンテナンスが容易となる。尚、大気汚染物質吸着材兼吸音材を構成する粒子体の平均粒径は、上述した吸音効果が最高となる範囲、即ち0.5〜4.5mmの範囲とするとよい。
更に、本発明においては、上記した全ての実施形態において、外壁(3)及び内壁(4)の全部又は一部を、光触媒作用を有するTiO(A)の表面処理を施したチタンの板材や、光触媒作用を有するTiO(A)、WO3やチタンアパタイト等をコーティングしたチタン以外の板材(鉄板、ステンレス板、アルミニウム板等)から構成することが好ましい。
かかる構成を採用すると、防音壁(1)の光触媒作用を有する面に、車両から排出された有害ガスが吸着又は接触すると、そこに紫外線を含む太陽光が照射されることによって、光触媒反応作用が起こり、有害物質を分解除去することができる。
尚、チタンは高価であるため、少なくとも内壁(4)の車両通行路側の面のみを光触媒作用を有するTiO(A)の表面処理を施したチタンの板材や、光触媒剤をコーティングした鉄板、ステンレス板、アルミニウム板等から構成することで、費用対効果を高めることができる。
以上説明した本発明に係る防音壁は、例えば、車両通行路の長さ方向に所定間隔で立設された支柱間に固定する等の公知の方法によって、車両通行路の側方に立設される。
尚、本発明に係る防音壁は、主として高速道路や一般道等の自動車の通行路に対して好適に適用されるものであるが、電車やモノレールなどの軌道車両の通行路に対して適用することも可能である。
図9は、1/3オクターブバンド中心周波数の変化に対する吸音構造の相違が吸音率に及ぼす影響を示した一例である。図において、黒丸は、吸音材として厚さ50mmのロックウールを用いて50mmの背後空気層(本発明の内部空間、即ち背後気流層)を有する3層の吸音構造(吸音材50mm/背後空気層50mm/吸音材50mm)の場合であり、白丸は、比較対照として、背後空気層をもたない従来の防音壁と同様に1層の厚さ50mmの吸音材のみの吸音構造の場合をそれぞれ示している。尚、このデータはJIS A 1405による垂直入射吸音率測定方法により測定したものである。更に、本発明で用いる粒子体吸音材の場合もほぼ同様の結果が得られている。
グラフから明らかなように、周波数が約800Hz以下において2つの吸音構造は大きく異なっている。つまり、背後空気層のある場合、全周波数域において、吸音率は0.9〜1.0の範囲にあり、高い吸音率を示しているのに対し、背後空気層がない一層の場合では、周波数が800Hz以下で急激に減少し、約125Hz近傍で吸音率は0.1まで激減しており、吸音効果が無いことを示している。
一般に、交通騒音は低周波数域において高音圧レベルを示すことから、この実験結果は、一般の交通騒音において、一層の吸音構造では大きな吸音効果は得られないことを明らかにしている。
このことから、従来の一層型吸音構造防音壁では交通騒音に対して充分な吸音効果が得られないが、本発明のように背後気流層(内部空間)を設けることにより、吸音率の高い防音壁になることが分かる。
このように、本発明に係る防音壁は、吸音率が高く且つ排ガス等の大気汚染物質の浄化及び吸着も可能である他に類を見ないハイブリット型防音壁である。
本発明は、高速道路や鉄道路等において車両の通行により発生する交通騒音を低減するための防音壁として利用され、同時に自動車の排ガス中に含まれる大気汚染物質の拡散防止による大気浄化にも貢献できるものである。
本発明に係る防音壁の第一実施形態を示す一部断面正面図である。 本発明に係る防音壁の第一実施形態を示す一部断面平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図3の変更例である。 本発明に係る防音壁の第二実施形態を示す一部断面正面図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明に係る防音壁の第三実施形態を示す一部断面正面図である。 第三実施形態の変更例である。 本発明に係る防音壁の吸音効果を示すグラフである。
符号の説明
1 防音壁
2 車両通行路
3 外壁
31 外面側部材
32 内面側部材
4 内壁
41 内面側部材
42 外面側部材
5 内部空間(背後気流層)
51 外層側空間
52 内層側空間
6 下端開口部
7 上端開口部
8 車両(騒音源)
9 気流(風圧流)
10 気流層カーテン
11 騒音波
11S 入射・反射・吸収・透過音波
12 吸音材
13 中間吸音板
131 外面側部材
132 内面側部材
14 拡大空間部
15 中間通路を形成する穴明き仕切板
16 拡大空間部(排ガス等の浮遊粒子物質の沈降堆積場所)
17 透明部

Claims (15)

  1. 車両通行路の側部に沿って立設される防音壁であって、
    外壁と、内壁と、これら外壁と内壁の間に形成された内部空間と、該内部空間を外部と連通させる開口部を具備してなり、
    前記外壁及び内壁の両方の内部には吸音材が配設され
    前記内部空間は、防音壁内部を下端部から上端部に向けて気流が通過する通路を形成するとともに、該通路は前記外壁及び内壁の内部に配設された吸音材と連通してなり、
    前記開口部は、防音壁下端部に設けられて車両通行時に路面上に発生する気流を前記内部空間へと取り入れる下端開口部と、防音壁上端部に設けられて前記内部空間を通って上昇した気流を外部へと排出する上端開口部とからなり、
    前記下端開口部は、前記車両通行路の路面上に沿って該通行路側に向けて開口し、
    前記気流通路を形成する内部空間は、前記上端開口部において騒音回折を遮る気流カーテンを生成させるために開口部の幅が絞られていることを特徴とする防音壁。
  2. 防音壁の上端部が前記車両通行路側に向けて湾曲しており、前記上端開口部が該車両通行路側に向けて開口していることを特徴とする請求項1記載の防音壁。
  3. 前記内壁の車両通行路側の面に騒音波入射用の多数の開口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防音壁。
  4. 前記外壁及び内壁の内部空間側の面に騒音波入射用の多数の開口が形成されていることを特徴とする請求項3記載の防音壁。
  5. 前記外壁及び内壁の内部空間側の面が、凹凸を有することを特徴とする請求項4記載の防音壁。
  6. 前記内部空間に、吸音材を内蔵した中間吸音板が配設されてなり、
    該中間吸音板は、前記内部空間の少なくとも一部を外層側空間と内層側空間とに仕切るとともに、外層側空間に面する外面及び内層側空間に面する内面に騒音波入射用の多数の開口を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の防音壁。
  7. 前記内部空間が形成する通路の中途部に、断面積が他の部分よりも拡大された膨張型消音の機能を持たせた拡大空間部が設けられてなることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の防音壁。
  8. 前記吸音材が、大気汚染物質を吸着して浄化する吸着材として機能する物質であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の防音壁。
  9. 前記吸音材が、平均粒子径0.5〜4.5mmの無機材料又は難燃性有機材料の粒子体からなることを特徴とする請求項8記載の防音壁。
  10. 前記粒子体の表面に、光触媒剤がコーティング又は担持されていることを特徴とする請求項9記載の防音壁。
  11. 前記内壁及び外壁の一部又は全部が光触媒作用を有する物質から構成されていることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の防音壁。
  12. 前記外壁の一部分に、光触媒反応を促進させるために、太陽光の壁内への入射を可能とする透明部が設けられていることを特徴とする請求項10又は11記載の防音壁。
  13. 前記透明部が、前記防音壁上端部に形成された湾曲部における外壁に形成されていることを特徴とする請求項12記載の防音壁。
  14. 前記車両通行路が、高速道路であることを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の防音壁。
  15. 前記車両通行路が、軌道車両の通行路であることを特徴とする請求項1乃至13いずれかに記載の防音壁。

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