JP3792081B2 - 大気浄化防音パネル - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、車両等の走行に伴う騒音を遮音、吸音するために、高速道路や鉄道の沿線等に沿って設置される防音壁として、また橋梁や高架道路橋、堀割、半地下道路等の構造体の下面部や壁面、天井面等に壁体として取付けられ、空気中のNOxを補足し、良好な環境を得ることができる大気浄化防音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両などの走行に伴う騒音を遮音、吸音するために用いられる吸音パネルとして、多数の開孔を有する前面板と背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装されたものがある。かかる防音パネルは、前面板の開孔より中空内に音を入射させて、吸音材により吸音させると共に、中空内で反射を繰り返させることにより音を減衰させ、さらに背面板により遮音して音が背面側に漏れないようになされたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来の吸音パネルは、それが車両等の走行に伴う騒音を発する所に設置されることにより、それなりの騒音公害を低減できるものであるが、近年、車両等の走行に伴う公害としては、他に自動車特にディーゼル自動車から排出される排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)による環境汚染の問題が指摘されている。このNOxは、人体に呼吸器障害を誘発するといわれ、また太陽紫外線、炭化水素と関係してオキシダントを生成し、いわゆる光化学スモッグを引き起こすものである。しかしながら上記の如く、従来の吸音パネルは騒音公害の低減のみを目的としたものであり、NOxによる環境汚染については何ら効果がないものであった。
【0004】
そこで本発明は上記の如き問題を解決し、騒音の低減を図ると共にNOxの低減も図ることのできる大気浄化防音パネルを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、防音効果に加えて防音パネルに如何にしてNOxの低減効果をも具備させるかを鋭意研究した結果、二酸化チタン等の光触媒は紫外線を照射させることにより活性化され、その活性化により強い酸化力が発現されることから、車両等に対向してNOx等に触れやすい防音パネルの前面板に光触媒を含有する塗膜を形成しておけば、車両等の走行に伴う風圧によってNOxが多く存在する地表近くの空気が巻き上げられて光触媒に触れることにより、空気中のNOxが硝酸等に酸化されて除去されること、さらに防音パネルに通気性を持たせ、巻き上げられた地表近くの空気が防音パネル内を流れるようにしておけば、汚れた空気は前面板で飛び跳ねたり、前面板付近で留まることなく、次々と流れて光触媒に接触するので、効果的にNOxが除去されること等を知得し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明に係る大気浄化防音パネルは、多数の開孔を有する前面板の背後に、空気層が設けられ、前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されると共に、空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、防音パネルの前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されているので、車両等の走行に伴う風圧によってNOx等が多く存在する地表近くの空気が巻き上げられて、光触媒を含有する塗膜面に運ばれ、これによってNOx等が光触媒に触れることにより、NOx等が除去される。
【0008】
しかも、前面板の背後に、空気層が設けられ、前記空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されているので、巻き上げられた地表近くの空気は、前面板で飛び跳ねたり、前面板付近で留まることなく、前面板の開孔より防音パネル内に流入し、空気層を通過して通気孔より外部に流れるので、NOxを含む汚れた空気が次々と流れて光触媒に接触し、極めて効果的にNOxが除去される。
【0009】
なお前記通気孔は、上面板又は下面板のいずれかに穿設されていてもよいし、上面板及び下面板に穿設されていてもよい。防音パネルを複数段積みする場合は、各防音パネルの上面板及び下面板に通気孔を穿設し、段積みした際、それらの通気孔を連通させることにより、その間を空気が通過できるようにすればよい。又上面板に通気孔を穿設する場合、その通気孔から雨水が侵入しないように、庇等で防止しておくのが好ましい。さらに通気孔からの音漏れを防止するために、通気孔の大きさは、5〜50平方cm程度とするのが好ましい。
【0010】
前面板に形成された光触媒を含有する塗膜は、多孔質となるセメント質塗膜とするのが好ましい。すなわち多孔質となるセメント質塗膜とすることにより、空気、すなわちNOx等に触れる接触面積が大きくなり、効果的にNOx等が除去される。又光触媒の酸化力によりNOxより生成されるNO3 −を中和するのにセメント質は適している。
【0011】
又、防音パネルは一般には軽量化のためにアルミニウム合金や合成樹脂等が用いられるが、アルミニウムからなる前面板に光触媒を含有するセメント質塗膜からなる塗膜を形成する場合は、アルミニウムとして、アルマイト未封孔処理が施されたものを用い、このアルマイト未封孔処理面に光触媒を含有するセメント質塗膜を形成するのが好ましい。
【0012】
その理由は、アルマイト未封孔処理面は、未封孔であることから微細孔が多数存在しているため、そのアンカー効果によりセメント質塗膜の密着性が向上するためであり、又、アルマイト未封孔処理したアルミニウムは表面が多孔質状であるために、その上に形成した光触媒を含有するセメント質塗膜は、空気、すなわちNOx等に触れる接触面積が大きくなり、極めて効果的にNOx等が除去されるためである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図1を参照し、具体的に説明する。
すなわち図1は本発明に係る防音パネルの実施の一形態を示す断面図である。
【0014】
図面において、1は防音パネルであって、多数の開孔21を有する前面板2と、その背後に形成された背面板3と、上面板4及び下面板5、さらに左右の側面板(図示せず)とによって形成された中空内に、グラスウール等の吸音材6が内装されると共に、前面板2と吸音材6との間、すなわち前面板2の背後に空気層7が設けられ、この空気層7に連通する通気孔8が上面板4と下面板5とにそれぞれ穿設されているものである。なお前記上面板4及び下面板5は、前面板2や背面板3に対して別体で形成されたものであってもよいし、前面板2や背面板3の上下端部が内方に折曲されて図面の如く重ね合わされる等して形成されていてもよい。
【0015】
かかる構成により、前面板2の開孔21より中空内に入射された騒音は吸音材6により吸音されると共に、背面板3により遮音されて音が背面側に漏れることがなく、さらに車両通過時の風圧等によって巻き上げられた地表近くの空気は、前面板2の開孔21より防音パネル1内に流入し、空気層7を通過して通気孔8より外部に流れる。
【0016】
9は、前記防音パネル1の前面板2と背面板3とに形成された光触媒を含有する塗膜であり、本形態ではセメント質塗膜9で形成されている。このセメント質塗膜9に紫外線を照射することにより光触媒が活性化され、活性化された光触媒により、セメント質塗膜9の外面に付着あるいは飛来した排ガスなどの有害物、特にNOxが酸化あるいは分解される。
【0017】
光触媒を含有するセメント質塗膜9は、本形態では前面板2と背面板3とにそれぞれ形成されているが、車両等に対向してNOx等に触れやすい前面板2のみでもよい。
【0018】
セメント質塗膜9に含有される光触媒としては二酸化チタン微粒子が好適に用いられる。二酸化チタンはルチル型でもよいが、活性の高さからアナターゼ型のものが好ましく、この二酸化チタンに波長領域が300〜400nmの紫外線を照射することによって活性化され、その活性化により強い酸化力が発現されて、二酸化チタンの表面に接する空気中のNOx等が水の存在によって硝酸等に酸化され、次いで雨水等により洗い流されて除去される。
【0019】
二酸化チタンを活性化させる300〜400nmの紫外線は、太陽光に多く含まれ、又水銀灯やブラックライト等の光にも含まれているために、前記前面板2や背面板3に太陽光が照射されるようになされてもよいし、水銀灯やブラックライト等の紫外線を多く含む人工光源が付設され、その光が照射されるようになされていてもよい。
【0020】
なお光触媒を含有するセメント質塗膜9が形成された前面板2や背面板3の材質は、合成樹脂材やステンレス、亜鉛鋼板等の金属材等、特に限定されるものではないが、金属材の場合は、軽量化を図るためにアルミニウムから形成するのが好ましい。又このアルミニウムはアルマイト未封孔処理面とし、このアルマイト未封孔処理面に光触媒を含有するセメント質塗膜9を形成すれば、密着性が向上し、又空気、すなわちNOx等に触れる接触面積が大きくなり、極めて効果的にNOx等が除去される。
【0021】
又、光触媒を含有するセメント質塗膜9の厚みも特に限定されるものではないが、10〜1000μmの範囲で形成されているのが好ましい。10μm未満では光触媒の量が少なくNOx等の除去効果が乏しく、又1000μmを越えると厚膜になりすぎ、成膜した際に、塗膜の割れが起こり、良好な塗膜が得られにくい。
【0022】
なお本形態においては、防音パネル1の前面板2の開孔21は、幅方向に沿ったスリット状となされ、且つその開孔21の上下縁部が切り起こされてルーバー22が形成されると共に、ルーバー22の傾斜角度は、ルーバー22に形成された光触媒を含有するセメント質塗膜9に、太陽光の紫外線を効率よく照射させて、光触媒を効率よく活性化させると共に、開孔21に雨水が降り込まないように、垂直面に対して30〜80度となされている。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、防音パネルの前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されているので、車両等の走行に伴う風圧によってNOx等が多く存在する地表近くの空気が巻き上げられて、光触媒を含有する塗膜面に運ばれ、これによってNOx等が光触媒に触れることにより、NOx等が除去される。
【0024】
しかも、前面板の背後に、空気層が設けられ、前記空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されているので、巻き上げられた地表近くの空気は、前面板で飛び跳ねたり、前面板付近で留まることなく、前面板の開孔より防音パネル内に流入し、空気層を通過して通気孔より外部に流れるので、NOxを含む汚れた空気が次々と流れて光触媒に接触し、極めて効果的にNOxが除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気浄化防音パネルの実施の一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 防音パネル
2 前面板
21 開孔
22 ルーバー
3 背面板
4 上面板
5 下面板
6 吸音材
7 空気層
8 通気孔
9 セメント質塗膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、車両等の走行に伴う騒音を遮音、吸音するために、高速道路や鉄道の沿線等に沿って設置される防音壁として、また橋梁や高架道路橋、堀割、半地下道路等の構造体の下面部や壁面、天井面等に壁体として取付けられ、空気中のNOxを補足し、良好な環境を得ることができる大気浄化防音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両などの走行に伴う騒音を遮音、吸音するために用いられる吸音パネルとして、多数の開孔を有する前面板と背面板とにより形成された中空内に吸音材が内装されたものがある。かかる防音パネルは、前面板の開孔より中空内に音を入射させて、吸音材により吸音させると共に、中空内で反射を繰り返させることにより音を減衰させ、さらに背面板により遮音して音が背面側に漏れないようになされたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来の吸音パネルは、それが車両等の走行に伴う騒音を発する所に設置されることにより、それなりの騒音公害を低減できるものであるが、近年、車両等の走行に伴う公害としては、他に自動車特にディーゼル自動車から排出される排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)による環境汚染の問題が指摘されている。このNOxは、人体に呼吸器障害を誘発するといわれ、また太陽紫外線、炭化水素と関係してオキシダントを生成し、いわゆる光化学スモッグを引き起こすものである。しかしながら上記の如く、従来の吸音パネルは騒音公害の低減のみを目的としたものであり、NOxによる環境汚染については何ら効果がないものであった。
【0004】
そこで本発明は上記の如き問題を解決し、騒音の低減を図ると共にNOxの低減も図ることのできる大気浄化防音パネルを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、防音効果に加えて防音パネルに如何にしてNOxの低減効果をも具備させるかを鋭意研究した結果、二酸化チタン等の光触媒は紫外線を照射させることにより活性化され、その活性化により強い酸化力が発現されることから、車両等に対向してNOx等に触れやすい防音パネルの前面板に光触媒を含有する塗膜を形成しておけば、車両等の走行に伴う風圧によってNOxが多く存在する地表近くの空気が巻き上げられて光触媒に触れることにより、空気中のNOxが硝酸等に酸化されて除去されること、さらに防音パネルに通気性を持たせ、巻き上げられた地表近くの空気が防音パネル内を流れるようにしておけば、汚れた空気は前面板で飛び跳ねたり、前面板付近で留まることなく、次々と流れて光触媒に接触するので、効果的にNOxが除去されること等を知得し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明に係る大気浄化防音パネルは、多数の開孔を有する前面板の背後に、空気層が設けられ、前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されると共に、空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、防音パネルの前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されているので、車両等の走行に伴う風圧によってNOx等が多く存在する地表近くの空気が巻き上げられて、光触媒を含有する塗膜面に運ばれ、これによってNOx等が光触媒に触れることにより、NOx等が除去される。
【0008】
しかも、前面板の背後に、空気層が設けられ、前記空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されているので、巻き上げられた地表近くの空気は、前面板で飛び跳ねたり、前面板付近で留まることなく、前面板の開孔より防音パネル内に流入し、空気層を通過して通気孔より外部に流れるので、NOxを含む汚れた空気が次々と流れて光触媒に接触し、極めて効果的にNOxが除去される。
【0009】
なお前記通気孔は、上面板又は下面板のいずれかに穿設されていてもよいし、上面板及び下面板に穿設されていてもよい。防音パネルを複数段積みする場合は、各防音パネルの上面板及び下面板に通気孔を穿設し、段積みした際、それらの通気孔を連通させることにより、その間を空気が通過できるようにすればよい。又上面板に通気孔を穿設する場合、その通気孔から雨水が侵入しないように、庇等で防止しておくのが好ましい。さらに通気孔からの音漏れを防止するために、通気孔の大きさは、5〜50平方cm程度とするのが好ましい。
【0010】
前面板に形成された光触媒を含有する塗膜は、多孔質となるセメント質塗膜とするのが好ましい。すなわち多孔質となるセメント質塗膜とすることにより、空気、すなわちNOx等に触れる接触面積が大きくなり、効果的にNOx等が除去される。又光触媒の酸化力によりNOxより生成されるNO3 −を中和するのにセメント質は適している。
【0011】
又、防音パネルは一般には軽量化のためにアルミニウム合金や合成樹脂等が用いられるが、アルミニウムからなる前面板に光触媒を含有するセメント質塗膜からなる塗膜を形成する場合は、アルミニウムとして、アルマイト未封孔処理が施されたものを用い、このアルマイト未封孔処理面に光触媒を含有するセメント質塗膜を形成するのが好ましい。
【0012】
その理由は、アルマイト未封孔処理面は、未封孔であることから微細孔が多数存在しているため、そのアンカー効果によりセメント質塗膜の密着性が向上するためであり、又、アルマイト未封孔処理したアルミニウムは表面が多孔質状であるために、その上に形成した光触媒を含有するセメント質塗膜は、空気、すなわちNOx等に触れる接触面積が大きくなり、極めて効果的にNOx等が除去されるためである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図1を参照し、具体的に説明する。
すなわち図1は本発明に係る防音パネルの実施の一形態を示す断面図である。
【0014】
図面において、1は防音パネルであって、多数の開孔21を有する前面板2と、その背後に形成された背面板3と、上面板4及び下面板5、さらに左右の側面板(図示せず)とによって形成された中空内に、グラスウール等の吸音材6が内装されると共に、前面板2と吸音材6との間、すなわち前面板2の背後に空気層7が設けられ、この空気層7に連通する通気孔8が上面板4と下面板5とにそれぞれ穿設されているものである。なお前記上面板4及び下面板5は、前面板2や背面板3に対して別体で形成されたものであってもよいし、前面板2や背面板3の上下端部が内方に折曲されて図面の如く重ね合わされる等して形成されていてもよい。
【0015】
かかる構成により、前面板2の開孔21より中空内に入射された騒音は吸音材6により吸音されると共に、背面板3により遮音されて音が背面側に漏れることがなく、さらに車両通過時の風圧等によって巻き上げられた地表近くの空気は、前面板2の開孔21より防音パネル1内に流入し、空気層7を通過して通気孔8より外部に流れる。
【0016】
9は、前記防音パネル1の前面板2と背面板3とに形成された光触媒を含有する塗膜であり、本形態ではセメント質塗膜9で形成されている。このセメント質塗膜9に紫外線を照射することにより光触媒が活性化され、活性化された光触媒により、セメント質塗膜9の外面に付着あるいは飛来した排ガスなどの有害物、特にNOxが酸化あるいは分解される。
【0017】
光触媒を含有するセメント質塗膜9は、本形態では前面板2と背面板3とにそれぞれ形成されているが、車両等に対向してNOx等に触れやすい前面板2のみでもよい。
【0018】
セメント質塗膜9に含有される光触媒としては二酸化チタン微粒子が好適に用いられる。二酸化チタンはルチル型でもよいが、活性の高さからアナターゼ型のものが好ましく、この二酸化チタンに波長領域が300〜400nmの紫外線を照射することによって活性化され、その活性化により強い酸化力が発現されて、二酸化チタンの表面に接する空気中のNOx等が水の存在によって硝酸等に酸化され、次いで雨水等により洗い流されて除去される。
【0019】
二酸化チタンを活性化させる300〜400nmの紫外線は、太陽光に多く含まれ、又水銀灯やブラックライト等の光にも含まれているために、前記前面板2や背面板3に太陽光が照射されるようになされてもよいし、水銀灯やブラックライト等の紫外線を多く含む人工光源が付設され、その光が照射されるようになされていてもよい。
【0020】
なお光触媒を含有するセメント質塗膜9が形成された前面板2や背面板3の材質は、合成樹脂材やステンレス、亜鉛鋼板等の金属材等、特に限定されるものではないが、金属材の場合は、軽量化を図るためにアルミニウムから形成するのが好ましい。又このアルミニウムはアルマイト未封孔処理面とし、このアルマイト未封孔処理面に光触媒を含有するセメント質塗膜9を形成すれば、密着性が向上し、又空気、すなわちNOx等に触れる接触面積が大きくなり、極めて効果的にNOx等が除去される。
【0021】
又、光触媒を含有するセメント質塗膜9の厚みも特に限定されるものではないが、10〜1000μmの範囲で形成されているのが好ましい。10μm未満では光触媒の量が少なくNOx等の除去効果が乏しく、又1000μmを越えると厚膜になりすぎ、成膜した際に、塗膜の割れが起こり、良好な塗膜が得られにくい。
【0022】
なお本形態においては、防音パネル1の前面板2の開孔21は、幅方向に沿ったスリット状となされ、且つその開孔21の上下縁部が切り起こされてルーバー22が形成されると共に、ルーバー22の傾斜角度は、ルーバー22に形成された光触媒を含有するセメント質塗膜9に、太陽光の紫外線を効率よく照射させて、光触媒を効率よく活性化させると共に、開孔21に雨水が降り込まないように、垂直面に対して30〜80度となされている。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、防音パネルの前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されているので、車両等の走行に伴う風圧によってNOx等が多く存在する地表近くの空気が巻き上げられて、光触媒を含有する塗膜面に運ばれ、これによってNOx等が光触媒に触れることにより、NOx等が除去される。
【0024】
しかも、前面板の背後に、空気層が設けられ、前記空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されているので、巻き上げられた地表近くの空気は、前面板で飛び跳ねたり、前面板付近で留まることなく、前面板の開孔より防音パネル内に流入し、空気層を通過して通気孔より外部に流れるので、NOxを含む汚れた空気が次々と流れて光触媒に接触し、極めて効果的にNOxが除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気浄化防音パネルの実施の一形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 防音パネル
2 前面板
21 開孔
22 ルーバー
3 背面板
4 上面板
5 下面板
6 吸音材
7 空気層
8 通気孔
9 セメント質塗膜
Claims (4)
- 多数の開孔を有する前面板の背後に、空気層が設けられ、前面板に光触媒を含有する塗膜が形成されると共に、空気層に連通する通気孔が上面板及び/又は下面板に穿設されたことを特徴とする大気浄化防音パネル。
- 光触媒を含有する塗膜は、セメント質塗膜であることを特徴とする請求項1に記載の大気浄化防音パネル。
- 前面板は、アルマイト未封孔処理が施されたアルミニウムから形成され、該アルマイト未封孔処理面に光触媒を含有するセメント質塗膜が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の大気浄化防音パネル。
- セメント質塗膜に含有された光触媒は、アナターゼ型二酸化チタンであり、そのセメント質塗膜の被膜厚みは10〜1000μmの範囲で形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の大気浄化防音パネル。
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JP24482699A JP3792081B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 大気浄化防音パネル |
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JP24482699A JP3792081B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 大気浄化防音パネル |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001064921A JP2001064921A (ja) | 2001-03-13 |
JP3792081B2 true JP3792081B2 (ja) | 2006-06-28 |
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ID=17124538
Family Applications (1)
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JP24482699A Expired - Fee Related JP3792081B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 大気浄化防音パネル |
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KR101764884B1 (ko) * | 2015-04-30 | 2017-08-14 | 코원(주) | 태양광 발전 기능을 구비한 방음장치 |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24482699A patent/JP3792081B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001064921A (ja) | 2001-03-13 |
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