JP2007050831A - 車両用ハーネス支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両のハーネス支持構造を提供することである。
【解決手段】 本発明による、車両のハーネス支持構造は、ハーネスが空調装置の上方で、空調装置の幅方向に延びるハーネス中央部分を有し、該ハーネス中央部分がインストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方に配置され、ハーネス中央部分の車両前後方向における奥行きの少なくとも一部が、空調装置の前記第1送風出口の垂直方向上方に位置決めされ、インストルメントパネル支持部材に取り付けられた、ハーネス中央部分を室内用ダクトの上方に支持するためのハーネス支持手段を有する、ことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用ハーネス支持構造に関する。
車両用の空調装置は、従来、助手席前方に配置されるのが一般的なレイアウトであった。
例えば、特許文献1は、空調装置を構成するブロワーユニット、クーラーユニツト、ヒーターユニツトを助手席前方において車幅方向に並べて配置する構成を開示する。
特開平8−142708号公報
しかし、このような空調装置のレイアウトでは助手席の足元空間が狭くなってしまうので、近年の設計では、より広い助手席足元空間を確保する目的で、空調装置をインストルメントパネル内部の、車幅方向中央部に配置することが少なくない。
ところが、空調装置を車幅方向中央部に配置すると、今度は、従来からインストルメントパネル内部に収容されていたその他の機器等の配置空間が圧迫されることになり、そのような配置空間が圧迫されることになる要素の1つに、インストルメントパネル内部において車幅方向に延びるハーネスがある。
ところで、一般的に、車内前部には、車幅方向に延びるインストルメントパネル支持部材が取り付けられ、このインストルメントパネル支持部材によってインストルメントパネルが支持されるようになっており、空調装置が助手席前方に配置されていたときには、ハーネスは、例えば、インストルメントパネル支持部材の(車両前後方向)前方において、インストルメントパネル支持部材に沿って延びるように配置されていた。
空調装置が助手席前方に配置されていたときには、インストルメントパネル内部の車幅方向中央部の空間、特に、その車両前後方向における空間(奥行き)には比較的余裕があったため、前述したようにインストルメントパネル支持部材の(車両前後方向)前方にハーネスを配置してもさして問題になることもなかった。
ところが、空調装置がインストルメントパネル内部の車幅方向中央部に配置されるときには、インストルメントパネル内部の奥行きは全体的に空調装置によって占められることになるため、空調装置及びインストルメントパネル支持部材に対するハーネスの配置関係は非常に重要なものになった。すなわち、ハーネスの配置如何によっては、インストルメントパネルの車両前後方向における空間(奥行き)が肥大化してしまうことになるが、このインストルメントパネルの奥行きの肥大化は室内居住空間を減少させてしまうという問題がある。
また、近年においては、車両に装備される電子機器、電気機器が増大しているため、これに給電するためのハーネスの径もまた拡大化しつつある。このハーネスの拡径化はハーネスの重量増に直結するので、このような重量物であるハーネスを空調装置のデフロスタダクト、或いは、車内空調用ダクト上に載置するときには、これらのダクトがハーネスの重さによって変形されてしまうことがある。
従って、本発明は、上述した問題を解決するために発明されたものであって、インストルメントパネルの奥行きを肥大化させることも、インストルメントパネル内部に配置された空調装置のダクトを変形させることもなく、ハーネスを支持することができる、車両用ハーネス支持構造及びハーネス取付方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1発明によるハーネス支持構造は、車幅方向に延びるインストルメントパネル支持部材と、該インストルメントパネル支持部材によって支持されるインストルメントパネルと、該インストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置された空調装置とを有し、該空調装置は、その頂部に設けられた第1送風出口と、該第1送風出口に接続され、車室内に配置された乗員用吹出口まで延びる室内用ダクトとを備え、前記インストルメントパネル内部を車幅方向に延びるハーネスを有する車両のハーネス支持構造であって、前記ハーネスが、前記空調装置の上方で、前記空調装置の幅方向に延びるハーネス中央部分を有し、該ハーネス中央部分が前記インストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方に配置され、前記ハーネス中央部分の車両前後方向における奥行きの少なくとも一部が、前記空調装置の前記第1送風出口の垂直方向上方に位置決めされ、前記インストルメントパネル支持部材に取り付けられた、前記ハーネス中央部分を前記室内用ダクトの上方に支持するためのハーネス支持手段を有する、ことを特徴とする。
上記第1発明の構成では、ハーネス中央部分が室内用ダクトよりも上方に支持されるので、ハーネス中央部分がダクトに直接載るのを避けることができ、これにより、ハーネスの重量により、ダクトが変形され、或いは、ハーネスが損傷してしまうのを防止することができる。
また、ハーネス中央部分は、インストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方で、ハーネス中央部分奥行きの少なくとも一部が空調装置の第1送風出口の垂直方向上方に位置するように支持されるので、ハーネス中央部分、インストルメントパネル支持部材及び空調装置が必要とする(すなわち、これらを収容するインストルメントパネルが必要とする)車両前後方向における空間(奥行き)を抑制し、室内居住空間の減少を抑制することができる。
上記第1発明では、前記ハーネス支持手段が、前記インストルメントパネル支持部材から延びるステーと、該ステーに取り付けられた支持プレートと、該支持プレートに取り付けられ、内部に前記ハーネスを保持するプロテクタスリーブとを有するのが好ましい。
この構造によれば、簡単な構成によりハーネス支持手段を提供することができる。
また、前記空調装置の前記第1送風出口が車両幅方向に間隔を隔てた2つの第1送風出口を有し、該各第1送風出口から前記室内用ダクトが延び、前記ステーは、前記インストルメントパネル支持部材から前記2つの室内用ダクト間を通って前記支持プレートまで延びるのが好ましい。
この構成では、ステーは、インストルメントパネル支持部材から2つの室内用ダクト間を通って前記支持プレートまで延びるので、ステーとの干渉による、室内用ダクトの流体抵抗の増加や、風切り音の発生を回避することができる。また、2つの室内用ダクト間がハーネス中央部分の中央と整合するときには、ステーをハーネス中央部分の中央に位置決めすることができ、ハーネス中央部分をバランス良く支持することができる。
更に、前記空調装置が、その頂部に、前記第1送風出口に対して車両前後方向前方に設けられた第2送風出口と、該第2送風出口に接続され、車室内に配置されたデフロスタ用吹出口まで延びるデフロスタダクトとを備え、前記ハーネス中央部分が、車幅方向に延びる前記室内用ダクトと、車幅方向に延びる前記デフロスタダクトとの間で、車幅方向に延びるのが好ましい。
ハーネス中央部分は、従来利用されなかったデッドスペースである、室内用ダクトとデフロスタダクトとの間に延びるので空間利用効率が良い。
上記目的を達成するため、第2発明によるハーネス取付方法は、車幅方向に延びるインストルメントパネル支持部材と、該インストルメントパネル支持部材によって支持されるインストルメントパネルと、該インストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置される空調装置とを有し、該空調装置は、その頂部に設けられた第1送風出口と、該第1送風出口に接続され、車室内に配置された乗員用吹出口まで延びる室内用ダクトと、前記頂部に、前記第1送風出口に対して車両前後方向前方に設けられた第2送風出口と、該第2送風出口に接続され、車室内に配置されたデフロスタ用吹出口まで延びるデフロスタダクトとを備え、前記インストルメントパネル内部を車幅方向に延びるハーネスを有する車両におけるハーネスの取り付け方法であって、前記インストルメントパネルと、前記空調ユニットの前記室内用ダクトとが組みつけられた前記インストルメントパネル支持部材を車内前部に取り付け、前記インストルメントパネル支持部材の車両前後方向前方から、前記ハーネスを前記インストルメントパネル支持部材の車両前後方向前方に配置し、該ハーネスの配置の前又は後に、前記ハーネスの中央部分を支持するためのハーネス支持手段を前記インストルメントパネル支持部材に取り付け、前記ハーネス支持手段によって、前記ハーネスの中央部分を前記インストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方に支持し、前記ハーネスの車両前後方向前方から前記空調ユニットの前記デフロスタダクトを前記インストルメントパネル支持部材に取り付け、前記デフロスタダクトを前記インストルメントパネルに接続し、前記ハーネスの車両前後方向前方から前記空調装置を前記インストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置し、前記空調装置の前記第1送風出口、第2送風出口を、夫々、前記室内用ダクト、前記デフロスタダクトに接続することを含む、ことを特徴とする。
第2発明の構成では、ハーネス支持手段によって、ハーネス中央部分を、インストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方で、ハーネス中央部分の奥行きの少なくとも一部が空調装置の第1送風出口の垂直方向上方に位置するように、室内用ダクトの上方に支持することとしたので、第1発明と同様に、ハーネス中央部分がダクトに直接載るのを避けることができ、これにより、ハーネスの重量により、ダクトが変形され、或いは、ハーネスが損傷してしまうのを防止することができ、また、ハーネス中央部分、インストルメントパネル支持部材及び空調装置が必要とする車両前後方向の空間を抑制し、室内居住空間の減少を抑制することができると共に、インストルメントパネル支持部材に対するハーネスの組み付けを容易にする。
本発明によれば、インストルメントパネルの奥行きを肥大化させることも、インストルメントパネル内部に配置された空調装置のダクトを変形させることもなく、ハーネスを支持できる、車両用ハーネス支持構造を提供することができる。
また、本発明によれば、インストルメントパネルの奥行きを肥大化させることも、インストルメントパネル内部に配置された空調装置のダクトを変形させることもなく、ハーネスを車両に取り付ける方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1を参照すると、車体1のフロントピラー2に隣接してインストルメントパネル支持部材3が車幅方向に延び、インストルメントパネル支持部材3の両端部はブラケット4を介して車体側部に取り付けられている。
インストルメントパネル支持部材3の車幅方向中央部からは一対のセンタメンバ5が下方に延び、各センタメンバ5の下端部はフロアパネル(図示せず)に取り付けられるようになっている。センタメンバ5間にはディスプレー6や、オーディオ、空調装置7等の各種電子機器、電気機器のコントローラ(図示せず)が配置される。
図2に示すように、インストルメントパネル支持部材3にはインストルメントパネル8が任意既知の仕方で取り付けられ、このインストルメントパネル8の内部には、その車幅方向中央部において空調装置7が配置される。空調装置7は、既知の構造のものであり、ブロワ9と、ブロワ9の下流に設けられたエバポレータ(図示せず)と、エバポレータ(図示せず)の下流に設けられたヒータ(図示せず)とを有し、選択的に温風、冷風を供給することができるようになっている。
空調装置7はまた、頂部に、第1送風出口10と、第1送風出口10に対して車両前後方向前方に設けられた第2送風出口11とを備える。空調装置7の温風、冷風は、ダンパ(図示せず)を介して選択的に第1送風出口10、及び/又は、第2送風出口11に供給されるようになっている。
この実施形態では、第1送風出口10は、車両幅方向に間隔を隔てた2つの送風出口、すなわち、右側送風出口と左側送風出口とからなる。各第1送風出口10には室内用ダクト12が接続される。詳細には、右側送風出口には右側室内用ダクト12Aが接続され、左側送風出口には左側室内用ダクト12Bが接続され、右側室内用ダクト12Aの内側端部と左側室内用ダクト12Bの内側端部との間には空間Sが構成される。
各室内用ダクト12は、対応する各第1送風出口10の上方で、第1分岐ダクト12aと、第2分岐ダクト12bとに分岐される。各第1分岐ダクト12aは、各センタメンバ5に隣接して車両前後方向後方に(車内に向って)延び、インストルメントパネル8に取り付けられた空調用センタグリル、すなわち、空調用センタ吹出口(図示せず)に接続される。各第2分岐ダクト12bは、車幅方向外方に車両側部付近まで延び、インストルメントパネル8に取り付けられた空調用サイドグリル、すなわち、空調用サイド吹出口(図示せず)に接続される。
第2送風出口11は、この実施形態では、空調装置7の頂部の(車幅方向における)ほぼ全幅に亘って形成された1つの第2送風出口からなり、第2送風出口11にはデフロスタダクト13が接続されている。デフロスタダクト13は第2送風出口11から車幅方向外方に車両の各側部付近まで延び、デフロスタダクト13の各側端部はインストルメントパネル8に取り付けられたデフロスタサイドグリル、すなわち、デフロスタサイド吹出口(図示せず)に接続される。
デフロスタダクト13の幅方向中央部にはまた、その車両前後方向前方から上方後方(すなわち、車内)に向って延びるセンタデフロスタダクト14が形成され、センタデフロスタダクト14の上方吹出口15は、インストルメントパネル8のセンタ吹出孔に整合され、フロントガラス16に隣接して配置される。
インストルメントパネル8の内部にはまたハーネス20が配置され、ハーネス20は実質的に車両の側部間に亘って延びる。ここで、インストルメントパネル8の内部とは、おおよそ、インストルメントパネル8の車両前後方向における前縁と後縁との間において、インストルメントパネル8とフロアパネルとの間に構成される空間を言い、この実施形態では、インストルメントパネル8の内部(空間)の車両前後方向における前面は、バルクヘッド(図示せず)に隣接して配置されるダッシュパネル17によって構成されている。
ハーネス20は、空調装置7の上方で、空調装置7の幅に亘って延びるハーネス中央部分21を有し、このハーネス中央部分21は、図2で良くわかるように、インストルメントパネル支持部材3に対して車両前後方向前方に配置される。ハーネス中央部分21の車両前後方向における奥行き、すなわち、太さ又は直径Dの少なくとも一部は、空調装置7の第1送風出口10の垂直方向上方に配置される。
ハーネス20は、ハーネス中央部分21の各端部から外方に延び、図1で見たときハーネス中央部分21の右側の右外方部21Aはダクト12、13の下を通って、車両の側部付近まで延び、フロアマット下に通される。左外方部21Bは、車両の側部付近まで延びた後、分岐され、その1つは、折り返されて、センタメンバ5間に配置されるディスプレー6や、オーディオ、空調装置7等の各種電子機器、電気機器のコントローラ(図示せず)に接続され、別の分岐ハーネスは、前方に延ばされ、コネクタを介して、エンジンルーム内に設置されるバッテリや、エンジン補機類(いずれも図示せず)と接続され、更に別の分岐ハーネスは、車両側部に沿って後方に延ばされ、コネクタ(図示せず)を介してシートベルトテンショナーや、パワースライドドアを駆動するためのモータ(いずれも図示せず)等に接続されるようになっている。ハーネス20の右外方部21A、左外方部21Bは、夫々、適当な取付具22A、22Bを介してインストルメントパネル支持部材3に隣接して取り付けられる。この取り付けは従来既知のものであるので、ここでは詳述しない。
インストルメントパネル支持部材3には、ハーネス中央部分21を上述した位置に支持するためのハーネス支持手段が設けられている。
図3でよく分かるように、このハーネス支持手段はステー30を有する。ステー30は、一方の端部に、円形断面のインストルメントパネル支持部材3の外面の一部に合致する円弧面を備えるブラケット30Aを有し、ブラケット30Aには取付穴(図示せず)が形成されている。この取付穴にネジ又はボルト30aを通し、インストルメントパネル支持部材3に形成された雌ねじ(図示せず)に螺合することによって、ステー30をインストルメントパネル支持部材3に取り付けることができるようになっている。変形例として、接着剤を用いてステー30をインストルメントパネル支持部材3に取り付けても良いし、溶接によってステー30をインストルメントパネル支持部材3に取り付けても良く、この種の取り付けに用いられる既知の任意の取り付け方法を用いることができる。
ブラケット30Aと反対側に位置するステー30の他方の端部には取付プレート30Bが設けられ、取付プレート30Bには取付穴(図示せず)が形成されている。
ハーネス支持手段はまた支持プレート31を有する。支持プレート31はその長手方向中央部にスタッドボルト31aを備える。このスタッドボルト31aにステー30の取付プレート30Bの取付穴(図示せず)を通し、ナット30bをスタッドボルト31aに螺合することによって、支持プレート31をステー30に取り付けることができる。
支持プレート31の両端部31Aには、固定バンド32でハーネス20が固定されている。この固定バンド32は、ベース部34と、該ベース部34から延びるバンド部33とからなり、このバンド部33の先端部33Aが支持プレート31に形成された開口(図示せず)を通ってハーネス20を巻き込み、前記開口(図示せず)からベース部34に形成された受入孔34Aに挿通されるようになっている。このとき、固定バンド32の先端部33Aの下面に形成された多数のリブ(図示せず)と、ベース部34の受入孔34A内に形成された係合歯(図示せず)とが係合することで、バンド部33の先端部33Aの抜けが防止されるようになっている。
ハーネス支持手段は更に、支持プレート31に取り付けられる、内部にハーネス20の一部を収容保持するためのプロテクタスリーブ35を有する。プロテクタスリーブ35は収容したハーネス20を保護するのに役立つ。
プロテクタスリーブ35は、内部にハーネス20を収容保持した状態で、支持プレート31に取り付けられる。プロテクタスリーブ35を支持プレート31に取り付けるときには、プロテクタスリーブ35をステー30の反対側で支持プレート31に隣接して配置し、支持プレート31の各端部から延びる固定バンド32をプロテクタスリーブ35に巻きつけ、固定バンド32の先端部33Aを支持プレート31の受入孔34Aに通し、固定バンド32のリブを受入孔34Aの係合歯(図示せず)で係止させて、固定バンド32の先端部33Aが戻らないようにする。
支持プレート31へのプロテクタスリーブ35の取り付けの仕方は、上述した仕方に限定されるものではなく、既知の任意の方法を採用することができるのは言うまでもない。
上述したように、ハーネス支持手段は、ハーネス中央部分21を、インストルメントパネル支持部材3に対して車両前後方向前方で、ハーネス中央部分21の直径Dの少なくとも一部が空調装置7の第1送風出口10の垂直方向上方に位置するように、室内用ダクト12及びデフロスタダクト13よりも上方に支持する。
すなわち、ハーネス中央部分21は、室内用ダクト12及びデフロスタダクト13よりも上方に支持されるので、ハーネス中央部分21がダクト12、13に直接載るのを避けることができ、これにより、ハーネス20の重量により、ダクト12、13が変形され、或いは、ハーネス20が損傷してしまうのを防止することができる。
また、ハーネス中央部分21は、インストルメントパネル支持部材3に対して車両前後方向前方で、ハーネス中央部分21の直径Dの少なくとも一部が空調装置7の第1送風出口10の垂直方向上方に位置するように支持されるので、ハーネス中央部分21、インストルメントパネル支持部材3及び空調装置7が必要とする(すなわち、インストルメントパネル8が必要とする)車両前後方向における空間(奥行き)を抑制し、室内居住空間の減少を抑制することができる。
更に、ステー30は、インストルメントパネル支持部材3から、右側室内用ダクト12Aの内側端部と左側室内用ダクト12Bの内側端部との間の空間Sを通って延びるので、ステー30との干渉による、室内用ダクト12の流体抵抗の増加や、風切り音の発生を回避することができ、同時に、ステー30を車体幅方向中央、すなわち、ハーネス中央部分21の中央に位置決めすることができ、ハーネス中央部分21をバランス良く支持することができる。
更にまた、ハーネス中央部分21は、車幅方向に延びる室内用ダクト12と、車幅方向に延びるデフロスタダクト13との間という従来利用されなかったデッドスペースにおいて車幅方向に延びるので、空間利用効率が良い。
次に、ハーネス20のハーネス中央部分21を上述したように取り付ける方法の一例を説明する。
先ず、インストルメントパネル8と、空調ユニット7の室内用ダクト12とをインストルメントパネル支持部材3に組み付ける。近年、このように、インストルメントパネル8と、室内用ダクト12と、インストルメントパネル支持部材3とがモジュール化された状態で車両メーカーに納品されることが少なくない。室内用ダクト12の各先端部はインストルメントパネル8の空調用センタ吹出口(図示せず)に接続されている。
次に、ブラケット4を介して、このモジュール化されたインストルメントパネル支持部材3を車体側部に取り付ける。
そして、インストルメントパネル支持部材3の車両前後方向前方から、ハーネス20をインストルメントパネル支持部材3の車両前後方向前方に配置する。
その前又は後に、インストルメントパネル支持部材3から右側室内用ダクト12Aの内側端部と左側室内用ダクト12Bの内側端部との間の空間Sを通って延びるように、ハーネス支持手段のステー30のブラケット30Aをボルト30aによってインストルメントパネル支持部材3に取り付け、ステー30の取付プレート30Bの取付穴(図示せず)にハーネス支持手段の支持プレート31のスタッドボルト31aを通し、スタッドボルト31aにナット30bを螺合して、支持プレート31をステー30に取り付ける。
次に、ハーネス中央部分21にプロテクタスリーブ35を通し、このプロテクタスリーブ35をステー30の反対側で支持プレート31に隣接して配置し、プロテクタスリーブ35に支持プレート31の固定バンド32を巻きつけ、固定バンド32の先端部33を支持プレート31の受入孔34に通して係止する。ハーネス20をインストルメントパネル支持部材3の車両前後方向前方に配置するのに先立って、ハーネス中央部分21にプロテクタスリーブ35を予め嵌めておくのが好ましい。
その前又は後に、ハーネス20の右外方部21A、左外方部21Bを取付具22A、22Bによってインストルメントパネル支持部材3に取り付ける。
次に、ハーネス20の車両前後方向前方から、デフロスタダクト13をインストルメントパネル8及びインストルメントパネル支持部材3に取り付け、デフロスタダクト13の各先端部、センタデフロスタダクト14の上方吹出口15を、夫々、インストルメントパネル8のデフロスタサイド吹出口(図示せず)、センタ吹出孔に接続する。
最後に、空調装置7をハーネス20の車両前後方向前方からインストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置し、空調装置7の第1送風出口10を室内用ダクト12の基端部に、また、空調装置7の第2送風出口11をデフロスタダクト13の基端部に、夫々、接続する。空調装置7を取り付けたときには、ハーネス20のハーネス中央部分21は、空調装置7よりも上方で、ハーネス中央部分21の直径Dの少なくとも一部が空調装置7の第1送風出口10の垂直方向上方に位置するように、支持されることになる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく以下のような種々の変更が可能である。
例えば、プロテクタスリーブ35の全長に亘って延びる切れ込みを形成しても良い。この構成では、車内に配置されたハーネス20を前記切れ込みからプロテクタスリーブ35内部に押し入れることができる。
また、上記実施形態では、ハーネス支持手段が、インストルメントパネル支持部材と別体として構成されていたけれども、ハーネス支持手段の一部又は全部をインストルメントパネル支持部材と一体に構成しても良い。
本発明の一実施形態によるハーネス支持構造を備える車両の部分断面概略平面図である。 図1の車両の車幅方向中心における、インストルメントパネル周りの概略断面図である。 ハーネス支持手段の概略部分斜視図である。
符号の説明
3 インストルメントパネル支持部材
7 空調装置
10 第1送風出口
12 室内用ダクト
20 ハーネス
21 ハーネス中央部分
30 ステー、31 支持プレート、35 プロテクタスリーブ(ハーネス支持手段)

Claims (5)

  1. 車幅方向に延びるインストルメントパネル支持部材と、
    該インストルメントパネル支持部材によって支持されるインストルメントパネルと、
    該インストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置された空調装置とを有し、該空調装置は、その頂部に設けられた第1送風出口と、該第1送風出口に接続され、車室内に配置された乗員用吹出口まで延びる室内用ダクトとを備え、
    前記インストルメントパネル内部を車幅方向に延びるハーネスを有する
    車両のハーネス支持構造であって、
    前記ハーネスが、前記空調装置の上方で、前記空調装置の幅方向に延びるハーネス中央部分を有し、該ハーネス中央部分が前記インストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方に配置され、前記ハーネス中央部分の車両前後方向における奥行きの少なくとも一部が、前記空調装置の前記第1送風出口の垂直方向上方に位置決めされ、
    前記インストルメントパネル支持部材に取り付けられた、前記ハーネス中央部分を前記室内用ダクトの上方に支持するためのハーネス支持手段を有する、
    車両のハーネス支持構造。
  2. 前記ハーネス支持手段が、前記インストルメントパネル支持部材から延びるステーと、該ステーに取り付けられた支持プレートと、該支持プレートに取り付けられ、内部に前記ハーネスを保持するプロテクタスリーブとを有する、請求項1記載のハーネス支持構造。
  3. 前記空調装置の前記第1送風出口が車両幅方向に間隔を隔てた2つの第1送風出口を有し、該各第1送風出口から前記室内用ダクトが延び、前記ステーは、前記インストルメントパネル支持部材から前記2つの室内用ダクト間を通って前記支持プレートまで延びる、請求項2記載のハーネス支持構造。
  4. 前記空調装置が、その頂部に、前記第1送風出口に対して車両前後方向前方に設けられた第2送風出口と、該第2送風出口に接続され、車室内に配置されたデフロスタ用吹出口まで延びるデフロスタダクトとを備え、前記ハーネス中央部分が、車幅方向に延びる前記室内用ダクトと、車幅方向に延びる前記デフロスタダクトとの間で、車幅方向に延びる、請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のハーネス支持構造。
  5. 車幅方向に延びるインストルメントパネル支持部材と、
    該インストルメントパネル支持部材によって支持されるインストルメントパネルと、
    該インストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置される空調装置とを有し、該空調装置は、
    その頂部に設けられた第1送風出口と、
    該第1送風出口に接続され、車室内に配置された乗員用吹出口まで延びる室内用ダクトと、
    前記頂部に、前記第1送風出口に対して車両前後方向前方に設けられた第2送風出口と、
    該第2送風出口に接続され、車室内に配置されたデフロスタ用吹出口まで延びるデフロスタダクトとを備え、
    前記インストルメントパネル内部を車幅方向に延びるハーネスを有する
    車両におけるハーネスの取り付け方法であって、
    前記インストルメントパネルと、前記空調ユニットの前記室内用ダクトとが組みつけられた前記インストルメントパネル支持部材を車内前部に取り付け、
    前記インストルメントパネル支持部材の車両前後方向前方から、前記ハーネスを前記インストルメントパネル支持部材の車両前後方向前方に配置し、
    該ハーネスの配置の前又は後に、前記ハーネスの中央部分を支持するためのハーネス支持手段を前記インストルメントパネル支持部材に取り付け、
    前記ハーネス支持手段によって、前記ハーネスの中央部分を前記インストルメントパネル支持部材に対して車両前後方向前方に支持し、
    前記ハーネスの車両前後方向前方から前記空調ユニットの前記デフロスタダクトを前記インストルメントパネル支持部材に取り付け、前記デフロスタダクトを前記インストルメントパネルに接続し、
    前記ハーネスの車両前後方向前方から前記空調装置を前記インストルメントパネル内部で車幅方向中央部に配置し、前記空調装置の前記第1送風出口、第2送風出口を、夫々、前記室内用ダクト、前記デフロスタダクトに接続することを含む、
    方法。
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