JP2007048520A - レバー式コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、レバーの回動操作時に、レバーがカムピンの軸方向に沿ってカムピンから離間するように変位することを規制可能なレバー式コネクタを提供する。
【解決手段】 雌ハウジング10には、雄ハウジング11と嵌合した時に、雄ハウジング11に形成されたカムピン14が配された面とその外方において対向してレバー装着壁39が設けられている。カムピン14の側方には、雄ハウジング11の嵌合方向に沿って係止部15が形成されている。係止部15は、レバー12を回動操作する際に、レバー装着壁39と連続する部位に形成された受け部45と係止することで、レバー装着壁39がカムピン14の軸方向に沿ってカムピン14から離間するように変位するのを規制する。これにより、レバー12がカムピン14から離間するように変位するのを間接的に規制できるから、カムピン14のカム溝48に対する引っかかり代が減少することを抑制できる。
【選択図】 図8
Description
本発明は、レバー式コネクタに関する。
従来より、レバー式コネクタとしては、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、互いに嵌合可能な防水コネクタ及び相手側コネクタを備えてなり、防水コネクタにはレバーが取付けられるようになっている。上記の防水コネクタには、両コネクタが嵌合した状態において相手側コネクタに形成されたカムピンと対向する位置に、前記カムピンと係合するカム溝が形成されたレバーを取付けるためのレバー装着壁が設けられており、このレバー装着壁に回動可能に取付けられたレバーを、カムピンとカム溝とが係合した状態で回動操作することにより、カムピンとカム溝とのカム作用によって両コネクタハウジングが嵌合するようになっている。
特開2003−36920公報
ところで、上記の構成に係るレバー式コネクタにおいては、レバーを回動操作する際、両コネクタの嵌合抵抗により、カム溝の内側壁はカムピンにより強い力で押圧される。すると、上記の力を逃がそうとして、カム溝の形成されたレバーは、カムピンの軸方向に沿ってカムピンから離間するように変位する場合がある。その結果、カムピンとカム溝との引っかかり代が減少してしまい、レバーの回動操作により両コネクタを互いに引き寄せる作用が低下することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、レバーの回動操作時に、レバーがカムピンの軸方向に沿ってカムピンから離間するように変位することを規制可能なレバー式コネクタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、互いに嵌合可能な第1及び第2のコネクタハウジングを備えてなり、前記第1のコネクタハウジングには、両コネクタハウジングが嵌合した状態において前記第2のコネクタハウジングに形成されたカムピンが配された面とその外方において対向する位置にレバー装着壁が設けられており、前記レバー装着壁には前記カムピンと係合するカム溝が形成されたレバーが回動可能に取付けられており、前記レバーを前記カムピンと前記カム溝とが係合した状態で回動操作することにより、両コネクタハウジングが嵌合するようになっているレバー式コネクタであって、前記カムピンの側方には、前記第2のコネクタハウジングの嵌合方向に沿って係止部が形成されており、前記係止部は、前記レバーを回動操作する際に、前記レバー装着壁と連続する部位に形成された受け部と係止することで、前記レバー装着壁が前記カムピンの軸方向に沿って前記カムピンから離間するように変位するのを規制可能となっていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第2のコネクタハウジングは、嵌合方向前方に開口すると共に前記第1のコネクタハウジングが嵌入するフード部を備えており、前記係止部は、前記フード部の外側面から外方に突設される基部と、前記基部の先端に形成されて前記受け部と係合する開き規制部とからなり、全体として鉤状をなすと共に一体に突出するリブ状をなしていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記レバーは、前記第1のコネクタハウジングに対して、前記カムピンを前記カム溝に進入させる待受け位置と、両コネクタハウジングを正規嵌合させる嵌合位置との間で変位可能に取付けられており、前記レバーには、前記レバーが前記待受け位置にある状態で前記第1のコネクタハウジングに形成された係止受け部と係合することで、前記レバーが前記嵌合位置に変位することを防止する回動規制部が形成されており、前記係止部は、前記レバーが前記待受け位置にある状態で両コネクタハウジングを嵌合させたときに、前記回動規制部と当接して前記回動規制部を解除方向に変形させることで前記回動規制部と前記係止受け部との係合を解除可能となっていることを特徴とする。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、第2のコネクタハウジングの係止部は、第1のコネクタハウジングのレバー装着壁と連続する部位に形成された受け部と係止することで、レバー装着壁がカムピンの軸方向に沿ってカムピンから離間するように変位するのを規制することができる。これにより、レバーがカムピンから離間するように変位するのを間接的に規制できるようになっているから、カムピンとカム溝との引っかかり代が減少することを抑制できる。
請求項1の発明によれば、第2のコネクタハウジングの係止部は、第1のコネクタハウジングのレバー装着壁と連続する部位に形成された受け部と係止することで、レバー装着壁がカムピンの軸方向に沿ってカムピンから離間するように変位するのを規制することができる。これにより、レバーがカムピンから離間するように変位するのを間接的に規制できるようになっているから、カムピンとカム溝との引っかかり代が減少することを抑制できる。
<請求項2の発明>
請求項1の発明によれば、係止部として、例えば、フード部の前端縁から嵌合方向後方に向かって延びるスリットを形成し、このスリット内に、レバー装着壁から突設されると共に鉤状をなす受け部が嵌入してフード部と係合することにより、レバー装着壁がカムピンから離間するように変位することを規制することが考えられる。
請求項1の発明によれば、係止部として、例えば、フード部の前端縁から嵌合方向後方に向かって延びるスリットを形成し、このスリット内に、レバー装着壁から突設されると共に鉤状をなす受け部が嵌入してフード部と係合することにより、レバー装着壁がカムピンから離間するように変位することを規制することが考えられる。
しかしながら上記の構成によると、フード部にスリットを設ける必要があるため、フード部が全周に亘って連続した形状をなす防水コネクタには適用できないという問題点がある。
請求項2の発明によれば、係止部はフード部の外側面から外方に突設される構成となっているから、全周に亘って連続した形状のフード部に対しても係止部を形成することができる。この結果、全周に亘って連続した形状のフード部を備えた防水タイプのコネクタに対して本発明を適用できる。
さらに、フード部にリブ状をなす受け部が形成される構成となっているから、フード部の補強を行うことができる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとを嵌合させることにより、係止部が回動規制部と当接して回動規制部と係止受け部との係合を解除できるようになっている。これにより、本来レバー装着壁の変位を規制するための係止部が、回動規制部と係止受け部との係合を解除する機能をも兼ねることができるから、回動規制部と係止受け部との係合を解除する構造を別途形成する場合に比べて、構造の簡素化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングとを嵌合させることにより、係止部が回動規制部と当接して回動規制部と係止受け部との係合を解除できるようになっている。これにより、本来レバー装着壁の変位を規制するための係止部が、回動規制部と係止受け部との係合を解除する機能をも兼ねることができるから、回動規制部と係止受け部との係合を解除する構造を別途形成する場合に比べて、構造の簡素化を図ることができる。
本発明に係るレバー式コネクタを防水コネクタに適用した一実施形態を図1ないし図9を参照しつつ説明する。本実施形態に係るレバー式コネクタは、互いに嵌合可能な雌コネクタハウジング(本発明に係る第1のコネクタハウジングに相当、以下雌ハウジング10という)と、雄コネクタハウジング(本発明に係る第2のコネクタハウジングに相当、以下雄ハウジング11という)とからなり、雌ハウジング10にはレバー12が回動可能に取付けられるようになっている。なお、以下の説明では両ハウジング10,11の嵌合方向を前方とする。
雄ハウジング11は、合成樹脂製であり、前方に開口する共に、全周に亘って連続するフード部13を備えている。フード部13の上板の上側面には、幅方向の略中央付近であり、且つフード部13の前端寄りの位置に、上方に突出するカムピン14が形成されている。このカムピン14は略円柱状をなし、軸方向に延びる直立軸により形成されている。
フード部13の上板の上側面には、フード部13の後端寄りの位置に、上方へ立ち上がる左右一対の指掛け部20が形成されている。この指掛け部20はカムピン14に対して左右方向にずれた位置に配されており、指掛け部20の内側の側縁部と、係止部15の後端部とが連なっている。各指掛け部20の後面は、後方から作業者が指を宛がうことができる指掛け面21とされており、この指掛け面21は、宛がった指が左右方向にずれないようにするために、上方から見て湾曲状に凹んだ形態となっている。
フード部13の奥壁には、複数の雄端子金具22が前後方向に貫通しており、雄端子金具22の前端はフード部13内に突出している。
雌ハウジング10は、合成樹脂製であり、雌端子金具23を収容する端子収容部24と、この端子収容部24の外方を包囲するように形成された外筒部25とからなる。端子収容部24と外筒部25との間の空間は、雄ハウジング11と雌ハウジング10とが嵌合したときに雄ハウジング11のフード部13が収容される嵌合空間26とされる。
端子収容部24には、前後方向に貫通するキャビティ27が形成されており、このキャビティ27内に、電線28の端末に配設された雌端子金具23が収容されている。雌端子金具23は、電線28を圧着するバレル部29と、このバレル部29の前方に連なると共に雄端子金具22が挿入される角筒部30とを備えてなる。雌端子金具23はキャビティ27内に後方から挿入されて、キャビティ27内に突設されたランス31と係合することにより後方への抜け止めがなされている。さらに、端子収容部24の前端部には前方からリテーナ32が被着されることで、雌端子金具23の二重係止がなされている。
バレル部29の後方には防水ゴム栓33が電線28に嵌着されており、防水ゴム栓33の外周に形成された複数条のリップ34とキャビティ27の内周壁とが密着することにより、キャビティ27と防水ゴム栓33との間のシールがなされるようになっている。また、端子収容部24の外周壁には、前後方向の略中央付近に、ゴム製のシールリング35が嵌着されており、シールリング35の外周に形成された複数条のリップ34と、雄ハウジング11のフード部13の内周壁とが密着することで、端子収容部24とフード部13との間のシールがなされるようになっている。
外筒部25には、端子収容部24の上方に、前後方向に貫通すると共にレバー12を収容するためのレバー収容空間36が形成されている。レバー収容空間36は、外筒部25の上面壁を構成する底壁37と、底壁37の左右両側縁から立ち上がる側壁38と、左右両側壁38の上端同士を連結すると共に、レバー12が取付けられるレバー装着壁39と、底壁37、側壁38及びレバー装着壁39の前端同士を連結する前壁40とから構成される。上述したレバー装着壁39は、両ハウジング10,11が嵌合した状態において、カムピン14が形成されたフード部13の上面に対して、その外方(上方)に対向するように配されている。このレバー装着壁39は外方に撓み変形可能になっている。レバー装着壁39の内面からは、その後端寄りの位置に、下方に垂下して略円柱状をなす支軸41が形成されている。
レバー収容空間36の底壁37には、その前端縁から後方に向かって略矩形状に切り欠かれた切欠部42が形成されており、この切欠部42によってレバー収容空間36と嵌合空間26とは上下に連通するようになっている。切欠部42の後端部寄りの位置には、幅方向内方に突出する係止受け部43が形成されており、切欠部42と係止受け部43との間に形成された段差に、後述する回動規制部19が係合するようになっている。
レバー12は合成樹脂製であり、上方から見て略半円形状の略板状をなすレバー本体46と、このレバー本体46の後端部のうち、図9における左端側に、左方に少し張り出して形成された操作部47とを備えている。レバー12は全体として上下対称な形状となっている。レバー12は雌ハウジング10のレバー収容空間36内において、待受け位置と、嵌合位置との間で回動可能に取付けられている。ここで、待受け位置とは、レバー12の本体に形成されたカム溝48に、雄ハウジング11に形成されたカムピン14が進入するのを許容するレバー12の位置(図6及び図7参照)をいい、嵌合位置とは、両ハウジング10,11が正規嵌合した状態におけるレバー12の位置(図9参照)をいう。なお、以下の説明においては、レバー12の説明における前後左右の向きについては、レバー12が嵌合位置にある状態を基準とする(図9参照)。
レバー本体46の中心には、軸孔49が上下に貫通して形成されており、上述した支軸41が貫通するようになっている。また、レバー本体46における軸孔49の前方には、軸孔49を中心とする周方向及び径方向の双方に対して斜めをなすカム溝48が形成されている。レバー本体46における軸孔49よりも右方の位置には、レバー12を待受け位置に保持するための回動規制部19が形成されている。この回動規制部19は、前後方向に細長い形所をなし、その前端においてレバー本体46に対して後方へ片持ち状に延出する形態となっている。この回動規制部19は、その基端部(前端部)を支点として、上下方向に撓み変形可能になっている。回動規制部19の後端部は、レバー12が待受け位置にある場合に、上述した係止受け部43と係合するようになっている。また、レバー12が待受け位置にある場合、カム溝48の入口は、レバー12の支軸41の前方に配されるようになっている。
レバー本体46の後端部の左側には、前後方向に細長く延びて板状をなす撓みロック片50が形成されている。この撓みロック片50は、その前端から後方に延びる片持ち状をなしており、上下方向に撓み変形可能になっている。撓みロック片50の前後方向の略中央付近には、上下方向に突出するロック突起51が形成されている。撓みロック片50は、レバー12が嵌合位置にある状態で、上述のロック突起51と、レバー収容空間36内に左右対称に形成された一対の戻り規制部52のうち上方から見て左側の戻り規制部52Aとが係合することで、レバー12を嵌合位置に保持するようになっている(図9参照)。
レバー本体46の上下両面には、撓みロック片50の前端部が形成された領域に、他の部分よりも、レバー本体46の板厚方向の内方に引っ込んで段差が形成されており、この段差部分は、レバー12が待受け位置にある状態において、左側の戻り規制部52Aと係合することでレバー12を待受け位置に保持する保持用段差部53とされる(図6及び図7参照)。
レバー本体46の上下両面には、軸孔49からやや外方の位置からカム溝48の入口に向かって、レバー本体46の板厚方向の内方に引っ込んで、レバー12を雌ハウジング10に取付ける際に支軸41を逃がすための支軸逃げ溝54が形成されている。支軸逃げ溝54のうち軸孔49側の端部には、支軸41がレバー本体46を乗り越える動作を容易にするためのガイド面55が形成されている。また、レバー本体46の上下両面には、保持用段差部53のやや前方の位置から、前方に延びると共に、レバー本体46の板厚方向の内方に引っ込んで、レバー12を雌ハウジング10に取り付ける際に、戻り規制部52を逃がすための戻り規制部逃げ溝56が形成されている。戻り規制部逃げ溝56の後端縁には、左側の戻り規制部52Aがレバー本体46を乗り越える動作を容易にするためのガイド面55が形成されている。また、レバー12の後端部の右端縁には、レバー本体46の板厚方向の内方に引っ込んで凹部57が形成されており、この凹部57は、レバー12を雌ハウジング10に取付ける際に右側の戻り規制部52Bを逃がすようになっている。また、凹部57の側壁は、レバー12が嵌合位置にある状態において、右側の戻り規制部52Bと係合してレバー12を嵌合位置に保持するようになっている(図9参照)。
さて、雄ハウジング11に形成されたカムピン14の左右両側方には、前後方向(雄ハウジング11の嵌合方向)に延びる一対の係止部15が上方に突設されている。係止部15は、フード部13の上板の上側面から上方に突設された基部16と、この基部16の上端部から幅方向外方に延設された開き規制部17とからなり、全体として前方から見て鉤状をなしている。各係止部15の前端部には前下がり勾配のテーパ面18が形成されており、回動規制部19が係止部15に乗り上がる動作を容易に行えるようになっている。
また、レバー収容空間36の前壁40には前方に開口する開口部44が形成されており、この開口部44の下端は切欠されており、上述した切欠部42と連なって嵌合空間26と連通するようになっている。この開口部44の下端の左右両側縁には、幅方向内方に突出すると共に、両ハウジング10,11が嵌合した状態において雄ハウジング11に形成された係止部15の開き規制部17と下方から当接する受け部45が前後方向に延びて形成されている。この受け部45は、レバー装着壁39と、側壁38、底壁37及び前壁40を介して連続している。
続いて、両ハウジング10,11の嵌合操作の各進行状態における各部材相互の関係について説明する。まず、図6に示すように、両ハウジング10,11を嵌合させる前の状態においては、雌ハウジング10に装着されたレバー12は、回動規制部19が係止受け部43に係合すると共に、保持用段差部53が左側の戻り規制部52Aと係合することにより、待受け位置において回動不能に保持されている。この状態では、レバー12のカム溝48の入口が前方を向くようになっており、雄ハウジング11にカムピン14がカム溝48に進入するのを許容するようになっている。
次に、両ハウジング10,11が図7に示す位置に移動した状態においては、カムピン14がレバー12のカム溝48の入口に進入している。このとき係止部15は切欠部42内に進入しており、回動規制部19が係止部15のテーパ面18に乗り上げて上方に撓み変形している。これにより、回動規制部19と係止受け部43との係合が解除されることで、レバー12が待受け位置から図7における反時計回り方向に回動可能になっている。また、係止部15の開き規制部17の下方から受け部45が摺接することにより、レバー装着壁39が上方(カムピン14の軸方向)へ変位してカムピン14から離間することを規制するようになっている。また、係止部15の基部16のうち、左右方向の外側の側壁は、受け部45の内側縁と摺接して、両ハウジング10,11の嵌合を案内するようになっている。
続いて、レバー12が図8に示す位置に回動された状態においては、カムピン14がレバー12のカム溝48に誘導されて、カム溝48内を奥方に移動し、雌ハウジング10と雄ハウジング11とが互いに引き寄せられるように変位するようになっている。また、レバー12のロック突起51は、左側の戻り規制部52Aに乗り上げて、撓みロック片50は上方に撓み変形するようになっている。
さらに、レバー12が図9に示す位置に回動された状態においては、両ハウジング10,11は正規嵌合した状態にあり、この状態におけるレバー12の位置が嵌合位置とされる。このとき、レバー12の撓みロック片50のロック突起51は左側の戻り規制部52Aと係合することでレバー12が時計回りに回動することを防止すると共に、凹部57の側壁が右側の戻り規制部52Bと係合することでレバー12が反時計回りに回動することを防止するようになっている。また、係止部15の前端縁と、切欠部42の後端縁とが当接することにより両ハウジング10,11の前止まりがなされるようになっている。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。雌ハウジング10にレバー12を組付ける際には、レバー収容空間36のレバー装着壁39を外方に撓み変形させると共に、レバー12を待受け位置にあるときと同じ向き(姿勢)にして、後方からレバー収容空間36内に進入させる。このとき、左側の戻り規制部52A(図6参照)はレバー12の戻り規制部逃げ溝56内に進入すると共に、右側の戻り規制部52Bは、レバー12の凹部57内に進入し、また、支軸4138は、レバー12のカム溝48内に進入し、さらに支軸逃げ溝54内に進入する。このとき、戻り規制部逃げ溝56及び支軸逃げ溝54には、ガイド面55が形成されているから、左側の戻り規制部52A及び支軸41の乗り上げ動作が容易になっている。
さらにレバー12をレバー収容空間36の奥方に進入させると、支軸41は支軸逃げ溝54の後端縁に設けられたガイド面55に乗り上げ、軸孔49に嵌合する。このとき、左側の戻り規制部52Aは、戻り規制部逃げ溝56の後端縁に設けられたガイド面55に乗り上げた後、復帰変形して、保持用段差部53と後方から当接することで、レバー12が図6における反時計回り方向に回動するのを規制する。また、係止片は、受け部45に当接することにより、レバー12が図6における反時計回り方向に回動するのを規制する。これにより、レバー12は待受け位置において、正逆いずれの方向への回動も規制された状態に保持される。
この状態で、雄ハウジング11のフード部13を雌ハウジング10に浅く嵌合させると、図7に示すように、カムピン14がカム溝48の入口に進入する。このとき、係止部15の基部16の外側面と切欠部42の内側面とが摺接することで、両ハウジング10,11の嵌合が案内される。また、受け部45の上面が、係止部15の開き規制部17の下面と下方から摺接することで、受け部45と連なるレバー装着壁39が上方(カムピン14の軸方向)に撓み変形するのを防止することができる。また、係止部15に回動規制部19が乗り上げて上方に撓み変形することで、回動規制部19と係止受け部43との係合が解除され、レバー12が図7における反時計回り方向に回動可能になる。このとき、係止部15の前端部にはテーパ面18が形成されているから、回動規制部19が係止部15に乗り上げる動作が容易になっている。
この状態から、操作部47を押圧して、レバー12を支軸41を中心として反時計回り方向に回動させる。このとき、操作部47の後面に対して雌ハウジング10の斜め後方から親指の腹を宛がうと共に、雄ハウジング11の左右両指掛け部20の指掛け面21に対し雄ハウジング11の後方から人差し指と中指の腹を宛がい、操作部47と指掛け部20とを接近させるように(手を握るように)指に力を込めると、レバー12を嵌合方向へ回動させることができる。レバー12の回動が進行すると、カム溝48とカムピン14との係合によるカム作用により、両ハウジング10,11が嵌合する方向に互いに引き寄せられ、図8に示す位置に至る。このとき、両ハウジング10,11の嵌合抵抗により、カム溝48の内側壁38はカムピン14から強い力で押圧される。すると、この力を逃がそうとして、レバー12がカムピン14の軸方向に沿ってカムピン14から離間するように変位しようとする場合がある。このレバー12が取付けられたレバー装着壁39は、外方に撓み変形可能に形成されているから、レバー12と共に外方(カムピン14の軸方向)に撓み変形しやすくなっている。
そこで本実施形態においては、雄ハウジング11には係止部15を設けると共に、雌ハウジング10には、レバー装着壁39と連続する部位に受け部45を設け、係止部15の開き規制部17に受け部45が下方から当接する構成とした。これにより、レバー装着壁39が外方(カムピン14の軸方向)に撓み変形して、カムピン14から離間するように変位することを規制するようになっている。その結果、レバー装着壁39に取付けられたレバー12が、カムピン14の軸方向に沿ってカムピン14から離間するように変位することを間接的に規制できる。これにより、カム溝48に対するカムピン14の引っかかり代が減少することを防止できるから、レバー12の回動操作により両ハウジング10,11を互いに引き寄せる作用が低下することを防止できる。
さらに嵌合が進行して図9に示す状態になると、両ハウジング10,11の嵌合が完了する。この状態では、撓みロック片50が復帰変形して、左側の戻り規制部52Aと、撓みロック片50のロック突起51とが係合して、レバー12が図9における時計回り方向に回動するのを規制する。また、右側の戻り規制部52Bと、凹部57の側壁とが係合して、レバー12が反時計回り方向に回動するのを規制する。そして、係止部15の前端縁が切欠部42の後端縁と当接することで、両ハウジング10,11の前止まりがなされる。
このロック状態から両ハウジング10,11を離脱させる際には、撓みロック片50の後端部を下から指で押し上げて上方へ撓み変形させる。すると、ロック突起51が左側の戻り規制部52Aから解離し、嵌合位置にあるレバー12が待受け位置側への回動が共用されるようになる。このロック解除状態を保ったままで、操作部47を摘んでレバー12を時計回り方向に回動させる。すると、カムピン14がカム溝48に誘導されて、両ハウジング10,11が解離する方向に変位し、レバー12が待受け位置に達すると、両ハウジング10,11は図7に示す状態に至る。この状態から、両ハウジング10,11を互いに後方へ引っ張ることで両ハウジング10,11を離脱させることができる。
上記の説明では、レバー12は、待受け位置から嵌合位置に向かって反時計回り方向へ回動されると共に、嵌合位置では操作部47が左端側に位置する向きで雌ハウジング10に組付けられているが、本実施形態では、レバー12を上記とは左右反転したしせいで雌ハウジング10に組付けることもできる。レバー12が上記と左右反転した状態で組み付けられた場合には、待受け位置から嵌合位置に向かって時計回り方向へ回動されると共に、嵌合位置では、操作部47が右端側に位置する向きで雌ハウジング10に組付けられる。また、レバー12を雌ハウジング10に組付けた後、レバー12を待受け位置から嵌合位置にまで回動して両ハウジング10,11を嵌合させる手順は、上記とは左右対称となるので、説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態においては、雄ハウジング11の係止部15は、雌ハウジング10のレバー装着壁39と連続する部位に形成された受け部45と係止することで、レバー装着壁39が上方(カムピン14の軸方向)に変位し、カムピン14から離間するのを規制することができる。これにより、レバー12がカムピン14から離間するように変位するのを間接的に規制できるから、カムピン14とカム溝48との引っかかり代が減少することを抑制できる。
また、係止部15はフード部13の外側面から外方に突設される構成となっているから、全周に亘って連続した形状のフード部13に対しても係止部15を形成することができる。この結果、全周に亘って連続した形状のフード部13を備えた防水タイプのコネクタに対して本発明を適用できる。
さらに、フード部13にリブ状をなす受け部45が形成される構成となっているから、フード部13の補強を行うことができる。
そのうえ、雌ハウジング10と雄ハウジング11とを嵌合させることにより、係止部15が回動規制部19と当接して回動規制部19と係止受け部43との係合を解除できるようになっている。これにより、本来レバー装着壁39の変位を規制するための係止部15に、回動規制部19と係止受け部43との係合を解除する機能をも兼ねさせることができるから、回動規制部19と係止受け部43との係合を解除する構造を別途形成する場合に比べて、構造の簡素化を図ることができる。
なお、本実施形態において、雄ハウジング11に形成された指掛け部20を省略した場合、カムピン14は上方(軸方向)に突設された直立軸により形成されていることから上方へ型開きする金型により成形可能となっており、また、係止部15は嵌合方向に延びると共に前方から見て鉤状をなしていることから前方へ型開きする金型によって成形可能となっている。このように指掛け部20を省略した場合、雄ハウジング11は上方及び前方へ型開きする金型により成形可能となる。この結果、例えば雄ハウジング11の後面側が機器に直結する構成となっている場合など、後方への型抜き空間を形成することができないようなコネクタに対して適用する場合に有用となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態においては、係止部15はフード部13から外方へ突設すると共に、全体として鉤状に形成されてなる構成としたが、例えばレバー式コネクタが防水タイプでないなどフード部13が全周に亘って連続している必要がない場合には、係止部15は、フード部13の前端縁から嵌合方向後方に延設されるスリットとしてもよい。この場合、第1ハウジング側の受け部45は、例えばレバー装着壁39から内方へ突設すると共に全体として鉤状に形成するなど、スリット内に嵌入してフード部13と係合可能な構成とすればよい。
(2)本実施形態においては、係止部15は、基部16と、基部16の先端から幅方向外方に延設された開き規制部17とからなるものとしたが、これに限られず、開き規制部17は、基部16の先端から幅方向内方に延設される構成としてもよい。
(3)本実施形態においては、係止部15は、両ハウジング10,11が嵌合した時に回動規制部19と当接することで、回動規制部19と係止受け部43との係合を解除する構成としたが、これに限られず、回動規制部19と係止受け部43との係合を解除するための構造を別途形成してもよい。
(4)雄ハウジング11は、車両に搭載されるエンジン等に直接に設けられる構成としてもよく、また、ワイヤーハーネスを構成する電線28の端末に配設された雄端子金具22を収容する構成としてもよい。
(5)本実施形態においては、レバー12は板状をなしていたが、これに限られず、レバー12は、一対の側板の端部を、板状をなす操作部47により連結した略門形状をなすものとしてもよい。
(6)本実施形態においては、第1のコネクタハウジングは雌ハウジング10とし、第2のコネクタハウジングは雄ハウジング11としたが、これに限られず、第1のコネクタハウジングを雄ハウジング11とし、第2のコネクタハウジングを雌ハウジング10としてもよい。
10…雌ハウジング(第1のコネクタハウジング)
11…雄ハウジング(第2のコネクタハウジング)
12…レバー
13…フード部
14…カムピン
15…係止部
16…基部
17…開き規制部
19…回動規制部
39…レバー装着壁
43…係止受け部
45…受け部
48…カム溝
11…雄ハウジング(第2のコネクタハウジング)
12…レバー
13…フード部
14…カムピン
15…係止部
16…基部
17…開き規制部
19…回動規制部
39…レバー装着壁
43…係止受け部
45…受け部
48…カム溝
Claims (3)
- 互いに嵌合可能な第1及び第2のコネクタハウジングを備えてなり、
前記第1のコネクタハウジングには、両コネクタハウジングが嵌合した状態において前記第2のコネクタハウジングに形成されたカムピンが配された面とその外方において対向する位置にレバー装着壁が設けられており、
前記レバー装着壁には前記カムピンと係合するカム溝が形成されたレバーが回動可能に取付けられており、
前記レバーを前記カムピンと前記カム溝とが係合した状態で回動操作することにより、両コネクタハウジングが嵌合するようになっているレバー式コネクタであって、
前記カムピンの側方には、前記第2のコネクタハウジングの嵌合方向に沿って係止部が形成されており、
前記係止部は、前記レバーを回動操作する際に、前記レバー装着壁と連続する部位に形成された受け部と係止することで、前記レバー装着壁が前記カムピンの軸方向に沿って前記カムピンから離間するように変位するのを規制可能となっていることを特徴とするレバー式コネクタ。 - 前記第2のコネクタハウジングは、嵌合方向前方に開口すると共に前記第1のコネクタハウジングが嵌入するフード部を備えており、
前記係止部は、前記フード部の外側面から外方に突設される基部と、前記基部の先端に形成されて前記受け部と係合する開き規制部とからなり、全体として鉤状をなすと共に一体に突出するリブ状をなしていることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。 - 前記レバーは、前記第1のコネクタハウジングに対して、前記カムピンを前記カム溝に進入させる待受け位置と、両コネクタハウジングを正規嵌合させる嵌合位置との間で変位可能に取付けられており、
前記レバーには、前記レバーが前記待受け位置にある状態で前記第1のコネクタハウジングに形成された係止受け部と係合することで、前記レバーが前記嵌合位置に変位することを防止する回動規制部が形成されており、
前記係止部は、前記レバーが前記待受け位置にある状態で両コネクタハウジングを嵌合させたときに、前記回動規制部と当接して前記回動規制部を解除方向に変形させることで前記回動規制部と前記係止受け部との係合を解除可能となっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレバー式コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005229862A JP2007048520A (ja) | 2005-08-08 | 2005-08-08 | レバー式コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005229862A JP2007048520A (ja) | 2005-08-08 | 2005-08-08 | レバー式コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007048520A true JP2007048520A (ja) | 2007-02-22 |
Family
ID=37851192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005229862A Pending JP2007048520A (ja) | 2005-08-08 | 2005-08-08 | レバー式コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007048520A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017107757A (ja) * | 2015-12-10 | 2017-06-15 | 日立金属株式会社 | コネクタ |
KR101824305B1 (ko) | 2014-09-01 | 2018-01-31 | 스미토모 덴소 가부시키가이샤 | 레버식 커넥터 |
-
2005
- 2005-08-08 JP JP2005229862A patent/JP2007048520A/ja active Pending
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