JP2007048506A - 燃料電池システム - Google Patents

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伸之 北村
Yoshihiro Iso
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Abstract

【課題】 燃料電池内の凍結部位を効率よく加熱する。
【解決手段】 燃料電池スタック10の交流インピーダンスを解析することによって、燃料電池スタック10内の凍結部位を特定する。そして、この凍結部位を抵抗損失によって効率よく加熱可能な交流電圧の周波数を決定し、その周波数の交流電圧を燃料電池スタック10に印加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、詳しくは、燃料電池内に発生した氷を効率よく融解することが可能な燃料電池システムに関するものである。
従来、水素と酸素との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池には、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に触媒層を含むアノード(水素極)、および、カソード(酸素極)を配置した膜電極接合体を用意し、この膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持したタイプのものがある。
燃料電池のカソードでは、カソード反応によって、水が生成される。また、電解質膜として固体高分子膜を用いる場合には、プロトン伝導性を適正に維持するために、電解質膜が加湿される。このような燃料電池を氷点下環境で起動させる場合、燃料電池内に残留していた水が凍結し、水素や酸素の拡散が妨げられ、発電することができない場合がある。また、起動後に生成された生成水が凍結して、発電することができなくなる場合もある。
上述した不具合を解決するために、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献には、燃料電池に交流電圧を印加し、燃料電池内部の氷、または、高分子膜(電解質膜)の少なくとも一方を誘電損失によって加熱することによって、燃料電池内部の氷を融解させる技術が記載されている。
特開2004−127758号公報
しかし、燃料電池内における凍結は、高分子膜付近以外の部位においても生じる。上記特許文献に記載された技術では、高分子膜付近における凍結は効率よく解凍することができるが、燃料電池内の他の部位、例えば、ガスや冷却水の流路を形成するセパレータにおける凍結については考慮されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池システムにおいて、燃料電池内の凍結部位を効率よく加熱することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下の構成を採用した。
本発明の第1の燃料電池システムは、
電解質膜の両面に触媒層を含むアノード、および、カソードを配置した膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持した燃料電池と、
該燃料電池内における凍結部位を特定する特定部と、
該特定された凍結部位に応じて、該凍結部位を抵抗損失によって加熱するような交流電圧の周波数を決定する決定部と、
該決定された周波数の交流電圧を、前記燃料電池に印加する交流電圧印加部と、
を備えることを要旨とする。
こうすることによって、燃料電池内の凍結部位を効率よく加熱することができる。
上記燃料電池システムにおいて、特定部は、燃料電池の各部の温度を直接測定する等、種々の方法で凍結部位を特定することが可能であるが、
前記特定部は、
前記燃料電池の交流インピーダンスを測定する測定部と、
前記測定結果を解析する解析部と、を備え
前記解析結果に基づいて、前記凍結部位を特定するようにしてもよい。
例えば、上記燃料電池システムにおいて、
前記交流インピーダンスは、前記カソードにおける反応抵抗を含み、
前記特定部は、前記反応抵抗が第1の所定値よりも大きいときに、前記凍結部位は、前記カソードの前記触媒層近傍であると判断するようにしてもよい。
燃料電池のカソードの触媒層近傍において水分の凍結が生じると、カソードにおける反応抵抗が増大する。したがって、本発明によって、燃料電池のカソードの触媒層近傍における水分の凍結を検出することができる。
また、前記交流インピーダンスは、前記カソードにおけるガス拡散抵抗を含み、
前記特定部は、前記ガス拡散抵抗が第2の所定値よりも大きいときに、前記凍結部位は、前記セパレータ近傍であると判断するようにしてもよい。
セパレータ近傍において水分の凍結が生じると、カソードにおけるガス拡散抵抗が増大する。したがって、本発明によって、燃料電池のセパレータ近傍における水分の凍結を検出することができる。
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記特定部によって、前記凍結部位が前記触媒層近傍であると判断されたときに、
前記決定部は、前記交流電圧印加部によって前記燃料電池に印加する交流電圧の周波数を、前記燃料電池の等価回路における前記カソードにおける反応抵抗と、該反応抵抗と並列して存在する電気二重層容量との積の逆数よりも低い周波数とするようにしてもよい。
こうすることによって、触媒層近傍における発熱比を増大させ、触媒層近傍を効率よく加熱することができる。
また、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記特定部によって、前記凍結部位が前記セパレータ近傍であると判断されたときに、
前記決定部は、前記交流電圧印加部によって前記燃料電池に印加する交流電圧の周波数を、前記燃料電池の等価回路における前記カソードにおける反応抵抗と、該反応抵抗と並列して存在する電気二重層容量との積の逆数よりも高い周波数とするようにしてもよい。
こうすることによって、セパレータ近傍における発熱比を増大させ、セパレータ近傍を効率よく加熱することができる。
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料電池システム内の温度を検出する温度センサを備え、
前記特定部は、前記検出された温度が氷点下であるときに、前記凍結部位の特定を行うようにしてもよい。
こうすることによって、特定部は、燃料電池システム内の温度が氷点下でないときには、凍結部位の特定を行わないので、処理を簡略化することができる。なお、「燃料電池システム内の温度」とは、燃料電池システム内の環境温度と、燃料電池の温度との両方を含み得る。
本発明の第2の燃料電池システムは、
電解質膜の両面に触媒層を含むアノード、および、カソードを配置した膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持した燃料電池と、
該燃料電池内における凍結部位を特定する特定部と、
該特定された凍結部位に応じて、該凍結部位を抵抗損失によって加熱するような負荷電流の周波数を決定する決定部と、
該決定された周波数の負荷電流を、前記燃料電池に印加する負荷電流制御部と、
を備えることを要旨とする。
こうすることによっても、上述した本発明の第1の燃料電池システムと同様に、燃料電池内の凍結部位を効率よく加熱することができる。なお、本発明の内2の燃料電池システムにおいても、本発明の第1の燃料電池システムと同様にして、凍結部位を特定したり、負荷電流の周波数を決定したりすることができる。
本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略したり、適宜、組み合わせたりして構成することができる。本発明は、上述の燃料電池システムとしての構成の他、燃料電池システムの制御方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、燃料電池システムの動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.燃料電池システムの構成:
B.凍結部位の特定:
C.交流電圧の周波数の決定:
D.運転制御:
E.変形例:
A.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。この燃料電池システム100は、燃料電池スタック10と、負荷制御装置20とを備えている。また、燃料電池システム100は、燃料電池システム100内の環境温度を検出するための温度センサ30(以下、環境温度センサ30と呼ぶ)と、燃料電池スタック10の温度を検出するための温度センサ32(以下、電池温度センサ32と呼ぶ)とを備えている。この燃料電池システム100は、後述するように、燃料電池スタック10内において凍結が生じたときに、凍結部位を特定し、その凍結部位を効率よく加熱することが可能なシステムである。なお、燃料電池スタック10に供給されるガス配管等の図示、および、説明は省略する。
燃料電池スタック10は、水素と酸素との電気化学反応によって発電するセルを複数積層させた積層体である。各セルは、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、触媒層を含むアノード、および、カソードを形成した膜電極接合体の両面を、セパレータによって挟持したものである(図示省略)。本実施例では、電解質膜として固体高分子膜を適用するものとした。発電中、燃料電池スタック10のカソードでは、カソード反応によって、水が生成される。また、固体高分子膜は、プロトン伝導性を適正に維持するために加湿される。これらの水分が燃料電池スタック10内に残留している場合、氷点下で凍結する。なお、本実施例では、電解質膜として固体高分子膜を用いるものとしたが、これに限られず、種々のタイプのものを適用可能である。
負荷制御装置20は、交流インピーダンス測定部22と、制御部24と、交流電圧印加部26とを備えており、燃料電池スタック10の両端のセルに結線されている。
交流インピーダンス測定部22は、電流計や、電圧計等を備えており、制御部24からの指示に従って、燃料電池スタック10の交流インピーダンスを測定する。
制御部24は、後述するように、燃料電池システム100内の環境温度が氷点下であるときに、交流インピーダンス測定部22によって測定された交流インピーダンスを解析し、その解析結果に基づいて、燃料電池スタック10内における凍結部位を特定する。本実施例では、後述するように、燃料電池スタック10の触媒層近傍の凍結と、セパレータ近傍の凍結とを検出することができる。制御部24は、凍結部位を特定した後、抵抗損失によって凍結部位を効率よく加熱するために適した交流電圧の周波数を決定し、交流電圧印加部26を制御する。交流インピーダンス測定部22、および、制御部24は、本発明における特定部に相当する。また、制御部24は、本発明における決定部にも相当する。
交流電圧印加部26は、周波数可変の交流電圧発生回路等を備え、制御部24によって決定された周波数の交流電圧を、燃料電池スタック10に印加し、燃料電池スタック10内の所定の部位を抵抗損失によって加熱する。
B.凍結部位の特定:
ここで、燃料電池スタック10の凍結部位の特定方法について説明する。
図2は、燃料電池スタック10の等価回路を示す説明図である。図示するように、燃料電池スタック10は、セパレータのバルク抵抗や固体高分子膜の導電抵抗等を含む抵抗Rbと、電池起電力Eと、カソードにおける反応抵抗R1と、電気二重層容量C1と、カソードにおけるガス拡散抵抗R2と、電気二重層容量C2とを備えている。なお、アノードにおける反応抵抗や、ガス拡散抵抗や、電気二重層容量は、カソードと比較して十分に小さいので、省略するものとした。
燃料電池スタック10内部で凍結が生じたときには、凍結部位によって、反応抵抗R1や、ガス拡散抵抗R2が大きく変化する。具体的には、カソードの触媒層近傍において凍結が生じると、反応抵抗R1が増大する。また、セパレータ近傍において凍結が生じると、ガス拡散抵抗R2が増大する。本実施例の燃料電池システム100では、交流インピーダンス測定部22によって、燃料電池スタック10の交流インピーダンスを測定し、制御部24によって、解析することによって、各パラメータ値を算出する。そして、制御部24は、反応抵抗R1が第1の所定値よりも大きいときに、凍結部位がカソードの触媒層近傍であると判断し、ガス拡散抵抗R2が第2の所定値よりも大きいときに、凍結部位がセパレータ近傍であると判断する。なお、第1の所定値、および、第2の所定値は、予め、例えば、実験によって求められ、設定されている。
C.交流電圧の周波数の決定:
次に、燃料電池スタック10において凍結が生じているときに、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数の決定方法について説明する。図2に示した等価回路を有する燃料電池スタック10に、周波数ω(rad/s)の交流電圧を印加したとき、燃料電池スタック10内の各部は、抵抗損失によって発熱する。そして、抵抗Rbにおける発熱量Pbと、反応抵抗R1および電気二重層容量C1における発熱量P1と、ガス拡散抵抗R2および電気二重層容量C2における発熱量P2との比は、次式(1)によって表される。
Pb:P1:P2=Rb:Z1:Z2 ...(1)
ここで、
Z1=R1/(1+(C1・R1・ω)−1/2 ...(2)
Z2=R2/(1+(C2・R2・ω)−1/2 ...(3)
そして、これらPb、P1、P2の比(発熱比)の周波数依存性は、図3に示す通りである。
図3は、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数ωと、燃料電池スタック10内の各部位の発熱比との関係を示す説明図である。Pbの発熱比を実線で示し、P1の発熱比を一点鎖線で示し、P2の発熱比を二点鎖線で示した。なお、図3において、横軸は対数で表されている。
図から分かるように、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数ωを1/(C1・R1)よりも高くすると、P1の発熱比が大きく低下する。また、交流電圧の周波数ωを1/(C2・R2)よりも高くすると、P2の発熱比が大きく低下する。そして、これに伴って、Pbの発熱比が相対的に増大する。したがって、燃料電池スタック10のカソードの触媒層近傍で凍結が生じていると判断された場合には、触媒層近傍の発熱比が高くなるように、すなわち、P1、および、P2の発熱比が高くなるように、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数ωを1/(C1・R1)よりも低く設定する。また、セパレータ近傍で凍結が生じていると判断された場合には、セパレータの発熱比が高くなるように、すなわち、Pbの発熱比が高くなるように、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数ωを1/(C1・R1)よりも高く設定する。本実施例では、燃料電池スタック10のカソードの触媒層近傍で凍結が生じていると判断された場合には、交流電圧の周波数ωを0.1/(C1・R1)に設定し、セパレータ近傍で凍結が生じていると判断された場合には、交流電圧の周波数ωを10/(C1・R1)に設定するものとした。
D.運転制御:
図4は、燃料電池システム100の運転制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、燃料電池システム100の起動時に負荷制御装置20の制御部24が実行する処理である。
まず、制御部24は、環境温度センサ30によって燃料電池システム100内の環境温度を取得し、発電による生成水が凍結する環境温度であるか否かを判断する(ステップS)。生成水が凍結する環境温度でない場合には(ステップS100:NO)、燃料電池スタック10を加熱する必要はないと判断し、制御部24は、燃料電池スタック10に直流負荷をかけて、通常運転を行う。
一方、生成水が凍結する環境温度である場合には(ステップS100:YES)、制御部24は、交流インピーダンス測定部22によって、燃料電池スタック10の交流インピーダンスを測定し(ステップS110)、解析し(ステップS120)、反応抵抗R1、および、ガス拡散抵抗R2の値を算出する。そして、制御部24は、先に説明したように、反応抵抗R1、および、ガス拡散抵抗R2の値に基づいて、凍結部位を特定する(ステップS130)。
次に、制御部24は、ステップS130において特定された凍結部位に応じて、先に説明したように、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数を決定する(ステップS140)。そして、制御部24は、交流電圧印加部26を制御して、ステップS140で設定した周波数の交流電圧を、燃料電池スタック10に印加する(ステップS150)。
そして、制御部24は、電池温度センサ32によって燃料電池スタック10の温度を取得し、生成水が凍結する電池温度であるか否かを判断する(ステップS160)。生成水が凍結する電池温度である場合には(ステップS160:YES)、燃料電池スタック10をさらに加熱するため、交流電圧の印加を継続する。一方、生成水が凍結する電池温度でなくなった場合には(ステップS160:NO)、燃料電池スタック10の負荷変動、すなわち、燃料電池スタック10への交流電圧の印加を停止し、直流負荷に切り換え(ステップS170)、通常運転を行う。
以上説明した本実施例の燃料電池システム100によれば、燃料電池スタック10内の凍結部位を特定し、その凍結部位を効率よく加熱することができる。
E.変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
E1.変形例1:
上記実施例では、燃料電池スタック10の交流インピーダンスを解析することによって、燃料電池スタック10内の凍結部位を特定するものとしたが、これに限られない。例えば、燃料電池スタック10内の各部の温度を直接測定するなど、他の方法によって特定するものとしてもよい。
E2.変形例2:
上記実施例では、凍結部位を特定した後、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数を演算によって決定するものとしたが、これに限られない。例えば、凍結部位と燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数ωとの関係を記したテーブルを予め用意しておき、このテーブルを参照して、交流電圧の周波数ωを決定するようにしてもよい。
E3.変形例3:
上記実施例では、発電によって水が生成されるカソード側についてのみ、交流インピーダンスを解析するものとしたが、アノード側についても解析するようにしてもよい。
E4.変形例4:
上記実施例では、凍結部位に応じて、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数ωを、ω=0.1/(C1・R1)、または、ω=10/(C1・R1)のいずれかの2段階に設定するものとしたが、これに限られず、さらに多段階に設定するものとしてもよい。
E5.変形例5:
上記実施例では、図4に示した運転制御のステップS160において、燃料電池スタック10の温度が、まだ生成水が凍結する温度である場合、ステップS140において設定した周波数の交流電圧を継続して印加するものとしたが、これに限れない。例えば、ステップS140において設定した周波数の交流電圧を所定時間継続して印加した後に、再度、ステップS110〜S140の処理を行い、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数を再設定するようにしてもよい。
E6.変形例6:
上記実施例では、凍結部位に応じて、燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数を変動させるものとしたが、負荷電流の周波数を変動させるものとしてもよい。すなわち、図4に示した燃料電池システム100の運転制御において、制御部24が、ステップS150で、ステップS140で設定した周波数の交流電圧を燃料電池スタック10に印加する代わりに、上記周波数の負荷電流を印加するようにする。こうすることによっても、上記実施例と同様に、燃料電池スタック10内の凍結部位を特定し、その凍結部位を効率よく加熱することができる。
本発明の一実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。 燃料電池スタック10の等価回路を示す説明図である。 燃料電池スタック10に印加する交流電圧の周波数と燃料電池スタック10内の各部位の発熱比との関係を示す説明図である。 燃料電池システム100の運転制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10...燃料電池スタック
20...負荷制御装置
22...交流インピーダンス測定部
24...制御部
26...交流電圧印加部
30...環境温度センサ
32...電池温度センサ
100...燃料電池システム

Claims (10)

  1. 燃料電池システムであって、
    電解質膜の両面に触媒層を含むアノード、および、カソードを配置した膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持した燃料電池と、
    該燃料電池内における凍結部位を特定する特定部と、
    該特定された凍結部位に応じて、該凍結部位を抵抗損失によって加熱するような交流電圧の周波数を決定する決定部と、
    該決定された周波数の交流電圧を、前記燃料電池に印加する交流電圧印加部と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記特定部は、
    前記燃料電池の交流インピーダンスを測定する測定部と、
    前記測定結果を解析する解析部と、を備え、
    前記解析結果に基づいて、前記凍結部位を特定する、
    燃料電池システム。
  3. 請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記交流インピーダンスは、前記カソードにおける反応抵抗を含み、
    前記特定部は、前記反応抵抗が第1の所定値よりも大きいときに、前記凍結部位は、前記カソードの前記触媒層近傍であると判断する、
    燃料電池システム。
  4. 請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記交流インピーダンスは、前記カソードにおけるガス拡散抵抗を含み、
    前記特定部は、前記ガス拡散抵抗が第2の所定値よりも大きいときに、前記凍結部位は、前記セパレータ近傍であると判断する、
    燃料電池システム。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記特定部によって、前記凍結部位が前記触媒層近傍であると判断されたときに、
    前記決定部は、前記交流電圧印加部によって前記燃料電池に印加する交流電圧の周波数を、前記燃料電池の等価回路における前記カソードにおける反応抵抗と、該反応抵抗と並列して存在する電気二重層容量との積の逆数よりも低い周波数とする、
    燃料電池システム。
  6. 請求項1,2,4のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記特定部によって、前記凍結部位が前記セパレータ近傍であると判断されたときに、
    前記決定部は、前記交流電圧印加部によって前記燃料電池に印加する交流電圧の周波数を、前記燃料電池の等価回路における前記カソードにおける反応抵抗と、該反応抵抗と並列して存在する電気二重層容量との積の逆数よりも高い周波数とする、
    燃料電池システム。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記燃料電池システム内の温度を検出する温度センサを備え、
    前記特定部は、前記検出された温度が氷点下であるときに、前記凍結部位の特定を行う、
    燃料電池システム。
  8. 燃料電池システムであって、
    電解質膜の両面に触媒層を含むアノード、および、カソードを配置した膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持した燃料電池と、
    該燃料電池内における凍結部位を特定する特定部と、
    該特定された凍結部位に応じて、該凍結部位を抵抗損失によって加熱するような負荷電流の周波数を決定する決定部と、
    該決定された周波数の負荷電流を、前記燃料電池に印加する負荷電流制御部と、
    を備える燃料電池システム。
  9. 電解質膜の両面に触媒層を含むアノード、および、カソードを配置した膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持した燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池内における凍結部位を特定する工程と、
    該特定された凍結部位に応じて、該凍結部位を抵抗損失によって加熱するような交流電圧の周波数を決定する工程と、
    該決定された周波数の交流電圧を、前記燃料電池に印加する工程と、
    を備える制御方法。
  10. 電解質膜の両面に触媒層を含むアノード、および、カソードを配置した膜電極接合体の両面をセパレータによって挟持した燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    該燃料電池内における凍結部位を特定する特定部と、
    該特定された凍結部位に応じて、該凍結部位を抵抗損失によって加熱するような負荷電流の周波数を決定する工程と、
    該決定された周波数の負荷電流を、前記燃料電池に印加する工程と、
    を備える制御方法。
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