JP2007042477A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックの状態を精度よく把握し、燃料電池スタックの劣化を抑えて燃料電池スタックの発電を安定的に継続させる。
【解決手段】起動時、コントローラ15が、拡散分極の大きさに基づいて、燃料電池スタック2内に残存している水や氷の量を把握し、燃料電池スタック2の運転モードを決定する。これにより、燃料電池スタック2の状態を精度よく決定し、燃料電池スタック2の劣化を抑えて燃料電池スタック2の発電を安定的に継続させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタックを有する燃料電池システムに関する。
一般に、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタックを有する燃料電池システムを氷点下環境において起動する場合、各燃料電池が0[V]以上の電圧を保持したまま発電を継続できる時間は、各燃料電池の触媒層,ガス拡散層中における水や氷の存在量によって異なる。すなわち、触媒層,ガス拡散層中に水や氷が多く存在している燃料電池では、発電により生成された水が触媒層,ガス拡散層中で凍結し、触媒層,ガス拡散層が短時間のうちに氷で覆い尽くされてしまうために、反応ガスが触媒層に供給されなくなり、発電を継続できる時間は短くなる。一方、触媒層,ガス拡散層中に水や氷が存在していない燃料電池では、発電により生成された水によって触媒層,ガス拡散層が氷で覆い尽くされるまでの時間が長くなるので、発電を継続できる時間は長くなる。
そして、燃料電池の出力電圧が0[V]以下になり、燃料電池が発電を継続できなくなった場合には、燃料電池は抵抗体となると共に、カソード側では水が発生する代わりに水素が発生するようになるために、カソード側で酸素と水素が反応して過酸化水素が生成され、過酸化水素によって電解質膜の破壊やカーボンの腐蝕等の燃料電池の劣化が生じる。また、燃料電池スタックを構成する大半の燃料電池の出力電圧が0[V]以下になると、燃料電池スタック全体の出力電圧が0[V]以下となり、燃料電池スタック全体として発電を継続することができなくなる。
このような背景から従来の燃料電池システムは、氷点下環境において起動する場合、燃料電池スタックの内部温度に基づいて発電開始前の燃料電池スタックの内部状態を把握し、燃料電池スタックの内部状態に応じて燃料電池スタックの加熱量を算出し、算出された加熱量に従って燃料電池スタックを加熱することにより燃料電池スタック内部で水が凍結することを抑制するようにしている(特許文献1を参照)。
特開2003−36874号公報
しかしながら、燃料電池スタックの内部状態は、上述の通り、燃料電池スタック内部の特に触媒層やガス拡散層中における水や氷の残存度合いによって大きく異なるので、温度のみに基づいて燃料電池スタックの内部状態を把握する従来の方法によれば、燃料電池スタックの内部状態を精度よく決定することはできない。このため、従来の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックが発電を継続可能な内部状態でないのにも係わらず発電を開始することにより、燃料電池スタックが劣化することがあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料電池スタックの状態を精度よく把握し、燃料電池スタックの劣化を抑えて燃料電池スタックの発電を安定的に継続させることが可能な燃料電池システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、所定の出力電流値に対する燃料電池スタックの出力電圧値を計測電圧値として算出し、計測電圧値とターフェル式から算出される所定の出力電流値に対する予想電圧値との差(いわゆる拡散分極)に基づいて、電流電圧曲線を予測して燃料電池スタックの運転モードを決定し、決定した運転モードで燃料電池スタックを動作させる。
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック内に残存している水や氷の量に基づいて燃料電池スタックの状態を判断するので、燃料電池スタックの状態を精度よく把握し、燃料電池スタックの劣化を抑えて燃料電池スタックの発電を安定的に継続させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施形態となる燃料電池システムの構成と動作について説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムは、自動車等の車両の駆動動力源として使用され、図1に示すように、アノード及びカソードにそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスとしての水素及び空気の供給を受けて発電する燃料電池1が複数積層された燃料電池スタック2を備える。なお、燃料電池スタック2の端部はエンドプレート3により挟持され、エンドプレート3を介して燃料電池1の発電電力を取り出すことができる。そして、エンドプレート3を介して取り出された発電電力はインバータ4によってDC変換された後に負荷量が変更可能な負荷5に供給される。また、アノード及びカソードにおける電気化学反応及び燃料電池スタック2全体としての電気化学反応は以下に示す式(1)〜(3)による。
〔アノード〕 H2 → 2H+ +2e- …(1)
〔カソード〕 1/2 O2 +2H+ +2e- → H2O …(2)
〔全体〕 H2 +1/2 O2 → H2O …(3)
〔水素系の構成〕
上記燃料電池システムは、水素ボンベ6,加湿器7,及び圧力制御弁8を備え、水素ボンベ6から供給された水素は、圧力制御弁8によって燃料電池スタック2の運転状態に適した圧力に調整されて加湿器7により加湿された後、燃料電池スタック2のアノードに供給される。
〔空気系の構成〕
上記燃料電池システムは、コンプレッサ9,加湿器10,及び圧力制御弁11を備え、コンプレッサ9から圧送された空気は、圧力制御弁11によって燃料電池スタック2の運転状態に適した圧力に調整されて加湿器10により加湿された後、燃料電池スタック2のカソードに供給される。
〔制御系の構成〕
上記燃料電池システムは、燃料電池スタック2の出力電圧を検出する電圧計12と、燃料電池スタック2の出力電流を検出する電流計13と、燃料電池スタック2の内部温度を検出する熱電対等の温度計14と、燃料電池システム全体の動作を制御するコントローラ15とを備える。なお、この実施形態では、コントローラ15は、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサにより構成され、CPUがプログラムROM内に記憶された制御プログラムを実行することにより各種機能を実現する。
〔燃料電池の構成〕
上記燃料電池1は、図2に示すように、固体高分子型電解質膜等の電解質膜21をアノード22とカソード23により挟持した構成を有し、アノード22及びカソード23は、カーボン担持白金触媒とナフィオン溶液を混合したペーストを電解質膜21に塗布することにより形成された触媒層24と、カーボンペーパで構成されるガス拡散層(GDL)26と、カーボンブラックとPTFE溶液を混合したペーストをガス拡散層26に塗布することにより形成されたマイクロ層25とを有する。また、各燃料電池1は反応ガスの供給流路となる溝が形成されたカーボングラファイト製のセパレータ27によって互いに仕切られている。
そして、このような構成を有する燃料電池システムでは、起動時、コントローラ15が以下に示す起動処理を実行することにより、燃料電池スタック2の状態を精度よく決定し、燃料電池スタック2の劣化を抑えて燃料電池スタック2の発電を安定的に継続させる。以下、図3に示すフローチャートを参照して、この起動処理を実行する際のコントローラ15の動作について説明する。
[起動処理]
図3に示すフローチャートは、コントローラ15に起動指示が入力されるのに応じて開始となり、起動処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、コントローラ15が、温度計14を利用して燃料電池スタック2の内部温度を検出し、検出された内部温度が氷点温度以下であるか否かを判別する。なお、コントローラ15は、燃料電池スタック2の内部温度の代わりに燃料電池システムの外部温度を検出するようにしても良い。また、コントローラ15は、燃料電池スタック2の内部温度が負荷電流を取り出した際に水や氷の拡散分極によって電圧が低下する現象が起こりやすい温度(例えば20[℃])以下であるか否かを判別したり、触媒層24中や電解質膜21中における水の凝固点降下を考慮して燃料電池スタック2の内部温度が氷点よりやや低い温度(例えば−5[℃])であるか否かを判別するようにしてもよい。なお、上述の拡散分極の詳細については後述する。
そして、判別の結果、検出された内部温度が氷点温度以下でない場合、コントローラ15は、燃料電池スタック2の内部で水が凍結する可能性はないと判断し、ステップS2の処理として燃料電池スタック2から通常の負荷電流を取り出すようにシステムを制御した後、一連の起動処理を終了する。一方、検出された温度が氷点温度以下である場合には、コントローラ15は、燃料電池スタック2の内部で水が凍結する可能性があると判断し、起動処理をステップS3の処理に進める。
ステップS3の処理では、コントローラ15が、燃料電池スタック2に接続されている負荷5を出力電流が微少電流(例えば1〜50[mA/cm]程度)になる負荷に変更し、電圧計12と電流計13を利用して燃料電池スタック2の出力電圧と出力電流を計測することにより拡散分極の大きさを算出する。具体的には、一般に、燃料電池スタック2の出力電圧及び出力電流に基づいて求められる出力電流の対数値(Logi)と出力電圧(V)の関係は図4(b)に示す実線の曲線のようになる。
そして、この曲線に対して下記数式1により示されるターフェル式(バトラー・フォルマー式)から求められる傾きbのる接線を引いた時、接線と曲線の乖離度合い(電圧差)は酸素の触媒層への到達度合いに相当することが知られている。なお、本明細書中では、上記接線と曲線が乖離する現象を拡散分極と定義する。
従って、ある電流密度(例えば2[mA/cm])における接線と曲線の乖離度合いが大きい場合、触媒層中やガス拡散層中に氷が存在し、触媒層への反応ガスの供給が妨げられることにより、燃料電池スタック2の発電性能が低下していると判断することができる。具体的には、図5に示すように、曲線L1と直線の乖離度合いΔL1が曲線L2と直線の乖離度合いΔL2より大きい場合、曲線L2の特性を示す時の燃料電池スタック2の方が曲線L1の特性を示す時の燃料電池スタック2よりも発電性能が低下していると判断することができる。なお、拡散分極の大きさを求める際には、発電により生成される水の量を少なくするために出力電流は微少にすることが望ましく、またこれにより、多くの電力を浪費せずに出力電流の対数値(Logi)と出力電圧(V)の関係を計測することができる。
そこで、コントローラ15は、燃料電池スタック2に水素と空気を供給し、微小な電流(例えば1〜50[mA/cm]程度)が流れる程度の電流範囲で燃料電池スタック2の出力電圧と出力電流の関係を計測し、Logi−V曲線をプロットする。そして、コントローラ15は、プロットされた曲線に対して以下の数式1により求まる傾きb(の接線を引き、ある電流密度(例えば2[mA/cm])における拡散分極の大きさを算出する。なお、下記数式1中のパラメータR,T,α,z,Fはそれぞれ、ガス定数,燃料電池温度[K],通過係数,反応の価数,ファラデー定数を示す。
Figure 2007042477
なお、拡散分極の大きさを算出する際には、Logi−V曲線を定義するために出力電圧と出力電流のデータが少なくとも2組、又は出力電圧と出力電流のデータが1組と燃料電池スタック2の内部温度のデータが必要になり、また、拡散分極の大きさを求めるためには出力電圧と出力電流のデータが1組必要となる。また、この実施形態では、ある電流密度における直線と曲線の乖離度合いを拡散分極の大きさとして算出したが、ある電圧における電流密度の乖離度合いを拡散分極の大きさとして算出してもよい。これにより、ステップS3の処理は完了し、起動処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、コントローラ15が、ステップS3の処理により算出された拡散分極の大きさに応じて燃料電池スタック2から取り出す電流(負荷電流)を制御する。具体的には、拡散分極の大きさが小さい場合、触媒層24への反応ガスの供給量が十分であることから、コントローラ15は、燃料電池スタック2を安定的に発電させることができると判断し、通常発電時に近い負荷電流を取り出すように燃料電池スタック2を制御する。一方、拡散分極の大きさが大きい場合には、反応ガスの触媒層24への供給が不十分であることから、コントローラ15は、燃料電池スタック2の発電性能が低下していると判断し、燃料電池スタック2から取り出す電流量を小さく制限する。これにより、ステップS4の処理は完了し、一連の起動処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムによれば、起動時、コントローラ15が、拡散分極の大きさに基づいて、燃料電池スタック2内に残存している水や氷の量を把握し、燃料電池スタック2の運転モードを決定するので、燃料電池スタック2の状態を精度よく決定し、燃料電池スタック2の劣化を抑えて燃料電池スタック2の発電を安定的に継続させることができる。
また、本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムによれば、拡散分極の大きさが所定値以上である場合、コントローラ15が、燃料電池スタック2から取り出す電流値の大きさを通常運転時よりも小さくするので、燃料電池スタック2の出力電圧が低下することを抑制し、発電継続時間を長くすることができる。またこの結果、発電を継続している間に発電で生じた熱により燃料電池スタック2が加熱され、燃料電池スタック2の内部温度を氷点温度以上にすることができるので、燃料電池スタック2が劣化したり、発電不能になることを抑制できる。
なお、上記実施形態では、燃料電池スタック2全体の出力電圧を計測したが、図6に示すようにエンドプレート3に近い側の燃料電池1に可変抵抗16を抵抗し、この燃料電池1の出力電圧と出力電流の関係を測定するようにしてもよい。また、可変抵抗16の代わりに定電圧源や定電流源を接続してもよい。エンドプレート3に近い側の燃料電池1の出力電圧と出力電流の関係を測定する理由は以下の通りである。一般に、燃料電池1が発電した電力は全て取り出せるわけではなく、取り出されない電力は熱に変換される。また、エンドプレート3に近い側の燃料電池1において発生した熱はエンドプレート3を介して外部に放熱されるのに対して、燃料電池スタック2の中央部付近の燃料電池1において発生した熱は放熱されにくい。
従って、燃料電池スタック2の中央部付近の燃料電池1は発電に伴い高温になりやすいのに対して、エンドプレート3に近い側の燃料電池1は比較的温度が低い。このため、燃料電池システムの起動直後や燃料電池スタック2の内部温度が氷点温度以下である場合には、エンドプレート3に近い側の燃料電池1において凍結の問題が生じやすい。従って、上記のようにエンドプレート3に近い側の燃料電池1の出力電圧と出力電流を検出することにより、より確実に燃料電池1の凍結を検出することができる。
本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムは、図7に示すように、上記第1の実施形態となる燃料電池システムの構成に加えて、冷却水流路31を介して燃料電池スタック2に冷却水を供給する冷却水循環ポンプ32と、燃料電池スタック2から排出された冷却水を加熱するためのヒータ33と、エンドプレート3に設けられ、燃料電池1が発電した電力を利用して燃料電池スタック2を加熱するヒータ34とを備える。なお、冷却水は、エチレングリコール等の凝固点降下物質を混ぜることにより、氷点温度以下でも凍結しないようにされている。
そして、このような構成を有する燃料電池システムでは、起動時、コントローラ15が以下に示す起動処理を実行することにより、燃料電池スタック2の状態を精度よく決定し、燃料電池スタック2の劣化を抑えて燃料電池スタック2の発電を安定的に継続させる。以下、図8に示すフローチャートを参照して、この起動処理を実行する際のコントローラ15の動作について説明する。
[起動処理]
図8に示すフローチャートは、コントローラ15に起動指示が入力されるのに応じて開始となり、起動処理はステップS11の処理に進む。なお、ステップS11〜S13の処理は、図3に示すステップS1〜S3の処理と同じであるので、以下ではその説明を省略し、ステップS14の処理から説明を始める。
ステップS14の処理では、コントローラ15が、ステップS13の処理により算出された拡散分極の大きさに応じて運転モードを制御する。具体的には、拡散分極の大きさが小さい場合、触媒層24への反応ガスの供給量が十分であることから、コントローラ15は、燃料電池スタック2を安定的に発電させることができると判断し、燃料電池スタック2に冷却水を供給しない、又は少量の冷却水をヒータ33により加熱することなく燃料電池スタック2に供給する。また、コントローラ15は、ヒータ34を作動させずに通常時に近い大きさの電流値を燃料電池スタック2から取り出す。
一方、拡散分極の大きさが大きい場合には、反応ガスの触媒層24への供給が不十分であることから、コントローラ15は、ヒータ33を作動させて冷却水を加熱し、加熱された冷却水を燃料電池スタック2に供給する。また、コントローラ15は、ヒータ34を作動させることにより燃料電池スタック2を暖めると共に、燃料電池スタック2の内部温度が所定温度に達するまで電流の取出を待機したり、取出電流を段階的に上げていくようにする。これにより、ステップS14の処理は完了し、一連の起動処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムによれば、拡散分極の大きさが所定値以上である場合、コントローラ15が、燃料電池スタック2を加熱するヒータ34の発熱量を通常運転時よりも大きくするので、燃料電池スタック2の出力電圧が低下する前に燃料電池スタック2の内部温度を氷点温度以上にすることにより、燃料電池スタック2が劣化したり、発電不能になることを抑制できる。
また、本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムによれば、拡散分極の大きさが所定値以上である場合、コントローラ15が、燃料電池スタック2に供給する冷却水の流量又は温度を通常運転時よりも大きくするので、燃料電池スタック2の出力電圧が低下する前に燃料電池スタック2の内部温度を氷点温度以上にすることにより、燃料電池スタック2が劣化したり、発電不能になることを抑制できる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、コントローラ15は、拡散分極の大きさに基づいて燃料電池スタック2の運転モードを1種類以上決定し、決定した運転モードで燃料電池スタックを動作させるようにしてもよい。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 図1に示す燃料電池の内部構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態となる起動処理の流れを示すフローチャート図である。 拡散分極の定義を説明するための図である。 燃料電池スタックの状態の違いに伴う拡散分極の大きさの違いを説明するための図である。 図1に示す燃料電池システムの応用例の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態となる起動処理の流れを示すフローチャート図である。
符号の説明
1:燃料電池
2:燃料電池スタック
3:エンドプレート
4:インバータ
5:負荷
6:水素ボンベ
7,10:加湿器
8,11:圧力制御弁
9:コンプレッサ
12:電圧計
13:電流計
14:温度計
15:コントローラ

Claims (7)

  1. 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタックを有する燃料電池システムであって、
    反応ガスの供給開始後、前記燃料電池スタックに所定の負荷を掛けて燃料電池スタック又は所定の燃料電池の出力電圧と出力電流の関係を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定結果に基づいて所定の出力電流値に対する前記出力電圧値を計測電圧値として算出し、計測電圧値と計測電圧値をもとにターフェル式から算出される所定の出力電流値に対する予想電圧値との差に基づいて前記燃料電池スタックの運転モードを決定し、決定した運転モードで燃料電池スタックを動作させる制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記測定手段は、少なくとも3点以上の出力電圧と出力電流の関係を測定し、
    前記制御手段は、第1の出力電流値及び出力電圧値と第2の出力電流値及び出力電圧値から第3の出力電流値に対する出力電圧値を予想電圧値として予想し、第3の出力電流値に対する計測電圧値と予想電圧値との差に基づいて、前記燃料電池スタックの運転モードを決定することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    燃料電池スタック又は所定の燃料電池の温度を測定する温度測定手段を備え、
    前記測定手段は、少なくとも2点以上の出力電圧と出力電流の関係を測定し、
    前記制御手段は、第1の出力電流値及び出力電圧値と前記温度測定手段により測定された温度から第2の出力電流値に対する出力電圧値を予想電圧値として予想し、第2の出力電流値に対する計測電圧値と予想電圧値との差に基づいて、前記燃料電池スタックの運転モードを決定することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    計測電圧値と予想電圧値の差が所定値以上である場合、前記制御手段は、前記燃料電池スタックから取り出す電流値の大きさを通常運転時よりも小さくすることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    発熱することにより前記燃料電池スタックを加熱する加熱手段を備え、
    計測電圧値と予想電圧値の差が所定値以上である場合、前記制御手段は、前記加熱手段の発熱量を通常運転時よりも大きくすることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池スタックに加熱媒体を供給することにより燃料電池スタックを加熱する加熱媒体供給手段を備え、
    計測電圧値と予想電圧値の差が所定値以上である場合、前記制御手段は、前記加熱媒体供給手段が燃料電池スタックに供給する加熱媒体の流量又は温度を通常運転時よりも大きくすることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池スタックの始動時の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記温度検出手段により検出された燃料電池スタックの始動時の温度が氷点温度以下である場合、前記制御手段は、計測電圧値と予想電圧値の差に基づいて燃料電池スタックの運転モードを1種類以上決定し、決定した運転モードで燃料電池スタックを動作させることを特徴とする燃料電池システム。
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