JP2007046698A - 配管接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パイプ体とチューブとの確実な抜け止め接続を簡単に構成できる配管接続構造を提供する。
【解決手段】パイプ体1の外周のパイプ側フランジ5個所に、筒状のリテーナー29を取り付ける。リテーナー29を、環状の基部31と、この基部31の軸方向一端部に一体的に形成された複数の抜け止め突起33と、から構成し、リテーナー29の外周にロックスリーブ49をスライド可能に嵌めておく。抜け止め突起33の付け根部の内面側に結合凹部47を形成しておき、結合凹部47内にチューブ側フランジ27が入り込んだら、ロックスリーブ49を抜け止め突起33側に移動させる。
【選択図】 図5
【解決手段】パイプ体1の外周のパイプ側フランジ5個所に、筒状のリテーナー29を取り付ける。リテーナー29を、環状の基部31と、この基部31の軸方向一端部に一体的に形成された複数の抜け止め突起33と、から構成し、リテーナー29の外周にロックスリーブ49をスライド可能に嵌めておく。抜け止め突起33の付け根部の内面側に結合凹部47を形成しておき、結合凹部47内にチューブ側フランジ27が入り込んだら、ロックスリーブ49を抜け止め突起33側に移動させる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、例えば自動車のエアーコンディショナーシステムに用いられる配管接続構造に関する。
自動車のエアーコンディショナー(エアコン)システム等に用いられる配管接続構造には、接続作業の容易性やパイプ体及びチューブに対する確実な抜け止め性が要求される。こういった要求に対応した配管接続構造としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された配管接続構造では、パイプ体の外周にケージが取り付けられ、このケージ内にガータースプリングが配置される。また、チューブの開口端部にフレアーが形成される。そして、フレアーがケージ内に進入してガータースプリングを押し広げるように、チューブがパイプ体の接続側端部の外周に相対的に嵌め付けられる。チューブのフレアー(フレアー先端部)がガータースプリングを通過すると、あるいは通過しようとすると、ガータースプリングは弾性復帰力により縮径し、フレアー又はフレアー先端部の後方に位置してこのフレアー又はフレアー先端部と抜け止め方向に係合する。このようにして、この配管接続構造では、パイプ体とチューブとが抜け止め状態でクイック接続されることとなる。
ところで、このような配管接続構造には、チューブのフレアーとガータースプリングとが確実に抜け止め係合したことを確認できる接続確認機構を設けることが必要となる。ここでは、係合脚部を有するスナップリングを、この係合脚部がケージの開口周縁と係合するように、ケージに取り付けておき、ガータースプリングがフレアーと係合するように縮径したとき、このガータースプリングに係合脚部が押されてケージと係合脚部との係合が解除され、スナップリングがケージから飛び出るようにして接続確認機構を構成している。そして、スナップリングがケージから外れることによって、フレアーとガータースプリング、あるいはパイプ体とチューブとの完全な抜け止め接続を確認している。
しかしながら、こういった接続確認機構では、パイプ体とチューブとが完全に接続されていないのに、スナップリングがケージから外れたり、パイプ体とチューブとが完全に接続されているのに、スナップリングがケージと係合したままの状態に保持されたりするといった不都合が生じやすく、正確にパイプ体とチューブとの接続状態を確認できないので、確実性を有する配管接続構造を確保できない。
そこで本発明は、パイプ体とチューブとの確実な抜け止め接続を簡単に構成できる配管接続構造の提供を目的とする。
この目的を達成するための本発明の配管接続構造は、接続側端部の後端部(開口端と反対側の端部)にパイプ側フランジが設けられたパイプ体(雄部材を意味する)と、開口端部にチューブ側フランジが形成されたチューブ(雌部材を意味する)と、を接続対象としている。チューブは、チユーブ側フランジが、パイプ側フランジに隣接又は当接(接触を含む)するまで、パイプ体の接続側端部の外周に相対的に嵌め付けられている。そして、配管接続構造は、前記パイプ体及び前記チューブの接続部(接続箇所)の外周に取り付けられた筒状のリテーナーと、このリテーナーの外周に軸方向へのスライドが可能なように嵌められた、前記リテーナーの外径と等しい又はほぼ等しい内径を有するロックスリーブと、を具備し、前記リテーナーは、環状の基部と、この基部の軸方向端部に一体的に形成され、周方向に並んで設けられた互いに独立している複数の軸方向に延びる抜け止め突起と、を備えるとともに、前記抜け止め突起の先端部よりも前記基部側の内面に、前記パイプ側フランジ及び前記チューブ側フランジが入り込んで軸方向に結合される結合凹部を有し、前記抜け止め突起は、前記パイプ側フランジ又は前記チューブ側フランジの外端(径方向外端)よりも小さな内径を前記結合凹部よりも先端側で有するとともに、径方向外側に変形できるように形成されていて、前記結合凹部が、前記パイプ側フランジ及び前記チューブ側フランジを収めた状態で、前記リテーナーの前記基部側から前記抜け止め突起側に移動した前記ロックスリーブにより、前記抜け止め突起の径方向外側への変形が規制されているものである。
パイプ側フランジ及びチューブ側フランジは結合凹部内に入り込んで、軸方向
に離れるように動くことが規制され、軸方向に結合される。したがって、パイプ体とチューブとは、リテーナーにより結合されて抜け止めされる。結合凹部内へのパイプ側フランジ及びチューブ側フランジの収容は、例えば、次のようにして行われる。接続側端部と反対側から、抜け止め突起が接続側端部側を向くようにして、リテーナーをパイプ体の外周に嵌め、接続側端部に向ってスライド移動させる。リテーナーをパイプ体の外周に嵌めるのに先立って、リテーナーの外周、例えば基部の外周にロックスリーブを配置しておくことができる。抜け止め突起の内径は、ここでは、パイプ側フランジの外端の外径よりも小さいので、リテーナーがパイプ体上をスライド移動して行くと、抜け止め突起はパイプ側フランジに当接するが、抜け止め突起は径方向外側に変形できるように形成されている。したがって、リテーナーを接続側端部方向に強く押すと、抜け止め突起は径方向外側に変形しながらパイプ側フランジ上に乗り上げる。リテーナーがさらに押されると、パイプ側フランジが結合凹部内に入り込み、抜け止め突起は平行状態に復帰して、接続側端部の外周に沿って軸方向に延びるようになる。ここで、チューブ側フランジがパイプ側フランジに向って相対的に進行するように、チューブをパイプ体の接続側端部外周に嵌め付ける。抜け止め突起の内径は、ここでは、チューブ側フランジの外端の外径よりも小さいので、チューブ側フランジがパイプ体の接続側端部上を相対的に進行して行くと、チューブ側フランジは抜け止め突起に当接するが、抜け止め突起は径方向外側に変形できるように形成されている。したがって、チューブを嵌め付け方向に相対的に強く押すと、チューブ側フランジは、抜け止め突起を径方向外側に変形させて押し退けながら、抜け止め突起内に入り込む。チューブがさらに押されると、チューブ側フランジが結合凹部内に入り込み、抜け止め突起は平行状態に復帰して、接続側端部の外周に沿って軸方向に延びるようになる。抜け止め突起の内面は、例えばチューブの外周面と接触する。
に離れるように動くことが規制され、軸方向に結合される。したがって、パイプ体とチューブとは、リテーナーにより結合されて抜け止めされる。結合凹部内へのパイプ側フランジ及びチューブ側フランジの収容は、例えば、次のようにして行われる。接続側端部と反対側から、抜け止め突起が接続側端部側を向くようにして、リテーナーをパイプ体の外周に嵌め、接続側端部に向ってスライド移動させる。リテーナーをパイプ体の外周に嵌めるのに先立って、リテーナーの外周、例えば基部の外周にロックスリーブを配置しておくことができる。抜け止め突起の内径は、ここでは、パイプ側フランジの外端の外径よりも小さいので、リテーナーがパイプ体上をスライド移動して行くと、抜け止め突起はパイプ側フランジに当接するが、抜け止め突起は径方向外側に変形できるように形成されている。したがって、リテーナーを接続側端部方向に強く押すと、抜け止め突起は径方向外側に変形しながらパイプ側フランジ上に乗り上げる。リテーナーがさらに押されると、パイプ側フランジが結合凹部内に入り込み、抜け止め突起は平行状態に復帰して、接続側端部の外周に沿って軸方向に延びるようになる。ここで、チューブ側フランジがパイプ側フランジに向って相対的に進行するように、チューブをパイプ体の接続側端部外周に嵌め付ける。抜け止め突起の内径は、ここでは、チューブ側フランジの外端の外径よりも小さいので、チューブ側フランジがパイプ体の接続側端部上を相対的に進行して行くと、チューブ側フランジは抜け止め突起に当接するが、抜け止め突起は径方向外側に変形できるように形成されている。したがって、チューブを嵌め付け方向に相対的に強く押すと、チューブ側フランジは、抜け止め突起を径方向外側に変形させて押し退けながら、抜け止め突起内に入り込む。チューブがさらに押されると、チューブ側フランジが結合凹部内に入り込み、抜け止め突起は平行状態に復帰して、接続側端部の外周に沿って軸方向に延びるようになる。抜け止め突起の内面は、例えばチューブの外周面と接触する。
ここで、ロックスリーブを抜け止め突起の外周側に移動させれば、ロックスリーブの内径は、例えば抜け止め突起の外径と等しいので、抜け止め突起の径方向外側への変形は規制される。したがって、チューブ側フランジが結合凹部から抜け出ることが防止される。
ロックスリーブは、抜け止め突起の外径と等しい又はほぼ等しい内径を有している。したがって、抜け止め突起が径方向外側に変形していると、ロックスリーブを抜け止め突起側の所定位置までスライド移動させることができない。それゆえ、チューブ側フランジ又はパイプ側フランジが結合凹部内に到達しないで抜け止め突起を押し上げている不完全接続時には、ロックスリーブの操作を完了できないが、ロックスリーブを所定位置までスライド移動させることができたときには、チューブ側フランジやパイプ側フランジが結合凹部内に入り込んでいることを確認できる。そして本発明では、結合凹部は、抜け止め突起の先端部よりも基部側の内面に設けられているので、例えばチューブ側フランジが、結合凹部に入り込む直前で停止している不完全接続時には、抜け止め突起が大きく径方向外側に変形し、ロックスリーブのスライド移動を確実に阻止する。したがって、確実な接続確認機能が確保される。また、ロックスリーブが、抜け止め突起側に移動したとき、抜け止め突起の結合凹部よりも先端側に被さるように構成することができるので、このように構成したときには、パイプ体とチューブとの抜け止め性を高めることができる。
結合凹部が、基部及び抜け止め突起の境界位置に設けられたり、抜け止め突起の付け根部に設けられたりすれば、より効果的な接続確認機能を確保できる。
また、本発明の配管接続構造は、パイプ体の外周に取り付けられた筒状のリテーナーと、このリテーナーの外周に軸方向へのスライドが可能なように嵌められた、前記リテーナーの外径と等しい又はほぼ等しい内径を有するロックスリーブと、を具備し、前記リテーナーは、環状の基部と、この基部の先端部に一体的に形成され、周方向に並んで設けられた互いに独立している複数の軸方向に延びる抜け止め突起と、を備えるとともに、前記抜け止め突起の先端部よりも前記基部側の内面に、前記パイプ側フランジに被さってこのパイプ側フランジと軸方向に係合する結合凹部を有し、前記結合凹部は、前記パイプ体の前記接続側端部外周に前記チューブを嵌め付けるときに、前記抜け止め突起を径方向外側に押し退けて変形させながら相対的に進行し、前記パイプ側フランジに隣接又は当接した前記チューブ側フランジを受け入れるように形成されていて、前記チューブ側フランジが前記係合凹部内に入り込んだときに、前記ロックスリーブを、前記リテーナーの前記基部側から前記抜け止め突起側に移動させ、前記抜け止め突起の径方向外側への変形を規制するように構成されているものとすることもできる。
本発明の配管接続構造を用いれば、接続作業が容易であり、かつ、不完全な状態でパイプ体とチューブとが接続されてしまうのを効果的に防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る配管接続構造をパイプ体及びチューブの接続前の状態で示す図、図2はリテーナー及びロックスリーブの斜視図、図3はリテーナー及びロックスリーブを備えたパイプ体の側面図である。
パイプ体1は、軸方向一方側の円筒状接続側端部3の軸方向他端部(後端部)に一体的に接続形成された外向きのパイプ側フランジ5を有し、このパイプ側フランジ5の軸方向他端部からは、接続側端部3よりも若干小径の円筒状の本体部7が軸方向他方側に延びている。接続側端部3の外周には、2つの環状の嵌め付け凹部9、9が軸方向に並んで設けられていて、この嵌め付け凹部9、9内にはそれぞれ、Oリング11、11が嵌め付けられている。パイプ側フランジ5の外面は、接続側端部3の外周面の軸方向他端から軸方向他方側に向って急な角度(45度又はほぼ45度)で拡径する拡径外面部(拡径外周面部)13と、この拡径外面部13の軸方向他端から軸方向他方側にストレートに向う円筒外面部15と、この円筒外面部15の軸方向他端から径方向内側に広がる径方向外面部17と、を有していて、径方向外面部17の内端から本体部7の外周面が軸方向他方側に延びている。パイプ側フランジ5の円筒外面部15は、接続側端部3及び本体部7の外周面よりも大径に形成されている。
チューブ19は、円筒状の嵌め付け側端部21と、この嵌め付け側端部21の軸方向一端に、テーパ状部23を介して一体的に接続形成された、軸方向一方側に延びる円筒状のチューブ本体25と、を備えていて、嵌め付け側端部21はチューブ本体25よりも大径に形成されている。嵌め付け側端部21の軸方向他端部(開口端部)はフレアー状に形成され、開口端側又は軸方向他方側に向って急な角度(45度又はほぼ45度:パイプ側フランジ5の拡径外面部13の拡径角度と同一又はほぼ同一)で拡径してチューブ側フランジ27を形成している。チューブ側フランジ27の外端(径方向外端)の外径は、パイプ側フランジ5の円筒外面部15の外径と等しく又はほぼ等しく設定されている。
パイプ体1の外周のパイプ側フランジ5個所には、筒状の樹脂製リテーナー29が軸方向に固定され又は位置決めされた状態で嵌められて取り付けられている。リテーナー29は、環状の基部31と、この基部31の軸方向一端部又は先端部(軸方向一端面)の外周側に一体的に形成され、周方向に等間隔で複数個(ここでは8つ)設けられた、断面円弧状の抜け止め突起33と、を備えていて、基部31の内径は、パイプ体1の本体部7の外径と等しく又はほぼ等しく、基部31は本体部7上をスライド移動できるように形成されている。それぞれの抜け止め突起33は、基部31の軸方向長さの70%乃至80%の長さを有して、互いに平行状態で軸方向一方側に延びている。それぞれの抜け止め突起33の幅(周方向幅)は、抜け止め突起33、33間の間隔よりも大きくなるように設定され、それぞれの抜け止め突起33の外面(又は外面の断面形状)は周方向に円弧状に湾曲している。抜け止め突起33の外面の軸方向一端部には径方向外側に突出するストッパ35が一体的に形成されているが、ストッパ35以外の抜け止め突起33の外面(抜け止め突起33群の外面)は、基部31の外周面と同一の外径を有して、周方向に不連続な外周面を形成していて、抜け止め突起33の外面と基部31の外周面は軸に平行でストレートな連続面を形成している。
抜け止め突起33の内面は、基部31の軸方向一端面の外周側から、軸に平行で、軸方向一方側に向かう結合底面部37と、この結合底面部37の軸方向一端から、径方向内側に傾斜して軸方向一方側に向かう結合壁面部39と、結合壁面部39の軸方向一端から、軸に平行で、軸方向一方側に向かう抜け止め面部41と、抜け止め面部41の軸方向一端から、径方向外側に傾斜して軸方向一方側に向かう案内面部43と、を有している。したがって、抜け止め突起33の付け根部又は抜け止め突起33と基部31との境界位置には、基部31の軸方向一端面の内周側45(軸方向一端面の径方向中央よりも径方向外側部分から内端までの個所)、結合底面部37及び結合壁面部39から形成された結合凹部47が形成されている。
基部31の軸方向一端面の内周側45は、パイプ側フランジ5の径方向外面部17の径方向幅と等しい又はほぼ等しい径方向幅を有し、結合底面部37の軸方向長さは、パイプ側フランジ5の円筒外面部15の軸方向長さよりもチューブ側フランジ27の肉厚分又は肉厚分にほぼ等しい長さだけ長く、また、結合壁面部39の角度(軸方向との角度)は45度又はほぼ45度であって、チューブ側フランジ27の拡径角度と等しく又はほぼ等しく設定されている。また、抜け止め突起33の抜け止め面部41は、パイプ体1の接続側端部3の外周面との間に、チューブ19の嵌め付け側端部21の肉厚分だけのクリアランスが設けられるように形成されている。したがって、リテーナー29をパイプ体1の本体部7の外周に嵌め、結合凹部47内にパイプ側フランジ5が収まり、基部31の軸方向一端面の内周側45が、パイプ側フランジ5の径方向外面部17に当接するように、リテーナー29を、接続側端部3側に向ってスライド移動させて取り付けると、パイプ側フランジ5の拡径外面部13と抜け止め突起33の結合壁面部39と間に、チューブ側フランジ27の断面形状に相当する隙間が形成され、パイプ側フランジ5の拡径外面部13及び接続側端部3の外周面と、抜け止め突起33の結合底面部37、結合壁面部39及び抜け止め面部41と、の間にチューブ19の開口端部側を収容する隙間が形成される。
リテーナー29の基部31の外周には、基部31の軸方向長さと等しい又はほぼ等しい軸方向長さ(ここでは、基部31の軸方向長さよりも若干短い軸方向長さ)を有する環状のロックスリーブ49が嵌められている。ロックスリーブ49は、基部31の外周面及びストッパ35以外の抜け止め突起33の外面(不連続な外周面)の外径と同一又はほぼ同一の内径を有し、リテーナー29上をスライドして移動できるように配置されているが、ロックスリーブ49とリテーナー29との間には、ロックスリーブ49を待機状態(図1の状態)とロック状態(図5の状態)とにそれぞれ保持する保持機構が設けられている。保持機構は、リテーナー29の基部31外周の軸方向一方側に形成された環状溝51内に、径方向外側が環状溝51から突出するように緩く配置された断面円形の金属環53を有し、ロックスリーブ49の内面の軸方向一方側に形成された、金属環53の突出部分を収容する待機用環状凹部55と、ロックスリーブ49の内面及び軸方向他端面の交差角部に形成された、金属環53の突出部分と係合するロック用環状凹部57と、を備えている。金属環53が待機用環状凹部55内に入り込み、待機用環状凹部55と係合している待機状態では、ロックスリーブ49は、軸方向一端がリテーナー29の基部31の軸方向一端と軸方向で一致又はほぼ一致する位置に保持される。しかしながら、ロックスリーブ49を軸方向一方側に強く押すと、金属環53が縮径されて環状溝51内に収まるので、金属環53と待機用環状凹部55との係合が解除され、ロックスリーブ49は、抜け止め突起33の結合凹部47を越えてストッパ35に当接するまで軸方向一方側に移動する。このロック状態(ロックスリープ49とストッパ35との間には若干の隙間が生じる場合が多い)では、金属環53の径方向外側が環状溝51内から再び突出し、金属環53がロック用環状凹部57と係合して、ロックスリーブ49の軸方向他方側への移動を規制する。ロックスリーブ49は、基部31の軸方向一方側から、結合凹部47を経て、抜け止め突起33のストッパ35に至るまでの部分に位置して保持される。
図4はパイプ体1及びチューブ19を接続した状態を示す図、図5はロックスリーブ49でリテーナー29をロックし、配管接続を完了した状態を示す図である。
チューブ19の嵌め付け側端部21を、パイプ体1の接続側端部3の外周に相対的に嵌め付けていくと、チューブ側フランジ27が抜け止め突起33に当接し、抜け止め突起33を径方向外側に変形させながら、案内面部43に沿って抜け止め突起33の抜け止め面部41内に入り込む(図4の仮想線参照)。そして、チューブ側フランジ27がさらに進行すると、パイプ側フランジ5の拡径外面部13と抜け止め突起33の結合壁面部39と間にチューブ側フランジ27が嵌り込み、パイプ側フランジ5の拡径外面部13及び接続側端部3の外周面と、抜け止め突起33の結合底面部37、結合壁面部39及び抜け止め面部41と、の間にチューブ19の開口端部側が収容されることとなる。ここでは、抜け止め突起33の外面と基部31の外周面とが軸に平行でストレートな連続面を形成するように、抜け止め突起33は、軸と平行状態に復帰しているので、ロックスリーブ49をロック状態となるようにスライド移動させることができる。このようにして、パイプ側フランジ5とチューブ側フランジ27とが、結合凹部47内に結合状態で収容されて、パイプ体1とチューブ19とが抜け止め状態で接続されることとなる。
また、チューブ側フランジ27が結合凹部47内に入り込んでいない状態では、チューブ側フランジ27が抜け止め面部41を押し上げているので、抜け止め突起33が径方向外側に大きく変形している(図4の仮想線参照)。したがって、ロックスリーブ49をロック状態となるようにスライド移動させることができないので、不完全接続を確認できる。不完全接続を確認したら、再びチューブ19の嵌め付け操作を行い、その後、ロックスリーブ49をロック状態となるように移動させる。
本発明の配管接続構造は、例えば自動車のエアコン用配管接続を迅速かつ確実に行うのに役立つものである。
1 パイプ体
3 接続側端部
5 パイプ側フランジ
19 チューブ
27 チューブ側フランジ
29 リテーナー
31 基部
33 抜け止め突起
47 結合凹部
49 ロックスリーブ
3 接続側端部
5 パイプ側フランジ
19 チューブ
27 チューブ側フランジ
29 リテーナー
31 基部
33 抜け止め突起
47 結合凹部
49 ロックスリーブ
Claims (4)
- 接続側端部の後端部にパイプ側フランジが設けられたパイプ体と、開口端部に形成されたチューブ側フランジが、前記パイプ側フランジに隣接又は当接するまで、前記パイプ体の前記接続側端部の外周に相対的に嵌め付けられたチューブと、を抜け止め状態で接続する配管接続構造であって、
前記パイプ体及び前記チューブの接続部の外周に取り付けられた筒状のリテーナーと、このリテーナーの外周に軸方向へのスライドが可能なように嵌められた、前記リテーナーの外径と等しい又はほぼ等しい内径を有するロックスリーブと、を具備し、
前記リテーナーは、環状の基部と、この基部の軸方向端部に一体的に形成され、周方向に並んで設けられた互いに独立している複数の軸方向に延びる抜け止め突起と、を備えるとともに、前記抜け止め突起の先端部よりも前記基部側の内面に、前記パイプ側フランジ及び前記チューブ側フランジが入り込んで軸方向に結合される結合凹部を有し、
前記抜け止め突起は、前記パイプ側フランジ又は前記チューブ側フランジの外端よりも小さな内径を前記結合凹部よりも先端側で有するとともに、径方向外側に変形できるように形成されていて、
前記結合凹部が、前記パイプ側フランジ及び前記チューブ側フランジを収めた状態で、前記リテーナーの前記基部側から前記抜け止め突起側に移動した前記ロックスリーブにより、前記抜け止め突起の径方向外側への変形が規制されている、ことを特徴とする配管接続構造。 - 前記結合凹部は、前記基部及び前記抜け止め突起の境界位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1記載の配管接続構造。
- 前記結合凹部は、前記抜け止め突起の付け根部に設けられている、ことを特徴とする請求項1記載の配管接続構造。
- 接続側端部の後端部にパイプ側フランジが設けられたパイプ体と、開口端部に形成されたチューブ側フランジが、前記パイプ側フランジに隣接又は当接するまで、前記パイプ体の前記接続側端部の外周に相対的に嵌め付けられるチューブと、を抜け止め状態で接続する配管接続構造であって、
前記パイプ体の外周に取り付けられた筒状のリテーナーと、このリテーナーの外周に軸方向へのスライドが可能なように嵌められた、前記リテーナーの外径と等しい又はほぼ等しい内径を有するロックスリーブと、を具備し、
前記リテーナーは、環状の基部と、この基部の先端部に一体的に形成され、周方向に並んで設けられた互いに独立している複数の軸方向に延びる抜け止め突起と、を備えるとともに、前記抜け止め突起の先端部よりも前記基部側の内面に、前記パイプ側フランジに被さってこのパイプ側フランジと軸方向に係合する結合凹部を有し、
前記結合凹部は、前記パイプ体の前記接続側端部外周に前記チューブを嵌め付けるときに、前記抜け止め突起を径方向外側に押し退けて変形させながら相対的に進行し、前記パイプ側フランジに隣接又は当接した前記チューブ側フランジを受け入れるように形成されていて、
前記チューブ側フランジが前記係合凹部内に入り込んだときに、前記ロックスリーブを、前記リテーナーの前記基部側から前記抜け止め突起側に移動させ、前記抜け止め突起の径方向外側への変形を規制するように構成されている、ことを特徴とする配管接続構造。
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