JP2007045931A - エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板 - Google Patents

エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた耐マイグレーション性と高い接着強度とを併せ持つエポキシ系接着剤、並びに、このエポキシ系接着剤を用いた可撓性を有するカバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなるエポキシ系接着剤において、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気特性・耐熱性に優れたエポキシ系接着剤、並びに、このエポキシ系接着剤を用いた可撓性を有するカバーレイ、プリプレグ、金属張積層板に関する。
近年、電子機器の小型化及び高密度化に伴い、可撓性を有するフレキシブルプリント基板(FPC=Flexible Printed Circuit)上に形成される回路の高精度化が進み、回路間隔が益々狭くなってきている。また、このフレキシブルプリント基板を備えた電子機器の使用環境が厳しくなり、高温・高湿下における信頼性も要求されている。
前述した、FPCは、例えば、ポリイミド等の絶縁性樹脂からなり可撓性を有する絶縁層が銅箔に積層されてなる銅張積層板(CCL:Copper−Clad Laminate)を材料として用い、銅張積層板の銅箔をエッチングして回路や配線を形成し、その上に、可撓性を有するカバーレイ(CL:Cover Lay)を接着して前記CCLの回路を覆うことにより製造されている。
従来、FPCに使用される接着剤としては、硬化後の接着剤層の柔軟性や、金属層(例えば銅箔)との密着性を向上するために、エポキシ樹脂と硬化剤とからなるエポキシ系接着剤にエラストマー(ゴム成分)を添加したものが用いられている。
エラストマーとしては、カルボキシ化NBR(なおNBRはアクリロニトリルブタジエンゴムを表す。)やアクリルゴム等が用いられている。
このようなエポキシ系接着剤の中でも、特に接着強度を向上させるためにカルボキシ化NBRを添加したエポキシ系接着剤は、接着強度、耐熱性、絶縁性等の特性のバランスがとれた良好な接着剤であるため、好適に用いられている。
また、カルボキシ化NBRを添加したエポキシ系接着剤は、耐マイグレーション性に劣ることが知られているが、従来のようにプリント基板に設ける配線間隔が広い場合には実用上問題なかった。しかしながら、近年、配線間隔が急速に狭ピッチ化(100μmピッチ以下)するに伴って、耐マイグレーション性の問題が顕在化している。
ここで、マイグレーションとは、プリント基板に電圧を印加した状態において、配線を構成する金属(銅)が接着剤中をプラス側からマイナス側に移行し、樹木状析出物(デンドライト)として析出することにより、配線間の絶縁抵抗が著しく低下してしまう現象のことをいう。さらに、マイグレーションは高温、高湿下で促進されるので、使用環境が過酷になるにしたがって、耐マイグレーション性を確保することが求められる。
このマイグレーションが発現する原因は、NBRの重合反応に使用される乳化剤、重合開始剤、pH調製剤、重合停止剤等に由来するNa、K、Cl等が接着剤中に存在することによるものと考えられている。
このようなマイグレーションの問題を解決するために、いくつかの技術が提案されており、例えば、以下のようなものが挙げられる。
(1)接着剤塗膜の凝集力を高め、これによりマイグレーションを抑制するもの(例えば、特許文献1、2参照。)。
(2)Na、K、Cl等のイオン性不純物が少ないラジカル重合により合成されるアクリルゴムのエラストマーを使用することにより、マイグレーションを抑制するもの(例えば、特許文献3参照。)。
特許第2679316号公報 特許第1985201号公報 特開平7−235767号公報
しかしながら、(1)、(2)の技術はともに、アクリルゴムのエラストマーを用いているため、エポキシ系接着剤の接着強度の低下を招くという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、優れた耐マイグレーション性と高い接着強度とを併せ持つエポキシ系接着剤、並びに、このエポキシ系接着剤を用いた可撓性を有するカバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るエポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなるエポキシ系接着剤であって、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係るエポキシ系接着剤は、請求項1において、前記ベース樹脂は、さらに、エラストマーを含むことを特徴とする。
本発明の請求項3に係るカバーレイは、絶縁フィルムの片面に接着剤層を設けてなるカバーレイにおいて、前記接着剤層を構成する接着剤が、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなり、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項4に係るプリプレグは、ガラスクロスにエポキシ系接着剤を含浸させてなるプリプレグにおいて、前記エポキシ系接着剤が、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなり、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る金属張積層板は、ベースフィルムと金属箔との間に接着剤層を設けてなる金属張積層板において、前記接着剤層を構成する接着剤が、ガラスクロスにエポキシ系接着剤を含浸させてなるプリプレグであって、前記エポキシ系接着剤が、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなり、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項6に係るプリント配線基板は、本発明の請求項3に係るカバーレイを、本発明の請求項5に係る金属張積層板の金属箔面に貼着してなることを特徴とする。
本発明のエポキシ系接着剤によれば、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなるエポキシ系接着であって、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたので、エポキシ系接着剤のpHが弱酸性から弱アルカリ性を示す範囲に安定化するから、このエポキシ系接着剤を電子機器用プリント配線基板に適用した場合、マイグレーションの発生が抑制される。その際、アクリルゴムを使用していないので、高い接着強度を維持できる。
したがって、本発明のエポキシ系接着剤によれば、狭ピッチの配線を要するFPCなどのプリント配線基板を提供することができるので、その結果として、各種電子機器の小型化、高機能化及び長寿命化に寄与することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
プリント配線基板のマイグレーション特性はエポキシ系接着剤のpHに影響され、特に低pH領域、すなわち酸性領域で促進されることが知られている。酸性領域では、回路の陽極をなす金属から金属イオンが溶出し、これが陰極側で還元されることによりデンドライトが成長し、このデンドライトが回路間を短絡させることにより起こるものと推定される。また、高pH領域、すなわちアルカリ性領域では、マイグレーションを抑制することは可能であるものの、一般的にエポキシ樹脂の硬化反応はアルカリ性領域で促進されるため、カバーレイにおいては、ポットライフの問題から接着剤をアルカリ性にすることができない。
そこで、本発明では、エポキシ系接着剤のpHを弱酸性から弱アルカリ性を示す範囲にすることにより、耐マイグレーション性を大幅に向上させることを可能にしたものである。
本発明のエポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂と、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム(以下、「カルボキシ化NBR」と略す。)及びベタイン型化合物を構成物としてなり、この構成物の総量を1とした際に、その総量1に対して、ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたものである。
ベース樹脂、カルボキシ化NBR及びベタイン型化合物の総量1に対して、ベタイン型化合物が100ppm未満では、回路をなす金属の腐食により溶出した金属イオンを全て捕捉して、安定な錯イオンを形成するには不十分であり、マイグレーションを抑制することができない。一方、ベース樹脂、カルボキシ化NBR及びベタイン型化合物の総量1に対して、ベタイン型化合物が50000ppmを超えると、ベタイン型化合物の含有量が多すぎて、ベタイン型化合物によりエポキシ系接着剤の酸性度が高くなり過ぎて、金属イオンの捕捉効果以上に、銅回路の溶解を促進する作用が大きくなってしまう。
ベース樹脂は、エポキシ樹脂と硬化剤に加えて、さらに、カルボキシ化NBR以外のエラストマーを含む構成としてもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)、リン含有エポキシ樹脂、及びこれらのハロゲン化物(臭素化エポキシ樹脂等)や水素添加物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。臭素化エポキシ樹脂等は、接着剤に難燃性が要求される場合に、特に有効である。また、アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)は、感光性を有するので、エポキシ系樹脂組成物に光硬化性を付与するために有効である。また、これらのエポキシ樹脂は、架橋反応するノボラック型フェノール樹脂、ビニルフェノール樹脂、臭素化ビニルフェノール樹脂等と共に用いることもできる。
硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化に用い得るものであれば、特に制限なく使用することが可能であるが、例えば、脂肪族アミン系硬化剤、脂環式アミン系硬化剤、第2級もしくは第3級アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、イミダゾール化合物、フェノール樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂に応じて定められるとともに、硬化剤が通常使用される範囲内において成形条件や特性等に応じて適宜調整される。
カルボキシ化NBR以外のエラストマーとしては、エポキシ樹脂中に分散し、エポキシ樹脂に柔軟性を付与するものであれば特に限定されないが、カルボキシ化NBRと併用できるカルボキシ化アクリルゴムが好ましい。カルボキシ化アクリルゴムとしては、例えば、ベイマックHVG(三井デュポン・ポリケミカル社製)が挙げられる。
また、カルボキシ化NBRとは、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体であるアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を変性してカルボキシ基を導入してなるエラストマーである。
NBRへのカルボキシ基の導入方法としては、(1)アクリロニトリルとブタジエンとを共重合する際に、さらにカルボキシ基を有するモノマーを共重合する方法、(2)アクリロニトリルとブタジエンとを共重合したのち、カルボキシ基を有するモノマーをグラフト反応させる方法等が挙げられる。
また、本発明のエポキシ系接着剤には、必要に応じて充填剤、難燃剤、その他の添加剤等を配合してもよい。
充填剤としては、例えば、シリカ、マイカ、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
難燃剤としては、一般的に知られているものが制限無く用いられるが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等の無機水酸化物、無機酸化物、リン酸エステル系難燃剤、含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤、無機臭素系難燃剤、有機臭素系難燃剤、有機塩素系難燃剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の添加剤としては、回路との接着力を向上させるために用いられる、シランカップリング剤、イミダゾール等が挙げられる。
ベタイン型化合物としては、例えば、下記の式(1)で表されるような構造の有機化合物が挙げられる。
Figure 2007045931
このベタイン型化合物は、本発明のエポキシ系接着剤のpHを、弱酸性から弱アルカリ性を示す範囲で安定化することによって、回路の陽極をなす金属から金属イオンが溶出し、これが陰極側で還元されることによりデンドライトが成長し、このデンドライトが回路間を短絡させること、すなわち、マイグレーションを抑制すると考えられる。
次に、本発明のエポキシ系接着剤の使用方法を説明する。
本発明のエポキシ系接着剤の使用方法としては、エポキシ樹脂、硬化剤、カルボキシ化NBR、ベタイン型化合物等の構成材料と、有機溶剤とを所定量配合し、ポットミル、ボールミル、ホモジナイザー、スーパーミル等を用いて攪拌混合することにより接着剤溶液を調製し、この接着剤溶液を対象物に塗布する方法が用いられる。
本発明のエポキシ系接着剤は、上記の接着剤溶液を対象物に塗布し、乾燥及び硬化させることで、対象物の接着や封止等を行うために用いることができる。この接着剤組成物の乾燥及び硬化に際しては、例えば20〜200℃程度の温度下で行うことができる。
接着剤溶液の調製に用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、ジメチルホルムアミド、2−メトキシエタノール等が挙げられる。接着剤溶液中の固形分濃度は、塗工むらの抑制と接着剤の溶解性とを考慮して、好ましくは5〜70質量%の範囲内であり、より好ましくは10〜50質量%の範囲内である。
本発明のエポキシ系接着剤は、種々の用途に好適に用いることができるが、とりわけ、フレキシブルプリント基板(FPC)に用いられる各種材料に適用することによって優れた効果を発揮する。FPC用材料としては、カバーレイ(CL)、プリプレグ、銅箔張積層板(CCL)等の金属張積層板、プリント配線基板等が挙げられる。
図1は、本発明のカバーレイの一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態のカバーレイ1は、絶縁フィルム(フィルム基材)2の片面2aに、本発明のエポキシ系接着剤からなる接着剤層3が設けられてなるものであり、フレキシブルプリント基板において、CCLに形成した回路等の上に積層して、この回路等を絶縁保護するために用いられる。
絶縁フィルム2としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等からなる厚み10μm〜150μm程度のフィルム等を用いることができる。
接着剤層3の厚み(乾燥後)は、例えば1μm〜100μm程度とすることができる。
本発明のエポキシ系接着剤から接着剤層を形成する方法は、上述したように、塗布等の方法によることができる。
なお、本発明のカバーレイが適用されるCCLとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリイミド等からなるベースフィルムに銅箔(金属箔)を接着剤で接着してなる3層CCLや、銅箔(金属箔)の片面にポリイミドワニスを塗布して乾燥してなる2層CCL(接着剤層を有しないCCL)等を用いることができる。
本発明のカバーレイによれば、本発明のエポキシ系接着剤により接着剤層を形成したものであるので、電子機器用プリント配線基板に適用した場合にマイグレーションの発生が抑制される。
したがって、本発明のカバーレイによれば、狭ピッチの配線を要するFPCなどのプリント配線基板を提供することができるので、その結果として、各種電子機器の小型化、高機能化及び長寿命化に寄与することができる。また、本発明のカバーレイは、可撓性を有するから、これをプリント配線基板に適用すれば、プリント配線基板も可撓性を有するものとなる。
本発明のプリプレグは、ガラスクロスに、本発明のエポキシ系接着剤を含浸させてなるものであり、金属張積層板において、ベースフィルムと金属箔との間に設けられ、両者を接着する接着剤層を構成する接着剤として用いられる。
ガラスクロスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、旭シュエーベル製MSクロス等が挙げられる。
本発明のプリプレグによれば、ガラスクロスに、本発明のエポキシ系接着剤を含浸させてなるものであるので、マイグレーションの発生が抑制される。
したがって、本発明のプリプレグによれば、狭ピッチの配線を要するFPCなどのプリント配線基板を提供することができるので、その結果として、各種電子機器の小型化、高機能化及び長寿命化に寄与することができる。また、本発明のプリプレグは、可撓性を有するから、これをプリント配線基板に適用すれば、プリント配線基板も可撓性を有するものとなる。
図2は、本発明の金属張積層板の一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の金属張積層板4は、本発明のプリプレグからなる接着剤層6が、ベースフィルム5と金属箔7との間に設けられてなるものである。
ベースフィルム5としては、電気絶縁性と可撓性を有する樹脂フィルムが用いられ、例えば、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。
金属箔7は、銅箔等からなり、所定の回路パターンをなしている。
本発明の金属張積層板によれば、本発明のプリプレグからなる接着剤層が、ベースフィルムと金属箔との間に設けられてなるものであるので、マイグレーションの発生が抑制される。
したがって、本発明の金属張積層板によれば、狭ピッチの配線を要するFPCなどのプリント配線基板を提供することができるので、その結果として、各種電子機器の小型化、高機能化及び長寿命化に寄与することができる。また、本発明の金属張積層板は、可撓性を有するから、これをプリント配線基板に適用すれば、プリント配線基板も可撓性を有するものとなる。
図3は、本発明のプリント配線基板の一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態のプリント配線基板10は、カバーレイ1を、金属張積層板4の金属箔7が設けられている面(金属箔面)に貼着し、カバーレイ1と金属張積層板4とを積層一体化したものである。
このプリント配線基板10の製造は、金属張積層板4の金属箔7に対してエッチング等を施して配線を形成したのち、金属箔面にカバーレイ1を貼着する方法などによって行うことができる。
カバーレイ1の貼着は、カバーレイ1の接着剤層3と金属張積層板4の金属箔面とが向かい合うように重ね合わせ、熱プレスなどにより一体化させる。熱プレス条件としては、例えば、加熱温度を140〜200℃程度、加熱時間を0.1〜3時間程度とすることができる。
本発明のプリント配線基板によれば、本発明のカバーレイを、本発明の金属張積層板の金属箔7が設けられている面に貼着し、本発明のカバーレイと本発明の金属張積層板とを積層一体化したものであるので、カバーレイと金属張積層板を貼り合わせる際のマイグレーションの発生が抑制される。
したがって、本発明のプリント配線基板によれば、狭ピッチの配線を要するFPCなどのプリント配線基板を提供することができるので、その結果として、各種電子機器の小型化、高機能化及び長寿命化に寄与することができる。また、本発明のプリント配線基板は、可撓性を有するカバーレイと金属張積層板を積層一体化したものであるから、可撓性を有する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(エポキシ系接着剤の調製)
表1及び表2に示す配合により、実施例及び比較例に係るエポキシ系接着剤を調製した。なお、各表において配合比は、エポキシ樹脂を100質量部とした質量部で表し、ベタイン型化合物の配合割合については、ppmによっても表す。
エポキシ樹脂、硬化剤及びカルボキシ化NBRをメチルエチルケトンに溶解、分散させて溶液Aを調製した。
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828EL)、硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルスルホン(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)、カルボキシル化NBRとしてニポール1072(日本ゼオン株式会社製)を用いた。
また、ベタイン型化合物を純水に溶解し、5質量%の水溶液Bを調製した。
ベタイン型化合物として、アンヒトール24B(花王株式会社製)を用いた
固形分(エポキシ樹脂、硬化剤、カルボキシ化NBR)に対して所定の濃度になるように、溶液Aと水溶液Bを配合し、攪拌混合して、固形分濃度30質量%の接着剤溶液を調製した。
(プリント配線基板の作製)
厚み25μmのポリイミドフィルム(東レデュポン社製、商品名:K−100V)に乾燥後の厚みが25μmとなるように接着剤溶液を塗布し、さらに150℃にて20分間乾燥することによりカバーレイを得た。
次いで、このカバーレイと、ラインピッチ80μmの櫛形の銅回路パターンを形成した2層銅箔張積層板(有沢製作所社製、商品名:PKW1018RA)とを重ね合わせて、160℃、圧力5MPaにて60分間プレスすることにより、耐マイグレーション性評価用のプリント配線基板を作製した。
(耐マイグレーション性の評価)
上記のようにして作製したプリント配線基板を用いて、耐マイグレーション性を評価した。
試験条件としては、85℃、85%RH(相対湿度)の雰囲気下において電極間に50Vの直流電圧を印可し、電極間の絶縁抵抗を測定した。
耐マイグレーション性の評価は、絶縁抵抗値により行い、試験開始後1000時間経過後、絶縁抵抗値が10Ω以上の場合を合格(○)、1000時間未満で絶縁抵抗値が10Ω未満になった場合を不合格(×)と評価した。
結果を表1及び表2に示す。
(エポキシ系接着剤のpH測定)
ポリ四フッ化エチレンからなるフィルムに、上記の接着剤溶液を塗布し、さらに乾燥させて50cmのカバーレイを得た。
このカバーレイを裁断した後、ポリプロピレン製容器(容量50ml)内の純水(35g)に浸漬して、このポリプロピレン製容器を密封した。
カバーレイを入れて密封したポリプロピレン製容器を、熱風循環式オーブンを用いて、90℃にて、24時間加熱し、カバーレイから水溶性不純物を抽出した。
次いで、ポリプロピレン製容器を熱風循環式オーブンから取り出し、室温まで冷却した後、pHメータを用いて、カバーレイから抽出した水溶性不純物が含まれる水溶液のpHを測定した。このpHを、エポキシ系接着剤のpHとした。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007045931
Figure 2007045931
表1の結果から、実施例1〜4では、エポキシ系接着剤が、ベース樹脂(エポキシ樹脂と硬化剤)、カルボキシ化NBR及びベタイン型化合物の総量を1として、この総量1に対して、ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下の範囲で含有しているから、エポキシ系接着剤のpHが、弱酸性から弱アルカリ性を示す範囲で安定し、耐マイグレーション性に優れることが確認された。
一方、表2の結果から、比較例1では、エポキシ系接着剤が、ベース樹脂(エポキシ樹脂と硬化剤)、カルボキシ化NBR及びベタイン型化合物の総量を1として、この総量1に対して、ベタイン型化合物を50ppmしか含有していないから、ベタイン型化合物の添加効果はほとんど見られず、プリント配線基板に設けられた銅回路の短絡時間は、無添加の場合とほぼ同等であった。また、比較例2では、エポキシ系接着剤が、ベース樹脂(エポキシ樹脂と硬化剤)、カルボキシ化NBR及びベタイン型化合物の総量を1として、この総量1に対して、ベタイン型化合物を60000ppm含有しているから、絶縁抵抗の低下が認められた。
本発明のエポキシ系接着剤は、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板、感光性レジスト、感光性ドライフィルムレジストにも適用できる。
本発明のカバーレイの一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の金属張積層板の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明のプリント配線基板の一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・カバーレイ、2・・・絶縁フィルム、3・・・接着剤層、4・・・金属張積層板、5・・・ベースフィルム、6・・・接着剤層、7・・・金属箔、10・・・プリント配線基板。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなるエポキシ系接着剤であって、
    前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とするエポキシ系接着剤。
  2. 前記ベース樹脂は、さらに、エラストマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ系接着剤。
  3. 絶縁フィルムの片面に接着剤層を設けてなるカバーレイにおいて、
    前記接着剤層を構成する接着剤が、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなり、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とするカバーレイ。
  4. ガラスクロスにエポキシ系接着剤を含浸させてなるプリプレグにおいて、
    前記エポキシ系接着剤が、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなり、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とするプリプレグ。
  5. ベースフィルムと金属箔との間に接着剤層を設けてなる金属張積層板において、
    前記接着剤層を構成する接着剤が、ガラスクロスにエポキシ系接着剤を含浸させてなるプリプレグであって、前記エポキシ系接着剤が、エポキシ樹脂に硬化剤を含有してなるベース樹脂、カルボキシ化ニトリルブタジエンゴム及びベタイン型化合物を構成物としてなり、前記構成物の総量を1とした際に、該総量1に対して、前記ベタイン型化合物を100ppm以上、50000ppm以下としたことを特徴とする金属張積層板。
  6. 請求項3に記載のカバーレイを、請求項5に記載の金属張積層板の金属箔面に貼着してなることを特徴とするプリント配線基板。

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CN106047279A (zh) * 2016-05-25 2016-10-26 合肥东彩印刷科技有限公司 一种金属材料用环氧胶粘剂
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