JP2007045926A - 蛍光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Agを付活剤とした場合にも、安定して長時間EL発光する蛍光体を提供する。
【解決手段】 本発明は、蛍光体粉末と該蛍光体粉末表面の一部に形成された透明導電相とからなるEL用蛍光体であって、蛍光体粉末表面を覆う該透明導電相の占有面積が、蛍光体粉末の表面積の1〜95%であることを特徴とするEL用蛍光体である。占有面積は、5〜85%であることがさらに望ましい。蛍光体粉末の最表面には絶縁層が形成されていることが望ましく、絶縁層としては、アルミニウムの酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれか、又はケイ素の酸化物を使用することができる。透明導電相はインジウム・スズ系酸化物(ITO)であることが好ましく、さらには、一般式Zn1−xOで表される物質であることが好ましい。一般式中RはIIA族元素であり、xは0≦x≦0.5を満たす。
【選択図】 なし

Description

本発明は、EL発光デバイスに関する。
近年の環境問題から、有害物質や細菌・ウイルスなどを分離、分解、又は殺菌する機能を持つ素材が強く要求されている。このような分解・殺菌を行う手段として光触媒材料が注目されている。代表的な光触媒はTiOであるが、これは一般には波長が400nm以下の紫外線により光触媒機能を発揮する。
このような波長の光を放射するデバイスとしては、水銀ランプや発光ダイオードもあるが、点又は線光源であるため、大面積の光触媒を均一に励起するには適さない。大面積を均一に発光させるデバイスとして無機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスがある。これは、光を放射する機能を持つ蛍光体粉末を誘電体樹脂に分散させて、主として交流電界を印加して発光させるものである。
高効率で発光する蛍光体としてはZnS蛍光体が挙げられる。一般にZnS蛍光体の中で短波長の発光を示すものはAgで付活されたものであるが、発光波長は450nmの青色であり、可視光領域の光しか放射しない。この発光機構は、ZnS中に添加された付活剤のAgがアクセプタ準位を形成し、共付活剤として添加されるClやAl等がドナー準位を形成し、このドナー準位とアクセプタ準位間で電子と正孔が再結合することにより波長450nm程度のD−Aペア型(別名Green−Cu型、以下G−Cu型)の青色の発光が生じる。このG−Cu型の発光は、蛍光体母材をZnSとZnSよりもバンドギャップの大きい化合物、例えばMgSやCaS等の2A族元素硫化物との混晶にして蛍光体母材のバンドギャップを増大させることにより短波長化することができると考えられる。
このような発光デバイスの従来技術としては、以下のものが挙げられる。特許文献1は、ZnSを母材としCuを付活剤に使用した蛍光体で、六方晶に立方晶が混在しさらにそれらの結晶間にCuが析出した構造の蛍光体を開示している。特許文献2は、蛍光体粒子表面に導電性金属の微粒子を被覆した低速電子線励起蛍光体を開示している。特許文献3は蛍光体粒子とその粒子表面に形成された導電層を有する低速電子線励起蛍光体を開示している。特許文献4は、ZnS系蛍光体にIIA族元素を添加して混晶とする蛍光体を開示している。
特開平5-152073号公報 特開平7-47732号公報 特開平10-334838号公報 特開2002-231151号公報
しかし、上記のようなAgをドーピングした蛍光体は、これまでEL発光させることができなかった。一方、蛍光体表面に導電性粒子を付着させることで、電界印加時に該導電性粒子近傍に電界集中を生じさせてEL発光させることが報告されている。しかし、このような蛍光体では、導電性粒子が付着することで蛍光体表面の抵抗が低下し、電界印加時に蛍光体表面を伝って電界が逃げてしまうリーク現象が起こるために、極めて発光寿命が短いEL用蛍光体しか得られなかった。そこで、本発明は、Agを付活剤とした場合でも安定してEL発光する蛍光体を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的として、付活剤がCuの場合でも結晶構造によってはEL発光の弱いものがあるため、付活剤にCuを用いた場合にも高輝度で安定してEL発光する蛍光体を提供することが挙げられる。
本発明者らは、上記のAgをドーピングした蛍光体をEL発光させることができない理由を以下のように考察した。エレクトロルミネッセンス用蛍光体として最も一般的なZnS:Cu、Cl蛍光体は、蛍光体内部に多数の双晶(積層欠陥)が形成されており、双晶界面に沿って導電性の高いCu−S系化合物が針状に存在する。電界印加時に針状導電相の先端で電界集中が生じて蛍光体母体であるZnSが励起され、このエネルギーが蛍光体中の各種準位に移動してEL発光する。
この蛍光体の一般的な製法は以下の通りである。原料粉末であるZnSにCuSOやKClを添加した混合粉末を不活性雰囲気中で1000〜1100℃で数時間焼成後、室温まで冷却する。焼成時に生じるZnSの粒成長段階で、成長双晶と呼ばれる多数の双晶が形成される。さらに焼成後の室温までの冷却段階で、ZnSは六方晶から立方晶への相転移が生じ、転移双晶と呼ばれる多数の双晶が形成される。この時、添加したCu成分の内、ZnSの固溶限界を超えたCuは双晶界面に針状のCu−S系化合物として析出する。Cu−S化合物は一般的にはCuSであると言われている。Cuの変わりにAgをドーピングした場合、双晶界面に析出するのはAgSであり、導電性が低いために電界集中効果を示さないのである。
このような認識を踏まえて、本発明者らは研究の結果上記の目的を達成した。すなわち、本発明は以下の特徴を持つ。
(1) 蛍光体粉末と該蛍光体粉末表面の一部に形成された透明導電相とからなるEL用蛍光体であって、蛍光体粉末表面を覆う該透明導電相の占有面積が、蛍光体粉末の表面積の1〜95%であることを特徴とするEL用蛍光体。
(2) 上記占有面積が、5〜85%である(1)に記載のEL用蛍光体。
(3) 上記透明導電相が導電性粒子で構成され、蛍光体粉末表面を覆う該導電性粒子の占有面積が、蛍光体粉末の表面積の50%を超えることを特徴とする(1)又は(2)に記載のEL用蛍光体。
(4) 上記蛍光体粉末の最表面に絶縁層が形成されている(1)〜(3)に記載のEL用蛍光体。
(5) 上記透明導電相がインジウム・スズ系酸化物(ITO)である(1)〜(4)のいずれかに記載のEL用蛍光体。
(6) 上記透明導電相がZn1−xOで表され、式中RはIIA族元素であり、xは0≦x≦0.5を満たす(1)〜(4)に記載のEL用蛍光体。
(7) 上記RがMgである(6)に記載のEL用蛍光体。
(8) 上記蛍光体粉末が硫化物である(1)〜(7)のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
(9) 上記蛍光体粉末の一般式がZn(1−x)S:Ag,D又はZn(1−x)S:Cu,Dであり、該一般式中のAは、Be、Mg、Ca、Sr及びBaの群から選ばれる少なくとも1種の2A族元素、Dは、3B族又は7B族元素から選ばれる少なくとも1種を表し、xはx>0を満たし、Blue−Cu型発光機能を持つ蛍光体である(1)〜(8)のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
(10) 上記蛍光体粉末がc面成長している(9)に記載のEL用蛍光体。
(11) 上記透明導電相の比抵抗が10−1Ωcm以下である(1)〜(10)のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
(12) 上記絶縁層がアルミニウムの酸化物、窒化物及び酸窒化物のいずれか、又はケイ素の酸化物である(4)〜(11)のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
(13) EL発光スペクトルのピーク波長が400nm以下である(1)〜(12)のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
(14) EL発光スペクトルのピーク波長が388nm以下である(13)に記載のEL用蛍光体。
本発明品は、蛍光体表面に導電相が被覆されていることに加え、該導電相が、蛍光体から放射される光に対して透明であるために、1)導電相の占有率(蛍光体の表面積を覆う比率)を高く設定でき、蛍光体表面において電界集中する箇所が増大して蛍光体自体のEL発光強度が高くなる、2)EL発光した蛍光体からの放射光を遮断することなく外部に取り出すことができるようになる。そのため、結果として輝度の高いEL蛍光体及びELデバイスができる。導電相は微粒子でもいいし、膜状でもいい。本発明において透明とは、透明導電相が蛍光体からの放射光を透過できるという意味であり、目安としては発光スペクトルのピーク波長の光を50%以上透過することを意味する。
蛍光体粒子表面の透明導電相の占有率は1〜95%である。これよりも小さいとEL発光しない。蛍光体粉末表面の透明導電相の占有面積は、SEM装置内で測定したEPMA画像を画像処理して決定する。1〜95%の範囲を外れると電界印加時に電流がリークして蛍光体に電界がかからずEL発光しなくなる。占有率は好ましくは5〜85%である。占有率が50%を超えると、導通が生じやすくなるので、この場合は蛍光体粒子の最表面に絶縁層が形成されていることが好ましい。絶縁層形成により、蛍光体表面を伝って電界が逃げてしまうリーク現象を防止することができる。
なお、特許文献2、3のように低速電子線で励起される蛍光体の場合は、チャージアップ現象(蛍光体表面に電子が帯電すると電子線が加速されなくなり発光強度が低下する現象)が起こらないよう蛍光体の表面に導電性を持たせて電流をリークさせることが目的であるため蛍光体の最外層に絶縁層を形成することはない。
絶縁層としてアルミニウムの酸化物、窒化物及び酸窒化物のいずれか、又はケイ素の酸化物を用いると好ましい。これらの材料は耐湿性が高いために、耐湿コーティング層としても機能するので蛍光体の寿命を延ばす効果がある。絶縁層の厚さは、蛍光体表面に被覆した透明導電相が完全に覆われる程度の厚さがあればよく20〜300nm程度である。300nmを越えると、材質によっては発光強度が低下する場合がある。
透明導電相としては、一般的なインジウム・スズ系酸化物(ITO)を使用することができる。さらに好ましくは紫外線に対して透明性の高いZn1−xO(式中、RはIIA族元素を表し、xは0≦x≦0.5を満たす。)を用いることがよい。この材料は、ZnO又はZnOにIIA族元素が固溶した混晶材料である。ZnOは導電性が高く、透明導電膜として有望な材料であり、ZnOとバンドギャップが大きいIIA族元素の酸化物との混晶にすることにより、導電性を損なわずに、より短波長の紫外線も十分に透過できる材料とすることができる。IIA族元素の中ではバンドギャップの大きいMgが最も好ましい。
透明導電相の比抵抗は10−1Ωcm以下であることが好ましい。このような低い抵抗値は、ZnOやZnMgOにAlをドーピングすることで達成できる。Alの添加量は、これらの酸化物中の金属元素の総和の数at%程度である。Al以外にもGa等の添加により比抵抗を低下させることもできる。
透明導電相の膜は、スパッタ法、レーザアブレージョン等の各種気相法で合成してもいいし、水熱合成法やゾルゲル法でもかまわない。
導電相の形状は、微粒子でも薄膜でもよく、特に形状を問わない。導電相が粒子の場合には、蛍光体表面を覆う導電性粒子の占有面積が、蛍光体の表面積の50%を超えることが好ましい。50%以下では、電界集中箇所が少ないために発光強度が相対的に低くなる。
本発明はあらゆるEL用蛍光体に適用できるが、特に発光効率の高い硫化物蛍光体に適用すると好ましい。さらには、Agのアクセプタ準位が浅く短波長発光しやすいZnS系蛍光体が好ましい。
蛍光体の一般式がZn(1−x)S:Ag,Dであり、Blue−Cu型発光機能を持つ蛍光体である場合には、短波長発光させることができ、好ましい。一般式中、Aは、Be、Mg、Ca、Sr及びBaの群から選ばれる少なくとも1種の2A族元素、Dは、3B族又は7B族元素から選ばれる少なくとも1種を表し、xはx>0を満たす。この蛍光体は、蛍光体の母体を、ZnSを基にバンドギャップの大きいMgSやCaS等の2A族硫化物を混合した混晶母体とし、アクセプタとしてAgを、ドナーとしてClやAl等の3B族又は7B族元素を添加して作製され、Blue−Cu型発光機能を持つ蛍光体であり、ELスペクトルのピーク波長を400nm以下の領域にすることができる。このようなBlue−Cu型発光を持つ蛍光体は、付活剤(アクセプタ)であるAgを共付活剤(ドナー)のモル濃度以上のモル濃度で含有させることにより作製できる。
G−Cu型発光する蛍光体、例えばZnS:Ag、Clでは、AgはZnS結晶格子のZn位置を置換し、ClはS位置を置換する。これに対して、本発明では、ZnS系蛍光体に共付活剤のモル濃度よりも高いモル濃度のAgを添加することで、Zn位置を置換するAgに加えて、新たに電荷補償されないAgをZnSの結晶格子間に導入することができ、Blue−Cu型発光を示す蛍光体が得られる。更に、蛍光体母材をZnSと、BeS、MgS、CaS、SrS及びBaSの中から少なくとも1種選ばれる2A族硫化物との混晶にすることにより結晶格子を拡大させ、より多くのAgが格子間に侵入しやすいようにした。このような混晶蛍光体を用いると、EL発光スペクトルのピーク波長を388nm以下にすることができる。
本発明は、Cuをドーピングした、蛍光体の一般式がZn(1−x)S:Cu,Dであり、Blue−Cu型発光機能を持つ蛍光体の場合にも適用できる。一般式中のAは、Be、Mg、Ca、Sr及びBaの群から選ばれる少なくとも1種の2A族元素、Dは、3B族又は7B族元素から選ばれる少なくとも1種を表し、xはx>0を満たす。Cuをドーピングする場合は、Cu−S系化合物が析出するのでZnS:Cu蛍光体には表面の導電相形成は特に必要ない。ZnS:Cuの場合は、蛍光体内部に多数の双晶が形成され、双晶界面に針状のCuS導電相が形成されるので、わざわざ透明導電粒子を被覆する必要はないが、ZnMgSやZnCaS等のように、結晶構造が全温度域に亘って六方晶である蛍光体に対しては有効な方法となる。これは、これらの混晶蛍光体が、成長双晶が生成しにくく、また転移双晶が生成しないために、ZnSと同じ通常の焼成では低輝度でしかEL発光しないためである。本発明を用いることで高輝度でEL発光させることができるし、また、ZnMgS:Cuの場合は、ピーク波長がAg系よりも長いので、その波長が欲しい時に有効となる。また、このような混晶蛍光体を用いると、EL発光スペクトルの一部を400nm以下の波長域にすることができる。
上記したZn(1−x)S:Ag又はCu,D(式中のAは、Be、Mg、Ca、Sr及びBaの群から選ばれる少なくとも1種の2A族元素、Dは、3B族又は7B族元素から選ばれる少なくとも1種を表し、xはx>0を満たす)蛍光体の結晶系は六方晶であるが、c面が優先的に成長した蛍光体を用い、このc面上にZn1−xO導電相を形成することが好ましい。
この理由を以下に説明する。例えば、Zn1−xMgO粉末は結晶系が六方晶であるが、Mgの固溶限界はxが約0.04までであり、これを超えると固溶しきれないMgが、導電性のない立方晶MgOとして析出する。従って、熱力学的には導電性のあるZn1−xMgOは、xが0.04までの組成までしか得ることができない。
しかし、気相法や水熱法で成長させた場合は、熱力学的非平衡状態になる場合が多く、その場合はxが0.2〜0.4まで六方晶を維持する場合がある。しかし、六方晶基板のc面上に成長させた場合は、xが0.4を超えても六方晶を維持したZn1−xMgOにすることができる。上記したZn1−xMgS系蛍光体は六方晶であるので、そのc面を優先的に成長させて、c面上に導電相を成長させることにより、より短波長の紫外線を透過できる導電相とすることができる。
本発明の蛍光体は、蛍光体内部に導電相が無い場合でも効率よくEL発光する蛍光体であり、特にAgをドーピングした、本来はEL発光しない蛍光体であってもEL発光させることが可能となる。蛍光体の母体を選択することにより、短波長可視光や紫外線をEL発光できる。
以下に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
(蛍光体の作製方法)
(1)原料
蛍光体母体:平均粒径0.5μmのZnS、MgS、CaS、BaS、SrS、BeS
付活剤:平均粒径0.5μmのAgS粉末
共付活剤:平均粒径20μmのKCl粉末
(2)混合
原料粉末を所定のドーピング組成になるようエタノール中に分散させ、更に超音波振動を印加して3時間混合を行った。その後、乾燥アルゴンを流入させたエバポレータを用い、各種溶媒を揮発させ原料混合物の乾燥を行った。各試料における具体的な組成や組成比は、後掲の表1中蛍光体の欄に記載した。
(3)焼成
回収した原料混合物は、20×200×20mm(高さ)の蓋付きの石英るつぼに投入した。次いで、管状炉を用い、1気圧の10%HS−Hガス中、1050℃で8時間焼成を行った後、炉内で室温まで自然冷却した。
(導電性粒子の被覆)
ZnOとRO(RはMg、Ca、Sr、Ba、Beのいずれか)、及びAl粉末を各種組成で作製したZn1−xMgO成形体を1000℃、大気中で焼成してターゲットとした。Alの量は、ZnとR原子のモル量の総和に対して、2.5mol%とした。各試料において使用したR原子の種類や組成は、後掲の表1中導電相種及び導電相組成の欄に記載した。
ターゲットにエキシマレーザを照射して、ターゲットに対向した蛍光体粉末にコーティングした。蛍光体は回転ドラム内に設置し、ドラムを回転させることで均一にコーティングできるようにしておいた。コーティングの占有面積は、ドラムの回転速度で調整した。
比較として、下記の導電性粒子のコーティングを行った。
Cu(OCl又はAg(OClを純水に溶解して0.1mol%の水溶液Aとした。NaSを純粋に溶解して0.1mol%の水溶液Bとした。蛍光体を100cmの水溶液Aに浸漬し超音波混合を5分行った後、100cmの水溶液Bを加えて20〜30分放置した。その後濾紙で濾過して蛍光体を回収した。蛍光体への導電性粒子の付着量は放置時間を調整して行った。
導電性粒子の粒径と占有率はTEMで観察して決定した。生成相はXRDで同定した。別に用意したガラス基板に同じ条件で導電性粒子をコーティングし、この比抵抗を測定することで、各試料の導電相の比抵抗値とした。
(絶縁層の被覆)
シリカまたはアルミニウムのアルコキシドを原料として、ゾルゲル法により、シリカ、又はアルミナを各種条件で被覆した。膜厚はTEMで確認した。
(発光波長の評価方法)
50×50×1mmの石英ガラス基板に、40×40×50μm深さの凹加工を施した後、アルミニウムを0.1μm厚さ蒸着して裏面電極とした。蛍光体をひまし油に、35vol%の体積分率で超音波混合してスラリーにし、これを凹部に流し込んだ。最後に、厚さ0.1μmの透明導電膜(表面電極)がコーティングされた50×50×1mmの石英ガラス基板で蓋をしてELデバイスとした。
両電極にリード線を取り付け、電圧500V、周波数3000Hzの交流電圧を印加した。発光スペクトルはフォトニックアナライザを用い、同じ感度で測定した。一部の試料(表1中No.3〜5の組、8〜15と17〜20の組)に関して発光強度の比較を行った。得られた発光スペクトルのピーク波長の強度を相対比較した。発光寿命は輝度が半減するまでの時間を最長100hrまで測定した。
結果を下記表1に示す。なお、表1中*印をつけた試料は比較例である。試料No.1及び7は導電相を有しておらず、No.2及び16は導電相の占有面積が1〜95%の範囲になく、No.17及び18は導電相が透明ではない。
Figure 2007045926
表1に示した結果から、以下のことが明らかになった。
導電相がないとEL発光は生じなかった。(No.1、7)導電相の占有率が1%より小さいとEL発光しなかった。(No.2)。導電相の占有率が小さいと、絶縁層を形成しなくても寿命は長かった(No.3、4)
導電相があっても絶縁層がないと寿命が短いことが分かった(No.5)。
短波長発光する場合、導電相がZnOの場合は発光強度が低くなった。これはZnOのバンドギャップが小さく、366nmの紫外線を十分透過できないためと考えられる。(No.8)。導電相をZnMgOにすることで発光強度が増大した(No.9)。しかし、Mgが20mol%を超えると発光強度はやや低下した。この理由は、立方晶MgOが析出して比抵抗が増大したためと考えられる(No.10、11)。しかし、蛍光体として平板状の粉末を用いると、発光強度が増大した(No.12)。この理由は、蛍光体の六方晶のc面が優先的に成長したことにより、c面上に立方晶MgOを含まないZnMgO系導電相が形成され、比抵抗が小さくなったためと考えられる。さらに、導電相の占有率が70〜85%に増大した場合は、さらに発光強度が増大した(No.13、14)。しかし、占有率が95%になると低下した(No.15)。これは、導電相の占有率が高いと電界集中しにくくなるためと考えられる。占有率が100%ではEL発光しなかった。(No.16)
導電相がCuSの場合はEL強度が低かった(No.17、18)。これは、CuSが黒色のため、蛍光体からの発光が遮断されたためと考えられる。
同じ占有率で比較すると、導電相がITOの場合は発光強度が低かった(No.19と20の比較)。これはITOが紫外線を透過しにくいためと考えられる。
Mgの代わりにCa、Sr、Be及びBaを用いても同様にEL発光した(No.21〜24)。

Claims (14)

  1. 蛍光体粉末と該蛍光体粉末表面の一部に形成された透明導電相とからなるEL用蛍光体であって、蛍光体粉末表面を覆う該透明導電相の占有面積が、蛍光体粉末の表面積の1〜95%であることを特徴とするEL用蛍光体。
  2. 上記占有面積が、5〜85%である請求項1に記載のEL用蛍光体。
  3. 上記透明導電相が導電性粒子で構成され、蛍光体粉末表面を覆う該導電性粒子の占有面積が、蛍光体粉末の表面積の50%を超えることを特徴とする請求項1又は2に記載のEL用蛍光体。
  4. 上記蛍光体粉末の最表面に絶縁層が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  5. 上記透明導電相がインジウム・スズ系酸化物(ITO)である請求項1〜4のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  6. 上記透明導電相がZn1−xOで表され、式中RはIIA族元素であり、xは0≦x≦0.5を満たす請求項1〜4のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  7. 上記RがMgである請求項6に記載のEL用蛍光体。
  8. 上記蛍光体粉末が硫化物である請求項1〜7のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  9. 上記蛍光体粉末の一般式がZn(1−x)S:Ag,D又はZn(1−x)S:Cu,Dであり、該一般式中のAは、Be、Mg、Ca、Sr及びBaの群から選ばれる少なくとも1種の2A族元素、Dは、3B族又は7B族元素から選ばれる少なくとも1種を表し、xはx>0を満たし、Blue−Cu型発光機能を持つ蛍光体である請求項1〜8のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  10. 上記蛍光体粉末がc面成長している請求項9に記載のEL用蛍光体。
  11. 上記透明導電相の比抵抗が10−1Ωcm以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  12. 上記絶縁層がアルミニウムの酸化物、窒化物及び酸窒化物のいずれか、又はケイ素の酸化物である請求項4〜11のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  13. EL発光スペクトルのピーク波長が400nm以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載のEL用蛍光体。
  14. EL発光スペクトルのピーク波長が388nm以下である請求項13に記載のEL用蛍光体。
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